« 2019年4月 | トップページ | 2019年6月 »

2019年5月

2019年5月31日 (金)

アメリカのオペレーティング・システム独占を粉砕しかねないトランプのファーウェイ攻撃

ティム・カービー
2019年5月24日
Strategic Culture Foundation

 自分に対して不利になり始めるまでは、誰でも自由市場を愛する。グローバル化された世界では、自由市場は、ひどく課税され、費用がかかる労働を使うアメリカ企業を、経費の安い中国と戦わせるので、この経済哲学が「再びアメリカを偉大にする」のに邪魔だと言う。だが、保護貿易主義の動き、特にファーウェイに対するトランプの攻撃の結果は裏目に出かねない。

 そこで、自由市場の原則と、アメリカの偉大さとの間の戦いで、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、後者を選び、中国の通信/家電大手ファーウェイを「許可なしでアメリカ輸出業者から部品を輸入することを禁じられた外国企業」要注意企業リストに載せた。これで、グーグルがファーウェイへの、Androidモバイル機器オペレーティング・システム(OS)提供を停止したが、それは確かに、世界第一位の携帯電話メーカーの座に向かう取り組みにとって致命的打撃になるはずだ。

 表面上、これは、多くのユーザーと互換性の高いオペレーティング・システムに対する需要のおかげで生み出される「自然」独占のおかげで、トランプとアメリカの事業にとって明らかな勝利のように思われる。当然どの新OSも、ユーザーは少なく、互換性が低く、この市場への参入はほとんど不可能になるはずだ。しかもコンピュータやモバイル機器のためのオペレーティング・システム開発は容易な課題ではなく、本当に大規模な組織にしか実現できないのだ。

 デスクトップ・オペレーティング・システムの市場占有率に関しては、Windowsがほぼ80%で一位で、Mac OSは約15%で、グーグルのクロームOSは、やっと1%を越えている。モバイル機器では、Androidが市場の約70%を持っており、アップルのiOSはほぼ29%、見捨てられたウィンドウズ・フォンは1%以下だ。ニッチなユーザー向けの、いくつか非常に少数のオペレーティング・システムを除けば、この二つの市場は、いずれも似たように見える。大多数の消費者に使われている一つの巨大システムに、アップルの強固なエリートの二位が続き、それ以外が、ずっと大差で第三位なのだ。アップルは、同社のOSを自身の製品しか使用させないので、これは実質的に、マイクロソフトがデスクトップを独占していることを意味し、グーグルが携帯電話市場を独占しているのを指摘するのは重要だ。さらに、上に述べた全企業がアメリカ企業なのだから、OSゲームでは、アメリカが完全に全体を支配していることを意味している。

 もし中国やロシアやほかの場所で携帯電話を製造したいと望むなら、Androidを使わなくてはならず、そうしなければ、ユーザーにとって使えるアプリケーションやコンテンツがごくわずかしかなく、その会社の機種は売れなくなる。この状況はアメリカにとっては非常にありがたく、アメリカ人は現在我々の全ての生活に影響を与えているこの産業における大成功を誇りに思うべきだ。だが、トランプがこうしたこと全てに首を突っ込むのは素晴らしい考えかどうかというのが問題なのだ。ファーウェイに対するこの攻撃は、実際どのような結果をもたらすだろうか?

 OSなしで携帯電話を製造する企業は、雌牛がない酪農場のようなものだ。もしトランプの欲望がファーウェイの意志を挫き、彼らがあまりにも大きくなるのを阻止することであれば、それは「任務完了」で、大統領にとっての勝利だ。ファーウェイは、多数の犯罪と、国境を越えて影響を与えるべく、余りにもしっかりと中国政府と協力しているかどで既に非難されている。「アメリカ合州国を再び偉大にする」の一環には、アメリカに対する海外大国の影響力をしっかり制限しておくことがある。だから、ファーウェイを要注意企業リストに載せることで、赤の脅威を取り除くという意味で、トランプは彼を大統領にすべく投票した人々の願望に奉仕しているのだ。

 だが、この動きは大規模反撃を引き起こしかねない。現時点で、21世紀にオペレーティング・システム開発に本気で取り組む唯一の企業はマイクロソフトとグーグルとアップルだけだ。これら全ての巨大企業は、もしそうする資金と指導力さえ与えられれば、理論上、自国で競合OSを開発しようとすることができる才能を持った、大いに称賛された中国人やロシア人プログラマーを使っている。

 数日前までは、Androidを使うため、世界中が喜んでグーグルに金を支払っているように思われた。巨大なプラットホームと競争しようとするのは愚かで、それを使う権利を買うほうが、ずっと安上がりだ。だがトランプがファーウェイの顔を平手打ちし、他の非欧米製造業者をびびらせてくれたおかげで、ワシントンの気まぐれに拘束されない新しいOSへの需要が起きたのだ。

 この好例は、スウィフトから切り離すと脅迫された後の、ロシアによるMIR取り引きシステム開発だ。ロシアはまだスウィフト利用を阻止されてはいないが、ロシアは今、完全にそれなしで生きてゆけ、国外でMIRを使うよう要求しさえするほど大胆だ。脅迫されるまで、ロシアは、金銭取り引きをするために、欧米に喜んで金を支払っていたが、いったん窮地に追い込まれるや否や、いつもはのろい官僚的な熊は、非常に速く動き始めた。もしロシアに対して、何の恫喝もされなかったら、彼らは今後何世代にもわたりビザ/マスターカードの支配下にいたはずだ。波風を立てない方が良いことが時にはあるのだ。

 アメリカのための、ファーウェイに対するトランプの攻撃は、理論上、気高く、短期的には、おそらく多分成功するだろうが、長期的には、携帯電話を製造する世界の家臣連中に、OSの支配者に支払うのをやめて、新しいOSを捜し始めたり、自身のOSを開発しようとしたりさせかねない。OSを構築し、それを普及させるのは非常に困難な偉業であることは疑いようもないが、それも、ファーウェイと現在の中国が相当に強力で、課題を実現することが可能かもしれないことに気付かなければの話だ。

 アメリカによるオペレーティング・システム独占の打破は「アメリカ合州国を再び偉大にする」ことにはならないから、トランプは彼の動きが裏目に出ないよう祈るべきだ。

 個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/05/24/trumps-attack-on-huawei-could-shatter-us-monopoly-on-operating-systems/

---------

 『五十嵐仁の転成仁語』で、「幇間外交」という言葉を知った。これから使わせていただこう。

5月30日(木)「私益」のために「国益」を売り渡した安倍「幇間外交」のおぞましさ

 宗主国は「砲艦外交」、属国は「幇間外交」。


日刊IWJガイド「本日午後2時半より、米国によるファーウェイ排除と日本の対米追従問題や話題の『MMT理論』について、岩上安身による中国通のエコノミスト・田代秀敏氏インタビューを配信!」 2019.5.31日号~No.2451号~(2019.5.31 8時00分)

 こちらも拝見しなければ。(記事のごく一部のコピー。全文は上記でお読みください。)

森友学園への国有地売却価格を一時非開示とした国の処分は違法! 木村真・豊中市議が大阪地裁に提訴した訴訟で、同地裁は国に賠償を命じる! /籠池夫妻や相澤冬樹氏らが登壇した5月24日の「森友シンポジウム」の録画も、ぜひご覧ください!

 「森友シンポジウム」には、籠池夫妻の他に、元NHK記者で大阪日日新聞論説委員の相澤冬樹氏、環境ジャーナリストの青木泰氏らも登壇しました。IWJが中継した「森友シンポジウム」の録画は、ぜひ、以下のURLよりご覧ください!

※8億値引きの根拠崩壊!? 籠池泰典氏「ゴミはなかった」!「逆らった人間の後頭部を銃で撃ち抜く」安倍政権の本性!「緊急事態条項とんでもない」改憲にも言及!~5.24森友シンポジウム 2019.5.24
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/449334

 

2019年5月30日 (木)

中国の食物危機は、貿易戦争より、ずっと危険?

2019年5月20日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 中国は激化しているアメリカ関税戦争よりも、遥かに多くの政治的安定と経済への損害をもたらしかねない農業への脅威に直面している。昨年8月、最初に発見された時以来、ここ数カ月、世界最大の豚生産国の豚頭数を脅かすアフリカ豚コレラ(ASF)問題が、豚頭数を徹底的に削減することを強制した。その上、最近、中国の穀物生産者はトウモロコシや米や他の穀物農作物に壊滅的打撃を与える「ツマジロクサヨトウ」と呼ばれる危険な害虫の大発生と呼ばれるものに出くわしている。指導部はエスカレートするアメリカとの大きな貿易戦争のさなかにあり、中国に打撃を与えるこの組み合わせは、ほとんど想像できない形で、世界の地政学地図に影響を与えかねない。

 中国政府は、公式に、致命的なアフリカ豚コレラ(ASF)発生を根絶するのに必要な措置をとる明確な決意で対処しているように思われる。北京当局は、今日までに百万頭以上の豚が屠殺されたと主張している。だがそれも、豚汚染が中国の全ての州、更に国外にさえ広がるのを阻止できなかった。

 現在、中国の食事で、豚肉はタンパク質の主要源だ。中国は世界最大の数、5億、あるいは約7億頭の豚がいる。問題はアフリカ豚コレラは(証拠によれば、人にとってではないが)大いに命取りで、豚にとってほぼ100%致命的であることだ。この病気は伝染性が強いのが、群れ丸ごと即座に屠殺しなければならない理由で、治療法もない。ウイルスは何日も何週間も表面や肉で生存可能だ。

 アメリカ農務省は4月の報告書で、中国はアメリカ豚の総生産高と等しい1億3400万頭の豚を殺さなければならないだろうと予想した。アメリカ農務省が1970年代半ばに監視を始めて以来、それは記録上、最悪の屠殺数になるはずだ。

 2019年4月の世界の主要農業金融機関、オランダのラボバンクによる研究報告は、中国の、実際のアフリカ豚コレラのための屠殺は、報告された百万頭よりずっと多いと推定している。彼らは、2018年8月の最初の発生以来、致命的なアフリカ豚コレラは公式の数より約100倍酷く、中国豚の1.5億から2億頭の範囲が感染し、中国本土の全ての省に広がったと推測している。報告書は「2019年、アフリカ豚コレラのために、25%から35%の中国の豚肉生産損失を予想している。(50%以上の)極端な損失に関する報告は限られた地域に限定されている。」 報告書は「これらの損失は他のタンパク質(トリ、カモ、魚、牛肉や羊肉)によっては容易に代替できず、同様に大規模輸入でも完全には損失を相殺できず、これは2019年の全動物性タンパク質供給で、ほぼ1000万トンの需給ギャップをもたらすだろう」と補足している。

 それは公式データが示唆するより遥かに大きく、もし本当なら、豚の価格のみならず、損失から生き残れない何百万という中国の小農民に壊滅的打撃を与えかねない。中国の豚生産は、健康管理対策がより緩く、接触感染がより多い、小規模農家に独占されているため、正確なデータが不足している。

 不幸にも、状態を静めるための明らかな取り組みとして、24の省で病気が蔓延していたにもかかわらず、一月に中国農業省は「アフリカ豚コレラ流行」はなく、この状況を収拾するため政府が適切な措置をとっているという声明を発表した。元気づける声明が出された不審なタイミングは、中国旧正月の祝日の春節、一年で最大の豚消費時期の二週間前だった。皮肉にも今年は中国では豚年だ(韓国、香港、台湾も。猪年は日本だけ)。

 豚の致命的な病気は隣接する主要豚生産国のベトナムにも広がり、ラボバンクは、少なくとも、この国の豚の10%が破壊され、カンボジアに広がると予想している。香港や台湾やモンゴルにも広がっている。問題は再感染のリスクが大きく、最善の条件下で、中国が豚を再製するには何年も要すると専門家が推定している。

そこにツマジロクサヨトウが大発生

 中国の豚生産が、数十年で最もひどい危機にある同じ時に、穀物も、戦うのが同じぐらい困難な、蛾Spodoptera frugiperda種幼虫の普通名詞ツマジロクサヨトウと呼ばれるものの、もう一つの壊滅的大発生の蔓延にでくわしている。

 アメリカ農務省(USDA)の最近の報告によれば、この壊滅的な害虫はミャンマーから入って、1月29日、最初に雲南省で発見され、既に雲南、広西、広東、貴州、湖南や海南島を含む広範囲の南中国の省に広がった可能性がある。アメリカ農務省は、一晩で驚くべき100キロも移動できるツマジロクサヨトウは、今後数カ月で中国の穀物生産地域の全てに広がると推定している。典型的なツマジロクサヨトウ蛾は、全部で1,000から1,500の卵を産み、寿命の間に500キロ旅行する。卵は数日で、幼虫にふ化する。

 「中国農業輸出」は、予想よりずっと速く虫が広がったと報じている。虫は絶滅させることが極めて難しい。アメリカ農務省は「ツマジロクサヨトウは中国に天敵がおらず、その存在により、換金作物の中でも、トウモロコシ、米、小麦、ソルガム、サトウキビ、綿、大豆やピーナッツの生産が減少し、品質が低下するかもしれない」と指摘している。報告書は「中国の大半の農民に、ツマジロクサヨトウに効果的に対処するのに必要な財源がなく、訓練をもけていないと補足している。たとえ緩和対策が実施されたとしても、高価な駆除対策(主に薬剤散布)は、被害を受ける大半の作物をつくる農民の生産者利益を赤字にさせるだろう。」

 アメリカ農務省によれば、中国は2018-19年で2億5700万トンのトウモロコシを生産すると予測され、アメリカに続き、世界で二番目に大きいトウモロコシ生産国だ。これまでの3年で、北米固有だったツマジロクサヨトウは、アフリカや南アジアや東南アジア全体で大規模経済損害を引き起こした。イギリスに本拠をおくCentre for Agriculture and Biosciences International(CABI)によれば、ツマジロクサヨトウは、わずか2年で、アフリカの4分の3に定着した。

 一方トランプ政権に課されたアメリカ貿易関税に応えて、北京はアメリカ大豆の購入を制限し、国内大豆や他の穀物農作物をますます中国農業にとって重要なものにした。悪天候の干ばつと異常に寒い天気が、中国の大豆とトウモロコシ生産に影響を与えた。

 中国の経済全般が際立って停滞している兆しの中、アフリカ豚コレラとツマジロクサヨトウによる二重の打撃と、中国からの輸入品に対するアメリカ関税の最近のエスカレーションと組み合わさって、下落はそれにより何十万という中国の小規模農家が多分経済的に破綻する可能性と、中国の国内食品価格インフレーションが急激に進む危険な状況を生み出しかねない。これは確実に、この時点で、中国が必要とはしていないものだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/20/a-china-food-crisis-more-danger-than-trade-war/

----------

 日刊IWJガイド「川崎登戸の事件でまたしても『メディアスクラム』の問題が! メディアスクラムと情報操作を排して、問題の根本的な解決に取り組むべき! 」 2019.5.30日号~No.2450号~(2019.5.30 8時00分)

<昨日の岩上安身によるインタビュー>「MMT論者は為替市場を無視している」! 松尾匡・立命館大学教授らが主張する「反緊縮」の問題点を明石順平氏が明快に指摘! 岩上安身による『データが語る日本財政の未来』著者・明石順平弁護士インタビュー

 インタビュー拝聴に集中して、時代劇再放送を見るのも忘れた。

 インタビュー終了後、内田樹氏の『望月衣塑子『安倍晋三大研究』から』を拝読し、早速書店にでかけ『安倍晋三大研究』を購入。

 そして、まさに今朝の記事。

 菅官房長官「その質問なら指さない」=東京新聞記者に

記者クラブ、即刻、速記者クラブと改名する必要があるだろう。

 

2019年5月29日 (水)

アサンジ/マニング事件はアメリカの威信を失墜させた

2019年5月20日
政府手中の武器としての法律に破れた、法による統治

Paul Craig Roberts

 国内、国外での、アメリカ政府の並外れた犯罪行為に気付いている全員、大変な重荷に耐えている。アメリカのいわれのない軍事攻撃によって、何百万という人々が殺され、体を不自由にされ、孤児にされ、寡婦にされ、家を追われたのは、アメリカとイスラエルの秘密の狙いを推進するための完全にウソと濡れ衣に基づく死のホロコーストだ。私は我々の名前で犯された大量殺人や隠滅に対する責任の重荷が、たいていのアメリカ人が、我々がどれほど良く、素晴らしく、例外的か、我々の政府がどれほど懸命に、至る所にいる不快な連中から、我々を守ろうと努力しているかについて、彼らに吹き込まれるニセ・ニュースを望む理由だと私は思う。この筋書きは、女性、子供や、無防備な市民や、学校や、結婚披露宴や、葬儀や、畑にいる対する農民に対する、アメリカ政府の違法で残忍な戦争犯罪を、我々の自由と美徳の輝かしく勇敢な防衛に換えるのだ。もし読者が真実を望むなら、マニングが漏洩した、アメリカ軍兵士が、道路を歩いている記者や、無辜の一般人を、空から機関銃で銃撃し、道路で負傷し出血してい人々を助けるため止まった父親と彼の2人の幼い子供、赤ん坊を更に機関銃で銃撃するのを楽しむ動画をご覧願いたい。ワシントン戦争の本当の姿を見せる動画の流出が、マニングが拷問にかけられ投獄された理由だ。罰せられたのは、殺人を犯した犯罪者ではなく、真実を話した人物なのだ。

 実話の恥ずかしさに耐えるより、アメリカの道義的価値観という偽記事の方が、ずっと受け入れるのが容易なことに私は同意する。だが結局、偽記事は、外国の敵に征服される以上に、完全に我々の自由を破壊する。人々は占領勢力により懐疑的で、政府が国民に嘘をつくと、人々は自国政府より、外国占拠者を信じる可能性が低い。対照的に、自身の政府は、国民を偽の自覚に閉じ込めて、偽ニュースで国民をそのまま維持できるのだ。

 航空会社の客室乗務員から、警官や国家安全保障担当補佐官や国務長官に至るまで、今どのアメリカ人の行動を見ても、道義的良心や品格や深い思いやりや共感や自制心を欠いた人ばかりだ。大きく遅れているサウスウエスト航空会社便の女性乗務員が理不尽な心の狭い悪意から、警察を呼び、彼女が嫌悪感を持っていた男性を逮捕させ、飛行機から下ろした。乗客全員が逮捕された人は何もしていなかったと警察に抗議したが、警官は聞かなかった。一人の虐待犠牲者が出たのだ。この人が犠牲になったのは女性に男性を憎むことを教えるアイデンティティ政治の結果だったのだろうか? https://sputniknews.com/us/201905151075040032-us-traveler-booted-from-southwest-flight-over-vodka-joke/

 最近ある男性が、人々にもっと親切にすべきだと言って、彼女の他の乗客に対する長広舌を遮ったというだけの理由で、黒人女性が年配の白人男性をバスから道路に押し出した。彼は怪我がもとで亡くなった。この殺人行為は黒人アメリカ人に白人アメリカ人を憎むことを教えているアイデンティティ政治の産物だったのだろうか? https://5newsonline.com/2019/05/17/las-vegas-bus-pushing-murder-suspect-released-on-bail/

 狂気の戦争犯罪人、ジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官と、ばか者のポンペオ国務長官は、イランとベネズエラで、一般国民の大量死を引き起こすことを望んでいる。イランはイスラエルのために、ベネズエラはアメリカ石油企業のために、打倒されるべきなのだ。動機は露骨で明白なのに、ボルトンもポンペオもその恥ずべき殺人の狙いを非難され、辞職を強いられることがないのだ。だがもし彼らが「黒人」を意味する単語を使ったり、性的に女性をしつこく悩ませたりしたら辞職せねばなるまい。これは今のアメリカにおける道徳規範の倒錯した病的状態を示している。人々を爆撃するのは許容できるが、言葉は彼らを本当に傷つけるかもしれないのだ。

 ジュリアン・アサンジに対するワシントンの主張は非常に不自然で薄弱なので、アサンジに濡れ衣を着せるべく任命された腐敗した連邦検事は、アサンジに対する偽証を強要しようとする企みで、マニング迫害にたよったのだ。アメリカ軍法のもとで要求されることを行い、アメリカの戦争犯罪を明らかにしたことに対し、拷問にかけられる、7年の禁固刑をつとめた後、マニングはオバマ大統領に赦免された。赦免後、マニングは、大陪審に偽証して、対アサンジ陰謀に協力しようとしないため、今マニングは2度目の刑務所生活に戻っている。腐敗した連邦検事は、偽証がないと、検察官が簡単に操ることができる、通常、真に受けやすい人々の集団である典型的な無頓着なアメリカ陪審からさえ有罪判決を得られる根拠がないのだ。

 アサンジに関してウソをつくのを拒否したかどで、マニングが63日間投獄された際、そのうち28日をマニングは独房監禁で過ごした。なぜだろう?

 マニング釈放から一週間後、腐敗した連邦検事は、アサンジに対する訴訟を画策するために腐敗した連邦検事が利用している大陪審の前に再びマニングを呼び出した。再び、マニングは陰謀に協力するのを拒否し、法廷侮辱罪で、連邦刑務所に再拘留された。今回、腐敗したアメリカ連邦地方裁判所判事アンソニー・トレンガが、マニングの服役期間に60日後には、一日1,000ドル上がる、一日500ドルの罰金を加えた。言い換えれば、腐敗した裁判官は、腐敗した連邦検事が、対アサンジ陰謀に協力するよう、マニングを強要するのを手伝っているのだ。アメリカ人は、裁判官は裁判官ではないことを理解する必要がある。彼らはアメリカ警察国家の要員なのだ。

 私が連邦検事や裁判官を腐敗していると言う際、その可能性は排除できないが、彼らが賄賂を受けとっているのを意味しているわけではない。私は連中が、法による統治を放棄したという意味で、彼らは腐敗していて、彼らの機能は正義のために尽くしていると見ないことを意味している。アメリカ憲法と修正条項は、政府による強制的な恣意的行動に対する、国民の保護として、法律を確立しているが、連邦検事と裁判官は、当局が復讐したがっている個人に対して、法律を武器として使用しているのだ。何年もの間我々は、大統領から地元警察に至るまで、法による統治が、全てのレベルで攻撃されるのを目撃してきた。RobertsとStrattonの共著『The Tyranny of Good Intentions』を参照のこと。https://www.amazon.com/Tyranny-Good-Intentions-Prosecutors-Constitution/dp/0307396061/ref=sr_1_2?crid=23ZTXE46TUKKT&keywords=paul+craig+roberts+books&qid=1558288856&s=books&sprefix=Paul+Craig%2Caps%2C155&sr=1-2

 アサンジに対して訴訟を起こすのに使える偽証を強いたり、さもなければ「法廷侮辱罪」のかどで投獄され、罰金を科して、極貧に陥れようとしたりするマニングに対するあからさまな、実にわかりやすい企みに、誰も抗議しなかった。アメリカの印刷メディアやTVメディアやNPRを構成する卑劣なリベラル-進歩的-左翼の売女連中は、不正行為には抗議するまい。二人は共に、彼ら全員よりずっと品位があるので、マニングとアサンジが嫌いなのだ。彼らはトランプやワシントンの戦争が好きで、アメリカに関し、あえて真実を語る人全員である「反米派」を憎んでいるので、保守派のラジオ番組司会者は、マニングを強要する取り組みには抗議しない。5月17日、保守的なラジオ番組で、ある人気が高い司会者が「私はマニングが刑務所に入っているのが嬉しい。」と言うのを聞いた。

 アメリカ上院議員や下院議員の誰も、上院、下院司法委員会のいずれも、世界最高のジャーナリストにぬれぎぬを着せるのに必要なウソをつくよう、アメリカ国民に強いることを、何の不都合とも思わないのだ。法科大学院や弁護士会は、アメリカ司法長官と最高裁判事とニュルンベルグ検察官ロバート・ジャクソンが述べたあらゆる指針に違反しているかどで、腐敗した連邦検事から弁護士資格を剥奪するよう要求していない。また彼らは、憲法修正第一条の破壊への協力した功績で、おそらく控訴裁判所への昇進に目をつけている腐敗した連邦地方裁判所判事の弾劾も要求していない。

 アメリカ人は余りに無頓着で、起きていることを理解できないほど洗脳されている。いずれにせよ、アメリカ人は独裁者の長靴で首根っこを踏みつけられている第三世界の小作農と同じぐらい無力なのだ。

 アメリカ政府による証人に対する脅迫の一般公開に、アメリカ政府が狂った戦争犯罪人で、ウソツキで、愚かな同盟諸国や国民を欺いていること、世界中で平和と安定に対する最大の脅威であることを決定的に示す漏洩資料を公開したジャーナリストに、アメリカ政府が復讐することができるよう、アメリカ政府が、投獄と威圧的な罰金をかけて、個人にウソをつくよう強いることが一般公開されているのに、何というジョークだろう。「欧米民主主義」は、抗議の声をあげていないのだ。

 アサンジは、彼の問題が始まった国スウェーデンで、検察官たちの良心の呵責によって救われるかもしれない。アサンジの問題は、彼の名声に心を奪われた二人の女性が個別にベッドに招き入れたスウェーデンで始まった。彼がコンドームを使わなかったので、女性の一人が不安になった。彼女は彼が性感染症にかかっていなかったと自分が安心できるよう、検査を受けるように頼んだ。彼は愚かにも拒否した。彼女は強姦を訴えるためではなく、アサンジが検査を受けるよう強制できるかどうか尋ねるため警察に行ったのだ。もう一人の女性は他の女性のことを知り、自分が彼の性生活で唯一の女性でなかったことに腹を立てた。

 それを強姦捜査に仕立て上げたのは、男性を憎むよう教えられた警察とフェミニスト検察官だった。だが女性たちが、合意の上のセックスだったと言ったので、告訴は取り下げられた。アサンジは釈放され、自由にスウェーデンを去ることができた。

 彼の二つ目の間違いは、アメリカ傀儡国家イギリスに行ったことだ。アサンジがイギリスに入ってしまえば、彼はワシントンの手中にいるのも同然だ。ワシントンは二人目のスウェーデンのフェミニスト検察官に捜査を再開するよう促した。アサンジに対する告訴がなかったので、フェミニスト検察官ができたことと言えば、更なる尋問のため、アサンジを引き渡させることだった。スウェーデンが彼を手に入れるやいなやワシントンが彼のアメリカ引き渡しのために賄賂を払うだろうと推測されていた。通常、犯人引き渡しは正式告訴を必要とするが、スウェーデンでは告訴はなかった。通常、尋問のための犯人引き渡しはない。だが腐敗したイギリス裁判所が、おそらくたっぷりワシントンから金うをもらい、尋問のための引き渡しに同意し、記憶が正しければ、ジェームズ・ゴールドスミス卿の娘が、高額保証金を支払わせた上で、アサンジを自宅軟禁した。

 ジェームズ卿の娘が理解していたか否かにかかわらず、アサンジと彼の弁護士は、彼がスウェーデンに、更にそこからワシントンでの拷問に送られる立場にあると理解した。そのために、ワシントンに従順な、腐敗したエクアドル大統領が権力を掌握し、IMF融資でたんまりもらい、亡命承認を取り消すまで、彼が7年間暮らしたエクアドル大使館でのアサンジ亡命が手配された。そこでイギリス警察がワシントンの命令を実行し、一種危険な犯罪者であるかのように大使館からアサンジを引き出し、最高警備の刑務所に入れた。

 二人目のスウェーデン検察官は、最終的にロンドンのエクアドル大使館でアサンジを尋問することに同意し、その後、身柄引き渡し要求を取り下げ、事件は二度目の落着となった。だが保釈条件のもとになる、スウェーデンの身柄引き渡し要求が撤回されたにもかかわらず、アメリカのものと同じぐらい腐敗したイギリス司法制度は「保釈中に姿をくらました」かどで、アサンジを50週間拘留した。

 今ワシントン家臣のイギリスは、拷問や自白や死や長期投獄のためにアサンジを引き渡せという、ご主人ワシントンの要請を検討している。だが突如スウェーデンが、コンドーム不使用は、依然、性犯罪の「相当な理由」であり得るので、アサンジをスウェーデンに引き渡すよう、再度イギリスに要請できることを見いだしたのだ。

 これは世界最高のジャーナリストの人生を台無しにしたのを埋め合わせるためのスウェーデンによる救出の試みなのだろうか? それともイギリスが正気に戻り、正義を根拠にワシントンの引き渡し命令を拒否した場合に対するワシントンの保険策なのだろうか?

 イギリスの決定は、民族的にイギリス人でないサジッド・ジェイビッド内務大臣次第だ。彼は虐待された植民地の一つからの移民なので、イギリス/アメリカに一矢むくいて、無防備なセックスをしたかどで、アサンジを有罪宣告されることがありそうもないスウェーデンに引き渡すと良いのだが。そこでアサンジが別のワシントン傀儡国に行くするほど愚かではないと良いのだが。もし彼がそうすれば、彼は再び苦難を味わうだろう。

 だが、ワシントンは実にたんまり支払うので、アサンジが逃げることが可能だとは私には思えない。アサンジが、連中には、一片の品格も、一片のジャーナリズムの実践もないことを暴露したがゆえに、腐敗した欧米メディアは彼に反対なのだ。アメリカの売女マスコミは、憲法修正第一条のことなど気にかけない。彼らは決して真実を話さないので、憲法修正第一条保護が必要ではないのだ。

 アメリカ国民を代表すると主張するワシントンは、戦争、更なる戦争志向だ。ボルトンは、アメリカが、イラクとリビアと、ロシア介入前に、シリアでも作りだしたように、イスラエルのために、イランを攻撃し、そこで混乱を引き起こすことを目指している。

 ネオコンとイスラエル指導部の下、アメリカは狂った国となり、他国政府に信用されず、地球の平和と生命に対する主な脅威とみなされている。

 すべてのアメリカ人が恥じるべきだ。だが彼らは恥じていない。ある時点で、望むらくは、手遅れになる前に、最終的に、ロシア人や中国人やヨーロッパ人やイラン人や、他の全員が、ワシントンは、破壊する能力しかない悪にのっとられていて、地球上の生命に対する危険なリスクであることを悟るだろう。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/20/the-assange-manning-cases-have-discredited-america/

----------

 改元騒ぎ以来、呆導番組をほとんど見ていないが、『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』と「銀二貫」の再放送をみた。そもそも、この記事の筆者、ロバーツ氏が「prestitute」報道を読むな、見るなとおっしゃっている。

 トランプ大統領来日報道/政権“政治ショー”に手を貸したメディア」という記事が、『アカハタ』にあるようだ。電子版講読を考えている。

 ともあれ、最初に拝読するのは、日刊IWJガイド

日刊IWJガイド「トランプ大統領が安倍首相と空母『かが』を視察! その目的はF35B購入意思の確認!? 空母『かが』はF35Bが垂直離陸できるように改修中! 裏に日米の選挙保身の密約!? 」 2019.5.29日号~No.2449号~(2019.5.29 8時00分)

 インタビューについて書かれている。

岩上安身によるインタビュー日程~ 今週は本日の明石順平弁護士に続き、31日には中国通のエコノミスト・田代秀敏氏にインタビューを敢行!

 放送開始まで『ひょうすべの国 植民人喰い条約』を再読する。

2019年5月28日 (火)

他の湾岸諸国とは一味違うオマーン

2019年5月20日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 このかつての「隠者スルタン国」を訪れる全員が容易に証言することができる。オマーンは中東湾岸地域の他の国と「異なっている」。国民は暖かく、おしゃべりで誇り高い。オマーンはバーレーンやサウジアラビアより貧しいにもかかわらず、極端な不幸がないので、実際により豊かに思われる。国民は明らかに面倒をきちんと見てもらっている。

 ラマダン中、サウジアラビアにいると、法外な食品の浪費や俗悪な富の見せびらかしのお祭り騒ぎが毎日のように行われる。オマーンはその代わりに、隣接するイエメンで子供たちを、静かに救おうとしている。

 空港従業員のムハンマドが私に説明してくれた。

「我が国は隣接するイエメンに、いつも週二便を運行しています。ラマダン中、便数は増えます。我々の飛行機は重傷や重い病気の男性や女性や子供をオマーンに連れて来ます。ここで彼らは一流の無料の医療を受けます。彼らは我々自身の国民であるかのように、我々の医者は彼らの生命を救おうとしています。イエメンの人々は我々の兄弟です。」

 過激なまでに反シーア派のサウジアラビア王国政権が、石器時代に戻そうとして、実際にイエメンの広大な地域に爆弾を投下しており、オーマンの隣国アラブ首長国連邦(UAE)が最も重要なアデン港を含めイエメンの沿岸地域を占拠していることを考えると、これは非常に衝撃的だ。

 オマーンの良い点について、シリアには言うべきことは山ほどある。私はシリアのいたるところで称賛を聞いた。

 逆に、オーマンの人々は概してシリア政府を称賛する。全員ではないが、確実に過半数が。オマーンはダマスカスとの外交関係を常に維持しており、合法的なシリア政権を不安定化したり、打倒しようとしたりする連合には一度も加入したことがない。この全てが、何年にもわたり欧米とイスラエルのため、何百万人ものシリア国民を残忍に扱った様々のテロ組織に資金を注ぎ支援してきた国、カタールやサウジアラビアと実に対照的だ。

*

 オマーン領土には、いかなるアメリカやEUの軍事基地もない。オマーンは基地を必要としていない。オマーンは誰に対しても戦争をしておらず、地域のどの政府も打倒しようとしていない。戦略爆撃機や米海軍艦船や「米中央軍」の受け入れは、オマーン支配者が国の繁栄を保証するために望む方法ではない。

 その代わりに、マスカット海岸近くに壮大なオペラ劇場が、そのすぐ隣に豪勢な公共の芸術殿堂がある。いくつかの豪奢な5つ星ホテルのすぐそばにもかかわらず、砂浜は公共のままだ。見たところオマーン支配者は音楽と芸術が好きだ。芸術や音楽が阻喪させられたり、「ハラーム(禁止)」と見なされて、露骨に禁止されたりするサウジアラビアのような国との衝撃的な対照だ。

 私はオーマンの人々と話をして、彼らはその人生や、彼らの国が進展している方向に満足しているように思われた。

 私はモスクを出て、男性たち(イスラム教スンニ派)の集団を止めて、現在アメリカからの差し迫った脅威に直面しているイランに対する彼らの感情と、スンニ派とシーア派の分裂について尋ねた。

 シーア派は「我々の兄弟だ」と彼らは答えた。

「ここは、シーア派イスラム教徒を殺すサウジアラビアとはまったく違います。人々の大部分がシーア派なのに、酷い悪意で扱われ、しばしば全く不幸に暮らさなければならない、バーレーンとば全く違います。我々は区別せず、シーア派を差別しません。オマーンでは、異宗派間で結婚しますが、大仰なことではありません。時々我々は一緒に断食を終えて、お互いに贈り物をします。我々は隣人が困難に陥れば、お互いに助け合いますが、スンニ派かシーア派かは全く重要ではありません。」

 この国のほとんどの人が、イランとその国民に対する大きな同情を感じている。

 私の運転手は、テヘランとシラーズに九回旅行している。彼はイラン文化や、イランの人々の優しさと決意を称賛している。ワシントンにより課されている非合法な制裁なしに、彼らは自身の生活を送る完全な権利があると、彼は強く信じている。

 礼拝者の団体も、シリアとその政府に、そして今、世界を作り直している二つの国に対して大きな称賛を示した。

「ロシアと中国がなければ、アメリカとその同盟国はとっくに我々全てを飲み込んでいたはずです。」

 パレスチナ人に対する彼らの支持や、イスラエルの行動やアパルトヘイトに対する彼らの怒りは、他の湾岸諸国のような偽善的でも「理論的」でもなく、本物のように思われる。

 前回訪問時さえ、オマーンで常に居心地良く感じるが、常に欧米に広められている世界的な狂気の時代に、今回私はこの広い心を持ち、世界的状況を素晴らしく理解している「忘れられたスルタン国」の智恵と優しさと礼儀正しさ大いに感銘を受けた。

*

 これまで常に、オマーンはこのような優しい思いやり深い国だったわけではない。過去、そのイスラム戦士は、ソマリアから今のケニア、遥か先のタンザニアまで、アフリカ東海岸を植民地化し略奪した。ヨーロッパ人同様、オマーン人は奴隷貿易をしていた。

 けれどもことは変化し、最終的にオマーンは内向性の国に変わり、何十年もの間そういうものであり続けた。それから、オマーンが「世界に開き」始めたとき、オマーンはそれ自身の条件で、外国の利害関係に従属せずに世界に開いたのだ。

 オマーンのドゥクム港は、現在、イギリス艦船に理論的に「開いている」が、オマーンは周囲に位置しているサウジアラビアやカタールのようには、いかなる永久米軍基地も受け入れていない。

 オマーンはイランと非常に親密な関係を維持しており、欧米からの圧力はこの現実を変えるのに成功していない。

 そして今「世界」に対してオマーンは開かれているが、「世界」はもっぱら「欧米」を意味するわけではない。

 もちろん、私の好みでは、まだ余りに多くのAFPや他の欧米報道機関や情報源による現地紙記事がある。オマーンの人々は欧米によって世界のあらゆる場所に注入されている「公式言説」の影響を受けずにはいられない。だがそれは話題のごく一部に過ぎない。オーマンの人々とつきあってみて、彼らが世界に関して、他の湾岸諸国よりよりずっと知識があることを私は悟った。

 特に重要なことは、中国がオマーンの緊密な友好国、同盟者になっているということだ。この互恵関係は根付くだろう。

 私の良い知人で湾岸に駐在している中国外交官が匿名を条件に語ってくれた。

「中国とオマーンは1,200年以上の深い友好関係があります。早くも西暦750年、偉大なオーマン人旅行家アブ・オベイドは中国の広州に旅して、中国・オマーン間の友好的交流と、中国文明社会とアラブ文明社会間交流の嚆矢となりました。」

 驚くことに、それは欧米(ヨーロッパ)が、「周辺地域」の人々と同様、それ自身の人々を略奪し殺していた歴史的時期に起きていた。

 2019年4月30日、オマーン・オブザーバー紙は、記事「一帯一路構築における重要なパートナーのスルタン国」で駐オマーン中国大使李凌冰女史にインタビューした:

李凌冰大使は、古代以来、一帯一路での二国間の伝統的な友好関係と、スルタン国の重要な役割を指摘して、一帯一路構想におけるサルタン国の重要な役割を強調した。

オマーンと中国は去年戦略的提携を発表し、一帯一路協力文書に署名した。オマーンは公式に「一帯一路」の友人の世界に加わったとマスカットの中国大使館で行われた記者会見で彼女は述べた。彼女はスルタン国と中国が長い歴史の伝統を共有しており、オマーンは重要な地理的位置を享受しており、「一帯一路」を構築に参加する上で、自然条件の優位性を持ったドゥクムやサララやソハールのような良い港があると指摘した。

 オマーンは欧米に植民地化され略奪された地域の真ん中にある一つの「健全な」国であるように思える。オマーンの支配者は、ワシントンやロンドンやパリやテルアビブとの恥知らずな協力を通して少数に集まる途方もなく大きな富より自国民の幸福に一層興味を持っている。

 オマーン国民で国連事務所地域責任者のハメド・アルハマミ博士によれば、「オマーンは多くの分裂がある地域では特別な場所です。我々は中立的な公正な役割を果たし、他人のことに干渉せず、自分の職分を守ります。我々はイエメンやシリアのように人道主義的見地からそうできる場合には、困窮している国や人々を支援します。」

 オマーンは誰の植民地でもない。今中国と親しい。イランとも親しい。それは打ちのめされたイエメンの人々に手を貸し、シリアのために、できることをしている。オマーンは欧米とも、湾岸の他の国々とも友好関係を維持しており、誰の命令も受けない。オマーンは何十年間もこのようにして生き残ることに成功したのだ。

 結果として、オマーンは中東の大部分の人々に好まれ、深く尊敬されている。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書ている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/20/oman-not-like-the-rest-of-the-gulf/


----------

 昨年、偶然、興味深いドキュメンタリー番組を見た。『ザ・ノンフィクション』"アラブ王女の叔母"に密着 衝撃の事実が続々

 今になって『興亡の世界史 シルクロードと唐帝国』(講談社学術文庫)を読んでいる。実に興味深い前書き。ところが最大ネット・ショップの星印、シリーズの他の本より少ない。読んでみると「書評」というより「中傷」、日本会議的歴史観を木っ端みじんに粉砕されていることへの鬱憤にしか思えない。映画『主戦場』そっくり。著者は教科書検定で日本の歴史教育が歪められていることを指摘している。日本会議による理不尽な番付など無意味だが、最大書店の評価は有象無象の声が直接反映されるひどい仕組み。著名人による「1431夜」と大違い。海のシルクロードという言葉もある。

 大本営広報部の呆導番組は見ず、『ウラミズモ 奴隷選挙』を読み終えた。繰り返すが、ジャーナリズムのはずのものが虚報洗脳と化している中、フイクション小説が、ジャーナリズム活動をしているのだ。

 次作予告編の中に、ウラミズモでは、過去の犯罪もさかのぼって追求でき、たとえば、TPP不報道罪、TPP不告知罪、TPP不当採決罪、TPP国家転覆罪、TPP国富海外流出罪、不正選挙罪、国会侮辱アホ発言棒読み罪等、がんがん創出した とある。そうあって欲しいもの。

 念のため、巨大ネット書店の「書評」を見ると、想像通り、でたらめ酷評があった。日本語を読めない異常人物のたわごと。このエセ評価のために、全体評価が押し下げられている。著者が「アマゾンやグーグルーに日本で税を払わせる」というのは、実にごもっとも。この謀略巨大企業で、オンライン購入して儲けさせる心理、小生にはわからない。

 これから、日刊IWJガイドを拝読する。

日刊IWJガイド「安倍総理はトランプ大統領に衆参同日選を伝えた!? 公明党が同日選を見据えた動き!? 立憲民主党・枝野幸男代表は『望ましい』!?」 2019.5.28日号~No.2448号~(2019.5.28 8時00分)

 

 

 

2019年5月27日 (月)

イギリスの対イラン偽旗作戦?

Finian Cunningham
2019年5月21日
スプートニク

 イギリス・メディアが、イギリス・エリート奇襲部隊の小チームが、ペルシャ湾でイギリスで登録された石油タンカー守るために配備されていると報じた。

 この報道が、イギリス諜報機関による何らかの形のニセ情報ではなく、本当に正確なら、何かうさんくさいがものある。

 サン紙は、ホルムズ海峡を経由してペルシャ湾に入る商業船舶に搭乗すべく、特殊舟艇隊(SBS)二部隊が、飛行機で中東に送られたと報じている。SBSは、イギリスのエリート落下傘部隊SAS連隊に対応する海軍版の部隊だ。彼らは、いずれも極秘任務で活動するよう訓練されている。

 湾岸におけるアメリカ・イラン間で緊張がエスカレートしている時期の、このエリート・イギリス部隊派遣報道だ。サウジアラビアともう一つの産油王室アラブ首長国連邦が、アメリカ同盟国がイランの攻勢とされるものに対処するため防衛を強化するよう主張している。

 先週、4隻の石油タンカーがUAEのファジャイラ港近くで破壊された。イエメンに本拠を置くフーシ派による、サウジアラビア石油圧送施設に対する無人飛行機攻撃に関する報道もあった。テヘランは、いかなる関与も激しく否定しているが、嫌疑は、これら破壊行為の黒幕として、イランに向けられ、実際戦争を刺激する「悪意ある陰謀」を警告した。

 最近、アメリカ政治家はイランに対する敵対的発言を強化している。週末、もし「イランがアメリカを脅やか」せば、それはイスラム共和国の「公式の終わり」だとドナルド・トランプ大統領は激怒した。フォックス・ニュースで、戦争タカ派の共和党トム・コットン上院議員は、もし戦争が勃発したら、アメリカはたった2度の攻撃「最初と最後のもの」だけでイランを敗るべきだと言った。もう一人のタカ派リンゼー・グラム上院議は、もしアメリカ権益が傷つけられたらアメリカは「圧倒的な力」を行使するよう要求した。

 イランを大量破壊するというワシントンから聞こえる錯乱した誇張は不吉に聞こえる。それは、国際法と国連憲章に違反する、犯罪的で無謀な侵略だ。

 それが、イランがアメリカや同盟国の極めて重大な権益に標的を定めているという印象を与えることを狙って画策される「偽旗」攻撃に、世界中の大衆が極端に警戒していなくてはならない理由だ。イランは繰り返し、アメリカと戦うことに興味はないと言っている。テヘランは、もし攻撃されたら、狭いホルムズ海峡を封鎖し、世界の石油経済を停止させるのに加え、手ごわい防衛で対応すると警告したが、彼らの国を壊滅的な紛争に陥れるのはイランの利益にならない。

 この重要な時点で、「極秘」任務でのイギリス奇襲部隊派遣は厄介な疑問を提起する。イギリスのジェレミー・ハント外務大臣が「不安定化活動」と呼ぶものでワシントンの反感を買わないようイランに警告したのとまさに同時に、それが起きた。「イランに言いたい。アメリカの決意を過小評価してはいけない」と曖昧な言葉でハントは言った。

 すぐに思いつく最初の疑問はこうだ。巨大石油タンカーに配備された個々のイギリス兵は、一体どうやってそれらの船を守れるのだろう? イランには、海岸線から発射できる致命的な空対地ミサイルの武器弾薬があることが知られている。だから、もしイランが戦争をすることに決めた場合、エリート的な地位にかかわらず、少人数の分隊は、飛来する弾道ミサイルを一体どのようにしてかわすつもりなのだろう?

