■ J2屈指の巨大戦力になった長崎J2の各クラブのオフの補強もひと段落となった。新シーズンに向けて全体練習が始まったクラブもたくさんあるが最大の勝ち組は長崎だろう。J2の屈指の右SBに成長したDF毎熊(→C大阪)は流出したが実績のあるDF奥井(清水)とDF高橋峻(柏)を獲得してカバー。北九州時代はCBで起用されたDF村松航(北九州)を右SBで起用する手もある。左右のSBをこなすDF米田もいることを考えるとその穴は何とか埋まるだろう。
DF毎熊以外では32試合に出場したDF新里亮(→大宮)も流出したがトレードのような形でDF櫛引(大宮)を獲得した。高さや強さではDF新里亮に軍配が上がるがDF櫛引はSBでもプレー可能。経験値を持ったCBなので同じく大きな穴にはならないだろう。2人以外では元・日本代表のFW玉田が現役を引退したがJ1への個人昇格が考えられたMFカイオ・セザール、FWエジガル・ジュニオ、DF江川湧などは残留した。
さらに秋以降に爆発して19試合で10ゴールを挙げた20歳のFW植中も残留した。MF秋野やDF加藤聖なども残留した上でMFクリスティアーノ(柏)、MF奥田晃(水戸)、GK笠原(水戸)などを獲得。すでに名前を挙げた3人のディフェンダーも獲得したので「素晴らしい補強が出来た。」と言える。中でも注目が集まるのはMFクリスティアーノになる。J1でも屈指のアタッカーだったがJ2でどのくらい活躍するか?は興味深い。
外国人はFWイバルボもいるのでとにかく強力である。日本人選手も粒揃いで、かつ、DF江川湧やFW植中やMF鍬先など伸びしろのある選手がたくさんいるのでJ2では頭半分ほど抜け出すほどの巨大戦力になった。実績のあるFW都倉もいるので「どこが長崎を止めるのか?」が2022年のJ2の大きな注目点になる。そこまで注目されていないが水戸のテクニシャンのMF奥田晃を獲得できたのも相当に大きいと言える。
■ 目下の注目はFWヴィニシウス・アラウージョ山形も補強に成功した。山形と長崎は共通点が多くて昨シーズンの途中に監督が交代して盛り返した点も同じになる。こちらはMF中原輝(→C大阪)が流出して出場機会が減っていた長身CBのDF熊本(→福岡)も流出したが期限付き移籍だったMF山田康を完全移籍で獲得した。これはサプライズだった。FW藤本佳(愛媛FC)、MF小西(徳島)、DF川井(山口)、MF新垣(北九州)なども獲得して戦力は相当にアップした。
目下の注目はFWヴィニシウス・アラウージョの去就になる。2年連続で14ゴールを挙げた点取り屋に関しては磐田移籍の噂が流れている。ただ、12月22日(水)に「磐田が獲得に乗り出した。」と報じられた後、続報はなし。決裂した or そもそもガセだった可能性もあるが絶対的なエースなので流出となると大きなマイナスとなる。1月10日(月)に発表された「(山形の)トップチームの選手一覧」には記載がなかった。
J2の移籍市場で大きな話題になった岡山だろう。MF上門(→C大阪)、DF井上黎(→京都)、MF白井永(→徳島)、MFパウリーニョ(→松本山雅)が抜けたのでマイナスも決して小さくはないがDFヨルディ・バイス(京都)、DF柳育崇(栃木SC)、FWチアゴ・アウベス(G大阪)、MF河井(清水)などを獲得した。中でも注目が集まるのはDFヨルディ・バイスとDF柳育崇のCBコンビになる。CBコンビの得点力はJリーグ屈指である。
2人の加入によってセットプレーが大きな武器になると思うので弱点だった得点力不足の解消にも大きく貢献すると思われる。カギを握るのはMFチアゴ・アウベスだろう。鳥栖でもG大阪でも力を出し切れなかったがどちらかと言うとセルフィッシュな選手なので鳥栖やG大阪と比べるとはるかに自由にプレーできる(だろう)岡山で持ち味を発揮する可能性はある。彼が爆発するようだと初のJ1昇格が見えてくる。
■ 今オフも相当に出入りの激しいオフ町田も効果的な補強を行った。期限付き移籍のMF吉尾(→横浜FM)の引き止めには成功しなかったがGKポープ・ウィリアム(大分)、DF翁長(大宮)、FW山口一(松本山雅)を獲得した。MF平戸、MF佐野海、MF太田修など主力のほとんどが残留した上でやや手薄だったポジションを的確に補強した。GK福井のいるキーパーはグレードアップしたいポジションだったのでGKポープ・ウィリアムを獲得できたのは大きい。
