« 2017年7月 | トップページ | 2017年9月 »

2017年8月

2017年8月31日 (木)

トランプ: アフガニスタン・ファースト

Tony Cartalucci
2017年8月27日
New Eastern Outlook


アメリカは一体どれほどの平和をアフガニスタンにもたらせるのだろう?

アメリカ政治支配体制の本当の権力源が一体どこにあるのかを知っている人々にとって、アメリカの16年間にわたるアフガニスタン戦争が途切れなく続くのは何ら驚くべきことではない。

ドナルド・トランプ大統領が複数の海外での戦争や紛争から撤退し、“アメリカ・ファースト”にするという国民の希望を代表していると信じていた有権者にとって、そういうことが起きないばかりか、これらの戦争が拡張されるというトランプ大統領の声明は驚きに違いない。

だが、おそらくこれは、誰をワシントン入りさせようと投票しても、方針はどこか他の場所で決定され、押しつけられるのが明白だという、アメリカ国民が学ばねばならない厳しい様々な事実の最初の教訓なのだ。

「Hill」は、“トランプのアフガニスタン演説で5つの考慮すべき点”という記事で、アフガニスタンに関するトランプ大統領の最近の演説について、アメリカが現在8,400人の兵士を派兵しており、更に数千人派兵予定だということなどに触れた。

Hillはこう報じている。

トランプは更に約4,000人の兵士を考えていると言ったが、人数に触れることも、追加アメリカ軍兵士が一体いつまでアフガニスタンに駐留するのかも言わなかった。

“兵士の人数や、将来の軍事活動計画については言わない”とトランプは述べた。“恣意的な予定表ではなく、現地の諸条件が、今後我々の戦略を導く。アメリカの敵が我々の計画を知ってならない. . . いつ攻撃するかは言わないが、我々は攻撃する。”

これはHillがあげている彼の選挙公約と著しく違う。

“その後で、アメリカ兵士を背後から銃撃するようになるアフガニスタン人を、我々は一体なぜ訓練しているのだろう? アフガニスタンは全くの無駄だ。帰国すべき時期だ!”と2012年に彼はツイッターで書いていた。

Hillはこうも書いている。

アメリカ合州国は、現在アフガニスタンに約8,400人の兵士を派兵している。この部隊は、対タリバン戦闘での、アフガニスタン軍を訓練、助言、支援と、アルカイダや「イスラム国」やイラクやシリアの(ISIS)のような集団に対する対テロ任務を行うという二重の任務を行っている。

そして実際、それこそまさに、ジョージ・ブッシュ、バラク・オバマから、そして今やトランプという代々の大統領に至るまでの政策立案者や政治家や軍幹部が、15年以上も前に、アフガニスタン紛争について言ってきたことだ。

トランプ大統領は、目標は、もはや特定な時間枠内での撤退ではなく、現地の諸条件によって決定されると主張するはずだ。

“我々の新戦略の主柱は、時間を基準としたやり方から、諸条件を基にするものに移行することだ。軍事的選択肢を開始したり、終了したりする日時を事前に発表するのは、アメリカ合州国にとって、実に逆効果だと私は再三言って来た。”

アメリカ自身に“習う形で”各国の“国造り”をしているわけではない、というアメリカの主張にもかかわらず、この“諸条件”は、アメリカが支援するカーブル傀儡政権が“自らの将来に責任を持つ”よう要求しているのは明らかだ。この諸条件は、文字通りに受け取ったとしても矛盾しており、トランプ大統領の前任者、オバマ大統領が約束し、破ったものの繰り返しだ。

パキスタンとの更なる戦争をもてあそぶ

トランプ大統領も、彼の前のブッシュやオバマ大統領同様、アフガニスタンにおけるアメリカの軍事的存在をパキスタンが傷つけていると非難して、隣国パキスタンを威嚇している。トランプ大統領は、結局こう警告している。

“我々はパキスタンにもう何十億ドルも支払ってきたのに、我々が戦っているテロリストを匿っている。しかし、これも変わらざるをえず、すぐに変わるだろう”とトランプは明言した。

“パキスタンは、文明や秩序や平和への献身を実証すべき時だ。”

現実には、アメリカは、決してテロと戦うために、アフガニスタンを侵略したり、今も居座り続けたりしているわけではない。アメリカが戦っていることになっている組織は、アフガニスタンが資金提供したり、命令したりしているわけではなく、連中はサウジアラビアやカタールを含む、アメリカ合州国の最も親密で古くからの中東同盟国に資金提供され、命令されているのだ。

そうではなく、アメリカは大英帝国が何回も侵略し、占領したのと同じ理由で、中央アジアと南アジアを巡る覇権拡張を目指して、アフガニスタンを占領しているのだ。

アフガニスタンは好都合なことに、イラン、パキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンや中国とさえ国境を接している。恒久的なアメリカ軍アフガニスタン駐留と、カーブル政権支配は、アメリカにとって、軍事作戦を含む、あらゆる方向の直接、間接の地政学的影響力の跳躍台になるのだ。この戦略的な足掛かりを、こうしたやり方で利用することは、ずっと昔に始まっていたことは、証拠が示している。

アメリカは、両国に対し、ずっと前から立案された計画で、何十年間もイランとパキスタンに圧力を加えようとして来た。

パキスタンに関しては、2001年のアフガニスタン侵略までは、イスラマバードを脅すという点で、アメリカにはほとんど選択肢が無かった。今やアメリカ軍はパキスタン国境にいて、特殊作戦や無人機が始終パキスタン国境内で任務を遂行している状態で、イスラマバードを脅し、影響力を与えるワシントンの能力は劇的に増大した。

どのような理由であれ、万一トランプ大統領が、パキスタンに対する直接軍事行動を発表するようなことになれば、アメリカは既に好都合にも、そこから攻撃をしかける複数の軍事基地を国境に有しており - 基地インフラは16年の間に進化し、無視できない。万一、アメリカが現在パキスタン国内で支援している分離独立運動への秘密の支援を拡大すると決定した場合、アフガニスタンから、それを好都合に行うことが可能だ。

標的は中国

一見明白には見えないかも知れないが、アフガニスタンからパキスタンに影響を及ぼすというワシントンの能力は、中国とその地域的権益にとっても直接の脅威となっている。

中国の新たな一帯一路構想は、隣国パキスタンての港湾、鉄道や道路、パイプライン、発電、その他の包括的インフラを含んでいる。

パキスタン、西バロチスタン州のグアダル港は、地域を丸ごと切り取り、パキスタンの支配から 独立した国家を樹立するという、アメリカが支援するテロリストや反政府集団による取り組みのど真ん中に位置している。

政治的にも、戦闘の上でも、バロチスタンにおける運動、独立運動、政治的組織化、抗議行動や反政府マスコミは、それを助成する全米民主主義基金プログラムを含め、莫大なアメリカの支援を享受している

アメリカ政策論文の中で、政策立案者たちは、戦略的に、この動きがいかに、パキスタンと中国両国の勃興を損なうことになるかということに気付いて、バロチスタンにおける反イスラマバード武装レジスタンスをあけすけに組織し、しかける共謀をしている。

パキスタン: バルチ民族主義の復活” (PDF)と題するカーネギー国際平和基金が2012年に発表された論文は、はっきりこう述べている(強調は追加)。

もしバロチスタンが独立するようなことになった場合、パキスタンは、バングラデシュ分離以来34年後の、新たな分割に耐えることが出来るのだろうか、そして地域の安定性に対する影響は一体どうなのだろう? パキスタンは天然資源の大半を失うこととなり、エネルギー供給でより中東に依存することとなろう。バロチスタンの資源は、現在十分活用されておらず、非バルチ諸州、特にパンジャブの利益にしかなっていないとは言え、これらの資源が独立したバロチスタンの発展に貢献するのは確実だ。

バロチスタンの独立は、グアダル港や他の関連プロジェクトに対するイスラマバードの希望も挫くことになろう。パキスタンが、世界に対し、より魅力的になる可能性は失われてしまうだろう。

グアダル港については、パキスタンの損失となるのみならず、中国の損失にもなり、ユーラシアを巡る地域での卓越を再度回復しようというアメリカの取り組みを強化する。

ところが、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退するようなことになれば、こうした計画は、完全に挫折しないにせよ、ひどく損なわれてしまう。かくして、またアフガニスタンでの果てしない戦争から撤退を約束したもう一人のアメリカ大統領が、予想通り撤回し - アルカイダや、いわゆる“「イスラム国」”(ISIS)と、その大本 - サウジアラビア、カタールあるいはワシントンそのもので戦うのではなしに - トランプ大統領は、アフガニスタンで連中と戦うため、アメリカ人に更に血と資産を費やすよう提案したのだ。

トランプ大統領は“国造り”を約束してはいないが、アメリカ自身の姿に作り上げられたカーブル政権の存在と、隣国イランや、パキスタンのバロチスタン地域の政治的安定性を損なうための取り組みの継続を含め、そして究極的に、中国の地域的影響力の増大に対し、アメリカ権益を守ることが、アメリカが撤退する為に合致すべき諸条件であることは明白だ。

トランプ大統領と彼の支持者たちは、自分たちが、地球の裏側地域での影響力と支配を争うゲームをアメリカ特権集団がしている地政学的チェス盤の横に立っていることに気づくこととなる。そのゲームでは、彼らは参加者ではなく、観客に過ぎない。

「Hill」は、トランプ大統領のこういう言葉も引用している。

“私の元々の直感は撤退で、これまでは、私は直感に従うのが好きだったが、大統領執務室で大統領の机を前に座ると、判断は全く違ったものになるという話を私はずっと聞かされてきた。”

確かに、大統領執務室で大統領の机を前に座ると、大統領は、自分が有権者の代弁者ではなく、選挙で選ばれてはいない大企業-ウオール街金融権益の代弁者であることを認識するのだ。ウオール街は、何兆ドルも費やされるそのような活動の後援者なのだから、世界覇権を樹立し、拡大するための長年にわたる取り組みである戦争からの撤退という判断を、ウオール街がすることはあり得ない。

有権者は自分が持っている本当に重要な唯一の“票”は、毎月の給料をもらった後、財布を開け、自分たちの地域社会を強化する地方企業、それとも、自分たちの国、資源、運命を乗っ取った何十億ドルもの巨大多国籍企業、どちらに支払うかを決める時だということを認識すべきなのだ。

Tony Cartalucciは、バンコクに本拠を置く地政学専門家、著者で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/08/26/trump-afghanistan-first/
----------
最後の文章、どこでも当てはまる苦い真実。

イギリスが狙ったのと同じ理由から、アメリカが決してアフガニスタンを離れようとしないのは、そのまま、日本を沖縄を手放そうとしないのと重なって見える。記事を読みながら思う。

日本は好都合なことに、中国、ロシア、北朝鮮、韓国、台湾やフィリピンとさえ近い。恒久的アメリカ軍日本駐留と、霞が関政権支配は、アメリカにとって、軍事作戦を含む、あらゆる方向の直接、間接の地政学的影響力用跳躍台になるのだ。

米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー』で描かれる横暴なアメリカ軍政、今も見えにくいない形で続いている。

平日ゆえ中高年の方が多いが、ほとんど満員状態。終了後、拍手が起きた。

映画中の瀬長亀次郎のまともな国会質問に対する佐藤栄作の回答はひどいが、その係累による今の国会での回答、比較にならないひどさ。回答でなく、事実上回答拒否。有名な「全く問題ない」「その指摘はまったく当たらない」念仏が脇を固める。

北朝鮮ミサイルを巡る終日の洗脳呆導。大本営広報部の面目躍如。

椅子の下に入り込まされる学童。現代版竹槍。

今日の孫崎享氏の下記メルマガ・タイトルで、大政翼賛会の終日プロパガンダも、タブロイド紙(特に某紙)のプロパガンダも、吹き飛ばされるだろう。

北朝鮮ミサイル問題を考える:?政治・経済・社会を攻撃目標とする時、ミサイル防衛は出来ない、?現在のミサイル実験は対アメリカ向け。日本向けは200-300発実戦配備,?北朝鮮の体制、指導者を軍事手段で転覆させない約束が解決の糸口

アフガニスタン戦争は16年続いている。

明治維新から150年、日本はアングロ・アメリカ支配下。

そこで、今日の日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

<★お知らせ★>本日! 「岩上安身のIWJ特報」発行します! 「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー続編!
■□■□■□■□■□■□■□■□

 おはようございます。テキスト班の原佑介です。

 岩上さんによる有識者の方々への単独インタビューをフルテキスト化し、読みやすいように再構成したうえで注釈を付した大ボリュームのメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」を、今月もまもなく発行します!

 今月は先月に引き続き、6月6日に行った、岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビューの続編をテキスト化。インタビューでは、現代ではその存在がほぼまったくと言っていいほど知られていない幕末の思想家・赤松小三郎に焦点を当てました。アーカイブ記事は以下のリンクからご確認ください。

※「長州レジーム」から日本を取り戻す! 歴史から消された思想家・赤松小三郎の「近代立憲主義構想」を葬った明治維新の闇~岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー・その1 2017.6.6
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/382111

 赤松は幕末という時代にありながら、現行の日本国憲法以上ともいえる先進的な憲法構想を徳川政権や上田藩、薩摩藩に対して提言。さらに、徳川政権と薩長による軍事衝突を回避し、平和的な新政権の樹立を模索していましたが、西郷隆盛ら薩摩藩士に暗殺されてしまいます。

 結果、「武力クーデター」(明治維新)によって明治新政府が誕生。日本人は「大日本帝国憲法」というエセ憲法のもと、侵略戦争から敗戦の焼け野原まで一直線に突き進んでゆきます。明治以降の日本を我が物顔でプロデュースした薩長(実際には長州の天下)は、赤松小三郎という先進的な人物の存在を闇に葬りましたが、赤松小三郎の死から150年の時を経て、関さんが『赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢』という本を上梓し、再び世に広く知らしめようとしているのです。

・「赤松小三郎ともう一つの明治維新――テロに葬られた立憲主義の夢」
http://amzn.to/2x5GHOa

 当初、「普通選挙の国民議会を作る」と言っていた西郷に対し、英外交官・アーネスト・サトウ氏が「狂気じみた考えは止めろ」と牽制。「そんなことよりも、俺たちが武器援助をするから、長州と薩摩で組んで幕府を倒せ」などと、完全なる内政干渉に出ました。当時のイギリスは普通選挙ではなく、「貴族議会制度」を採用し、労働者、農民などに選挙権なんかなかったんですね。「日本がイギリス以上に民主的な国家になろうなんて生意気だ!」というわけです。

 結局、徳川政権にはフランスがつき、薩長にはイギリスがついた「英仏代理戦争」となってしまいました。関さんは言います。

 「これを回避する唯一の道は、平和裏に政権を返上させ、フランスの傀儡でもない、イギリスの傀儡でもない議会政治を行うという、赤松小三郎の唱えた道でした。ここでもし幕府が勝っていたら、フランスの傀儡になった可能性もあった。薩長が勝てばイギリスの傀儡ですから、両方、ろくなもんじゃなかった」

 岩上さんはインタビューの中で、「英国の薩長支援が今日にまで至る日本の不幸のはじまりだった」として、「英国人の血は一滴も流さず、武器を売却して儲けた上で、自分たちの影響下にある政権を作れる。これは21世紀現在の日米の構図に酷似している」と指摘。対米従属を続ける今の日本の病理は、当時からまったく変わっていないことがわかります。

 通常の「明治維新神話」では語られることのない「維新の志士」たちのテロ行為の数々や、国内では権威主義的・専制的にふるまう一方で、対外的には覇権国に従属しているにすぎない「長州レジーム」の実態を見つめ直すことで、今の日本の病原がどこにあるのか、その手がかりをつかめるかと思います。

 先月発行した、「岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー第一弾」は、次のリンクから御覧いただけます! IWJサポート会員であればいつでも御覧いただけますので、ぜひサポート会員にご登録・お切り替えください!