 大ざっぱなメディア報道によれば、イギリス特殊部隊は、それから、石油タンカーから海軍ヘリコプターで空輸されて、ペルシャ湾南側、おそらくは、イギリスが植民地住民時代の軍事基地を維持しているオマーンかUAEに再配備され予定だ。

 実際、無謀な行為丸ごと、安っぽいジェームス・ボンド映画で没にされた脚本のように、非常にうさんくさく聞こえる。わずかな人員配置とミサイル迎撃装置を考えれば、商用船舶を守るという表向きの目的は信じ難いと切って捨てられよう。

 そこで、これらイギリス特殊部隊は、一体何が本当の狙いだったのかについて、いっそう邪悪な疑問が生まれる。あらゆる特殊部隊と同様、彼らの専門は、卑劣な企てや秘密作戦だ。都合よくイランのせいにできる偽旗挑発を仕組み、それを対テヘラン全面的攻撃の口実にするため、彼らが使われている可能性ののほうがずっとありそうに思える。

 トランプ大統領は個人的にイランとの戦争を望んでいないかもしれない。彼は確かにイラン指導部を嫌悪しているが、同時に彼は憎しみを解決するため未来の外交会談を望むと言っている。だが、ワシントンでは、他の多くの政治家や軍のタカ派には、イランを攻撃することについて、そのようなためらいは全くない。

 ジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官のようなタカ派は、政権交代を強制するためのイランへの爆弾投下を公然と要求している。おそらくボルトンや他の連中は40年前アメリカに支援されたシャー傀儡独裁をイランが打倒したのを決して許していないのだ。

 イギリスとアメリカによる石油の搾取と、1953年のCIA/MI6が画策したクーデターというイランのひどい過去は、1979年にイラン国民に打倒されるまでの残酷で圧制的なシャー体制をもたらした、偽旗作戦と卑劣な企みの典型的な例で、イギリスが明らかに中東でアメリカ帝国主義戦争にとっての「頼りになる共犯者」であることを実証している。

 アメリカ軍産複合体の利益のために、ペルシャ湾で戦争を引き起こす邪悪な案をイギリス軍の立案者が企てても決して驚くべきではあるまい。従順な欧米ニュース・メディアが無批判にイランのせいにする石油タンカーや石油圧送施設に対する破壊行為は「よくやった、おめでとう!」と言うのと同じぐらい朝飯前のはずだ。

 Finian Cunninghamは、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で作詞作曲家でもある。20年以上、ミラーやアイリッシュ・タイムズやインデペンデント等の大手マスコミ企業で、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:https://sputniknews.com/columnists/201905211075195607-uk-dirty-operations-iran/

----------

 二人の自撮りで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のビフ・タネンと、ジョージ・マクフライを連想した。

 ジャーナリズムとされるものが、大本営広報部として、しっかり虚報をわめきたてるなか、フイクションのはずの小説が、ジャーナリズムになっている。と、テレビ呆導を見ずに読んでいる『ウラミズモ奴隷選挙』で思う。68ページにこうある。

 にっほん人とは何か? それは奴隷とは何かについてまともに考えたことが一度もない国民。というよりかそれ以前に、自分とは何で今どんな状態かさえ、思考して言語化した記憶のない奴隷集団。それで外国との折衝がうまくいくはずがない。だってにっほんにおいては、全部の交渉設定が、必ず、奴隷対主人なので。つまり人間同士の関係というものが訓練できていない。

 属国の首都上空は、実際は宗主国領空。

日刊IWJガイド「 トランプ米大統領来日! 首都の都心上空に響き渡る米軍ヘリの爆音! 本日午後4時より、『「横田空域」は事実上の訓練空域!実戦を想定した 市街地上空の低空飛行!? ~岩上安身によるジャーナリスト吉田敏浩氏インタビュー』を配信します」 2019.5.27日号~No.2447号~(2019.5.27 8時00分)

 

2019年5月26日 (日)

イラク戦争とトランプが提案しているイラン戦争との相違ベストテン

Juan Cole
Informed Comment
2019年5月15日


1.イラクの面積は43.83万平方キロメートルで、イランの面積は164.81万平方キロメートルだ。すなわち、イランは地理的に、イラクより3.76倍広く、ほぼ4倍の大きさだ。

2.侵略時、イラクの人口は2600万人だった。イランの人口は現在8100万人だ。

3.エリック・シンセキ大将は、ブッシュ侵略前に、バルカンでの米軍の経験に基づき、イラクに安全を実現するには、800,000人の部隊が必要だろうと議会で証言した。ドナルド・ラムズフェルド国防長官は、不当に彼が6カ月で彼らを撤退させることができると誤って信じて、100,000人の兵隊を主張した。後に、ブッシュのイラク総督ポール・ブレマーが、イラクで「我々には決して十分な兵隊がいなかった」ことを認めた。

4.イランはイラクと比べて3倍人口ちゅう密だから、シンセキの正しい計算によれば、イランを占領するには、アメリカは240万人の部隊が必要になるだろう。

愚かな戦争は当然の結果になる

5.米国軍人総員は約2,141,900人で、うち1、281,900人が現役で、残りは予備役人員だ。

6.イラク軍は4つの強力な戦車師団を持った従来型の軍隊だったが、アメリカ空軍が、それを黒い炭素の埃に変えた。侵略に反対するイラク人がゲリラ戦術に転換すると、アメリカは問題に陥るばかりで、決して効果的に対処できなかった。

7.イランはゲリラ戦のために、既に少なくとも150万人の民兵集団バシジ部隊を動員できる。これも500,000人以上の現役軍人に加えてだ。

8.イラクは主に、おそらく人口の17%のわずかなスンニ派少数派に支配されていた。イランは人口の90%を構成するシーア派多数派に支配されている。イラク政権が小数派だったので、ブッシュ政権は、彼らを権力の座につけることで、過半数を占めるシーア派共同体と仲良くなることが可能だった。この措置はスンニ派を周辺化し、怒らせたが、彼らは少数派だったので、それに対し大したことはできなかった。イランでは、シーア派多数派が、アメリカ侵略者に対する大規模な闘いを開始するだろう。

9.ブッシュは、イギリスとスペインを含め、イラク戦争のために国際同盟者を見いだせた。西ヨーロッパの誰も、トランプのイラン戦争には加わらず、アメリカを孤立させ、単独行動主義のいじめっ子らしくさせるだろう。

10.イラクの隣国、トルコとイランと、特にサウジアラビアは、サダムに酷評されていたので、ブッシュ侵略に強く反対しなかったが、シーア派のイラク人や、多くのシリア人や、アフガニスタンのハザラ人や、パキスタンの約4000万人のシーア派信徒はイランを支援するだろう.

ボーナス・ビデオ

PBSニューズアワー: “明らかな攻撃と軍隊配備後、高まり続けるアメリカ・イラン間の緊張”

記事原文のurl:https://www.juancole.com/2019/05/differences-between-proposed.html

----------

 羽田空港からおいでになったのはびっくり。前回の基地出入りが、マッカーサーの来日を彷彿させたので、必死でおことわりしたのだろうか?

 植草一秀の『知られざる真実』
 酷暑ゴルフと盛り下がり千秋楽国賓トランプ日程

 「栃ノ心のかかと」異様に時間がかかったエセ判定後ビデオは二度と流されなかった。安心して今日の相撲は見ずに済む。

 尊米攘夷!

日刊IWJガイド・日曜版「尊米攘夷体制下、トランプ大統領が来日! 本日午後7時より、『「米軍の占領体制は今も継続されている」――謎の権力機関「日米合同委員会」の知られざる実像とは!? 「戦後最大のタブー」について岩上安身がジャーナリスト・吉田敏浩氏に訊く!』を再配信!」 2019.5.26日号~No.2446号~(2019.5.26 8時00分)

 先日のインタビューと直接つながっている。

「戦後国体」は「尊米攘夷」!? 戦後の対米従属の構造は戦前の天皇制支配から引き継がれた!?~5.16岩上安身による京都精華大学人文学部専任講師・白井聡氏インタビュー 2019.5.16

 

2019年5月25日 (土)

悪い父親のようなアメリカ政府

2019年5月23日
ケイトリン・ジョンストン

caitlinjohnstone.com

 地区に大家族が暮らしているが、かなり虐待的だ。子供たちはほとんど医者に診てもらうことができず、適当な服を買ったり、旅行にでかけたりする十分な金がなく、不釣り合いに多くの子供たちが、もう少し配慮し注意をしていれば防げたはずの愚かで恣意的な攻撃に対する罰として部屋に閉じ込められている。彼らは余り外に出ず、自由時間は、彼ら家族がどれぐらい例外的かについてのお経を聞いて過ごさなければならない。

 まとまりが悪く不当に扱われている子供を見て、彼らの親に何が起こっているのかと人は思わずにいられない。両親はなぜ子供たちを養わないのだろう? なぜ、お金を子供たちに質の高い医療や教育を与え、必要なもの全てを持てるように使わないのだろう? 彼らは貧しいのだろうか?何らかの薬物乱用問題があるのだろうか?

 実際、もし彼らの家を見れば、すぐさま問題がどこにあるか理解できる。有刺鉄線がついた巨大な不透明な塀が庭を囲んでおり、外部、内部両方に面して現場を監視する多くの高価な監視カメラがある。全てのドアと窓は鉄格子つきで、おしゃれな警報システムが装備されており、主寝室には小銃の膨大な備蓄がある。

 家の主人は、自由時間の全ての空き時間には、高価な新しい住宅警備装置を持って帰って来るか、既に持っている装置を調整したり、いじくり回したりしている。何か欲しがって、彼にあえて近づこうとすると常に怒って突き飛ばす困窮した子供たちには煩わされない。

 「そんな時間はない!」と彼は新たな冗長な防犯装置を古い冗長な防犯装置の上に積み上げながら叫ぶ。「私は可能性がある全ての侵入者から家族を守らねばならないのだ!」

 それをしていない時は、彼は隣人たちをいじめて区域をうろつきまわる。彼は隣人に自警団参加を強いて、自警団を24時間強権支配している。彼は隣人たちが、指示に従い、近所に彼と同じように攻撃的な超警戒体制で対応するよう強く主張し、隣人の誰かが彼の要求に屈するのを拒否すると、服従するよう彼らを強制し始めるのだ。

 彼は隣人の投資や仕事を妨害し、隣人がお金を持てないよう、仕事を解雇されるように動くのだ。誰も隣人を助けに来ないようにするため、隣人に関する悪質なうわさを広める。彼は両手に装てんされた大きなピストルを持って近所をパトロールし、誰かが彼を変な目で見ると、彼は駆け寄って、手を頭の後ろにして、地面に横たわって謝るまで、二丁の銃身を彼らの顔に向けるのだ。特に素直でない隣人の場合には、深夜、彼らの家に突入し、彼らが要求を受け入れるまで命を奪う寸前まで打ちすえ、他の隣人全員に、彼は自己防衛でそうしたと法廷で証言させるのだ。時々、隣人が彼を攻撃したように見せかけるために事件さえ画策し、それから彼らの家に行って、冷酷に彼らを殺すのだ。

 彼は同盟者からも敵からも近所全員に恐れられている。彼を支持している隣人は、彼が近所に対してこのような厳しい支配をしているのでそうしているだけで、彼らは彼に協力すれば生活は楽で、彼に反対すれば、苦痛を味合わされることを知っているのだ。それで隣人たちは、標的にされるのを避けるためにする必要があることをしながら彼が睡眠中に心臓発作を起こしてくれれば良いのにと密かに願っているのだ。

 父親は「敵か味方のどちらかだ」と家族に良く言う。「誰が我々を襲うかもしれないのだから、私は周囲全員を一致させておく必要がある。我々はこの界隈で特別な地位を得たのだから、彼らを指導するのは我々の仕事だ。」

 ごくまれに、もし誰かがとても勇敢になって、隣人が彼にするのを恐れていることを、父親はいつもしているのだと指摘するかもしれない。

 「私がする時は違う!」と彼は個人的な要注意人物一覧表に名前を書き加えながら、常に怒鳴って答える。「うちの家族は例外だから、我々は規則の例外なのだ。」

 そして母親は大半の母親同様、起こっていることについて家族が話す物語を管理する責任者だ。隣人が傷を負ったり死んだりするたびに、彼女は子供たちに、それは隣人が悪かったので、父親は家族を守っていただけだったと言う責任があるのだ。

 「お父さんはお前たちを愛しているのよ」と母親は、就寝時、子供にささやく。「お前たちの生活と自由を守ってくれているお父さんに感謝すべきよ。彼がとても強いのは良いことで、もしうちの家族が仕切らなければ、角を曲がった所のチャン家か、道の先のスミルノフ家の人々が仕切るのだから。我々は常に彼がする全てを支持し、決して彼に質問すべきではなく、決して状況が変わるように望まないこと。それが唯一、物事のあるべき姿なのよ。そうではないとあなたに言う人は、皆頭がおかしくて、悪なのよ。」

 だが、子供たちは成長し、大きな子供たちの何人かは、起きていることを理解し始めている。彼らは、父親が口汚い専制君主で、母親が、彼らの人生ずっと嘘をついていたことを悟り始めている。幼い子供たちはまだ洗脳されていて、大きい子供たちが違うことを話そうとすると、聞くことを拒むが、彼らさえ疑いを持ち始めている。

 そして親もそれに感づいている。彼らは近所で何起きているかについて、子供たちが話す物語に対する支配を彼らが失い始めているのを知っており、もし彼らが、それを素早く未然に防がなければ、問題になるのを知っている。母親は突然、スミルノフ家の人たちが家への侵略をたくらんでいるのだから、家族は彼らに対して団結しなくてはならないと、彼女の物語の語りかたが、ずっと強引になる。子供たちがお互いにどのように話をするのを許されるかについて、父親は規則を益々厳しくして、もし彼らが服従しなければ、部屋に閉じ込めるか、思ったことをはっきり言えないよう、他の子から分離し始める。

 父親が家族支配の強化に成功するかどうかは、まだわからないが、事態は確実に変化しており、近所中が見守っている。

____________________

  どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事も)再配布したり、使用したりされるのを私は無条件に許可している私の仕事は全て読者に支援されているので、本記事を良いと思われたら、共有し、 Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私が何者か、私がどういう立場か、私がこのプラットホームをどうしようとしているかについてのより多くの情報は、ここをクリック願いたい。

ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!

 支援者になって下さるようお願いする。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/05/23/america-is-like-a-bad-dad/

---------

 悪い父親というと、思い出すのは...。むしろ、ドラエモンのジャイアンとスネオのような宗主国。ご出発まで延々、令和初の宗主国・属国関係の大デモンストレーション。とうていみる気になれない。

憲法ではなく日米合同委員会が支配する属国への令和初の国賓訪日
国際空港ではなく、宗主国の基地横田にご到着
ゴルフ
大相撲をます席の椅子からご観覧の上、賞を授与
爆買い戦闘機を搭載し空母化する「護衛艦いずも」ご観覧
天皇初の国賓としてご歓談(お二人並んでマッカーサー風写真撮影?)
国際空港ではなく、横田基地から、属国をご出発

 The State of the Japanese State Contested Identity, Direction and Role(Gavan McCormack著)を開いてみた。2007年に、初めてClient Stateという表現を使った学者の最新刊。昨年刊行されたのだが、残念なことにまだ翻訳はない。是非、お手にとってお読み願いたい。前書きの一部をコピーさせていただこう。

In contemplating the puzzle of the Japanese state, I set two markers, first going back seven decades to the "creation" - the arrangements imposed on the country by the post-war allied (mostly US) occupation, the constitution of 1946 and the San Francisco Treaty arrangements of 1951, out of which grew a peculiar dependence, maturing through subsequent decades into today's fully-fledged "client state" relationship, and later focussing on the enthusiastic and unconditional Abe embrace for the crass, capricious, and xenophobic United States of Donald Trump. I use the term "Client State" (that I first adopted in 2007) alongside others such as "construction state" and "constitutional state" (though the latter in a primarily ironic sense), and discuss other aspects under the heading "rampant state," but I am at a loss to find an encapsulating word to convey the Abe state's combination of clientelism - its structured and chosen submissiveness towards the Unitd States ・and assertiveness and historical revisionism, of the kind that in other countries would be seen as extremist, or ultra-nationalist. It is this peculiar blend of contradictory qualities that I wanted to try to capture. Prime Minister Abe is well-known for "Abe-nomics," but my focus is "Abe-politics."

 ファーウェイ攻撃はやまない。

日刊IWJガイド・土曜版「パナソニックがファーウェイと取引中止!? ところが日本の主要メディアの報道とは違い、パナソニックの中国現地法人の声明は『供給は正常』! IWJは中国通のエコノミスト田代秀敏氏へ直接取材! 田代氏はパナソニックの中国現地法人の声明を全文翻訳!」 2019.5.25日号~No.2445号~(2019.5.25 8時00分)

2019年5月24日 (金)

中国との貿易戦争のプロパガンダ激化

Moon of Alabama
2019年5月17日

 衰退しつつある帝国の主要プロパガンダ媒体ニューヨーク・タイムズは反中国キャンペーンを続けている。今同紙は米中貿易交渉の失敗を中国主席のせいにしている。

 土壇場での習の変身が、いかに米中国貿易合意をひっくり返したか

3週間前、中国の習近平主席は、アメリカとの一年にわたる貿易戦争が、彼の政治的勝利で、間もなく沈静化できると確信しているように思われた。

中国は両国が合意をまとめようとする中アメリカが要求した全ての変化、知的財産を守り、海外投資を促進し、より多くの外国商品やサービスを買うと彼は演説さえしていた。

その演説からわずか一週間後、中国の交渉者が大幅に書き直した合意草案を送ったことで、合意した条件に背いたと言ってトランプ大統領が北京を非難することになった。

 典型的なアメリカ・プロパガンダで、記事はアメリカの過度な要求に直面して中国がした決断を個人的なものにしている。タイムズは習自身が責められるべきだと言うのだ。

上意下達という中国の政治制度では習主席に大変な権力が集中している。

それは明確だ、習主席が誤った判断をしたのは明らかだ。

今習主席は、窮地に追い詰められる危険を冒している。

習主席なら、このような動きはあり得るはずだ。

習主席の狂乱状態の日程と大いに中央集権化された政策立案手法

「習主席が全体的な政治の雰囲気を締めつけたのは明らかだ。

 常にアメリカ・プロパガンダは、単身で全てを引き起こしており、あらゆる憎悪に値する一人の人物に集中する。それはかつてサダム、サダム、サダムだった。それからカダフィ、カダフィ、カダフィ、アサド、アサド、アサド、プーチン、プーチン、プーチン。今それは習、習、習だ。

 現実世界では、国家を率いているどの人物であれ、プロパガンダが人々を信じさせようとしている、こうした悪者化と同じほど強大な権力を持ってはいない。諸国には、皮相的にしか見ることがでない人々には到底理解できない過程を通して政策を決定する既得権益集団があるのだ。誰がトップにいようとも、その下にある各層の代表にすぎない。代表になったいる人物を悪魔化するのではなく、その過程を解きあかしし、説明することが報道機関の仕事であるべきだ。

 すると本当は何が起きたのだろう?

 アメリカは、中国製品に突然高関税をかけて、中国と貿易戦争を始めたのだ。中国はアメリカ製品への関税で応じたが、公正な合意を交渉する用意があったのだ。合意に関する交渉は、英語で、アメリカで開催された。アメリカは書面の草案を提供した。

 その草案が中国に到達し、中国語に翻訳されると、関連する党と官僚機構はがくぜんとした。アメリカは中国が国内法のいくつかを変えることを要求した。それは本質的に中国貿易政策の完全な変更を要求するもので、特に腹立たしかったのは、たとえ中国が同意しても、元の関税率に戻るのをいやがっていたのだ。不平等な合意を拒絶したのは習主席ではなく、中国政府全体だった。

 協定草案は修正され、アメリカに送り返された。トランプは、彼の降伏要求を中国の受け入れたがらないことに対して、更に関税を上げるという恫喝で対処した。貿易戦争はエスカレートし、他の関係にも転移するだろう。

 プロパガンダが弱まり、ジャーナリズムがこっそり忍び込むNYT記事の奥深くで、我々はその全てを知ることができる。

いくつか情報筋は、提案された合意は習主席と党が圧力に屈しているかのように見えかねない懸念に焦点を当てた他の共産党幹部と、方針転換が議論されたと述べている。
・・・。
習主席は、アメリカに要求された中国法律の改訂は中国の名誉に対する侮辱だと遅ればせながら結論したのかもしれない。それらの条項が、以前に概要説明されていなかった党幹部の批判を引き起こした後、習主席が行動をしなければならないと感じたのかもしれないと一部は言っている。
・・・。
アメリカ政権は中国国家安全保障体制が干渉と見なしたサイバー安全管理法に対する変更を要求したのだ。

これらの変化は中国の国会による認可を必要とする。

「アメリカが合意のために提起したこれらの条件は、少なくとも政治的見地から、受け入れることは極めて困難です」と中国の卓越した研究組織、中国現代国際関係研究院の崔立如前院長が述べた。「それはほとんど中国政治体制の変更要求です。」
・・・。
「中国がこれら圧力に屈伏したり降伏したりすると考えるのは非常に困難です」と北京大学国際政治経済研究センター長の王勇教授が言った。「世論が確かに重要です。」

 だから習、習、習ではないのだ。中国は「上下下達の政治制度」ではなく、習は「大変な権力を集中」していない。中国習主席は絶対国王ではない。このような広範囲にわたる決定ができるのは彼ではない。党や国家安全保障体制や政府機構がある。配慮すべき業界の利害関係がある。最後になったが、体制は全国世論も考慮に入れなければならない。

 中国はアメリカとの貿易戦争を望んでいない。だがトランプやNYTの想像とは異なり、アメリカが失うもより、失うものが少ないのは多分中国だ。

 チャールズ・フリーマン大使が明確に述べている通り、トランプの反中国政策には戦略がない。それは混乱であり、他の多くの分野に反響するだろう。

トランプ大統領の中国との貿易戦争は、中国-アメリカ関係の他のあらゆる領域に素早く転移した。ワシントンは今、アメリカ経済で中国との相互依存を排除し、世界統治における中国の役割を抑制し、中国の海外投資に対処し、中国企業の手足を縛り、技術進歩を阻止し、自由主義イデオロギーからの多くの逸脱を罰し、国境を争い、その国防体制を解読し、中国国防体制に思うままに侵入する能力を維持しようとしている。

これら取り組みが送る中国に対する敵意のメッセージは一貫していて一見包括的だ。たいていの中国人はそれがアメリカの総合的見解や戦略だと信じている。そうではない。

もはや、ワシントンでの政策形成や実行を統括したり、調整したり、管理したりする整然とした政策過程がないのだ。代わりに、ポピュリスト大統領が事実上、中国攻撃の解禁を宣言したのだ。

 現在、アメリカ政治各部門の実行可能なあらゆる分野で、中国を叩きのめしている。この敵意はまもなく不可逆的になるだろう。中国は本質的に、同じやり方で非対称的に反撃するだろう。今イランから石油輸入を再開している。フリーマン大使はこのゲームでアメリカが勝てる方法を思いつけない。

 この対立のために、中国は長い間準備してきた。トランプによる中国メーカー、ファーウェイに対する最近の動きを考えて頂きたい。

水曜日、ホワイトハウスは、アメリカの通信ネットワークと情報インフラで、ファーウェイ機器の禁止をあきらかに狙った政令を発令した。ホワイトハウスは更に中国企業を厳密な輸出規制対象とする、より強力な即座の制裁を発表した。

命令は木曜日に発効し、世界的に、アメリカのマイクロチップやソフトウェアや他の部品の全てが、ファーウェイと68の子会社による購入にはアメリカ政府承認が必要となる。去年、商品は110億ドルにのぼったとファーウェイは言っている。

 ファーウェイは現在同社のスマートフォンとネットワーク製品の多くで、アメリカ製チップを使用している。だが同社はアメリカの動きを予想し、そのため長期間たゆまず準備してきた

金曜日、ファーウェイのチップセット子会社ハイシリコンは、アメリカの禁止令に対処するため、何年も独自に開発してきた予備のチップを使う予定だと述べた。

ハイシリコン社総裁の何廷波が、社内スタッフへの手紙で、ファーウェイは、全てのアメリカの高度なチップや技術が手に入らなくなった極端な状態での生き残りシナリオのために準備していたと述べている。
・・・
手紙によれば「今日、歴史的選択をしなければなりません。我々の代替案は公式に使用されるでしょう」。

 間もなくアメリカのチップ企業は、世界で2番目に大きなスマートフォン・メーカーに対する全ての売り上げを失うことになる。損失は一時的なもので済まず、恒久的になるはずだ。同時に中国からの製品に対するトランプ関税は、アメリカ経済に更に損害を与えるだろう。有権者は既にそれを恐れている

中国製品輸入に対する関税増は経済の救いになるより、一層の損害を与えると有権者は11ポイントの差で恐れている。

 間もなくウォルマートや他の企業が価格を引き上げなければならないと発表することで、投票者の直感は裏付けられるだろう。経済学者たちも同様に、アメリカ消費者が大きな痛みを感じるだろうと思っている。

中国商品輸入5000億ドルに対して25%の関税というトランプの案が丸ごと実行されれば、3人家族のアメリカ人の負担は約2,200ドルになる。

「5月末までに発効する、2000億ドルに対する、最近の10%から25%への15%追加関税に関しては、直接経費は300億ドルで、より高いアメリカ生産者価格からくる、ありそうな間接経費で、更に300億ドルある。合計で600億ドル、一家族当たり550ドルだ。」 中国は関税の「5%以上」を吸収しないだろう。

 トランプの反中国キャンペーンに加わる他の国々は極わずかだろう。それは更にアメリカを孤立させるはずだ。「アメリカ合州国を再び偉大にする」氏にとって、なかなかの業績だ。

 中国貿易行動の一部は批判に値し、批判されるべきだ。だが全体として、中国はゲームの規則にこつこつと取り組んでいる一方、今アメリカはこれを壊しているのだ。アメリカ工場を中国に移転したのは、中国ではなかった。アメリカ経済体制が、市民の福祉ではなく、貪欲に基づいているがゆえに、アメリカ人経営者がそうしたのだ。

 中国に貿易上の行動を変えさせるには、いじめたり関税や制裁を強化したりするより、ずっと良い方法がある。フリーマン大使によるお推めのエッセイにはそうした方法のいくつかが書かれている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/05/propaganda-intensifies-the-trade-war-with-china.html#more

----------

 傀儡与党別動隊の酒乱、さらなる暴言暴露。しらふの人が頭の中で考えていることを、よっぱらいは口に出す。大阪、日本の縮図でこそあれ、例外ではないだろう。

日刊IWJガイド「関西テレビの番組『胸いっぱいサミット』で『韓国人気質』を聞かれた岩井志麻子氏の『手首を切るブスみたいなもの』発言に関テレの公式見解は『差別の意図を持って表現したものではない』から謝罪も撤回もしない!? IWJが関テレに直撃取材!」 2019.5.24日号~No.2444号~(2019.5.24 8時00分)

 幸いなことに、この人を知らない。他の顔ぶれもすごいがテレビ局も番組も知らない。異神を生み出す風土?

 植草一秀の『知られざる真実』も最新記事で、
「れいわ新選組」へのネガキャンは既得権勢力警戒心の表れ で指摘しておられる。

これらの企業に所属するタレントは、役目を帯びてテレビ番組に出演している。

極めて醜悪な姿だ。

2019年5月23日 (木)

関税問題

2019年5月14日
Paul Craig Roberts

 アメリカの外交政策や国内政策のどれをとっても私には狂気と無知と無能しか見えない。

 国内に雇用を取り戻すためのトランプの誤った手法である関税問題を見てみよう。アメリカ企業がその商品を売るためアメリカに持ち込む際、海外移転されたアメリカ製造は、輸入として扱われることを関税「解決策」が見過ごしているのだ。

 中国は、アメリカの費用を下まわって売ることで、アメリカの雇用を盗んだわけではない。雇用は、アメリカ企業の収益を最大にするという唯一の理由で、技術や事業ノウハウとともに、アメリカ・グローバル企業によって中国に移転されたのだ。海外移転されたアメリカ資本や技術や事業ノウハウにより、労働者はアメリカ労働者と同じぐらい生産的にされ、アジアの労働市場にのしかかっている膨大な労働力の供給過剰のおかげで、中国やアジアの他の場所で、遥かに少ない費用で雇えたのだ。莫大なコスト節減は、経営者にとっては、直接、アメリカ企業の収益と、株主のキャピタル・ゲインと、企業幹部のボーナスになった。中国から輸入されるものの半分以上の「安い商品」は、アップル、リーバイス、ナイキのようなアメリカ企業の商品だ。そうしたものはアメリカで販売するため中国で作られるアメリカ企業の製品だ。そうしたものは「安い中国商品」ではない。iPhoneが安いとか、MacBookProが安いとか思われるだろうか?

 関税は、アメリカ企業により、アメリカで販売するために国外生産されたアメリカ商品にかけられる。例えば5月13日にアメリカ通商代表部(USTR)は、25%の従価税の適用を受ける「中国」製品リストを発表した。リストは携帯電話や、はき物や、織物を含んでいる。中国からの携帯電話輸入はアップルのiPhoneを除外するのだろうか? 中国からのはき物輸入はナイキの靴を除外するのだろうか? 織物はリーバイスを除外するのだろうか?トランプの関税が、中国所有企業によるアメリカ市場への輸出だけが対象だという情報を私は見ていない。

 関税は、アメリカに輸出されるアメリカの海外生産品の利益を減らし、既にアメリカ企業が外国に移転した製造の仕事からの収入を失ったアメリカ消費者にとって価格を上昇させるだろう。

 言い変えれば、関税は解決にならないのだ。

 海外移転されたアメリカの雇用を国内に戻す唯一の方法は、アメリカ企業に課税する方法を変えることだ。いや、法人税を下げるのではない。仕事を国内に戻す方法は、彼らがその生産物に価値を加える地理的場所を元にして企業に課税することだ。もしアメリカ企業が、アメリカ市場のために50の州で生産すれば税率を低くする。もし彼らがアメリカで売るために、中国や他のどこかで生産すれば税率を高くするのだ。

 アメリカ市場のために海外移転された生産に対する税率は、外国でのより安価な、労働と規制費用を相殺するよう算出することになる。

 アメリカ人は、常にそうなのだが、「グローバリズム」と呼ばれるいんちきにだまされているのだ。グローバリズムは、労働組合を破壊し、アメリカ労働者から中産階級の仕事を奪い、彼らから交渉力を剥奪するために使われるペテンなのだ。それは同様に、自給自足の第三世界の人々を土地から追い立て、国の農業を単一作物輸出商品生産に変換するため、多国籍農業関連企業に利用されるペテンなのだ。

 グローバリズムによる悪事は、先進国と第三世界の双方に犠牲を強いた。それは全く先進国の資本主義者連中による利益最大化の結果だ。それは中国とは無関係だ。

 中国産業がアメリカ産業より安く生産するからではなく、アメリカ・グローバル企業こそ、アメリカ雇用喪失の原因である事実を見えぬよう隠すため、身代わりに中国が非難されているのだ。

 関税で仕事を呼び戻すことはできない。

 15年以上前の2004年1月6日、チャールズ・シューマー上院議員(民主党、ニューヨーク州選出)と私は、ニューヨーク・タイムズで、雇用の海外移転は自由貿易の実践なのかどうかという問題を提起した。我々の言い分を聞くために、ワシントンD.C.で、テレビ放送される会議が開催された。我々の主張のあらを突こうとする企みは失敗に終わった。シューマー議員が先頭に立って、何かできそうな希望があったのだが、彼は大企業とウォール街の選挙運動献金者に沈黙させられてしまった。以来ずっと、私はコラムやインタビューや、私の著書「The Failure of Laissez Faire Capitalism(自由放任資本主義の失敗)」で問題を何度も説明してきた。私は中国委員会で証言し、国家や地方の予算や年金債務に対する影響を含め、起きていることと、その結果を明らかにした。

 それも無駄だった。貪欲で、けちな資本主義者連中が連邦議会議員全員、経済学者全員、金融ジャーナリスト全員、右派も左派も沈黙させた。その結果、かつて機会社会だったアメリカが、今やごく少数の非常に裕福な億万長者階級と、借金で首が回らず、福祉手当のない二つかそれ以上のパートタイム仕事で生き延びている労働者に分極化している。今トランプ政権は、この大惨事を中国のせいにしている。結果として戦争が起きかねない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/14/the-tariff-issue/

----------

 いつも思うのだが、ファシスト突撃隊のような集団、すごい顔ぶれをそろえるものだ。こういう人々に投票する人々の精神構造が理解できないのは絶滅危惧種なのだろうか?

日刊IWJガイド「『歩く反人権』、長谷川豊氏が今度は部落差別発言! 維新を離党したばかりの丸山穂高議員には、泥酔セクハラ疑惑! それでも維新の支持率がは3.9%もあるという怪! 改憲が実現すると長谷川豊氏、丸山穂高議員のような人物たちが跋扈!?」 2019.5.23日号~No.2443号~(2019.5.23 8時00分)

 戦争暴言の後に、こういう記事を見た。

片山氏は会談後、「大使は『酒を飲んだからということで言い訳にはならない、というロシアのことわざがある』と言っていた。大変な不快感を持っていることは事実だ」と記者団に語った。

 不思議なことわざがあると思って、それらしき英語を想定して、検索してみると、別のことわざがあった。具体的にロシア人が挙げて指摘しているという記事があったのも知らずにいた。「しらふで、とんでもないことを言う」ということわざはあるのだろうか?

しらふの人が頭の中で考えていることを、よっぱらいは口に出す。

2019年5月22日 (水)

反証にもかかわらずグリホサートはOKと言うアメリカ環境保護庁

2019年5月9日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 アメリカ環境保護庁(EPA)は、おそらく発がん性があるだけでなく、身体を衰弱させる他の複数の健康問題の原因でもあるという警鐘的な証拠が増えているにもかかわらず、この論争の的であるグリホサート除草剤の認可更新を認めることに決めた。新しい研究も、グリホサートによる人間や動物のDNA損傷が、世代を超えて広がると主張している。

 ちょうど、アメリカ環境保護庁は、今はドイツ・バイエルの一部であるモンサントにより市場に出され、広く使われているラウンドアップ除草剤の主成分グリホサート再認可を提案したところだ。環境保護庁裁定への元々のWebリンクは、実に奇妙なことに本記事執筆の時点で、こういうメッセージが出る。「申し訳ありませんが、現在このWebページは見ることができません。」

 おかげで詳細な批判をするのが、いささか困難になる。だが、いくつか事実を言うことが可能だ。第一に、GMO監視ウェブサイトSustainable Pulseによれば、長年、環境保護庁の裁定部門は、業界データさえ使って、化学業界に有利な裁定をすることで知られている。彼らは、環境保護庁が自身や他の独自調査ではなく、業界の実験に大きく依存しており、今回も同じだったと主張している。欧州連合の欧州食品安全機関を含め、そうした業界研究の多くは、虚偽であることがわかったり、ひどく偏ったりしている。

 第二に、環境保護庁は、2015年の世界保健機構国際がん研究機関(IARC)によるグリホサートは「おそらく発がん性物質」だとする判断、つまり続々現れる証拠にもかかわらず、モンサントが必死に否定しようとしている裁定を断固無視することに決めたのだ。

 第三に、しかも最も露骨なのは、最近の環境保護庁裁定が、グリホサートとがんのある特定のタイプの間に関連があるという国際がん研究機関に同意したもう一つのアメリカ行政機関アメリカ保健福祉省有毒物質と病気登録局による以前の決定を無視したことだ。4月8日、アメリカ保健福祉省の有害物質・疾病登録局(ATSDR)は、他の調査結果に加えて、去年モンサントに二つの重大な敗訴をもたらし、更に13,400件の係争中の訴訟が、極めて論争の的のモンサント買収後、モンサント買収以来40%も値下がりして親会社バイエルの株価に損害を与え、最近の株主による経営者に対する反乱を引き起こした、グリホサートと、がんの一種である非ホジキンリンパ腫との関連の証拠を決定した、グリホサートに関する長く待ち望まれていた毒性報告草案を発表していたのだ。

 未来世代が危険にさらされる

 今憂慮すべき新研究の結果が発表された。ワシントン州立大学の研究者が、重度の腫瘍や他の病気が、グリホサートに曝露したネズミの第2世代や第3世代の子に現れることを見いだした。彼らは「グリホサートに曝露したネズミの第2世代、第3世代の子に、前立腺や腎臓や卵巣の病気や肥満や出生異常が」を含む病気や健康異常が見られることを発見した。それらは「精子のエピジェネティック(後成的DNAメチル化)パターン変化と相関関係があった」。研究はワシントン州立大学のマイケル・スキナー生物学教授が率いた。

 スキナーの研究は、2世代目と3世代目に、いくつかの病状で「劇的増加」があることを発見した。2世代目は、肥満と同様、睾丸と卵巣と乳線の病気が「かなり増加」していた。研究者は、第3世代のオスで、前立腺病が30パーセント増加するのを発見した。対照群の3倍だ。第3世代のメスでは、腎臓病が40パーセント増加、つまり対照群の4倍だ。

 スキナーの新研究はグリホサートの「継世代毒性」と呼ばれるものを調べて公表された最初の研究だ。研究は、公式に無害とされているグリホサート投与量を下まわるグリホサート投与量で試験した。世界で最も広く使われている除草剤グリホサートが数十年にわたり、毎年農業や植物栽培で使われ、世代を越えて人間や動物の曝露を引き起こすのだから、これは大いに意味がある。

 EPAが使用し、OECDが推薦している試験法は、最も限定された形のものを除いて、継世代効果を無視しており、重大な悪影響が規制当局には注目されていないことを示唆している。スキナーの研究は、業界に批判されているが、明らかにEPAやEUや、他の規制当局が、除草剤化学物質に対する曝露の健康への安全を決定する規則を、長期間、多世代にわたる潜在的影響を調べるために修正する必要性が切迫していることを示唆している。ここで中核となる重要な原則は、科学的調査が、可能性のあるリスクを見いだした場合、そのリスクが確実に排除されるまで、政府には危険に対する曝露から大衆を守る社会的責任があるという、一般に認められた「予防原則」だ。グリホサートは、明らかに健康上のリスクが排除された例ではないのだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/09/us-epa-says-glyphosate-ok-despite-contrary-evidence/

----------

 ブログ「dendrodium」記事を拝読し、コメントを戴だいたばかり。シンクロニシティ。
 米裁判で3件連続で癌との因果関係が認められたラウンドアップを庭の雑草に使えと薦めるコマーシャルに思う

 新刊『9条入門』について、IWJ岩上安身氏による著者加藤典洋氏ご本人のインタビューがいつかあるものと期待していたのだが。

日刊IWJガイド「『9条入門』著者・文芸評論家の加藤典洋氏が逝去。本日午後7時より『日本から「中庸」は消えるのか 米国からのプルトニウム返還要求について考える ~岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー』を追悼再配信します」 2019.5.22日号~No.2442号~(2019.5.22 8時00分)

 今日の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

※『9条入門』と加藤典洋の世界~岩上安身による「戦後再発見双書」刊行責任者・矢部宏治氏インタビュー 2019.4.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/446990

 加藤氏は1948年山形県生まれ。明治学院大学教授・早稲田大学教授を歴任し、早稲田大学名誉教授。『アメリカの影』『敗戦後論』『3・11死神に突き飛ばされる』『戦後入門』など、多数の著書があります。

 加藤氏は誰もがうすうす気づきながら言語化できていない問題を効果的に言語化して問題提起する人でもありました。加藤氏は日本の原発政策の本質を、「核の平和利用」と潜在的核保有による「安全保障」の二面性の問題として指摘していました。岩上安身は2014年2月4日に加藤氏にインタビューを行っています。

※日本から「中庸」は消えるのか 米国からのプルトニウム返還要求について考える ~岩上安身による文芸評論家・加藤典洋氏インタビュー 2014.2.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/123524

 本日午後7時より、【加藤典洋さんを偲ぶ~追悼再配信】として、このインタビューを全編フルオープンで再配信致します。この機会にぜひご覧ください。

2019年5月21日 (火)

今、鉄道に夢中なインドネシアと支援の用意ができている中国BRI

2019年5月9日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

 つい最近まで、インドネシア鉄道は全くの大惨事だった。鉄道網はオランダ植民地時代と比較して、1950年には劇的に6,811キロから5,910キロまで、そして最近では、悲惨な3,000kmにまで縮小していた。

 わずか数年前は乗客が錆びて老朽化した客車の屋根によじ登り、落下したり、感電したりしてよく亡くなったものだ。列車は実に酷く老朽化していたので、しばしば屋根が壊れ、人々がその過程で床も壊し、最終的に地上のレール間に落下して終わることがあったのだ。

 スハルト親欧米独裁時代も、その後も、鉄道網は、汚く、資金不足で、原始的な酷い運命のまま放置されていた。国と堕落した当局者は、主に日本の自動車とスクーターを組み立て、売り、何百万ガロンものガソリンを燃やすことに全力を注いでいた。ある時点で、状況は耐えられなくなった。一部の説では、インドネシアには世界で最も「使われている」道路網がある。その意味は、つまり、特に都市での交通は非常に恐ろしいので、それが「完全な永久交通渋滞」に似始めているのだ。

 腐敗した当局者さえ、包括的な鉄道網なしでは、インドネシアは生き延びることができないという事実を認識しなければならなくなった。

 ジョコ・ウィドド大統領は、インドネシア鉄道網全てを改善し、実際には、大修正することを誓っている、自国や外国の顧問に耳を傾け始めた。だが彼の政権の前にさえ、インドネシア鉄道の本物の「英雄」が登場していた。現在インドネシアのエネルギー鉱物資源大臣(1963年6月21日、シンガポール生まれ)イグナシウス・ジョナンだ。前インドネシア運輸大臣として、彼は2009年から2014年まで、国有鉄道、PT Kereta Api Indonesia (PT. KAI)を率いたのだ。

 彼の統治の間に、乗客数は50%増加し、駅と列車のトイレはきれいになり、都市間の列車が、おおよそ時間通りに走り始めた。

 ジャカルタ市は、中古ながら素晴らしい日本の都市周辺の車両を何百輌も購入して、極端に人口過剰な首都を、タンゲランやブカシやデポックのような郊外と、隣接するボゴール市と結び付け、路線と頻度を劇的に増やした。

 不潔で崩壊した危険な駅が全面改修され、今エスカレーター、エレベーターと比較的きれいなプラットホーム設備が整っている。

 伝説によれば、休むため家に帰る時間がなく、ジョナン大臣は列車の中で眠ることが良くあったと言う。彼は多くを達成したが、遥かに多くがなされなければならない。

 ジョナン大臣が別の省に移動した後も、インドネシア鉄道サービス改良の仕事は止まらなかった。

 新しい都市間列車が追加され、ビジネスクラス飛行機のフラットベッドに似た車両を含め若干の革新的なぜいたくなサービスが導入された。だが「エコノミークラス」でさえ快適で、空調が効いている。

 BEKRAF(インドネシア創造経済庁)の幹部ハリ・スンカリ氏が説明してくれた。

「今日PT KAI(インドネシア鉄道)は前よりずっとサービスが良くなっています。最近私は、自分にとって、とても重要な快適さと時間厳守に対してお金を出しています。」

* **

 線路が最大の問題だ。線路の大部分が旧式の、機関車一輌で牽引する、非電化の狭軌、要するに、1,067ミリ・ゲージだ。

 一部は、ひどく古く、しばしば深い峡谷上をぐるりと回る陸橋を使い、一世紀前に作られている。インドネシアには、ほとんど鉄道トンネルがなく、都市間の急行列車さえ、急カーブで山を通過する際には、ほぼ時速10キロの速度を越えずに、常習的に、這うように進まなければならない。それはジャカルタと、インドネシアで3番目に大きい都市バンドン間の最も頻繁な旅客輸送でさえそうなのだ。

* **

 ほぼ2億人の住民とジャカルタ、スラバヤ、バンドンやジョクジャカルタのような大きく人口も数百万と多い都市があるジャワは、やはり人口過剰で、同様に長く、中央が山がちで比較的狭い(東京、大阪、名古屋、京都や他の大都市がある場所)日本の島、本州とどこか形が似ている。日本では新幹線が既にほぼ全ての輸送問題の解決に成功した。

 遥かに貧しいインドネシアは新幹線網導入を夢でさえ見ることができなかった。今までは。

 都市と都市間での交通渋滞による損失は実にすさまじいものとなり、年間何百億ドルに及ぶと推計され、インドネシア政府は「大きなこと」を考え始めなければならなかった。港、空港、道路、とりわけ鉄道への莫大な投資が、是が非でも必要だった。

 研究は準備されていた。日本と中国の企業が都市間高速列車回廊の第一段階建設のために競争し始めた。

 日本のシステムも中国のシステムも両方優秀で、弱点より多くの強みを持っている。

 日本の新幹線は最も古く、最も安全で(今までに列車が脱線したことがない)、多分世界で、今までで最も快適なものだ。

 中国はこれまでのところ、世界で最長、最高速の高速鉄道網を構築することに成功したが、その長さを考えれば、驚異的に、安全で、時間通りだ。

 インドネシアとの関係で、日本にはある深刻な問題がある。何年も何十年もの間、自動車とスクーターを生産する日本企業が、石油を大量消費する、極めて旧式の必要最低限の装備モデルの自動車を与えて、インドネシアを組み立てラインとして利用したのだ。実際、日本の自動車企業は、公共輸送機関網を都市に構築せぬよう、インドネシア人官僚に金を渡していたと多くの人が、言っている。

 最近、私はインドネシア政府高官で、元国家開発企画庁の国家財政・金融分析部長シドキ・LP・スイトノ氏から話を伺った。

「インドネシアとの関係で言うと、日本はスハルト独裁時代からずっと利益を享受してきました。インドネシアで自動車産業は日本の自動車の売り手寡占のようなものです。我々は何を得られるでしょう? 我々はまだ国産自動車や自身の国産オートバイ製品のような国産自動車産業がありません。我々は非常に大きな「売り手を選択する余地がない専属市場」なのです。2018年、110万台の自動車と650万台のオートバイがインドネシアで売られました。」

 彼や他の多くのインドネシア人は実際今まで中国の入札を支援していた。

 最終的に中国の入札が落札した。一部は中国プロジェクトが日本より安いからだが、中国が新鉄道を建設する速度に世界の誰もかなわないためだ。

 崩壊したインドネシアのインフラは極めて速い全面改修が必要だ。中国企業は、高速鉄道網も、より控え目な(だが同様に重要な)急行や貨物や地方鉄道も提供できるのだ。

* **

 インドネシアの過激な資本主義「経済」モデルの悲劇は、政府がインフラのために大きな予算を持っていないことだ。ジャカルタ地下鉄(いまだに、わずか一路線)や都市間の路線が、列島中至る所で、同時にではなく、一歩一歩着実に建設されているが、長期的にはずっと経済的だろう。

 最も論理的な最初の新幹線プロジェクトは、ジャワで2つの最大の都市、お互い約1,000キロに位置するジャカルタとスラバヤを結ぶもののはずだ。東京・大阪間の新幹線がそうしているように、この路線は毎日何百万人も輸送ができる。このような輸送手段は、過度に負担をかけられ、環境上、破壊的な道路網の負担を大いに軽減するだろう。

 だが無数の「研究」と討論の後、インドネシア政府は、最初はジャカルタとバンドン間、お互いわずか道路で138キロ(あるいは一世紀前、オランダが建設した遅い既存の鉄道で180キロ)の二都市の間にの短いストレッチを建設することに決めた。現在、列車の旅は3時間30分かかり、単一機関車牽引では、より多く都市間ダイヤを導入するのは不可能だ。道路は交通渋滞のため(全部で6-7時間)運転は、徐行か平均時速20kmに落ちる。

 既に中国はそうした新幹線路線を建設し始めた、開業予定は西暦2021年末だ。

 バンドン近くの工事現場訪問時、中国人管理者に「全て予定通りです」と言われた。

 もし全てうまく行けば、約2年でジャカルタ・バンドン間の旅が40分に短縮されるはずだ。

 問題は両都市が交通渋滞によって妨げられていることで、特にバンドンの場合、全く不十分な公共輸送機関しかない。超高速列車は、一方の都市の交通渋滞の悪夢から、もう一つの悪夢へと乗客を輸送することになろう。

 もちろん、都市間と、都市レベル両方で、一体どのように問題を解決すべきか中国は完全に知っている。BRIはそのためのものだ。中国の都市は、効率的な生態学的な都市計画の生き証人だ。

 だがインドネシア政府はまだ「どこまでも」やる「意欲」はない。インドネシアはまだ、その場しのぎに固執している。遅い進歩で、フィリピンやベトナムのような国にさえ、後れをとっている。

* **

 ジョコウィ政権の功績を言えば、鉄道、港、空港とハイウェーなしで、インドネシアに進歩があり得ないのを知っていることだ。彼の計画は本当に「ナポレオン一世だ」。鉄道の話になると、彼は2030年末までに、群島中いたる所で、12,000キロの線路建設を望んでいる。ジャワ、マドラとバリだけで、6,900キロだ。パプアでさえ500km。カリマンタン(ボルネオ)では、1,400キロ、スマトラとバタムで2,900km、スラウェシで500キロだ。

 新路線は重連牽引の予定で、電化で、広軌だ。全てではなく、少なくとも一部は。

 だがここには落とし穴がある。中国が深く関与して、鉄道を建設するか、実に多くのインドネシアの砂の城が既に前に消失したように、夢全体が崩壊するかだ。

 インドネシアはノウハウを持っていない、スタミナも同じだ。中国は持っている。

 1965年にアメリカが計画したクーデター後のインドネシアは、少数の金持ちの、不正な個人の懐を満たし、事実上何も作らず、アジアで最も低開発の国の一つに後戻りし、今までその天然資源を共食いしてきた。

 今BRIはこの全てを変えるかもしれない。共産主義で、大いに熱狂的で、よく働く国際主義の中国は、ひざまずいていたアフリカ全体を立ち上がらせている。もしジャカルタの支配者が、中国がそうするのを許せば、インドネシアでも同じことができるだろう。もし欧米の宣伝と、欧米から金をもらうNGOが、国家インフラ改造を丸ごと脱線させるのに成功しなければ。

 Andre Vltchekは哲学者、小説家、映画製作者で調査ジャーナリスト。彼は Vltchek’s World in Word and Imagesの創作者で、China and Ecological Civilizationを含め、多くの本を書ている作家。オンライン誌 「New Eastern Outlook」独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/09/now-indonesia-in-love-with-trains-china-s-bri-ready-to-help/

----------

 東南アジアの首都に行くたびに、タクシーでゆく空港と首都間の所要時間が読めないことと、街頭に立った時の排気ガスのすごさ、スクーター、オートバイの多さに驚いたものだ。バンコク、クアラルンプール、ジャカルタ。運転ができないので、宗主国に行くたびに、車社会の不便さを痛感した。たまに鉄道にのっても、遅かった。そもそも駅にゆくのに、タクシーを待つのが大変だった。

共産主義で、大いに熱狂的で、よく働く国際主義の中国は、ひざまずいていたアフリカ全体を立ち上がらせている。

 と筆者はおっしゃる。

 翻って、日本。週刊金曜日5月17日号、特集は「公安警察の闇」。共産党が標的にされていることが伺える。党名を変えないから得票が伸びないという主張で「党名を変えれば、捜査対象から、はずされる」証明を読んだことがないのだが。

ドル覇権にとってのリスクが、ベネズエラ「政権転覆」の背後の主目的

2019年5月8日
ピーター・ケーニッヒ
New Eastern Outlook

 新たなクーデターの企て、というかプロパガンダ・クーデターの後、ベネズエラは、外国が押し付けた不安定状態にある。クーデター未遂は、4月30日に、ワシントンで教育され、支持された自称「暫定大統領」フアン・グアイドと、自分たちが何をしようとしているのか全く知らないように見える多数の完全武装した離脱兵士とグアイドによって自宅軟禁からあわただしく解放された反政府勢指導者レオポルド・ロペスにより実行された。すべてが数時間後に終わった時、彼らの大部分が元の部隊に再編入されるよう要求し、私が知る限り、彼らは復帰を許可されたのだから。

 これがワシントンの操り人形と「クーデター屋」だ。いわゆるクーデターが、ベネズエラ軍のいかなる介入もなしで、わずか数時間で鎮圧されたのを見ると、これがクーデターとして本当に計画されていたかのか、それともメディアが、我々が過去数年、慣れ親しんだ嘘と中傷である、全てマドゥロ政府によるベネズエラ天然資源の誤った管理のせいで、飢饉や医療や薬品供給の欠如で苦しむ国民や、マドゥロ独裁についての彼らの話題を「補給する」ための「広報」クーデターだったのか疑ってしまう。

 確かにベネズエラ国民は苦しんでいる。イギリスの経済政策研究センターCEPR報告によれば、制裁で約40,000人のベネズエラ人が死亡した。マドゥロ大統領がベネズエラの資源を浪費したためではなく、残忍で無情な外部の、主にアメリカと、程度は劣るものの、ヨーロッパのワシントン家臣による干渉のせいだ。もしベネズエラと民主的に選出された大統領ニコラス・マドゥロに対する、ポンペオやボルトンやペンスやトランプによる絶え間ない陣太鼓の音を聞けば、何と病的な統合失調症の世界に我々は住んでいるのだろう、我々がそれを許し、ロシアと中国以外の国々誰も、この破壊的な大失態に「やめろ」と言わないのは、我々が骨の髄まで病んでいるのだろうか?と疑問に思い、頭を振ることができるだけなのだ。

 国防総省アメリカ南方軍SOUTHCOMから漏洩した書類を含んでいるエリック・ズースのこの記事は、信じない人々に対して、彼らの考えを変える多くの理由を与えてくれる。

 欧米の人々は心の病の惨めな状態に至っている。我々はアメリカが引き起こした戦争と対立で、アメリカとそのNATO同盟国による何千万という人々の大虐殺、世界中での資源と金融支配を巡る無差別殺害とを許している。だが我々は、ベネズエラのように、静かな平和主義の、完全に民主的な国を非難し、徹底的に踏みにじり、法律のいかなる基準によっても全て違法な、最も恐ろしい金融、経済制裁で罰する同じ殺人者国に追随しているのだ。しかも我々欧米の「指導者たち」は全てそれを知っているのだ。

 これら欧米国家指導者連中や、選ばれた連中の手先は「やめろ」と言う度胸や政治的勇気がないのだ。もし彼らに良心が残っていたなら、彼らはそうできるはずなのだ。(原文のまま)属国諸国のこれらいわゆる指導者、彼らはその主権で全て望み通りになるはずだ。彼らはまとまって、もう沢山だと決め、自身をワシントンの恐怖から断ち切り、本物の欧州連合、専制君主にノーと言える連合、自らの主権で、自身の運命や、ベネズエラ、キューバ、ロシア、中国、イランや更に多くの平和な国々、基本的にワシントンの命令には屈しないことに決めたあらゆる国々との同盟の運命を決定する采配ができる連合を組織できるはずなのだ。

 彼らはなぜそうしないのだろう? 彼らは買収されているのだろうか、あるいは、もし彼らがあえて逸脱すれば殺すと脅迫されているのだろうか? 全てあり得るし、可能性は高い。おそらく28のEU加盟国全ての政治指導者連中は、明けても暮れても広めさせられている嘘の惨めなほどの断片まで信じようと意を決しているのだ。それは不可能なのだ。

***

 ベネズエラに戻ろう。欧米の一般大衆は、帝国が「変え」たがっている政権についての衝撃的な中傷ニュースなしでは決して長く暮らせない。ベネズエラの極悪ペア、グアイド-ロペスがワシントンの厳しい指示に従ったのは明きらかだ。何であれワシントンのご主人の事前承認と指令がないことをする勇気はグアイドには決してないはずだ。

 尊大な恫喝や濡れ衣やクーデター未遂後の脅威にもかかわらず、マドゥロ大統領は2018年5月20日に投票した人々の3分の2以上、彼を支援した600万人の投票者の確固たる支持をつかんではなさない。彼は同様、欧米に知られていない革命的な高潔さと良心の軍の確固たる支持を得ている。そして、とりわけ彼はベネズエラの堅実な同盟国ロシアと中国の支持を得ている。

 にもかかわらず、アメリカは手放すまい。彼らはなぜ全てを、衝撃的な戦争の危険さえ冒すのだろう?

