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2020年6月 2日 (火)

一人のミネソタ警官の外部費用は非常に高くつく

2020年5月31日
Paul Craig Roberts

 民主党の一つの団体、アンティファの黒人が、アトランタで略奪し、火をつけて暴動している。女性の警察本部長と女性の市長は、最初の夜それを起こさせてしまった。女性の警察本部長は、都市よりも警察を守った。知事が州兵を送り込んだ時、彼女は方針を変えた。彼女はミネソタ警察の手によるジョージ・フロイドの死に対するアトランタでの抗議行動では、「抗議行動ではなく破壊するために来たテロリスト」に潜入されたという情報を警察が得たと報告し、暴力非認容政策を宣言した。

 何十年間も、白人リベラル派が、黒人に白人を憎むよう教える中、警察による根拠のない暴力、民衆の一員に対する、しばしば露骨な殺人を容認するのは、自分たちのためにならないことを、法と秩序の白人は理解できない。彼らが公正と説明責任を擁護して立ち上がらなかったので、社会における白人の権力と影響力は崩壊している。

 今回は説明責任を課しているにもかかわらず、多くの都市で、暴力的抗議行動が起きている。問題の警官は逮捕された。これは過去警官が無罪放免されたのを抗議行動参加者が激怒したのに対する変化だ。それは人種関係が悪化している兆しだ。

 白人は多くの対立する派閥に分けられるが、黒人が団結を作り出している。現時点で、他の三州が、暴力から施設や人々を守るため、州兵を呼ばなければならなくなっている。 https://thehill.com/homenews/state-watch/500306-more-states-mobilize-their-national-guards-as-george-floyd-protests

 大衆に対する警察の暴力では、実際、黒人よりも、白人の被害者の方が多い。一つの違いは、白人はそれを我慢するが、黒人がもう我慢しないことだ。黒人は警察暴力を人種差別主義として見る。白人に対する警察暴力に白人は抗議するが、黒人は、それを、権力の行使を楽しむいじめっ子で精神病者の説明責任を問われない行為とみるのだ。全てのアメリカ人は、この社会で見境がなくなっている職権濫用に反対して団結する必要がある。

 問題は警察の暴力を遥かに超えている。21世紀、アメリカには、憲法の禁止令にもかかわらず、市民を罪状なしで無期限拘留する権限を宣言した白人大統領がいたし、テロリストの嫌疑で、適法手続きなしで市民を処刑する権限を宣言した黒人大統領がいた。今や、スパイ行為や令状無しの家宅侵入や頻繁なプライバシー侵害などの他の違憲行為が日常茶飯事だ。議会や司法やマスコミが警察国家建設の障壁ではないことは証明済みだ。

 民主党が擁護するアイデンティティ政治が、団結を不可能にし、国家安全保障の名による憲法違反を、二大政党が許容することで、政府の説明責任に基づく我々の自由を傷つけている。今や多様な多文化組織であるアメリカには団結が必要だが、それはバベルの塔になっている。

 この結果は予測可能だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2020/05/31/the-external-cost-of-one-minnesota-cop-is-very-high/

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 日本でも、外国人に対して、警官による似たような暴行事件がおきている。入管関連で良く聞いているが。

 植草一秀の『知られざる真実』

ミネソタ黒人男性殺害と渋谷署暴行凌辱事件

 岩瀬恵子のスマートNEWS 2020年6月1日 バカな大将に敗戦へと引き込まれる劣等。青木氏の新刊 『時代の抵抗者たち』購入予定。

青木理さんが30分語り尽くす バカな大将、敵より怖い

 田村智子参議院議員、サクラ問題の追求は知っていたが、感染症対策の弱さも指摘されていたのは知らなかった

 活動報告 感染研の予算削減 批判 去年の田村議員質問が話題に ラジオ番組出演

 下記で聞ける。

堀潤×田村智子『検察庁法改正案と黒川検事長の「賭け麻雀報道」』

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コメント

早速、私のリクエストにお応えくださり、ありがとうございます。

アメリカでも司法は偏りがそれ程とは、自分の不明を恥じる次第。
人種差別が激しいのは、結局のところ、教育の段階での洗脳によるのかな?
そして人種によって身分が分けられているみたいな感じなのかな?
元々、有色人種を奴隷として使用してきた歴史が、そうした観念として継続しているのだろうか。
今回の事件では、警官が第三級の殺人罪になった事が唯一の救いだ。

一方、今回の事件による暴動は、タイミング的に中間選挙の前なので、そちらの方の意図を疑ってしまう面もある。
トランプ政権を失脚させたいと思う者が煽っているのではないか、という不信感が拭えない。
それを察知してかトランプは、まだ暴動が飛び火していない首都に軍を派遣したという。
暴動を正面から鎮圧する行為は、火に油を注ぐ結果が予測されるので、それは避け、まだ火の手が及んでいない重要な場所を先回りして護るという考えなのだろう。
この辺りがトランプのやり方の上手いところだと思う。

平和的デモを行う人と、それを利用し便乗して暴動を起こす者たちが入り混じっている為、この騒動を収束させるのは難しいとは思うけれど、出来るだけ平和的に解決してほしいと願う。

そういえば、日本でもクルド人が警官に暴力を受けた事件が起きていたのだった。
日本では、特定の外国人には冷たかったり、役人が辛く対処する事があって、こちらは国籍差別なのかと思ってしまう。
しかし、単に国籍だけで差別しているのではなく、難民か、それに類する外国人に対して冷たい対応をしている様に思える。
例えば留学生に対しては優遇していたり、外国人労働者の受け入れには障壁を取り除いたり、起業家には永住権を与えたり、といった事が行われている。
技能実習生の場合は奴隷に近い待遇なので、これはこれで問題なのだが。

こういった対応の違いは何処からくるのかというと、要するに利権だ。
例えば外国人労働者の場合、先ずブローカーというピンハネ屋が居て、人材派遣というピンハネ屋が居て、その間に仲介業者みたいなのが居て、という具合に、利権の温床となっている。
しかも、こういった利権構造の構築には、法整備などの面で政治家というか、民間議員の存在が大きく関わっている。
これは要するに、おカネになる外国人には比較的優しい扱いをして、難民の様にカネにならない外国人には冷遇という二極化が定着しているという事だろう。
だから、人種がどうとか、国籍がどうとか、といった差別とはまた別の経済的差別なのかもしれない。

これは特に安倍政権になってから顕著になった。
つまり、安倍政権は利権によって人脈を形成しており、その上に民向けには、やってる感の演出で欺いているだけの存在と言えるだろう。


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