※【第322-325号】岩上安身のIWJ特報! 「長州レジーム」から日本を取り戻せ! 歴史の闇に葬られた幕末の思想家・赤松小三郎の夢と明治維新の闇岩上安身による拓殖大学・関良基准教授インタビュー(その1) 2017.8.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394996

 また、一般会員の皆様や、非会員の皆様は、「まぐまぐ!」からご購読ください!
http://www.mag2.com/m/0001334810.html

2017年8月30日 (水)

歴史とジャーナリズムの武器化

Paul Craig ROBERTS
2017年8月28日

“非常に不愉快な事実など不要だ”

アメリカ合州国においては、真実の重要な要素、事実は重要ではない。事実はマスコミ、政治、大学、あるいは裁判所においては重要ではない。ワールド・トレード・センター三棟の倒壊に関する事実ではない説明が、公式説明として出されている。事実は政治化され、感情に訴えるよう表現され、武器化され、無視される。トーマス・ディロレンゾや他の“内戦”歴史学者が実証しており、デイビッド・アービングが自らの苦難で示している通り、英米の第二次世界大戦の歴史は、大半が良い気持ちにさせてくれる歴史なのだ。 もちろん勝者のみを、良い気持ちにさせてくれるのだ。そうした感情的な狙いから、不都合な事実は受け入れ難く、無視される。

真実を書くことは作家として成功する方法ではない。ごく僅かな率の読者しか真実に興味がない。大半の人々は、自分の先入観なり、洗脳されたことが正当化されるのを望んでいる。彼らは既に信じていることを読みたいのだ。そういうものは気分が安らぎ、元気づけられる。連中は無知を指摘されると激怒する。作家として成功する方法は、ある集団を選び、その集団の連中が望んでいるものを提供することだ。恋愛小説や国の神話を支持する歴史の市場は常に存在する。インターネットで成功しているサイトは、特定のイデオロギーや特定の感情や特定の利益集団を狙っている。成功の法則は、対象とする読者層が信じているものに真実を限定することだ。

9月に間もなく私からの四半期毎の当ウェブサイトご支援お願いをお読みになる際は、これにご留意願いたい。こういうサイトは少ない。当サイトは、利益集団やイデオロギーやヘイト集団や民族集団や、真実以外のいかなる大義をも代表するものではない。とは言え、当サイトには間違いがないと申しあげているのではない。真実が狙いだと申しあげているに過ぎない。

カール・マルクスは階級的真実しか存在しないと言った。現在は、様々な真実が存在する。フェミニストにとっての真実、黒人、イスラム教徒、ヒスパニック、同性愛者、性転換者にとっての真実、軍安保複合体のために働く外交政策業界にとっての真実、ネオコンにとっての真実、経済を支配する1パーセントにとっての真実、彼らに仕えるエコノミストにとっての真実、“白人至上主義者”にとっての真実という言葉そのものが、彼らに対抗する人々にとっての真実の言葉だ。読者も追加可能だ。こうした“真実”の中の“真実”はそれを主張している集団にとっての我田引水だ。こうしたものと真実との本当の関係は“真実”を信奉している連中にとっては、どうでも良いことなのだ。

誰か、あるいはどれかの集団の真実に賛成しないと大変な目に会う。著名な映画監督オリバー・ストーンでさえも無事ではいられない。最近、“対ロシア偽旗戦争”でストーンが彼のいらだちを明らかにした。二年間にわたる何時間ものインタビューに基づく彼のドキュメンタリー映画『プーチン』に対し、全く無知なマスコミ評論家連中から嘲笑や非難を受けるストーンのいらだちは不思議ではない。プーチンとロシアを悪者として描き、公式談話を裏付けるかわりに、真実をかいま見せたがゆえに、ストーンはやり玉にあげられているのだ。

Veteran Intelligence Professionals for Sanityという組織が、トランプ/ロシアによるアメリカ大統領選挙乗っ取りというぬれぎぬを完璧に論破した報告書を公表した。この報告についての客観的記事を掲載した「ネーション」が、安保複合体と協力して、トランプに対して画策している主張に不利な情報を掲載したかどで攻撃されている。この雑誌の読者は、雑誌には、真実を語る義務ではなく、トランプを引きずり下ろす義務があると感じたのだ。編集者は、記事を撤回するかどうか検討中だと報じられている。

左寄りのオリバー・ストーンや左翼雑誌「ネーション」が、リベラル/進歩派/左翼と、そのお仲間の軍安保複合体が傾倒している我田引水の“真実”に同調しない情報を提供したことで、攻撃されているのだ。

ある国の国民の中に、各集団固有の真実以外の真実が存在していなければ、その国は酷く分裂していて、完全におしまいだ。“もし家分れ爭はば、其の家立つこと能はざるべし”。対立を生むアイデンティティ政治というものの白人リベラル/進歩派/左翼指導者連中は、彼らが率いていると考えている運動が一体どこに向かっているのか、ほとんど理解できていない。現時点では、憎悪は“白人国粋主義者”であり、“白人至上主義者”である“オルタナ右翼”に向けられている。これら“白人至上主義者”は、南部連合国兵士や将軍たちの像で代表されるようになっている。南部の至る所で、もし地方当局が像を撤去しなければ、憎悪のとりこになった暴力的な狂った暴漢連中が実行する。ニューオーリンズでは、誰か金持ちが、外部から暴漢をバスで送り込み、自分たちの歴史がオーウェル風メモリー・ホールへと捨て去られるのに反対する現地の人々と対決させ、明らかに共産主義者の旗に由来するように見える旗を振らせた。

全ての記念碑が無くなったら一体何がおきるだろう? 憎悪は次は一体何に向かうのだろう? かつては非白人は、白人を憎悪するよう教えられ、自己嫌悪している白人さえも安全ではなかった。そうした教え込まれた憎悪が、一体どうして、良い白人と悪い白人を区別できよう? 出来ないし、するはずがない。本来、アイデンティティ政治では、白人、今なら白人異性愛男性は、加害者で、それ以外の全員、犠牲者なのだ。この概念のばかばかしさは明白だが、この概念はばかばかしさで揺るぐことはない。白人異性愛男性だけには割り当て特権がない。彼らだけ、大学入学や雇用や出世で最後にされ、彼らの発言だけが規制される。彼らだけが“性を特定した単語”を使ったかどで、人種を特定した単語を使ったかどで、うっかり、もはや許容できない言葉を使って、どれかの優先される集団のメンバーを不快にさせたかどで解雇されかねないのだ。彼らだけが、人種差別主義者、女性蔑視から始まって、本の中でありとあらゆる名前で呼ばれるが、誰も侮辱のかどで罰されることはないのだ。

長年評論家たちは、アメリカ合州国における言論の自由の分野が縮小しているのを感じてきた。白人男性以外の誰かを不快にさせるあらゆる発言は、懲罰によって、抑制されてしまうのだ。最近、ラザフォード研究所を主催する憲法弁護士ジョン・ホワイトヘッドが、言論の自由を擁護するだけでも危険だと書いた。米国憲法修正第1項「言論の自由」条項に言及するだけでも、非難や暴力の脅しを引き起こすのに十分だ。“物議を醸す”と悪者化されたウェブサイトはどれも、インターネット企業やPayPalがサービスを停止して、言論の自由を終了してしまい、消滅する運命にあるとロン・アンスは言っている。

最近、一流大学経営学大学院の教授が、マーケティングの議論で「ガールズ」という単語を使ったと言った。若い女性が不快になった。その結果、彼は学部長に油を搾られた。別の教授が、彼の大学では、要注意単語のリストが大きくなっていると教えてくれた。リストが公式なのか、非公式なのかはっきりしなかったが、教授たちは、アイデンティティ政治に遅れないよう、解雇を招きかねない単語を避けるよう努めている。彼らに言わせれば、権限は、本当の犠牲者階級、白人男性以外の場所にあるのだ。

例えば“内戦”のような話題を教えるのは難しいことに違いない。例えば、北軍による南部連合国侵略の前、何十年にもわたり、奴隷制度ではなく、関税を巡る北部/南部の政治対立があったというような実際の事実は、一体どうすれば説明可能になるのだろう?

旧“インディアン”領土から加わるどの新しい州が、“奴隷制”になり、どの州が“自由州”になるかを巡る争いは、議会における保護貿易論者(北部) 対 自由貿易論者 (南部)の勢力のバランスを、駆け出しの工業化北部が関税を押しつけられないようにすべく、均等にしておくことを巡る戦いだった。リンカーン就任演説の二日前、法外な関税が法律として成立した。同日、南部に関税を受け入れさせ、脱退していた一部の南部州や、脱退していなかった一部の州を、合衆国に残らせ、あるいは復帰させるのを狙って、議会は奴隷制度を憲法上で保護するコーウィン修正条項を成立させた。修正条項は、連邦政府が奴隷制度を廃止することを禁じていた。

二日後、南部を意図したように思える就任演説で、リンカーンはこう述べた。“私には、直接的にも間接的にも、奴隷制度が存在する州においてそれに干渉するつもりはない。私は自分にそうする法的権利がないのを知っているし、そうしようとも思っていない。”

南部に対するリンカーンの不満は、奴隷制度や逃亡奴隷法を巡るものではなかった。リンカーンは、脱退を受け入れず、今や法律になった関税を徴収するつもりでいた。憲法のもとで、奴隷制度は、州次第だったが、憲法は連邦政府に関税を徴収する権限を与えていた。関税徴収を巡って“流血や暴力は無用だ”とリンカーンは言った。“関税や賦課金を徴収するために”政府権限のみを行使し、“いかなる場所でも、人々に対し、侵略も武力行使もしない”とリンカーンは言ったのだ。

“大解放者”リンカーンは、輸入品に関税や賦課金を支払いさえすれば、奴隷制度を維持しても良いと南部に言っていたのだ。一体何人のアイデンティティ政治で洗脳された黒人学生や白人学生が現場に座り込み、そうした話を聞き、白人至上主義を正当化する人種差別主義教授に強く抗議しなかったのだろう?

わけがわからなくなった歴史に起きるのは、先入観に合わせるための改造だ。いわゆる“内戦”は、もちろん唯一の例というわけではない。

脱退文書で、サウスカロライナ州は、憲法第4章の誓約を破った一部の北部州によって憲法上の契約が破られたと主張した。これは本当だ。ところが、南部州には“連邦議会は租税、関税、輸入税および賦課金を賦課し、徴収する権限を有す”とある第I章第8条に従うつもりが無かったのも事実だ。だから、関税を受け入れなかった南部も、憲法上、潔白とは言えなかったのだ。

歴史が政治化される前は、歴史学者は、北部が、南部に、北部の産業・製造業発展の負担を負わせるつもりだったことを理解していた。農業地帯の南部は、価格がより安いイギリス商品を好んでいた。南部は、イギリス商品への関税は、輸入品価格を、高価な北部商品の価格より押し上げ、北部の生活水準を上げるため、南部の生活水準を下げることを理解していた。対立は、もっぱら経済的なもので、北部にも存在していた奴隷制度とは何の関係も無かった。実際、北部州の中には、州への黒人移民を禁じる法律を成立させているものがあった。

もし、奴隷解放が北部にとって重要で、関税を避けるのが南部にとって重要だったのであれば、何らかの妥協も考えられたはずだ。例えば、北部は、南部に工場を建設すると約束できていたはずだ。南部が工業化すると、綿の輸出をしていた農業プランテーションから、新たな富の中心が独力で出現する。労働力は経済に適応し、奴隷制度は自由労働に発展していただろう。

残念なことに、短気な連中が余りに多かった。そして現在もそうだ。

アメリカには憎悪以外何もない。アメリカでは、どこを見回しても憎悪しか見えない。プーチンは憎悪される。ロシアは憎悪される。イスラム教徒は憎悪される。ベネズエラは憎悪される。アサドは憎悪される。イランは憎悪される。ジュリアン・アサンジは憎悪される。エドワード・スノーデンは憎悪される。白人異性愛男性は憎悪される。南部連合国記念碑は憎悪される。真実を語る人は憎悪される。“陰謀論者”は憎悪される。憎悪されることから逃れられる人は誰もいない。

我々はお互い憎悪しあっているのに、シオニスト・ネオコンは我々が“必要欠くべからざる、例外的な国民”だと請け合ってくれる。完全に分断された我々国民には、世界を支配し、我々の支配を受け入れないあらゆる国を爆撃して石器時代にする権利があるのだ。

あらゆる世論調査によれば地球上で最も軽蔑され憎悪されている国アメリカを、お返しに世界が憎悪する。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/28/weaponization-history-journalism/
----------
テレビを夕方まで見なかったので、それまでミサイル騒ぎを全く知らなかった。
無意味な洗脳。あらゆる局・紙が一斉に報じるものは決まってうさんくさい。
支持率が下がると発射されるのが、お決まり。
宗主国とこの国の支配者、軍産複合体の力と収益のための茶番。
どんな施設に逃げ込んでも原発を攻撃されればおしまい。

大本営広報部洗脳を受ける暇があれば『渚にて』を読まれた方が意味があろう。
2017年版『渚にて』戦争の手招き

最後の文で、世界で三番目に軽蔑されているだろう国に暮らしていることを思い出した。

選挙に備え、新第二自民党勢力が蠢動しているのを大本営広報部は丁寧に報じる。
「ファシストが準備体制を固めないうちにと、選挙を早める」というわけ説を再三みるが、第二自民党がいくら増えても、自民党も公明党も何も困ることはないはずだ。それは好ましいことでもあるだろう。そこで、
「ファシストがボロをださないうちにと、選挙を早める」のが真実ではないかと想像している。

「AIだから」という不思議発言、Aあたしの Iいちぞんと解釈するのが正解か。

壊憲による宗主国のための「醜の御楯」体制に着実に近づいているようだ。

2017年8月29日 (火)

“トランプの将軍連中”を、実体通り、軍事政権と呼ぼうではないか

トランプは“彼の”将軍たちを自慢するのが好きだ。だが彼が大統領の座について、わずか数カ月のうちに、所有と支配は逆転した。マティス、マクマスターとケリーが、あらゆる反対勢力を追放し、今やネオコン政策をトランプの耳に直接吹き込んでいるのだ。

Whitney Webb

2017年8月27日

ワシントン- アメリカは、他国に内政干渉することで長年知られているが、その多くが、残虐なクーデターや水面下での権力奪取で、アメリカが強引に権力の座につけた外国の軍事政権を支持する上でも長くあさましい実績を持っている。1960年代のギリシャ、1980年代のアルゼンチンから、現在のアル-シシ率いるエジプトの軍事政権に至るまで、ワシントンは、自ら世界最大の“民主主義”推進者と装いながら、そうした非民主的政権を積極的かつ再三支持してきた。

2017年、とうとう「自業自得」となったようで、現在の大統領政権は、今や事実上、本質的に軍事政権へと変身している。軍産複合体が、長年アメリカ外交政策を支配してきたが、ドナルド・トランプ大統領政権では、どう見ても軍当局者集団が、国を支配する未曾有の権限を手にいれたのだ。

権力の中心にいる三人の将軍

ワシントン・ポストは“トランプ政権で権力を固める軍幹部”と題する最近の記事で、ポスト紙記者のロバート・コスタとフィリップ・ラッカーがこう書いている。“トランプ・サークルの中核は、戦場で司令官を経験したベテラン将軍トリオ、ジョン・F・ケリー、ホワイト・ハウス大統領首席補佐官、ジム・マティス国防長官と、H.R. マクマスター国家安全保障顧問だ。三人は大統領との個人的関係を入念に醸成し、彼の信頼を獲得した。”

“少数の軍出身者連中が、大統領に対し、これ程の影響力を振るうのは、現代の大統領の歴史で初めてのことだ”元CIA長官代行で、7つの政権で働いたジョン・E・マクラフリンはポスト紙にこう語った。“彼らは今並外れた役割を演じている。”

だが、この役割は“並外れた”を遥かに超えているように見える。トランプは連中のことを“私の将軍たち”と呼ぶのが好きだが、彼らは今や、コスタとラッカーは報じているように“トランプの時々刻々の面会を管理し、彼の耳元でささやいている - そうしたささやきが、アフガニスタンでのアメリカ軍作戦を拡大するという今週の決定のように、政策となることが多いのだ。”先週火曜日に掲載されたワシントン・ポストの別の記事は“将軍連中がトランプを包囲”という見出しだった

この将軍トリオが、自立した“部外者”の声、特にデレク・ハーベイやスティーブン・バノン解雇を監督した事実は注目に値する。とりわけ、アメリカ“帝国プロジェクト”や海外での新たな戦争に対する頑固な反対という点で、バノンは将軍連中にとって、目の上のこぶだった。トランプのシリア攻撃、イラクでの軍隊増派、ベネズエラ危機に対処するf”軍事的選択肢”のほのめかしにバノンは反対した。まさに、アメリカ帝国構築へのマクマスターの傾倒ゆえに、ニューヨーク・タイムズは、マクマスターを、バノンの“ホワイト・ハウス西棟にいる大敵”と呼んだ。

バノンの比較的最近の辞任とともに、今やはっきり“将軍連中”によって支配されているトランプ政権の様相は、バノンとトランプ本人もかつて反対した施策、アフガニスタンに更に数千人の兵士を派兵するトランプの決定で明らかなように、大きく変化した。

更に先週木曜日、ポリティコは、トランプの机の上に載る“あらゆるもの”を彼みずから精査する、ケリーが大統領に対しておこなっている管理の詳細を報道した。ポリティコは“大統領が、精査されていない、いかなる外部政策文書、国内政策メモ、諜報機関報告や、ニュース記事さえ決して読めないよう仕組まれた”体制を書いた二つのメモに触れた。

The Hillは更に、ケリーは、大統領執務室で大統領と直接面談する人物に関しても、現在厳格に予約あるもののみとし、ケリーによる承認も必要にして、“厳しく管理”していると書いている

一体何人の将軍が必要か?