 いくつか理由がある。第一に、読者は「石油に決まっている!」と思うかもしれない。第二に、超資本主義で、新自由主義から新ファシストに変身したアメリカは、まだ自分たちの「裏庭」だと思っている場所での社会主義国家を大目に見るまい。この全てが事実で. ベネズエラは本当に世界最大の炭化水素埋蔵量準を持っており、それは好都合にもアメリカのテキサス精製所に近いのだ。

 しかしながら、ワシントンの強制的な「政権転覆」の主な理由は、ベネズエラが米ドルで、炭化水素を売るのをやめたことで、従って世界中で、米ドル覇権のリスクになりかねないのだ。それは帝国にとって処罰に値する違反なのだ。書面にはなっておらず違法だが、それにもかかわらずアメリカに決められた石油とガスを米ドルで売るという規則を無視する勇気があったがゆえに、少なくとも二人の国家指導者、イラクのサダム・フセインとムアマル・カダフィが暗殺された。二人とも米ドル以外の通貨で彼らの石油を売買し始めており、他の国々も同じようにすべきだと強く提唱していたのだ。

 およそ3年前、ベネズエラは石油とガスを米ドル以外の通貨で売り始めた。大罪だ。

 世界経済の全面支配を意味する世界ドル覇権は、急速に衰退しつつある支配だが、それはドルがあふれた世界と、連邦準備金制度と、それと提携したアメリカ銀行により完全に支配されている通貨制度と、アメリカであれ他のどの国であれ、すべてのドルを、ニューヨークあるいはロンドンのアメリカ銀行を通して諸国間で移動させる国際決済制度、国際銀行間通信協会SWIFTとで、維持できているにすぎない。そういうわけで、急速に薄れつつあるとは言え、米ドルは世界の重要な準備通貨のままなのだ。そして二つ目が、炭化水素エネルギーのような商品の強制的な米ドル使用による取り引きによってだ。全ての取り引きがアメリカ金融体制に支配されているがゆえに、帝国が世界経済を支配するのに必要な量のドルを印刷することや、ワシントン支配に屈することを望まない国々を制裁と国外資産没収で罰することを可能にする。

 第一に、「ニセ」で不換の、借金を元にした通貨だと広く認められている米ドルに準備金を託す国の数が常に減り続けているため、準備通貨としてのドルは急速に衰えつつある。各国はドル準備所有資産を、漸次、他の資産、すなわち金や、これまで数年にわたり需要が高まっている中国元に換えている。中国が既に世界中で疑問の余地がない最強の経済として知られているので、論理的に中国通貨は特別な準備金の立場にある。だが主流メディアはこれについては報じないのだ。

 第二に、炭化水素貿易のために、もはやワシントンが押しつける米ドル使用というきまりに敬意を払わない国々が益々多くなるにつれ、ドル需要は急速に減少するが、これは世界に対するアメリカ・ドル覇権に対する直接対決だ。何年も前に、ロシアと中国は炭化水素だけでなく全てのものを米ドルで貿易するのをやめている。インドとイランも同じことをし始めた。他の国々も続くだろう - そして先駆者の一つベネズエラは世界最大の石油埋蔵国で、従って他の国のモデルになることは許されないのだ。トランプ政権と、そのウォール街のご主人は、ベネズエラがドルを放棄するのを阻止するのに必要なあらゆることことをするはずだ。

 それ故、政権転覆と膨大な石油埋蔵の乗っ取りは必須だ。もし必要とあらば戦争で。「人道介入」と民主主義を取り戻すという見えすいた全く偽りの口実で、「すべてのオプションがある」が、 アメリカが介入する所どこであれ、民主主義は廃止されるのを世界中が知っている。実際、アメリカが成功してきたのは、実に理不尽だが、存在するあらゆる民主主義の殲滅だ。

 このような状況下では、石油貿易や、一般の貿易でドルを放棄するというベネズエラの犯罪は、ドル覇権に対する真剣な脅威であり、押しつぶさなくてはならないのだ。それがこのクーデターの企ての狙いだ。もし連中が成功すれば、ドル通貨崩壊は少しばかり延期可能になるし、石油埋蔵を手中におさめるのは、うれしいお飾りなのだ。

 世界に対するドル支配が消えた後、かつて皇帝の命令に従うよう各国を操るための重要な手段だった経済封鎖がもう効果的ではなくなったら、一体何が残されているだろう?現在、既に実際、全ての関連製造業とサービスを計算すればアメリカGDPの50%以上である戦争と武器産業に強く依存している破綻したアメリカ経済だ。残されているのは、アメリカとNATOが、それにより世界の他の国々を忘却の彼方に引きずり込むことができる好戦的な戦争挑発と戦争依存の国の圧倒的な火力だ。

 それで、オイル・ダラーを破棄したいと望むあらゆる国が危機にさらされているのだ。もちろんイランも。だがイランもベネズエラも、何年も前にドル体制の牙から自らを解放した二国、ロシアと中国の強い保護を得ている。しかも両国は、主に中国元とSCO(上海協力機構)加盟諸国に結びついた他通貨に基づく実行可能な東の通貨制度案によって明るい未来を提示しているのだ。

ベネズエラ - Venceremos(我々は勝つ)!

 ピーター・ケーニッヒは経済学者で地政学アナリスト。30年以上にわたり世界銀行で働いた後、直接の経験に基づいて、経済スリラー『Implosion  (内部崩壊)』を書いた。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/08/venezuela-a-risk-to-dollar-hegemony-key-purpose-behind-regime-change/

----------

 そう、我々はそれを体験している。

  アメリカが介入する所どこであれ、民主主義は廃止されるのを世界中が知っている。実際、アメリカが成功してきたのは、実に理不尽だが、存在するあらゆる民主主義の殲滅だ。

 自立したジャーナリズムは、それをずっと警告している。

日刊IWJガイド「共同通信による5月18、19両日の世論調査では、消費増税反対・衆参W選の実施に賛成の結果が! これではディープレポートのシナリオ通り、改憲勢力が圧勝してしまう!?」 2019.5.21日号~No.2441号~(2019.5.21 8時00分)

 真実を警告するジャーナリズムは財政的苦境に追いやられ、洗脳機関は繁栄する。

 「認知的不協和」のためだろうか。努力して苦い真実を知るより洗脳呆導をながめている方が楽なので、人々は地獄に向かうのだろうか。  

 人は、矛盾する考えや行為(認知)を同時に抱えると、不安定な状態(不協和)に陥る。最終的に、どちらかの選択にせまられ、楽な方へと流れる。そのストレスから逃れるために、下手な言い訳や屁理屈や大本営広報部の虚報で自分を説得する。

 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」を読めば、支配層の手口、ばればれのはずなのだが。

2019年5月20日 (月)

トランプは対イラン戦争に向けてはめられつつある

2019年5月12日
Paul Craig Roberts

 トランプは愚かな任命をした結果、成功した大統領となる可能性を破壊した。現在彼は、ジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官とイスラエルによって、対イラン戦争に向けてはめられつつある。

 イラク、リビア、シリアとベネズエラに対して利用されたウソと同じ手法を使って、ボルトンは、中東のアメリカ軍に対するイランの間近に迫る攻撃の「不穏なエスカレーションの兆候」でイランを非難した。攻撃に対する防衛を支援するため、ボルトンはパトリオット・ミサイル中隊と空母打撃群と爆撃機部隊を地域に派遣するよう命じた。

 イスラエルの新聞ハーレツさえ、ボルトンがイランの行動「不穏なエスカレーションの兆候」を特定し損ねていることを指摘した。https://www.haaretz.com/us-news/u-s-sends-patriot-missiles-to-the-middle-east-to-counter-iranian-threats-1.7221997 他の誰もそうした兆しを見ていない。

 パトリオット・ミサイルの理由は、イランに攻撃を思いとどまらせるためではなく、イラン攻撃に対するイランの反撃成功を防ぐためだ。

 ありそうな状況は、こうだ。イスラエルがアメリカの船なりなんなり選択したものを攻撃し、それをイランに罪をなすりつけ、トランプに「アメリカを守って」報復するようを強いるか、あるいは、アメリカを偽装したイスラエルがイランを攻撃し、イランの反撃を挑発するというのがワシントンのシオニスト・ネオコンとネタニヤフ間の取り引きだ。

 ワシントンがイラン核合意から離脱し、再度制裁を課し、ロシア、シリア、イラク、リビア、ベネズエラ、イエメンに対してしたように、イランに果てしない濡れ衣を着せ、過度に挑発され続けているイランはすでに一触即発状態にある。イランを激怒させるのに多くは要すまい。

 トランプは明らかにはめられている。ボルトンとネタニヤフがアメリカにイランに対して戦争をさせたいのなら、それが彼らの選択だ。

 そして彼らはアメリカにイランに対し戦争をさせたいのだ。イランとシリアはヒズボラを支持しているが、イスラエルが二度試みたもの、ガザで非武装の女子供を殺す以外に何の能もないイスラエル軍は、即座にヒズボラに敗北し、ヒズボラはイスラエルの南レバノン併合を阻止している。だからヒズボラへの支持を除去することは、イスラエルとワシントンのネオコン同盟者にとって重要なのだ。

 ネオコンにはイランで混乱を引き起こすもう一つの理由がある。もしボルトンがアメリカがリビアやイラクやシリアで作り出したような状況を、イランでも作り出すことができれば、ロシアの世界情勢に対する独立姿勢への罰として、アメリカが送り込むジハード戦士がロシア連邦のイスラム諸州に潜入できるのだ。

 シリアでより、イランでの方がロシアにとっての危険は高いのだ。座視すれば、ロシアは莫大な代償を強いられよう。

 中国も興味を持っている。中国へのロシア・エネルギー・パイプラインが完成するまで、中国はイラン石油を必要としている。混乱によるイランの崩壊は、中国エネルギー供給を減らすことで中国を締めつける一つの方法だ。

 ボルトンとネタニヤフがトランプにやらせようとしている戦争は連中が考えているより遥かに大きな可能性が高い。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/12/trump-is-being-set-up-for-war-with-iran/

---------- 

 植草一秀の『知られざる真実』
 消費税増税凍結=衆参ダブル選が秒読み段階に

米軍基地から植民地入りし、へぼゴルフにつきあい、土着の競技をマス席占拠で観戦し賞を与え、無意味な植民地議会演説はせずに帰る。
意見が常に完全に一致する人物に「自動車の輸出は抑えろよ」と命じて帰るのだろうか。それだけ植民地の実情を見せられても、進んで傀儡与党に投票し、棄権する人々の頭の中はどうなっているのだろう。先日も、熱烈与党支持者というより「党員」の知人をスーパーマーケットでみかけた。会わずに済むよう急いで移動した。

NGO千里馬民間防衛という仮面の下に隠されているのは一体何だろう?

2019年5月1日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook

 マドリッドの北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)大使館攻撃と、その黒幕、以前は千里馬民間防衛として知られ、現在は、自由朝鮮と呼ばれる脱北者集団の謎めいた組織に対する調査を我々は継続している。我々が見た最新のニュースは、4月18日に、アメリカ当局が、この集団に関係している元アメリカ海兵隊員クリストファー・アーンを拘留し、集団の指導者、元人権擁護運動家のメキシコ国民アドリアン・ホン・チャンが指名手配中というものだ。

 捜査は続いており、裁判所は、クリストファー・アーンが司直の手から逃げようとする可能性が高いので、次回出廷と、スペイン当局がアメリカに行った大使館襲撃者全員の引き渡し要求に応え、あり得る犯人引き渡しまで、彼を拘留し続けると決定した。アーンは保釈を拒否された。

 メディア報道によれば、アーンと自らを自由朝鮮と呼び集団の他のメンバーが、北朝鮮大使館を襲撃し、大使館員を攻撃し、人質にし、殴打し、亡命するよう強要した文書証拠がマドリッドで発見された。侵入者は更に、大使館からハード・ディスクとコンピュータとUSBメモリーを持ち去り、アドリアン・ホンは後にFBIに、それに記録された情報の一部を手渡した。十分奇妙なことに、クリストファー・アン逮捕に導いた情報をアドリアンが明らかにしたのは、このやりとりの際だった。

 リンクトインにあるクリストファー・アンの略歴によれば、彼はカリフォルニア大学アーバイン校を卒業し、バージニア大学経営管理学(MBA)修士号を持ち、現在Digital Strategy & Marketing Consultingで働いている。彼は海兵隊に6年勤め、イラクに派遣され、アムリャト・アル・ファルージャの拘置所に配置され、諜報活動にも従事した。

 アドリアン・ホンは、「武器を携帯し危険であり」得ることを示す彼のポスターが貼られている典型的手配犯だ。2月の襲撃のすぐ後で、彼がウーバーに登録する際に使った名前とされている「オズワルド・トランプ」を含め、多くの偽名が列記されている。アドリアンの両親はメキシコで働いていた韓国人キリスト教宣教師で、それが彼がメキシコ・パスポートを持ち、永住ビザを持った合法的なアメリカ居住者である理由だ。有名なエール大学で勉強していた時代、彼は2005年に「自由北朝鮮」(LiNK) を設立して、脱北者を支援した。AFPによれば、ホンは2011年に最初のリビア内戦時にトリポリにいたことが知られていた。彼は戦争の犠牲者がヨルダンの病院で治療を受けるのを支援した。同じ年に首長国メディアのインタビューで、ホンは「アラブの春は北朝鮮にとっての舞台稽古」だと思うと述べていた。彼がリビアの経験について、単に学んで読むだけだったのか、あるいはカダフィ打倒に参加していたのかどうか知るのは興味深い。

 2015年に、ホンはいわゆる朝鮮研究所を創設し、彼自身で率いた。研究所は現在の北朝鮮の政治制度に、突然の崩壊があり得るかどうかの検討に従事し、この崩壊を速める施策を立案した。アドリアンは、戦略コンサルティング企業Pegasus Strategies LLCの社長でもあると考えられており、同社は現代技術を用いて閉鎖社会に侵入し、この国に暮らす人々に力を与える会社だと彼は説明している。一部の情報提供者は、ホンは「ゆすりや私立探偵業務に似た仕事」に従事していたと主張している。

 韓国の保守派メディアは、北朝鮮指導者金正恩の異母兄、金正男存命中に、自由朝鮮を率いるよう、アドリアン・ホンが再三招請していたが、金正男はホンからのこうした申し出を受け入れるのを断ったことを指摘している。同じ話はワシントン・ポストと韓国の中央日報にも掲載された。

 ホンには注目に値する経歴はないのだろうか? 彼の弁護士リー・S・ウォロスキーが先の三人のアメリカ大統領に仕え、重要な国家安全保障のにあったのは、おそらく偶然の一致ではない。逮捕された人々の擁護で意図的な積極的キャンペーンが行われている。

 第一に、起訴は穴だらけだとされており、攻撃の犠牲になった朝鮮民主主義人民共和国外交官による、お膳立てされた報告に基づいている事実は言うまでもなく、ホワイトハウスから、そうするよう命令を受け、被告は早急に告訴されたのだ。これは例えば、弁護士で、北朝鮮の専制的政権に対する戦いの主要支援者でもあるタフツ大学リー・スンユン教授の立場でもある。

 第二に、リー・ウォロスキーは、もし被告がスペインに引き渡されたら、彼らが北朝鮮に送られ、そこで彼らは北朝鮮で17カ月投獄された後に釈放され、すぐに亡くなった「迫害された」アメリカ観光客オットー・ワームビアの運命に直面するだろうと主張する。だが、ある法務省当局者は、NKニュースポータルに「アメリカとスペイン間の犯罪人引き渡し条約に従って、スペイン国内で行われたとされる犯罪のかどでの正当な身柄引き渡し要求に従ってスペインに引き渡される全ての人は、スペインで、起訴され刑事責任を問われている人々に与えられる全ての正当な手続きの権利や他の権利を与えられる」と言った。だがリー・ウォロスキもリー・スンユン教授も、アメリカ国民が北朝鮮に引き渡される可能性は「排除できない」と主張している。

 ホンとアンの二人は、不法家宅侵入、「暴力と脅迫による強盗」と「犯罪組織」を含め、多くの犯罪のため、スペインの法律の下で10年以上の投獄に直面する。

 盗まれた装置が朝鮮民主主義人民共和国に返却され、アメリカ当局は事件への関与を否定し、元CIA職員が、襲撃は、それが事実だとするには、余りにプロらしからぬ犯罪的なものだったことを強調しているが、スペイン当局が、CIAが襲撃者と一緒に動いていた新しい証拠を受け取ったといううわさがある。

 しかしながら、ここに自由朝鮮とアメリカ、そして/あるいは、韓国諜報機関が関係している程度を考慮するのに十分な証拠が既にある。FBIが、外国大使館から盗まれた諜報情報を受け取った後、厄介な状況にあるのに気がついたが、捜査は進行し、誰もそれを止めようとせず、北朝鮮-アメリカ間のハノイ・サミット前の襲撃について知ったワシントンも、居心地が悪い立場にあったことを示していると韓国メディアは報じている。

 CIAとの絆を支持する主張は、韓国に暮らしている脱北者の大部分が過激派や戦闘能力を持った人々ではないということだろう。彼らの約75%が、主として経済的理由で脱北した北部州の女性たちだ。メンバーに元軍人がいる脱北者組織さえ、こういう結果を追求してこなかった。それを別として、韓国の全ての脱北者組織は諜報機関による厳密な監視下にある。しかしながら、アメリカにいる脱北者コミュニティーの構造は異なっている。それは小さく、脱北者の大部分が北朝鮮の元専門家か軍の経験がある男性だ。加えて、脱北者は諜報機関に指導されるだけでなく、プロテスタント教会に全面的に支援されている。

 さらに数年前に韓国NGOの一つが朝鮮民主主義人民共和国の領域に対するテロ攻撃計画を試みたことを認めた。中国から発射されたドローンで、像を爆破するだけではなく、中国に暮らす元朝鮮民主主義人民共和国国民やと韓国国民の両方を雇用して、他のテロリスト攻撃や反政府行動を実行する計画があったのを我々は知っている。これは拘留されていた北朝鮮の数人の破壊活動家や韓国人社会活動家や宣教師集団の中国からの国外追放という結果に至った。

 (自由北韓運動連合)の代表朴相学(パク・サンハク)は、成功している地域に関する機密情報を共有することが多い組織、自由朝鮮の韓国における事実上の連絡係だ。もちろんパクの見地からすれば、北朝鮮大使館は体制のために交換可能通貨の収入を得るべく「偽造紙幣と麻薬を流通させ、他の違法行為を実行している犯罪集団」だ。

 下記のシナリオが展開する可能性が高いというのが我々の意見だ。トランプは、諜報機関内でも存在感があるアメリカ国内での強い反対に直面しており、これには北朝鮮とのより大規模な交渉という彼の方針への反対も含んでいる。他の多数の国々と同様、諜報機関は保守の地盤であることが多く、キリスト教徒アメリカ人の見地からは、北朝鮮の無神論者集産主義は本質的にこの世の地獄で、悪の政権に対するいかなる譲歩も問題外で、受け入れられないのだ。だが彼らはイデオロギーで視野が狭まっていて、北朝鮮政権は死に体で、北朝鮮を崩壊させるには、一押しすれば良いのだと確信しているのだ。

 韓国の諜報界の状況に注意を向けよう。文在寅大統領は、好ましくない人物を解雇し、強い政治的圧力をかけることにより、文民諜報機関と軍諜報機関の両方を正式に粛正した。これはもちろんイデオロギー的な狙いというより、主に政治的野心で決められたのだが、こうした行動の帰結の一つは、諜報界で働き、諜報機関に押さえられていた多くの右翼組織が、自身の方法で進められるようになったことだ。

 そのために両方の諜報機関の職員が(集団的か独自に)常軌を逸した戦略を解き放てるようになったのだ。上役の事前承認を得ずに,中級あるい下級スタッフが、独自作戦に着手することが可能になり、「我々は何が行動にとって最良の方法か知っており、我々はすぐに行動しなくてはならない」ので、利益のためでなく「大義のため」に実行される可能性が高い。同時に、部下が行う活動を制御できなくなるのは遥かに大きな罪なので、当局はこのような戦略を実行した連中を隠蔽するよう強いられることになる。

 そこで、既にこうした自立した思考の持ち主たちは、いかにして朝鮮民主主義人民共和国に対処するべきかについて、どちらかと言えばと奇妙な考えを持った(少なくとも、高位の脱北者連中や、金一族の名誉を傷つけられた一員による亡命政府を作ろうという執拗な取り組みをみれば)、完全に神経症の狂信的な断固たる人々を目にすることになる。主流政治は、彼らに対する同情はほとんどないが、もし彼らが支援されれば、彼らの行動がいかに奇妙であるにせよ、彼らの取り組みは、平壌がワシントンやソウルと携わっている現在の対話を駄目にするのに十分機能し得るだろうから、彼らは手段として使われ得るのだ。特にもし集団が、大使館襲撃後、次により深刻なテロ活動に従事すれば。公式には、ワシントンやソウルが、この集団には全く関係したがるまいが、平壌の人々は、この組織が国家とのつながりはなく、独立して行動をしているとは信じないかもしれず、もし北朝鮮が対話を打ち切ることを望めば、これは都合の良い口実になるだろう。

 「アメリカ諜報界が攻撃に関する情報を極めてわずかしか持っていなかった」ことを強く主張する声明は間接的にこの理論を裏付けるかもしれないが、襲撃やこの種の他の将来の行動が持つ政治的結果は遥かに重大なものになりかねないというのが我々の意見だ。

  • 過激派闘士連中は彼らの政治的影響力については純粋に多くを達成する可能性はありそうもない。それどころか、彼らを襲撃者だと非難し、被害者である北朝鮮外交官に同情するのは容易だ。彼らが恐らく無辜の人々だったという事実以外、どんな理由もない。
  • 北朝鮮は大使館襲撃を、政権を強化し、政権の敵対者を残忍なテロリストと呼ぶ口実として使うだろう。結局これは、朝鮮民主主義人民共和国の敵は手段を選ばないことを示すために使える実際の証拠になる。襲撃者の大部分が脱北者ではなく、アメリカと韓国の国民だという事実と同様、アメリカ諜報機関と襲撃者の仮説的関係がどのように北朝鮮によって利用されることができるかは言うまでもない。
  • アメリカは無罪を証明しなければならないだろうが、一部の人々から見れば、アメリカは常に全てに関して有罪なので、それは容易な仕事ではあるまい。集団が公表したFBIとの取り引きは、額面通り、アメリカが関与していた裏付けと見なされ、アメリカ国務省は「アメリカ政府が北朝鮮での政権転覆に関与していない」ことを証明するのは非常に難しいのが分かるだろう。
  • 人権運動自体も同様に面倒なことになっており、北朝鮮に関係する最も有名な人権擁護運動団体の一つ「自由北朝鮮」(LiNK)を見れば、この非政府組織は創設者の一人が関与していたことによってくじかれた。
  • おまけに、対大使館攻撃という前例が作られてしまった。20世紀の最も暗い日々でさえ、外交団は通常無事なままだった。国際法の尊重をほとんど示さない政権でさえこの規則を遵守していた。自由朝鮮は、イスラエル大使館は血まみれのシオニズムを支持しているので外交特権を持っていないと主張するテロリストと変わりはないと指摘した一部の専門家は正しい。

 だが、アドリアン・ホンと彼の集団は、一見そう思われるより深く関与しており、もっとコネがあるという意見があり、我々が受け取った情報は異なる情報源からのものだが、一体誰がマレーシアの首都で目立つ殺人を実行したのか、彼らがなぜ実際にそれをしたのかということについて、何らかの形で確認されたなら、多くの興味深いことを知れるだろう。だがそれは別の記事の話題だ。

 コンスタンチン・アスモロフは歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/11/what-lies-hidden-beneath-the-mask-of-ngo-cheollima-civil-defense/

----------

 良い記事が、新聞社ウェブで無料で読めるとは驚き。

 『論座』 沖縄から米国へ ジャーナリスト大矢英代のこと

 大矢英代さんと三上智恵さんの次の映画作品が楽しみ。

 謝罪した党を批判するとんでも議員にはあきれるばかり。出身は、あの整形塾。
 おかげでロシア大使が出演する番組を見てしまった。

 大相撲、インタビュー室にセットを持ち込み、大人数で相撲論議。千秋楽「大統領覧試合」の予行演習なのだろうか?幸い当日は外出予定で、国技を宗主国支配者に献上する生放送、は見たくとも見られない。

 「胸いっぱいサミット!」という番組の偏向のひどさをネットの記事で読んだ。すごいもの。ダメ政治家ランキングと言いながら、ダメタレント総出演。この地域、異神支持者が多いのも納得できる。日本全国洗脳放送の縮図。行き着く先は、緊急事態条項という全権委任法によるファシズム属国の完成。

日刊IWJガイド「本日内閣府がGDP速報値を発表! マイナス成長となれば、可能性が高まる増税延期・衆院解散! その先に待ち受けるのは、危険な緊急事態条項を含む改憲! 本日午後1時より『消費税10%増税 野党合同ヒアリング』を中継します!」 2019.5.20日号~No.2440号~(2019.5.20 8時00分)

 

2019年5月19日 (日)

中国の中米戦略の正念場

アンドリュー・コリプコ
2019年5月6日
Eurasia Future


 エルサルバドルとパナマの次期大統領が、中華人民共和国に対し、前任者より厳しい姿勢をとることを誓い、新冷戦における自国の戦略上の立場を最大にしようと、アメリカを中国と競争させる狙いで、アメリカと接触する用意があるように見える最近の選挙による中米の二つの政権交代は、中国の地域戦略にとって重大な課題になっている。

「逆南シナ海」戦略

 最近の二つの選挙による地域における政権交代は、地域に対し広範囲に及ぶ戦略上の影響を与えるように思われ、突如、中米は、アメリカ・中国新冷戦で、宣言されていない戦場となった。エルサルバドルとパナマで当選した大統領は、意外にも台北ではなく北京を認めると宣言した前任者よりも、中華人民共和国に対する厳しい姿勢をとると公約しており、次期サルバドール大統領は、3月、アメリカ訪問中に中国を厳しく非難し、一方パナマの新大統領は、アメリカがこの地域でより良い関係を培わないなら、アジアのライバルに負ける危険を冒さなくてならないと述べたばかりだ。両国は、北京がパナマとエルサルバドルが中華人民共和国承認を決めた後、ワシントンの弱点地域に静かに入り込み、アメリカにとって地域を「逆南シナ海」に変えるという中国の中米大戦略上で重要な役割を演じている。

パナマ + エルサルバドル = 親中国の中米

 もしそれが実際に建設されれば、それ以降、パナマ運河が中国にとって冗長になるはずの計画中の両洋鉄道(TORR)が、南米の地政学に革命を起こし、南の地峡部の両国は、アメリカ東海岸、カリブ地域とブラジルへの中国の輸出を、他のものでは置き換えられないほど容易にする。加えて、パナマは中国の一帯一路構想(BRI)に参加し、いつの日か、北方遙かメキシコにまでつながる「中米のシルクロード」になり得るコスタリカ国境と接続する高速鉄道の受け入れ国となる予定だ。エルサルバドルは、移民を生み出す北の三角形という戦略上の位置が、中国がアメリカの国家安全保障を傷つけるため、そこで「大量移民という武器」を利用するというアメリカの恐れ(根拠のあるなしにかかわらず)のため、極めて小さい国に似合わない大きな重要性を持っている。両国はともに、中国の地域戦略にとって不可欠な要素なのだ。

「要塞アメリカ」

 半球(「要塞アメリカ」)でのアメリカ覇権支配継続作戦は、資源に富んだ戦略上重要な南米において、最も多くの成功を見たが、トランプがこの地域に対するアメリカによる支配を強化しようと努めるにつれ、とうとう中米にも広がり始めている。去年末、ボルトン国家安全保障担当補佐官が宣言した、いわゆる「暴政のトロイカ」は、極めて重要なことに、中央、地域のど真ん中に位置するニカラグアを含んでおり、一方、パナマ地峡の「両脇をはさむ」エルサルバドルとパナマでは、最近行われた選挙で政権交代は、中国の影響力を締め出すことを狙ったアメリカの中米における圧力戦略を完成させる。前述の二国のいずれかが北京承認を再考するかどうかを言うには余りにも早いが、彼らが新冷戦における戦略的立場を最大にしようと努めるにつれ、彼らは中国をワシントンと競争させようとする可能性が最も高い。

「バランスをとる」

 サルバドール、パナマ、いずれの次期大統領も、(中国との新たな提携を初めて以来、悪化したことをほのめかしている)汚職と戦い、国民に本物の配当を与えるという公約で当選したのだから、少なくとも国民に見返りとして、目に見える何かを得られない限り、旧冷戦時代風のアメリカの手下であることに満足していないように見える。従って、彼らの「兄貴分」に過度に依存するのを避けるべく、中国との結びつきを完全には切断せずに、より多くのアメリカ援助や、代替プロジェクトと引き換えに、中国とのシルクロード協力を縮小するだろうことは予測可能だ。これは中国にとって若干の挫折ということになり得るが、重要なのは、アメリカは費用負担を、おそらく増加するだろうが、中国の影響力の完全な消滅はもたらすまいことだ。

人心掌握

 今中国は、中米で、ふんばり所で、中国がこうした困難な条件の下で、アメリカと競争しようと思うなら、中国は関与戦略を強化する必要があると言っても決して誇張ではない。もし中国が、これらの国々の新大統領「就任祝い」として、先手を打って、一部のシルクロード事業の再交渉を始めれば、これら次期大統領の北京に対する非友好的な言説に影響を受けそうな国民衆の間で、中国の立場が良くなるはずなので、中国にとって有利だろう。加えて、奨学金や支援のような社会-人道プロジェクトを発表すれば、中華人民共和国と組めば、低金利融資だけでなく、より多くの恩恵や大規模インフラ計画がついてくることを示せるはずだ。もし中国が中米で影響力を維持するつもりなら、今回、両国民がアメリカのために投票し、アメリカが今後数年間そこで儲けるだろう利益の一部を打ち消すため、次の選挙で、人々が、中国が意図した候補者に投票するよう、中国は「人心掌握」に取り組まなくてはならない。

お断り: 筆者は、本人の個人的見解以外の、誰の、あるいはいかなる組織も代表しない、個人的な資格で本記事を書いている。筆者の書いている、いかなることも、編集部見解や、他のいかなるメディアや、組織の公式の立場と同一視されぬよう。

記事原文のurl:https://eurasiafuture.com/2019/05/06/its-crunch-time-for-chinas-central-american-strategy/

----------

 「先ほどトランプ大統領に電話で会談しましたが、すべて一致しました」という人気芸人のセリフが受けているらしい。

 属国には、代行はあっても、決して外交はない。

 今日の孫崎享氏のメルマガ題名

トランプは大統領選で、アメリカ・ファースト、自動車産業は生き残るとして、自動車と関連のウィスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア州で勝利。大統領選勝利に必要な過半数270中の約四分の一。次期大統領選狙うトランプに対日強硬策は必須。

 理不尽な無理難題を言われた後の答えはもちろん常に決まっている。
 「先ほどトランプ大統領に電話で会談しましたが、すべて一致しました」

日刊IWJガイド・日曜版「『IWJファンドレイジングシンポジウム・2019 改憲か否か!? 運命の夏』を6月30日に開催予定! ぜひご参加ください!」 2019.5.19日号~No.2439号~(2019.5.19 8時00分)

 

2019年5月18日 (土)

ペルシャ湾の船舶「破壊活動」で本当に利益を得るのは誰だろう

フィニアン・カニンガム
2019年5月15日
写真:Wikimedia
Strategic Culture Foundation

 「イランの攻勢」という劇的な事前に筋書きが書かれていたのが明白な好戦的なアメリカ当局者による警告の後、実に好都合に、ペルシャ湾岸地域でイランを巻き込むような破壊活動事件とされるものが起きた。

 一方、澄まし顔のマイク・ポンペオ国務長官は、アメリカはイランと戦うことを望んでいないふりをしている。イランの違反行為と主張されることに「対処する」目的で、突然アメリカ軍がペルシャ湾で武力を拡大させたことを考えれば、彼の発言は信じたい気持ちを損ねてしまう。

 いつものように欧米ニュース・メディアは、イランに対する戦争の口実作りに強い関心を持ったサウジアラビアや首長国当局者を情報源にして、破壊活動とされるものを、あたかも事実であるかのように「報道」(というより、むしろ「おうむ返し」)している。

 ジャーナリスト、ジャマル・カショギ殺害や、反体制派の野蛮な大量処刑に関して、昨年サウジアラビア政権が発したグロテスクな、あからさまなウソを考えれば、最新の船の事件を巡るサウジアラビアの主張を信頼性が高いと欧米メディアが易々と信じる様子は気分が悪くなる。.

 「2隻のサウジアラビア石油タンカーがアラブ首長国連邦沖で破壊され、世界の石油供給に対する潜在的に深刻な脅威となっている」[原文のまま]と、情報の入手先をサウジアラビア政府に帰して、イギリスのガーディアンは報じている。ガーディアンが省いているのは「破壊」に続く「とされる」というキーワードだった。与えられる印象が、悪意による本当の事件であるかのようなものになっているのにお気づき願いたい。大半の他の欧米ニュース・メディアも同様に、サウジアラビアや首長国の公式声明に頼っている。

 だが、サウジアラビアと首長国の当局者が、総計四隻のタンカーで起きたとされる「重大な損害」について、詳細を語っていないことは示唆に富んでいる。

 我々が知っているように思えるのは、四隻の船が日曜早く、UAEのフジャイラ港沖で、何らかの方法で損傷したことだ。海上の場所は、ホルムズ海峡から南に約140キロ、ペルシャ湾外のオーマン湾内だ。ホルムズ海峡は、オーマン湾からペルシャ湾への狭い通路で、世界に出荷される全ての原油の最高30パーセントが毎日通過している。

 「もし」アメリカが、イランに対して軍事攻撃を実行すれば、ホルムズ海峡の領海を封鎖すると、イランは先週再度恫喝した。イランによるそのような動きは、石油市場で予想される危機のため、世界経済を混乱に陥れるだろう。それは確実に、アメリカとイラン間の総力戦を引き起こし、サウジアラビアやイスラエルのような、この地域のアメリカ属国政権が、テヘランに対する攻撃を支援するため乱入するだろう。

 今のところ、最近の船舶事件に関してイランに対する明示的な公式非難はない。だが、どうやら明かにイスラム共和国にぬれぎぬを着せるべく酷く歪められているようだ。

 欧米メディアが無批判に言葉を引用しているサウジアラビア・エネルギー大臣ハーリド・アル=ファーリハは、攻撃されたとされる船の一隻はサウジアラビアのラス・タヌラ港でアメリカ市場向けの原油を積み込みに行く途中だったと主張した。サウジアラビア当局者は、破壊活動とされていることについての詳細を何も説明しなかったが、それが「航行の自由を損なう」ことを狙っていたと強調した。彼は「石油タンカーの安全を保障する」国際行動を呼びかけた。アメリカという自称世界の「警官」(より正確には「凶悪犯」)が、世界のどこであれ帝国主義の任務を隠蔽するためにいつも持ち出す言葉遣いだ。

 先週アメリカが、核搭載B-52爆撃機と空母打撃群をペルシャ湾に派遣したと警告した時、アメリカは「アメリカの権益」に対するあらゆる攻撃とされることに対して「イランやその代理人」に打撃を与える権利を仮定した。ワシントンの言葉遣いは非常に曖昧で、主観的なので、それはどんな種類の認知された挑発にでも適する。

 アメリカ市場向けにサウジアラビアで原油を積みに行く途中の石油タンカー? それは確かにアメリカの重要な利害に対するイランの攻撃と見なされるに相応しかろう。

 先週ワシントンは「イランあるいはその代理人」が「商用海上交通を標的にする」と決めているという大げさな警告を公表した。数日後に、タイミング良く、船舶4隻の破壊活動とされるものが起きるとは芝居ポスターにおあつらえむきに思われる。

 イランは、アメリカとの戦争を始めるつもりはなく、イランはあらゆるアメリカの攻撃から自らを守る行動しかしないつもりだと言っている。テヘランの外務省は最近の破壊活動という主張を「極めて警戒すべき」と見なし、正確に何が起きたかについて、サウジアラビアと首長国当局に、より明快な説明を要求した。彼らの中傷の実績を考えれば、両国とも、真相について本当のことは言わないと思って間違いない。

 疑問点をはっきりさせる質問は、もちろん、この緊張の意外な展開で一体誰が利益を得るかだ。確かに、それは対イラン攻勢を強化するという、アメリカやサウジアラビアや、イスラエルの願望を満たす。

 もう一つの重要な疑問は破壊活動とされているものの場所だ。もしイランがこのような作戦を実行したいと思えば、ホルムズ海峡のイラン領海近辺でするほうが、ずっとありそうだ。真面目な話、いくつかのイランの奇襲部隊が、約140キロも離れた海域で4隻の石油タンカーを攻撃することはどれぐらい実行可能だろう? ペルシャ湾に本拠地を置くアメリカ第五艦隊に徹底的に監視されている海域で。

 けげんなことに、既に述べた通り、破壊活動とされるものに関して検証可能な情報は皆無だ。我々が知っている全ては、ジャーナリストが領事館にいる間にどこへともなく消えたり、イエメンの子供たちが「間違い」による空襲で虐殺されたり、サウジアラビアの虐げられたシーア派少数人種の穏やかな女性抗議者は剣による斬首で処刑すべき「テロリスト」だと主張したりする人々の同類のサウジアラビアと首長国の当局者による主張だ。

 そして、恥ずべきことに、欧米メディアは、このお笑いぐさのへたな芝居を、大きなあどけない眼をして、従順に易々と信じて賛同しているのだ。

 ものの順序、タイミング、情報源、底意と動機に加えて従順な欧米メディアの盲従。 これがイランに罪を着せる偽旗作戦なのは確実だ。

 もしこれが、アメリカ軍による攻撃の口実という結果にならなければ、少なくとも、ワシントンとその属国サウジアラビアとイスラエルは、ヨーロッパ属国を脅し、危機的状況にある核合意を巡り、歩調を合わせて対イラン経済戦争を強化させようとするはずだ。ちなみに、この国際条約は、立証できるのだが、アメリカの政治的破壊活動によって粉砕されたのだ。

 実際ここで起きているのは、もう一つの恥知らずな「現実逆転」だ。ベネズエラやシリアやキューバやロシアや中国や北朝鮮等に対して同時に起きているアメリカのウソと比較願いたい。またしても、信じがたいことに、連中の露骨な戦争プロパガンダを厚かましくも「報道」と呼ぶウソつき商業マスコミから道義上の免許をもらって、アメリカによる犯罪的攻撃が合法化されているのだ。

 本当に、先天的に犯罪的なアメリカ政権のウソによって、世界は大惨事になりかねない戦争に引き込まれつつあるのだ。

 個々の寄稿者の見解は必ずしもStrategic Culture Foundationのものではない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2019/05/15/who-really-gains-from-the-gulf-ship-sabotage/

----------

実際ここで起きているのは、もう一つの恥知らずな「現実逆転」だ。ベネズエラやシリアやキューバやロシアや中国や北朝鮮等に対して同時に起きているアメリカのウソと比較願いたい。またしても、信じがたいことに、連中の露骨な戦争プロパガンダを厚かましくも「報道」と呼ぶウソつき商業マスコミから道義上の免許をもらって、アメリカによる犯罪的攻撃が合法化されているのだ。

 ウソつき商業マスコミ、小生には興味が全くないことだけを垂れ流す。緊急事態条項には決して触れない(と思う。討論番組も、自称報道も見ていないので確信はないが)。まもなく、宗主国大統領が、空の玄関、羽田空港ではなく、日本占領継続中の証明として、裏口の米軍基地から入国し、大相撲で賞を与え、米軍基地から出国する。ウソつき商業マスコミ、基地から出入りする意味について解説するわけもない。「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」に、もちろん「8. マスコミを支配する」という項目がある。シナリオ通り進行中。

日刊IWJガイド「緊急事態条項によって『民主主義と人権の停止を、憲法が容認することになる』と澤藤統一郎弁護士が危惧! 本日午後8時より、2013年6月10日に行われた『自民党の憲法改正案についての鼎談 第11弾』を再配信します!」 2019.5.18日号~No.2438号~(2019.5.18 8時00分

 

2019年5月17日 (金)

我々の意識と誤った歴史認識を作り出すウソ

2019年5月9日
Paul Craig Roberts

 私の世代は、ジョージ・オーウェルの『1984年』のようなディストピアといえば、言論が管理されていて、スターリンを批判すれは収容所に追いやられる国、ソ連を連想した。我々は、ここアメリカや、そこでの我々の生活は全く違うものだと考えていた。だが、時がたつにつれ、20世紀のソ連における生活と、今の欧米における生活の違いは見えなくなっている。現在、ジャーナリストのジュリアン・アサンジは、ソ連の反体制派が受けたのより酷くはないにせよ、同じような国家テロと拷問を受けている。欧米メディアは、印刷もTVも公共ラジオ放送も、政府と政府を支配する既得権益団体の宣伝省役を演じている状態で、ソ連のメディアと同じぐらい支配されている。Facebookやツイッターのようなソーシャル・メディアは、支配体制と、その方針を支持しない意見を表明する人々に対する場所提供を組織的に拒否している。メディアには、言論の自由の保障を実行する能力も意図もないのだから、憲法修正第1条による言論の自由の保障を一掃するのは簡単なのだ。

 オーウェルのメモリー・ホールや歴史改竄を、架空、あるいは本物のディストピアでだけ結び付けたのは私の世代の間違いだった。ありとあらゆることが歴史改竄なのだ。我々は、それに気がつくほど知らなかっただけなのだ。生きて学んで、私が理解したのは、歴史は常に改竄されがちで、真実だと強く主張している歴史家たちは、その報いをうけているのだ。彼らは、支配者が喜ぶことを書いて、物質的恩恵を求める「宮廷歴史家」だったので、古代の歴史家の多くが当てにならないことは既に確立した事実だ。現代では、多くの歴史家は、資本主義兵器製造の利益のために犠牲にされた全ての息子、孫、兄弟、父親、叔父、夫、友人たちや、いとこを正当化し、過度に悪者にされた敵に対する輝かしい勝利の物語で大衆を魅了して、本の売り上げで収入を得るために書いている。発行人は、愛する家族の死の無意味さを、まざまざと描いた誰も買わないような本当の説明は欲しがらない。皆、あるいはほとんどが、彼らの死は高尚な目的のためで「価値はあった」と思いたいのだ。

 ごくわずかの例外を除いて、英語話者の歴史家は、両世界大戦に対する責任をドイツのせいにした。これは歴史の改竄だ。第一次世界大戦、あるいは、当時は「大戦」あるいは「世界大戦」と呼ばれたものの最初の本当の歴史家はハリー・エルマー・バーンズだった。バーンズはスミス・カレッジの歴史社会学の教授で、コロンビア大学で、歴史でのウィリアム・ベイヤード・カッティング特別研究員だった。彼の著書『The Genesis of the World War(世界大戦の起源)』は1926年に、ニューヨークで、アルフレッド・A・クノップによって出版された。

