■ 残留圏ギリギリの15位ヴィッセル神戸は20節を終えた時点で6勝11敗3分けで勝ち点「21」。15位と残留圏ギリギリに位置する。今のフィンク監督が3人目の監督になるがフィンク監督になってからは6試合で2勝3敗1分けとなる。最初の3試合は2勝1分けだったがここに来て3連敗中。元スペイン代表のFWダビド・ビジャのゴールで先制ゴールを奪いながら後半の半ば以降に3連続失点して1対3で敗れた19節の湘南戦(A)の逆転負けは痛かった。
20試合で30得点/36失点なので「失点の多さ」が目立つ。守備的なポジションを中心に今夏の神戸がどんな動きを見せるのか?は注目点だったがGK飯倉(横浜FM)とDFジョアン・オマリ(アル・ナスル)に続いてDFフェルマーレン(バルセロナ)の加入が確定した。33歳のベテランのDFフェルマーレンはベルギー代表として74試合に出場している経験豊富な選手である。またしてもバルセロナからの選手獲得になった。
一方、夏の期間中に退団が決まったのはGKキム・スンギュ(→蔚山現代)とMF三田(→FC東京)とMF三原雅(→柏)の3人になる。3人とも今シーズンは出場機会が減っており、GKキム・スンギュとMF三田は古巣への復帰となった。他には元日本代表のDF酒井高の獲得にも乗り出しているが今夏もたくさんのお金をかけて選手を補強している。残留争いに巻き込まれているので「残留争いから抜け出すこと」が目標になる。
■ 8人の外国人選手を抱える大所帯近年、MFイニエスタやFWダビド・ビジャやFWフェルナンド・トーレスなど世界的な大物のJリーグ進出が続いているので感覚がマヒしているところもあるがベルギー代表として74試合に出場しているDFフェルマーレンもかなりの大物である。ベルギー出身でありながら早くにアヤックスの下部組織に入団してその後はアーセナルで長きに渡って主力として活躍。バルセロナに移籍した後は怪我に苦しんでいる。
加入が噂された段階から注目を集めたのは「登録名」だった。『Vermaelen』という名前になるが、日本でカタカナ表記をしたとき「フェルメーレン」、「ヴェルマーレン」、「ヴェルメーレン」とも書かれている。wikipediaを見ると『ベルギーでの呼び名はヴェルマーレンが最も近い。』と書かれているが、Jリーグでの登録名は「フェルマーレン」で確定。彼の名前をめぐる論争もこれでひとまず終結となった。
救世主になることが期待されるがDFフェルマーレンの加入で神戸の外国人選手は8人となった。書き出すと以下のようになる。
・MFイニエスタ
・FWダビド・ビジャ
・FWウェリントン
・DFダンクレー
・DFフェルマーレン
・DFジョアン・オマリ
・FWポドルスキ
・MFセルジ・サンペール
この中で提携枠になる選手はゼロ。この8人で「5枠」を争うことになるが、普通に考えるとMFイニエスタ、FWダビド・ビジャ、FWウェリントン、DFダンクレーは外せない。となると、DFフェルマーレン、DFジョアン・オマリ、FWポドルスキ、MFセルジ・サンペールの4人で「1枠」を争うことになるが、FWポドルスキは「真珠腫性中耳炎の手術」の影響でドイツに帰国中。再来日の目途すら立っていない状況である。
過去2年間の神戸の戦いを振り返ると何だかんだでFWポドルスキが爆発したときに神戸が勝ち点「3」を獲得するケースが多かった。1人で試合を決めることが出来るスペシャルな選手であることは明らかなので彼の復帰を期待している人は少なくないと思うが復帰の見通しすら立っていない。外国人枠の問題がシビアになっていることを考えると「神戸でプレーしている姿はもう見ることができない。」という可能性もある。
■ ゲームの世界でも不満は高まる。これだけのスター外国人を抱えていると起用法は難しくなる。今シーズンのGKキム・スンギュが精彩を欠く試合が多かったのも「外国人枠の問題で起用法が安定しなかったこと」が最大の理由だと思うが、昨今はゲームの世界ですら、思うように出場機会を得られないと選手が不満を溜めて爆発してチーム内の雰囲気が悪くなってしまうように設定されている。現実世界だとなおさらマネージメントは難しくなる。
「DFフェルマーレンを獲得するのであれば似たタイプのDFジョアン・オマリは必要なかったのでは?」と思ってしまうがDFジョアン・オマリとDFフェルマーレンを両方獲得するところは近年の神戸っぽい。高齢のMFイニエスタやFWダビド・ビジャなどは休み休み使うとコンディション調整はしやすくなると思うが「1枠空いたので今回はDFジョアン・オマリを使おう。」という風な起用法になるとチームは安定しない。
「後ろの顔ぶれは固めて前目のポジションの選手を試合ごとに入れ替える。」というのが最もベターな方法だと思うが影響力の強い選手を使ったり使わなかったりすると同じくチームは落ち着かない。「優秀な外国人選手をたくさん獲得して彼らにも競争してもらう。」というやり方は1つの理想だと思うが監督によほどの求心力がないと上手くいかないだろう。自らチーム作りの難易度を高める補強になっていると感じる。
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