それでも、ケリーは新人だ。2月のフリン追放後、国家安全保障会議 (NSC)を支配するようになったH.R. マクマスターは、少なくとも4月以降、大統領に渡る国家安全保障情報の流れを自ら管理している。マクマスターは、国土安全保障省会議をも掌握し、露骨な国粋主義と内政干渉反対で有名なスティーブン・バノンをNSCから排除させた。

“助言が彼を通して流れるようにすべくマクマスターは[NSCのスタッフ]を自分の支配下におさめ、ホワイト・ハウスと独自のつながりがある連中を排除したり、降格したりししようとしている” 、国家安全保障専門家で元ホワイト・ハウス職員のマーク・カンシアンは、4月、ワシントン・ポストに語っていた

マクマスターは、ランプ支持基盤の失望した人々から、他のどの“トランプの将軍連中”よりも怒りを買っており、トランプ支持基盤の失望した人々から、彼らの多くは、NSC顧問を軽蔑的に“マクマスター大統領”と呼んでいる。マクマスターは、韓国へのTHAADミサイル・システム代金要求や、シリアでの地上戦の積極的推進や、アフガニスタンでの50,000人の膨大な軍隊追加など、トランプ政策の多くを覆した。

    マクマスター大統領、おめでとう!

    - Mike Cernovich  (@Cernovich) 2017年8月22日


    .@realDonaldTrump支持基盤はアフガニスタン撤退という選挙公約を覆した“マクマスター大統領”に不満 https://t.co/h0H0azaLrj

    - ジュリアン・アサンジ  (@JulianAssange) 2017年8月22日


将軍トリオの中で、最初にトランプ政権高官に任命されたのはジェームズ・マティス国防長官だ。ビル・クリストルや、エリオット・エイブラムスなどのネオコンは、“匿名の保守派億万長者連中”とともに、マティスを、2016年選挙で、第三の党の候補者として出馬するよう担ぎ出すことを呼びかけた。彼の出馬は実現しなかったが、正式な選挙は不要だったようだ。

マティスは、3月に権限を掌握しはじめた。当時、「ディフェンス・ワン」は、マティスを含むトランプの将軍たちは“益々、全く違う大統領の為に働いているような発言をし出した。”と書いた。トランプが将軍の助言を受け入れそこねると、すぐさま辞任すると脅され、間もなく、トランプの様子が変わり、彼は“急を要するミッションを開始する自由裁量をマティスに与えた。”

新たな命令体系は、“マティスに権限を事前に委ねるものだが …この権限は、指揮系統のずっと先まで、 - 統合特殊作戦コマンドを指揮する三つ星の将軍のレベルまで推進されかねない”本質的に、ホワイト・ハウスは、今でも軍事作戦について知らされはするが、アメリカ軍の指揮権をマティスに移譲したのだ。重要な“戦争遂行権限横領”以来、マティスが、トランプが前任者から引き継いだ全ての戦場の拡大を監督している。

    結論: トランプはオバマから引き継いだ全ての戦場で、アメリカ軍駐留および/あるいは空爆を拡大している。

    - Micah Zenko (@MicahZenko) 2017年8月22日

ウォルフォウィッツ大統領? 再び揺るぎない権力の座についたネオコン

将軍連中の指示で、現在トランプ政権がたどっている道が聞き覚えのあるものであって不思議はない。これは、2003年イラク侵略の設計者で、ウォルフォウィッツ・ドクトリン立案者であるポール・ウォルフォウィッツや、陸軍大将で、元CIA長官、不倫事件のデービッド・ペトレイアスなどの悪名高いネオコンやタカ派戦争屋に、マティスもマクマスターも忠誠を誓っていることによる可能性が高い。ウォルフォウィッツは、4月「ポリティコ」のインタビューで、マティスとマクマスター両人との私的電子メールのやりとりで、“中東や他の場所における関与を強化するアメリカ戦略を推進するよう希望した”ことを暴露した

将軍連中が主導権を握り、軍事政権を確立したが、ウォルフォウィッツの暴露が示唆しているように、連中自身が采配をふるっているわけではない。軍産複合体と、猛烈なタカ派ネオコンが権力を簒奪して、アメリカ国民がその意見を通すべく投票した内政干渉反対を否定しているのだ。世界中に軍事政権をしつらえた人物、ヘンリー・キッシンジャーが、かつて、チリの民主主義に対するクーデターを計画しながら、チリ国民にこう言ったことがある。“国民の無責任さのおかげで、ある国が共産国になるのを、我々が座視したままでいる理由がわからない。”

それから60年、交戦圏は自国内へと戻り、外国“共産主義”に対する警告は、自国の“内政干渉反対”に対するものに置き換えられた。権力者連中は、またしても、アメリカ人有権者を含め、いかなる集団の“無責任さ”も、連中の一兆ドルの戦争商売とアメリカ軍事帝国拡張を邪魔するのを決して許さないことを明らかにしたのだ。

記事原文のurl:https://www.mintpressnews.com/lets-call-trumps-generals-military-junta/231325/
----------

“国民の無責任さのおかげで、あの国が自立するのを、我々が座視したままでいる理由がわからない。”と、思い続けているに違いない。と、72年間の軍による直接支配構造を説明した『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』を思い出す。

2017年8月28日 (月)

クリストファー・ノーランの『ダンケルク』: 歴史も政治も抜きの第二次世界大戦勃発

David Walsh
2017年7月26日

“どうしようもない程、目の見えない人々だけが、イギリスとフランスの将軍や提督連中が、ファシズムに対して戦争すると信じることができる!” - レオン・トロツキー、1940年5月

イギリス人監督クリストファー・ノーランの新作映画『ダンケルク』は、1940年5月-6月のイギリスとフランス軍の多数の兵士を北フランスから救出した有名な作戦の話だ。

5月10日に始まった英仏海峡西方へのドイツ軍による素早い進撃の後、イギリス海外派遣軍(BEF)と、その同盟軍が、フランスとベルギー海岸線の細長い地域で遮断され、包囲されることになった。5月26日から6月4日にわたる“ダイナモ作戦”で、約340,000人の兵士がイギリスに脱出した。イギリス南部から英仏海峡を横断し、ベルギー国境から10kmにあるダンケルクの海岸と防波堤から、兵士たちを大型船に運んだり、イギリスの港まで直接運んだりして、救出で、多くの小型船舶が重要な役割を演じた。


『ダンケルク』

ノーランの映画は長さは異なるが(それぞれ一週間、一日、一時間)重複している“陸”“海”と“空”の三部構成だ。

“陸”では、トミー(フィン・ホワイトヘッド)が、ダンケルクの街で見えないドイツ軍に銃撃されるイギリス軍部隊の若い兵士だ。彼だけ生き残り、海岸へと向かうと、何万人もの兵士が立ち往生している。彼は後でフランス人とわかる“ギブソン”(アナイリン・バーナード)とアレックス( ハリー・スタイルズ)と組むことになる。映画のこの部分は彼らを危機から救う船を捜そうとするトミーと仲間の様々な益々必死の努力を描いている。

“海”では、ドーソン(マーク・ライランス)が、脱出作戦の一環として、英国海軍に徴発された小型船を持っている。ところが、彼と息子のピーター(トム・グリン=カーニー)と17歳の甲板員ジョージ( バリー・コーガン)は、海軍船員にやってもらうのでなく、自分たちで英仏海峡横断すると決める。途中で、ドイツのUボートで船が沈没させられ、砲撃でストレス状態になったイギリス人兵士(キリアン・マーフィー)を救いあげる。ドーソンが船を沈没現場から遠くないダンケルクに向けて進めていると知ると兵士が暴れる。

“空”部分は、ダンケルク上空でドイツ戦闘機と交戦する二人の英国空軍パイロット、ファリアー(トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ロウデン)を追う。ドイツ空軍は比較的自由に行動して、イギリス艦船やボートを攻撃し、海岸にいる兵士たちも爆撃する。ファリアーとコリンズの任務は地上軍を掩護することだ。コリンズは飛行機を不時着水せざるを得なくなり、最善の結果を期待する。ファリアーは戦い続けるが、燃料がわずかだ。


『ダンケルク』のマーク・ライアンス

ノーランの『ダンケルク』には、いくつか視覚的に目を奪われる場面がある。空中戦場面は確かに印象的だ。映画撮影は総じて壮麗で、カメラは自然や人々の詳細を深くとらえている。

ある種劇的な展開(ライランスの抑えた知的な演技も含め)があるので、ドーソン-ライランスの場面が、映画の中で最も印象に残る。ジョージの運命には実に悲劇的なものがある。兵士たちのダンケルク救出支援を志願する若者なのに、自身重傷を負った兵士の一人によって、致命傷を負ってしまうのだ。

それを別とすれば、他にはほとんど何もない。“陸”と“空”での対話は最小限で、ともあれ印象的なものは皆無だ。映画が進むにつれ、“陸”部分は、段々と(しかも、うんざりするほど)登場人物たちが、致命的な結果になりそうな状況を次々と切り抜けるのを強いられる型にはまったパニック映画に見えてくる。

映画の全体的雰囲気は一貫性がない。テレンス・マリックの映画に敬服しているとノーランは語っている。残念なことに、ノーランは、マリックの最高作品、特に『シン・レッド・ライン』(1998年)のいくつかの場面から触発されたのではなく、陰鬱なハイデッガー風宇宙の中を、登場人物があてもなくさまよい歩く、同じアメリカ人映画監督の最新作から触発されたようだ。ノーランの新作映画の一部は、その種の雰囲気を再現している。そこで突如音楽が高まり、イギリス人の“勇気”や勇敢な行動が土壇場で成功をもたらすのだ。どうしても納得が行かない。

『ダンケルク』はいかなる伝統的な意味でも戦争ドラマではないのは、対象となっている1940年の出来事が、戦闘あるいは一連の戦闘というものではなく、歴史的な敗北、壮大な撤退だったがゆえだけではない。


トム・ハーディ

第二次世界大戦に関する無数のアメリカやイギリス映画は、よかれ悪しかれ、概して国民の人種や階級の“代表例”である少規模部隊に焦点を当てている。そうした作品では、最初は身勝手というか個人主義で、恐怖で身をすくませるが、戦闘の過程で、言い換えれば実に運命的な条件の下で、“大義”のために、集団の必要性を優先し、必要とあらば、自己犠牲の必要性を学ぶ登場人物(あるいは複数の登場人物)が多い。戦争中あるいは直後に制作された映画は、“民主主義”や専制への反対を、究極的に、そのために戦って死ぬに値するを主な要因にして、ファシズムや独裁制に対する大衆の圧倒的な反感を考慮しており、多くの場合、共有もしていた。

ノーランは、戦争や、その原因や、正当性などに関する議論を避けて、そうした重荷から逃げている。主人公たちは若いかも知れないが、大恐慌や、他の衝撃的な出来事を生き抜いてきたのだ。彼らには何らかの政治的意見があったはずだ。わずか二十年程前の第一次世界大戦で勝ち誇ったはずのイギリス軍に与えられた大惨事の規模や原因について、登場人物の誰一人、疑問を投じない。実際、誰も意味ある発言をしない。

エルストン・トレヴァーの(1955年)「The Big Pick-Up」を部分的に基にしたレスリー・ノーマンの『激戦ダンケルク』(1958年)は、脱出についての、堅苦しい紋切り型の愛国的映画で、ジョン・ミルズ、リチャード・アッテンボロー、バーナード・リーやロバート・アーカートを含む多数の著名な、頼もしい当時のイギリス人俳優が出演している。とは言え、極度の制約にもかかわらず、ノーマンの映画は、少なくとも、冒頭場面から終始、(映画があからさまに馬鹿にしている当時の政府やマスコミの主張に反して)油断とダンケルク大惨事の規模を指摘する義務を感じている。

最初の『ダンケルク』は別として、1950年代と1960年代の戦争映画(『暁の出撃』、『The Man Who Never Was』、『戦場にかける橋』、『愛欲と戦場』、『攻撃』、『愛する時と死する時』、『若き獅子たち』、『ビスマルク号を撃沈せよ!』、『ナヴァロンの要塞』、『Hell to Eternity』、『史上最大の作戦』、『Merrill ’ s Marauders』、『大脱走』、『シン・レッド・ライン』、『大列車作戦』などの作品)は、成功の度合いこそ異なれ、第二次世界大戦を、政治的、軍事的、心理的に理解しようとつとめていた。

あいにく現代の映画監督たちは、もはや歴史的な出来事を、引用符中に置かれることが多い言葉の一つである“説明する”ような俗事にかかずらうことはしない。連中はほとんど、そうした俗事を超越しているのだ。

1940年5月-6月、イギリス海外派遣軍に対するドイツ軍の勝利と、それに続くフランス第三共和国崩壊と、敵に協力的な連中によるビシー政権樹立は些細なことではない。


フィン・ホワイトヘッド

1939年9月1日、ドイツによるポーランド侵略後、そして二日後のイギリスとフランスによる対ヒトラー政権への宣戦布告後、1940年5月に、ドイツ軍がフランス、ベルギーとオランダを攻撃するまで、ヨーロッパでは、いかなる主要作戦も行われなかった。イギリスとフランスの軍は、八カ月も受動的に待ち続けていた。フランス軍には“敗北主義”がはびこっており、イギリス既成支配体制は分裂でばらばらだった。ナチス“宥和”に最も責任があったはずの人物ネビル・チェンバレンが、1940年5月10日、ウィンストン・チャーチルにとって変わられるまで首相の座に居座り続けた。

一方、1940年春のヒトラー軍隊の勝利は、レオン・トロツキーの言葉によれば“自らの任務という側面でさえの帝国主義民主主義の堕落”を実証していた。イギリスとフランスの支配エリート層は(退位したイギリス国王エドワード8世を含め)ヒトラー主義を、ボルシェビキ思想と社会革命に対する最強の防衛と見なす親ナチス分子だらけだった。

トロツキーは説明していた。フランスの降伏は“単なる軍隊の出来事ではない。ヨーロッパの破滅的状況の一部なのだ。… ヒトラーは事故ではない。彼は我々の文明全てを粉砕する脅威を与えている帝国主義の最も徹底的で、最も凶暴な表現であるにすぎない。”

一方、ドイツの軍事的勝利は、ヨーロッパや世界の労働者階級に対するスターリン主義者による裏切りの悲惨な結果を実証していた。五年間“人民戦線”を宣伝し、様々な“民主主義”の幻想を生み出した後、1939年に、ソ連政権はヒトラー側に転じ、欧米列強の“軍事力を麻痺させた”と、トロツキーは書いていた。“破壊用のあらゆる機構にもかかわらず、精神的要素が、戦争における決定的重要性を保持している。ヨーロッパ大衆の士気を阻喪させ、ヨーロッパにおいてのみならず、ヒトラーに仕えて、スターリンは挑発の手先役を演じたのだ。フランス降伏はそうした政治の結果の一つに過ぎない。”