 予期されたように、連合軍のドイツに対する犯罪や裏切りを隠蔽する代わりに、バーンズは真実を語った。イギリスとロシア王室の親類であるドイツ皇帝は、ニューヨーク・タイムズによってその役割のために称賛され、世界中で和平調停者として知られていた。最後に動員したドイツは、動員するか、ドイツに対してイギリスと同盟しているロシアとフランスに侵略されるかのいずれかしかなくなるまで、ドイツ政府は平和の為に行動していたことは周知の明白な事実だ。歴史上、一番後に動員した国が、戦争を始めたとして非難されたことはかつて一度もなかった。だが事実は、決して宮廷歴史家の邪魔をしない。

 戦争の起源は、1870年のフランス-プロイセン戦争でドイツに取られたアルザス-ロレーヌの領土に対するロシア皇帝のコンスタンチノープルの大臣2人と、フランス大統領の欲求だった。ドイツがオーストリア-ハンガリー帝国の保護者だったので、おそらく彼らが画策したセルビアでのオーストリア皇太子暗殺に対するオーストリアの回答を、この策士連中は戦争を宣言するために利用したのだ。

 もしドイツが休戦に同意すれば、ドイツは領土を損失せず、賠償金もとらないと、アメリカのウッドロー・ウィルソン大統領が、ドイツに約束することで、無分別に何百万人もの命を奪った世界大戦の休戦協定を実現した。ドイツが休戦に同意したとき、対立する陣営の領域を占拠していたのはドイツだった。ドイツ領土には外国軍隊はいなかった。

 ドイツが協定から離脱するとすぐ、イギリスは飢えたドイツに対して、ウィルソン大統領がしていたすべての約束を破る、搾取的なベルサイユ条約の受け入れを強いる食糧封鎖を実施した。

 20世紀の最も有名な経済学者ジョン・メイナード・ケインズを含め一部の知的な人々が、誰が戦争を起こしたかに関するもみ消し行為であるベルサイユ条約は、未来の戦争を保証すると述べた。そして貪欲で不正な支配体制ではなく、彼らが正しかったのだ。

 真実を告げる彼の努力ゆえに、ハリー・エルマー・バーンズは、偽歴史を書くよう金をもらったドイツの工作員だと宮廷歴史家連中に断言された。バーンズ説は人数的に全く劣勢でだったので、大戦の歴史は20世紀を通じて、大部分、偽のままだった。

 2014年にケンブリッジ大学のクリストファー・クラークが『夢遊病者たち ――第一次世界大戦はいかにして始まったか』を出版して、バーンズは正当化された。クラークは大戦が、ロシア政府の2人の大臣とフランスの大統領による、皆が欲しがる領土をドイツとトルコから盗むための陰謀に起因したというバーンズの証拠を補強した。

 だが戦争から百年たった今、気にかける人々がいるだろうか? 3人の邪悪な男の陰謀のせいで、戦争で亡くなった全ての人々も、つらい思いをした遺族も亡くなり、もはやいない。世界の意識は、一世紀にわたる虚偽の歴史、今度は第二次世界大戦で、再びドイツが、そのせいにさせられた虚偽の歴史によってゆがめられたのだ。

 乞ご期待、第二次世界大戦についての嘘は一層壮大だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/09/the-lies-that-form-our-consciousness-and-false-historical-awareness/

----------

 ロバーツ氏「世界戦争に邁進」で バーンズについて書いておられる。原文は、2014年3月28日。2014年3月31日に掲載した。記事題名で、映画『主戦場』を思い出した。

 世界最大の属国、宗主国侵略戦争に直接派兵し、金も血も流すべく邁進している。ポチが名誉心で壊憲を強行するはずがない。ご主人の命令だ。理不尽な参戦に世論が反対するのを阻止するため、憲法を緊急事態条項で全権委任法に変え、ファシズム体制を整えようとしているだけ。
 「団長は戦争でこの島を取り戻すことには賛成ですか? 反対ですか?」「戦争しないとどうしようもなくないですか?」という人物の元所属先、ISのようなものだという意見を拝見した。ローマ字でかけば、たしかにISで始まる。状況をひっくり返すため支配体制が作り出した過激派だという点で指摘は正しいだろう。体制が泳がせているのだから辞職させられないのだろうか。傀儡支配層の本音代弁にすぎない。

メディアには、言論の自由の保障を実行する能力も意図もないのだから、憲法による言論の自由の保障を一掃するのは簡単なのだ。

 孫崎氏のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

国会議員の「言論の自由」と日本維新の会の議員(発言当時)・丸山穂高氏の「戦争しないとどうしようもなくないですか?」発言。言論の自由と言っているが、憲法第二章で戦争の放棄、99条で国会議員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」。

 会談記録であれ、統計であれ、なんであれ、ファシズム実現に不都合なものは隠蔽する。消して、見えなくする。日刊IWJガイドによれば、「辺野古新基地埋め立て現場の上空映像が撮影禁止になる!? ドローン規制法改正案が本日可決・成立の見込み」という。

日刊IWJガイド「辺野古新基地埋め立て現場の上空映像が撮影禁止になる!? ドローン規制法改正案が本日可決・成立の見込み!」 2019.5.17日号~No.2437号~(2019.5.17 8時00分)

 

 

2019年5月16日 (木)

地政学勢力の構造的転換を示したBRIフォーラム

2019年5月7日
ジェームズ・オニール
New Eastern Outlook

 2回目のBRIフォーラムは2019年4月21日から27日まで北京で開催された。40人の政府首脳と90の国際組織代表者を含め、150の国から代表者5000人が参加した。

 16の他の中欧と東欧の国に加わって、覚書にイタリアが署名した、中国の習近平主席によるヨーロッパ歴訪成功に続いて、フォーラムが開催された。スイスとルクセンブルグも同様に、BRIに参加する意志を示した。

 イタリアの協定は、フランスのメーカー、特にエアバスに何十億ドルもの利益をもたらす取り引きに署名したフランスのような他のEU大国には、用心深く迎えられた。

 BRIは、2013年にアスタナとジャカルタで行った演説で、習主席によって初めて公式に述べられた。わずか5年あまり前のその時以来、構想は、150以上の国の注目や想像力や支持を獲得したのだ。主要要素が二つある。アジア全体と、ヨーロッパまで延びる鉄道と光ファイバーネットワークという地上の道と、中国をヨーロッパ、アフリカと中南米を結び付ける一連の海の航路だ。

 すべての記録に残る歴史に、類似のものは一つももない。過去数世紀、様々な植民地帝国、特にイギリス、フランス、スペイン、ポルトガルやオランダがもちろんあった。宗主国と、植民地の関係は極めて不平等で、恩恵の大半が、一方向に宗主国に流れる状態だった。植民地は、人的、自然資源を無慈悲に搾取された。

 習主席は将来のための異なる構想を詳述した。2017年、彼は基本原則に基づいて、BRIのこの青写真を更に改善した。平和と協力。開放性と包括性。受容と理解。そして相互利益。それら原則の上に積み上げられ、青写真は進展し続けているが、支援と、更なる発展を保証するには、時間と経験とともに、適応や修正が要求されるというのが理由の一つだ。

 フォーラムでの習主席基調演説で、独創的提案を適応させ、修正し、批判に対処する必要性の認識が示された。習主席は大本の四つの基本原則から後退したわけでなく、それに追加をした。改善には、投資決定をする手段の透明性への誓約も含まれていた。この文脈で、こまかい約束には中国による汚職を絶滅させる取り組みの継続も含まれていた。

 二つ目の改善は、個別の国と、既存の多国間集団との協議を強める動きだった。三つ目の要素は、中国に対して浴びせられる主な批判の一つが、知的財産の窃盗とされていることを中国が認めたことだった。この主張は常に誇張されており、精査に耐えないものだ。それにもかかわらず、習主席は、中国の知的財産を共有すると誓約した。中国は、ジュネーブの世界知的所有権機関に登録された新特許では大差で既に世界のリーダーなのだ。

 知的財産を共有するということは、サイエンス・パークの設置や、主要BRIメンバーとの人事交流を含んでいる。ここで極めて皮肉なのは、BRIの非加盟国、特にアメリカはこの恩恵を共有せず、中国ではなく、彼らにとって不利だということだ。

 西欧諸国によるBRIに対するもう一つの批判の主なものは、BRIが、参加している比較的貧しい低開発国にとって「負債の罠」を作りだすということだ。このような批判は、主要欧米諸国が支配している主要金融機関のIMFと世界銀行や、特に主要大国アメリカが、債務国を貧しくするため金融操作を使う遥かに酷い実績があるのを決して認めない。

 IMFと世界銀行救済措置の代償は、債務国経済の「構造調整」だった。特に、これは貧しい国が医療や教育やインフラに対する支出を減らし、国家の役割を最小にし、国内産業を民営化し、労働市場を柔軟にし(すなわち賃金と労働条件の低下)、国家資源に対するの海外からの投資や所有に対する規制上の支配を減らすことを意味していた。

 そうした国々は、このような政策によって貧しくされるだけではなく、主権と代替戦略を策定する自由を失うのだ。IMFと世界銀行の主要受益者介入は、巨大多国籍企業だ。だから、様々な国々がBRIに殺到したのも、ほとんど驚くべきことではない。彼らは実際、小難を逃れて、大難に陥っているのだろうか?

 BRIフォーラムと同時期に、ロジウム・グループが「負債の罠という疑問」と呼ぶものの分析を発表した。分析結果は、中国が対外債務再交渉に携わっていた24カ国の40件の再調査によるものだ。

 重要な調査結果には、財産差し押さえはまれな事象で、ケースの大部分で再交渉結果は、借り手に好都合な結果だったという所見もある。40件中の18で負債は帳消しにされた;11件で負債は延期された。4件が借り換えられた。更に4件で条件が再交渉された。

 異なる形の中国活動の例がマレーシアで見られる。2018年半ばの選挙前に、当時の候補者マハティール・モハマドは、マレーシアの東海岸鉄道建設プロジェクトを不公平だと批判した。マハティールが選挙に勝った後、プロジェクトは保留にされた。中国は条件再交渉に同意した。新合意が2019年4月(わずか8カ月後に)まとまり、建設がすぐに再開された。

 マハティールはBRIフォーラムに出席し、構想に対する彼の支持を誓った。「私は完全にBRIを支持している。私の国マレーシアがプロジェクトから利益を得るだろうと私は確信している」と彼は述べた。中国が反中国プロパガンダを理解し、彼らの国のための利益に関してプロジェクト評価ができた場合には他の国々とも類似の成功を経験している。

 マハティール発言は、IMFとの「交渉」に耐えた国が表明する感情ではない。彼らのIMFと世界銀行との経験が、今、152もの国がBRIに参加している主な理由なのだ。

 フォーラムのもう一人の基調演説者はロシアのプーチン大統領だった。彼の演説は、BRIが開発のための手段以上のものだという意見をはっきり詳述していた。BRIは、プーチンが「大ユーラシア・パートナーシップ」と呼ぶロシアの目的としっかり同調している。

 ユーラシア経済連合メンバーと中国のBRIプロジェクト間の協力は経済的利益を遥かに超えている。大ユーラシア・パートナーシップは「ユーラシアで現在進行中の様々な二国間、多国間統合プロセスのより密接な協力を推進する」ことを目指している。

プーチン大統領は述べた。「断片化された世界の政治的、経済的、技術的な状態や、国連安全保障理事会を回避して、違法な一方的制裁や、より酷い場合には貿易戦争を押しつける保護貿易主義のリスクに対処する効果的な方法を我々が見出すことは重要だ。」

 プーチン演説では、アメリカは一度も言及されなかったが、この発言が一体誰に向けられていたのかは明白だ。フォーラムが終わって間もなく、アメリカが画策したクーデター未遂後に、アメリカはベネズエラに対し更に軍事的恫喝をし、ペルシャ湾への空母機動艦隊を派遣して、イランに追加制裁を課し、イラン政府に「メッセージを送り」、中国からの輸入に何千億ドルもの追加関税を課した。多分補足は不必要だろうが、これら全ての行動は、国際法、国連憲章と既存の多国間貿易協定に違反している。

 プーチンは「良き友人」習に言及し、中華人民共和国は「我々の主要支持者で、大陸の統合された開発における我々の天性のパートナーとして見なす国」だと思うと述べた。

 これは欧米の最悪の悪夢だ。Andre Vltchekが言っている通り「世界に対する絶対的支配を失うという見通し以上に、欧米を憤慨させるものはない。」。

 アメリカは何十年間も、ロシアと中国の間で、政治的、戦略的、軍事的提携が発展するのを妨げようと努めてきた。彼らは、中国-ロシア協力にとっての、主要な刺激を与えているのが、彼らの政策と動きであることを理解し損ねている。

 BRIは欧米支配の敗北の最も明確な表現だ。それが、減少しつつある同盟国集団メンバーのドイツとオーストラリアに、ノルドストリーム2に参加しないよう、南シナ海で中国との対決に参加するよう、アメリカが圧力をかけている理由だ。

 トニー・カータルッチは、スリランカでの最近のテロ攻撃が、増大する中国の地理的、地政学的影響に対するアメリカの抵抗を考慮に入れて見るべきだと主張している。ジョセフ・トーマスはタイに関して、似た主張をしている。これは第二次世界大戦以来のアメリカの行動パターンと首尾一貫している。

 世界の全ての地域から、152の国がBRIに参加したという事実は、大多数の世界の国が、覇権世界観を維持するためにアメリカが駆使する、いじめ、金融破壊、侵略と占領よりも、BRIを良い選択肢として見ている証拠だ。

 彼らは確かに正しい。BRIフォーラムは十分な構造転換が世界地政学の舞台で生じていることを明示している。これまでの400年間享受してきた特権を維持するため欧米が戦う度合いが、世界の安定性に対する大きなリスクだ。

 ジェームズ・オニールは、オーストラリアを本拠とする法廷弁護士、地政学評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/07/bri-forum-points-to-tectonic-shift-in-geopolitical-power/

----------

 いわゆる連休時期以来、テレビをみない習慣がつき、相撲も見ていなかった。昨日久しぶりに相撲を見た。貴景勝のけがはどうなのだろう?

 今日のIWJ岩上安身によるインタビューは『国体論 菊と星条旗』の著者、白井聡氏。

日刊IWJガイド「本日午後2時より、『戦後の対米従属の構造は戦前の天皇制支配から引き継がれた!? 岩上安身による京都精華大学人文学部専任講師 白井聡氏インタビュー』を配信!」 2019.5.16日号~No.2436号~(2019.5.16 8時00分)

 

2019年5月15日 (水)

『1984年』より酷いディストピアに覚悟はおありだろうか?

2019年5月7日
Paul Craig Roberts

 ロボットの恐ろしい経済的帰結を懸念する上で私は孤独だったが、Clarity Pressが、デイビッド・バーナイザーとダニエル・バーナイザーによる本、The Artificial Intelligence Contagion(人工知能という接触感染病)を刊行してくれて仲間が増えた。二人の著者が弁護士で、経済学という職業と無関係だというのが多くを物語っている。

 ロボットと人工知能についての懸念は、より愚かで、能力が劣る人間を、スーパー知性をもった殺傷ロボットが引き継ぐことへの懸念を表明する科学者に由来する。それはあり得るだろうが、この種類の懸念は、間違ったモデルや、心や意識や創造力の間違った理解から生じている可能性がありそうだ。マイケル・ポラニーがまだ生きていて、知性を機械に帰しがちな我々の性癖に対する彼の意見を言ってくれればいいのにと思う。

 二人の著者は、デジタル革命と人工知能が可能にした侵入的監視や支配で武装した政府による、まさに実際の既に存在している脅威と並んで、これらの脅威に簡潔に言及している。スティーヴン・ホーキングやニック・ブーストレムやイーロン・マスクによる、我々の運命を決定する、不死の、神のような、最善でも善悪を区別せず、最悪の場合には不道徳な超知性に対する警告は不確実だが、ロボットの好ましからぬ経済的影響は既に我々の身に降りかかっている。二人の著者の焦点は、人々を不必要にすることから生じる大規模経済混乱だ。

 最近、私は、倉庫労働者や、倉庫労働者が木枠や箱移動させるのに使うフォークリフトを製造する工場の労働者にとって代わる高性能な知的機械について読んだ。高性能な機械自身がロボットに作られるので、フォークリフト製造労働者も追い出されるのだ。

 最新の労働統計によれば、1,192,000人が倉庫で雇用されている。フォークリフトと異なり、新しい高性能な機械は、労働生産性を増やすのには貢献しない。高性能な機械は、人々が仕事をする必要性を排除し、労働に取って代わるのだ。賃金として支払われたはずの全てのドルが、代わりに倉庫所有者の利益に注がれる。人間の生産性と生活水準を高めたかつてのイノベーションと、人の必要性を排除し、人を不要にするAIの自動化イノベーションの違いは実に大きい。

 ロボットは、至る所で、全て同時にではなく、段階的に導入されるだろう。追い出された120万人の倉庫労働者は他の仕事を探すだろう。幸運な少数の人々は仕事を見つけるだろう。他の人々は、意気阻喪して失業者の基準から外れるまで、失業者階級に加わるだろう。雇用が失われた結果、州政府、地方自治体、連邦の税収は下落するだろう。だが失業補償や他の社会的生活保護は増大するだろう。限定されているか、収入が実在しないため、120万人の小売市場参加は、ずっと減るだろう。自動車の売り上げ、住宅の売り上げ、レストランや衣類や娯楽の売り上げは全て減少する。年金拠出金と同様、社会保障やメディケア用の税収は、120万人のアメリカ人収入のせいで減少する。社会保障とメディケアは退職した労働力に対して支払う現在の労働力に資金を供給される。ロボットが現在の労働力を絶滅させる、給与税収入は崩壊する。

 アメリカ・ドルが世界準備通貨である限り、連邦政府は、社会保障やメディケア給付金と給与収入の差異の溝を埋める金を無期限に印刷することができる。だが世界(ロシアと中国)の大きな部分が、制裁によって、既にアメリカ・ドル使用から排除されているが、これはドルが準備通貨の役を失うことを意味する。社会保障年金と医療を期待している何千万何億人ものアメリカ人がいるのに、給与税を支払う労働者がいない時、我々はそこで何をするのだろう?

 もっと沢山あるこれらの疑問は、洗脳されて考えることができないネオリベ・エコノミスト以外の全ての経済学者にとって最大の関心事であるべきなのだ。ところが経済学者たちが全く懸念していないのは、彼らが的はずれで、無用であることを示している。

 何年も前、現在の法律と慣習の下では、GDPの全てがロボットとAI特許のひと握りの所有者に入ることを私は指摘した。他の誰も収入はないのだ。誰もロボットとAIによる製品を購入する仕事と収入を持っていないので、特許所有者の収入を産まないことを意味するから、このような状況はあり得ない。私が述べた明白なジレンマに、答えはなかった。

 我々にAI革命をもたらす連中自身が知性を持っていないので、我々のジレンマに目を向ける一つの方法は、我々には人工知能が必要だということだ。人を無用にすることはどれほど知的なのだろう? ロボットによる製品を購入するための雇用収入が人間にない時に、ロボット生産ラインを所有することがどれだけ知的なのだろう?

 ロボット所有者に、彼らの販売収益から給与税を支払わせればよいと人々は言うかも知れない。特許を社会化し、皆に各自のGDP取り分の小切手を送ることで、販売を保証するのだ。その他諸々。

 だがなぜだろう? 彼らの製品には消費者市場がないため、エリートが利益を得られない時、人間の労働の必要性をなぜ排除するのだろう? 消費者がいなければ、ロボットやAIよるコスト削減は無意味だ。ロボットに追い出された人々を支援するために特許が社会化されなければならない時に、ロボットの意味は一体何だろう?

 人工知能とはそういうものだが、The Artificial Intelligence Contagion(人工知能という接触伝染病)の著者は、限られた認識と知性しかない人間が、自身の自己破壊用の手段を開発に知的関心を見いだしたことを理解している。例えば、地球の全ての生活を破壊せずには使用にできないのだから、核兵器は非情なばか者による狂気の業績だ。人類を全滅させる兵器は無意味な武器だ。

 ロボットと人工知能も同じことだ。警察国家で、人間存在の全ての目的を奪い去ることで、人に対する脅威を作り出す狙いは一体何だろう? これは無分別な行為だ。その責任を負っている連中は、前代未聞の最悪犯罪者だ。それでもこれらの人類破壊者は、彼らが人類にもたらす全ての恩恵のおかげで、大衆の支持を得ている。

 The Artificial Intelligence Contagion(人工知能という接触伝染病)をお読みの上で、その恩恵についてご発言願いたい。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/07/are-you-ready-for-a-worse-dystopia-than-1984/

----------

 小説『1984年』の中で、主人公のウインストン・スミスは、真理省の役人で、どこかの国のお役人と同じで、記録改竄作業が仕事だ。過去のまずい記録はメモリー・ホールに廃棄するのだ。記録が絶えず改竄されるので、違法行為だが、彼は古道具屋で買ったノートに考えを記録している。これも、どこかの国では既に違法行為だろう。部屋には双方向画面があるので、それから見えないように。朝の体操も、だらだらやっていると、画面から叱声が飛んでくるのだ。真理省というのは、その逆、虚報が仕事だ。平和省は戦争がお仕事だ。愛情省は、反体制思想を過酷に取り締まるのがお仕事。どこかの国の官庁も、名称の前に「反」か「非」をつけたほうがよいかも知れない。

 映画俳優が連中に攻撃されている。戦争で北方領土を奪還しようというならず者が議員バッジをつけている。緊急事態条項、その実、全権委任条項を実現する「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」着々進行中の証だろう。

 その一環で雑魚ブログは検索対象から排除する。次の記事のあとがきをご覧願いたい。大企業支配政府下において、企業検閲は国家検閲だ

 キョウ様のコメントの一部をご紹介させていただこう。コメントは拝読しているが、必ず公開するわけではないことを繰り返しご説明させていただく。

書いておられたとおり検索エンジンで何故か
コピーサイトだけ1ページ目に表示されて、このサイトが
表示されてません。
ちなみに私はDuckDuckGoを使ってきましたが
同じ現象が起きてます。

 独立メディアはスラップ訴訟で締め上げる。

日刊IWJガイド「5月1日から14日までのご寄付・カンパの目標額が32%にとどまっています! 今期赤字回避のためには、あと2割不足! このままだと今期末に約1000万円もの赤字が発生する見通しです!IWJへご支援をお願いします!」 2019.5.15日号~No.2435号~(2019.5.15 8時00分)

 今日のIWJガイドには、こんな「ディストピア」という単語まである。下記にコピーさせていただこう。

 こんな「ディストピア」へのシナリオは、大手メディアで書くことはできないでしょう。伊藤氏は大きなリスクを伴うことを承知の上で、強い危機感を持ってこのシナリオを伝えてくれたのです。

 今年の夏は、日本にとっても、決算月を迎えるIWJにとっても、未来を大きく左右する重大な転換点となることは間違いないでしょう。

 誰よりもいち早く、緊急事態条項の危険性について訴えてきたのは岩上安身であり、どのメディアよりも執拗に警鐘を鳴らし続けてきたのはIWJです。岩上安身は梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士と鼎談形式で2012年発表の自民党改憲草案を逐条的に読み解き、『【増補改訂版】前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』というタイトルで書籍化しました。ぜひ、以下のURLよりお買い求めください。

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

 もはや、『前夜』ではなく、『直前』ですが・・・

 IWJは財政的には苦境に立たされていますが、緊急事態条項創設という空前の危機に直面している今こそ、独立メディアとして果たすべき役割を貫き通す所存です。どうか皆様、IWJへのご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 以下の特集をぜひご覧いただき、拡散をお願いします!

※これこそ「ナチスの手口」! 9条を含めすべての現行憲法秩序を眠らせ、日本改造を行う「緊急事態条項」 この上ない危険性!!
https://iwj.co.jp/wj/open/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85%E7%89%B9%E9%9B%86

 

2019年5月14日 (火)

大企業支配政府下において、企業検閲は国家検閲だ

2018年8月7日
ケイトリン・ジョンストン

 去年アメリカ上院議場でフェースブックとツイッターとグーグルの代表が「情報反乱を鎮め」「不和の醸成を防ぐ」と誓約する「社是」を採用するのが責務だと指示された。

 「内戦は発砲によってではなく、言葉から始まる」と代表たちは言われた。「アメリカ自身との戦争はすでに始まっている。今我々全員、あっと言う間に激しい対立をもたらし、わが国をアメリカ分裂国へと容易に変えかねない情報反乱を鎮めるため、ソーシャル・メディア戦場に対して行動しなくてはならない。」

 そう、これが本当に起きたのだ。

念のためお知らせするが、去年グーグル/ユーチューブとFacebookとツイッターの代表がアメリカ上院議場で「不和の醸成を防ぐ」ため「情報反乱を鎮める」ことが彼らの責務だと指示されていた。https://t.co/X4Hc56fH0k

- @caitoz

スコット・ホートンとピーター・ヴァン・ビューレンとダン・マッカダムはツイッターで一時停止された。彼らのアカウントで古いツイートを見ることができるが、彼らは新しいツイートをを禁じられている。自分の投稿を非難されために、@KatzOnEarthが、彼らを通報したのだ。ツイッターに苦情を言って頂きたい。

- @Antiwarcom

 今日、ツイッターがそのプラットホーム上で、3つの重要な反戦の声を封じた。ロン・ポール研究所の専務ダニエル・マッカダムスのアカウントを停止し、スコット・ホートン・ショーのスコット・ホートンを停止し、Antiwar.comの著名な著者ピーター・ヴァン・ビューレンのアカウントを完全に削除した。

 私は、アレックス・ジョーンズとInfowarsの検閲について語ろうとしているので、「ケイトリンは‘かくかくしかじか私はアレックス・ジョーンズが嫌いだ’という類のことを言わなかった!"」という人々の書き込みで私のソーシャル・メディアが溢れないようにするため「かくかくしかじか私はアレックス・ジョーンズが嫌いだ」という場違いなことをまず書かせて頂きたい。これは実際、アレックス・ジョーンズについての記事ではないのだから、そうすべきではないが、ここに書いておく。

 私はアレックス・ジョーンズが好きではない。彼は真実を話す代わりに、不満を抱いた右翼が聞きたいと望んでいることを言って何百万も儲けている。彼は情報の中に偽情報を混ぜるが、それは常にウソをつくのと同じことだ。彼は無数の間違った予測をしたし、彼がアメリカ大統領を突然追従的に支持したことは、トランプに非介入主義の選挙公約を固守させるべき時に、ポピュリスト右翼をなだめて自己満足させるのを助け、彼が2016年以前にそうだったより更に価値を失わせた。

 けれどもこの記事は、アレックス・ジョーンズを守るのが狙いではない。彼はほんの、とっかかりに過ぎない。

帝国は反撃する。アップル、Spotify、フェースブックとグーグル/ユーチューブは全てInfowars /アレックス・ジョーンズを追放した。そう、Infowarsにはたわごとも多いが、国家権力も批判しているのだ。世界に何百万人もの定期購読者がいながら、次に文化的犯罪のかどで殲滅させられるは、どの発行人だろう? https://t.co/XAEQWr58hw

- @wikileaks

 本記事の執筆時点で、Infowarsは、フェースブック、(グーグルの一部である)ユーチューブ、アップル、Spotifyや、今やPintarestから全て数時間以内に締め出された。これはたまたま、支配体制の言説にとって、アレックス・ジョーンズより遥かに大きな脅威であるウィキリークス編集長ジュリアン・アサンジ恩赦をトランプ大統領に求めるため、何万人もの署名がある請願書をInfowarsが回覧していた時に起きた。アサンジの母親も、Infowarsのプロデューサーからインタビューの話をもちかけられてから、48時間もしないうちに、このInfowars大規模削除が起きたと言っている

 企業権力と国家権力の間に意味ある分離がない大企業支配政府体制では企業検閲は国家検閲だ。普通のアメリカ人には全く有効な影響力がないのに、企業ロビー活動と選挙費用寄付という形で合法化された贈収賄が、裕福なアメリカ人にアメリカ政府の政策と行動を支配する能力を与えたので、アメリカ合州国は間違いなく大企業支配体制だ。大きい影響力を持った企業は国から切り離せず、企業検閲の使用は国家検閲から切り離せない。

 これは特にアメリカ諜報機関との大規模なつながりがしっかり文書証拠が残っているシリコンバレーの超巨大企業にあてはまる。アメリカ軍の無人飛行機プログラム構築を支援し大量監視のためにCIAやNSAから交付金を受け、あるいはサイトの内容が、NATOのプロパガンダ機関によって規制されたりした瞬間、政府権力から独立した私的な無所属の企業のふりをすることはできない。現行制度で、価値数百万ドルの普通の事業を営むことは可能だが、もし何十億ドルという資産支配に到達したいと望むなら、「金すなわち政治権力」という体制においては、CIAや国防総省のような既存権力構造の分野で働く必要がある。さもなくば、彼らは、その会社ではなく、競合企業と働くのだから。

偶然の一致か、#Deep Stateが画策した検閲なのか? 1)最近、アレックス・ジョーンズは起訴を取り下げてジュリアンを恩赦するようトランプ大統領への請願を発表した。2) ジュリアン・アサンジの母である私は、48時間以内にインタビューするようアレックス・ジョーンズのプロデューサーから連絡を受けた。https://t.co/z8dmdai5mz

- @AssangeMrs

 それにも拘わらず、少数のシリコンバレー富豪が、あらゆる新しいメディアの政治言説を厳しく支配している危険を指摘するたびに、民主党支持者全員は筋金入りの自由市場主義アイン・ランドの分身集団に変貌する。「それは検閲ではない!」と叫ぶのだ。「私企業だから、自社資産に対して、何でもやりたいことがができるのだ!」

 富豪に好意的な自分たち主流「中道派」見解は決して検閲されないのを知っているから、彼らはこういうことをするのだ。だが他の全員まな板の上にいる。既にグーグルのアルゴリズム操作により左翼サイトは閲覧数が急減したが、BDSやAntifaや、シリアやロシアに関する支配体制言説に懐疑的な人々の運動が、Infowarsと全く同じ口実で大量退場の目に会うのは時間の問題だ。

 これはわなだ。寡頭制支配者を助ける検閲の正体がわからないよう、まず容易な標的を仕留め、合意さえでっちあげたら、続いて反体制派メディアを個別に閉鎖するのだ。

 計画だとは信じられないだろうか? 現職のクリス・マーフィー上院議員に聞こう。

Infowarsは、フェースブックやユーチューブのようなサイトを、我が国をばらばらに引き裂くために使っている憎悪とウソの巨大な氷山の一角だ。これら企業は、ウェブサイトを一つ潰すだけで満足してはならない。我々の民主主義の存続はそれにかかっている。

- @ChrisMurphyCT

 「Infowarsは、フェースブックやユーチューブのようなサイトを、我が国をばらばらに引き裂くために使っている憎悪とウソの巨大な氷山の一角だ」とニュースに応えて、マーフィーはツイッターに書いた。「これら企業は、ウェブサイトを一つ潰すだけで満足してはならない。我々の民主主義の存続はそれにかかっている。」

この記事の冒頭に書いた、上院がシリコンバレー代表にした警告と何とも良く似ているではないか? これはどこか暗い方向に向かっているのだ。

 我々は寡頭制支配者の一挙両得を阻止する方法を見出さねばならない。(A)企業が本当に政府から独立した民間組織なら、その場合、彼らがそういうものとして振る舞い始め、彼らのオーナーが上院に引きずり出され、事業で何ができるか、できないかについて指示されることはないと強く主張できるよう、国民は、政治からは金を、シリコンバレーからは政府機関を排除する必要があるのか、それとも(B)これら新しいメディア・プラットホームは、今機能している通り行政機関として扱われ、それで国民が憲法修正第一条の全ての保護を受けるようにするか、のいずれかだ。現状ではソーシャル・エンジニアリング工作をしている連中は、結局、大衆が情報やアイデアを入手するのを完全支配する能力を、大企業富豪の連合と、秘密主義の行政機関とに与えて二重取りしているのだ。

 もし彼らがこれを実現してしまえば、人類にとっては試合終了だ。少数の社会病質的な、環境破壊と核兵器での皆殺し志向の寡頭制支配者を抑えるため、大衆自身が権限を得るというあらゆる希望もまんまと粉砕されてしまうのだ。我々は今全てのチップを賭けている。我々はこれと戦わなければならない。我々に選選択肢はない。
________________________

 お読みいただいたことに感謝! インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私の記事は全て読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら、共有し、Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、私のpodcastをチェックし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。

記事原文のurl:https://medium.com/@caityjohnstone/in-a-corporatist-system-of-government-corporate-censorship-is-state-censorship-eb8a8b486577

----------

 インターネット検閲、人ごとではない。著名検索エンジンから消失しまった過去記事を昨日再再再掲載した。簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)(冒頭末尾以外再再再掲)

 今日の昼間では、かろうじて見えていた。二時過ぎには、しっかり消されてしまった。検索エンジンは隠滅エンジンだ。

 下の画像は今日昼までの状況。


Tenstep1905141300

 下の画像は二時以降の画像。皆様がご確認されると、上の画面ではなく、これが出るはずだ。一日ほどでしっかり排除されるとは、この記事、相当意味があるものなのだろう。

Tenstep1905141430  

 日刊IWJガイド「経産省キャリア官僚が覚醒剤密輸で逮捕! 押収された覚醒剤は使用量1100回分!? 省内で注射器も押収! 本日午前9時40分より世耕経産大臣会見を生中継します! 」 2019.5.14日号~No.2434号~(2019.5.14 8時00分)

 これでまた、「上級国民」という言葉がはやるのだろうか。今年の言葉になりそう。

 この記事も当然、検索エンジンから排除されるに違いない。皆様、お手数ながらお試し願いたい。隠蔽エンジンの正体をご理解いただけるだろう。

2019年5月13日 (月)

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)(冒頭末尾以外再再再掲)

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)日本語訳の初出は、2007年8月26日。

1 国内と国外に恐ろしい敵を作り上げる
2 政治犯収容所を作る
3 暴漢カーストを育成する
4 国内監視制度を作り上げる
5 市民団体に嫌がらせをする
6 専断的な拘留と釈放を行う
7 主要人物を攻撃する
8 マスコミを支配する
9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する

いささか長い文章だが、再読ねがいたいもの。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ

ナオミ・ウルフ、ガーディアン掲載、 2007年4月 24日火曜日 9:50 am

昨年秋、タイで軍事クーデターがあった。クーデター指導者は、まるで買い物リストでももっているかのように、むしろ計画的に、複数の対策を講じた。ある意味で、彼らは「買い物リスト」をもっていたのだ。数日の内に、デモクラシーが閉ざされた。クーデター指導者は戒厳令を宣言し、武装兵を住宅地に送り込み、ラジオ放送局とテレビ局を占拠し、報道制限を発表し、旅行に対する制限を強化し、活動家たちを収監した。

連中は、やりながらこうしたことを思いついたわけではない。歴史をみれば、開かれた社会を独裁制度に変えるための、事実上の青写真が存在していることがわかる。その青写真はこれまで何度も使われてきた。時にひどく残酷に、あるいはさほど残酷でなく、時にひどく恐ろしく、あるいはさほど恐ろしくはなく。だがそれは有効だった。デモクラシーを作り出し、維持することは極めて困難で、骨が折れる。だがデモクラシーを廃止するのはずっと簡単であることを歴史は示している。単純に10の対策さえ講じればよいのだ。

直視することはむずかしいが、あえて目を向ける意志さえあれば、こうした10の対策のいずれもが、現代のアメリカ合州国で、ブッシュ政権によって既に開始されているのは明らかだ。

私のようなアメリカ人は自由の中に生まれているので、アメリカの国内が他の国々のように、不自由になるということを想像することすら、困難だ。なぜならアメリカ人はもはや自分たちの権利や政府制度についてさほど勉強しなくなっているためだ。憲法を意識し続けるという課題は、もともと国民の所有物だったのが、弁護士や大学教授のような専門家に委託されてしまった-

建国者たちが、整備してくれた抑制と均衡が、今や意図的に解体されつつあることにアメリカ人はほとんど気づかずにいる。アメリカ人は、ヨーロッパの歴史をほとんど勉強していないので、「国土」安全保障省が作られても、そもそも誰が「国土=祖国」という言葉に熱心だったか考えてみるべきだが、当然起こるはずだったこれを警戒する世論は沸き上がらなかった。

我々の目の前で、ジョージ・ブッシュと彼の政権が、開かれた社会を閉ざすために、長年かけて有効性が実証されている戦術を活用している、というのが私のいいたいことだ。想像を超えることを、我々も進んで考えるべき時期なのだ。作家で政治ジャーナリストのジョー・コナソンが言っているように、アメリカでも、そういうことがおき得る。しかも、考えている以上に事態は進んでしまっている。

コナソンは、雄弁にアメリカの独裁主義の危険を警告している。アメリカ国内で今おきつつある出来事の潜在的な深刻さを把握するには、ヨーロッパや他のファシズムの教訓を学ぶべきだと私は主張しているのだ。

1 国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる

2001年9月11日に攻撃されて以来、アメリカは国家的ショック状態だった。6週間もしないうちに、2001年10月26日、アメリカ愛国者法が議会でほとんど論議もなしに通ってしまった。読む時間すらなかったと言っている連中も多い。アメリカ人は、アメリカは「戦時体制」にある、と言われたのだ。アメリカは「文明を一掃しよう」としている「グローバルなカリフ支配」に対する「世界規模の戦争」中なのだ。アメリカが市民的自由を制限した危機の時代はこれまでにもあった。南北戦争の間、リンカーンが戒厳令を宣言した時、そして第二次世界大戦で、何千人という日系アメリカ国民が抑留された時。だが今回のものは、アメリカカン・フリーダム・アジェンダのブルース・フェインが言うように、前例がない。アメリカのこれまでの全ての戦争には終点があったので、振り子が自由に向かって振れ戻ることができた。今の戦争は、時間的には無限であり、空間的には国境がないもので、世界全体がそのまま戦場なのだと定義されている。フェインは言う、「今回は
終わりが決まっていないのです。」

恐ろしい脅威、たとえばギリシャ神話のヒドラのような、秘密主義的な悪を作り出すのは、常套手段だ。これは、国家の安全に対する共産主義の脅威、というヒトラーの呪文のように、実際の出来事に基づく場合もある(あるウイスコンシンの学者は、何より、ナチス・ドイツでは、共産主義者の放火だとされた1933年2月の国会議事堂火災の後に、憲法を無制限の非常事態と置き換える、全権委任法(授権法)の通過が素早く起きたことに言及したために、解雇要求をされることになった)。恐ろしい脅威は、ナチスが「世界のユダヤ人世界による世界的な陰謀」を喚起したように、神話に基づく場合もある。

世界的なイスラム教徒のテロが深刻な脅威でないというのではない。もちろん脅威だ。脅威の性格を伝えるのに用いられる言語は、アメリカと同様に凶暴なテロ攻撃を受けた、例えばスペインのような国では違うのではないか、と主張しているのだ。スペイン国民は、重大な治安上の脅威に直面していることを知っている。アメリカ国民が信じているのは、我々が知っている形の文明が終焉という脅威にさらされているということだ。もちろん、おかげで、アメリカ人は、益々進んでアメリカ人の自由に対する制限を受け入れるようになっている。

2 政治犯収容所を作る

皆を怯えさせるのに成功したら、次のステップは、法律の埒外の監獄制度を作り出すことだ(ブッシュの言い分では、グアンタナモ湾にあるアメリカの監禁センターは、合法的「外部空間」にあるのだという) そこで拷問が行われるわけだ。

最初、そこに送り込まれる人々は、国民から部外者と見なされる人々だ。トラブル・メーカー、スパイ、「人民の敵」あるいは「犯罪人」。当初、国民は、秘密監獄制度を支持しがちだ。その方が安全なように思えたり、囚人と国民が別物のように考えたりするためだ。だがじきに、市民社会の指導者たち、反体制派、労働運動家、聖職者やジャーナリストが逮捕されて、同じようにそこに送られる。

1920年代、1930年代のイタリアやドイツのファシスト策略あるいは反デモクラシー弾圧から、中南米における1970年代のクーデター、そしてそれ以降の出来事で、この過程があった。これは、開かれた社会を閉じてしまうための、あるいは、民主化運動弾圧のための標準的な手法だ。

イラクやアフガニスタンにおけるアメリカの監獄、そして、もちろん、キューバのグアンタナモでは、抑留者は、虐待され、裁判無しで、正当な法の手続きによることもできず、いつまでも拘留されたままで、アメリカは今や確実に政治犯収容所を所有している。ブッシュと議会における彼の仲間は、最近、市街から連れ去られた人々を監禁するのに使われている、世界中にある秘密のCIA「暗黒サイト」刑務所に関する情報は、何も公開しないと宣言した。

政治犯収容所は、歴史的に転移しがちで、ますます巨大化し、ますます秘密化し、ますますひどい、正式なものとなっている。目撃者の話、写真、ビデオや政府書類から、アメリカが運営しているが、我々が十分には調査することができない監獄で、無辜の人も、有罪の人も、拷問されていることを、我々は知っている。

だがアメリカ人は依然として、この体制や抑留者虐待は、自分たちと同じ人間だと普通は考えていない、恐ろしい肌の色が濃い人々だけにしか関係ないのだと思い込んでい。保守派の評論家ウイリアム・サフィアが、政治囚として捕らえられた反ナチス牧師マルチン・ニーメラーの言葉を引用したのは勇気のあることだった。「最初はユダヤ人を捕らえにやってきた」大半のアメリカ人は、グアンタナモにおける法支配の破壊が、彼らにとっての危険な先例になりうることを未だに理解していない。

ちなみに、囚人に対する正当な法の手続きを否定する軍事法廷の設置というものは、ファシスト化策略の初期になされる傾向がある。ムッソリーニやスターリンは、そうした軍事法廷を設置した。1934年4月24日、ナチスも人民裁判所を設置したが、これも司法制度を無視していた。囚人の多くは、罪状の告発なしに、独房で、無期限に拘留され、拷問され、公開裁判にかけられた。最終的に、特別裁判は、判決をする際に、ナチス・イデオロギーに味方し、法の支配を放棄するよう通常の裁判に圧力をかける為の、並列制度となった。

3 暴漢カーストを育成する

私が「ファシスト移行策」と名付けたものを狙う指導者が、開かれた社会を閉じようと望む場合、連中は恐ろしい若者で構成された民兵組織を送り出し、国民を威嚇する。黒シャツ隊員は、イタリアの田舎を歩き回って共産主義者をぶちのめしていた。ナチ突撃隊員は、ドイツ中で、暴力的な集会を開いた。こうした準軍事的組織は、デモクラシーにおいて、特に重要だ。為政者は、国民が暴漢の暴力を恐れることを必要としているので、為政者には、告発の恐れがない暴漢が必要なのだ。

9/11以後の年月、アメリカの警備業者にとって大当たりで、それまではアメリカ軍が担当してきたような仕事を、ブッシュ政権が彼らに外注している。その過程で、国内でも、海外でも、傭兵による治安維持に対する何億ドルもの契約が発注された。イラクでは、こうした外注企業の工作員の中には囚人の拷問や、ジャーナリストへの嫌がらせ、イラク民間人に対する砲撃への関与のかどで訴えられている人々がいる。イラクの外注業者を規制するため、アメリカの元バグダッド総督ポール・ブレマーによって発布された命令第17号のもと、こうした業者は刑事訴追を受ける恐れがないのだ。

そうだ、だが、それはイラクでのことだ、と読者はおっしゃるだろう。だがしかし、ハリケーン・カトリーナの後、米国国土安全保障省は、何百人もの武装民間保安要員をニュー・オリンズで採用し、配置したのだ。調査ジャーナリストのジェレミー・スカヒルは、市内で武器を持たない民間人をめがけて発砲したと言う一人の匿名の警備員にインタビューした。このエピソードは自然災害時のものだ。だが政権の果てしないテロに対する戦争というのは、実際は非公式に契約した部隊が、アメリカの都市で危機管理を引き受ける方式が継続することを意味している。

アメリカにおける暴力団、怒れる若い共和党員男性の集団が、同じようなシャツとズボンを身につけて、2000年フロリダで、投票を集計する作業員を脅迫した。読者が歴史を学んでいれば、次の投票日には「公の秩序」維持の必要性が生じる可能性を想像できるだろう。投票日に、例えば抗議あるいは脅威があれば、どうなるかだ。歴史から見て、投票所の「治安回復のため」に民間警備会社が立ち会う可能性がないとは言えまい。

4 国内監視制度を作り上げる

ムッソリーニのイタリアで、ナチス・ドイツで、共産党東ドイツで、共産党中国で、つまりあらゆる閉鎖社会で、秘密警察は普通の人々をスパイし、隣人同士がお互いをスパイするよう奨励した。東ドイツの秘密警察シュタージは、大多数の人々に自分たちが監視されていると思い込ませるため、ごく少数の東ドイツ国民を監視するだけでよかったのだ

2005年と2006年、ジェームズ・ライズンとエリック・リヒトブラウが、ニューヨーク・タイムズに国民の電話を盗聴し電子メールを読み、国際的な金融取引を追跡する秘密の国家計画について書いてから、一般のアメリカ人も自分たちも国家の監視下におかれ得ることが分かるようになった。

閉鎖社会では、この監視は「国家の安全」のためだという建前でなされるが、本当の機能は、国民を従順にしておいて、実力行使や反体制行動を禁じることだ。

5 市民団体に嫌がらせをする

五番目にすべきことは第四ステップと関連している。市民団体に潜入し、嫌がらせをするのだ。瑣末な場合もある。あるパサデナの教会で、牧師がイエスは平和に賛成していたと説教したところ、国税庁に査察されてしまった。一方、共和党への投票を呼びかけた教会は、アメリカ税法の元では同様に非合法だが、放置されている。

もっと深刻な嫌がらせもある。何千もの普通のアメリカの反戦、環境や他の団体にスパイが潜入していると米国自由人権協会は報告している。秘密のペンタゴン・データーベースには、その1,500の「疑わしい出来事」という範疇の中に、アメリカ国民による、40以上の平和な反戦集会、会合、あるいは行進を含めている。同様に国防省機関で、秘密組織、対諜報現地活動局(CIFA)は、平和的な政治活動に関与している国内団体に関する情報を収集している。CIFAは、「潜在的なテロリストの脅威」を追跡し、普通のアメリカ国民の活動家も監視しているものと考えられている。ほとんど目立たない新たな法律が、「動物の権利」抗議のような行動を「テロリズム」として再定義した。こうして「テロリスト」の定義はじわじわと拡大し、反対勢力をも含むようになってゆく。

6 専断的な拘留と釈放を行う

これは人々を怯えさせる。これはいわば、追いつ追われつゲームのようなものだ。「新中国人」の著者、調査記者ニコラス・D・クリストフとシェリル・ウーダンは、魏京生のような中国の民主化要求活動家は、何度も逮捕され、保釈されていると書いている。閉ざされつつある、あるいは、閉ざされた社会には、反体制派と反対派指導者の「リスト」が存在する。こうして一度リストに載せられてしまえば、誰もが標的とされ、リストからはずしてもらうのは困難なのだ。

2004年、アメリカ運輸保安局は、飛行機に乗ろうとした場合、警備の検査、あるいは、それ以上厳しい扱いをする対象となる乗客リストがあることを認めだ。自分がそのリストに載っていることを発見した人々の中には、サンフランシスコの二人の中年平和活動家女性、リベラルなエドワード・ケネディー上院議員、ベネズエラ大統領がブッシュ大統領を批判して以降のベネズエラ政府職員、そして何千人もの普通のアメリカ国民がいる。

ウォルター・F・マーフィー教授は、プリンストン大学名誉教授だ。わが国の主要な憲法学者の一人で、名著「Constitutional Democracy(憲法によるデモクラシー)」の著者だ。マーフィー教授は勲章を受けた元海兵隊員でもあり、とりたてて政治的にリベラルというわけですらない。しかし今年の3月1日、彼はニューアークで搭乗を拒否された。「テロリスト監視リストに載っていたからです」。

「いかなる平和行進にも参加しなかったのですか? それを理由として、我々が搭乗を禁じている人はたくさんいますよ」と航空会社の社員が尋ねた。

「私は説明しました」マーフィー教授は言う。「行進はしなかったが、2006年九月に、プリンストンで講義をし、それはテレビ放送され、ウエブに載せたが、大統領の数々の憲法違反に対し、ジョージ・ブッシュにはきわめて批判的なものだ。」

