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2018年7月23日 (月)

マリヤ・ブチナ逮捕も新たなでっち上げ

2018年7月20日
Paul Craig Roberts

 ガーディアン紙は、かつてはイギリス労働者階級を代弁する誠実な新聞だったが、私の考えでは、今やCIAとイギリス諜報機関に買収されている。

 数年前、アメリカの重大な犯罪や、ワシントンの属国に過ぎない、いわゆる“同盟諸国”をだましているのを暴露するウイキリーク・ファイルを破壊せよという、腐敗したイギリス政府による違法な命令にガーディアンが従ったのを皆様はおそらく覚えておられよう。

 ガーディアンで気になるのは、同紙がもはや真実や労働者階級を守っていないことだ。かわりにガーディアンはアメリカ覇権国家の狙いに役立つ途方もないウソを守っている。

 ガーディアン購読者たちが、一体なぜワシントンの犯罪や悪事の弁明を読まされるのか、ガーディアンが一体なぜ、ロシアとの和平より衝突を好むのか理解できない。ガーディアンは、一体なぜ容易に地球上の生命の終焉を招きかねない核大国間の敵意を高めようとしているのだろうか。ドイツ新聞編集者のウド・ウルフコッテが著書『Bought Journalism』で書いた通り、ガーディアン編集者はCIAとイギリス“諜報機関”に買収されているのだろうか、それともガーディアン編集者は、ワシントンに鎮座するイギリスの最高君主の権益に仕えない限り、逮捕・投獄すると脅されているのだろうか?

 ガーディアンが何であれ、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNN、MSNBC、NPRや、その他の欧米売女マスコミのページには、一片のジャーナリズムも存在しない。欧米にあるのはプロパガンダ省だ。大衆は情報を得るのではなく、ウソをつかれ、洗脳されている。

 腐りきったアメリカ司法省による、ロシア・スパイとされるマリヤ・ブチナ逮捕に関する報道で、ガーディアン、そして他のあらゆるマスコミの完全な失敗を我々は目にしている。マリヤに対する主な証拠は、彼女が元駐アメリカ・ロシア大使セルゲイ・キスリャクと会ったことだ。腐りきったアメリカ司法省のエリック・ケナーソン連邦検事補は“ブチナとキスリャクとの会合を、彼女が外交・領事当局者と連絡していた証拠としてあげ、裁判まで拘留される”と述べた。

 だから、アメリカでは、元駐アメリカ・ロシア大使と一緒に写真を撮られれば、それがスパイだという証拠になるのだ。

 マリヤ・ブチナの起訴状を私は読んだ。彼女は英米法によって犯罪と認められる何らかの行為で告訴されているわけではない。将来犯罪をおかす意図があり得るがゆえに“有罪”だというジェレミー・ベンサムによる18世紀の全体主義的な主張のもとで彼女は起訴されたのだ。(PCRとLawrence Strattonの共著『The Tyranny of Good intentions』を参照)

 マリヤは長い赤毛の髪だが、特に軍安保複合体や、ウオール街や、イスラエル・ロビーなどの既得権益集団がアメリカ政府の行政府と立法府に提供していると考えられている女性たちと比べれば平凡で、決してアメリカ人がジェームズ・ボンド映画でおなじみの誘惑的ロシア・スパイではない。

 この女性は何もしていない。犯罪でないことで彼女は起訴されている。彼女がロシア人で、売女マスコミによれば、議会職員と暮らしているがゆえに彼女は起訴されたのだ。マリヤが、一緒に暮らしているとされる地位の低い議会職員を通して、アメリカをスパイできるわけなどあり得ない。

 彼女の逮捕は、全く不要な年間1兆ドルのアメリカ軍安保複合体予算を守るため、アメリカ人のロシア不信と憎悪を煽るためしでかされたもう一つのでっち上げに過ぎない。

 多くの無知な人々は、トランプ大統領がアメリカ政府を支配していると思っている。そうではない。もしそうだったら、彼は暗殺されていただろう。ドワイト・アイゼンハワー大統領が1961年に我々に警告してくれたが無駄だったように、軍安保複合体は、民主主義と、責任ある政府に対する脅威だ。軍安保複合体は、ロシアとの関係正常化を許すことによって、収入と権力が少しでも減少するのを認めるつもりは全くない。

 アイゼンハワー大統領の警告、二期アメリカ大統領をつとめ、第二次世界大戦で、ヒトラーに対し、アメリカとイギリスとフランスの軍隊を指揮した陸軍元帥の警告を無視した、無頓着なアメリカ人は、民主主義をディープ・ステートに奪われてしまった。

 その結果、今、受け身で無頓着なアメリカ人は、アメリカ軍安保複合体の強欲のために、他の多くの諸国民とともに、自分たちの命を失う状況に益々近づきつつある。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/07/20/the-arrest-of-maria-butina-is-another-hoax/
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 外信記事では、彼女の名は「ブティナ」と表記されている。素人には、ブーチナと聞こえるのだが。ラブロフ外務大臣が、ポンペオ国務長官に、でっちあげ逮捕ゆえ、釈放するよう電話で言ったという記事を読んだ。

Lavrov to Pompeo: Free Maria Butina arrested on fabricated spy charges

 京都 祇園祭「花傘巡行」猛暑で中止。祇園祭、灼熱のアスファルト上で鉾の巡行を待った経験を思い出した。 酷暑のオリンピック、一体どうなるのだろう。マラソンの選手・観客。

ネットで読んで、西尾幹二氏対談番組の後半部分を拝見。同じ意見にビックリ。
平成30年・春の特別対談「世界は現在(いま)」

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