トロツキーの冷静で正確な論評だけでなく、多少真摯なあらゆる取り組みによって、二度目の、悲惨な帝国主義戦争勃発に関する、大半の今日の作家や監督たちにとっては、決着済みの問題であることは言うまでもない。

歴史的問題に関するノーランの沈黙、あるいは“自制主義”は、ノーランによる取り組みの前進ではなく、複雑な疑問を前にしての無能を現すに過ぎない。

映画監督は『ダンケルク』から歴史と政治を排除し、上述の通り、凡庸な“災害映画”のレベルにおとしめるのが意識的な決断であることを示す様々な発言をしている。

あるフランスの雑誌に、例えば、“これは戦争映画というより、生き残りがテーマのサスペンス。… 登場人物への共感は、彼らの物語とは無関係だ。対話で、登場人物の物語を語りたくはなかった。問題は、彼らが誰であるかではないし、彼らが誰のふりをしているかではないし、彼らがどこから来たかではない。私が興味があった唯一の疑問はこうだ。彼らは脱出できるのだろうか? 防波堤に行こうとする際に、次の爆弾で殺されるのだろうか? それとも海を渡っている間に潜水艦にやられるだろうか?”と語っている。

登場人物への共感は“彼らの話とは無関係だ”ろうか? 問題は“彼らが誰なのかではない”のだろうか? すると人は、パラディやヴォルムートの虐殺をやらかしたばかりで、移送を待っているナチス親衛隊兵士に対しても、大恐慌やイギリス帝国主義の世界的野望の犠牲者である、イギリス人やスコットランド人の青年たちに対して感じるのと同じ状況で、同じように感じるべきなのだろうか? ノーランは“唯一私に興味があった疑問は、 彼らは脱出できるか?”だと言ったのを恥ずかしく感じるべきなのだが、彼はたぶんそう感じるまい。

ジョシュア・レヴィンの『Dunkirk: The History Behind the Major Motion Picture』が、ノーランの映画封切りにあわせて刊行された。助監督のニロ・オテロが“クリス[ノーラン]が歴史の教訓を与えないことを選び、ダンケルク物語を、サバイバル映画として描いた事実が、インパクトを強めている。‘後に歴史になるものの真っ只中にいると、それが歴史だとはわからないものだ。’と考えている”とレヴィンは説明している。

レヴィンはこう書いている。“クリスは、歴史を観客にとっての個人的経験に煎じつめることで、映画がロールシャッハ・テストのようなものになることを期待していた。彼は政治的解釈を観客に押しつけたくはないのだ。彼はそういうことには興味がない … 彼は我々を主人公の視点にたたせる普遍的な映画を作りたいのだ。そうすることによって、‘観客は『ダンケルク』の中で、彼らが見出したいものを見出せるのだ’と彼は言う。 ”本当の『ダンケルク』発見とは一体何だろう?

もちろん、ダンケルクのドラマに参加した人々の多くは、自分たちが何をしているのかを知っていたか、多少は理解していた。 政府と既成支配体制が全体として、危険を軽視する中、普通のイギリス人の多くが、ヒトラーとファシズム脅威に反応していたのだ。結局、1930年代中、自国の支配階級の手によって、ひどく苦しめられ、 栄養失調にさせられたイギリス労働者階級は、反抗的で、敵意を持っていたのだ。

実際、ダンケルクのエピソードに関して決して十分回答されていない一つの疑問は、一体なぜヒトラーは、イギリス軍を絶滅できていた可能性が極めて高い戦車攻撃を、数日間中止するよう命じたのかだ。ロンドンと和解に至る希望を彼がまだ持っており、イギリスにおける社会革命の可能性を彼が恐れていたため、イギリス陸軍を殲滅するのは長期的にはナチスの利益にならないと、ファシスト指導者は感じていたためだと主張するむきもある。

「テレグラフ」で、ノーランはこう語っている。 “現在の観客に直接関係しない、古びたものと片づけられるような映画は作りたくないと思っていた。… まずは、状況の政治にはまりこんでしまうのを即座に排除することだった。室内で、地図上で色々動かしている将軍たちは登場しない。チャーチルは登場しない。敵はおぼろげにしか見えない。”

またしても、驚きで、目をこすらずにはいられない。フランスの戦いは、第二次世界大戦初期の極めて重大な出来事の一つで、二十世紀の重要な政治的出来事だ。戦争に関するもっとも良く知られている格言の一つで、広く公理として受け入れられている、プロイセン王国の将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツによる“戦争は別の手段による外交の継続である”がある が、ノーランにとっては、戦争はいかなるものの継続でもなく、別の世界に存在するものなのだ。

歴史に関する真剣さの欠如と知識の欠如が結びつき、現実に対する個々の主観的認識が可能だという理由で、全てが正当化される。

著書の中で、レヴィンはこう書いている。“[ダンケルクで]海岸や防波堤に立っていた、あるいは牛にしがみついて撤退した各個人にとって、異なる現実が存在していた。並べて見ると、こうした現実は、お互いに矛盾することが多い。”ノーランはこう付け加えている。“映画は、客観的現実を規定する個々人の主観的な経験の紛らわしい性格に、大いに基づいていると私は思う。それが私が制作した全ての映画全てを貫く糸だ。全てが個人的経験に関するもので、客観的現実と矛盾する可能性があるので、映画には無限の数の経験とお互いに矛盾するだろう物語りや、様々な形のコメントと思われるものに対する余裕を是非残すようにしている。”

言い換えれば、歴史を語ることは、それぞれ他の全てと矛盾する可能性がある個々の経験、あるいは物語の要約なのだ。それぞれ同様に妥当であり、たぶん、妥当でないのだ。特定時点では、誰一人として、自分が歴史を作っているとは知ることができず、政治的、歴史的に、一体自分が、どういう場に位置しているのかさえも知ることができない。特定のイデオロギーを押しつけることによって、“歴史”は後で形成されるのだ。客観的な歴史を書こうという取り組みは、実際その生活も感情も無視される“普通の人々”に対して意地悪い物となることが多い。もっとも深遠な手法は、個々の経験をできるだけ正確かつ誠実に描いた逸話による歴史なのだ。

“時間を超越する”手法は、必然的に、抽象的であいまいな人々や出来事を生み出す結果になっている。これは、ドラマの概して微温的で、退屈な性格の説明としても役にたつ。あらゆることが失敗し、観客が興味を失うかも知れないと監督が感じる場合には、少なくとも下級兵士における人間不信と暴力に彼は頼っている。一方、ケネス・ブラナー演じる、脱出時に“桟橋長”を務めるボルトン海軍中佐は、終始冷静で落ち着いており、映画の最後の瞬間に、残ったフランス軍兵士の出発を監督する自分の場に居続けると誓約する。

徹底的な月並みだ。当今の主観主義という映画の“革新的”特徴は、実際、極めて体制順応的で国粋主義的な見方と、ぬくぬくと共存している。彼らがあたかもエイリアンで、これがホラー映画であるかのように、ドイツ軍兵士を出さないという決定にさえ及んでいる。

要するに『ダンケルク』は、第二次世界大戦勃発に関して、それからほとんど何も学ぶことができない映画だ。人類が直面している最も深刻な脅威、第三次世界大戦が勃発しかねない途方もない世界的緊張の時期に、これが撮影され、上映されているのだ。これは知的に無責任と思えないだろうか?

グーグルの検閲と戦おう!

グーグルは、World Socialist Web Siteを検索結果掲載を妨害している。

このブラックリスト工作と戦うため:
本記事を友人や職場の仲間と共有しよう。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2017/07/26/dunk-j26.html
----------
この映画、ネットでは絶賛記事だらけだが見てlいない。

米軍が最も恐れた男~その名はカメジロー』を見にゆく予定。

2017年8月27日 (日)

対立の像: 反南部連合国闘争を遥かに超えて広がる記念建造物倒壊

公開日時: 2017年8月19日  19:01
RT


© Aaron Bernstein / ロイター

南部連合国のロバート・E・リー将軍像を巡る衝突で、アメリカにおける、過去の奴隷制度の象徴との戦いが浮き彫りにされた。論議を呼ぶ歴史的遺物への対処には、時に残虐で、時に愉快な長い歴史がある。

記念建造物の倒壊は、何世紀、いや千年にもわたって称賛されているならわしだ。悪名高い、2001年 タリバンによるアフガニスタン、バーミヤンの仏像破壊、あるいは「イスラム国」(IS、旧ISIS/ISIL)による、シリアのパルミラや他の場所での蛮行などのように、文化的、宗教的な争いと結びついていることが多い。

だが大半は、過去の記念建造物が、疎まれた支配者や、打倒された政府の姿であるがゆえに、標的にされてきた。ファラオのトトメスIII世は、前任者ハトシェプスト女王の跡を、時には彼女の名を彼女の姿から消すことで傷つけようとした。


古代エジプトで最も有名な女性のファラオ、ハトシェプスト女王 カイロ・エジプト博物館 © Khaled Desouki / AFP

時には、支配者たちの像は破壊されるだけでなく、新政権にとって都合の良いものに作り替えられることもある。1792年、フランス革命時に、ポン・ヌフの、ほぼ二世紀の歴史があるアンリ4世記念建造物が破壊され、その金属は大砲鋳造に使われた。1818年、王政復古後、ヴァンドームの円柱の頂上にあったナポレオン像からのブロンズも一部として利用して、再建された。現在も、パリの歴史的建造物だ。

 


乗馬姿のアンリ4世像 © Jacky Naegelen / ロイター

アメリカ合州国も、その存在のそもそも始まりから、記念碑倒壊を行ってきた。1776年に独立宣言が批准されてわずか五日後、マンハッタンにあったイギリス王、ジョージ三世の金箔鉛像が引き倒され、マスケット銃の銃弾作りに使われた。


ニューヨーク市でのジョージ三世像倒壊。アメリカ革命戦争  © Bettmann / Getty Images

マスコミが出現して以来、像倒壊は、1956年、ハンガリー動乱時のソ連独裁者ヨセフ・スターリン像倒壊のように、変革あるいは変革未遂の強力な象徴に変えられることが多い、。ところが、暴徒は高さ8メートルのブロンズ像まるごと倒壊するのに失敗し、暴動が鎮圧された後も、台座上に、スターリンの長靴が残った。この残骸のコピーが、社会主義ハンガリーという過去に捧げたブダペストのメメント・パークの一部となっている。


ハンガリー、ブダペストのソボルパーク【彫像公園】メメント・パークにあるスターリン像のブロンズ長靴像   © Akos Eleod / Getty Images

記念建造物の引き倒しがニュースで報道された様子が、行為自体よりも重要となった、初めての例は、2003年のアメリカによるイラク侵略時のものだろう。フィルドス広場でのサダム・フセイン像破壊が生放送され、イラク人が圧倒的に介入を歓迎している証明だとワシントンが吹聴した。当時の国防長官ドナルド・ラムズフェルドは、ベルリンの壁崩壊になぞらえた。

像倒壊を目撃していた数十人の欧米ジャーナリストの一人であるピーター・マースによれば、現地の現実はいささか違っていた。出来事は、アメリカ軍兵士が、巧妙に引き起こしたもので、広場にいたイラク人は少数で、おそらく、当時のニュースが人々にそう思わせたほど熱狂してはいなかったと彼は言う。像倒壊を巡るマスコミの歪曲を考えれば、あれは、あの戦争にぴったりのシンボルとして役立ったのだ。


2003年4月9日、イラク、バグダッド中心部で、イラクのサダム・フセイン大統領像が倒壊されるのを見つめるアメリカ軍兵士、  © Goran Tomasevic / ロイター

白人至上主義が要点だが、それ自体何ら新味はない南部連合国記念建造物とその役割を巡るアメリカでの論議が、先週末シャーロッツビルでの暴力沙汰後、突然脚光を浴びるようになった。悲劇的出来事が、今年のアメリカの主要事件、アメリカ国内における大きな分裂の象徴となった。

ソーシャル・メディアで増幅されて、メッセージはこういうものになっている。あなたは我々の側なのか、それともトランプや彼が支持するあらゆる偏屈者、人種差別主義者や、殺人者の側なのか? 言い換えれば、あなたは我々の側なのか、それとも過激リベラル、偽ニュース売りや、我々の過去、我々の価値観、我々の大統領を汚そうとする他のあらゆる連中の側なのか?

    神に逆らった悪魔ルシファーの話は多くのキリスト教徒の伝統の一部だ。悪魔ルシファーの像がある教会には行ったことがない。
    - チェルシー・クリントン (@ChelseaClinton) 2017年8月18日

衝突がロバート・E・リー将軍像の撤去計画を巡って始まったという事実はそれほど重要ではないが、それは巨大な余波を引き起こすことに成功した - 怒れる群衆による、他の南部連合国記念建造物破壊や、シカゴでのリンカーン胸像放火

感情的津波の、予想外の(可能性がある)犠牲者として、シアトルにあるボリシェビキ指導者レーニン像が、右翼抗議行動参加者とエド・マレー市長双方の標的になった。双方にとって、共産主義指導者の記念建造物は、レーク・ビュー墓地にある南部連合国記念碑の保存賛成、反対を論じるための小道具に過ぎず、いずれの側も、それを引き倒すために、レーニン像所有者から買い取るつもりはなさそうだ。


アメリカ、ワシントン州、シアトル、フリーモントにあるレーニン像。 ©  Danita Delimont / Global Look Press

皮肉にも、シアトルのレーニン像は、共産主義あるいはソ連の偶像ではなく、珍品だ。元々はチェコスロバキアにあったのを、収集家が、廃品置き場から購入し、アメリカに持ち込んだものだ。社会のしきたりにとらわれないフリーモントの共同体は、美術展示の一環として使って、ボロをまとわせたり、クリスマスに、赤い星を頭上につけたりしている。像の元々の象徴的意味は、毎日眺めている人々には気にならないようだ。


© Alex L. Fradkin / Getty Images

世界の反対側、ウクライナで、シアトルでの芸術的ハイジャックの奇妙な酷似がおきている。ウクライナ現政府と民族主義集団は、ロシアと一緒だった過去の象徴を根絶することが狙いであり、ソ連時代に残された何百ものレーニン記念建造物は主な標的だ。今週、当局はレーニンの像全てを含め、ウクライナ国内の2,389のソ連記念建造物を撤去すると報じた。

感傷なり、市当局が費用を負担することになるためなりで、この“レーニン打倒”を嬉しく思わないむきもある。そこで、一部の町村では、レーニン記念建造物は、論議の的であるウクライナ人ヘーチマン、イヴァン・マゼーパの部下だったフィリプ・オルリクのような無難な歴史的人物へと献呈先を変えられた。

更に読む: 邪悪な側に引き込まれたレーニン: ダース・ベイダーに変えられた革命家像

あるいは、ダース・ベイダーにさえ! オデッサのレーニン像は、現地の政治家によって、ダース・ベイダーの服をまとったスター・ウォーズの悪役姿に作りなおされ、名前まで、そうなった。

ソ連内でのレーニン同様、彼の国内で卓越して展示されていた別の指導者の像には、また違う運命が待っていた。サパルムラト・ニヤゾフは - あるいは、彼がそう呼ばれるのを好んだ、テュルクメンバシュ、全てのトルクメン人の父- 称賛されるのを好んでいた。支配していた二十年の間に、トルクメニスタン終身大統領は推計14,000の像と胸像を建てた。

最大のものは、トルクメニスタン非同盟政策の象徴、高さ約100メートルの「中立性のアーチ」の頂上におかれた。両手を空に向けて伸ばして、輝くテュルクメンバシュは、常に太陽に面するように回転していた(太陽が像の顔を見るために空を回っているのだというジョークが人気だった)。

「中立性のアーチ」  Therin-Weise / Global Look Press

ニヤゾフ死去から数年後、後継者が、アーチと記念建造物を、アシガバートの中心広場から撤去するよう命じ、多くの人々は、テュルクメンバシュの巨大記念建造物を二度と見ずに済むと期待した - ファラオのトトメスがそうしたのと同じ理由で。彼らは間違っていた。建造物丸ごと市の郊外に移転しただけだった。ただし、像はもはや回転していない -たぶん、国民に背中を向けることがないように。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/400274-toppling-monuments-historic-incidents/
----------