「それで十分ですよ」と担当の男は言った。

反戦行進参加者は潜在的テロリストだ。憲法を守る連中は潜在的テロリストだ。歴史をみれば「人民の敵」の範疇は国民生活の中を益々深く広がるものだ。

アメリカ国民ジェームズ・イーは、グアンタナモにおけるイスラム教の従軍宗教者で、秘密書類の扱いを誤ったかどで、告訴されていた。彼に対する告訴が取り下げられる前、アメリカ軍によって、嫌がらせをされた。イーは何度も拘留され、釈放されてきた。彼は依然として、国家から関心をもたれているのだ。

アメリカ国民でオレゴンの弁護士ブランドン・メイフィールドは、間違ってテロリスト容疑者として特定された。彼の家は密かに侵入され、彼のコンピューターは没収された。告訴されていることについては無罪なのに、彼は依然としてリストに載っている。

これはファシスト社会の標準的な習慣だ。一度リストに載ってしまえば、外して貰えない。

7 主要人物を攻撃する

言うことをきかなければ、公務員、芸術家や学者を失業で脅すのだ。ムッソリーニは、ファシストの方針に従わない国立大学の学長を追い回した。親ナチではない学者を追放した、ヨセフ・ゲッベルスもそうだ。チリのアウグスト・ピノチェトもそうだった。中国共産党政治局も民主化運動家の学生や教授を懲罰している。

大学は積極行動主義の火口箱なので、ファシスト化策を進めようとした連中は、ゲッベルスの用語だが、万一イデオロギー的に「協力」しない場合、失業させることで、学者や学生を罰した。公務員というのは、社会の中でも、その政権によって最も首にされやすい部分なので、ファシストどもが、「早いうちから」「協力」を狙う格好の標的集団だ。ドイツの職業官吏再建法は、1933年4月7日に公布された。

ブッシュ支持派州議会員は、いくつかの州で政権に批判的な学者を罰したり、解雇したりするよう、州立大学の評議員に圧力をかけた。公務員について言えば、ブッシュ政権は、抑留者に対する公正な裁判をはっきり主張した、ある軍弁護士の出世の道をふさぎ、政権幹部は、無償で抑留者の代理人になっている弁護士事務所を、事務所の主要な企業顧客に、事務所をボイコットするよう呼びかけるぞと、公然と脅した。

この他、非公開のブログで「水攻めは拷問だ」と発言したCIAの契約従業員は、仕事をするのに必要な、機密取扱者資格を奪われた。

ごく最近では、現政権は、政治的忠誠度が不十分と見えるような8人の検事を追放した。ゲッベルスが公務員を1933年四月に追放した時には、検事も「協力」させられたが、それは、ますます厳しい法律を作る為の「道慣らし」段階だった。

8 マスコミを支配する

1920年代のイタリア、30年代のドイツ、50年代の東ドイツ、60年代のチェコスロバキア、70年代のラテンアメリカの独裁政権、80年代と90年代の中国、あらゆる独裁政権と、独裁者になろうとしている連中が、新聞とジャーナリストを標的にする。彼らは、自分たちが閉じようとしている、開かれた社会のジャーナリストを脅し、嫌がらせをし、逮捕するが、すでに閉ざされた社会の中では、これは更にひどいものだ。

ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ人ジャーナリストの逮捕の数は、これまでで最高だと言う。サンフランシスコのブロガー、ジョン・ウォルフは、反戦デモのビデオを提出することを拒否したため、一年間監獄に入れられた。米国国土安全保障省は、「極めて重要なインフラストラクチャー」を危険にさらしたかどで、グレッグ・パラスト記者を刑事告発した。彼とTVプロデューサーはルイジアナのハリケーン・カトリーナの犠牲者を撮影していた。パラストはブッシュ政権に批判的なベストセラーを書いている。

他の記者や作家たちは違うやり方で懲罰されている。ジョセフ・C・ウイルソンは、サダム・フセインがイエローケーキ,・ウランをニジェールで購入したという濡れ衣に基づいて、アメリカを戦争状態に引きずり込んだとして、ニューヨーク・タイムズの論説で、ブッシュを非難した。すると、彼の妻バレリー・プレームがCIAスパイであることが暴露された。こうした形の報復で彼女のキャリアは終わらされた。

とはいえ、訴追や失業など、イラクにおける戦争を公平に報道しようとしているジャーナリストに対するアメリカの扱いと比べれば、たいしたことではない。ジャーナリスト保護委員会は、アメリカ軍がイラクで、アル-ジャジーラからBBCにいたる組織の、エンベッドされていない(つまり独立の)記者やカメラマンに対して射撃したり、射撃するぞと威嚇したりという複数の事例について記録をまとめている。西欧の人々はアル-ジャジーラの報道には疑念をもっても、BBCのケート・アディのような記者の説明耳をかたむける。2003年のITNのテリー・ロイドを含め、時に、記者は負傷させられたり、殺害されたりもする。イラク内のCBSもアソシエーテッド・プレスも、社員をアメリカ軍に逮捕され、暴力的な監獄に入れられた。報道機関は、社員に対する証拠を見られずにいる。

時と共に、閉ざされつつある社会では、本当のニュースは、偽のニュースや偽の文書に取って代わられる。ピノチェトは、テロリストが国家を攻撃しようとしているという自分の主張を裏付けるのに、偽造した文書をチリ国民に示した。イエローケーキ嫌疑も偽造文書に基づいていた。

現代アメリカで、ニュースが止まるということはあるまい-それはありえない。しかし、フランク・リッチとシドニー・ブルーメンソールが指摘したように、嘘の絶え間ない流れが、ニュース源を汚染している。今アメリカにあるのは、ホワイト・ハウスが指揮している偽情報の流れで、余りに絶え間ないものであるため、嘘から真実を選び出すことがますます困難になっている。ファシスト体制で大切なのは、嘘ではなく、曖昧にしてしまうことだ。国民は、偽物と真のニュースとを見分けられなくなると、説明責任に対する要求を、少しずつあきらめてゆく。

9 反対は反逆に等しい

反対者を「反逆者」に、批判を「スパイ」に仕立て上げる。閉鎖しつつある社会は、ますます、ある種の発言を処罰の対象とし、「スパイ」や「反逆者」の定義を拡張する法律を巧妙に仕立て上げながら、必ずこれをやる。ニューヨーク・タイムズの発行人ビル・ケラーが、リヒトブラウ/リーゼンの記事を掲載した時、ブッシュは、タイムズが「不名誉な」機密情報を漏らしていると言い、また議会では共和党がケラーを反逆罪で告訴すべきだと要求し、右翼の解説者や報道機関は「反逆罪」という非難攻撃を続けていた。解説者の中には、コナソンのように、諜報活動取締法違反に対する罪の一つは死刑だと、読者にすました顔をして指摘したものまでいる。

この攻撃が意味する脅威がどれだけ深刻かを指摘したコナソンは正しい。1938年のモスクワの公開裁判で、イズベスチア紙編集長ニコライ・ブハーリンが、反逆罪に問われたことを思い出すことも重要だ。ブハーリンは実際に処刑された。1917年にスパイ法が最後に広範に発動され、悪名高い1919年のパーマー・レイドの間に、左翼活動家が、逮捕令状なしに、一斉検挙され、五カ月間も監獄に留め置かれ、「打擲され、飢えさせられ、窒息させられ、拷問され、殺すと脅された」事を、アメリカ人は思い出すことが重要だ。歴史学者マイラ・マクファーソンによると。それ以来、反体意見の人々は、アメリカ国内で10年間、沈黙させられた。

スターリンのソ連では、反体制派は「人民の敵」だった。ナチスはワイマール・デモクラシーを支持した人々を「十一月の裏切り者」と呼んだ。

ここで「輪は閉じる」のだ。昨年九月以来、議会が誤って、愚かにも、2006年軍事委員会法を通した時に、大統領が、いかなるアメリカ国民をも「敵性戦闘員」と呼べる権力を持ってしまったということを、ほとんどのアメリカ人は分かっていない。大統領は「敵性戦闘員」が何を意味するかを規定する権力を持っている。大統領はまた、自分が選んだ行政機関の誰にでも、その連中の好きなやり方で「敵性戦闘員」を定義し、それによってアメリカ人をする拘束する権力を委譲できるのだ。

たとえ読者や私がアメリカ国民であっても、たとえ我々が行っていると彼が称し、訴えている事に対して、全く無罪であることが判明しても、あなたが明日ニューアークで飛行機を乗り換えている所を捕まえ、あるいは、ドアをノックして我々を捕まえ、あなたや私を軍の営倉に送り出し、そして、あなたや私を、裁判を待つ間、おそらく何カ月も隔離拘禁する権力を大統領は持っている。(長期的な隔離は、精神科医は知っていることだが、本来精神的に健康な囚人に精神病を引き起こす。これこそが、スターリンの収容所列島に独房があり、グアンタナモのような、あらゆるサテライト監獄施設がある理由だ。キャンプ6、つまりグアンタナモの最新かつ最も残酷な施設は、全て独房だ。)

アメリカ国民は、最終的には裁判を受けられることになっている。少なくとも今のところは。「憲法に保証された人権擁護センター」の活動家は、ブッシュ政権は、アメリカ国民にさえ公正な裁判の機会を与えずに済むような方法を益々積極的に探し求めようとしている、と言う。「敵性戦闘員」というのは、虞犯、つまり、罪を犯すおそれのあることを言うのであって、「何か既に行ってしまったこと」とは無関係だ。「アメリカは、すっかり予防拘禁モデルに移行ししてしまった
-
お前は何か悪いことをしそうに見える、お前は何か悪いことをしそうだ、だから我々はお前を捕まえるのだ」と、「憲法に保証された人権擁護センター」のスポークスマンは言う。

ほとんどのアメリカ人は、まだこれをしっかりと理解していない。それも当然だ。たとえ真実であっても、信じがたいから。いかなる閉鎖社会でも、ある時点で、何人か目立つ人物が逮捕される。通常、反対派の指導者、聖職者やジャーナリストだ。すると万事が静まりかえる。そうした逮捕の後でも、依然として新聞、裁判所、TVやラジオや、他の市民社会のみかけは残る。その時、本当の反対意見はもはや存在しない。そこには自由は存在していない。歴史を見れば、そうした逮捕のすぐ前までに、まさにアメリカが今ある状況になっている。

10 法の支配を停止する

2007年のジョン・ワーナー国防認可法令は、大統領に、州兵に対する新たな権力を与えた。これはつまり、国家の有事において、大統領は今や、オレゴンで宣言した非常事態を執行するために、州知事や州民の反対があっても、ミシガン州兵の派遣を宣言することができる、より強い権力を持つようになった。

アメリカ人が、ブリトニー・スピアーズの破滅的な状態やら、誰がアンナ・ニコルの赤ん坊の父親だったかに目を向けている中で、ニューヨーク・タイムズはこうした傾向について社説を書いている。「ワシントンにおける気がかりな近年の現象は、アメリカ・デモクラシーの心臓を射抜くような法律が、真夜中に、通過したことだ。実際の暴動以外に、大統領は、自然災害、疫病の大発生、テロリスト攻撃、あるいは、いかなる「他の条件」に対応して、軍隊を国内警察力として使うことができるのだ。

評論家は、これを、連邦政府が、軍隊を国内での法執行に使うことを抑止することを意図した、民兵隊壮年団制定法(Posse Comitatus Act)に対する、明らかな侵犯と見なしている。民主党の上院議員パトリック・リーヒーは、法案は大統領が連邦戒厳令を宣言することを奨励していると言う。それはまた、建国の父たちが、そもそものアメリカの政府制度を作り上げた理由そのものの侵害でもある。絶対君主制度の兵士によって、国民がいじめられるのを見ていた建国の父たちは、まさにこの種の抑圧的な為政者や党派の手中への、アメリカ国民に対する在郷軍兵力の集中を恐れていたのだ。

もちろん、アメリカ合州国は、ムッソリーニのローマへの行進や、ヒトラーによるの政治犯の一斉逮捕に続いておきた、暴力的な、全面的な制度の閉鎖を被りやすいわけではない。アメリカの民主主義的な慣習は、反発力がしっかりしており、いかなるそうした筋書きに対しても、アメリカの軍事と司法は非常に独立している。

それよりも、他の評論家たちが書いているように、アメリカにおけるデモクラシーの実験は、浸食という過程によって、終わりかねない。

ファシスト体制へ移行する当初、空に張られた鉄条網の姿が見えるなどと考えるのは間違えだ。当初、物事は一見、何事もないのだ。1922年カンブリアで、農民は収穫祭を祝っていた。1931年のベルリンで、人々は買い物に、映画にでかけていた。昔、W・H・オーデンが「Musee des Beaux Arts(ボザール美術館)」という詩で書いたように、恐怖はいたるところにある。誰かが災難にあっている間も、子供たちはスケートをし、船は出帆する。「犬は惨めな暮らしを続け… 何もかもまったくのんびりして イカロスの災難を顧みようともせぬ。」

アメリカ人が実にのんびりとくらし、インターネットでの買い物や著名アイドルに夢中になっているうちに、デモクラシーの基盤は致命的なまでに蝕まれつつある。何かが大きく変わってしまい、アメリカ国民はこれまでになく弱体化した。今や終わりのない戦争、世界という名の戦場で「長い戦争」という「戦争状態」にあるという文脈の中で、いまだアメリカ国民はそうと自覚していないが、一言発言するだけで、アメリカ国民の自由や、長期の独房監禁に対して、影響を与える力を、大統領に対して与えているという文脈の中で、アメリカのデモクラシーの伝統、独立した司法、出版報道の自由は動いているのだ。

つまり、こうした全ての基盤の下に、いまだ自由に見えている制度の下では、空洞が広がっていることを意味している。そしてこの基盤は、ある種の圧力の元では崩壊しかねない。そのような結末を防ぐには「もし、...たらどうだろう」と考える必要があるのだ。

もし一年半後に、別のテロ攻撃があったら、たとえば、そんなことがあってはならないが、放射性物質をまき散らす爆弾攻撃があったらどうだろう?
為政者は非常事態を宣言できる。歴史的に、どの指導者でも、どの党の人間でも、危機が去った後も、非常権限を維持したいという思いにかられることが分かっている。伝統的な抑制と均衡は骨抜きにされており、私たちは、ヒラリー大統領であれ、ジュリアーニ大統領であれ、為政者による危機にさらされている。あらゆる為政者は、民主主義的な交渉と妥協という、骨の折れる、不確実な手順よりも、政令によって、彼なり彼女の意志を実行したいという誘惑にかられるのだから。

昨年ケラーを脅した様な右翼の努力で、もしも主要なアメリカ新聞の発行人が、反逆罪やスパイで訴えられたとしたら、どうだろう?
彼なり彼女が10年間の投獄となったらどうだろう? 翌日の新聞はどうなるだろう?
歴史から判断すると、発行を停止することはあるまい。しかし、新聞は、突然従順になるだろう。

今のところは、ごく少数の愛国者が、私たちのために暴政の流れを食い止めるようとしている。「憲法に保証された人権擁護センター」のスタッフ、抑留者の代理をして、殺しの脅迫に会っていながらも、最高裁に至るまで戦い続けている、米国自由人権協会の活動家たち。また、American Freedom Agendaという名の新集団の旗じるしのもと、高名な保守派の人々が、蝕むような新たな法律を押し返そうとしている。この小さな、異なる人々の集団は、国際的に

アメリカ国内における本当のデモクラシーによって抑制されていないアメリカが、アメリカ以外の世界にとって、一体何を意味するのかということを理解して、進んで政権に圧力をかけようとする、ヨーロッパ人や、他の国際的な人々を含め、あらゆる人々の援助を必要としている。

我々は歴史を学び、「もし、こうだったら」という考え方に直面する必要がある。今の方向で進み続ければ、様々な形で、異なる時期に「アメリカの終焉」が私たちの身に降りかかるだろう。私たちは、皆それぞれが、異なる時点で、昔を思い返して、考えざるを得なくなるようになるだろう。「昔はああだったのに、今はこうなってしまった」と。

「立法、行政、司法の、あらゆる権力を同じ人物に集中すること …が、独裁の定義だ」とジェームズ・マジソンは書いた。我々は、まだ今なら、この破滅の道を進むのを止めるという選択が可能だ。我々の立場を守り、国民のために闘い、建国者たちが我々に掲げ続けるよう願った旗を掲げるのだ。

簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ

記事原文url:www.guardian.co.uk/world/2007/apr/24/usa.comment

http://kurtnimmo.com/?p=843

この記事、当然、ナオミ・ウルフの新著"The END of AMERICA: Letter of Warning to a Young Patriot"にゆきつきます。176ページ。Chelsea Green刊。New York Timesのベストセラー。$13.95 USD
Theendofamericanw

とても小さな本で、大学二年までの教養過程の英語(=訳者)で読めるのでは?

----------

壊憲で導入する緊急事態条項の名称は悪辣な偽装。本質は、この記事にある「全権委任法条項」

 ケイトリン・ジョンストンさん、「ベネズエラに対して、シリコンバレー巨大企業はアメリカ政府と協力している」で、検索エンジンで見つかるものは、ベネズエラの偽大統領や、本物の駐米大使が宗主国が任命した偽物に勝手に置き換えられているのを指摘しておられる。彼女がおっしゃる通り、いわゆる「検索エンジン」実際は隠蔽エンジン。

 ウソと思われるなら、ネットでこの記事の検索を試して頂きたい。
 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」と入力しても、2007年8月に翻訳掲載した小生の元記事は決して見つからない。コピーはみかけるが。

 属国完全植民地化を狙う傀儡政府の手口を見事にまとめたナオミ・ウルフさんの素晴らしい記事、知られてはならないので、人目につかぬよう、属国の手の者が人為的に排除工作をしていなければ、こういう不思議なことにはならないはずだ。

 三度掲載したもの全てが検索エンジンでは現れない。ジョージ・オーウェルが『1984年』で書いた過去の真実の歴史を廃棄する「メモリー・ホール」に放り込まれたよう。

 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)」過去の三つのurlは下記の通り。決してブログから削除したわけではない。クリックすると現れる。

 2016年2月14日、冒頭末尾以外再再掲記事アドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/10-bb36.html

 2013年8月5日、末尾以外再掲記事のアドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-d987.html

 2007年8月26日、最初の掲載時のアドレス
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/10-b849.html

 よそのサイトにコピーされた記事は読めるので、題名のみならず、元のurlも組み合わせた論理での記事排除策と思われる。とは言え深刻な時節、再再掲載せざるを得ない。

 サーバー企業に「同じ記事を再三繰り返し掲載するのは重大違反だ」といいがかりをつけられ、閉鎖に追いやられるかも知れない。サーバー管理者は、隠蔽エンジン大企業に、なぜ削除すると文句は言わないだろう。その時は「皆様さようなら」ということになる。

 コピーする方々は、必ずこの付記もコピーするよう願いたい。
付記部分を除く翻訳のみの転載は、支配体制による言論統制の幇助に他ならない。

 ちなみに元の英語記事は今も健在。Fascist America, in 10 easy stepsと入力すると当然読める。末尾に寄付のお願い文章がある。昔あったかどうかの記憶はない。
https://www.theguardian.com/world/2007/apr/24/usa.comment

原文は2007年4月、翻訳掲載は8月、12年前の翻訳ながら、今の属国状況そのままの記事。不思議なことにネット検索で探しても、この元記事は見つからない。

1 国内と国外に恐ろしい敵を作り上げる
ミサイル北朝鮮、尖閣中国、竹島韓国、北方領土ロシア。沖縄や首都圏の空を支配している宗主国は不思議に恐ろしくない。
2 政治犯収容所を作る
3 暴漢カーストを育成する
4 国内監視制度を作り上げる この記事がネット検索してもみつからないのも、ささやかながら一例。
5 市民団体に嫌がらせをする  逮捕者は428日も勾留――不可解な公安「倉敷民商」捜索

6 専断的な拘留と釈放を行う
辺野古基地反対の座り込みやカヌー隊に対する取り締まりをみれば明らか。そして、なぜ関生支部にいま弾圧が?

7 主要人物を攻撃する
植草一秀氏を全くの冤罪で排除した。植草一秀の『知られざる真実』2016年1月11日の記事、まさしく「このままゆけば日本版全権委任法制定は確実」真実を語っておられるがゆえの理不尽な人物破壊。「一回も成功したことがない日本の「地震予知」に未来はない」と正論を主張される島村英紀武蔵野学院大学特任教授も冤罪で長期間投獄された。経済学者と称する経済破壊首謀者の新書が書店でも目につく。批判の立て看板を出した学生さんは偉い。

8 マスコミを支配する
改元フィーバーが延々続いた。
官房長官の有名な「指摘にはあたらない。問題ない」答弁や、まともな質問の抑圧を官邸記者クラブは放置しているようだ。一方的確な批判的発言をする報道キャスターに降板を強いた。個人的に、今年の「連休」以来、全く見なくなった。
日本呆送狂会責任者が復帰した。記者クラブ、実は「速記者クラブ」。憲法破壊の国民投票では、与党が湯水のように洗脳テレビ・コマーシャルを垂れ流す。改元フィーバー、予行演習だったのかも。どうでも良い話題だけを延々ニュースだと語るのも、与党幹部連中が国会でわざと無意味な答弁をするのも、国民か政治に興味を失ってあきらめ、投票所に行く気力を削ぐのが本当の狙いだろう。

9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する 憲法の恣意的解釈。戦争法案、改憲による緊急事態条項、つまり、この記事にある「全権委任法」導入。

大本営広報部が垂れ流すのは、有名人の覚醒剤、児童虐待や北朝鮮ミサイルばかり。自分の頭の蠅は追わない。TPP(今なら「緊急事態条項、つまり、この記事にある全権委任法」)の悪質な本質には絶対ふれない。

「月刊現代農業 TPP協定案全文から読み取れる恐るべき暴力性」内田聖子 (残念ながら今はリンクが切れている)

アホノミクスの惨状も屁理屈でごまかしていたが、屁理屈では足りなくなり、計画的に組織的に統計を改竄するに至ってた。ウソしかない国家。

植草一秀の『知られざる真実』
54兆円損失解消棒に振り新たに18兆円の損失 2016年2月13日

支配されたマスコミ、大本営広報部電気洗脳箱、たとえ終日みていても、絶対にTPP(今なら「緊急事態条項、つまり、この記事にある全権委任法」)の客観的評価番組はありえない。大本営広報部、実質、ある種の4 国内監視制度でもあるだろう。

ちくま文庫『夕陽妄語 1』1984-1991 を購入した。
成田龍一氏による解説冒頭を引用させていただこう。

二〇〇四年四月の「夕陽妄語」は、

思えば、戦後日本の歴史は、「安保」が次第に「九条」を侵蝕していく過程であった。その過程がこの十余年の間に加速的に進んだのである。

と述べる。おりからの小泉純一郎内閣のただなかでの記述であった。加藤周一が主要な呼びかけ人のひとりとなる「九条の会」の発足は、この直後二〇〇四年六月のことである。それから、さらに十余年がたち、安倍晋三内閣のもとでの〈いま〉、ことはいっそう「加速的」である。

二〇〇四年四月の加藤周一の指摘、今もそのまま。二〇〇七年四月のナオミ・ウルフの指摘、今もそのままであって不思議はない。大本営広報部が報じない『緊急事態条項』はワイマール憲法を形骸化した『全権委任法』を報じるメディアはある。

【改憲勢力が狙う「緊急事態条項」の危険性に迫る!シリーズ再配信 11・IWJ_Youtube Live】20:00~「『スーパーマン』になりたがる内閣の下心 ~安倍政権が『無邪気』に導入を目論む『緊急事態条項』はワイマール憲法を形骸化した『全権委任法』!憲法学者・石川裕一郎聖学院大学教授講演」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 2016年1月に収録した、学習会「改憲の目玉・国家緊急権って何だ?」を再配信します。主催は「戦争に協力しない!させない!練馬アクション」ほか。これまでIWJが報じてきた緊急事態条項関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/284255

 

ベネズエラに対して、シリコンバレー巨大企業はアメリカ政府と協力している

2019年5月11日
ケイトリン・ジョンストン
Catlin Johnstone.com

 ルイ・ファラカンや、Infowarsや、数人の右翼評論家に対する最近のInstagram/ Facebookの禁止のような、インターネット検閲に対して、公開のフォーラムで明言すると、人は常に、2つの主要政治集団の感情を害することになる。一つ目の集団は政治的立場で、左翼に共感していて、権力に奉仕する権威主義者だ。彼らはシリコンバレー富豪が巨大な独占的なプラットホームで政治的発言を規制するのを安心して任せるのは、良くて正しいと主張するのだ。2番目の集団は、あらゆる問題に対して自由市場解決があると信じる資本主義応援団だ。彼らは、これらシリコンバレー大手企業は、政府から完全に独立している私企業なので、彼らが自身の持ち物でしていることを検閲と呼ぶのは正しくないと主張するのだ。

 だが、それは本当に真実なのだろうか? 誰も競争することができない、これら肥大化した企業が、彼らが本拠を置く国の政府から独立している、全く別の私企業だと主張するのは本当に正確だろうか? 彼らの行動を見ると、決してそのようには思えない。

 アメリカ政府はベネズエラ政府を打倒し、傀儡政権で置き換えようと努力している。ひょっとして、読者が、この自明な現実から目をそらしている場合には、ベネズエラの指導力に、ワシントンの操り人形フアン・グアイドを据えつけるために、経済的、外交的圧力を、ベネズエラ政府に対して意図的に加えているのを公然と自慢している在ブラジル・アメリカ大使館ウェブサイトの4月24日ファクト・シートをご確認願いたい。トランプの国家安全保障担当補佐官は、ツイッターで、もし彼らが彼らの政府を打倒しなければ、アメリカは、ベネズエラ軍将校の家族を飢えさせると公然と脅したのだ。

 これは隠されていない周知のアメリカ政府の狙いだ。シリコンバレー大手企業は積極的にそれを促進している。

 例えば、ジャーナリストのマックス・ブルメンソールが強調しているように、もしグーグルに行って、ワシントンDCのベネズエラ大使館を調べれば、得られる結果は下記のようなものだ。

 グーグルは、在アメリカ・ベネズエラ大使として、本物の政府でなく、アメリカ合衆国が据えつけようと試みている傀儡政府代理を務める、ベネズエラのパスポートを発行する政府権限もないカルロス・ベッキョを挙げている。グーグルが、このアメリカ政府プロパガンダでっち上げ人物を「大使」として参照する理由などないのに、DCにあるベネズエラ政府大使館の職員を、想像上の傀儡政権職員で置き換えるアメリカ政府の攻撃的キャンペーンを支持して、とにかくそうしているのだ。

 ついでながら、グーグルは、大量監視のためにCIAとNSAから研究助成金を受け取った、発端時以来、アメリカ諜報機関に財政的に絡み合っている。同社は連邦ロビー活動やDCシンクタンクに極めて大量の金を注ぎこみ、NSAと癒着して、最初から軍諜報機関の請負業者だったのだ。

 同社幹部が、アメリカに中央集権化された帝国のために、言論支配作戦をつとめるのを可能にしているウィキペディアも同じことだ。ベネズエラで実際の政治的権力も、当局も全く持ち合わせないフアン・グアイドをご覧願いたい。あなたがご覧になるのはこれだ。

 1月からそうなっていた

 ツイッターも同じだ。ベネズエラでの4月30日クーデター未遂中と、直後に、サイトは、永久に、多数のベネズエラ政府アカウントを停止し、今年早々ツイッターは約2,000のマドゥロ支持派ユーザーのアカウントを削除した。2017年に我々は、マドゥロ擁護派の何千ものアカウントが削除される同じ光景を見た。類似の何も今までにアメリカに同盟している国の政府と共に起きたことがない。

 フェースブックで我々は「本物と認証されない」ベネズエラやイランやロシアのアカウントの永久削除と一緒に、Venezuela Analysis と 英語版TeleSURのページがツイッターと連携して一時的停止されるのを見た。 Facebookの検閲プログラムは、アメリカと同盟国政府に資金供給されている大西洋協議会の言論支配企業に支配されている

 これら巨大シリコンバレー企業がアメリカ国務省の狙いのために行動する正当な理由はないのに、ここで連中は、まさにそれをしているのだ。

 2017年10月の上院司法委員会公聴会で、上院議員たちが、反対の声を沈黙させる「真実省」の必要性について非常に憂慮すべき形で、フェースブックとツイッターとグーグルの法務、安全保障担当幹部たちと話をしたことを念のためにお知らせしよう。ハワイのメイジー・ヒロノ民主党上院議員は、彼らが「不一致を煽動することを防ぐ」言質を宣言する「社是」を採用するよう要求した。

 シンクタンクの言論マネージャーで、元FBI捜査官のクリント・ワッツが「内戦は発砲では始まらず、それは言葉から始まる。アメリカ自身の戦争はすでに始まった。ソーシャル・メディアの戦場で、我々全員、あっという間に激しい対立を引き起こし、容易にアメリカ分裂国へと変えかねない情報反乱を鎮圧するために今行動しなくてはならない」と言って騒ぎ立てた。

「虚偽情報の集中砲火がソーシャル・メディア・ユーザーに着弾するのを防ぐには、作り話を配布するメディアを沈黙させることだ。銃を沈黙させれば、一斉射撃は終わる」とワッツは付け加えた。

大企業支配の政府では企業検閲は国の検閲だ。アレックス・ジョーンズやルイ・ファラカンや様々なベネズエラ政府の人物がこれら巨大独占プラットホームで発言するのを禁止される状態なのに、シリコンバレー富豪はそれで結構だという連中は皆阿呆だ。

ケイトリン・ジョンストン(@caitoz)  2019年5月2日

 これらの企業は、いかなる意味ある形でもアメリカ政府から独立しておらず、彼らの行動は、アメリカに同盟していない国々の政府をアメリカ官僚が非難する国々の国家検閲と同じだ。少なくとも中国人は彼らの政府が彼らを検閲していることを知っているのだから、それはある意味で、おそらく、もっと悪い。

 政府権力と企業権力の間に意味ある分離がない大企業支配体制では企業検閲は国家検閲だ。アメリカ憲法は国民を国家検閲から守るが、国民は、我々が今日目にしているまさに同じ方法で機能する企業ブランドの検閲からは完全に無防備なままだ。誰であれ言論を支配する連中が世界を支配するが、彼らは言論を支配するため企業検閲を駆使しているのだ。

 我々の世界の基本的な問題は、支配者連中が、核兵器による皆殺し主義の社会病質者なのに、彼らを止めることができる唯一の権力である大衆の共同の意志が、それを止めるには余りに徹底的に洗脳されていることだ。言論は余りに厳重に支配されており、人々は気候混乱や核戦争による絶滅に向かって自分たちを追いやっている圧制者に対して敢然と反抗しない。我々がこれを克服する方法を見つけることができなければ、我々は種として切り抜けられるまい。

________________________

 どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事も)再配布したり、使用したりされるのを私は無条件に許可している私の仕事は全て読者に支援されているので、本記事を良いと思われたら、共有し、 Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私が何者か、私がどういう立場か、私がこのプラットホームをどうしようとしているかについてのより多くの情報は、ここをクリック願いたい。

 ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
 気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!

 支援者になって下さるようお願いする。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/05/11/silicon-valley-giants-collaborate-with-the-us-government-on-venezuela/

----------

 この記事に合わせて、是非「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)(冒頭末尾以外再再再掲)」をお読み願いたい。シリコンバレー巨大企業が隠蔽工作といし悪事を繰り返す前に。

 筆者は「大企業支配の政府においては、企業検閲は、国家検閲だ。
In A Corporatist System Of Government, Corporate Censorship Is State Censorship という記事も書いておられる。

 あらゆる手をつくして、与党が壊憲に突き進む中、野党?の対応はどうなのだろう。

日刊IWJガイド「 国民民主党・階猛(しな・たけし)衆議院議員が参院岩手選挙区の野党統一候補者選びをめぐり、小沢氏と対立し離党! 泥沼化する旧『小沢王国』!まとまれない野党!?」 2019.5.13日号~No.2433号~(2019.5.13 8時00分)

 孫崎氏のメルマガを拝読すると、民主主義を作ったことがない人々が、やがて永久植民地になるのは当然と思えてくる。

日本の民主主義、自らの手で作った訳でない。今、壊される。だが抵抗力が僅か。参考『智恵子抄』「日本はすつかり変りました。すつかり変つたといつても、他力による変革で。日本の形は変りましたが、あの苦しみを持たない我々の変革を報告するのはつらいことです。

 

 

2019年5月12日 (日)

トランプは政権を支配しているのだろうか、そもそも彼の政権なのだろうか?

2019年5月7日
Paul Craig Roberts

 私はうさんくささを感じている。トランプの国家安全保障担当補佐官、より正確には、イスラエル代理人のジョン・ボルトンが本人とイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相と首長国のムハンマド・ビン・ザーイド皇太子とサウジアラビア支配者ムハンマド・ビン・サルマーンで構成されるチームを招集した。連中はイランにとって最悪の4人の敵だ。

 チームの狙いはワシントンがイランを攻撃する口実になるだろう偽旗事件を作り出すことだ。イスラエルがこのチームの最も有能なメンバーなので、イスラエルがアメリカ航空機を撃ち落とすか、米国海軍船を攻撃するかして、ワシントンと売女メディアがそれをイランのせいにするだろうと推測できる。言い換えれば、アメリカ統合参謀が、アメリカによるキューバ侵略を準備しようとして、ケネディ大統領に提出したノースウッド・プロジェクトの復活だ。

 策謀は既に始動させられたように思われる。ボルトンとパトリック・シャナハン国防総省長官代理の二人がイラン軍による「信用できる脅威を発見した。我々はイラン政権に、全ての挑発を終わらせるよう要求する。アメリカ軍や我々の権益に対するあらゆる攻撃を、我々はイラン政権の責任と見なす。」と発表したのだ。

 念のために申し上げるが「脅威」や「挑発」は特定されていない。だが「イランによるエスカレーションを招きかねない行動」にワシントンとイスラエルとサウジアラビアを除けば、どの通信社も世界中のどの政府も気付いていないが、それは何らかの方法で起きているのだ。

 ボルトンは未確認の「脅威」を鎮圧するため空母打撃群と爆撃機部隊を派遣した。

 アメリカへのイランの脅威は、ご想像の通り、イスラエルがあきらかにしたことになっている。

 イランのジャバード・ザリフ外務大臣は、イランに対する攻撃を正当化するため、イランに濡れ衣を着せるフェイク・ニュースだと非難した。

 ポンペオ国務長官は、イランを更にこう非難した。「イランのエスカレーション的行動を確実に見たのだから、アメリカの権益に対する攻撃で、イランに責任を取らせるのも確実だ。」

 CNNは、アメリカが、イラン軍がアメリカ軍に標的を定めているという「具体的な信用できる」情報を持っていることを確認している「匿名当局者」の言葉を引用して、偽旗事件を推進した。

 またしても。まさに「サダム・フセインの大量虐殺兵器」「アサドの化学兵器使用」等々のように聞こえる。

 この画策は、イラン核合意を遵守するのをやめるようイランを挑発するのを意図している可能性が高い。アメリカは、合意を離脱することで、合意を破壊しようと試みたが、イランと合意に署名した他の政府、フランス、イギリス、ドイツ、ロシアと中国は合意を尊重し続けている。ワシントンが合意から離脱するようイランを挑発することができれば、ワシントンは、イランから、ロシアと中国による支持と、アメリカによる制裁に対するヨーロッパの反対を奪って、イランを孤立させることができるのだ。

 おそらく、ロシアと中国とヨーロッパは、ワシントンの策略に欺かれるまい。イランとの戦争は、イスラエルとサウジアラビアの支配者以外、誰の利益にもならないのだから、イランとのつながりを維持するだろう。

 ジョン・ボルトンの破廉恥さとあつかましさは異常だ。数十年にわたる、シオニスト・ネオコンの狙いの邪魔になる政府を打倒するためのワシントンとイスラエルによる濡れ衣と、画策した出来事の後、振り出しに戻って、同じことを目撃させられている。

 成功は成功を生む。もしロシアと中国の政府が、ワシントンの戦争屋に、イランに対する攻撃を決して許さないことを思い知らせる十分な現状認識がなければ、次はロシアで、その次が孤立した中国という順番だろう。ロシアと中国は、イラン攻撃成功を可能にすることで、ワシントンの覇権から逃れることができないのだ。

 もしボルトンとネタニヤフの策謀が成功すれば、イランは核戦争前の最後の段階になるだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/07/does-trump-have-control-of-his-government-or-is-it-his-government/

----------

 大本営広報部、虚報で洗脳するために存在していることが明らかだ。国民を憲法破壊に賛成させるよう集中的宣伝の集中豪雨を実行するのだろう。あることないことではなく、ないことないことづくめで。

日刊IWJガイド・日曜版「本日午後8時より、『広告宣伝の制限なし!「異常に自由」な国民投票制度―― 憲法改正国民投票は改憲派に有利!! 岩上安身によるノンフィクション作家・元博報堂社員 本間龍氏インタビュー!(エッセンス版)』を再配信!」 2019.5.12日号~No.2432号~(2019.5.12 8時00分)

2019年5月11日 (土)

アメリカには徳政令が必要だ

2019年5月6日
Paul Craig Roberts

 小学生時代、私や友達は考古学と古代文明にとても興味を持っていた。我々は手に入る限りの本を読んだ。私の親友は考古学者になって、我々が実際知っている以上に妄想していた古代遺跡を調査するつもりだった。

 最近私が理解している限り、一般人は誰もシュメールやバビロニアやアッシリアやウルについて全く考えていない。アメリカの若者たちにとって、紀元前2,500年ではなく、1940年代が古代の話なのだ。

 旧約聖書に先行するずっと昔のことは、おそらく残虐で、人をいけにえにする、野蛮で差別的な時代だと想像されているのだ。要するに、ホラー・ファンタジー映画か、ビデオゲームの脚本だ。

 実際は、これら文明は、我々自身の文明よりずっと進歩していて、ずっと人道的だった。支配者は、債務者と債権者間のバランスを維持し、社会が長く継続できるよう精力を傾けており、遥かに進んでいたのだ。以来ずっと下り坂なのだ。

 支配者は、周期的に債務を帳消しにすることで、社会的バランスを維持し、それによって、社会の寿命を維持していた。支配者は、複利では負債が経済より早く増大することを理解していたのだ。その結果、農地の差し押さえとなり、富と権力が、少数の債権者の寡頭政治勢力に移ってしまう。税収源であり、軍の兵士や公共インフラを維持するための賦役を提供する、経済的に自立した自作農民を、支配者と社会は奪われることになるのだ。大惨事になるはずだ。貪欲な寡頭政治集団が支配者を打倒しかねず、農地を奪われた住民は、債務免除と引き換えに、軍で保護してくれる侵略者側に逃げかねない。

 支払い不能な債務によって社会が溶解してしまうのを防ぐため、支配者は実業家間の商業債務ではなく、一般市民の農業債務を周期的に帳消しにしていたのだ。

 債務免除の理由は、平等主義ではなく、安定性だった。

 マイケル・ハドソンが、ハーバード大学ピーボディ博物館特別研究員として、古代言語学者と働いて、30年過ごしたおかげで、我々はこの青銅器時代の経済政策成功という魅力的な物語を知っている。研究は、10年間にわたり、五つの専門家会議と、最近のハドソン著書『彼らの債務を免除せよ』を生み出した。

https://www.amazon.com/forgive-them-their-debts-Foreclosure/dp/3981826027/ref=sr_1_1?crid=Z9WVJTCJ64ID&keywords=michael+hudson+and+forgive+them+their+debts&qid=1557095068&s=books&sprefix=michael+hudson%2Caps%2C157&sr=1-1#customerReviews

 現在、アメリカで国民は支払い不能な債務に溺れている。学生ローン債務、クレジットカード債務、住宅ローン債務、州政府や地方自治体の債務、事業債務。しかし為政者は、大銀行と金融機関のひどい無責任な投資にまつわる債務だけ免除した。連邦準備銀行は、1000万人の自宅所有者が差し押さえられるのを放置しながら、銀行の不良債権を買い上げるために、4兆ドルを印刷した。学生ローン債務が、大学卒業生が独立した家庭をもつことを阻んでいる。住宅ローン債務とクレジットカード債務が家庭が小売り販売を押し上げる自由裁量所得を得るのを阻んでいる。だが現代経済学には、我々の社会が債務過剰で崩壊するのを阻止する処方せんがないのだ。

 債務過剰のため、アメリカはずっと昔に独立農民を失っている。干ばつや黄塵や、連邦準備制度による融資金利の上昇が、農民が土地を差し押さえられて、農地が企業農業の手に渡るのに十分だった。今日同じことが乳製品生産者に起きている。トランプ関税への対応として、カナダはアメリカ乳製品に関税をかけるはずだ。所得下落で、アメリカ酪農家は、債務元利返済負担を過度に負ったままになる。酪農業も少数の手に集中される定めのように思われる。経済的自立は、アメリカ社会から追放されつつある。

 市場独占や買い手独占や少数独占の問題は本物だ。債務をかかえたアメリカ人が彼らの高生産性、高付加価値の雇用を海外移転され、更に今就いている低賃金の国内サービス職からAIロボットに追いだされようとしているのだから、なおさらだ。企業利益を最大にする活動は、アメリカ人の収入を減らすが、債務を減らすわけではない。こうして債務返済はいっそう困難になる。

 現在のアメリカは、ニューヨークの巨大銀行が、連邦準備銀行の政策や、例えば銀行制度の規制緩和や、それに続く救済措置のような金融関連法制を支配する状態だ。市場独占や買い手独占や少数独占のほうが、彼らを抑制したり、どんな形にせよ、彼らに逆らって行動したりできない中央政府より強い状況になっている。企業が雇用を海外移転して、国民の職を奪っている。債権者の要求が、大学卒業者が自分の家庭をもつのを阻止している。更なる債務拡大による場合を除き、債務返済が小売り需要に、とって代わっている。

 これは上昇ではなく下降する経済だ。ワシントンがアメリカ人にしているより、明らかに、ハムラビはバビロニア人に遥かに良くしていた。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/06/america-needs-a-debt-jubilee/

----------

 『世界』の人気連載、初めての書籍化『メディア、お前は戦っているのか メディア批評 2008-2018』神保太郎『世界』編集部編を読み始めた。大手商業メディアはしっかり戦っていると思う。支配体制に奉仕して。そして繁栄している。一方、庶民のために戦っているメディアは、財政的に窮状にある。

日刊IWJガイド「日本にとってもIWJにとっても分水嶺となる今年夏に向け、IWJはファンドレイジングシンポジウムを6月30日に開催する予定です!」 2019.5.11日号~No.2431号~(2019.5.11 8時00分)

 今後の岩上安身氏インタビューの予定を拝見した。

 岩上安身は、今後も精力的にインタビューを行っていく予定です。以下にインタビューの日程をお知らせいたします。

・本日5月11日(土) 高エネルギー加速器研究機構名誉教授・黒川眞一氏
・5月16日(木) 京都精華大学専任講師・白井聡氏
・5月27日(月) ジャーナリスト・吉田敏浩氏

 後段でもお伝えしますが、黒川氏には、福島県伊達市の個人被爆データを過小評価した「早野・宮崎論文」の問題についてお話をうかがいます。

 白井氏へのインタビューでは、天皇の代替わりや新元号などを中心に取り上げつつ、対米従属関係の構造的な問題も視野に入れる予定です。

 吉田氏へのインタビューは、日本国憲法の上位に位置する日米合同委員会の存在を踏まえて、関東上空に広がる横田空域を焦点に、米軍によって制限された日本の主権の実態に迫ります。

※会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2019年5月10日 (金)

時の試練に耐えた中央アジアのロシア鉄道路線

2019年5月5日
ドミトリー・ボカレフ
New Eastern Outlook

 ロシアはユーラシア鉄道システムで重要な役割を果たしている。モスクワをロシア極東のウラジオストクと接続する世界最長の鉄道網シベリア横断鉄道が、ユーラシアを横断している。ロシアの鉄道技術と専門家は高く評価されており、世界中で求められている。それ故、ロシアの国有鉄道会社、ロシア鉄道(RZD)はインド、イスラエル、インドネシア、韓国、タイ、セルビア、ブラジル、サウジアラビアなどで設計、構成と輸送ネットワークの近代化プロジェクトに取り組むよう招待されている。

 ロシアの鉄道は、その鉄道網が革命前ロシアと革命後のソビエト起源のものである中央アジアの旧ソビエト共和国(カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)と伝統的に提携してきた。

 1991年、ソヴィエト社会主義共和国連邦が瓦解した際、この地域の鉄道システムも崩壊した。それで、19世紀末に中央アジア全域を網羅するために出現し分岐した(カザフスタンを除き、全て旧ソ連邦の中央アジア共和国)中央アジアの鉄道網は、ソヴィエト社会主義共和国連邦の崩壊とともに、タジク、キルギス、トルクメン、ウズベクの個別鉄道にわかれた。

 様、中央集権化された指導力の欠如、ソ連後の経済危機や、新たに独立した国々の間の複雑な関係や内部抗争が、地域の輸送システムの接続性を低下させた。鉄道は荒廃し始めた。にもかかわらず、中央アジア諸国は1990年代の危機を切り抜け、彼らの鉄道は嵐の後もまだそこにあり、彼らは更に多少拡大することに成功し、他の国々と接続さえした。1996年、トルクメニスタンとイランは彼らの鉄道を接続した。しかしながら、ソヴィエト社会主義共和国連邦崩壊から20年、中央アジア諸国の鉄道網は一般に、依然遅く、不安定なペースで発展していた。

 2013年に、中国は、輸送・経済構想、一帯一路構想(OBOR)を立ち上げたが、それはこの領域における、急速で大規模な開発の刺激を与えた。OBOR構想の目的は、世界の経済を統合し、地球上の主要陸路と海路を結ぶため世界的な輸送網を構築することだ。新シルクロード(NSR)として知られているOBORのサブプロジェクトは、主に鉄道に焦点を当て、ユーラシアの陸路を結ぶよう設計されている。NSPの主目的は、中央アジアを通してヨーロッパと東アジアをいっそう緊密に結びつけることだ。中国は中央アジアの鉄道をそれ自身の鉄道と結び、それらを近代化し、拡大し、延長することに決めた。中央アジア諸国政府の支持を得て、中国は中央アジアのインフラに対する大規模投資を開始した。

 統一されたソ連輸送システムのリンクとして創設された中央アジアとカザフスタンの鉄道の主な焦点は、この地域をロシアと結ぶことだったことに留意すべきだ。ソ連崩壊後、これらのリンクは、ロシア連邦が、新独立国家のそれぞれと関係を維持し、重要な貿易相手国のまま続き、この勢力圏を保持するのを助けた。だが、多くの専門家の予想に反し、ロシアは、地域に新シルクロードを作る中国の到来を、ロシア領土への不法侵入とは見なさなかった。ロシアは、経済と地元住民の生活水準の改善は地域安全保障を強化し、国際テロの脅迫を減らすのを助けることを認識して、ロシア連邦は、中央アジアやカザフスタンや全中央アジアの地域を発展させる上で、中国の支援を歓迎した。さらにロシアは自身の国益のために新シルクロードに関与することを望んでおり、シベリア横断鉄道はその主な支線の一つになる可能性を持っている。

 だが同時に、ロシアが中央アジアで、中国に自由裁量権を与えるのは賢明ではないだろう。地域のインフラを開発する際、ロシアの立場は考慮される必要がある。中国-キルギスタン-ウズベキスタン鉄道プロジェクトの状況は示唆に富んでいる。

 全ての中央アジア諸国の中で、キルギスタンの鉄道は一番延長されておらず、最も劣化している。キルギスタンは、あらゆる新鉄道プロジェクトを歓迎すしそうに思われる。中国-キルギスタン-ウズベキスタン鉄道という発想は、それが1990年代に初めて提案されたとき大歓迎された。中国机械?出口(集団)有限公司が鉄道建設を計画した。一帯一路構想が始まる10年前の2003年に、中国はプロジェクト実現可能性調査を行うために240万ドル投資した。中国はキルギスタンに大きな利益を約束した。ウズベキスタンからアフガニスタン、イランとトルコまで、更にもっと遠くヨーロッパまで新しい鉄道を延長した後の、中国から欧米までの陸路の大幅な近道は、中国運輸企業の人気を得ることが確実で、鉄道の通過はキルギスタンに年間最高2億ドルをもたらし始めるはずだ。同時に、キルギスタンは海へのアクセスを得るはずだ。

