« アフガニスタン植民地訪問者たち | トップページ | スペインが蒔いた種は、ヨーロッパが刈り取ることになるだろう »

2017年11月 4日 (土)

政治的公正に折れた歴史的なキリスト教会

2017年10月31日
Paul Craig Roberts

バージニア州アレクサンドリアのキリスト教会は、1765年から1773年に建設された。最も著名なイギリス人建築家クリストファー・レンの親戚、ジェームズ・レンの設計だ。植民地時代、アメリカ革命戦争前のこの教会は国定歴史建造物だ。

ポトマック川沿いの植民地時代の入植地古都アレクサンドリアに私が住んでいた頃は、私の教会だった。私の隣人、ジョン・F・ケネディ大統領の財務次官、ジョンソン大統領の財務長官をつとめたヘンリー“ジョー”ファウラーの教会でもあった。研究で、オクラホマ・シティーのマラー連邦ビルは、マクヴェインのトラック爆弾によって、外側から内側にではなく、内側から外側に爆発したと疑う余地なく結論づけたアメリカ空軍退役准将ベントン・パーティンも隣人だった。

ジョー・ファウラーと私は、ワシントンの政策やマスコミ報道のどんな点にも、事実がもはやなくなったか良く話し合ったものだ。しかもこれは、80年代と90年代の遠い昔の話だ。CIAとDNCのためにウソをつくことがアメリカ・マスコミの義務となった現在を想像願いたい。

このキリスト教会は、ジョージ・ワシントンや、ロバート・E・リーや、アメリカ初期の歴史における他の名士たちのための教会だった。ロバート・E・リーはジョージ・ワシントンのひ孫と結婚した。

会衆は教会の歴史と美しさが自慢だった。宗教的なものに加え、歴史的なものもあった。聖公会の礼拝は壮麗で、司祭の説教はいつも短かった。私の幼い息子も礼拝の最後までじっと座っていられたし、聖歌隊とオルガンも素晴らしかった。

こうした懐かしい記憶があるので、教会委員長が、このキリスト教会が、礼拝の場にある“ジョージ・ワシントンとロバート・エドワード・リー大理石記念銘板を撤去することに決めた”というのを聞いて驚いている。アメリカ最初の大統領の罪は、白人やインディアンや黒人の奴隷が、世界中で普通のことだった当時、ありふれたことだった18世紀に、奴隷を所有していたことのようだ。ロバート・E・リーの罪は彼が“奴隷制維持のために戦った”ことだというが、それは私とトーマス・ディロレンゾが最近このウェブサイトで反証したウソだ。

“大理石記念銘板”という言い方に私はとまどっている。ワシントン家とリー家が座った会衆席に置かれた数センチ四方の大きさの小さな銀製銘板なら覚えている。誰かが銀製銘板を土産に剥ぎ取りはすまいかと昔は考えたものだ。たぶん誰かがそうして、大理石銘板に置き換えられたのだ。一方、私が大理石銘板に気づいていなかった可能性もあり、その場合、もし大理石銘板が取り除かれるのであれば、会衆席の銀製銘板はどうなるのだろう。誰が手にいれるのだろう?

歴史がこのようにして消し去られるのを一体どのように理解すべきかわからない。ワシントンとリー(その名をつけた大学もある)は、おそらく、アメリカ合州国が生み出した最も上品で、尊敬すべき二人だ。ところが、アメリカの標準では、ワシントンが設立を手助けした教会は、いにしえとのつながりを抹殺しなければならないのだ。

伝統的な教区民の視点からすれば、米国聖公会はキリスト教から逸脱したのだ。米国聖公会は、女性とLGBTの人々を叙任し、聖公会祈祷書は、依然、結婚を男性と女性の結合と書いているにもかかわらず、同性“結婚”を認めて、聖書に反している。

だが、実際、時流に乗らねばならない場合、一貫性に何の意味があるだろう?

キリスト教会にとって、時流に乗るということは、自らの歴史を投げ捨てることを意味している。今時の会衆は、ほとんど毎日曜朝一緒に朝食をとっていたジョー・ファウラーとは全く違っているはずで、私には分かっている。

アメリカは消滅しつつある。今私が住んでいる国は、私が生まれついた国とは似ても似つかない。アメリカアメリカが、まだ世界に存在していた頃に、アメリカ人であるというのはどういう事だったか、たぶん、私は書くべきなのだろう。

おそらく、他の軍人たちを評価する上では、軍人たちこそ最適なのだ。ホワイト・ハウス大統領首席補佐官のジョン・F・ケリー元大将が、南部連合の大将ロバート・E・リーは‘尊敬に値する人物”だったと述べた。http://www.dailymail.co.uk/news/article-5034931/Trump-chief-staff-Kelly-decries-removal-monuments.html

四人の現代初の戦犯グラントやシャーマンやシェリダンやリンカーンより、リーが遥か尊敬すべき人物てあることに何の疑いの余地もない。アメリカ軍は、ロバート・E・リーの徳を理解し、リーを讃えて、陸軍士官学校兵舎にその名をつけた。リーの銅像が、間抜けなアメリカ左翼と、冷酷なナチスのくず連中集団、暴力的なAntifaファシスト暴漢に引き倒された以上、陸軍士官学校兵舎は、確実に、オバマ兵舎、ヒラリー兵舎、ウォルフォウィッツ兵舎、チェイニー兵舎、ネタニヤフ兵舎と改名されねばなるまい。

世界中で無辜の人々を爆撃し続けている卑劣な政府が、最も尊敬すべきロバート・E・リーを讃え、アメリカ陸軍士官学校兵舎に名付けるのは、リー追悼としてひどい侮辱だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/31/historic-christ-church-falls-political-correctness/
----------

前の席しか人がいないガラガラ会場での講演。感動したと若い女性。まるで北朝鮮テレビ。

連中、同じようなインチキ情報操作で、憲法破壊を推進するに違いない。

日刊IWJガイド・ウィークエンド版「『憲法改正国民投票法は二重にも、三重にも改憲派が勝つような罠が仕掛けられていている!』市民連合・高田健氏が警鐘を鳴らす~元NHKプロデューサー・永田浩三氏、伊藤詩織さんが受けた『レイプ事件』に言及『ジャーナリストが安倍政権のご機嫌をうかがったり、嫌疑をもみ消してもらったり、すりよったりしては断じてなりません!』~『安倍9条改憲NO!全国市民アクション11・3国会包囲大行動』」2017.11.4日号~No.1877号~

« アフガニスタン植民地訪問者たち | トップページ | スペインが蒔いた種は、ヨーロッパが刈り取ることになるだろう »

アメリカ」カテゴリの記事

ユダヤ・イスラム・キリスト教」カテゴリの記事

ポール・クレイグ・ロバーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 政治的公正に折れた歴史的なキリスト教会:

« アフガニスタン植民地訪問者たち | トップページ | スペインが蒔いた種は、ヨーロッパが刈り取ることになるだろう »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