■ 鳥栖から名古屋への移籍鳥栖は大手スポンサーが撤退して財政危機に陥っていることが確実視されている。先日、あるメディアが「クラブ存続の危機」と報じて大きな話題になったが新型コロナの影響で中断期間がさらに続くようだとさらに厳しいことになるだろう。竹原社長はJリーグからの融資を受ける代わりに勝ち点10を剥奪される「リーグ戦安定開催融資制度」を活用する考えはないと発言しているがこの社長の発言はあまり信用できない。
クラブの運営資金を作るために保有している選手を売らざる得ない状況になっている。3月27日(金)が最終日となる第1登録期間(ウインドー)までに鳥栖がどんな動きを見せるのか?に注目が集まっていたが、まず、FW金崎の移籍が確定した。2021年1月31日までの期限付き移籍になるがエル・ゴラッソの選手名鑑を見ると今シーズンの推定年俸は1億円。チーム内最高年俸だった選手の放出に成功したことになる。
2018年の夏に鹿島から電撃加入したFW金崎だったが期待に応える働きが出来たとは言い難い。2018年は15試合で3ゴールのみ。2019年は31試合で7ゴール。いくつか大事なところでゴールを決めて「J1残留」に貢献しているが高額な年俸に見合った働きは出来なかった。同じ時期に加入した元・スペイン代表のFWフェルナンド・トーレスとの相性はあまり良くなくてどちらも良さを出せないケースが多かった。
ルヴァン杯の札幌戦(H)は3トップの中央で起用されたがあまり見せ場はなかった。川崎Fとの開幕戦はベンチ外だった。今シーズンの鳥栖は「4-1-2-3」を採用しているがCF系の選手は豊富である。絶対的な存在がいるわけではないがFW豊田がいて、FWチアゴ・アウベスがいて、FWチョ・ドンゴンがいて、FWレンゾ・ロペスがいて、大卒ルーキーのFW林大地もいる。他のポジションと比べると枚数的には過剰だった。
■ 過剰だった鳥栖のフォワード陣もちろん、2トップを採用するのであればこのくらいの枚数は必要になってくるが3トップであれば保有するCFの数が多すぎた。2月に入ってから元・京都のFWレンゾ・ロペスを獲得した補強は余計だったように感じるがいずれにしても推定年俸が1億円と言われるFW金崎をこのタイミングで放出できたのは大きい。(※ 赤字の額は大きいと思われるので「焼け石に水」という可能性は無きにしも非ずであるが・・・。)
当然のことながら、完全移籍で売却できれば一番良かったが、高額年俸のFW金崎を完全移籍で獲得しようとするクラブが出てくることは考えにくい状況だった。FW金崎は2018年の夏に加入しているが「鳥栖に加入した後に延長契約をしていない。」と仮定すると鹿島から獲得した時点で2年半以上の契約を結んでいたことになる。FWフェルナンド・トーレスほどではないがFW金崎の獲得も経営を圧迫したと言える。
鳥栖に移籍してからのパフォーマンスならびに31歳という年齢を考えると(期限付き移籍とは言っても)名古屋が獲得に興味を示したのは意外だった。FWジョーが離脱中で、FW山崎凌も怪我をして出遅れていたので、FW前田直をCFで起用せざる得ない状況だったとは言ってもコストパフォーマンスに見合った活躍が出来ていなかった選手を不況の波が押し寄せている状況で獲得するというのは名古屋ならではである。
こういう世相なので「(鳥栖側が)買い叩かれている可能性」は相当に高い。契約に関する詳細ははっきりしないが「名古屋での年俸分の何割かを鳥栖が負担するという契約になっている可能性」や「レンタル料が相場よりも低くなっている可能性」もある。鳥栖の懐事情が苦しいことは明らかなので名古屋としては強気で交渉することが出来る。名古屋側に有利な条件になっていることは容易に想像できる。
■ 男気を感じるコメント移籍期限となる3月27日(金)までにさらなる鳥栖の選手の移籍があるのか?が目下の注目点になるが移籍に関するFW金崎のコメントには男気を感じた。「社長を含め皆さんが僕の気持ちに対して応えてくれた。最後までわがままを言ったが気持ちを尊重してくれた」と移籍を容認したクラブへ感謝の気持ちを口にしており、「クラブの細かいことは分からない。新たなチャレンジをしたかったから」ともコメントしている。
鳥栖の置かれた状況を考えると「名古屋からオファーが来たのでFW金崎がクラブに無理を行って移籍を決断した。」というのは考えにくい。クラブ存続のためには高額年俸のFW金崎はどうにかして売りたい選手だった。「このタイミングで鳥栖を離れるつもりはなかったのに・・・。」という可能性は少なからずあると思うが「自分のわがままだった。」と発言してクラブ側が批判されるような流れは作らなかった。
新型コロナの影響でJリーグは降格制度がなくなったがFW金崎のような高額年俸の選手にとっては大変な状況になっている。タイトルやACL出場や昇格を狙うクラブは別としてどのクラブも若手を積極的に起用するシーズンになるだろう。戦力外に近い扱いになるベテランが増えると思われるが「苦しい状況に追い込まれたベテラン選手が意地を見せられるのか?」も今シーズンのJリーグの注目ポイントになる。
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