 しかしながら、草案を慎重に検討したところ、キルギスタンとロシア連邦双方は様々な問題に気づき、疑問が提起された。

 第一に、キルギスタン経済が提案された鉄道経路で大きく刺激されるように感じられないことだ。計画に基づけば、鉄道はトルガルトからカラスウへ、東から西へとキルギスタンの狭い地域を横断する。そのため、レールは国のごく狭い地域に敷設され、鉄道はキルギスタン国内輸送システムの大きな改良にはならない。加えて、この通過が年単位で2億ドルを生み出すという見積もりはかなり誇張されていると多くの専門家が考えたのだ。

 第二に、輸送回廊はウズベキスタン国境に近いオシ市付近の南キルギスタンを通過する。多数のウズベク人が南キルギスタンに住んでおり、キルギス住民との関係には激動の時代があったのを覚えておくことは重要だ。時にキルギスタンの南の首都と呼ばれるオシは、1990年に起きた血まみれのウズベク-キルギス衝突(オシ暴動)と2010年(南キルギスタン暴動)の中心で、そこで何千という人々が亡くなった。軍事介入でしか暴動に終止符を打つことができなかったのだ。

 隣接するウズベキスタンで過激派が広めている急進的イスラム至上主義の考えが、現在南キルギスタンに暮らす民族、ウズベク人の間で人気を得ている証拠がある。理論的には、中国-キルギスタン- ウズベキスタン鉄道は、問題を抱えたキルギスタンの地域と、ウズベキスタン過激派地下組織間のつながりを強化する可能性があり、対立が再び起きた場合、非合法武装集団用の武器が、ウズベキスタンからオシへの経路に沿って過激派戦士により供給されかねない。1990年、オシ暴動の際、自分たちの親類がキルギスタンでキルギス人を壊滅するのを手伝うため、ウズベク-キルギス国境を突破しようと懸命だった、ウズベキスタンからの数千人の人々を阻むのを、警察と軍がぎりぎりに成功したことを考えれば、この理論は却下無下にはねつけるべきではない。だから、オシ地域での鉄道建設を開始し、首都ビシュケクが位置する北キルギスタンがそうした接続を持たないまま、それをウズベキスタンと接続するのは、キルギスタンで力の均衡を変え、様々な過激派が、その違法行為を強化する理由になりかねない。

 最後に、可能性は低いが、もし南キルギスタンで政府軍と過激派間で紛争が勃発すれば、キルギスタン北部から南キルギスタンを切り離している鉄道網の鉄道盛土や他の構造物が、非合法武装集団によって、政府軍に対し、自身の防衛線を作るために利用される可能性も排除できない。

 キルギスタンが経済的にも安全保障上からも、心から関心を持っている鉄道は、ビシュケクを最も遠い南の地域と結び付け、北から南まで広がるものでなければなるまい。

 第三に、中国-キルギスタン-ウズベキスタン鉄道建設の経費は、1990年代当時で、13億ドル以上と見積もられており、今この数字は既に約70億ドルと考えられている。キルギスタンにこの種の資金はなく、キルギスタンは、負債を大きく増やすことになる、中国からの融資が必要だろう。それだけでなく、中国は、彼らの融資と引き換えに、金を含め、キルギス鉱床に対するへのより大きな権利を得ることを期待している。

 それゆえ、キルギスタンは中国提案に基づく中国-キルギスタン-ウズベキスタン・プロジェクトでは不利益を被ることになり、キルギスタンにとって、理論的に安全保障上の脅威にさえなり得る。地域のあらゆる他の国々と同様、キルギスタンの安全保障はロシアの安全保障に直接影響する。戦争とテロの絶え間ない脅威がある中央アジアの隣人が、ロシアのそばにあるという条件のもとで、ロシア連邦は常に警戒を怠らないようにしなければならない。中国-キルギスタン-ウズベキスタン・プロジェクトの無期限延期に、ロシアが関係していがたかどうかは明きらかではない。

 2019年3月28日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がキルギスタンを公式訪問した際、プロジェクトはこの春再び提起された。キルギス共和国で鉄道網を開発するプロジェクトに関する協力覚書を含め、多くの重要な協定がロシア大統領訪問中に署名された。文書はロシア運輸省とロシア鉄道とキルギス運輸道路省とキルギスの鉄道企業、キルギス鉄道会社Temir Zholuに署名された。中国-キルギスタン-ウズベキスタン鉄道は、覚書中の多くの他の有望なプロジェクトの中に再度登場した。キルギスタンは、中国企業の代わりにロシア鉄道がそれを建設するよう要請した。ロシア鉄道の担当者による計画概要はまだない。おそらく彼らは中国計画の欠点を再検討し、経路を調整するだろう。鉄道は北から南へとキルギスタンを通って建設されるはずだ。それはキルギスタンをロシアと接続する唯一の鉄道であるカザフスタンへの路線に接続される可能性がある。ともあれ、ロシア鉄道と協力したいというキルギスタンが表明した希望は、ロシア連邦に大きな機会を与えるはずだ。ロシアは、中国や一帯一路構想と競争する態勢にはないが、さりとて中央アジアを放棄するつもりはなく、ロシアが地域で影響力を維持するため良い輸送回廊が必要なのだ。

 ドミトリー・ボカレフは政治評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/05/russian-railway-tracks-stand-the-test-of-time-in-central-asia/

----------

 映画『誰がために憲法はある』を見た。松元ヒロ氏の『憲法くん』を基にしたドキュメンタリー映画。「もうすぐぼくはリストラされそうだ」という一人芝居。主演は朗読劇『夏の雲は忘れない』を続けてきた女優。朗読劇を続けてきた理由に、小学校時代の初恋の人があった。小川宏ショーの、会いたい人に会わせるコーナーで、カーテンの向こうから現れたのは老夫婦。当時、息子を広島に疎開させていたが、あの日原爆投下の爆心近くで中学校生徒総出で延焼予防作業中だったと言ったのだ。

 『はだしのゲン』アラビア語版普及支援のためのTシャツ販売という記事をみかけた。
「はだしのゲン」翻訳者のグループ アラビア語版の出版を支援

 岩波書店の月刊誌『世界』6月号、いつも通り、「メディア批評」から拝読。「元号決定狂騒曲 ─ テレビが問われるべき思考停止。」
 次に拝読したのは「この労働組合つぶしは何を意味するか」。筆者が何冊か著作を拝読している熊沢誠甲南大学名誉教授だったので、早速拝読。こういう重大な問題、いわゆる「マスコミ」は報じているのだろうか。昼の痴呆バラエティーには期待すべくもないが、まっとうな労働組合潰し、芸能人の薬物どころではないという大問題だろう。

 大メディアが黙殺する「倉敷民商弾圧事件」の“異常”さ

と同根の問題。

 もちろん、メディアは民主主義の味方ではない。

日刊IWJガイド「重大ニュース! テレビは民主主義の味方ではなくなった! 民放連が昨日の衆院憲法審査会で、改憲の『国民投票運動の放送対応について進めてきた検討作業はこれで一区切り』と表明! テレビCMの量的な自主規制なしに改憲が発議されれば、緊急事態条項創設へまっしぐら!!」 2019.5.10日号~No.2430号~(2019.5.10 8時00分)

2019年5月 9日 (木)

アメリカには是非とも新国務長官が必要だ

2019年5月5日
Paul Craig Roberts

 アメリカ国務長官のふりをしている無知な戦争屋は、アメリカ政府幹部偽装の容疑で逮捕されるべきだ。ドナルド・トランプでさえ、憲法第2条が、大統領に戦争を宣言し、他の国々を侵略する権限を与えていると思っているばか者を、この高い地位に任命はしないだろうから、なんとしてもマイク・ポンペオは米国務長官ではあり得ない。

 愚かななりすまし犯人ポンペオはこう言ったのだ。「大統領は第2条のあらゆる権限を持っており、我々がベネズエラでとる、いかなる行動も合法的だと私は強く確信している」。もちろんこれは、トランプ大統領が議会承認なしでベネズエラの政権争いに介入することができるかどうか尋ねられた時のポンペオの答えだった。https://www.rt.com/usa/458433-venezuela-military-invasion-lawful-pompeo/ これは「国の政権争い」ではない。これはボリバル革命を打倒し、ベネズエラの資源に対する支配を取り戻すためのワシントンの取り組みだ。

 ポンペオは二倍のばか者だ。アメリカ憲法は、議会にしか戦争を宣言する権限を与えていない。さらに第二次世界大戦後アメリカ政府に定められたニュルンベルク法の下で、ベネズエラでのアメリカ軍事介入は侵略で、戦争犯罪だ。

 ベネズエラの民主的に選出された政府を外交的に守っている国々は「彼ら自身の民主主義を復活させるベネズエラ国民の権利に干渉して」いると断言するポンペオは三倍のばか者だと私は言うべきだった。阿呆のポンペオに、誰かが、ベネズエラの民主主義を支持したのは、失敗したクーデターで、もう一つの戦争犯罪侵略で、どこまでも追及されるかもしれないワシントンではなく、ワシントンの金融賄賂と恫喝を拒絶したベネズエラ国民とベネズエラ軍だと言うべきなのだ。

 過去、ラブロフとプーチンは、ワシントンの更なる違法戦争犯罪侵略を阻止するため断固とした態度を取るのを困難に感じてきた。ラブロフはポンペオのような新ナチと対面するにはあまりにも文明的な人物だ。

 プーチンはポンペオと交渉するためにショイグを送るべきだ。礼儀正しく協調的な話し合いの時期はとうの昔に終わっている。一つの国とその国民が危機にあるのだ。

 ロシアと中国が、もう一つのリビアを許さないよう願おう。

 誰かアメリカ憲法について、RTに知らせる必要がある。RTは間違ってこう報じた。「アメリカ憲法第2条は、大統領に、戦争を宣言し、国軍最高司令官を務める権限を与えている。」全くのたわごとだ!

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/05/the-us-desperately-needs-a-new-secretary-of-state/

----------

 祝賀強制の10日間で身につけたことが一つだけある。テレビの呆導番組とされるものを全くみなくなった。もちろん昼の白痴番組も。

日刊IWJガイド「米国のイラン核合意離脱から1年が経った昨日8日、イランのロウハニ大統領が核合意の一部の履行停止を表明! ロウハニ大統領は米国を除く合意締結国に対して、『今後60日間は協議の席に着く猶予がある』とも発信!」 2019.5.9日号~No.2429号~(2019.5.9 8時00分)

 日刊IWJガイドも指摘している。国民全員に大きな影響がある問題を追求しないのが、彼らのお仕事。

滋賀県大津市で交通事故に巻き込まれた保育園側に記者会見で詰め寄る記者たち! 自民党の改憲案、緊急事態条項、追及すべき問題は他にあるだろう!

 

2019年5月 8日 (水)

スペインの北朝鮮大使館に対する攻撃捜査における新たな進展

2019年5月2日
コンスタンチン・アスモロフ
New Eastern Outlook

 2019年2月22日、マドリッドの北朝鮮大使館は、以前、千里馬民間防衛として知られ、自由朝鮮と改名した「人権擁護運動家」に攻撃された。約10人の襲撃者が、大使館で館員を殴打し、唯一の認可された在スペイン朝鮮民主主義人民共和国の外交官ソ・ユンソクを亡命するよう強いるため拷問にかけ、盗んだコンピュータ、ハードドライブと文書を持って大使館を去った。襲撃者は、迂回して、アメリカに入り、盗んだ情報の一部を自発的にFBIと共有したと言う。

 自由朝鮮は、メンバーが、世界中の異なる国々で暮らす北朝鮮亡命者の政治団体だと主張するが、韓国で脱北者と共に行動していない。しかしながら、集団の指導者アドリアン・ホンが、アメリカ永住ビザを持つメキシコ国民であることは知られており、他方自由朝鮮ウェブサイトに掲載されている韓国語声明は、元来英語で書かれた文章に似ている。

 攻撃以来、集団は多数の声明を出し、亡命政府の設立を発表しており、集団と一緒に働いている人々の陳述によれば、朝鮮民主主義人民共和国からの亡命に成功した金一族のメンバーを含んでいる。家族メンバーとされいる人には、彼らが「救った」と主張している、前北朝鮮指導者金正日の長男だった金正男の息子キム・ハン・ソル金漢率と、北朝鮮指導者金正恩の叔母で、1988年にアメリカに亡命した高容淑がいる。しかしながら、これら家族メンバーの誰も、これらの主張を裏付ける申し出をしていない。

 2019年3月、スペイン高裁は、アメリカ国民を含む数人の容疑者名を公表した。マドリッドは、すべての容疑者が、アメリカから引き渡されるよう努める意図であることも知られている。

 これは調査が進捗していることを示すと見られる最初の証拠だ。NKニュースポータルによれば、アメリカ政府は襲撃に関連する数人のアメリカ国民を逮捕した。

 4月19日、ワシントンポストは、事件に精通した2人の情報提供者の話を引用して、4月18日、アメリカ当局が、集団と一緒に仕事をしている元アメリカ海兵隊員クリストファー・アーンを逮捕したと報じ、彼はまもなくロサンゼルス連邦裁判所に出頭するはずだ。アーンが逮捕された具体的な容疑はまだ不明だが、土曜日、マドリッドで、事件のスペイン警察捜査員が、匿名を条件に、調査後半で、アーンがスペイン警察に特定され、国際令状が彼の逮捕のため発付されたと、AP通信に語った。

 4月18日、連邦捜査官がアドリアン・ホン・チャンのアパートを緊急捜索したことも報じられたが、彼自身は逮捕されなかった。

 事件を巡る他の詳細は不足している。ワシントンポストは、FBIへの公式要請に応える、それ以上の詳細を入手できなかった。

 自由朝鮮は、彼らの集団の弁護士、リー・ウォロスキーが発表した声明で、このニュースに応えた。「我々はアメリカ司法省が、アメリカ国民に対し、北朝鮮政権が行っている刑事告発に由来する令状を出すと判断したことに当惑している。金政権に拘留された最後のアメリカ市民は、拷問により体を不自由にされて帰国したが、生き延びることができなかった。我々は政府が今標的にしているアメリカ人の安全保障について、アメリカ政府から保証を得られなかった。」

 弁護士は声明で、死亡した学生オットー・ワームビアの話題に言及しているが、ワームビアの体に拷問の兆候がみられなかった事実を見落としている。リー・ウォロスキーは前国務省当局者で、その言葉に大きい影響力があるスーパー弁護士であり、この集団は、彼を雇うのに多くの金や、イデオロギー支援を得る必要があったはずであることを忘れないようにしよう。リー・S・ウォロスキーは、先の三人の大統領に、国家安全保障の重要な役職で、仕え、その後、法律事務所ボーイズ・シラー・アンド・フレクスナーの弁護士になった。ウォロスキーは、9月11日以前、テロに対するアメリカ政府の対応を調整する責任があったビル・クリントンとジョージ・W・ブッシュ大統領の下で、アメリカ国家安全保障会議の国境を超える脅威部の部長を勤めた。彼は、国家安全保障に影響を与える不正な資金提供に対するアメリカ政策の調整責任者だった。

 ホワイトハウスでの、ウォロスキーの仕事は、武器密売人ヴィクトル・ブートを逮捕するアメリカ政府の取り組みを率いることを含め、機密性が高い作戦を指揮に携わっていた。2003-2004年、ウォロスキーは、ジョン・ケリー上院議員の大統領選挙運動の上級顧問と、反テロ作戦政策を調整するグループの共同部長を勤めた。彼は2010年に法律と国家安全保障に関するアメリカ弁護士協会の常任委員会に任命された。2015年7月から2017年1月まで、ウォロスキーはグアンタナモ閉鎖のための特使となり、抑留者を減らし、他の刑務所や他の国々に移す取り組みを指揮した。

 2001年、ウォロスキーは、そのパートナーが、紛争になった2000年アメリカ大統領選挙で、アル・ゴアを代理したり、マイクロソフトとの独占禁止論争でアメリカ政府を代表したりして、注目を集める問題で有名なデイビッド・ボイス率いる著名アメリカ法律事務所ボイス、シラー&フレクスナーで弁護士になった。ウォロスキーは、9/11事件被害者の多数の家族がイランに対して訴えた数十億ドルの連邦裁判所判決に関連して共同主任弁護士をつとめた。フォックスの保守的なニュースキャスター、ニール・カヴートは、ウォロスキーをアメリカで一番頭が良い弁護士の一人と呼んだ。

 ここで我々は、人権擁護活動家、韓国専門家や有名人が、韓国に住む北朝鮮亡命者共同体の襲撃にどのように反応したかを検討しよう。最初に言っておくべきことは、誰も襲撃をあからさまに非難しなかったことだ。 それどころか表明されている感覚は関心や共感や自由朝鮮集団の活動が政権交代を引き起こすだろうというかなり慎重な希望だ。

 この時点まで、脱北者組織の運動は、実際、主に朝鮮民主主義人民共和国にビラを送ったり、USBメモリーを密輸入したりする情報流布活動に限定されていた。忌まわしい朴尚學が代表を務める北朝鮮民主化運動本部(FFNK)だけが、彼らが中国から発射する計画の爆発物を乗せたドローンを使用して、テロ攻撃の準備をしたことを公然と認めた。もちろん、2000年に朝鮮民主主義人民共和国から亡命した朴尚學は襲撃の支持を表明した。

 京畿大学校教授Nam Joo - hongは言う。「自由朝鮮は、他の反北朝鮮集団と全く異なっている」。Namの意見では、平壌の公式反応で一週間沈黙が続いたのは、朝鮮民主主義人民共和国がショックから回復しつつある兆候だった。「自由朝鮮の活動に脅かされたと感じたので、北朝鮮政権は最近の事件にコメントしなかったのだ。」

 保守的新聞の朝鮮日報も似たような意見だ。「この静寂は、自身を自由朝鮮と呼び、脱北者集団の型にはまった旧弊な戦略の代わりに、近代的ゲリラ戦術を駆使する、どうやら有力なコネがありそうな集団に、北朝鮮政権がどれほど脅されたと感じているかの目安であり得る。」 おそらく政権は、金日成には彼らに違う未来を与えることができる他の直系子孫がいることを、もし北朝鮮国民が知れば、金正恩の正当性が脅かされかねないのを恐れているのだ。

 Teach North Korean Refugees脱北者教育プロジェクトの共同創設者ケイシー・ラルティーグは、アドリアン・ホンが、スペインの北朝鮮大使館襲撃を率いていたと聞いても驚かないと言った。「彼は何年も朝鮮民主主義人民共和国の中核を攻撃する何かをしたいと熱望していたのを私は知っている」ラルティーグは、もし誰が直接朝鮮民主主義人民共和国を攻撃する可能性が最も高いと思うか決めるよう頼まれたら、アドリアンの名前は、ラルティーグが言及する最初の一人だと付け加えた。

 オランダ、ライデン大学のレムコ・ブロイカー教授は、この集団は「高度に組織的と思われ、明らかに自身を北朝鮮国民と同一視しており、多くの注目すべき動活動の実績がある。これは私が知る限り、最初の本格的な亡命政府だ。」

 自由朝鮮が公然と行う行動に対し反対意見を述べる唯一のロシア語話者学者は、韓国研究専門家のアンドレイ・ランコフ教授で、彼は集団の行動について書き、大きな懸念を表明している。ランコフの意見は、集団の支援者は、自由の戦士の集団として、前向きに位置づけしているが、自由朝鮮の行為に称賛すべきものは何もない。「彼らがしたことは残酷で、不道徳で、危険で、非常に望ましくない結果を招く可能性がある。」

 本記事の結論はランコフ評価に似ており、我々の次回記事は、この亡命者組織と、彼の良心に重くのしかかっている可能性がある邪悪な行為の本当の背後にいる人物に焦点を当てる予定だ。

 コンスタンチン・アスモロフは、歴史学博士、ロシア科学アカデミー極東研究所、朝鮮研究センター主任研究員。オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/02/new-developments-in-the-investigation-into-the-attack-on-the-north-korean-embassy-in-spain/

----------

 午前中に公開した記事のあとがきを繰り返す。

 以下のあとがきを省いて、上記翻訳記事だけを勝手に転載する連中は、憲法破壊推進確信犯だ。

 同じ話題しか流さないので、久しぶりに2015年12月20日放送の新・映像の世紀「第3集 時代は独裁者を求めた」録画を再度見た。権力は悪事を働く際に、ウソを言って正当化する。緊急事態条項というのは、婉曲語法で、実態は「全権委任法」だったことを思い出した。

 2007年8月26日に、下記のナオミ・ウルフ記事を掲載した。その時に「全権委任法」を知ったのだった。劣等の現状、この記事だけで理解できる。このステップが着実に推進されるのを目にしているのだ。改元騒ぎもその一環。

 簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

日刊IWJガイド「明日9日の衆議院憲法審査会で、改憲の国民投票のテレビCM規制をめぐって民放連幹部を参考人招致! 本日午後8時より、岩上安身による長谷部恭男・早稲田大学教授インタビューを再配信!」 2019.5.8日号~No.2428号~(2019.5.8 8時00分)

 日刊ゲンダイ・デジタルの斎藤貴男氏記事には驚いた。大本営広報部大政翼賛会、目くらましのゴーン逮捕は報じても、より重要な不当逮捕事件には決して触れないことの、証明。

 大メディアが黙殺する「倉敷民商弾圧事件」の“異常”さ

彼ら3人を逮捕し、取り調べたのは、なぜか岡山県警の公安部だった。勾留期間も禰屋氏が428日間、他の2人は184日間。あのカルロス・ゴーン氏は2カ月でも国際的な関心を集めたが、倉敷民商事件はマスコミにも黙殺されたまま。

 党名を変えないから支持率があがらない、とたわごとを言う連中、党名を変えれば、こういう冤罪攻撃がなくなると思っているのだろうが?

ゼレンスキーがポロシェンコに勝利 - 次に何が起きるだろうか?

2019年4月24日
The Saker

[この分析はUnzレビューのために書かれた]

 皆の予想通り、ポロシェンコは選挙に完敗した。私が以前のコラムに書いたように、ポロシェンコの巨大な広範囲の資源と、対抗者が文字通り、ピエロだった(もし読者がおなら漫画)という事実を考慮すれば、これは驚くべきことだ。同様、彼の敗北は、ほぼ不可避なほど予測可能だった。この人物がウクライナ中で(リボフ地域のナチ変人以外)心から全員に憎まれていたが、彼をいつもより更に一層忌まわしくした致命的大失敗をしたのだ。

 まず、この傑作だ。

 

翻訳:4月21日。 重要な選択!

 今ならポロシェンコに同情できる。単にこの「プーチン、オバケ」は、ウクライナ・ナチ・クーデターの主要スポンサーや、伝統的シオニスト・メディアには驚くほど効果があるように思われただけでなく、大半のウクライナ人は全くこのたわごとを買っていないと、誰もあえてポロシェンコに言わなかったのだ。全ての他の候補者がプーチンの代理人だという示唆も、これに劣らずばかばかしい。(このポスターはポロシェンコ公式選挙運動ではなく「ボランティア」が掲示した)ポロシェンコが考案した関係責任否認の権利とい見せ掛けは失敗し、全員すぐに全てを見破り、ポロシェンコ選挙運動の最初の自業自得になった。

次にこの大惨事だ。

https://youtu.be/TYc63d9SvrM

 またしても、このビデオを制作したのはポロシェンコ公式選挙運動ではなかったが、皆がこれも見破った。ゼレンスキー殺害というほぼ公式の脅迫は、ウクライナでは恐ろしいものとして受けとられ、このPR大惨事はポロシェンコの二度目の自業自得だった。

 そして哀れな人物は「負けた」。私はこの人物が、言い、行った、全ての愚かな、ばかばかしいことを列記するつもりはないが、大いに期待されていたスタジアムでの討論における彼の出来ばえは惨たんたるものだったと言っておこう。

 しばらくの間その兆しはあって、二人の候補者は(ドイツとフランスでは直接対面で、「アメリカを再び偉大にする御仁」とは電話で)彼らのご主人と話をするよう命じられ、いくつかのことを言われていたのだ。

  • ポロシェンコは、戦争を引き起こしたり、ぎりぎり最後の偽旗を画策したり、ゼレンスキーを殺したり、他の何らかの「創造的な選挙運動方法」を行ったりしてはならないとはっきり言われたのだ。
  • ゼレンスキーも、もし彼が選挙に勝ったら、ポロシェンコに触れてはいけないとはっきり言われたのだ。アメリカはポロシェンコに身の安全保障をしたように思われる。

 欧米の計算は単純だ。ポロシェンコを(比喩的、政治的に)生きながらえさせておいて、彼がどれだけ議員を維持できるか見るのだ。さらに、ゼレンスキーは極めて弱い(彼にはいかなる個人的な権力基盤もない)ので、コロモイスキーが、ゼレンスキーは言われた通りのことをするようにさせるが、コロモイスキーは、帝国に、行儀よくしろと言われるはずだ。最終的に、彼の手が(少なくとも、トゥルチノフやアヴァコフのように凶悪犯と比較すれば)血にまみれておらず、クレムリンと一緒に、要注意人物リストに載るような動きをせず、非常に目立たない姿勢を維持した現首相ヴォロディーミル・フロイスマンがいる。フロイスマンも、ユダヤ人(イスラエルとウクライナは、大統領と首相の両方がユダヤ人という世界で二つだけの国だ。ユダヤ人とウクライナ民族主義者間の歴史的愛憎関係を考えると皮肉)だ。彼は帝国にとって、ポロシェンコやゼレンスキーよりずっと有用なウクライナ大管区指導者になるかもしれない。今、フロイスマンは、既にポロシェンコの党を捨て、彼自身の党を作っている。いずれも、無辜の人々の血にまみれていて、支配下の種々のナチ暗殺団を使って、かなりの権力を手放すまいとするだろうアヴァコフやパルービーを忘れずにおこう。最後に、まだその政治的野心を抑制する必要がある、手ごわい(比較的人気が高い)ユリア・ティモシェンコがいる。だから巨大な富とコネがあるポロシェンコは、まだ帝国がウクライナを支配するための有用な手段であり得る。

 欧米の計算は間違っているかもしれない。一つは、ゼレンスキーは、確実に、ウクライナ国民に対して、*何も*意味あるものを、まず繁栄や正直を、与えることができないのだ。かなりすぐ、彼らがゼレンスキーというを「新人」選出した際、ウクライナ国民は、コロモイスキーの「決して新しくない」顔と、その悪名高い名前がもたらすあらゆるもので終わったことを理解して目を覚ますだろう。ゼレンスキーは、スタジアムでの討論の際に、そうすると半ば公約した、ポロシェンコを刑務所に送る以外の選択肢はないかもしれない。ゼレンスキーは、ポロシェンコと話し合うつもりで、何らかの公的資格で、彼を使いさえするかもしれないとも言っている。ウクライナの選挙公約は、それを作るのに要する時間より長期間、決して守られたことはないのだ。最終的に、誰も彼と一緒に没落するのを望んでいないので、ポロシェンコの権力基盤は非常に急速に損なわれつつある。彼が一晩で政治的死体になったので、ポロシェンコは、英米シオニストにとって彼の有用性が尽きた後も生き伸びてしまったと私は考える。だがこれはウクライナなので、あり得ないと決めてかかることはできない。

 最終的に、国会により多くの権限を、大統領により少ない権限を与える、ウクライナ政治制度改革を帝国は要求している。ゼレンスキーが未知の俳優で、(全ての党と派閥の)国会議員が基本的にアメリカに雇われている事実を考えれば、これはつじつまがあう。

 こうした全てに関して、ロシアは一体どうなのだろう?

 ロシア人は極めて用心深く、誰もゼレンスキーに幻想を抱いているようには思われない。実際、当選翌日、既にゼレンスキーは、あらゆる種類の反ロシア発言をしている。実際、ポロシェンコ・ポスター(彼の敗北は、プーチンにとっての勝利を意味する)の論理的なほのめかし以外、ロシアの誰も祝ってなどいない。ウクライナという話題全体についての主要な考え方は、全くの嫌悪感で、我々のいわゆる「兄弟」は、聖書中のケインという意味での兄弟に過ぎないという、緩やかな、苦痛を伴う事実の認識と、キエフには話をするべき誰もいない事の受け入れだ。それで、ロシアは、ウクライナに対して、一方的行動の政策に着手しなければなるまい。これには次のものが含まれる。

  • 選挙結果を認めるかどうか決める。ロシアは、大半のウクライナ人が、ゼレンスキーに投票をしたことを認め、その認識は、それ以上の何も意味しないという事実を認識することが一番ありそうだと私は思う。事実を認めることだ。
  • ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国共和国の国民へのロシア・パスポート発給ペースを加速する。
  • ウクライナ(ロシアはちょうど、ウクライナへのエネルギー源輸出を禁止したところだ - 最終的に、とうとう!)に対し、それ以上の経済封鎖を課す。
  • 何百万人というウクライナ人が投票しなかったのだから、それを宣言しろ(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 / ルガンスク人民共和国、ロシアでそしてミンスク合意が死んでいる(もしまだ法律上じゃないなら、それがデファクトだ)から、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認める。(ウクライナ国内、ドネツク人民共和国 /ルガンスク人民共和国、ロシアで、何百万人というウクライナ人が投票しておらず、(法律上ではまだでも、事実上)ミンスク合意は死んでいるのだから、ロシアはこの選挙を認めず、代わりに二つの共和国を認めると宣言する。私はノボロシアに対するウクライナ・ナチによる攻撃(その場合、ロシアはサーカシビリによる南オセチア攻撃後にしたことをするだろう)がない限り、クレムリンがそうするだろうとは私は思わない。

 これまでのところ、ロシア報道官は、単に彼らは「ウクライナ国民の投票を尊重し」、「彼の言葉ではなく、彼の行動で」ゼレンスキーを評価するつもりだ述べただけだ。このやり方は、確かにバランスがとれていて、合理的だと私には思われる。

 結論

 コロモイスキーや、ゼレンスキーさえ、誰も次に何が起きるかわからないというのが真実だ。余りに多くの考慮すべきパラメータがあり、この選挙後の本当の力の均衡は、まだそれ自身明らかになっていない。ウクライナ人々の本当の念願と希望は全く無視された。ポロシェンコは、ゼレンスキーというマスクをつけたコロモイスキーに代わられるのだ。到底、大喜びの理由にはならない。

 多数候補者がいたにもかかわらず、ウクライナ国民は有意義な選択を与えられていなかった。それで彼らは、できる唯一のことをしたのだ。彼らはポロシェンコを追い出よう投票をした。それは確かに、とても言い気分だったに違いない。

 だがゼレンスキーは多少まともだということになるのだろうか? 私が間違っていること大いに願うが、私はそれを強く疑っている。

The Saker

記事原文のurl:https://thesaker.is/zelenskii-beat-poroshenko-what-will-happen-next/

----------

 以下のあとがきを省いて、上記翻訳記事だけを勝手に転載する連中は、憲法破壊推進確信犯だ。

 同じ話題しか流さないので、久しぶりに2015年12月20日放送の新・映像の世紀「第3集 時代は独裁者を求めた」録画を再度見た。権力は悪事を働く際に、ウソを言って正当化する。緊急事態条項というのは、婉曲語法で、実態は「全権委任法」だったことを思い出した。

 2007年8月26日に、下記のナオミ・ウルフ記事を掲載した。その時に「全権委任法」を知ったのだった。劣等の現状、この記事だけで理解できる。このステップが着実に推進されるのを目にしているのだ。改元騒ぎもその一環。

 簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(日本?)

日刊IWJガイド「明日9日の衆議院憲法審査会で、改憲の国民投票のテレビCM規制をめぐって民放連幹部を参考人招致! 本日午後8時より、岩上安身による長谷部恭男・早稲田大学教授インタビューを再配信!」 2019.5.8日号~No.2428号~(2019.5.8 8時00分)

 日刊ゲンダイ・デジタルの斎藤貴男氏記事に驚いた。

 大メディアが黙殺する「倉敷民商弾圧事件」の“異常”さ

彼ら3人を逮捕し、取り調べたのは、なぜか岡山県警の公安部だった。勾留期間も禰屋氏が428日間、他の2人は184日間。あのカルロス・ゴーン氏は2カ月でも国際的な関心を集めたが、倉敷民商事件はマスコミにも黙殺されたまま。

 党名を変えないから支持率があがらない、とたわごとを言う連中、党名を変えれば、こういう冤罪攻撃がなくなると思っているのだろうが?

2019年5月 7日 (火)

The Sakerによるドミトリー・オルロフ・インタビュー

2019年4月16日

[本インタビューは元来Unzレビューのためにおこなわれた]

 「アメリカ帝国はほぼ既に終わっているが、まだいかなる本格的な負荷試験を受けていないので、誰もそれが事実なのを理解していないのだと私は思っている」

 たった一語で現在の国際情勢を描写しなければならないとすれば、「混乱」という単語が(唯一のものでないにせよ)かなり適切な選択だろう。ウクライナでの混乱、ベネズエラでの混乱、帝国がいかなる形においても関与しているあらゆる場所の混乱、そして、もちろん、アメリカ合州国内混乱。だが、タイタニック号船上のオーフストラとほとんど同じ役、つまりを進展する大惨事から、できるだけ長時間、気をそらせる役を演じている、評論家や他の「専門家」の話しか聞いていなければ、それには気がつくまい。

 ソヴィエト社会主義共和国連邦とアメリカ合州国の崩壊に関する非常に論理的な、イデオロギー的でない、比較分析をかねてから尊敬している、社会的、政治的崩壊に関する押しも押されもしない専門家ドミトリー・オルロフに話を聞こうと決めた。彼を中傷する連中は、露骨な、率直に言って愚かな人身攻撃に訴えるしかないという事実が、ドミトリーの意見が広く共有されるべきであることを一層確信させる。有り難いことに、ドミトリーは、いくつかの私の質問に詳細に答えることに実に快く同意してくれた。このインタビューが読者にとっても、私が感じたのと同様に興味深いものであるよう願っている。

The Saker

The Saker:社会的、経済艇、政治的崩壊という点で、ウクライナの現状をどのように評価されますか?

ドミトリー・オルロフ:ウクライナは独立した主権国家としては、一度も生存可能だったことはなく、進行中の崩壊は予想できたはずのものです。崩壊という概念は、崩壊し得る、そこなわれていない独立した組織に適用可能ですが、ウクライナの場合、これは当てはまりません。歴史上、決してそれは、安定した自給自足できる独立組織になれたことはありませんでした。独立を獲得するとすぐに倒れたのです。バルト諸国(エストニア、ラトビア、リトアニア)と同様、ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊しようとしていた、まさにその時に、この国は経済、社会発展の頂点に達していて、以来ずっと、この国は劣化し、人口を失いつつあります。ですから、それを論じるための適切なモデルは突然の崩壊ではなく、着実な堕落と腐敗です。

 ウクライナの領土は、レーニンに、次にスターリンにより、次にフルシチョフにより、ボリシェビキを優先する人たちに、一つにまとめられたのです。本来ロシアの一部だった東部地域(具体的には、ドネツクとルガンスク)をひとまとめにしたのはレーニンでした。スターリンはそれから、何度もポーランドや、オーストリア・ハンガリーや、ルーマニアだった東部の土地を加えました。最後に、この問題を決定するためにソビエト憲法で必要とされていた国民投票をクリミアで行わず、フルシチョフによる当時ロシアでは違憲だった動きで、クリミアをほうりだしたのです。

 このボリシェビキの取り組み以前は、「ウクライナ」は適切な政治的、地理的表記としては使われていませんでした。この地域はロシアの一部と見なされていて、他から区別するため(小さいという意味の)接頭辞「マロ」をつけ「マロロシア」と呼ばれていました。「ウクライナ」という単語はロシア語単語「オクライナ」(はずれ、辺境)の古風表現です。これが定冠詞"the"が必要な理由なのです。ウクライナは文字通り「ロシアの辺境」です。国連での追加議席獲得に成功するため、ソ連はこの辺境に架空のアイデンティティーを与え、住民の多くに「ウクライナ人」としてその民族性を公式に宣言するよう強いたのです。

 この政治的でっち上げは、それ自身でっち上げであるウクライナという民族的アイデンティティーによって、ばらばらにならないように保持されるはずでした。ウクライナ語は、香り付けに、多少のポーランド語が混じったロシア語南部方言の組み合わせなのです。それにはロシア人が魅惑的と感じる快活な調子があり、民謡にぴったりです。けれどもそれは決して多くの実際的長所を持ってはおらず、ウクライナ人にとって実用的な言語は常にロシア語でした。話題がかなり複雑な場合には、現在ウクライナ人民族主義者でさえロシア語に変えます。宗教的には、国民の大部分が何世紀も、そして今もロシア正教です。

 数年間、多くのウクライナ人とウクライナについて話をして、私は衝撃的な事実を発見しました。ロシア人と異なり、ウクライナ人は民族的結束は全く皆無に思われるのです。彼らを結び付けるものは、ロシア帝国の一部として、更にはソヴィエト社会主義共和国連邦としての歴史上の経験の共通性ですが、この歴史的遺産は積極的に消されつつあります。ソビエトの崩壊とウクライナの独立後、ウクライナで、非ソ連化と非ロシア化キャンペーンが行われ、この共通の歴史遺産をけなし、国民の大部分にとって異質な偽歴史に基づく合成のウクライナ・アイデンティティーで置き換えられたのです。この偽歴史は、ナチ協力者をもてはやし、広範なロシア世界におけるウクライナのかつての非常に積極的な役割のあらゆる記憶を完全に消し去ろうと試みています。

 それで、現状は、人々の大半がロシア語を話す(その一部には訛りがある)か、スルジクと呼ばれるウクライナ語のように聞こえるが、大半がロシア語単語(二つの言語間の重複は非常に大きいので、彼らの間に線引きをすることは困難だ)である一種のウクライナ地方方言を話す、歴史的にほとんどロシア領だった地域があるというわけです。正しいウクライナ語とされるものは、一度もロシア帝国の一部になったことのないウクライナの西部で話されますが、それは他の地域ではほとんど理解できない方言なのです。

 この混乱した言語状況にもかかわらず、ウクライナ語は国全体に、教育用言語として押しつけられました。ウクライナ語教科書とウクライナ語で教える資格を持った教師の欠如が公教育の質を急落させ、本当にウクライナ語を知らず、わずかな正式なロシア語の授業しか受けていない、一種の砕けた半分言語しか話せないウクライナ人世代をいくつか生んでしまいました。より最近、ロシア語の使用をひどく制限する法律が通過しました。例えば、ウクライナ語をひとことも話したことがない人々が、今買い物や、政府の職につくため、それを使うよう強いられています。

 人工的な、つくりもののウクライナ・アイデンティティーは、この国に自己意識や方向感覚を与えるには余り薄弱です。それは全く後ろ向きのアイデンティティーです。ウクライナとは、ロシアではないものなのです。結果として生じた国民意識の穴は、欧州統合という積み荷崇拝を作って、ふさいだのです。ウクライナはロシア世界を離れ、欧州連合とNATOに加入すると発表されました。最近、EUとNATOに加盟する意志が、直接ウクライナ憲法に書き込まれました。EUとNATO加盟のいずれも、全く少しもありそうにないか必要でないことは極めて明確になっています。EUは価値ある代償を何も与えないまま、EU連合協定への署名を強いて、欲しいもの全てをウクライナから得ています。ウクライナ領はNATO軍事演習の舞台になっています。

 「ウクライナ社会」という言葉には実際は、ほとんど基礎がないので、社会的崩壊に関して論じるべきことは本当に多くはないのです。ロシアから分離すれば、ウクライナは存続可能な国だという過大評価をやめた場合、大ロシアの一部としての可能性について何が言えるでしょう。

 本物の帝国と、ソヴィエト社会主義共和国連邦との違いを説明するため、ここで脇道にそれなければなりません。本物の帝国は、大英帝国のように海外か、ロシア帝国の場合のように周辺部分のような帝国の所有地から、富を吸い上げる富のポンプとして機能します。後者はそれに先行したモンゴル帝国の伝統を継承しました。モンゴル語の単語「タムガ」はしばしばロシア帝国が東に拡張するにつれ、新たに征服した種族から集めるべき年度の税金を示すために使われました。(これらの種族の多くが、用語の意味を理解している元モンゴル臣民だった。)

 ここに重要な点があります。ソヴィエト社会主義共和国連邦は、まったく通常の帝国ではありませんでした。周辺から帝国の中心に、ポンプで富を汲み上げる富のポンプとして機能するどころか、中心の資源(ロシア)を利用して、社会主義を構築し、グローバル共産主義革命を助長する狙いを推進するため、周辺に資源を送り出し、革命孵卵器として機能したのです。ボリシェビキの中で、代表の数が平均を遥かに超えていた様々な民族集団は、ロシア内のユダヤ人強制集住地域や白ロシアやウクライナやコーカサスやバルトなど全て周辺地域出身で、彼らは世界革命の祭壇で、母なるロシアを犠牲にするのを全くいとわなかったのです。

 彼らの革命の熱意は、実際的利点が全く欠けていることで妨げられました。これが認識されるようになるにつれ、世界革命の偉大な提唱者レオン・トロツキーが最初に追放され、それから暗殺されました。後に、ロシア人の愛国的感情に訴えずには、ナチス・ドイツに勝利する課題に成功しそうもないことが明確になった際、スターリンはロシア正教会を復活させ、以前は、退歩的で愛国主義的だと非難されたロシアの民族的アイデンティティー復活のため他の取り組みもをしたのです。この過程にはかなりの失敗もありました。1940年代、レニングラードの共産主義指導者集団が、地域協力を通してロシア権益を促進しようと試みました。彼らは粛清され、「レニングラード問題」として知られるようになった政治的抑圧を味あわされました。

 幸いにも、世界共産主義革命のための使い捨て基地としてのロシアという考え方は決して完全には実行されませんでした。けれどもソビエト周辺の利益のためにロシアを利用する傾向は損なわれないままでした。ソヴィエト社会主義共和国連邦の最も重要な指導者、スターリンとフルシチョフとブレジネフはロシア人ではありませんでした。後の二人はウクライナ人でしたが、スターリンはグルジヤ人でした。全ての他のソビエト共和国はモスクワに送り出すべき幹部を生み出す共産党組織がありましたが、他方ロシア自身にはそのような組織はありませんでした。不可避な結果として、他のソビエト共和国の大部分が、ロシア自身より遥かに繁栄し、ロシアから資源を吸い上げることが可能だったのです。

 ですから、典型的な帝国としてのソヴィエト社会主義共和国連邦のイメージは全く正しくありません。ソヴィエト社会主義共和国連邦の正しいイメージは、14匹の太った貪欲な子豚(他のソビエト社会主義共和国)に乳を吸われて、疲労困憊し、やせ衰えた雌豚(ロシア)です。彼にはあらゆる欠点がありますが、ボリス・エリツィンは一つだけ良いことしたのです。(彼のやり方は無能を越え、ほとんど反逆罪だったとは言え)、彼はソヴィエト社会主義共和国連邦を解体したのです。

 なぜロシアが今復活し、ますます繁栄し、極超音速兵器システムや、国民のための近代的インフラに膨大な金額を投資することができるのかについての説明を必要なら、これが答えなのです。14匹の子豚は、自分で食べ物を探すよう追い払われたのです。このちょっとした見方は、ついでながら、ズビグニュー・ブレジンスキーの「巨大なチェス盤」という全くのばからしい話をお釈迦にします。ロシアは帝国になることを望んでいるが、ウクライナなしでは、そうなれないという彼の理論は、ロシアが1世紀以上、帝国でなく、再び帝国になる必要や願望がないという認識に触れた瞬間、粉々になります。

 いずれにせよ、最近、帝国は、いささか復古調で愚かなアメリカ人が、自ら破産させて終わるための方法として以外、全く有用ではありません。ロシアには施し物をやかましく要求する恩知らずの扶養家族ではなく、経済的に自立できる信頼できる取り引き相手が必要なのです。30年間、ウクライナに放置されていたクリミアを、ロシアの現代水準まで引き上げるのは途方もない課題であることが判明しています。それ以外のウクライナに対してそうすることなど、とてものことではありません!

 この視点を得て、我々は現代ロシアの見地から、ウクライナについて何を言うことができるでしょう?

 こっけいな不滅の漫画キャラクターのようなウクライナ人専門家が出演するロシアのトーク番組の内容で証明されるように、何よりもまず第一に、見せ物です。ウクライナを支持する彼らのお笑いぐさの主張が台無しになると、彼らは常に一瞬、黒焦げになって立ちつくし激怒し、自らの体をはたき、新たに次のコーナーに元気はつらつ出演するのです。この見せ物には特定の教訓的長所があります。現代ウクライナを現在そうであるようなひどい混乱にさせたのが欧米の干渉だったのですから、ロシア国民が欧米の偽善に対して強力な免疫抗体を発達させるのに役立ちます。しかしこれはある意味、避けられなかったのです。ソビエトの乳首を奪われて、ウクライナは、これまで30年間、アメリカとEUから乳を吸おうと試み、それがうまくいかないので、自身の腰肉を切り分け、焼いてきたのです。

 第二に、ウクライナは、独立以来、国民の約3分の1を失った、移民の豊富な供給源です。国民の多くがロシア人と見なされます。言語学的、文化的、宗教的に、彼らは完全にロシア国民と共生可能です。ウクライナ人は(ロシア人とタタール族に次いで)既にロシアで3番目に人口が多い民族集団で、ロシアは近年ロシアに逃げたウクライナ人を吸収することが可能でした。ウクライナの人口が減少するにつれ、自然な仕分けが行われています。ロシア世界と最も共生できる人々はロシアに、残りが、ポーランドや他のEU加盟国に移住する傾向があります。

 最後に、ウクライナの話題ついて、ロシアは非常に困憊しています。現在行われている茶番大統領選挙のおかげで、現在議論の主要話題になっていますが、益々多くの人がこの疑問を聞いています。「我々はこれについて話し続けなくてはならないのだろうか?」 ウクライナについては言うべき肯定的なものは何もなく、人々は頭を振って別の局に切り換える傾向があります。それで、ウクライナに対するロシアの見方の最終的な要素は、見るのがつらく、むしろ何か他のものを見たいということなのです。

 ところが、そうは行きません。十分な歴史的理由で、ロシアはウクライナの最大貿易相手国のままなのです。ロシアとウクライナの経済は、一連の計画や規格や規制に基づく一体のものとして構想されました。これらのつながりを断とうというウクライナ指導部による政治的動機による取り組みにもかかわらず、選択肢が欠如しているため、そうしたものの多くが、頑固に、そのまま残りました。一方、ウクライナは欧州連合や世界の他の国々が欲するようなものは極めてわずかしか作っておらず、そのうち極めてわずかしかEUの多くの基準や規制に合っていません。特にEUは、ウクライナ製品にとって全く役立たず、ウクライナを安い労働と資源の供給源として見ています。

 2分の1より遥かに多くのウクライナ電力を供給する老朽化したウクライナの原子力発電所に核燃料を供給しているのはロシアで、他方ロシアの石炭(特に無煙炭)が残りの多くを供給しています。けれども政治的理由で、ウクライナ当局は,ウクライナとロシアを結びつけるへその緒は切断できないという事実を認めるのをひどく嫌っています。例えば、彼らはロシアの天然ガスを直接でなく、EUから仲裁人を通して(彼らがその一部を懐に入れる)利ざやが乗ったものを買っています。書類上、ウクライナはEUからガスを輸入しています。物理的に、ロシアからパイプに送られるメタン分子は決してウクライナ領を離れません。彼らは現地使用のため流用されているだけなのです。

 ソヴィエト社会主義共和国連邦が崩壊する頃までに、ウクライナは最も高度に発展し、おそらく最も裕福な地域で、一部の人々は、ソビエトのくびきを投げ捨てた以上、未来はゴーグルなしで見るには余りに明るいと予想していました。ウクライナには豊富な天然資源(肥沃な土地、石炭)と知的な労働力がありました。ウクライナはジェット航空機や船舶用ディーゼル・エンジン、ヘリコプター・エンジン、世界最良のロケット・エンジンや他に多くのハイテク製品を生産していました。ところが起きたのは、数十年の窃盗や低迷や腐敗でした。今までにウクライナは産業の大部分を失い、多くが崩壊の間際にまで疲れ切っており、ソ連時代のインフラは朽ちました。産業は閉鎖し、かつて雇用されていた専門家は引退するか、ロシアやEUやアメリカで働くために去りました。(どうやら一部のウクライナ人ロケット科学者は北朝鮮に仕事に行き、これが朝鮮民主主義人民共和国の最近のロケット工学における驚くべき成功や、ロケット燃料非対称ジメチルヒドラジンの、ありそうもない風変わりなエキゾチックな選択の説明になる。)

The Saker:ドンバス共和国はどうでしょう? あなたはウクライナで起きていることと、ノボロシアの状況をどのように比較されますか?