水戸は今オフも相当に出入りの激しいオフになった。GK牲川(→浦和)、MF奥田晃(→長崎)、MF松崎快(→浦和)、FW中山仁(→仙台)、FW藤尾(→徳島)が抜けた穴は当然のことながら大きいがそれでも例年とは違ってある程度以上のレベルでリカバーに成功した。FW梅田魁(宮崎)、GK山口(レクレアティボ・ウエルバ)、MF土肥(広島)、MF音泉(富山)、FW唐山(愛媛FC)、MF高井(山口)などを獲得。大型補強に成功した。
マイナスの幅も大きいがDF楠本(山口)やMF前田椋(宮崎)やFW木下(浦和)なども獲得していることを考えると「戦力収支はややプラス」と言える。夏の移籍市場を含めて水戸は「主力の流出に苦しんでその穴を埋めきる補強はできなかった。」というケースが多かったことを考えるとややプラスでも水戸にとっては十分である。前評判の低かった選手が活躍するケースは多いチームである。育成力や発掘力には定評がある。
千葉と新潟はともに主力の流出がほぼ無い上で数名の即戦力 or 有望株を獲得できたので「十分に満足できる補強ができた。」と言える。中でも大きいのはJ1のクラブへの個人昇格が考えられたMF見木友(千葉)とFW谷口海(新潟)が残留したことになる。ともに今オフのJ2の移籍市場の目玉だったが早い段階で契約更新が発表された。J1のクラブからたくさんオファーは届いたと思うが残留という決断を下した。
■ 降格した4チームの明暗はくっきりJ1から降格した4チームの明暗はくっきりと分かれた。天皇杯で準優勝に輝いた大分は主力のほとんどが残留した。レンタルだったDFエンリケ・トレヴィザン(→FC東京)は退団したが主力級の選手はほとんどがチームに残った。ただ、補強も現時点ではMF中川寛(京都)とDF伊東幸(千葉)くらい。ほとんど進んでいない。FWサミュエル(ヴィトーリア)の獲得が噂されているが彼が2022年の大分のキーマンになりそうだ。
横浜FCと仙台は似たような流れでストーブリーグを過ごした。ともに移籍市場の序盤戦は主力の流出話が中心となったが主力を売却したことで得た移籍金を元に巻き返しに成功した。仙台もFW中山仁(水戸)やMF遠藤康(鹿島)を獲得するなど「終わってみるとまずまずの補強が出来た。」といえるが横浜FCはそれ以上。強力な助っ人たちの多くが残留した上でFW小川航(磐田)やMF山下諒(東京V)などを獲得した。
MF上門やDF井上黎を売却した岡山、DF毎熊を売却した長崎にも同じようなことが言えるが仮に有望株や主力が流出したとしてもその時にしっかりと移籍金を獲得できているのであれば十分にリカバーは可能である。仙台はDFアピアタウィア・久、横浜FCはMF松尾やMF瀬古樹を売却したときに相当な額の移籍金を得ていると思うが今オフのストーブリーグのキーワードは「J2の選手」と「移籍金」の2つになる。
怒涛の巻き返しを見せた横浜FCはかなりの巨大戦力になったが他クラブへの移籍も噂されたGKブローダーセンやFWサウロ・ミネイロなどが残留したのはサプライズだった。MF瀬古樹、MF松尾、DF袴田といった大卒で横浜FCに入団した生え抜きの選手が流出したのは残念だったがDF亀川(長崎)、MF和田拓(横浜FM)、DF中村拓(FC東京)なども獲得したので各ポジションにJ2では屈指の選手を揃えている。
投票 ・【J1】 今オフの補強で「特にいい補強だ。」と思うのはどれですか? (日本人編) → 543票
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順位予想バトル (2022年) ・・・ 受付期間 : 2022年1月7日(金)~2月18日(木) ・順位予想 J1編 (投稿用フォーム) → https://bit.ly/3t4gcW5
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