■ J3の第20節約1か月、中断していたJ3リーグのリーグ戦が本格的に再開した。8勝7敗3分け勝ち点「27」。5位と上位争いに参加しているガイナーレ鳥取はホームのとりぎんバードスタジアムでアスルクラロ沼津と対戦した。昇格2年目の沼津は9勝3敗5分けで勝ち点「32」。2位と自動昇格圏に位置する。両チームの勝ち点差は「5」。J2復帰を目指すホームの鳥取にとっては是が非でも勝ちたい上位対決となった。
ホームの鳥取は「3-4-2-1」。GK井上。DF西山雄、甲斐、井上黎。MF可児、星野、小林智、魚里、加藤潤、フェルナンジーニョ。FWレオナルド。夏の移籍市場で獲得したDF西山雄(Y.S.C.C.横浜)とMF魚里(C大阪)がいきなり先発起用された。もう1人の新戦力のMF仙石(栃木SC)はベンチスタートになった。得点源のFWレオナルドは17試合で11ゴール。37才のMFフェルナンジーニョは17試合で5ゴールを挙げている。
対するアウェイの沼津は「4-2-2-2」。GK牲川。DF尾崎、徳武、藤嵜、砂森。MF谷口智、普光院、太田一、富田。FW青木翔、畑。こちらは昇格2年目となる今シーズンも好成績を残しているので夏の移籍市場は全く動きがなかった。J1の長崎から期限付き移籍中のFW畑は16試合で6ゴールを挙げている。怪我の影響で開幕から欠場が続いていた大黒柱のDF尾崎は今シーズン5試合目の出場となる。
■ 2対2のドローでともに勝ち点「1」を獲得試合は前半6分に左サイドから仕掛けて中央に切れ込んでから右足でシュートを放ったFW畑のゴールが決まってアウェイの沼津が先制に成功する。チーム内得点王のFW畑は今シーズン7ゴール目となった。1点を追う鳥取は前半30分に波状攻撃を仕掛けると最後は右ストッパーのDF西山雄がミドルシュートを決めて1対1の同点に追いついた。新加入のCBのDF西山雄は新天地でのデビュー戦でゴールを決めた。
さらに前半37分には自慢のトライアングルの絡みから決定機を作る。MF加藤潤のパスを受けたFWレオナルドが左サイドからシュートを放つとキーパーに当たって真上に上がったボールを161センチのMFフェルナンジーニョが頭で押し込んで鳥取が2対1と逆転に成功する。37才のMFフェルナンジーニョは今シーズン6ゴール目となった。前半は2対1とホームの鳥取がリードしてハーフタイムに突入する。
前半6分に先制した後はほとんどチャンスを作れなかった沼津だったが後半の半ばあたりを過ぎると相手を押し込むようになった。後半28分にFW畑に代えてMF染矢を投入すると直後のプレーで左SBのDF砂森が左サイドを突破。中央でフリーになっていた165センチのMF染矢がヘディングシュートを決めて2対2の同点に追いついた。MF染矢は今シーズン初ゴールとなった。試合は痛み分けのドローに終わった。
■ 大きな補強になりそうな新戦力のMF魚里直哉いきなり2位の沼津と5位の鳥取という上位対決になったが白熱した展開になった。早々に先制ゴールを許した鳥取だったがトライアングルを中心に反撃を開始。前半37分に生まれた逆転ゴールは3人がいい距離感で絡んだ鳥取らしいゴールとなった。後半10分にはMF可児、後半49分にはDF井上黎が決定機を迎えるなどゴール前のチャンスは鳥取の方がかなり多かった。鳥取にとっては勿体ないドローと言える。
37才のMFフェルナンジーニョは2年ぶりに鳥取に復帰してきたが年齢的な衰えを感じさせないプレーを見せている。中断前までのラストパスの本数はJ3で最多。キレと運動量は37才になった今も相手の脅威になっている。G大阪や清水などで活躍したが息の長い選手である。同じブラジル人のFWレオナルドともいい関係を築いており、2017年は最下位だった鳥取の躍進の立役者の1人に挙げられる。
鳥取は今夏にMF仙石(栃木SC)とMF魚里(C大阪)とDF西山雄(Y.S.C.C.横浜)を獲得。派手さはないが効果的な補強が出来たクラブの1つに挙げられたがDF西山雄がいきなりゴールをゲット。ボランチのMF仙石は途中出場だったが持ち味である正確なつなぎで存在感を発揮。左WBで起用されたMF魚里はスタメンフル出場。前半30分のDF西山雄の同点ゴールは左サイドのMF魚里のクロスがきっかけになった。
MF魚里はC大阪U-23でプレーしていた選手なのでJ3での戦いに慣れているが大きな戦力になる可能性が高い。得点力は高くないがスピードがあって運動量が豊富。縦への推進力があるのは大きな武器である。DF尾崎とマッチアップする機会が多かったがMF魚里が優勢だった。サイドでボールを持って縦に持ち運ぶことができる選手がいると攻撃の厚みが増す。鳥取は不足していた箇所を的確に補強できた。
沼津は17試合でわずか9失点のみという堅い守備が持ち味だったがこの日は2失点。特に前半はバリエーションが豊富な鳥取の攻撃に翻弄される場面が少なくなかったが後半になると持ち直した。殊勲の同点ゴールを決めたのはMF染矢だったが左SBのDF砂森がいいクロスを上げた。J2の讃岐では怪我の影響もあってほとんど活躍できなかったが高精度の左足を持ったハイレベルな左SBである。J3屈指の左SBと言える。
2018/08/19 【J3】 夏の補強に成功したのかどこだろうか?~勝ち組は鹿児島ユナイテッド&ガイナーレ鳥取~
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