フィルドゥス広場での像引き倒しのヤラセについては、2008年の下記記事でも触れられている。

戦争物語の制作では、ペンタゴンはハリウッドの強敵-『戦勝文化の終焉』あとがき

2012年、シリアで取材中に銃撃で亡くなった日本人女性ジャーナリストも像倒壊現場にいあわせ、違和感を記事にしていた。

強権的独裁者ニヤゾフ、トルクメニスタン大統領在位15年。

今日選挙がおこなわれる現職茨城県知事は在位24年だという。

今回は官製候補ではなく、反原発派に勝ってもらいたいもの。

※【IWJブログ・特別寄稿】10月の「トリプル補選」への布石で勝利を狙う自民党が大物国会議員を次々と投入!7期目を狙う現職候補と一騎討ち!「再稼動阻止」を託せるのは誰だ!?(ジャーナリスト・横田一) 2017.8.26
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/396404

2017年8月26日 (土)

ベネズエラに対するトランプの威嚇はブッシュやオバマに酷似

Wayne MADSEN
2017年8月21日
Strategic Culture Foundation

ベネズエラに対して、アメリカ軍を使うという、アメリカのドナルド・トランプ大統領による最近の威嚇は、石油豊富な中南米の国の大統領に、多数のベネズエラ人傀儡の一人を据えようというワシントンのこれまでの取り組みに追随するものだ。2017年8月11日、ニュージャージー州ベドミンスターのカントリークラブで行った支離滅裂な発言で、トランプはこう述べた。“これ[ベネズエラ]は我々の隣人だ... 我々は世界中におり、世界中とてもとても遠い場所にも軍隊を置いている。ベネズエラは決して遠くはなく、人々は苦しんでいて、死につつある。ベネズエラに対して、もし必要とあらば、軍事的選択を含め、我々には多くの選択肢がある。”

アメリカ軍の海外における冒険や“政権転覆”を慎むという政治方針で選挙運動をしたトランプが、ジョージ・W・ブッシュやバラク・オバマを見習って、選挙で選ばれたベネズエラ政権を打倒すると威嚇している。

2002年4月、中央情報局(CIA)がペンタゴンと協力して、ベネズエラ大統領故ウゴ・チャベスに対するクーデターを企てた。わずか数日後、不実な軍幹部に監禁されていたチャベスを、忠実な軍人たちが、大統領の座に戻して、クーデターは失敗した。ブッシュ政権、更にオバマ政権が、様々な方法で、ベネズエラの人民主義政府を傷つけようとしてきた。

チャベス大統領や、マドゥロ大統領を卑劣な手段で攻撃しているCIAが資金提供する組織の中には、ウクライナ、ジョージア、セルビア、マケドニア、イラン、エジプト、ビルマ、ボリビア、ホンジュラス、エクアドルや何十もの他の国々における不安定化工作に汚らしい関与の痕跡を残しているCIAフロント組織、全米民主主義基金(NED)がある。2005年、アメリカが資金提供しているベネズエラの野党党首マリア・コリナ・マチャドと、彼女の組織“スマテ”の仲間三人が“ベネズエラ共和体制を変える陰謀”のかどで裁判にかけられた。マチャドとスマテは、NEDから違法に受け取ったかどで告訴された。

2005年12月4日、アメリカが資金提供している野党がボイコットした選挙前夜、CIAが支援するテロリストが、アムアイ-カルドン精油所への重要なパイプラインを爆破した。その前、10月に、スリア州で別のパイプラインが破壊された。ベネズエラ石油産業は、アメリカによる破壊の格好の標的だ。2002年のクーデター直前、CIAに一時出向したアメリカの特殊作戦要員が、国有のペトロレオス・デ・ベネズエラ、S.A. (PDVSA) 石油インフラ内での労働争議を煽動しようとした。

2006年9月、チャベスによる国連総会演説後、現在のベネズエラ大統領で、当時外務大臣だったニコラス・マドゥロは、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で、カラカス行きの飛行機に搭乗しようとした際、90分拘留され、国土安全保障省職員に粗末に扱われた。総会で、前日演説したブッシュに触れ、チャベスはこう言った。“悪魔[ディアブロ]がここに来ていた. . . 今日もまだ硫黄が匂う”。外交特権というアメリカと国連の条約に違反し、ブッシュ政権は、マドゥロを標的として不満の捌け口にすると決めたのだ。

CIAとペンタゴンに加えて、チャベスとマドゥロは、アメリカ麻薬取締局(DEA)が、麻薬カルテルを支援し、ベネズエラでの麻薬密輸に関与して、絶えずベネズエラを不安定化させようとしているとも主張した。チャベスは、反政府勢力に協力していると主張して、カラカスのアメリカ大使館に配属されたDEA職員の外交特権を剥奪した。

2006年、国連総会で、意地悪い手段を使って、ベネズエラが大いに切望していた国連安全保障理事会の非常任理事国の座を与えないことに、アメリカは成功した。中南米向けに用意された一議席は、ベネズエラとアメリカが支援するグアテマラの右翼政府とによる競争となった。毛沢東主義者連中とネパール政府幹部は、不安定な休戦状態にあったとは言え、ネパール外務大臣、K. P. シャルマ・オリと、グアテマラ外務大臣ゲルト・ロセンサールとの間の外交交渉は、総会で、ネパールのグアテマラ票を確保する可能性が高かった。これはベネズエラを支持している毛沢東主義者をかんかんに怒らせた。

ベネズエラ支持の社会党と、グアテマラ支持のキリスト民主党が“協調”連合を組んでいるチリ政府は行き詰まり、チリは棄権せざるを得なくなった。一方、イスラエルによる2006年のレバノン攻撃と侵略の怒りが冷めやらぬレバノンの連合政権は、グアテマラではなく、ベネズエラを強く支持した。

アメリカ寄りの億万長者と、人民主義者の左翼、ラファアル・コレアとのエクアドル大統領選決選投票のため、エクアドルは総会で棄権した。長年、ブッシュ政権は、小さなタックス・ヘイヴン諸国に、国際法執行機関の連中や課税査定官に帳簿を見せろと脅してきた。ブッシュ政権は、リヒテンシュタイン、アンドラ、サンマリノ、モナコ、ナウル、ヴァヌアツ、トンガ、サモア、ルクセンブルク、セーシェルとモーリシャスに、グアテマラに投票しないと承知しないぞと脅しをかけた。これで簡単に、グアテマラ11票獲得だ。アメリカ旧太平洋領三国、パラオ、ミクロネシアと、マーシャル諸島(旧ソ連のベラルーシや、ウクライナ社会主義共和国が、国連に議席を占めていたことのアメリカ版に過ぎない)を加えて、グアテマラは、14票確保した。結局、ベネズエラとグアテマラは引き分けになったが、大半がベネズエラを支持していた中南米とカリブ共同体諸国は、不承不承、パナマに投票することに同意した。ベネズエラに、安全保障理事会の席を与えなくするのは、カラカスに対するアメリカの外交的、財政的強要行為だったが、それはワシントンに有利に機能した。

2010年、オバマ政権が、ベネズエラに対する経済戦争を承認し、この政策は、トランプの下で継続されている。チャベスは、ベネズエラ・ボリバールを、50パーセント切り下げ、ベネズエラ石油輸出をより安価にし、ベネズエラの歳入を押し上げた。ところが、切り下げで、予想通り、物価が上がり、ベネズエラはインフレになった。CIAと、その従順なNGOは、すぐさま、消費者向け製品の価格上昇前に店に、消費者が駆け込んでいるという話を広めた。輸入物の液晶テレビが、大幅に価格上昇すると、商業マスコミが大宣伝する目玉商品となり、ベネズエラ・エリートに人気のショッピング・モールには、価格上昇前の長蛇の列ができた。

食料、薬品、教育用品等の一部の消費物資や産業機械が、異なる為替レートや価格統制によって、ボリバール引き下げで影響を受けないようベネズエラ政府が除外したことを、欧米マスコミは報じなかった。それにもかかわらず、テレビ、タバコ、アルコール、携帯電話とコンピュータの価格上昇を、ベネズエラ消費者に対するチャベスの動きによる悪影響だとして、ベネズエラ国内・国外の反チャベス勢力大いに宣伝した。欧米によるチャベスに対するのと同じ経済圧力が、致命的なガンによる早すぎたチャベスの死後、大統領の座を引き継いで以来、マドゥロを見舞っている。

オバマ政権は、ベネズエラに対するひそかな軍事・諜報活動も承認した。アルバ島やキュラソー島の基地から、アメリカの沿岸監視機によるベネズエラ領空侵犯が行われた。ベネズエラ軍、警察、PDVSAやマスコミに埋め込んだCIAの手先による、アメリカが煽動する反チャベス反乱の際に、ベネズエラ軍の通信ネットワークを妨害するのに、アメリカ合州国が使用する事になる電気信号・諜報データを収集するため、チャベスを威嚇し、ベネズエラのレーダーや、指揮、統制、通信、および情報(C3I)システムを作動させるよう、飛行は仕組まれていた。ベネズエラの国境防衛を評価するため、国境を越えたコロンビア民兵によるベネズエラ侵入もアメリカは煽った。これは、2010年11月、コロンビアの右翼民兵部隊がベネズエラのタチラ州で、ベネズエラ国家警備隊員二人を殺害して、最高潮に達した。コロンビアが保持していたベネズエラ国内の兵器貯蔵所は、ベネズエラ当局に差し押さえられた。ベネズエラはベネズエラ国内の数人のコロンビアDAS諜報工作員も逮捕した。

欧米マスコミは、左翼コロンビア革命軍(FARC)を支持して、コロンビア国内で襲撃を行ったのは、ベネズエラだったと、出来事をあべこべに報じた。中南米に関する限り、特に、短縮された実に不首尾なマイク・ペンス副大統領による地域歴訪後、アメリカの目に余る“砲艦外交”への回帰で威嚇するトランプは、オバマより遙かに危険かも知れない。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/21/trump-threat-against-venezuela-mirrors-those-bush-and-obama.html
---------
「旧ソ連のベラルーシや、ウクライナ社会主義共和国が、国連に議席を占めていた」という部分、宗主国と違う投票を決してできない某国を思い出す。

これから下記IWJインタビューを拝見予定。大本営広報部は決して扱わない話題。日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

【4】桁違いの「1200億円引き」で大企業11社に叩き売りされた都有地!都庁に50年勤務した大ベテランが都の「でたらめ」行政にため息!東京五輪閉会後、選手村跡地にあらわれる超高層マンション群

 「約50年都庁で働いたが、こんなでたらめは他になかった」ーー。

 24日(木)は岩上さんが、まだほとんど世間では知られていない問題を誰よりも深く掘り下げました。東京五輪で使用される選手村用地のために都有地がなんと「9割引き」で叩き売りされていた問題で、元東京都港湾局職員で現在、「臨海都民連」事務局長の市川隆夫氏にインタビューしました。

 払い下げられたのは、東京都中央区晴海にある都有地13.4ヘクタール(東京ドーム3個分)。この土地は、2020年東京五輪の選手村を作るための場所として、総額129億6000万円でディベロッパー11社からなる企業グループに払い下げられましたが、なんとその払下げ価格は適正価格にすると約1300億円にもなるというのです。実に、1200億円もの値引きがされた計算になります。

 晴海の土地払い下げの問題点は、値引き額の大きさだけではありません。実は、選手村として使われたマンションは2020年の東京五輪の後、富裕層向けのマンションとして改修されるのです。つまり、11社のディベロッパーは、破格値で都有地を手に入れたのち、富裕層向けに売却することで、差益で大儲けというわけです。都有地ということは都民の財産だったはずで、それが民間企業に破格値で払い下げられるということは、森友・加計問題と共通する、大問題です。

 IWJは説明責任を求めるべく、インタビュー直前まで都や11社のディベロッパーに直撃取材!市川氏のインタビュー中に各社から舞い込んだ回答については、インタビュー中に岩上さんが紹介していますので、ご覧になれなかった方は是非、インタビューアーカイブをご覧ください!

 市川氏はインタビューの中で、「ロンドンでは五輪後、選手村の半分を公的住宅にした。東京五輪の場合は、大会後に公的住宅として利用する住宅が1棟もない」と、公益性も公共性もない都のやり方にため息をつきました。

 さらに、こうした都の臨海部開発政策は、日本の人口減少の現実と合わない、次世代のことなどまったく考えていないめちゃくちゃな「住宅過剰供給政策」であることを、人口転入が続いている中央区などの湾岸部でも、すでに17万戸もの空き家が出ている事例を紹介しながらお伝えしました。人口が減っているというのに、住宅だけは作り続けるというムチャクチャな住宅過剰供給政策を続けていくと、日本中で空き家が増え続け、住宅全体の資産価値を押し下げていきます。

 住宅ローンを組んで家やマンションを購入したものの、失業などでローンが払えなくなり、売りにだそうとした時、驚くほど値がつかない、ということになりかねません。「住宅」という、誰にとっても無関係ではいられない問題について、学ぶ点の多い内容になっています。市川隆夫氏のインタビューはこちらのURLでご覧ください!

※五輪選手村跡地にタワマン林立プロジェクトの影で1300億円の都有地が9割引きの129億で叩き売りされていた!? 岩上安身による「晴海選手村土地投げ売りを正す会」市川隆夫氏インタビュー! 2017.8.24
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/396228

2017年8月25日 (金)

アメリカ合州国に攻撃される可能性が最も高い国リストにベネズエラを加えたトランプ大統領

Andrei AKULOV
2017年8月13日

8月11日、ドナルド・トランプ大統領はベネズエラを軍事介入で威嚇した。“軍事的選択を除外するつもりはない”と、ニュージャージー州ベドミンスターで、トランプは記者団に宣言した。“これは我々の隣人だ。我々は世界中におり、世界中とてもとても遠い場所にも軍隊を置いている。ベネズエラは決して遠くはなく、人々は苦しんでいて、死につつある。ベネズエラに対して、もし必要とあらば、軍事的選択を含め、我々には多くの選択肢がある”と彼は言った。これはベネズエラ国内の政治危機に対するワシントンによる対応の予期せぬ劇的エスカレーション。

ベネズエラは、広まる飢餓でかき乱され、ウナギ上りのインフレや街頭での暴動で、混乱状態に陥りつつある。野党が多数を占めた議会から、新たに選出された立法府に権限が移行した後、反政府勢力が軍事基地から武器を略奪し、状況は更に悪化した。17カ国が、マドゥロ大統領に忠実な全能の新制憲議会の発足を非難し、キューバ、ドミニカ共和国、ニカラグア、エルサルバドルやボリビアなどの多くの中南米諸国が、マドゥロ政権を支持し、8月4日に選出された議会を承認している。意見の差異にもかかわらず、武力行使を選択肢としてあげた中南米の国は皆無だ。

政権掌握後、トランプ政権は、ベネズエラに対する圧力を強化してきた。マドゥロと彼の政権を罰するためには、ベネズエラ石油の輸入・輸出禁止や、国営石油会社PDVSAに対する経済制裁を含め“あらゆる選択肢がある”と以前高官が述べている。政権は、マドゥロの権力強化の動きには批判的で、最近の新制憲議会選挙は“違法”だと言い、ベネズエラ大統領を“独裁者”と呼んでいる。ベネズエラでの制憲議会制定選挙後、アメリカ財務相は、マドゥロ大統領を含む30人のベネズエラ人に対し、彼らのアメリカ資産凍結、アメリカへの旅行禁止と、アメリカ人が彼らと事業を行うことを禁じる制裁を課した。

トランプ大統領は“民主主義が回復する”まで、ニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領と電話で話し合うことを拒否している。反ベネズエラ政府感情を駆り立てるのに、マスコミが貢献している。「ベネズエラの民主主義を死なせるな」と題するボストン・グローブの論説は“これまでの所、課している経済制裁は機能していない。アメリカ合州国と世界中の国々が、ベネズエラをハイジャックするのを許さないというメッセージを、マドゥロに送らなければならない。”