ドミトリー・オルロフ:「ノボロシア」(新しいロシア)という用語は、エカチェリーナ2世がクリミアや他の南の領地所を含め、ロシア帝国を拡張した時代にまで数世紀遡ります。レーニンが、ウクライナ・ソビエト連邦に割り当てし直したのは、ドネツクとルガンスク地域というロシア領土でした。

 ほぼ完全にロシアの地域が他にもいくつかあります。とりわけ、ハリコフとオデッサですが、ドネツクとルガンスクも決してウクライナではありません。2014年の政府打倒後、キエフで権力を掌握したウクライナ民族主義者の意図が、国民のロシア部分を圧迫することだったのが明確になった際、この二つの地域がなぜ自立することに決めたかという理由です。ウクライナ民族主義者は、内戦を開始して対応しました。これは正確に5年前に始まり、彼らが敗北しました。面子を保つため、彼らは敗北を「ロシアによる侵略」の結果だと宣言しましたが、いかなる証拠も提出できませんでした。もしロシアが侵入していれば、結果は2008年8月にジョージアにおけるロシアの行動の再演になっていたはずで、それは約1週間続きました。

 ウクライナ人は、ドネツクとルガンスク地域にミサイルを打ち込み続けており、散発的な民間人の犠牲者を出しています。時たま彼らは小規模な小ぜり合いを演じ、犠牲者を出して、撤退します。彼らはこの内戦を「対テロ活動」呼んでいるのですが、大半は、他には説明のつけようがない彼らの敗北の連鎖を説明するために、ことあるごとに架空の「ロシア侵略者」が引き合いに出される、プロパガンダ攻勢に変わっています。

 ある程度ウクライナ人を訓練しようと、NATO教官が、取り組んだのですが、教官は諦めました。どのように戦うべきか教官が全く知らないことが、彼らには明きらかだったので、ウクライナ人が面と向かってばかにしたのです。ウクライナ人は、ゆっくりと、じっとしているNATOにとって、あまりにも狂っているので、ウクライナのNATO加盟「ロードマップ」は棚上げにすべきと決まったのです。そして教官は、NATO軍が決してしようとは考えないはずの、いかに航空援護なしで高強度地上戦を行うべきかについての諜報を集めるだけのCIAタイプの連中に置き換えられました。このような条件下では、NATO軍隊は、自動的に撤退するか、それがうまくいかなければ、降伏するでしょう。

 一方、経済的に大いに発展し、多くの産業がある二つの東部地域は一層しっかりロシア経済に融け込んでいました。現在彼らの大学と研究所はロシア高等教育制度で完全に認められており、通貨はルーブルで、国際的認識では彼らはウクライナの一部ですが、ウクライナが、彼らをそういう風に扱っていないと指摘するのは非常に重要です。

 ウクライナ政府はドネツクとルガンスクの市民を自国民として扱っていません。彼らの年金を支払わず、投票権を認めず、パスポートを発給しません。ウクライナ政府は、そこに居住する人々ではなく、ドネツクとルガンスク地域に対する権利を主張しているのです。今、大量虐殺や民族浄化は、国際社会から、一般にひんしゅくを買いますが、この場合、ロシア嫌悪用に例外が作られているのです。ドネツクとルガンスクに住むロシア人は「親ロシア派」というレッテルを貼られて、合法的な標的なのです。

 ロシアは、この二つの人民共和国を公式に認めることや、公然の軍事支援(志願兵の流入は最近低調とは言え、志願兵や兵器は何の障害もなしで、ロシア側から流れ込んでいる)提供要求に抵抗しています。純粋に身勝手な見地からは、この小さな戦争はロシアにとって有用なのです。もし将来ウクライナが完全に失敗して細かく分裂すれば、それはありそうに思えますが、もし(理論的にはドネツクとルガンスク地域だけでなく、ハリコフやオデッサやドニェプロペトロフスクも含まれるかもしれない)これら分裂した地域のいくつかがロシア加入を強く要求すれば、ロシアは深刻な問題に直面するでしょう。

 ご存じでしょう。これまで30年にわたり、自分たちの国が略奪されてきたのに、大半のウクライナ人は、ビールを飲み、テレビを見て、のんびり過ごすことで満足していました。彼らは、そうするよう金を払われたらデモをし、抗議のために街頭に出るのを問題と思っていませんでした。彼らは金をもらった通りに投票したのです。外国で働いて、国に送金できる限り、彼らはウクライナ産業が閉鎖しつつある問題を取り上げませんでした。彼らは自国が、ほとんど在キエフ・アメリカ大使館に運営されているという事実に激怒したり、当惑したりさえしませんでした。彼らの中で、唯一情熱的だったのは、松明を掲げ、ナチの記章を見せびらかして行進するナチです。要するに、こういう連中は自尊心を持った国が、関係したいと望むような種類の人々ではなく、まして彼ら丸ごと自国民として吸収するなどとんでもありません。そんなことをすれば、本来の国民全員、士気阻喪してしまいます。

 しかし、ドネツクとルガンスクの人々は全くそうではありません。これら炭鉱夫や工員やタクシー運転手たちは、何年もの間、深い溝の中で昼と夜を過ごし、ヨーロッパの大きな軍隊の一つを押しとどめ、自分たちの土地の一寸たりとも譲るまいと戦ってきました。もしウクライナが、いつの日かロシアが受容できると思えるものとして再生するとすれば、それはこうした開拓者魂をもった人々です。彼らは勝たなければならず、彼らはウクライナ軍など虫けらのように押しつぶせるロシア軍の手助けなしで勝たなければなりませんが、そういうことをしている核心は一体何でしょう? 潰れたものから存続可能な新ウクライナを作りだすのはかなり時間を要するプロセスなので、ロシアは人道支援や事業機会や多少の武器や多少の志願兵を提供しながら、期が熟すのを待っているのです。

The Saker:ウクライナ大統領選挙の第1回投票に関するあなたのお考えは?

ドミトリー・オルロフ:選挙の第1回投票は徹底的な不正でした。行為の狙いは、何らかの方法で、ポロシェンコ大統領が第2回投票に進むのに成功させることでした。これは必要な数の投票を偽造して行われました。かなりの数の選挙区で、投票率は、いつもの60%程度ではなく、ぴったり100%で、引っ越ししたり、死んだり、移住したりした人々の票が集計されました。これら全てのニセ票はポロシェンコに入り、第2回投票に滑り込むことを可能にしたのです。

 今はポロシェンコとウォロディミル・ゼレンスキーという名のコメディアンの戦いです。ポロシェンコとゼレンスキー、あるいは投票用紙に載っている他の30人以上の人々全員との唯一の差は、ポロシェンコが既に何十億も盗んだのに対し、競争相手連中は、まだ盗んでいないことなのですが、ウクライナでは大統領なり何らかの選出公職に立候補する唯一の理由は、自分自身を何か大規模窃盗ができる立場に置くためなのです。

 それでポロシェンコよりゼレンスキーを好む客観的理由がありますが、それはポロシェンコが大泥棒なのに対し、ゼレンスキーはまだそうではないことです。けれど、この違いは、ゼレンスキー就任式直後に同じになり始めることを理解しなければなりません。実際キエフのエリートは、ウクライナの土地全てを外国投資家に売るという連中の巧妙な計画(かなりの「手数料」が懐に入るのは確実)に現在全員わなないています。

 30人強の候補全員の綱領は同じでしたが、これは主権を放棄した国においては重要ではありません。外交や戦略的配慮に関して、ウクライナは在キエフ・アメリカ大使館に支配されています。内部機能上、大統領を含め権力を握っている全員の主要特権は盗みです。連中の考えは、分け前にあずかり、全てが吹き飛ぶ前に国から逃げることです。

 選挙の第2回投票が、同様に徹底的な不正なのか、結果として何が起きるかまだわかりません。多くの代案がありますが、いずれも民主主義のいかなる実践にも似つきません。この場合「民主主義」の意味するところは、確実に、単にワシントンの命令を実行する能力です。そうする能力のなさが、ウクライナが「専制政権」か「独裁」となり「政権転覆」にさらされることになるのです。そこまでならなければ全く問題ではありません。

 ウクライナ「民主主義者」の権謀術数は、ドブネズミの性生活と同じぐらい私には興味深いのですが、完全を期すために、フローチャートを書いてご覧に入れましょう。選挙で敗北すれば、ウクライナの政治的食物連鎖中で直ちに捕食動物から獲物に変わってしまうので、ポロシェンコは徹底的な不正で第2回投票に進みました。ところが彼は、決して巧妙ではなく、彼が不正行為をした十分な証明があり、彼が排除した競争相手ユリア・ティモシェンコは、理論的に選挙結果の正当性を裁判で問うて、勝てる可能性があるのです。すると選挙全体が無効となり、次の選挙まで、ポロシェンコが大統領のままということになるでしょう。全く同じことの繰り返しです。

 もう一つの代案は、ポロシェンコが(今回彼は30%以上差をつけられているので、より高圧的な手段で)第2回投票でも当選するよう、不正行為をすることですが、その場合、ゼレンスキーは理論的に、裁判で選挙結果に異議を唱えることができます。これで選挙全体が無効になり、次の選挙まで、ポロシェンコが大統領をつとめることになります。全く同じことの繰り返しです。それでも、ワクワクされるでしょうか?

 我々は二人のどちらがアメリカ国務省のえり抜きかを知らないので、これは全く重要ではありません。えり抜きがどちらか次第で、いかなる選挙や裁判の結果にもかかわらず、巨大な足が空から降りきて、支持していない側の頭を踏みつけるでしょう。もちろん全て見掛けは大いに民主的なふりをするでしょう。EU指導部は、吐き気をこらえながら、形ばかりの拍手を余儀なくされ、世界は進むでしょう。

The Saker:ウクライナは一体どこに向かっていると思われますか? 短期的、中期的未来で起きることについて、あなたによる最良の「当て推量」はどんなものでしょう?

ドミトリー・オルロフ:ある種のことは永久には続くことができず、そうはならないと思いますが、私達とて同じようなものだと思います。一番心配なのは、現在ウクライナで電力の大半を供給しているソ連時代の原子力発電所が耐用年数の終わりに近付いていますが、それを置き換える資金はありません。ですから、やがて、ウクライナの大部分で長期間停電すると予想すべきです。また、ウクライナとEUの多くに、現在ロシア・ガスを供給している天然ガス・パイプラインも老朽化していて、閉鎖の準備ができており、バルト海と黒海を横切って敷設される新パイプラインがそれに取って代わろうとしています。その時点以降、ウクライナはロシア天然ガスへのアクセスも失うでしょう。

 もしウクライナ人が、EU/ NATO加盟という夢物語で自らをなぐさめて、無条件に降伏し続ければ、ウクライナ人口は減り続け、土地は欧米の農業関連産業に売り払われ、NATO部隊に守られた一種の農業緩衝地帯になるでしょう。けれどもその種の円滑な移行を、EUとアメリカが画策するのは難しいかもしれません。ウクライナは、どちらかと言うと大いに軍隊化しており、武器があふれていて、ドンバスで前線を経験して、どのように戦うべきか知っている人で一杯で、彼らはある時点で戦うと決めるかもしれません。ウクライナ人が、これまで30年にわたる腐敗にもかかわらず、まだ幾ばくかのロシアの敢闘精神を持っていて、ロシア人のように、勝利するか、死ぬまで戦うかも知れないことは覚えておかねばなりません。両面価値的性差別のNATO軍の技術者たちは、彼ら邪魔をしようとは思わないでしょう。

 国民を減らされたウクライナを、欧米農業関連産業の遊び場に変えるという夢は、ロシアが欧米のGMOについて非常に懐疑的な見方をしていて、西からロシア国境を越えて、GMOに汚染された花粉が飛んでくるのをいやがっている事実によって、いくぶん妨げられるかもしれません。彼らは確実に、ウクライナにおける欧米農業関連産業の試みの採算性を悪くさせる何らかの最小努力の道を見出すでしょう。古びたウクライナ原子力発電所の一つからの小さめながら大いに喧伝される放射能漏れ計画はおそらく有効でしょう。どちらかと言うと奇妙なのですが、欧米人は自身をグリホサートで毒殺するのは何とも思いませんが、電離放射線のほんの少しさえ死のように恐れますから。

The Saker:EUや、欧州評議会はどうでしょう? EUはどこに向かっているとお考えでしょう?

ドミトリー・オルロフ:EUは多くの重大問題を抱えています。財政的、金融的に健全ではありません。全体的に、あるいは構成諸国として、アメリカに主権を渡してしまって、もはや完全な主権を行使する能力がありません。しかしアメリカはその決定が支離滅裂になるほど、内部対立で困窮しているため、アメリカはもう支配を維持することができません。全体的構造はマトリョーシカ人形のようなものです。アメリカは一種のひび割れた外殻です。その内側にNATOがあり、それはロシア国境まで、ヨーロッパの大部分の占領軍です。それはロシアに対しては役に立たないでしょうが、占領地の住民に対しては確かな暴力の脅威となり得ます。NATOの内部にEUがあり、それは政治的議論をするだけで行動に移さない委員会と、次々と多数の規則や規制を紡ぎだす肥大化した官僚制です。

 この軍事/政治的上部構造は、アメリカ覇権という重要な因子なしでは、実際には全く構造ではありませんから、我々はそれが、うまく機能すると考えるべきではありません。種々の国家政府が主権を取り戻そうと試みる中、議論をするだけで行動に移さない委員会として継続するでしょう。イギリスの国民投票に投票した人々は、確かに彼らの政府をその方向に駆り立てようとしましたが、彼らの政府は、後回しにしたり、死んだふりをしたりと種々の方法を使って実験して対応しており、違う政権が民意を実際に実行しようとするかもしれません。他方、ハンガリーやイタリアの政府は、国民の支持を得て、彼らの主権を再び主張する方向で若干前進しました。

 けれども何もまだ本当に起きていません。どんな国の政治エリート集団でも、国家主権の放棄によって徹底的に骨抜きにされてしまえば、胸毛が元のように伸びて、多国籍企業の権益に対する確かな脅威となり始めるには、しばらく時間を要します。ロシアでさえ、寡頭政治の権力と影響力を排除するのに、ほぼ10年を要しました。帝国が弱体化しており、一部の国が家臣であるのをためらい始めているのは見えますが、まだ決定的なことは何も起きていないのです。

 事態を加速させるかもしれないのは、ヨーロッパが、アメリカとともに景気後退/不景気に向かって進んでいるように思われることです。その一つの効果が、西欧で働いている全ての東ヨーロッパ人労働者が国に帰るよう強いられるだろうことです。もう一つは、最近獲得した東方、特にポーランドとバルト諸国へのEU助成金が大幅に減らされるか、まったく消失する可能性が高いことです。金銭的援助の欠如と、帰国する経済移民の流入の組み合わせは、わずかなロシア憎悪と引き換えに、欧米の金品を享受してきた特定の国家エリート連中の終焉を招く可能性がありそうです。

 西ヨーロッパから排出される人類のこの渦巻く潮流は東へ向かい、ロシアの巨大な壁にザンブとぶつかり、雇用ではなく、ウクライナの武器や、戦争ノウハウや、略奪という興味深い考えを持って、どっと西に逆流することが想像できます。そこで彼らは中東やアフリカからの新入りに対しとことん戦うのですが、現地の人々は最善を願い、性的中立性や他の高貴な大義に関する良いこと思いながらベッドに入ることでしょう。

 これら古いヨーロッパの国々は人口統計に関してのみならず、生来いかなる民族にも割り当てられている最大年齢の上で、全て年をとり過ぎています。Ethnoi(「民族ethnos」の複数形)は一般に、わずか約千年続くだけで、ライフサイクルの終わりには、自ずと現れる特定の傾向を示しがちです。彼らは子供を多く産むのをやめ、性的嗜好も下劣に、一般に退廃的になります。これらの傾向は既に丸見えになっています。ここに特にばかばかしい例があります。フランスの出生証明書には、もはや父親と母親という項目はなく、親1と、親2という項目があるのです。侵入してくる野蛮人はこれを見て、おそらく笑い死ぬでしょう。けれどももし彼らがそうしなかったら、どうでしょう?

 もはや戦いにはほとんど耐えられない、このような枯渇した民族は野蛮人に容易に侵略される傾向があり、その時点で、彼らは慈悲を乞うのです。滅亡したローマ帝国や、中国とペルシャやの似たような歴史の例によれば、彼らに慈悲を与えることは、野蛮人がすることが可能な最も酷い過ちの一つです。その結果、一群の性的に下劣で、一般に退廃的な野蛮人が、次の野蛮人集団に簡単に制圧され、虐殺されることになるのです。

 西ヨーロッパで、一体何が次の民族起源論争をひき起こすか予測するのは不可能ですが、いつかの時点で、自己保存の本能は弱いが、大混乱や栄光や死への癒やされることのない切望を持った狂信者の変異株が現れ、すぐに行動を始めるのは確実です。

The Saker:ノルドストリーム2が完成したら何が起きるでしょう? 特にアメリカ合州国とロシアとの関係で、ヨーロッパは一体どこに向かっているのでしょう?

ドミトリー・オルロフ:バルトと黒海海底の新パイプラインは、サベッタの二番目のLNG設備とともに完成し、ロシアは天然ガスをヨーロッパとアジアに供給し続けるでしょう。私はアメリカの水圧破砕という派手な見せ物は終盤に入っていて、ヨーロッパへのLNG大規模輸出の夢は決して実現しないと思います。

 ヨーロッパ諸国は、ロシアとの関係はほとんど有益で、アメリカとの関係がほとんど有害であることを次第に悟り、ある種の調整をするでしょう。天然ガス・パイプラインが老朽化していて、修理ができない状態のウクライナはヨーロッパから天然ガスを輸入し続けるでしょうが、今度はメタン分子は、ウクライナに、実際東からでなく西からに流れるでしょう。

The Saker:ロシアの政治情勢をあなたはどう見ておられますか? プーチン個人と、クレムリンの外交政策は非常に多くの支持を享受しているが、年金制度改革は本当にプーチンを傷つけたので、今では(CIAから金をもらっている連中と違う)国内の「愛国的反対派」があり、いっそう声高になっていると良く聞きます。本当でしょうか?

ドミトリー・オルロフ:外交政策に関して、ロシア内では多くの議論はないというのが事実です。欧米のどの国家指導者より依然遥かに人気が高いのですが、プーチンの人気は多少衰えました。年金制度改革はいくぶん彼を傷つけましたが、彼は移行を容易にするよう意図した多数の法案を押し進めて回復しました。特に公共交通料金割引や固定資産税減税など、現在、退職者が享受している全ての便益は退職年齢に近付いている人たちのために延長されるでしょう。

 プーチンは内政、国際政治両方でまだ非常に活動的ですが、引退の方向に向かいつつあるのは明かになりつつあります。国内政治での彼の主な狙いは、優先項目を推進する上で、政府内で非常に厳しい自制を維持することのように思われまする。彼がプーチン後時代への移行に、どのような影響をあたえるつもりなのか不明ですが、最近カザフスタンで行われたことが、ある程度、手がかりになるかもしれません。もしそうであれば、我々は、プーチンは、政界の長老として、国政に対する何らかの支配手段を維持して、連続性を強調するだろうと予想できます。

 しかしロシア政治で遥かに重要な変化は、新世代の地域指導者が権力の座につけられたことです。非常に多くの知事職が、国政に進出する可能性がある意欲的な若い管理者たちにに与えられています。彼らは最新の管理技能で、新しい種類の徹底的に専門的なエリート政治家です。一方、幹部の徹底的な洗い出しが行われ、一部の政府高官は汚職のかど服役しています。特に顕著なのは、これら新しい地域指導者の一部は今プーチンと同様か、もっと人気が高いということです。ソビエトの実験を悪い方向に運命づけ、今アメリカの支配体制を苦しめている長老政治ののろいは、もはやロシアを脅やかしていません。

The Saker:最近あなたは、現代アメリカ政治の愚かさのひどさを論じる「愚者のアメリカ艦船は浸水しているのか?」という題名の記事を書かれましたね? 私には単純な質問があります。可能だとすれば、帝国は、どれほど長く、トランプを切り抜けて生き残れるとあなたは思われますか?

ドミトリー・オルロフ:アメリカ帝国は既にほとんど終わっていると私は思いますが、まだ、いかなる本格的負荷試験も受けていないので、誰もそれが事実なのに気がついていないのだと思います。権力中枢が全く侮辱されることになり、この屈辱を容認することができず、やりくりするような出来事が起きるでしょう。政府内部やメディア内部の全員が、問題が存在しないふりをするため最善を尽くすので、事態はそれ以降、悪化するでしょう。金がなくなった途端に、現在世界中に広がっているアメリカ軍人が放棄されてしまうことはないよう願いますが、もしそうなっても、私はあまり驚きません。

The Saker:最後に、似ていますが、基本的に異なる質問です。(帝国と対比して)アメリカ合州国はトランプを切り抜けて生き残れるでしょうか、もしそうならば、どうやってでしょう? 内戦はあるのでしょうか? 軍事クーデターは? 暴動は? ストライキは? アメリカ版黄色いベストは?

ドミトリー・オルロフ:アメリカ合州国は、衰退しつつある一部の人々の権益に奉仕する組織として、かなり長い間、役割を果たし続ける可能性が高いでしょう。疑問はこういうことです。誰がそれに含まれるのか、誰が含まれないのか? 範疇として、退職者が、アメリカ合州国に期待すべきものが何もないことにほとんど疑いはありません。官庁であれ民間であれ、退職者はもう財産を使い尽くしています。既に就業の可能性が低く、ばかばかしい学生ローンで徹底的に絞りとられた若者には期待すべきものが何も持ないことに疑いようはありません。

 しかし私が前にお話したように、アメリカ合州国は、カントリークラブのようなもので、国ではないのです。メンバーには特権がありますが、国に暮らしてはいてもクラブ・メンバーでない人々の生活がどうか、メンバーは気にしません。誰でも入国させるし、国民でない人々にも投票させるという最近の動きは、アメリカ市民権それ自体に何の価値もないことを示しています。アメリカ国民唯一の生得権は、その多くがトランプが野外便所の国」と呼んだ国からの外国人浮浪者に囲まれて、路上浮浪者として暮らすことです。

 大衆や国家公務員が、集団として、約束されていた退職後の生活が、もはや存在しないという認識にどのように反応するのかを見るのは興味深いことです。多分それで体制まるごと機能不全状態になるでしょう。水圧破砕バブルが終わり、国民の更に3分の1が、それがもう国を推進することができないと気が付いた途端、ある種のリセットを強要するかもしれません。けれども軍隊化した警察体制は、どんな種類の反乱も鎮圧するよう設計されており、大半の人々はそれを知っています。特定の死か、歩道で麻薬を使うのかという選択を与えられれば、大半の人々は後者を選ぶでしょう。

 ですから、トランプであろうとなかろうと、ほとんど同じようなことになるでしょう。ピカピカの若いIT専門家連中は、仕事に行く道々、口笛を吹きながらスキップして、死にかけの人々や、排泄物の山を通りすぎます。店の裏では腹をすかせた人々が、ごみ箱の中をあさる中、ボトックス療法を受けた主婦たちは偽物の有機野菜を買っています。憂慮する市民たちは、移民の入国許可を与えるよう要求していますが、そうした移民が、自分たちの芝生の前庭にテントを準備したり、呼び鈴を鳴らして、トイレを使わせて欲しいと頼んだりすると、すぐさま警官を呼ぶのです。裕福な高齢カップルは、どこか熱帯のマングローブが生えた沼地のアメリカ屋敷に移住するのを夢見ていますが、彼らは、そこでなたで切り刻まれ、魚の餌にされてしまいます。彼ら全員、株式市場が実に好況なので、万事順調だと信じているのです。

 この勢いでは、最終的にアメリカ合州国の終わりが来る頃には、大半の人々は気付く立場にないでしょうし、それ以外の人々は、こうした心乱される情報を受け入れることができず、無視することに決めるでしょう。誰もが話の結末を知りたがりますが、その種の情報はおそらく誰の精神衛生にも良くありません。アメリカの精神状況は既に十分に病んでいます。我々はなぜそれを一層悪化しようと望むべきでしょう?

The Saker:オルロフさん、長時間、有り難うございます。実に興味深いインタビューを有り難うございます!

下記ボタンをクリックすれば、ご寄付いただける。

 

記事原文のurl:https://thesaker.is/the-saker-interviews-dmitry-orlov/

----------

 この機会に『おっぱいとトラクター』を読んだ。英語原題は『ウクライナにおけるトラクター小史』

 イギリスに暮らす84歳の老父が、老妻を亡くした後、50歳年下のウクライナ人の巨乳女性と再婚すると宣言して、娘二人が父親に振り回され、大奮闘するお話。父親は、元エンジニアで、『ウクライナにおけるトラクター小史』を書いており、時々、書き終えた部分を読んで聞かせる。
 イギリスのEU離脱の理由がなんとなく想像できそう。ウクライナ人がなぜ、イギリスに暮らすようになったかという回想で、ウクライナ、ロシアの歴史もちらり読むことができる。ポーランドや、ナチスの関係も。

 キエフとモスクワの関係の部分をよみながらビリントンの『聖像画(イコン)と手斧 ロシア文化史試論』を思い出す。高価だが、是非お読み頂きたい名著。

 他国の文化や将来についての長い対話記事をなぜ訳すのか不思議に思われる方がおられよう。ひとごとと思われないからだ。

 オルロフ氏の言葉。

外交や戦略的配慮に関して、ウクライナは在キエフ・アメリカ大使館に支配されています。内部機能上、大統領を含め権力を握っている全員の主要特権は盗みです。連中の考えは、分け前にあずかり、全てが吹き飛ぶ前に国から逃げることです。

 『株式会社化する日本』内田樹、鳩山友紀夫、木村朗著で、「日本はアメリカ軍に支配される植民地状態」というのが、鼎談をしておられる方々の理解だが、そこで、19、20ページの内田氏の言葉はこうだ。オルロフ氏のものと比較願いたい。

とりあえず、これまで日本を駆動してきた、20年後、30年後の日本はいまよりもっと貧乏になって、いまよりもっと国際社会での地位が低下しているだろうということがわかっている。だから、とりあえず手元に残っている国民資源のうち、自分のふところに掻き集められるだけのものを掻き集めて、泥船が沈みだしたら、真っ先に逃げ出す算段をしている。

 昨日の沖縄タイムス・スクープ記事が、ウクライナ政権どころではない劣等政権の実態を表している。

米海兵隊、本土移転を要望 93年に沖縄から撤退予測 米高官元側近が証言米海兵隊、本土移転を要望 93年に沖縄から撤退予測 米高官元側近が証言

  現実を把握している沖縄と違って、劣等本土の人々の認識は悲惨。ウクライナ政治を馬鹿にできる立場ではない。

日刊IWJガイド「7月4日の公示まであとわずか2ヶ月!参院の争点が『選択的夫婦別姓』!? 立憲民主党・枝野幸男代表の演説にア然! 山尾志桜里議員は憲法記念日に『9条議論避けられない』!?」 2019.5.7日号~No.2427号~(2019.5.7 8時00分)

 

2019年5月 6日 (月)

我が亡き後に洪水よ来たれ

2019年5月3日
Paul Craig Roberts

 私は運転中に右翼ラジオ番組を聞いた。それはNPRとまったく同じようなたわごとだ。ひどいオバマのものと比較して、偉大なトランプ経済についてだった。1990年代に雇用の海外移転が始まって以来、アメリカに偉大な経済はなく、導入されつつあるロボットで、アメリカ人が再び良い経済を経験する可能性はなさそうだ。

 今日発表された最新の雇用報告は、236,000の新しい民間部門の雇用を主張している。もし実際それが存在するなら、一体どこに雇用があるのだろう? 製造、つまり、もの作りは、わずか4,000の雇用を産み出しただけだ。

 雇用は国内サービスにある。「管理、廃棄物サービス」に54,800の雇用がある。この範疇は就職斡旋や、人材派遣や、清掃のような建物管理サービスなどを含んでいる。「医療と社会福祉」が52,600の雇用を占める。この範疇は外来医療サービスや、個別医療や訪問医療サービスなどを含んでいる。そして25,000人の新しいウエーターとバーテンがいる。建設業、主に各種専門業者が33,000を加えた。ばらまかれた少数の他の仕事がある。倉庫と保管で5,400の新しい雇用があった。不動産レンタルとリースで、7,800件あった。法律業務が700人解雇した。建築とエンジニアリング・サービスが1,700の雇用を失った。6,800人の新しいマネージャーがいた。

 新しい仕事は、中産階級の収入を実現する高付加価値、高生産性の仕事ではない。

 21世紀、アメリカ経済は、株を持っている人たちに奉仕しただけだ。連邦準備銀行が経済に注ぎ込んだ流動性が株価を上げた、トランプ減税は、株の買い戻しと配当金支払い用により多くの金を会社に与えた。課税経済政策研究所は、フォーチュン500中の60社が、790億ドルの収入に対する税金を支払っておらず、逆に43億ドルの払い戻しを受けていると報じている。https://itep.org/notadime/

 良い経済の兆候は、増加する需要を満たすため、企業が、利益と借入資金を、新しい生産設備に再投資しているときだ。ところが、アメリカ企業は利益の合計より多くを、株の買い戻しと配当に使っている。言い換えれば、会社は、彼らの株価を上げるために自社株を購入して、借金をしているのだ。経営者と株主は、資本を減らし、借金を増やして、自分たちの会社を略奪しているのだ。https://systemicdisorder.wordpress.com/2016/10/26/work-harder-for-speculators/

 一方、アメリカ人のための2020年のトランプ療法予算は、メディケアの削減で8450億ドル、メディケイドの削減で1.5兆ドル、社会保障傷害保険の削減で840億ドル調達する。

 歴史は同じことを繰り返している。彼らにケーキを食べさせろ。我が亡き後に洪水よ来たれ。

 そして、フランス革命が起きた。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/03/apres-moi-le-deluge/

----------

 いつもの統計のウソ。今だけ 自分だけ カネだけ の「我が亡き後に洪水よ来たれ」状態、親が親なら子も子。

 孫崎氏のメルマガ題名は、

2015?17年の質の高い科学論文の国別シェアで、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位、米国は中国に抜かれた領域も多い半面、生命科学分野の大半などで首位を堅持。日本は約20年前は83領域で5位以内だったが、最近は18領域に減少(毎日新聞)。

 今日は、樋口陽一東京大学名誉教授のインタビューを拝見しよう。

日刊IWJガイド「安倍総理が憲法記念日に2020年改憲の決意表明! 改憲はこの夏最大の政治テーマ! 本日午後5時より『憲法学の「神様」がIWJに降臨!前代未聞!樋口陽一・東京大学名誉教授が岩上安身のインタビューで自民党改憲草案の狙いを丸裸に!』をフルオープンで再配信します!」 2019.5.6日号~No.2426号~(2019.5.6 8時00分)

 

2019年5月 5日 (日)

マドゥロ打倒の狙い:建前ではなく、本音を言えば

2019年4月30日
ケイトリン・ジョンストン

フアン・グアイド:ベネズエラ現大統領のニコラス・マドゥロは、私が手を結んでいる政治集団の権益に反するので、私はベネズエラ暫定大統領と見なされたく思う。彼は、強力になりたいという私の個人的野心にも邪魔だ。

ワシントンDC:ベネズエラ現大統領は、政策と行動が、我々の地政学上の敵と、あまりに親密なので、我々もフアン・グアイドがベネズエラ暫定大統領と見なされるのを望んでいる。もしベネズエラが、証明済みの最大の石油埋蔵量で世界一位になければ、我々は本当に気にかけないのだが。我々が、その石油埋蔵に起きることを支配できなければ、我々は世界の舞台で、支配できていればなれるほど支配的にはなれまい。

アメリカ同盟諸国:アメリカが要求しているので、我々もフアン・グアイドがニコラス・マドゥロの代わりに大統領になって欲しい。何であれ彼らが言うことに賛成するのが我々にとって利益だ。我々がそうしなければ、ベネズエラ政府が今扱われているように扱われることになるが、ワシントンの命令に賛成すれば、我々は好意的に扱われるのだから。

ドナルド・トランプ:私の外交政策を導びくべく任命したネオコンに、今、更に多くの制裁をベネズエラ経済に課せば、資源支配というアメリカの狙いの為になると言われた。これは、ベネズエラ国民に、より重要なことに、ベネズエラ軍に、マドゥロ打倒か、さもなくば、愛する家族が栄養失調と医療の欠如で死ぬ目に会うよう強いるだろう。

ジョン・ボルトン:私もベネズエラ国民と軍に、彼らの政府に敵対し、ニコラス・マドゥロが死ぬか権力の座から追いだされるまで、暴力を加えるよう勧める。もし皆さんがそうすれば、皆さん方は着実に増大する我々の制裁のために餓死しなくて済むし、我々はあなた方の国がたまたま、その上にある石油埋蔵を支配できるだろう。付加的な利点で、多数の人間を傷つけると、私は性的満足感を覚えられる。

CIA[ハンドマイクで]:えー、すいません、ベネズエラ国民さん。こちらCIAです。皆さん全員で、是非、皆さんの政府を打倒するため、今内戦を始めてもらえませんか? それで我々は非常に幸せになれるでしょう、ありがとう。

主流メディア: アメリカ政府と、もちろん、国民へのいかなる説明責任もなく、監督もされず、舞台裏でアメリカ政府を動かす、選挙で選出されていない有力者連中は、外国の現職大統領を非合法化するベネズエラの唯一の飢餓制裁、CIA工作と公的作戦を駆使して、正統な政府を打倒しようと試みている。彼らは、可能な限り世界石油供給の同じぐらい多く支配することは彼らが世界を支配するのを助けるので、これをしている。彼らは世界支配を望んでいる。こういうことは、もし我々が、アメリカ政府を所有している同じ金権政治階級に所有されていなかったら皆様にお話しているはずのことだ。

裕福なベネズエラ人:財政的に我々に役立つと思うので、我々はニコラス・マドゥロがは、アメリカとその同盟国に据えつけられる政権で置き換えられて欲しい。

マルコ・ルビオ:今の立場に引き上げてくれた権力ある集団に私は大いに恩義を受けている。

フアン・グアイド:ベネズエラ軍にニコラス・マドゥロから離反し、誰であれ邪魔する連中を殺し始めるよう説得する狙いで、レオポルド・ロペスと、ひと握りの軍人と一緒に今私はここに立っている。私はアメリカ合衆国の大学に行った。

レオポルド・ロペス:私もアメリカ合州国の大学に行った。フアン・グアイドがベネズエラ暫定大統領の座を終えた際には、私はベネズエラの正規大統領になりたい。

ベネズエラ国民:これはひどい、我々はこのすべてを憎んでいる。

マイク・ポンペオ:これらすべてのことが起きているのは良いことだ。これらすべてのことを皆是非とも続けるように。

エリオット・エイブラムス:ほぼ確実に、チビ・ネズミどもを拷問にかけてやる。

___________________

 どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事も)再配布したり、使用したりされるのを私は無条件に許可している私の仕事は全て読者に支援されているので、本記事を良いと思われたら、共有し、 Facebookで「いいね」評価し、私のTwitterをフォローし、PatreonPaypalに投げ銭し、新刊『Rogue Nation: Psychonautical Adventures With Caitlin Johnstone』や前の著書『Woke: A Field Guide for Utopia Preppers』を購入頂くようお願いしたい。インターネット検閲を回避し、私が公開する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトで、メーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて、電子メールで通知が行く。私が何者か、私がどういう立場か、私がこのプラットホームをどうしようとしているかについてのより多くの情報は、ここをクリック願いたい。

ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、1秒時間をかけて頂きたい!

支援者になって下さるようお願いする。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2019/04/30/if-the-agenda-to-oust-maduro-was-honest-instead-of-dishonest/

----------

 大本営広報部大政翼賛会が決して報じない国民の代表氏のとんでもない誤読発言、建前ではなく、本音だったのかも知れないと思ってしまう。

 『平成経済 衰退の本質』を読んでいる。腹が立って、時々読書が止まる。もちろん著者の金子勝教授のせいではない。彼が指摘するデタラメな政治・経済運営に腹が立つのだ。なぜこんな世の中になてしまったのか。今だけ、自分だけ、カネだけ。と帯にある。

経済や現実感覚がアメリカにあるのだろうか?

2019年5月2日
Paul Craig Roberts

 偉大なトランプ経済について、我々はプロパガンダの一斉砲撃を受けている。我々は10年間、偉大な経済について聞かされる一方、就労率は下落し、実際の家計所得は低迷し、負債の重荷は増える一方だ。連邦準備制度が金融市場に注ぎこむ何兆ドルもの金で、会社が自社株を買い戻すことで持ち株の利益を得ている大株主にだけ、経済は偉大なのだ。

 雇用報告はでっちあげで、存在する仕事はウエートレスやバーテンのような低賃金の国内サービス業や医療や社会福祉しかないと私は何年にもわたり指摘してきた。アメリカ経済を動かしているのは、より高い生産性による、より高い給料ではなく、消費者負債の拡大だ。報告されている低失業率は、仕事を見つけるのをあきらめた就業意欲喪失者を数に入れないことで、得られている。

 トランプ減税で、すべての企業が、投資でアメリカに戻すはずだった資金のことを覚えておられるだろうか? それはすべてたわごとだった。昨日、アップルが、自社株買い戻しに利益を使っているため、アップルは1兆ドルの市場評価額を失いつつあるという記事を読んだ。言い換えれば、アップル製品に対する需要は、より多くの投資を正当化しないのだ。そのため、利益の最も良い使い方は、自社株を買い戻して、アップルの資本総額を縮小することなのだ。偉大な経済は、アップル製品の需要拡大を含んでいないのだ。

 赤字が、偽って実際はわずかの比率しか占めていないオンライン購入の増加のせいにされている店舗やショッピング・モールの果てしない閉鎖の記事も読んだ。

 連邦準備銀行データは、彼らが得られる仕事は、独立した暮らしを営むには不十分なため、益々大きな比率の若年労働者が親の家で一緒に暮らしていると報じている。そうであれは、不動産や家具や家電の市場が一体どうして好調であり得るだろう?

 20年前、私が最初に、雇用海外移転の、アメリカ中産階級や州や地方自治体予算や年金基金に対する危険について書いた時、阿呆な批判派連中は、機械打ち壊し運動、ラダイットだと非難した。

 ラダイットは間違っていた。機械化は、労働生産性と実質賃金を上げたのだが、雇用移転は、雇用を国内経済から外国に移すのだ。国内雇用は無くなるが、海外の労働力が雇用を得るのだ。言い換えれば、雇用を失い、雇用が海外移転される国では、労働収入は下落するが、雇用が移転されてゆく国では増えるのだ。これがアメリカ企業が中国の経済発展に拍車をかけた方法だ。CIAが予想したより遥かに急速に中国が発展したのは、雇用の海外移転のおかげだ。

 それと対照的に、ロボットは、雇用を、移転するのではなく、消滅させるのだ。雇用をアメリカから中国に海外移転するのと異なり、ロボットは両国で雇用喪失を引き起こすだろう。消費者収入が減れば、製品に対する需要も減り、生産高も減るだろう。だから、ロボットは、国内総生産を縮小する方法なのだ。

 利益計算上、ロボットが人件費を減らすのを待ち切れない技術オタクと大企業は、大量の人々が失業すれば、ロボットによる製品を購入する消費者収入がなくなることが理解できないのだ。ロボット自身は、住宅や食物や衣類や娯楽や交通機関や医療は不要だ。超大金持ちのロボット所有者連中は、自動化された製品をとうてい消費できない。消費者がいない経済は、利益がない経済だ。

 アメリカとロシアと中国の間にワシントンが起こした緊張について、大いに懸念するはずだと思うのと全く同様、原因が何であるにせよ、地球温暖化現象の経済的悪影響に対して準備をするはずだと思うのと全く同様、問題が我々の身に降りかかる前に、ロボットの経済的影響に関し、多くの議論が行われるはずだろうと思いたい。ところが、多くの危機に直面している国アメリカは、特別検察官が行われなかったと言った犯罪の調査を、トランプ大統領が妨害したかどうかに注意を集中しているのだ。

 本当の問題に対処する能力がない国に未来はない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/05/02/does-america-have-an-economy-or-any-sense-of-reality/

----------

 大本営広報部は見ていない。代わりに、澤藤統一郎の憲法日記 憲法集会に参集の人々と、一般参賀に列を作る人々と。を拝読


「両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願っていません」という退位礼正殿の儀での発言には驚いた。大本営広報部は報じているのだろうか?大本営広報部 、最近見ていないので断定的なことは言えない。でんでんせご氏らいしといえばそれまで。英語表現「Freudian slip」(直訳はフロイド的失言、つまり、うっかり出た本音)を思い出した。

日刊IWJガイド・日曜版「またも自称『私人』の橋下徹氏が、維新は『憲法改正に協力するための行動を起こすべき』と強調!/本日午後5時より、緊急事態条項の危険性をいち早く見抜いた永井幸寿弁護士による講演を再配信します!」 2019.5.5日号~No.2425号~(2019.5.5 8時00分)

 古館伊知郎氏が緊急事態条項の危うさを語る番組を先日youtubeで見た。28分。生で見た記憶はない。2016年。遠い昔のことのような気がする。そのうち全て削除されるだろう。この番組を酷評した新聞があったのは驚くようなことではない。どの新聞か言うにはおよぶまい。

2019年5月 4日 (土)

日本の政治的野心はエネルギー依存により危険にさらされかねない

2019年4月29日
ヴァレリー・マトヴェエフ
New Eastern Outlook

 外交政策を際立って強化した日本に関して、最近色々議論がある。日本は日米豪印四カ国戦略対話(クワッド)の枠組みによる多国間協力で、インド太平洋戦略を促進するためにアメリカと共に働いており、これには自衛隊の強化と、ロシアとの集中的な平和条約交渉も関連している。

 日本の外交政策目的の一つが、国家が進んでいる国内の、社会的、経済艇発展を確保することであるのはよく知られている事実だ。それ自身のために全てのエネルギー需要を満たす十分な国内エネルギーを持たない日本のハイテク産業と工業化した経済にとって、経済成長のための最も重要な前提条件の一つは、途切れない輸入エネルギー資源を確保することだ。しかしながら、この問題解決に成功するには、ここで二つの鍵となる要因を強調する必要がある。十分な供給と、魅力的な価格だ。日本経済の、エネルギー源と、供給が一体どこから来るのかに関しての理解を試みよう。

 日本の面積は37万平方キロメートルを超えるが、現在、日本は自身のエネルギー需要を満たすのに十分な天然資源を持っていない。主に、これが過去に行われた天然資源の積極的な開発と結びついており、全ての油田やガス田や、日本で活動した全ての採鉱企業の地図を見れば、かなり良く分かるはずだ。

 日本はアメリカと中国に次いで世界3番目の石油消費国だ。日本は年間約20億バレルの石油を消費するが、そのうち99.7パーセントが輸入だ。東京は、輸入については、北京を越えて第二位で、世界ランキングの大物だ。日本の石油の供給を脅かす重要なリスク要因は、日本がその地域(サウジアラビア 31.1%、UAE 25.4%、カタール 10.2%、イラン 11.5%、クウェート 8.2%)から、全輸入石油の86パーセント以上を購入している中東での紛争 - 激化しかねない暴力的突発事件だ。

 だから、アジア太平洋のガス市場で、日本の当局が状況を心配してモニターしているのは少しも不思議ではない。「青い燃料」に対する需要がひたすら増大する構造になっている中国は、アジア太平洋からの液化天然ガス(LNG)の主要購入国だ。

 それほど大昔ではないが、日本はロシアからガスを輸入することにより、この市場における立場を強くする試みさえした。日本企業が、サハリンから、年間200億立方メートルの容量のガスパイプライン建設プロジェクトを開発した。現在の日本の、1230億立方メートルのガス消費を考えれば、もしこのガスパイプラインが建設されれば、東京はこのタイプの燃料に対する国の需要の6分の1を満たすことが可能になるはずだ。だが、2014年、日本は「クリミアのため」ロシアに対する制裁を課し、エネルギー輸入国として、島国の際立って脆弱な状況を改善することができたはずなのに、プロジェクトを放棄した。

 結果的に、東京はLNG供給を確保するため、他のアジア太平洋の国と競争する以外に他のどのような選択もなく、それはエネルギー経費を高騰させ、十分な供給の保証がないままになっている。

 日本には、多少の石炭埋蔵量はあるが、世界最大のLNG輸入国だ。2017年、日本は2億900万トンの天然ガスを購入するため、230億ドルを費やした。世界の石炭供給の約18パーセントが日本に行く。鉄鋼業用の冶金用石炭輸入とともに、日本は火力発電用の石炭輸入も増やしている。これは、まだその時点まで稼働していた原子力発電所の停止によって引き起こされた電力不足のためだ。この背景に対して、今後数十年の展望は日本が多数の新しい火力発電所で、主に電力生産のために石炭を使うだろうことだ。

 日本の石油とガスと石炭輸入のデータは輸入エネルギー供給に対する東京のほぼ完全な依存を強調している。この輸入エネルギー資源の入手可能性は、主として、それが生産される地域中東と、中国の影響が増大しているパイプライン沿いの地域の安定性/不安定によって決定される。成長するアジア太平洋市場が毎年ますます多くのエネルギーを消費するにつれ、エネルギー価格は、現在今までで最高になっている。

 所与の状況下では、日本のエネルギー安全保障にとって、経済的な意味で最も費用効果が高い方法の一つは、東京が必要とするあらゆる種類のエネルギー資源を所有し、輸出する能力があるロシアとの、より大規模な協力だ。ロシアと日本が共有する国境は、エネルギー供給が途中で中断されないことも保証する。

 この記事としての結論は、ワシントンに対する日本の過度の依存が、モスクワとの平和条約の欠如もあって、(直接の供給と、他の国を通過しての)エネルギー供給分野での、日本とロシアの協力を増す努力を挫折させる障壁の役割を果たしているということだ。一つ目の要因、アメリカに対する日本の過度依存の影響は、日本がロシアに制裁を課するアメリカ政策に表明を支持して、日本とロシア間の二国間の協力を挫折させて、日本の国益に矛盾するだけでなく、日本の国家安全保障という基本的権益にさえも反しているのは、明白だ。2番目の要因は平和条約だ。安倍晋三首相政権は解決を見いだそうと懸命に努力しているが、彼らがとっている手法は双方が恩恵を受ける条約には向かっていない。

 地政学の大ゲームへの回帰という日本の野心が、東京のエネルギー輸入依存によって押さえられているのは明確だ。ドイツで起きたことは、ヨーロッパ最強力の経済で、主要エネルギー消費国で輸入国の一つとして、よく似た状況の国の良い例になっている。ベルリンは「ヨーロッパ経済の機関車」に燃料を供給するため、費用効果が高い天然ガス供給を保証すること重要さを承知しており、現在、ワシントンの強い反対にもかかわらず、バルト海底にガスパイプラインを敷設するノルドストリーム2プロジェクトを実施している。

 だから、東京がベルリンの経験に習って、近い将来、ワシントンに細心の注意を払うことをやめて、日本自身の利害を図り始め、両国に有益なロシアとの二国間関係を発展させる先例に続く可能性は排除できない。

 ヴァレリー・マトヴェエフは経済評論家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/29/japan-s-political-ambitions-could-be-jeopardized-by-its-energy-dependence/

----------

 満州を経営した戦犯が、宗主国による支配政策の走狗として、絞首刑を免れ、首相になり、日本そのものを満州化した。今も孫が、宗主国支配政策の走狗をつとめる国で、軍事や外交や経済政策が、自立をめざすものになるわけがない。そういうことをした瞬間、ヤヌコヴィッチとはいわずとも、田中角栄のような運命が待ち受けているのはご本人も官僚も大企業幹部も重々ご承知。非合理な兵器爆買いは強制されても、合理的なエネルギー資源調達が許されるわけがない。植民地がいつの日か独立できれば別だが。宗主国広報機関のマスコミは、こういう話題は報じない。

 澤藤統一郎弁護士による記事
 安倍君、これ以上、沖縄をいじめるのはやめなさい! 大事な憲法をいじるのはやめておとなしく身を引きなさい!

