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2024年7月31日 (水)

バイデンとハリスはイスラエルを憎んでいるというエセ非難、トランプはロシアを愛しているというエセ非難



 実際は、民主党と共和党両党はイスラエルを支援し、ロシアを転覆させ、ワシントンにおける他の全主要外交政策問題に関し、多かれ少なかれ足並みを揃えているのだ。

ケイトリン・ジョンストン

2024年7月29日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。



 今日のアメリカ政治の最も愚かな点の一つは、両党が外交政策に関して意味のある意見の相違があるという幻想を作り出すため、実際には存在しない外交政策の立場を主張し、常に相手を攻撃することだ。

 イスラエルによるガザでの大量虐殺をバイデンとハリスが無条件に支持し続けているにもかかわらず、イスラエルを支持しないという漫画のようにばかげた主張で、ドナルド・トランプは選挙運動をしているが、これは、トランプがロシアに対する冷戦侵略を強化しているにもかかわらず、トランプはクレムリン秘密工作員だと何年も民主党が偽りの主張をしてきたやり方と全く同じだ。連中は、アメリカ政府の敵と同盟国に関するこれら完全に架空の意見の相違で選挙運動を行う必要があるのだ。なぜなら、連中はアメリカ政府の敵と同盟国に関する本当の意見の相違を、実際持っていないためだ。

 金曜日、フロリダでの演説で、先日議会でベンヤミン・ネタニヤフ首相が行った大量虐殺の弁明演説を新たな対立候補カマラ・ハリスが無視して「イスラエルを裏切った」とトランプは主張した。ハリスと自分を比較し、エルサレムをイスラエルの首都と認めたり、不法に占領されているゴラン高原に対するイスラエルの主権を認めたりするなどの措置で「イスラエルのため、他のどの大統領よりも多くのことをしてきた」と述べた。


 ハリスについて「彼女はユダヤ人が好きではない。イスラエルが好きではない」とトランプは語ったが、ハリスは(A)ユダヤ人男性と結婚しており(B)イスラエル・ロビーにへつらう立派な実績があり(C)ネタニヤフ首相の演説に抗議したジェノサイド反対デモ参加者を反ユダヤ主義テロリスト支持者と非難する不快な声明を発表したのだ。

 これは、ジョー・バイデン大統領が10月7日以来、イスラエルによるガザでの大量虐殺に対する外国の報復を抑制するため、イエメンやイラクやシリアに爆撃をしているイスラエルに何万もの爆弾や何千ものミサイルを供給し、この間終始イスラエルに無制限の外交と広報上の擁護をしてきたにもかかわらず、トランプ大統領と共和党がジョー・バイデン大統領が「イスラエルを見捨てた」と不合理な主張を続けてきた手法の延長だ。

 自称シオニストのジョー・バイデンは、実際ガザに赴いて医療従事者を狙撃銃で直接撃たない限り、イスラエルとその政策をこれ以上支持することはできないだろう。

 先週木曜日バイデンと会談した際「誇り高きイスラエル人シオニストから誇り高きアイルランド系アメリカ人シオニストへ、50年間の公務と50年間のイスラエル国家への支援に感謝したい」とネタニヤフ首相は彼に語った。ネタニヤフ首相とバイデン、ハリスとの会談に先立ち、イスラエルに対する立場について「大統領と副大統領の間に隔たりはない」と政府高官は報道陣に語った。

 これを、バイデンとハリスが邪悪な反ユダヤ主義のイスラエル憎悪者だとするトランプの言説と一致させる方法は皆無だ。しかし、いずれにせよ、共和党がこれらの主張をやめることはない。神のご加護がありますよう。



 これは秘密裏にウラジミール・プーチンのためにトランプが働いていると民主党と同盟メディアが何年も叫んでいたものとほとんど同じだ。この主張を否定する最も強力な証拠は、トランプが、ウクライナの軍事化、核条約破棄、ロシアに対して次々に続く制裁実施、シリアへの爆撃と占領、ロシアのエネルギー権益の弱体化など、任期中、終始積極的にモスクワの利益に反する活動してきた異常なタカ派冷戦戦士であることだ。

 それは現実から完全に乖離した言説で、機械的反復と、権威ありそうに聞こえる主張によってのみ支えられていた。だからこそ、2019年の捜査の結論、ロシアと共謀したかどで、ミュラー特別検察官がアメリカ人を一人も起訴できなかった時、トランプの実際の行動に実際に注目していた人々は誰も驚かなかったのだ。

 実際は、イスラエル支援や、ロシア転覆や、ワシントンにおける他の主要外交政策問題に関して、民主党も共和党も多かれ少なかれ足並みを揃えているのだ。だが「私に投票してください。私は対立候補と全く同じです」という選挙運動をするわけには行かないので、民主党はパレスチナを川から海まで解放しようとしており、共和党はホワイトハウスをモスクワ傀儡政権に変えようとしているという空想世界を作り上げる必要があるのだ。

 アメリカ帝国の運営方法に関して、お互いが違うふりをするのを両党がやめれば、自国政府が世界舞台でどう動くか、どう振る舞うかを自分たちが制御できると思わせるために仕組まれた詐欺の犠牲者になっていることに、アメリカ国民は気づき始めるはずなのだ。ジョン・スタインベックの小説『真珠』で、競争している錯覚を作り出すために、同じ雇用主の下で働く宝石商連中のように、国の本当の権力が国民の投票と全く無関係なことを国民に気づかせないよう、共和党と民主党はエセ芝居を演じているのだ。

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<記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/07/29/falsely-accusing-biden-and-harris-of-hating-israel-falsely-accusing-trump-of-loving-russia/ ----------

 Judging Freedom

AMB - Alastair Crooke: Will there be war in Lebanon? 32:27


 植草一秀の『知られざる真実』

日本経済低迷と株価乱高下

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■はじめに~医学誌『ランセット』が「イスラエルの攻撃によって、直接的、間接的にガザ地区で死亡したパレスチナ民間人の総数」は、ガザ保健省が発表した死者数のほぼ5倍、「18万6000人、あるいはそれ以上」と、衝撃的なデータを発表! 死者数を数えている唯一の機関であるガザ保健省を、「イスラエルのジェノサイドの証拠保全と戦後復興にも極めて重要」と評価! 逆にそのガザ保健省発表の死者数を「捏造」などと貶めるイスラエル当局や親イスラエルのメディアに対しては「データは裏付けられている」と反論!

■IWJ第14期最後の1ヶ月も、残り2日となりました! 先週緊急入院していた岩上安身は、26日に退院しましたが、翌日27日に再入院しました! 7月は26日までで、ご寄付・カンパが282万200円と、目標額の71%! 今期第14期は、8ヶ月連続で目標未達、累積の赤字額は約1260万円。他方で、「IWJしか報じていない情報」が、増えてきています! どうか財政難のIWJが、独立メディアとして報道・言論活動を継続できるよう、皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます!

■【本日のニュースの一撃!】

■【第1弾! 木原稔防衛大臣が英国で「自衛隊が他国の艦艇や航空機を守る『武器等防護』を英軍に適用する」と表明!】「邦人輸送中の米輸送艦の防護」というあり得ない架空の事例で、故・安倍元総理が2014年に閣議決定した憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認、その対象国の拡大!「武器等防護」対象国は、2021年のオーストラリアに次ぎ、英国が3ヶ国目に! 東アジアでの戦争準備着々と! 日本国民の同意もないままに!(『東京新聞』、2024年7月24日)

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