そういうメッセージとして送れる唯一のものは、海兵隊海外派遣軍だ。軍は、アメリカ国民とアメリカ国益を守る取り組みを支援する用意があるとペンタゴンは述べた。アメリカ合州国は、舞台裏で、軍とCIAを動かしての、中南米における政権打倒には長い実績がある。2017年8月13-18日に、マイク・ペンス副大統領がコロンビア、アルゼンチン、チリとパナマを歴訪している。歴訪は、ベネズエラに対するさらなる措置を発表し、更なる行動への支持を強化する好機だ。

一体なぜベネズエラ? 結局、中南米は政権の優先項目リストの第一番ではないように見える。6月、レックス・ティラーソン国務長官はベネズエラ状況を主題にした重要な米州機構会合を欠席した。国務長官は、代わりに、ペルシャ湾における緊張緩和という仕事に注力した。

ベネズエラはシリアではなく、内戦が続いているわけではなく、膨大な難民が出国しているわけでもない。北朝鮮でも、イランでもない。核兵器能力を開発する計画もない。マドゥロ大統領は依然、相当な支持を享受している。国は分裂していて、ベネズエラ国民全員が、アメリカ軍兵士を解放者として歓迎する用意があるわけではない。重要なのは、マドゥロ大統領を批判している中南米の諸政府も、政治的理由から、アメリカ軍による作戦に参加したり、あからさまに支持したりはできまいことだ。

だが、トランプ大統領の職務能力支持率は下落しつつあり、流れを変えるために、彼には何らかの行動が必要だ。クゥィニピアク大学の世論調査によれば、わずか33パーセントのアメリカ有権者が、トランプの職務を支持すると言い、61パーセントが支持しないと言った。同様な調査で、6月末に得ていた支持率40パーセントから、7パーセントの下落だ。6月、調査対象の84パーセントの共和党員が、トランプの職務を支持すると言った。ところが最新の調査によれば、同じ集団中の支持率は、76パーセントに下落した。

他の世論調査も、職務能力支持率が下がっていることを示している。現代の世論調査が始まって以来、大統領として、この時点で50%以下の支持率だった選出されたばかりの大統領は一人しかいない。 1993年のこの時点で、支持率が44%だったビル・クリントンだ。

アメリカ大統領は多くの面から攻撃されている。時々、弾劾要求の声が上がる。保守派連中は、こうささやき始めている。ペンス大統領。

外国における短期間の成功した軍事介入は、支持率を上げる手段だ。彼が4月7日に命じた対シリア巡航ミサイル攻撃後、トランプの人気は上がった。4月13日に“どの爆弾より強力な爆弾”とあだ名で呼ばれる大規模爆風爆弾兵器が、アフガニスタンの「イスラム国」戦士に対して使用された際も同じことが起きた。

当選後、次期大統領トランプは、外国の紛争への介入は避けるつもりだと述べた。戦争に投資するのではなく、資金をアメリカの老化しつつあるインフラ: 道路や橋や空港の建設に使うつもりだと言った。しかし、支持率を上げるための爆撃というのは、抗しがたい誘惑だ。そこで、ベネズエラが、アメリカ合州国によって、いつ何どき攻撃されかねない北朝鮮やイランなどの国々のリストに加わることとなったのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/13/president-trump-includes-venezuela-into-list-nations-most-likely-attacked-us.html
----------
朝鮮人虐殺追悼文を拒否した都民ファ×ストの実質主宰者の対応を聞いて『九月、東京の路上で』を思い出した。IWJのイベントで著者のお話を伺った後で拝読したものだ。

恥ずかしい事実を告白すると、おさななじみ数人全員ファシスト支持者。一年以上、彼らの飲み会に参加していない。数時間でも、記事翻訳するほうが有意義と思うので。

大本営広報部大政翼賛会がどう報道しているか知らないし興味はない。連中がさんざんあおった結果がファシストの大躍進だ。ファシストの子分連中、マスコミ取材に答えないよう厳重な箝口令がしかれている。

築地豊洲問題の本質を、共犯者たる大本営広報部大政翼賛会は全く報じない。

大本営広報部大政翼賛会、今度は、都ではなく、全国区でファシストをもりあげるべく全力を注いで、緑のタヌキ代理元特捜部氏をヨイショ。
モリ、カケを見ているだけで、特捜部という組織、傀儡ファッショ体制にとって目障りな人物の排除が主要業務であることは明白。

国の資産を叩き売りした悪党は長官になり、買った方が投獄される。
桁違いの叩き売りで買った人物を一度も取材しない大本営広報部。

昼の白痴製造バラエティ、音声を消して見ていても、隠蔽工作の共犯気分になる。

大本営広報部ではない日刊IWJの一部をコピーさせていただこう。

■□■□■□■□■□■□■□■□
<はじめに>「極右政治家」の本性現る?小池百合子東京都知事、「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に追悼文を送らない方針を決定!主催者はIWJの取材に対し、「歴史が歪められる」と懸念を表明!IWJは本日、小池知事定例会見を取材!
■□■□■□■□■□■□■□■□

 おはようございます。IWJテキスト班の原佑介です。

 昨日8月24日、小池百合子東京都知事が、「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」に、追悼文を送らない方針を決めたと一斉に報じられました。追悼式は日朝協会などが、関東大震災が発生した9月1日に毎年主催しており、追悼文は歴代都知事が送っていましたが、今年から方針を変更するということです。

※関東大震災朝鮮人犠牲者への追悼文取りやめ 小池知事(2017年8月24日、朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/ASK8S3K4NK8SUTIL00P.html

 一体どういう判断なのでしょうか。IWJは昨日、担当部署である東京都の都建設局に取材し、追悼文を取りやめる理由について、次のような回答を得ました。

 「追悼式が行われる都立横網町公園(東京都墨田区)は、震災、犠牲者を追悼する公園になっていて、園内ではいろんな追悼の集いが開催されている。都知事として震災への追悼は、すべての方に哀悼の意を表す『大法要』で、年2回行っているので、今後は個別のものには対応しないということで整理しました」

 「東京都慰霊協会」は毎年、関東大震災の9月1日と東京大空襲の3月10日に、遭難者に対する慰霊大法要を開催しています。都知事はここに追悼の辞を寄せているので、今後は大法要のみに一本化する、というのです。しかし当然ながら、関東大震災という自然災害の被災者と、関東大震災直後に人為的に虐殺された朝鮮人被害者とでは、犠牲や被害の意味がまるで違います。言うまでもなく、虐殺は自然現象ではありません。

 朝鮮人犠牲者追悼式を主催している日朝協会都連合会の赤石英夫事務局長はIWJの取材に対し、「今の歴史的な、歴史上の問題としてそれ(虐殺)を否定することに繋がる」と小池都知事の判断を批判。「朝鮮人や中国人が虐殺されたという事実を、私たちはきとんと見つめなければいけない。これでは、歴史が歪められる流れに与してしまうのではないか」と、小池知事の歴史修正主義的な政治姿勢に懸念を示しました。

 東京都も日朝協会も、「記録は残っていないものの、追悼文は少なくとも石原都知事時代から欠かさず送っていた」との認識で一致。「三国人発言」などで差別主義者として知られる石原氏でさえ送っていた追悼文を取りやめるというのですから、小池都知事の「極右政治家」としての本性がむき出しになって現れた「事件」であると言わざるをえません。

 東京都は、「都民からも特定のところに追悼文を送るのはいかがなものかという意見があった」とも説明しましたが、それは、朝鮮人虐殺というれっきとした史実を「自虐史観」であるとし、「日本人を貶める追悼碑を許すな!都立横網町公園・朝鮮人追悼碑の撤去を」などと呼びかけているネトウヨ団体「そよ風」なども含んでいるのでしょうか?そうしたネトウヨの歪んだ圧力を、良識的な「一般市民の声」と同一視するつもりなのでしょうか。

 実は小池知事は、衆議院議員時代の2010年に主催「そよ風」、協賛「在日特権を許さない市民の会女性部」の開催した集会で講演したこともあり、その親密性は問題視されていました。

 また、小池知事が環境相時代(小泉政権、2003年)には、日本の核武装についてのアンケートに、「国際情勢によっては検討すべき」と回答するなど、小池知事の正体がネトウヨに「リスペクト」される極右政治家であることは間違いありません。

 今回の追悼文取りやめも、ネトウヨ差別主義者らと共鳴する小池知事としては当然の判断だったのかもしれません。小池知事の極右性について、詳しくは岩上さんによる神戸学院大学・上脇博之教授のインタビューを御覧ください。

※都知事選最終盤!「大本命」小池百合子候補の真の「素顔」は「クリーン」からほど遠い極右政治家!~岩上安身による神戸学院大学教授・上脇博之氏インタビュー(小池百合子候補編・前編) 2016.7.25
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/320432#idx-3

 「10人くらいずつ朝鮮人をしばって並べ、軍隊が機関銃でうち殺した」「蜂の巣のようにつつかれた屍体を見た」「石油をぶっかけて二日二晩も続け様に焼きました」――。

 これらの凄惨極まる証言は、西崎雅夫著『関東大震災 朝鮮人虐殺の記録~東京地区別1100の証言』に収録された証言のほんの一部です。1923年9月1日の関東大震災発生に際し、「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などといったデマが流布され、一部の日本人が暴徒化。軍、警察、自警団によって、多くの朝鮮人が首都圏のいたるところで虐殺されました。

 本の著者「一般社団法人ほうせんか理事」の西崎氏は、大学在学中からこの問題の調査と資料収集に取り組み、「語り部」として当時の様子を伝える講演活動を行ってきました。2016年11月17日には、岩上さんが単独インタビューを行い、各地で繰り広げられた朝鮮人虐殺の目撃証言をひとつひとつ取り上げながら、軍と警察による関与の実態などについて詳しく話をお聞きしました。是非御覧ください。

※「次々と銃で撃ち殺されているのを見ました」――数多の証言から辿る、関東大震災・朝鮮人虐殺の「真実」~岩上安身による「一般社団法人ほうせんか」理事・西崎雅夫氏インタビュー 2016.11.17
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/346096

 また、IWJでは、『九月、東京の路上で』の著者・加藤直樹氏と虐殺現場を実際に歩いた「IWJ検証レポート」もアップしています。西崎氏へのインタビューとあわせてご視聴いただきたいと思います。

※【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く 2014.8.29
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165254

 IWJは本日、小池都知事の定例会見に参加し、改めて本人の見解を問いたいと思っていますが、IWJやフリー記者は、会見で手を挙げても、まったく指名してもらえず、事実上、取材拒否にあっています。しかし、「こんな仕打ちを受けるのでは、会見に行っても意味ないや」と腐っていてはIWJの名が廃れます。入学したての小学校1年生もびっくりするくらいの勢いで挙手し、質問権を求めてまいりますので、本日の配信に注目ください!

 こうしたIWJの粘り強い取材は、会員の皆様に支えられています。どうかIWJの取材活動を、有料会員としてご支援ください!

※会員登録はこちらからよろしくお願いします!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 IWJの活動費の半分は、みなさまからのご寄付・カンパによってまかなわれています。IWJでは、今月から新たな第8期が始まりましたが、残念ながら、ご寄付・カンパの件数、金額ともに激減しています。このままでは、安倍政権や小池知事らの進める歴史修正主義の波に飲み込まれるように、IWJが頭のテッペンまで沈没してしまうかもしれません。どうか、IWJへのご支援をよろしくお願いいたします。

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願い致します。
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

2017年8月24日 (木)

軍産複合体が権力の座につき、トランプの裏切り完了

Finian Cunningham
RT
公開日時: 2017年8月22日  15:40

トランプ大統領が、支持者に背を向けた最も明らかな印として傑出した一瞬があるとすれば、それは、アフガニスタンでのアメリカ軍事介入を再び段階的に拡大するという今週の彼の発表だった。

ゴールデン・アワーのテレビで、数千人の更なるアメリカ軍兵士のアフガニスタン派兵を命じて、“アメリカ・ファースト”で、前政権が開始した海外での戦争という愚挙を終わらせるという彼のおはこの選挙公約は、ずたずたにされた。アフガニスタンにおける、既に16年間にわたるアメリカ最長の戦争は、今や無期限に続くのだ。

ハフィントン・ポストは“トランプの曖昧な新アフガニスタン戦略、果てしない戦争を継続”という見出し記事を載せた。

    '急速撤退無し':トランプの劇的アフガニスタン戦略変更 https://t.co/VZRGA2ycwE
    - RT アメリカ (@RT_America) 2017年8月22日

それだけでなく、大統領は、軍隊の人数や期間に関するいかなる公的情報の提供も拒否した。国外におけるアメリカの戦争は、トランプのもとで拡大するだけではない。戦争は、秘密に、責任を問われることなく進むのだ。

軍国主義のこの増派は、候補者トランプが、ラスト・ベルト諸州のブルー・カラー労働者有権者に向けた選挙運動で、国内の“忘れ去られた”コミュニティーを再生するために、アメリカの経済資源を振り向け、自分は決してしないと誓ったまさにそのことだ。1月20日、国内と海外での“アメリカによる大虐殺”を嘆いて、彼が息巻いた就任演説を想起されたい。

ハフィントン・ポストはこう書いている。“オバマ在任中、アフガニスタンにおける膨大な軍隊駐留を監督していた際、トランプは、作戦は金の無駄だと繰り返し非難し、アフガニスタンからの早期撤退を主張していた。

    ‘アメリカは決してアフガニスタンから撤退せず、そうする計画も全く無い’ - ロシア上院議員 https://t.co/phWhNu4SE3pic.twitter.com/3UQhiHrIhP
    - RT (@RT_com) 2017年8月22日

一体どうして、この百八十度転換になったのだろう? これはトランプの基盤であるラスト・ベルト諸州内で支持が急落している中でのことだ。労働者がトランプが、彼らの暮らしを回復させるという過去の誓約を取り消すのではないかと恐れているために、中西部での支持が弱くなっているとNBCは報じている。彼らの懸念は、この大統領が、大企業を減税優遇することに関心が強過ぎ、ペンタゴンに追従していることだ。

皮肉なことに、ドナルド・トランプは、自らを誰からも指図を受けない“群れを率いる雄”として描き出すのが好きだ。今や、トランプが、ホワイト・ハウスにいて、将軍連中の注文を受ける単なるマネキンだということはきわめて明白だ。

トランプが、ホワイト・ハウス内で最も強力な同盟者スティーブン・バノンを追放したのは、今や彼の政権を支配している軍人連中の命令によるものだった。トランプの大統領首席補佐官、元海軍Generalのジョン・F・ケリーは、大勢に反対する彼の見解ゆえに、バノンを追い出したがっていた。

バノンが、先週突然のインタビューで対北朝鮮軍国主義的政策と食い違う意見を言ったのが連中の我慢に対する最後の一撃だった。バノンは、ペンタゴンがトランプに助言していた“あらゆる選択肢を検討している”のと逆行して、北朝鮮の膠着状態を解決する上で、軍事的選択肢などありえないと述べたのだ。わずか数日後に彼は追い出てされた。

    アメリカ人は外国での軍事介入を拡張するためにドナルド#トランプを選んだのではない(論説) https://t.co/D4i6Htyqlz
    - RT (@RT_com) 2017年8月21日

バノンは現在、過去、トランプを押し上げるメディアとして機能した国粋主義ウェブサイト、ブライトバート・ニュースの編集者に戻っている。アフガニスタンに関する発表の後、ブライトバート・ニュースは宣言した。“方向転換したトランプ”、そして、彼の演説を“180度方向転換”だと激しく非難したとPoliticoは報じている

バノンは、トランプに対して、海外での軍国主義、特にアフガニスタンについて反対する活発な顧問だった。彼は、アメリカ・ファーストという、トランプの経済国粋主義に対する主要な影響力だったと見なされている。

先週末、将軍や諜報機関幹部連中と、キャンプ・デービッドにこもっている間に、トランプがバノンを追放することに決めたのは偶然ではない。ホワイト・ハウスから、バノンが去った三日後に、まさにペンタゴン幹部がせっついていた、南アジアにおける軍関与の再拡大という180度転換をトランプは発表した。