 ジャーナリストの岩垂弘氏による記事

 「改憲を急ぐ安倍政権を打倒しよう」 - 東京の憲法集会にこれまで最高の65、000人 -

ハンプティ・ダンプティが落っこちた

2019年4月29日
Paul Craig Roberts

 民主党とアメリカの印刷・TVメディアを構成している、狂気の腐敗した人々が、ロシアゲートは本物だと強く主張し続ける中、まさに本物の脅威が、ロシア、中国、朝鮮民主主義人民共和国とイランで出現している。脅威は、ワシントンが、アメリカの誠実さなど信じないようそれぞれの国に教えたという事実から生ずている。四カ国の政府は、ワシントンが言うこと全てがウソだということを学んだのだ。

 さらに、この国々は、ワシントンが彼らの主権を受け入れず、彼らの存在に反対していることを学んだのだ。四国それぞれが、彼らの政府を打倒するか、ワシントンの意志に従わせことを狙った制裁を経験している。

 ロシアはずっと以前から、ワシントンがロシアの周囲に配備したミサイルの輪は防御用で(ありもしない)イラン・ミサイルに対するものだというワシントンの不誠実な主張の本質を見抜いている。プーチンは「防御用」ミサイルは、ロシアに反撃の時間的余裕を与えない攻撃用核弾頭ミサイルに容易に、素早く転換できると何度も言っている。私は常に、これらアメリカ・ミサイル受け入れるポーランドとルーマニア政府のまったくの愚かさに驚嘆している。ポーランドとルーマニアの当局者は、莫大な賄賂を支払われたのは確実だが、死者にとって金は何の役にも立たない。今欧米とロシア間に高い緊張がある時代に、ロシアがこのような使用可能な兵器がロシア国境にあるのを許さないのは確実だ。

 ロシアに対するこの無謀な挑発に満足せずに、アメリカ政府を構成するうつけもの連中は、ロシアと中国の核抑止力を無力化することができる兵器を宇宙に配備する計画を発表した。この無謀で無責任な計画に、ロシアが気付かないわけがない。先週、ロシア参謀本部作戦総副局長のヴィクトル・ポズニヒル中将が、ワシントンの「発射時迎撃」計画は、ワシントンがロシアと中国に対して先制的核攻撃を準備していることを明らかにするものだと発言した。特に、ロシアが、既知や配備済みの、どのミサイルによっても迎撃不能な極超音速ミサイルを持っているのだから、ロシアと中国が座視して、ワシントン攻撃を待つはずがないのは確実だ。

 ワシントンと、ヨーロッパの腐敗した家臣がしているのは、他の国々にとっての厄介払い、欧米の墓の準備だ。

 ロボットによる大量失業や、原因が何であるよせよの地球温暖化や、増大する核戦争のリスクなど、本当に重要な問題に対するあらゆる注目を、利己的な政治プロパガンダで締め出すことにアメリカでは成功している。他の国々からアメリカを見ると、国家安全保障に対する二つの最大の脅威が、ベネズエラと、大統領執務室に座っているロシア工作員だと言われている精神病院が見えるのだ。

 これほど愚かな国を、誰も真剣に受けとめることはできない。そこで、誰もがほっとすることに、アメリカの権力は崩壊しつつある。ドイツやイギリスやフランスなどで、ワシントンからたんまり金をもらっている傀儡さえ、シャルル・ドゴール時代以来、見ることができなかった独立の兆しを示している。

 ロシアや中国やイランや北朝鮮は、自分たちがばか者を相手にしているのを知っており、決して危険を冒すようなことはしない。彼らはアメリカとの協定には何の意味もなく、ワシントンは常に二枚舌なのを知っている。

 精神病院に進んで協力しようという意志が消滅するにつれ、ワシントンは、外国でますます挫折する。その結果、国内での暴政は、ますますひどくなるだろう。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/04/29/humpty-dumpty-has-had-a-great-fall/
-----------

 「ハンプティ・ダンプティが落っこちた」は童謡マザー・グースのひとつ。ハンプティ・ダンプティが壁から落ちて粉々になり、総出で元に戻そうとしたがだめだったというもの。「たまご」の謎かけ歌。

 最後の文章で、グレッグ・パラストの書名を思い出した。座布団一枚!

 Armed Madhouse: From Baghdad to New Orleans-Sordid Secrets and Strange Tales of a White House Gone Wild

 「アメリカの欧米属国」という表現を見るたび、浪曲森の石松三十石船道中を思い出す。肝心な最大属国が出てこないので。アメリカに行けば、赤絨毯は踏ませてもらえず、カナダに行けば、チャイナと呼ばれる傀儡が。「そうだってな、そんなに何か、アレは弱いかい」

 旅行けば、駿河の道に茶の香り、で始まるあの名作。

「飲みねェ、飲みねェ、オゥ飲みねェ、
オゥ、寿司を食いねェ、寿司を。
もっとこっちへ寄んねェ。江戸っ子だってね。」
「神田の生まれよだい。」
「そうだってな。そんなに、何か、石松は強いかい。」

 夕方、金沢城付近を走る番組を見た。数回しかいったことがないが、なつかしい。

 夜は大本営広報部呆導ではなく、デモクラシー・ナウの番組二つを拝見。

 植草一秀の『知られざる真実』
 安倍改憲戦略=消費税増税凍結&衆参ダブル選選択


「産経新聞の記事」とは目を疑う、憲法記念日に相応しい演説。

 元NHK・永田浩三氏「安倍君、憲法をいじるのはやめろ」

ご本人のビデオメッセージ、ひどい内容に決まっているし、気分が悪くなるので、みることができない。

日刊IWJガイド「昨日3日の憲法記念日に、安倍晋三総理が憲法改正派集会に寄せたビデオメッセージで、緊急事態条項を含む改憲4項目について『道筋をつける覚悟』とついに表明!/本日午後4時より、【改憲勢力が狙う『緊急事態条項』の危険性に迫る!シリーズ再配信】岩上安身による早稲田大学法学学術院教授 水島朝穂氏インタビューをフルオープンで再配信!」 2019.5.4日号~No.2424号~(2019.5.4 8時00分)

 

 

2019年5月 3日 (金)

ベネズエラでグアイドが敗北し、ホワイトハウスは陣太鼓を叩き始めた

Moon of Alabama
2019年5月1日

 昨日のベネズエラでのクーデター未遂は、トランプ政権の国際的立場を大いに傷つけた。アメリカのベネズエラ傀儡フアン・グアイドとレオポルド・ロペスの権威を失墜させた。連中のもともとの「政権転覆」計画が(再び)失敗したことを認識した後、ホワイトハウスは陣太鼓を叩き始めている。

 ああいう計画ではなかった

3カ月以上前、彼が最初にマドゥロ大統領の権威に挑戦した時から、グアイドを支持していたトランプ政権は、当日事態は明らかに違う展開をすると考えていた

 フアン・グアイドと、彼の師レオポルド・ロペスによる滑稽なクーデターの企てがなぜうまく行くとトランプ政権が信じた理由の公式説明はない。

 だがニコラス・マドゥロ大統領政権が罠をしかけたという兆候がある。ベネズエラ政府上層部の数人が彼らがアメリカの手先側に寝返るつもりだと虚偽の約束をしたのだ。彼らは、彼に失敗させるため、クーデター始めるよう、グアイドをだましたのだ。

 ワシントン・ポストの要約は誰もが重要人物が寝返ることを期待していたと言っている。

カラカスでの混乱は、計画は進んだが、期待通りに展開しなかった可能性を示している。
...
寝返るつもりだというマドゥロ政権幹部による約束は実現せず、次の段階を議論する際、政権はますます懸念しているように見えた。
...
火曜日早々、ボルトンは記者団に、トランプが「分刻みで」ベネズエラでの政治的進展を見ていると語っていた。マドゥロを非難し、政治的敵対勢力を受け入れるよう、ボルトンは個々のベネズエラ幹部に異常な公的圧力を加えていた。
...
「非常に微妙な瞬間だ」とボルトンが言った。「大統領は穏やかな政権移譲を望んでおり」もし十分な人数の軍と政府の幹部が寝返れば可能だろうと彼が補足していた。
...
マドゥロ政権を分裂させる明白な試みで、ウラディミール・パドリノ・ロペス防衛大臣を含めた政府幹部が、グアイドと極秘交渉をしており、マドゥロ打倒支援という「約束をしっかり守る」よう要求したとボルトンは述べた。
...
ボルトンは具体的に、ベネズエラ幹部三人、国防大臣と、最高裁判所裁判長と、大統領警備隊指揮官に、グアイドの権力奪取を支援するよう要請したと述べた。
...
ある中南米国の幹部が、「過去数週間」、パドリノと他の二人と反政府派の交渉が行われており、彼ら三人がグアイドの権力奪取を許すべく「憲法秩序」を支持して公式に名乗り出れば、今の地位が保障されることになっていたと語った。動きが速い混乱した状況について、匿名を条件に話をしたこの幹部は、交渉に関係していた人々は一体何がまずくなったのか、説明をしていないと述べた。
...
火曜日、トランプ政権のベネズエラ特使エリオット・エイブラムスは、記者団に、アメリカは、パドリオが、マドゥロに任命された最高裁判所裁判長と国家警備隊司令官頭とともに、必ずしもグアイドではなくとも、ベネズエラ憲法に対する、彼らの支持を宣言することを期待していたと述べていた。
...
反政府派が、計画されたデモに先行して、マドゥロ政権の影響力ある幹部三人と話し合いをしていたと彼は述べた。
...
やはり月曜、グアイドのアメリカ大使カルロス・ベッキョは、野党指導部が「マドゥロ側近の一部との会談」をしており「彼らがマドゥロは、もはやどうにもならないことが分かっていると言った。マドゥロは過去の人だ...それが彼らがベネズエラの異なる未来を探求しようと望む理由だと。」

 ワシントンの全員が、ベネズエラ政府の重要人物たちが寝返ると信じていた。彼らは寝返らなかった。ウラジミール・パドリーノは、グアイドがクーデターを発表してから、1時間以内に、それを拒絶した。グアイド側は、ベネズエラの防衛大臣や数人の他の当局者や幹部職員にもてあそばれたように思われる。彼らはグアイドを支持すると約束したように見えたが、結局、彼を当惑させる措置をとらせるよう、彼をからかったに過ぎない。

 マクラッチー紙の「何がまずかったのか?」という見出しの短い記事がこの解釈を裏付けているようだ。

カラカスのカルロタ空軍基地で、グアイドが夜明け前の演説をした直後、ホセ・オルネラス参謀総長と、影響力があるヘスス・スアレス・チョウリオ司令官が軍蜂起の背後にいたといううわさが広まった。だが直ぐさま、二人はマドゥロに忠誠を誓う拡大する幹部リストに入った。
...
出世と生活をマドゥロとベネズエラ統一社会党に負うている軍当局者が、彼を見捨てなかったのは驚くべきではないとワシントンの元アメリカ外交官が匿名を条件に言った。

彼は少なくとも10日前に蜂起を呼びかけるグアイドの計画を知っていたと言った。

「私がそれを知っていたのだから全員知っていたのです」と彼は言った。「[マドゥロ]政権はそれが起きるのを知って、用意ができていました。政権は、おそらく政権内の人々が反政府派と話をしていることも、それを承認しているのも知っていたでしょう。」

 フアン・グアイドの恩師レオポルド・ロペスに起きたことを見れば、クーデターの完全な失敗は明白だ。2014年、死傷者を出した暴動を指揮したかどで、彼は自宅軟禁されていた。昨日朝、監視役は彼を見逃した。状況は明確ではないが、監視の責任を負う警察本部長は解雇された。ロペスは支持者にミラフロレスの大統領官邸に行くとを約束した。だが彼は東カラカスを出ることができなかった。昨夜ロペスは、妻と娘と一緒にチリ大使館に逃げた。彼らは宿泊施設が気に入らなかったようだ。2時間後、彼らはスペイン大使館に引っ越した。大使館の食事は良いかもしれないが、彼らの快適な大邸宅とは全く違う生活だろう。グアイドを支持した兵士の一部がブラジル大使館に避難した。グアイドはまだ自由だ。

 マクラッチー紙はクーデター未遂の帰結にも注目している。

「グアイドの動きは、極めて危険な賭けでもある」[ユーラシアグループのアナリスト、リサ・グレイス-ターゴウ]は書いている。「もしマドゥロが成功裏に反乱を鎮めることができれば、彼が依然軍の強い支持を享受している兆しで、反政府派を意気させるだろう。」
...
グアイドは軍の支持を宣言するという危険を冒したが、もし軍が彼を支持しなければ、壊滅的打撃になりかねないと[元海兵隊とアメリカ南方軍の情報アナリストで、フロリダ国際大学ジャック・D・ゴードン公共政策研究所所長を勤めるベネズエラ安全保障専門家ブライアン・フォンセカは]述べている。「今日の動きが失敗に終わるかどうか - それはグアイドの動きの信頼性に何を意味するだろう?」

 グアイドと、トランプ政権の彼の支援者は、マドゥロ政府と軍の一部の重要人物がマドゥロを攻撃すると信じこまされた。誰も寝返らなかったので、彼らが開始したクーデターの企ては数時間でばらばらに粉砕された。連中のあらゆる大言壮語は今やぺしゃんこだ。グアイドは信頼性を失った。ワシントンはまだ彼を支援するかもしれないが、おそらく、カラカスには彼を信じる人間は誰も残っていない。

 ボルトンとポンペオとエイブラムスと、もちろんドナルド・トランプは連中の強硬姿勢にもかかわらず、単純なクーデターさえ組織できない道化役者であることがばれた。結局、下手な素人芝居と化したものを、連中は公的に多数のツイートやインタビューで支持したのだ。今後10年、外交団はこのエピソードについて冗談を言うに違いない。

Sakerはこう言っている

帝国は強そうに見えるだけだ。現実には、弱く、混乱していて、どうしてよい分かっておらず、最も重要なことに、1945年以来、一つも重要な戦争に勝てていないにもかかわらず、皆を脅して服従させることができると考えている無能な凶悪犯の悲しい徒党に運営されているのだ。ベネズエラの民意を壊す能力のなさは、この気が遠くなるような弱さの最新の徴候に過ぎない。

 クーデターの企てが失敗したことが明白になると、ホワイトハウスは他の連中を非難し始めた。ホワイトハウスは、マドゥロが亡命するのをロシアが思いとどまらせたと主張した。ベネズエラに兵士ではなく、20,000人の医者を派遣しているキューバがベネズエラ軍を支配して蜂起を防いでいるのだと言った。ホワイトハウスは陣太鼓を叩き始めている。

 面目を失って、トランプ政権は今日その言説を強化した。

ワシントンはベネズエラの危機に対処する上で「軍事行動」の可能性もあるとマイク・ポンペオ国務長官が発表した。戦争挑発言説を和らげて、平和的選択肢がより望ましいと言った。

「もしベネズエラで民主主義を復活させるのに必要なのであれば、もし究極的に必要とされるのであれば、アメリカは軍事行動を考慮する用意があるか?という質問があるならば、軍事力行使という選択肢があり得ることについて[アメリカ]大統領は一貫しており、はっきりしている」とポンペオはフォックスニュース・インタビューで述べた。

 トランプ政権は、心理戦と見なされるものも開始した。

火曜夜、アメリカ連邦航空局(FAA)は、アメリカ航空会社が「増大する政治不安と緊張」を理由に、追って通知があるまで、ベネズエラ領空の7800メートル以下を飛行するのを禁じる命令を出した。

FAA通知は、現在、ベネズエラにるあらゆる航空会社が、個人ジェット機を含め、48時間以内に離陸すべきだと言っている。
...
3月、アメリカン航空グループは、ベネズエラが政治不安と不穏状態と戦う状態なので、同社はベネズエラへの便を無期限に停止したと述べていた。

 いくつかの他の航空会社も同様に便をキャンセルしている

スペインの航空会社エア・ヨーロッパは、水曜日のカラカス便をキャンセルしたと言う。便は、以後10日にわたり、ベネズエラでの「最近の進展」の影響を受けるかもしれない。

カラカスに本拠を置く旅行代理店モリナ・ヴィアヘスは、水曜日にマイアミ往復便を停止したと言う。

エステラール航空はアルゼンチンのブエノスアイレスからカラカス行きの水曜の便をキャンセルしたと言う。同社はペルーとチリ行き/からの便は運行していると言う。

 こうしたFAA命令は、活発な航空戦が継続していて航空防衛兵器の発射が予想される国にしか出されないものだ。今のところ誰もアメリカがベネズエラに巡航ミサイルを発射したり爆撃したりするとは思っていない。そのようなことは全く正当化不能だ。

 それから、もしベネズエラで「大虐殺」が起きたら、ホワイトハウスは一体何をするだろう。偽旗作戦で、もし何百人ものグアイド支援者が、機関銃を振り回す兵隊になぎ倒されたら、アメリカは確実にマドゥロ政府を非難するだろう。アメリカ・メディアと民主党が、政権転覆戦略で、ホワイトハウスと完全に足並みを揃えているので、軍事力行使への反対はないだろう。それで、ベネズエラ政府の目標、主に航空防衛システムに対する「人道」爆撃が正しい対応だと見なされかねない。

 何かが企まれているという、一つの(スペイン語から機械翻訳)不吉ながある。

アメリカのパトリック・シャナハン国防長官代行は、国家安全保障会議と政府の他省庁と、ベネズエラの状況とメキシコ国境における軍の任務の両方について「より効率的に調整する」ため、5月1日水曜日から始める予定だったヨーロッパ出張をキャンセルした。

「ワシントンDCに留まれば、ベネズエラ状況を、ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)と国務省と一層効率的に調整するのが可能になると判断したため、シャナハン長官は、ヨーロッパには出張しない。」と国防総省が声明で述べた。
...
シャナハンはヨーロッパ歴訪でドイツとベルギーとイギリス訪問を予定していた。

 何かがたくらまれているというもう一つの兆しは今日のロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とアメリカのマイク・ポンペオ国務長官の電話会話だ(ロシア語から機械翻訳)。

5月1日、アメリカの攻勢に関し、ロシア連邦のセルゲイ・ラブロフ外務大臣とアメリカのM・ポンペオ国務長官との間で電話会話が行われた。

明らかなアメリカの支持を得て、反政府派が権力を掌握しようと試みる直前のベネズエラ状況が話題だ。ワシントンによる主権国家の内政干渉、指導体制に対する恫喝は、国際法の著しい侵害だと、ロシア側が強調した。攻撃的措置の継続は、極めて重大な結果を伴うことが示された。ベネズエラ国民のみが自らの運命を決定する権利を持っているが、それには政府が長い間呼びかけてきた国のあらゆる政治勢力の対話が必要だ。破壊的な外部からの影響、特に強制的なものは、民主的プロセスとは無関係だ。

 国防総省将官は、議論の強化は全く好きではあるまい。連中は彼らの地図を見て、ベネズエラがイラクの面積の二倍で、アフガニスタンより30%以上大きいのに気付くだろう。ベネズエラ軍さえあえて入ろうとしない通ることができないジャングルや山やスラムがある。機能する陸軍と最近ロシア専門家が強化した、かなりまともな航空防衛システムがあるのだ。

 トランプがベネズエラに戦争をしかけることを望んでいる可能性は低い。それが簡単なことではなく、再選にとって重大なリスクであるのを彼は多分を知っている。だが、ボルトンやポンペオが、連中の思いどおりにできるように、トランプに一体何を言うかわからないのだ。連中はマドゥロ政府にはめられたばかりだ。彼らがトランプをはめないわけなどあるだろうか?

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2019/05/venezuela-guaid%C3%B3-got-snookered-white-house-starts-beating-war-drums.html

----------

 70年以上、アメリカ軍植民地状態を継続している劣等では、日本版のステロイド増強グアイドや、傀儡政党、傀儡政府機関、傀儡司法機関、傀儡マスコミ、傀儡学界に至るまで、ベネズエラとは大違いで大活躍。立派な傀儡ファシスト国が完成している。今のテレビと新聞をはその証明。といっても、バラエティー番組も呆導番組も見ていないのだが。

リテラ
新天皇の「お言葉」で「日本国憲法」尊重姿勢が弱まった理由は…背景に安倍首相による取り込みと官邸の圧力

澤藤統一郎の憲法日記
新天皇就任の発言を逐語的に点検する。

中米に対する中国の新たな注力に不満なワシントン

2019年4月24日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook

 これまでのところ不成功の、ベネズエラで政権転覆をするためのトランプ政権による支援では、マドゥロ政権に対する中国の巨大な金融プレゼンスに標的を定めていることが明確になっているが、キューバ海域における石油での中国の大成功という最近のニュースは、明らかに、地政学的緊張を高めるだろう。しかもそれは、ベネズエラとガイアナとブラジルだけが関係しているわけではない。

 4月16日の中国国営通信社新華社報道によれば、中国の主要国有石油会社、中国石油天然気集団CNPCは、子会社のGreat Wall Drillingを通し、国有石油企業キューバ石油会社(CUPET)とのジョイント・ベンチャーで、キューバ沖の石油探査を始めた。Great Wall Drillingは、2005年からキューバで石油探査に従事していたが、これは今日までで最も有望な結果だ。中国石油天然気集団の先進的掘削技術が、初めてキューバ沖での本格的な石油の可能性を開いた。

 ワシントンが、ベネズエラの石油収益と同様、キューバにベネズエラの低コストの石油を与える合意を制裁目標としている中での、ニュースだ。制裁にもかかわらず、キューバに石油を供給することをマドゥロ政権が強く主張し続ける中、明らかに供給の安全性はより危険になり、供給は減っている。

 4月21日、アメリカのジョン・ボルトン国家安全保障担当補佐官が、ワシントンは、共産主義政権に差し押さえられた不動産を使用する外国人を、アメリカ裁判所に告訴するのを可能にする、これまで使われていなかった法律を使うつもりだと発表した。それがどれほど激しくキューバに影響するか明確ではないが、キューバ投資考えている外国企業を明らかにくじくだろう。

 キューバは何千人というキューバ人医師や医療関係者と同様、ベネズエラでマドゥロ大統領を支持するため、大規模な軍事援助を提供していること良く知られている。それほどよく知られておらず、おそらくボルトン宣言の背後にある、語られていない動機は、両国における中国の存在だ。

 キューバにおける中国のプレゼンス

 キューバ経済への中国融資の詳細は、国家機密で、公表されていない。だが明らかに、冷戦中、フィデル・カストロ時代、ソ連の親密な友好同盟国となり、当時、中国との関係が悪化していたこのカリブの島で、北京は静かに、そのプレゼンスを増していた。ソ連崩壊以来、再びキューバにおけるプレゼンスを増しているノリリスク・ニッケル社のようなロシア企業によるいくつかの試みにもかかわらず、金融上の制限が、いかなる強力な新しいロシアのプレゼンスも妨げていた。

 中国はこのようなどの問題もないように思われ、キューバの自由化された経済で、多くの重要分野に投資している。キューバ貿易自由化以来、過去2年にわたり、中国は100両の機関車や、宇通客車のバス、中国重汽のトラック、YTOのトラクター、吉利汽車の車、ハイアールの家電をキューバに売っている。

 ファーウェイはインターネット・ホットスポットをキューバで構築しており、今日まで結果は出ていないが、ソ連により未完成のままになっているラス・カマリアカス・ニッケル加工工場での中国-キューバ・ジョイント・ベンチャーに対する6億ドルの中国投資の話し合いが進行中だ。キューバには世界で三番目に大きいニッケル埋蔵量がある。2017年、1億2000万ドルの中国の開発融資で資金調達して、ハイアールが、キューバで、ラップトップとタブレット年産能力120,000台のコンピュータ組立工場と、サンティアゴ・ド・キューバ・コンテナ・ターミナルを開設した。

 現在キューバが中国の米を大量に輸入し、何千という中国観光客や、毎年キューバに推定20億ドルをもたらすビジネスがあり、北京は、キューバの最大貿易相手国で、ハバナの最大債権者だ。中国が黒字の貿易不均衡の中、砂糖とニッケルは、中国に出荷される二つの主要キューバ産物だ。

 もし今中国が、本格的なキューバの沖合石油資源を開発すれば、中国のプレゼンスは飛躍的に増大し、軍事や、医学や、他の支援のための物々交換支払いとしての、キューバへのベネズエラ石油の減少は緩和されるだろう。今まで、ロシアのロスネフチが、キューバのために石油輸入ギャップを埋めてきた。

 中国のカリブ?

 中国は、ベネズエラに対しても、主要外国債権者としてしっかり確立しており、一部の推計では、負債は、610億ドルにものぼる。ベネズエラ石油は、明らかに関係の核心にあるが、中国企業は、ベネズエラで未開発の金やコルタン資源の採掘を期待している兆しがある。ワシントンがグアイド支持を宣言して以来、中国は、現地政治には決して関与しないと主張している国に似合わず、マドゥロ擁護で、いつになく率直だった。

 ベネズエラに対する中国投資の詳細は十分明らかではないが、中国は同様、2018年から、小さな元イギリス植民地が、中国の新経済シルクロードと呼ばれる一帯一路構想に公式に参加すのを歓迎して、隣接するガイアナでも、プレゼンスを確立している。それは、2013年に初めて、カザフスタンで習近平主席が明らかした、インド洋から大西洋まで、コンテナ深水港と高速鉄道の二重のネットワークで、全ユーラシアを結びつけることを提案した大本の北京のインフラ計画から、これは本当にはるか遠い。中国の一帯一路構想BRIはそれが展開するにつれ、明らかにグローバルな視点を発展させており、これは明らかにワシントンの一部の連中を不安にし始めている。

 ガイアナでは、中国企業と中国の資金で、北ブラジルのマナウスから、ガイアナまで、ブラジルに、遥かに効率的なパナマ運河へのアクセスを可能にし、出荷経路を何千マイルも短縮する道路網を構築している。膨大な未利用の鉱物資源で、ベネズエラと国境を接するブラジル・アマゾン地域への中国道路に結びつけるため、中国が、ガイアナの北海岸で深水港を建設する協議が、同様に進行中だと報じられている。ガイアナの人々は、道路と港は、ガイアナよりも中国に、遥かに役立つと言っている。いずれにせよ、それはアマゾンから、パナマ運河を通り、中国までの効率的な船舶輸送を可能にするだろう。

 そしてパナマ…

 キューバ、ベネズエラとガイアナにおける、静かながら拡大する中国の経済的存在感に、戦略上重要なパナマ運河における北京の最近の行動を加えれば、ベネズエラとキューバにおける開発に関するワシントンの増大する警戒感の一部の説明になる。

 2016年に中国の嵐橋集団(Landbridge Group)は、世界中で最重要な商品流通センターの一つに対する中国企業の直接アクセスを可能にする、運河の大西洋側最大の港、コロン自由貿易地帯のパナマのマルガリータ島港を買収した。これは、今日世界最大のインフラとエンジニアリング企業である国有企業の中国交通建設を使って、大きく拡大した。

 既に1997年、中国の和記黄埔有限公司、ハチソン・ワンポアが50年契約でバルボアとクリストーバルのアメリカが建設した港町の支配を獲得していた。現在、ハチソン・ワンポアは中国人億万長者李嘉誠の長江工業有限公司が所有している。

 2017年、パナマは台湾とワシントンに衝撃を与えて、北京を選んで、それまでの台湾承認を撤回した。今年の4月初旬、パナマのフアン・カルロス・バレラ大統領は、公式に中国の一帯一路構想参加を論議するため中国を訪問した。2018年12月、中国の習近平は同様にパナマに公式訪問をした。北京はパナマを優先順リストの上位にした。運河を通過する中国商品は、量の上で、アメリカについで、二位だ。

 マルガリータ島港のような肝要なパナマ・コンテナ港の中国所有に加えて、中国は一帯一路の旗印の下、パナマシティーからコスタリカ国境まで、41億ドルで、390キロ2の高速鉄道路線建設を提案している。

 これらの関係が発達するにつれ、メキシコのアンドレス・マニュエル・ロペス・オブラドール大統領は、一帯一路への参加を考えていると述べた。

 この戦略的環境の中、19世紀のモンロー主義、言説の事実上の脱け殻に訴えて、なぜワシントンがその裏庭、中米でいっそう強く反応し始めているかいっそう明確になる。絶望的に不足しているのは、昔の砲艦外交からはっきり離脱して、中南米全体の国々が、重要なインフラを開発するのを助ける手段を提供するワシントンによる一連の積極的な経済構想だ。もしそれが始まっていたなら、地域の雰囲気は、ワシントンとの協力にずっと友好的になれたはずだ。

 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/24/washington-not-happy-about-new-china-focus-on-central-america/

----------

 行楽日和だが、物見遊山はせず、デパートの物産展を覗き、『ぼんくら』と『にっぽん縦断 こころ旅』を見ている。呆導番組は、税金で害遊する国民代表が出てくるので、見ることができない。東京新聞とIWJは拝読している。

日刊IWJガイド「本日5月3日は憲法記念日!/令和の始まりとともに、自民党が怪しげな広報戦略『#自民党2019』プロジェクトを開始! 衆参ダブル選と緊急事態条項を含む改憲発議に向けた政治宣伝か!?」 2019.5.3日号~No.2423号~(2019.5.3 8時00分)

 

2019年5月 2日 (木)

ベネズエラと二者択一

2019年5月1日
クレイグ・マレー

 世界最大の石油埋蔵量を有する国で、ジョン・ボルトンががなりたて、ブラックウォーター傭兵派遣の申し出で支援されて、長年のCIA傀儡が軍事クーデターを企てる際で、私がどちら側に与するかの判断は実に簡単だ。

 フアン・グアイドはCIAの長期プロジェクトとして15年間育て上げられた。いまのところ阻止されたように見える彼による昨日のクーデターの企ては、ベネズエラの石油埋蔵をアメリカ覇権に戻そうとする取り組みの頂点だった。

 リビアやイラクやベネズエラのように、石油埋蔵量が豊富だが、アメリカにくみしようとしない国々には、自由民主主義を、武力で、急いで押しつけようとすることが多いのに、例えばサウジアラビアのように、膨大な石油埋蔵量があっても、アメリカの軍事支配を認め、欧米やイスラエルにくみする国なら、どれほど好き勝手に非民主的であっても良いというのは奇妙だ。ベネズエラの民主主義は不完全だが、サウジアラビアより遥かに民主的で、人権実績でも、ずっとましだ。欧米メディアと政治家の偽善は驚異的だ。

 偽善と身勝手は馬が合うのだが、あからさまな軍事クーデターを声援していた「リベラル」評論家連中が、自分の側が負けている今、人々が負傷させられたり、殺されたりしているとやかましく文句を言っているのは、重層的な身勝手だ。注意を怠らない人なら誰でも、明らかに軍事クーデター未遂だとわかるのに、昨日のマスコミは、平然とクーデター未遂と呼んでいた。

 今日、マスコミ報道は、驚くべきことに、クーデターの企ては全く起きなかったことになっており、ただ自然発生的な非武装抗議行動に過ぎず、それをクーデターとして描写しようと試みているのはベネズエラの悪の政府なのだ。今朝、BBCの番組「ブレックファースト」の大見出しは「マドゥロ大統領、クーデターをしかけたと反対派を非難」だったが、明白な事実の問題として、まさにそれが起きたことであるのは疑いようがない。

 今日のマスコミは「抗議行動参加者」に対する放水銃の映像や、抗議集団に激しく突っ込む軍用車両の恐ろしい映像で満ちている。だがそれは全て、その軍用車両が何時間も投石され、火炎瓶で火をつけられ、発砲されている映像を削除するため極めて入念に編集されたものなのだ。この見せ方は実に衝撃的だ。

 どんな文明国においても、軍事クーデターをしかけようとすれば、終身刑になるはずで、それが今フアン・グアイドに起こるべきことだ。知的誠実さの大義からしても、軍事クーデター未遂が決して起きなかったふりをして、連中の傀儡を守ろうとする欧米の試みには抵抗しなくてはならない。

 暴力に訴えようとすれば、二者択一の強制になる。私は、過去も今も、多くの点でマドゥロに批判的だ。議会を迂回する憲法改正は間違っていたし、間接的に選出された憲法制定議会は良い形の民主主義ではないと私は思う。ベネズエラでは汚職問題か蔓延している。アメリカの経済制裁は、悪化させたが、経済政策の失敗の根本原因ではない。人権の問題もある。だがチャベスは、貧しい人たちを教育し、権利を与える上で革命的変革をなしとげ、アメリカが据えつけるだろうCIA傀儡政権の下でより、大多数の国民にとって遥かに良く統治された国だ。マドゥロは合法的に選出された。暴力の試みは二者択一を強制する。

 私は自分がどちら側か知っている。グアイドとCIAの側ではない。

---------

 Integrity Initiativeや77th BrigadeやBellingcatやAtlantic Councilや、その他何百という戦争挑発宣伝作戦を含む我々の敵と異なり、当ブログには、国や、企業や、組織的資金源は全くない。当ブログは、もっぱら読者の自発的な定期購読契約で運営されており、多くの読者は必ずしも各記事に同意しないが、体制ではない意見や内部情報や討論を歓迎しておられる。

 当ブログを継続させるためにご購読いただければ有り難い

 (英語原文には、「ドロップダウン・ボックスから購読料金を選択願いたい。」とあり、実際、金額選択用ボックスがある。)

記事原文のurl:https://www.craigmurray.org.uk/archives/2019/05/venezuela-and-binary-choice/

----------

 東京新聞、「承継の儀に国費支出 反対・賛成」を見た(読む気力がでない)。反対派のお二人の記事は拝読した。
 賛成派の一人は、有名な日本会議の人物。

ワシントンが欧米の自由を破壊した

専制政治の時代が始まった
2019年4月26日
Paul Craig Roberts

 魚は頭から腐る。欧米では腐敗が加速している。ワシントンでの腐敗は速く、州政府や地方自治体や、外国の帝国属国政府にも広がっている。

ジュリアン・アサンジの違法な逮捕によって示された、ジャーナリズムに対するワシントンの攻撃は、今フランスに広がった。ワシントンの命令に従わない主権を持った国家を制裁するアメリカ政府の政策は、ニューヨーク州に広がり、そこで、知事は全米ライフル協会と事業する金融機関に対する制裁を警告した。

 フランスでは、家臣大統領のマクロンが、イエメンの女性や子供の大虐殺に意図的に使うのを承知の上で、マクロン政権が兵器をサウジアラビアとUAEに売ったことを明らかにした3人のジャーナリストに、取り調べのため出頭するよう命令した。この報道は、マクロン政権が、フランス兵器が、2014年の武器貿易協定に違反して、防衛用ではなく、攻撃用に使われることに気付かなかったと言った際、意図的にウソをついていたことを証明している。ジャーナリストが「国家防衛機密を危険にさらした」かどで、フランス・ゲシュタボに取り調べを受けているのだ。

 言い換えれば、フランス政府がウソをつくのは、報告すべき国家防衛機密の違反なのだ。

 欧米丸ごと、ワシントンのアサンジに対する手口を採用し、政府犯罪を守り、ジャーナリズムの実践を違法にしているのだ。もしあなたがウィキリーク情報がそうしたように、政府の犯罪を明らかにすれば、あなたは、そのかどで犯罪政府に起訴されるだろう。犯罪人を逮捕しようとしている警察と検察官を、犯罪人が起訴するのを許すようなものだ。

 修正第1条は「ヘイト・スピーチ」を可能にしているかどで、アイデンティティ政治により既に攻撃され、廃絶の標的に定められており、修正第10条は、戦争犯罪人エイブ・リンカーンに破壊され、人身保護令と適法手続きは、ジョージ・W・ブッシュとオバマ政権によって破壊されており、修正第2条だけがまだ有効だが、ニューヨークのアンドリュー・クオモ知事から攻撃を受けている。

 クオモは、金融機関に対する制裁という彼の恫喝が「全米ライフル協会を廃業させる目的であることを明らかにした。我々は全米ライフル協会に金融危険を押しつけている。彼らを潰すまで、我々は止めないつもりだ。」 専制君主クオモは、全米ライフル協会が、銀行預金口座と保険適用なしでは営業することができないことを知っている。

 誤解のないように言えば、人々に対して政府を兵器化することのワシントンによる成功は、帝国中、合衆国州政府へと下方にも広がったのだ。

 これに、デジタル革命により可能になった国民に対する大規模スパイを加えれば、結果は、自由の死だ。

 もはや「欧米民主主義国家」について語ることは、ウソを言うことだ。国民が責任を問うことができる欧米政府は皆無だ。出版・報道の自由がなければ、説明責任ある政府などあり得ない。政府による弾圧の標的になっている組織と事業関係を持っていたという理由で、事業が罰せられる時には、経済的自由も、結社の自由もありえない。

 「対テロ戦争」は、成功した攻撃、アメリカ憲法に対する攻撃のための偽装だった。歴史上、最悪の反逆罪行為は、アメリカ政府によるアメリカ憲法の破壊だ。

 専制政治の時代が始まった。選挙ではそれを止めることができない。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/04/26/washington-has-destroyed-western-liberty-the-era-of-tyranny-has-begun/

----------

 『しゃべり尽くそう!私たちの新フェミニズム』を読んでいる。題名からは想像できない中身の濃さ。東京新聞の望月衣塑子記者と、ジャーナリストの伊藤詩織さん、上智大学の三浦まり教授、公立中学校の平井美津子教師、新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世代表の四人との対談本。
 三浦教授が語る今の大学生、子供のような劣化に驚嘆。平井先生の語る中学校での教育に対する政府の悪辣な攻勢はすごい。慰安婦という言葉を教科書から削除し、育鵬社の教科書を広域採用させて押しつける先駆者が、何と大阪だったという。『マンガ嫌韓流』を出している晋遊舎と同じ住所にある日本教科書株式会社が中学校の道徳教科書を出しているという。園児が教育勅語を唱える大阪の幼稚園を思い出した。

 中学校の歴史、公民教育、宗主国侵略戦争にだまって出征する国民を作り出すのが狙いだろう。今幼稚園児や中学生だけでなく国民全員洗脳キャンペーンにさらされている。

 大本営広報部では、読めない記事を、『ちきゅう座』で拝読している。
 山川哲氏の記事
 テレビ、新聞の報道管制(自主規制、忖度、あるいは強制)に断固抗議する!

 澤藤統一郎弁護士の記事
 本日退位する天皇夫妻が客観的に果たした役割とは


 植草一秀の『知られざる真実』の5月1日記事
 2019年重要日程設定のすべてが国政選挙対策

 『しゃべり尽くそう!私たちの新フェミニズム』の三浦まり教授との対談に、「独立メディアは空気をかえます」とある。猿田弁護士との対談にも、岩上氏による質問の話がある。

日刊IWJガイド「『新元号がつく最初の社会問題!』令和『お祭りムード』が演出される一方で、令和の年金制度は『大改悪』へ急加速!?新元号の陰で進む安倍政権の年金改悪を見逃すな!/本日午後7時より、【平成から令和へ天皇と日本の歴史を考えるシリーズ】岩上安身による 作家・編集者 矢部宏治氏インタビュー(第2弾)」 2019.5.2日号~No.2422号~(2019.5.2 8時00分)

 

2019年5月 1日 (水)

スリランカ爆破攻撃:もう一つの中国同盟国を標的にしたテロ

2019年4月25日
Tony Cartalucci
New Eastern Outlook

 南アジアの国家スリランカにおける最近の悲劇的なイースター攻撃は、何百人も殺害し、負傷させたが、不幸なことに、全て余りに良く知られた手口だ。

 ニューヨーク・タイムズが「スリランカ攻撃について我々が知っていることと、知らないこと」という記事でこう報じている。

スリランカ当局は、ほとんど知られていない急進的イスラム主義集団ナシュナル・タウヒード・ジャマアトが国際過激派戦士の手助けで攻撃を実行したと述べた。

 これら過激派が大規模攻撃に外国スポンサーから資金を得ていたことも報じられている。この攻撃で、全て不適切な理由で、多くの一般大衆に、スリランカが初めて有名になった。

 一帯一路への反撃。分割と破壊

 スリランカは、一帯一路主要構想パートナーとして、最近、決定的に、北京に軸を転回した。そうなるのを阻止するためのワシントンによる最善の努力にもかかわらずだ。

 結果的に、ワシントンの「文明の衝突」に拍車をかけられた過激派が、スリランカの多数派仏教徒と、少数派イスラム教共同体の間での紛争拡大をお膳立てするのを助けたのだ。結果として生じる紛争は、スリランカの国としての団結を、そしてそれにより、中国のパートナーとしての生存能力を傷つけることを目指す、アメリカによる強要と、不安定化と、介入のための手段として機能する。

 アメリカが支援する仏教徒過激派が、アメリカ-サウジアラビア-カタールが支持するイスラム教徒ロヒンギャ少数派の下からのし上がった過激派に対して戦っている近くのミャンマーでも、ほとんど同じ策略が使われている。

 結果として、まさに中国が、地域で広がる一帯一路構想のもう一本の脚を作ろうと試みている国、ミャンマーのラカイン州で、暴力紛争と増大する人道的危機が進展しているのは、決して偶然の一致ではない。

 スリランカは、大規模な鉄道港湾や空港や道路プロジェクトを、全て北京援助で推進するという形で、本格的に一帯一路に参加した。スリランカは、欧米政策当局にも、伝統的にアメリカに支配された海域を通って、中国が航路を安全に保つことができる強みである中国の戦略上の「真珠の数珠」の一つと考えられている。

 これらプロジェクトは「中国が、スリランカに港をしぶしぶ差し出させた手口」という見出しのニューヨーク・タイムズ記事や「スリランカでの、中国新シルクロードは期待はずれ」という France24記事が、ワシントンが長い間優位性を得ていると思い込んでいた地域アジア中に、中国が影響を広げていることに対する、ワシントンの反対の高まりを特徴づけて、欧米メディアこぞって、あざ笑っている。この地域の発展に関して、中国と競争する能力はワシントンにはない。その代わりに、アメリカはスリランカのような国を軍事援助で誘惑しようとした。

 「戦略上重要な島に対する中国投資への対応で、アメリカはスリランカ軍に3900万ドル供与」という見出しの記事で、AFPは、こう報じている。

スリランカの向けのアメリカ資金は、ワシントンが「インド太平洋の法の支配に基づく自由な開かれた国際秩序」を保証すべく、南アジアと東南アジアのために取ってある3億ドル・パッケージの一部だ。

 この「インド太平洋の法の支配に基づく自由な開かれた国際秩序」は、あらゆる政策文書外交声明政治演説で、アメリカが定期的に、アジアでのアメリカ優位性に言及する手口だ。

 「軍事援助」が、具体的インフラ計画を通して、国家発展に拍車をかけることを目指す、中国による大規模投資と決して競争することができないのは明白だ。

 公然と平等な経済基盤上で競争するアメリカの能力のなさが、政治干渉と暴力にとって変わられているのだ。

 スリランカの危機は、アメリカが操るミャンマーでの危機とつながっている

 アメリカは、何年もの間、ミャンマーで民族間対立をあおってきたことは文書で証明されている。アメリカは、上から下までアメリカ国務省に資金供給された「活動家」が居並ぶ彼女の政党国民民主連盟党(NLD)とともに、アウン・サン・スー・チーを「国家顧問」据えて、権力の座につけた。

 スー・チーと彼女の政党と、両方を支持する党派を巡り、欧米メディアが作り上げたリベラルなうわべにもかかわらず、見境ない偏狭と人種差別がこの三者に蔓延している

 同時に、アメリカに資金供給された非政府組織(NGO)を装うフロント組織が、ロヒンギャ共同体を、同様な、対立する政治的武器として取り込み組み巧みに利用しているが、アメリカ同盟者のサウジアラビアやカタールは、ラカイン州で武装暴力を実行するため、ロヒンギャ共同体の派閥を急進化させ、武装させ始めている。

 結果として生じる紛争は、北京の増大する影響力に対抗するため、ワシントンがミャンマーにアクセスし、利用できるよう、アメリカと、そのパートナーが、より大規模に介入する口実となっている。

 アメリカが今のスリランカを含め、他のアジア諸国で再びそうしようと試みているのとまさに同じ方法で、アメリカはミャンマー内政に介入している。

 イギリスのインデペンデント紙の「強暴な過激派仏教徒がスリランカでイスラム教徒を標的にしている」という見出しの2018年の記事を含め、欧米メディア記事が、ミャンマーとスリランカで増大している紛争の直接のつながりを確証さえしている。

 記事は(協調は筆者)こう認めている。

現在、スリランカの最も活動的な過激派仏教集団はボドゥ・バラ・セーナ(仏教の力部隊、略称BBS)だ。指導者はスリランカ人が不道徳になり、仏教を断念したと主張しており、BBSは仏教-民族主義イデオロギーと綱領で2012年に政治に参入した。それは誰を非難しているだろう? スリランカのイスラム教徒だ。

イスラム教徒は高い出生率のおかげで「国を乗っ取りつつある」と主張して、BBSの言説は、世界中の他のポピュリスト反イスラム運動を見習っている。イスラム組織が、ハラル食品認証産業の金で、国際テロリストに資金を供給していると言って非難もしている。これらはただの空念仏ではない。2014年、南部の町アルスガマでの、連中による反イスラム教抗議大集会の一つでは、4人のイスラム教徒が亡くなった。

BBSは、ミャンマーの過激派、969運動ともつながっている。彼らは自らを「ビルマのビン・ラディン」と呼ぶ民族主義の僧アシン・ウィラトゥに率いられており、ロヒンギャ・イスラム教社会に対する強硬路線言説で悪名高い。

 一連の侵略戦争の売り込みと、世界中で国を分裂させるための欧米による「イスラム恐怖症」利用は「分割して、支配せよ」の典型例だ。

 欧米には、もはや標的に定めた国を「征服する」本物のいかなる手段もないが、結果として生じる分裂を、彼らを破壊するため使う能力は持っている。もしアメリカがアジアで優勢を維持できないなら、誰にもそうはさせないぞ。それが「対テロ戦争」の装いの下で行われている「平和に対する戦争」だ。

 スリランカは今やワシントンの権益に反対する政治体制を破壊し、その灰塵上に、自分たちに役立つ組織を作るため、対立に拍車をかけるというワシントンのトレードマーク、「焼き畑方式」外交政策による最新被害者以外の何物でもないように思える。

 今後、何日、何週と、何カ月にもわたって、スリランカでの最近の攻撃をワシントンやリヤドやドーハの世界テロ・ネットワークに関連づける、より多くの情報が出現するのみならず、北京を捨て、欧米へと方向転換させるべく、スリランカに対する追加圧力がかけられ始めるだろう。

 実際、スリランカでの暴力行為は、人為的な民族・宗教分裂のいずれか側の、ごく少数の過激派に遂行された人為的しわざだ。混乱は、ごく少数の衰退しつつある既得権益しか役立たず、平和と安定が、彼ら全員に役立つのだから、この国も地域も、その目的で、団結しなくてはならない。

 Tony Cartalucciは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者、オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/04/25/sri-lanka-blasts-terrorism-targets-another-chinese-ally/

----------

 スリランカにNATO基地という記事を見た。納得。ベネズエラでは、宗主国の命令で、とうとう軍隊が反乱を始めたようだ。あるいは悲惨な未遂なのだろうか?

 昨日も大本営広報部テレビはみなかった。洗脳呆導洪水から得るものはない。下記のような意見、大本営広報部はながさない。

 五十嵐仁の転成仁語 4月30日(火) 改元と天皇代替わりのバカ騒ぎによって私たちは何を失おうとしているのか

 植草一秀の『知られざる真実』「連休の時間空間を知的充電のために活用する」で紹介されている『国家はいつも嘘をつく--日本国民を欺く9のペテン』は刊行直後に拝読した。こういう本こそベストセラーになって欲しいもの。今『株式会社化する日本』を読んでいる。

 より良い理解と精神衛生のために、下記の再配信インタビュー拝見しよう。

日刊IWJガイド「平成から令和へ! ポストモダンと古代が同時進行! 本日午後7時より、『岩上安身による「知ってはいけない2」「天皇メッセージ」著者・矢部宏治氏インタビュー』を再配信!」 2019.5.1日号~No.2421号~(2019.5.1 8時00分)

 

« 2019年4月 | トップページ | 2019年6月 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