■ 連勝チーム対決鹿島スタジアムで行われた鹿島アントラーズと横浜Fマリノスの対戦。ともに開幕2連勝を果たした好調のチームである。
ホームの鹿島は<4-4-2>。GK曽ヶ端。DF内田・大岩・岩政・新井場。MF青木・小笠原・本山・野沢。FWマルキーニョスと田代。現時点のベストメンバーが先発で出場。
対するアウェーの横浜FMは<3-5-2>。GK榎本哲。DF栗原・中澤・田中裕。MF田中隼・松田・ロペス・山瀬功・小宮山。FWロニー・大島。FW坂田はベンチスタート。
■ ダニーロの決勝弾試合は五分五分の展開。両チームが中盤で激しくプレッシャーをかけ合って相手に自由を与えない。そんな中で、先制したのは鹿島。前半33分にMF小笠原のヒールパスからFWマルキーニョスがミドルシュートが決めて先制する。
後半に入ると、鹿島の守備陣が横浜FMのFWロニーとMFロペスを徹底的につぶしにかかって、横浜FMの攻め手を封じるが、一瞬の隙を突かれMF小宮山に同点ゴールを許す。MF小宮山は開幕戦の浦和戦に続く、シーズンで2ゴール目。
しかし、後半40分に途中出場のMFダニーロが得意の左足で勝ち越しゴールを奪い、鹿島が2対1で勝利。鹿島は開幕3連勝。昨シーズンから続くリーグ戦の連勝を12に伸ばした。
■ 切り札のダニーロ鹿島は好調を維持するMFダニーロのゴールで勝ち越しに成功した。その少し前の時間帯に、MF小笠原がPKを失敗し、さらにMF山瀬功のミドルシュートにゴールを脅かされるなど、楽な戦いではなかったが、持ち前の勝負強さを発揮した。
ヒーローのMFダニーロは、意外にもリーグ戦は初ゴール。昨シーズンは判断が遅く、持ちすぎてチームのリズムを壊すプレーが多かったが、今シーズンは意識改善が進んでいて、日本のサッカーに慣れてきている。もともとサンパウロの10番ということで実力は十分であったはずだが、日本の環境に慣れるのに時間がかかってしまったといえる。ただ、ブラジルで実績のある選手にもかかわらず、ベンチ暮らしが続いていても不平をいうことなく、プロフェッショナルに徹していた姿勢が実を結んでいる。
186cmの体格でキープ力もあって、プレーのリズムがほかの選手とは違っていることが、相手が対応しにくい要因となっているのだろう。ここ最近はMF野沢と交代でピッチに入ることが多いが、MF野沢に代わってスタメンに抜擢されても、しっかりと結果を残すだろう。
MFダニーロで思い出されるのが、ACL第2節のナムディン戦(ベトナム)で途中出場でゴールを決めたときに、派手にガッツポーズをしていたシーンである。すでに大量リードという展開で、勝負の行方は決していたが、そんな時間帯に彼ほどの実績のある選手が、相当にモチベーション高くプレーできている点に驚きを覚えた。それだけ、チーム内で激しい競争が行われている証拠であり、まだ正常にチーム作りが行われている証である。
■ あと一歩・・・一方の横浜FMは悪くなかった。試合終盤までほぼ互角の展開であり、勝ち点3を獲得できるチャンスもあった。アウェーの鹿島スタジアムということもあって引き分けでもよかったが、守り切ることはしなかった。その戦いは間違いではないが、鹿島相手に勝ち点1でもチーム内に大きな自信が芽生えたはずであり、勝負に徹しても良かった。
攻撃では、前半はFWロニーとFWロペスが効果的にボールに絡んでチャンスメークしたが、試合が進むにつれて存在感を失っていった。新戦力であるFWロニーとMFロペスは比較的、うまくチームに溶け込めているが、アタッキングエリアで怖さを発揮するには至っていない。ボール回しのときには光るプレーを見せているだけに、もっとゴール前に顔を出してフィニッシュに絡んでいかなければならない。
現状では、どうしてもMF山瀬功の突破に頼るシーンが目立ち、山瀬功が止められると、得点力が大幅に低下する。上位に食い込むには、バリエーション豊かな攻撃を仕掛けなければならない。
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