これまでほとんど、あるいは全く政策上の実績がないトランプは、たとえそれが仲間だと思われていた人々を背後から刺すことを意味しようとも、生き残るためには、規則に従うことも決してためらわないほら吹きとして登場しつつある。これは大言壮語と巨大な自尊心以外は何もない大統領だ。有権者基盤に対する彼のあらゆる公約は、常に他の人々を、でっち上げだ非難している人物がやらかした、あこぎなでっちあげと見なされている。

トランプ政権内での将軍連中の出世は、弱腰の傀儡大統領とともに、確実に陰険な憲法上の懸念原因のはずだ。だが気がかりなことに、アメリカが軍国政権に向かう流れは、大衆の動揺をほとんど引き起こしていない。実際それは主要マスコミに歓迎されている。

“失敗しているトランプ大統領”と非難する先週末の論説で、ニューヨーク・タイムズは、軍によるホワイト・ハウス支配を是認したことを忘れ去っているように見える。

記事にはこうある。“トランプ大統領の行為が引き起こした失望への対策の一つとして、我々は奇妙なことに、普通の大統領下であれば、懸念を引き起こす原因になっていたはずのことによって慰められている… 憲法上も、政治的にも、文民指導者に慣れているアメリカ人が、トランプ大統領が完全に軌道からはずれるのを止めるのに、今や三人の現職および元将軍、ジョン・F・ケリーホワイト・ハウス新大統領首席補佐官、H. R. マクマスター国家安全保障顧問と、ジム・マティス国防長官を頼りにしているのだ。

また先週、統合参謀本部の連中五人が人種的暴力に関する彼の曖昧な発言を巡って、トランプを断固非難すると、アメリカ・マスコミは、ペンタゴンによる干渉を、大統領の“しつけ”だと広く歓迎した。

統治権力を普通の市民に返すと約束した急進的なポピュリスト大統領とされた人物が、今やどれほど大企業-軍徒党の万力にがっちり挟まれているかという事実確認には、はっとさせられる。

トランプの閣僚をご覧願いたい。三人の将軍、ケリー、マクマスターと、マティスは別として、他の重要な職務は、元石油会社CEO、レックス・ティラーソンが国務長官、元ウオール街幹部、スティーヴン・マヌーチンが財務長官、ゲイリー・コーンが国家経済顧問で、ウィルバー・ロスが商務長官だ。

政府の行政府における、軍と大企業支配のこの組み合わせは、ファシスト国家の定義そのものだ。それが、同盟者や支持有権者基盤を進んで裏切る、人に影響されやすい誇大妄想男と組み合わされば、危険な徒党を生み出す。

トランプが、ベネズエラや北朝鮮やイランとの戦争をする用意があることや、ペンタゴンに、イラク、シリアやイエメンでの空軍による虐殺の強化を許可することは、この大統領が一体どれほど退化しているかを示している。

だが、ランプのアフガニスタンについてのあつかましい撤回は、彼の無節操な性格と、ペンタゴンがこの大統領を一体どれほど支配するに至ったかを、実にあからさまに示している。

    '#タリバンに、戦場で連中は決して勝てないことをはっきりさせてやる' - ティラーソン https://t.co/DOKURRVb8y
    - RT アメリカ (@RT_America) 2017年8月22日

昨年11月、アメリカ人は、より平和的な外交政策を実施しながら、経済再生と、国内の雇用を実現するはずの根本的な変化を求めて投票した。

現在、アメリカ人は、トランプ大統領を選んだ時に要求していたものと、まさに正反対のものを掴まされている。この含意には、はなはだしく、不安にさせるものがある。アメリカ民主主義は、もしかつて存在していたとしても、もはや存在しない。人民の意思は、軍産複合体の意思によって覆されてしまった。トランプは、将軍連中やウオール街の一握りの巨大な政治力を持ったお友達の注文を受ける哀れな傀儡に過ぎない。

その高遠な民主的徳を世界の他の国々に言いふらして決して飽くことのないいわゆる“例外的な国”は、軍大企業支配国家へと退化した。トランプの裏切りは完了し、現代政治史上、最大のペテンの一つとして傑出している。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。彼は農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詞作曲家でもある。彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/400541-trump-america-first-military-afghanistan/
----------
今日も孫崎享氏メルマガ・タイトルに納得。

国際的にみて、日本は本を読む国か。新規タイトル数7番目、人口当たり新規タイトル数では19番目、物を自ら考える出発点は読書。この数字は日本の将来に望ましいものでない。

まともな本を読まず、大本営広報部を終日朝から晩まで一年見ても頭はから。

民進党、植草一秀の『知られざる真実』最新記事のおっしゃるとおりだろう。

路線対立鮮明民進党は党分割協議こそ急務

焦点は民進党解党後の主権者政治勢力結集

これから、見損ねた下記のIWJインタビューを拝見予定。

「緊急事態条項」を全面否定!「一日も早い原発ゼロ」「小池新党は自民の補完勢力」「消費増税はやるべきでない」民進党代表選で前原氏との違い鮮明に――岩上安身による枝野幸男候補インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/396053

2017年8月23日 (水)

トランプとアメリカの歴史は暗殺されてしまった

2017年8月21日
Paul Craig Roberts

トランプが当選した際、これらの目標は大統領より強力な連中の権益とは相容れないので、彼がそのおかげで選ばれた三つの目標を無事達成できる可能性は低いだろうと私は書いた。ロシアとの和平、海外移転されたアメリカ雇用のアメリカ国内への回帰、非白人移民の効果的な制限だ。

トランプは、ワシントン事情に疎く、彼の目標を支持する閣僚を選ぶのに失敗するだろうと私は書いた。アメリカを支配しているごく少数の権力者集団がトランプを支配下に置かない限り、トランプは暗殺されるだろうと私は書いた。

トランプは、銃弾ではなく言葉による暗殺で、支配下におかれつつある。スティーブン・バノンが解任されたので、トランプ政権内には、もはや彼を支持する人物は皆無だ。彼はロシア嫌いの将軍とシオニストに包囲されている。

だがこれは、リベラル/進歩派/左翼にとっては十分ではない。連中はトランプが弾劾され、大統領の座を追われるのを望んでいる。

市民的自由を擁護しているがゆえに、常に敬服しているマジョリー・コーンには失望させられた。悲しむべきことに、むしろPropagandaOutのようなものと化してしまったTruthoutに、権限濫用のかどで、彼が新たな内戦および/あるいは核戦争を始める前に、下院は、トランプに対して弾劾条項を発動させるべきだと彼女が書いたのだ。

いつもは聡明な人物が至るものにしては、途方もない結論だ。トランプに一体どのような権限があるだろう? ありもしない権限を、彼が一体どのように濫用しているだろう? アメリカの既成支配体制が、彼のタマを抜いてしまったのだ。彼は去勢されてしまったのだ。無力だ。ごく少数の権力者集団によって、彼は彼自身の閣僚内で完璧に孤立させられている。

驚くべきことは、マジョリー・コーンが、もう一つの主要核大国との対立ではなく、和平を主張した唯一の指導者を、軍安保複合体が破壊するのを支援している事実が見えていない100%のリベラル/進歩派/左翼と一緒になっていることだ。コーンは、トランプ憎悪で混乱する余り、ロシアとの関係を正常化することで核戦争をもたらすのはトランプだと考えている。

アメリカ リベラル/進歩派/左翼がもはや理性的思考ができないのは明らかだ。憎悪が彼らを支配している。彼らの辞書には憎悪しかないのだ。

アメリカのリベラル/進歩派/左翼は白痴に退化してしまった。連中は、自分たちは、ホワイト・ハウス内の“白人国粋主義”と戦っていて、トランプは“白人国粋主義”のチャンピォンあるいは象徴で、トランプや“白人国粋主義”のあらゆる象徴が消滅するまでは、勝利はないと考えているのだ。

連中はほとんど分かっていない。CounterPunchで、アジャム・バラカが、連中のために、それを詳しく論じている。彼は書いている。白人至上主義は、欧米の文化組織、教育機関の中に埋め込まれている。リベラルと左翼の白人は、白人至上主義者でもあり、トランプと“オルタナ右翼”は、白人至上主義のアメリカ・リベラル/進歩派/左翼が、連中の独り善がりをそこで、ひけらかすことができる便利な皮相な舞台に過ぎないとバラカは言う。アジャム・バラカの結論は“世界が生きるためには、525歳の白人至上主義は汎ヨーロッパ、植民地主義/資本主義家父長制度は死滅すべきだ。”この発言の中に、大虐殺が人類に対する白人の災厄の解決策であることを見出すのは困難ではない。“オルタナ右翼”がアイデンティティ政治という反白人プロパガンダによって使われているのも不思議ではない。

非白人移民が、わずかに残ったヨーロッパ文明の破片を破壊するだろう。現在のあらゆる人口統計が、ヨーロッパと北米は全て、人々が思っているより早く、非白人に占められてしまうことを示している。

白人リベラル/進歩派/左翼によって、白人を憎悪するよう教え込まれている移民そのものが大きな問題なのではない。像の破壊はロバート・E・リーでは終わるまい。次は、トーマス・ジェファーソンとジョージ・ワシントンだ。彼らは奴隷を所有していたが、リー家の奴隷リンカーンが南部を侵略する三年前に、遺言で解放されていた。これらも人種差別の記念建造物なのだから、ワシントン、ジェファーソンと、リンカーン記念碑も破壊されなければならない。実際、リベラル/進歩派/左翼のアイデンティティ政治によれば、独立宣言とアメリカ憲法は、人種差別主義者によって書かれた白人至上主義文書だ。これはトーマス・ジェファーソンに対する告発を倍増し、建国の始祖全員も、告発の対象となる。アメリカに、白人至上主義を制度化させたかどで、全員有罪だ。

無知で無頓着な平均的アメリカ人はこれは冗談と思うだろう。だが、そうではない。これは白人アメリカ人知識階級にとっての正統派学説だ。あらゆる大学で教えられている。

アトランタでは、ストーン・マウンテンに刻まれた南部の将軍たちのレリーフから顔を削り取る話が進んでいる。次はサウス・ダコタ州のラシュモア山ということになろう。そこには、ワシントン、ジェファーソン、セオドア・ルーズベルトとアブラハム・リンカーンの顔が彫刻されている。全員人種差別主義者で、ルーズベルトは植民地主義者で、おまけに帝国主義者だ。リンカーンは、全員の中で最悪の人種差別主義者だ。

経済学者/歴史学者のトーマス・ディロレンゾが指摘している。“リンカーンは終生、間もなく解放されるはずの奴隷を含めアメリカ内の全黒人の移送計画に忙しかった。”https://www.lewrockwell.com/2015/11/thomas-dilorenzo/next-target-blacklivesmatter/

下記発言は、全てエイブ・リンカーン全集中にある発言だ。

“人種の分離が[白人と黒人]混血の唯一完全な防止策だ...そのような分離は ... [黒人をリベリアや中米に送る]植民化によって行われるべきだ”。(アブラハム・リンカーン全集 第II、409ページ).

“アフリカ人を故郷に送ることは、道徳的に正しく...我々の利益にとって好ましいと信じることにしよう...。”(全集、第II巻、409ページ)。

“白人と黒人のいかなる社会的、政治的平等の実現を私は支持しておらず、支持したこともない。黒人を有権者や陪審員にするのを、私は支持しないし、支持したこともないし、彼らが公職についたり、白人と結婚したりする資格を認めない”(全集、第III巻 145-146ページ)。

奴隷制度から黒人を解放した英雄になったリンカーンは、自らの言葉と行動を前にして、一体どうしたのだろう? リンカーンの国務長官がこぼした通り、奴隷解放宣言は、一人の奴隷も解放しなかった。妻や子供たちを守るため、南部人兵士が、戦列を離れて、急ぎ帰郷することになるはずの奴隷反乱を醸成することを願って、南部連合国の管轄下においてのみの奴隷に適用される戦争の手段だった。北軍が南部を侵略した1861年に、リンカーン大統領は言った。“直接、間接に、奴隷制度が存在している諸州に干渉する意図は私には皆無だ。私にはそうする合法的な権利がないと考えるし、そうしたい気持ちは皆無だ”(一度目の就任演説)。戦争中の1862年に、リンカーンはホレス・グリーリーにこう書き送った: “もし、いかなる奴隷を解放することなしに、アメリカ合衆国を救えるのであれば、私はそうしただろう。”

リンカーンは、南部を憎悪する白人リベラル/進歩派/左翼がでっち上げた歴史的ウソのおかげで、黒人を自由にしたという不相応な地位に担ぎ上げられた。連中は憎悪に夢中になる余りに、連中が教え込んでいる憎悪が、彼ら自身をも破滅させることを理解していない。彼らはJean Raspailの著書Camp of the Saintsを読むべきだ。人種的憎悪を教え込まれた人々は、憎悪するように教え込まれた人々の中の良い連中と悪い連中を区別することはない。全員全て有罪なのだ。ある第三世界の方が私に書いてこられた通り、私のように肌の色が濃い人々に対する欧米の残虐行為に強烈に反対している者でさえ“白人全員有罪だ”。

アメリカのリベラル/進歩派/左翼は、まさにナチスがユダヤ人を悪者扱いし、共産主義者が資本家を悪者扱いしたように、白人の悪者扱いをずっとやってきた。リベラル/進歩派/左翼は、ユダヤ人やロシア人や中国人や東欧資本家やブルジョア中産階級に一体何が起きたのか知っているはずだろうと思いたくなる。リベラル/進歩派/左翼連中は、一体なぜ彼らが憎悪を教え込んだ結果から逃れられると思っているのだろう?

リベラル/進歩派/左翼が表現する憎悪が、白人民族主義者自身が表現する憎悪を越えているということの他に、シャーロッツビルは我々に一体何を教えてくれたのだろう。憎悪ということになると、白人至上主義者は、リベラル/進歩派/左翼に打ち負かされている。

憎悪はアメリカ・リベラル/進歩派/左翼の特徴で、憎悪は必ず暴力で終わる。

北の支配的既得経済権益連中は、資源を、奴隷を解放するための戦争に注ぎ込む興味など皆無だ。連中は、ミシシッピー州から西の土地で、競合がなく、より低価格なイギリス商品に対し、関税で保護された北部で生産された商品を売り込める農業部門が確保されるべく、アメリカ合衆国には一体としてまとまっていて欲しかったのだ。

北部の労働人口も解放された奴隷を望んではいなかった。イギリスの飢餓政策によって、アイルランドから追い出された多数の近年のアイルランド移民は、リンカーンの戦争を“金持ちの戦争、貧乏人の争い”と呼んだ。北部労働者階級にとっての解放された奴隷の意味は、労働人口の増大と、賃金の低下だった。1863年に、共和党が法案を成立させると、デトロイトとニューヨーク在住のアイルランド人は暴動を起こした。暴徒は、その怒りといらだちを北部の黒人に向け、彼らの多くが私刑によって殺された。戦争中に北部で、あるいは南部での連邦再建中、どちらで、より多くの黒人が私刑によって殺されたのか、私には良く分からない。もし何かアイルランド人の記念碑があるとすれば、そうした人種差別主義の像も打倒されなければならない。おそらく自由の女神すら人種差別主義者だ。

しかもアメリカ先住民の言い分を我々はまだ聞いていない。極めて不快な歴史書、The Long Death: The Last Days of Plains Indianで、ラルフ・K・アンドリストは、武装した軍隊に対するより、南部人女性や子供に対する戦争をする方がはるかに容易なことに気がついたリンカーンの内戦将軍連中、ウィリアム・テカムセ、シャーマン、フィリップ・シェリダン、グレンビル・ドッジや他の現代の一級戦犯による平原インディアン虐殺について記している。リンカーンの将軍たちが、アメリカ先住民に対し、シェリダンによるバージニア州のシェナンドー渓谷破壊よりも、更に恐ろしく残虐な虐殺政策を行ったのだ。

リンカーンの歴史研究者トーマス・ディロレンゾ教授によるアメリカ先住民虐殺の梗概はここにある。http://www.independent.org/publications/tir/article.asp?a=803

1868年-76年、ユリシーズ・S・グラント将軍による8年間の大統領職在任中、北軍の将軍連中は、アメリカ先住民絶滅政策を行った。村々丸ごと、あらゆる男性も女性も子供も、殲滅された。北軍の焦土作戦は、火と剣から逃れたインディアンたちを餓死させた。

ディロレンゾ教授はこう書いている。

“シャーマンとシェリダンの軍隊は、主に家族が一緒に暮らす冬の時期に、インディアンの村々に1000回以上の攻撃を行った。アメリカ軍の行動は、指導者連中の絶滅の言辞と一致していた。先に述べた通り、シャーマンは、あらゆる人や犬も含めあらゆるものを殺し、いかなる生存者も餓死したり凍死したりする可能性を増すため、燃えるもの全てを焼き払うよう命令を出していた。兵士たちはインディアンの主要食料、冬服や他の品物の源だったバッファロー絶滅戦争も行った(インディアンは、乾燥したバッファローの骨から釣り針を、腱から弓の弦さえ作った)。1882年までにバッファローは絶滅同然となった。”

捕らえられたインディアン戦士は、ジョージ・W・ブッシュ政権が、サダム・フセインに対して行ったような裁判にかけられ、処刑された。ニコルズ(1978年)によれば“捕虜にされた何百人ものインディアンは、それぞれ、わずか約十分の軍事‘裁判’にかけられた。成人男性捕虜の大半は有罪と認められ、犯罪をおこなった証拠ではなく、単に彼らが戦闘終了時に居合わせたことを根拠に、死刑を宣告された。”言い換えれば、アメリカが、ニュルンベルクドイツ軍幹部を処刑したのと同様に戦争捕虜は処刑されたのだ。

北軍のインディアン虐殺は内戦勝利の前に始まっていた。ディロレンゾはこう書いている。

“サンド・クリーク虐殺として知られているインディアン絶滅の出来事で最も有名なものの一つは、1864年11月29日に起きた。コロラド州南東部サンド・クリークにシャイアン族とアラパホ族の村があった。これらのインディアンたちは、アメリカ政府から、コロラド州にいれば安全だと保証されていたのだ。政府は、安全を確保するため、村にアメリカ国旗を掲げるよう指示し、彼らはその通りにした。ところが、別の内戦‘名士’ジョン・チヴィントン大佐が、別の計画を持って、750人の重武装した兵士で急襲したのだ。第二次世界大戦中の欧州戦域に関する主要歴史学者の称号を持ち、30冊のアメリカ軍事史をものした著名な軍事歴史家S・L・A・マーシャルによる著書、Crimsoned Prairie: Indian Wars (1972年)に何が起きたかについての説明の一つが書いてある。

“チヴィントンの命令はこうだった。‘皆に、大人も子供も、全員殺害し、頭皮を剥いでもらいたい。’ ( マーシャル 1972年、37)。更に、これら平和なインディアンが、アメリカ国旗と降伏の白旗を掲げているにもかかわらず、チヴィントンの軍隊はチヴィントンが見て、承認した‘血に飢え、熱狂した、手足切断、強姦や破壊の丸一日を開始した(マーシャル 1972年、38)。殺害されたインディアンの最も信頼できる推計人数は‘163人で、そのうち110人は女子供だったとマーシャルは書いている(39ページ)。

“砦への帰還後、チヴィントンと部下の侵略者連中は、戦利品の百以上の乾燥した頭皮を振り、デンバー中を行進した。彼らは、そうなるのを目指していた英雄征服者として称賛された。’ある共和党新聞はこう公表した。‘コロラド州兵士たちは再び自らを栄光で覆った’(マーシャル 1972年、39)。

ディロレンゾは言う。“ブラウンとマーシャルによる著書は、コロラド州サンド・クリークで起きたような蛮行が、それ以後の二十年間に何度も繰り返されたと書いている。”

戦犯ナチスがなし得たあらゆることを遥かに超えるシャーマン将軍は内戦初期、彼の目的は、問題の一因たる兵士のみならず“[南部の]人々の絶滅”だと妻に書き送っていた。

彼の妻はこう答えた。“絶滅戦争”を行い、全ての南部人を“豚を溺れさせるように追い立てよ。一人の住民たりとも残り立つことがなくなるまで、彼らの州に火事と剣をもたらさん” (ウォルターズ 1973年、61)

シャーマンは妻の助言を受け入れるべく最善を尽くしたとディロレンゾは書いている。

北軍戦犯が、南部人の非戦闘員に対しておこなった極端な憎悪と残虐行為が、平原インディアンに対して、猛烈にしかけられた。著名な軍事歴史家が、フィリップ・シェリダンがカスター将軍に与えた命令を“アメリカ軍に出されたこれまでで最も残酷な命令”と表現した。

もし銅像を倒すのであれば、ロバート・E・リーで止めるわけには行かないのは明らかだ。我々は、連中自らが“インディアン問題に対する最終解決策”と呼ぶものを実施した、リンカーン、グラント、シャーマン、シェリダンや他の全ての北軍戦犯連中の銅像を引き倒さなければならない。

北軍による南部侵略を、内戦と表現すること自体がウソだ。“内戦”という言葉は、北軍が侵略戦争を始めた事実を隠蔽し、戦争の罪から北を逃すために使われている。内戦というのは、二者が政府支配を巡って戦うことだ。ところが、南部には、ワシントンの政府を支配する興味も、意図も皆無だった。南部州が行ったのは、アメリカ合州国の他の州との自発的つながりを終わらせる憲法上の権利を使うことだけだ。南部が侵略されたので、南部は戦ったのだ。南部人は、北による侵略戦争を内戦と見なしてはいない。戦争が、北軍による侵略戦争だったことを彼らははっきり理解していた。

リンカーンの戦犯軍隊が南部の民間人に対して残虐だったのと同様、南部の人々に対する残虐行為や残虐さは、連邦再建と呼ばれる長い期間の間にエスカレートした。北の与党共和党は、南部が黒人によって支配されるよう最善を尽くし、北の“南北戦争後に南部にやって来て悪事を働く連中、カーペットバガーが”盗める限りのあらゆるものを盗んだ。強姦のおそれがない白人南部人女性は皆無だった。“内戦”マニアたちが、共和党北軍兵士や、連邦再建の共和党工作員がけしかけた元の奴隷から自らを守るために、女性全員が町の外の森の中に隠れた南部の町々があったと教えてくれた。共和党の手によって、南部に起きたことは、国防軍が降伏した際に、ロシア人やアメリカ人がドイツでしたことと変わらなかった。悪魔のように描かれているKKK は、わずかに残された南部の名誉を耐え難い屈辱から守るべく生じた組織だった。

結果的に、共和党に投票しようという南部人は何十年間もいなかった。共和党の連邦再建のまねをして、説得の代わりに、連邦軍を用いて、南部に連邦再建を再びもたらして、民主党は“政治基盤としての南部”を失ったのだ。

アメリカでは、いわゆる“内戦(南北戦争)”に関して、いかなる本当の事実は、もはや教えられていない。本当の歴史の代わりに存在しているのは、ただのウソのみだ。

下記の記事で、経済学者/歴史学者のトーマス・ディロレンゾ教授が、リンカーンが南部を侵略した本当の理由を説明している。リンカーンが南部征服に成功したことが、建国の始祖によって形成されたアメリカ合州国の政治的性格を破壊したことを彼は示している。一般市民に対して戦争を行うという北軍の政策が、20世紀と21世紀の大規模な戦争犯罪の前例となったことも彼は示している。一つの記事で、ものごとをはっきりさせてくれて、正確な歴史の教訓を得られる機会など滅多にはない。ディロレンゾ教授の記事はそういうものだ。http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/21/lincoln-myth-ideological-cornerstone-america-empire/

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/21/trump-american-history-assassinated/
----------

記事を読みながら、藤永茂氏の『アメリカ・インディアン悲史』と『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』を連想した。インディアンについての本、絶版らしいことが残念。

大本営広報部、昼の洗脳番組だったか何かで、在米何十年の「評論家」が、ロバーツ氏と全く逆のたわごとを言っていた。電気洗脳番組言説、ほとんど似たようなもののようだ。

バノンを追い出し、軍産複合体待望の軍支配体制になった世界最大のならずもの国家、不沈空母日本を基地とする海軍艦船が、たて続けに重大事故を起こしている不思議。

----------
大本営広報部、夜のかなりまともな報道番組は、議員に箝口令をしいている緑のタヌキ党を描いていた。情報公開どころか情報後悔。

モリもカケもタヌキも、全て宗主国の侵略戦争のための日本軍派兵への尽力の一環。

本日の日刊IWJガイドから、昨日見損なったインタビュー部分を複写させていただこう。

■□■□■□■□■□■□■□■□
<昨日の岩上安身によるインタビュー報告>民進党代表選で枝野幸男候補に岩上さんがインタビュー! 自民党改憲案の「緊急事態条項」を全面否定! 小池新党は自民の補完勢力と明言!「原発」「経済政策」でも前原候補との違いが浮き彫りに!
■□■□■□■□■□■□■□■□

 おはようございます。IWJのぎぎまきです。

 昨日は民進党の代表選に立候補した枝野幸男氏に岩上さんがインタビューしました。

 法律家としても憲法に精通している枝野氏は、IWJ的に大変気になる「緊急事態条項」については「論外」と明言し、「ナチスがまさにこれをやった」とワイマール憲法にも言及しました。一方の前原候補は2016年1月のブログで、「他国の憲法では一般的に見受けられる『非常事態宣言発令下における私権の制限』など、日本国憲法には概念すらない。憲法には、平時と有事における国民の権利と義務に違いを持たせるべき」と緊急事態条項の新設に積極的ともとれる発言をしています。

 枝野氏は「前原さんがナチスと同じことをやりたいはずがない」と、やんわりと擁護に回っていましたが、「わかっていないじゃないか」とも述べていました。こんな大事なことが「わかっていない」人が、野党第一党のリーダーになってもらっては困ります。ここは是非、前原候補にも岩上さんのインタビューに応じていただきたいと思います。

 憲法以外に両候補者の違いが最も鮮明だった論点の一つは他党との共闘・選挙協力についてではないでしょうか。

 岡田克也元代表の下、幹事長を務めてきた枝野氏は、安倍政権の交代を求める市民の多くが「野党共闘」を望んでいることを現場感覚で理解している一人。「立場、意見が違うのは当たり前。立憲主義・情報管理・政治の私物化・共謀罪では一致できる。国民にとってのメリットをどう見極めていくのかは政治そのもの」と野党共闘については最大限努力すると語りました。

 前原氏が連携を示唆している小池百合子都知事については、「安保法制や立憲主義の破壊と違う政治を作るべき時、その点のメッセージがないのであれば補完勢力と見ざるを得ない」とはっきりと小池新党を批判。しかし、離党ドミノが起きている党内では次々と小池氏に接近する議員が多いのも事実。代表に選ばれた場合、枝野氏は党内をどう取りまとめていくのか、懸念される点でもあります。

 議員票では前原候補の方が優勢と見られ、枝野候補の勝敗を左右するのは市民票だとも言われています。IWJは引き続き、前原候補にもインタビューアポを申し入れています。9月1日の決戦までに、両者が考える野党第一党の役割や掲げる政策、政権交代実現への道筋について、お伝えできればと思っています!

 昨日の枝野氏のインタビューは早速、こちらのURLにアップしたので、見逃した方はぜひご覧ください!

※「緊急事態条項」を全面否定!「一日も早い原発ゼロ」「小池新党は自民の補完勢力」「消費増税はやるべきでない」民進党代表選で前原氏との違い鮮明に――岩上安身による枝野幸男候補インタビュー 2017.8.22
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/396053

2017年8月22日 (火)

戦争の“狂気”が、ぼんやりとしかわからない『ハクソー・リッジ』

Joanne Laurier
2016年11月17日
wsws

『ハクソー・リッジ』

『ハクソー・リッジ』、監督:メル・ギブソン、脚本:アンドリュー・ナイト、ロバート・シェンカン;

メル・ギブソンの『ハクソー・リッジ』は、第二次世界大戦で、1945年の沖縄戦における勇気ある働きで名誉勲章を受章した最初で唯一の良心的兵役拒否者デズモンド・トーマス・ドスの物語だ。沖縄戦、82日間の戦争で、太平洋戦域最大の上陸作戦が行われた。結果的に、100,000人以上の日本軍兵士と、50,000人以上の連合軍兵士が亡くなった。

ドス (1919-2006)は、兵器を持たないという彼の権利を守って、軍幹部や同僚兵士たちと激烈な戦いをしたアメリカ陸軍伍長の衛生兵だ。彼は第77歩兵師団、第307歩兵隊、第1大隊ライフル部隊に配属された後、殴打され、投獄され、無数の報復を受ける。


『ハクソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド

『ハクソー・リッジ』は、ほぼ別の二つの映画で構成されている。ギブソンによる、’s initial presentation of デズモンド・ドス (アンドリュー・ガーフィールド) is measured、倫理的に、殺人には反対するが、戦争遂行は支援したい人物に対する共感さえ示している。ドスの物語と並ならぬ状況を説明する部分は、総じて良くできている。だが、映画の戦場場面は、度を超して暴力的で、グロテスクで、膨大な量の血や、内臓や、餌にありつくネズミに満ちており、サド-ポルノ風の趣で構成されている。この挑発的なほど残虐な場面で、観客は忍耐力を試される。

冒頭の短い戦闘場面の後、映画は1929年、ブルー・リッジ山脈のバージニア州、リンチバーグにあるドスの極貧家庭へと戻る。デズモンドの父親、トム・ドス(ヒューゴ・ウィービング)は、どうやら第一次世界時の戦闘のトラウマにさいなまれており、酒に逃避せずにはいられない。彼は良く三人の親友の墓参りをする。トムは今や、妻のバーサ(レイチェル・グリフィス)と息子二人を虐待する冷酷な失意の人だ。

デズモンドは子供時代、野山を駆け回っていた。彼の身体能力は、後に軍務において、重要な役割を果たすこととなる。彼はセブンスデー・アドベンティスト信者でもあり、『十戒』、特に“汝、殺すことなかれ”を深く信じている。デズモンドの非暴力主義は、ばか騒ぎをしていて、すんでのところで兄を殺しそうになり、父親が銃で母親を威嚇するのを見た後、更に深まる。

南カリフォルニア、フォート・ジャクソンでの基礎訓練に出発する前に、ドスは恋人のドロシー(テリーサ・パーマー)に、休暇で帰国した時に結婚して欲しいと頼む。

ブート・キャンプでは、訓練のあらゆる運動能力で秀でているデズモンドは、銃に触れることを断固として拒否する。彼がハウエル軍曹(ビンス・ボーン)とグローバー大尉(サム・ワーシントン)の指揮下に入ると、二人は彼を叱りつけ、同僚の兵士たちから、彼が酷く殴られるのを見て見ぬふりをし、屈辱的で、極めて不快な役務を彼に強い、彼を投獄し、彼が軍隊から追放されることになるはずの裁判にかける。ところが重大な局面で、デズモンドが武器を持つのを拒否するのは憲法で守られた権利であることを証明する彼の元部隊長からの手紙を持って、父親が法廷に押し入る。映画のこの部分は、ある程度の技量と感覚で作られている。

“『ハクソー・リッジ(弓鋸尾根)』と称される前田高地の急峻な断崖”を、敵日本軍と対決すべく、アメリカ軍兵士がよじのぼらなければならなかった1945年の沖縄戦を再現するにあたって、ギブソンは過熱状態となる。ほとんど見るに耐えない大虐殺の中、デズモンドは、i宗教的な動機の熱狂で(“神よ、もう一人助けさせたまえ”)、部隊撤収時、見込みがないと置き去りにされた、75人のぼろぼろになったアメリカ軍兵士を救出する。“臆病な”良心的兵役拒否者による英雄的行為がアメリカ軍小隊の元気を回復させる。


『ハクソー・リッジ』

『ハクソー・リッジ』の後記に、2006年に、87歳で亡くなったデズモンド・ドス本人と、彼が救出した数人の人々のビデオがある。

ギブソンは才能ある俳優で、時に監督として、ある種の才能を見せることがある。残念なことに、彼はかなり素朴な物の見方の持ち主のようだ。残忍で無茶苦茶な野蛮人に過ぎないような日本人描写で、彼の後進性と粗野さが大いに発揮される。こうして彼は、二度目の帝国主義戦争に関する、民主主義と野蛮との間の“良い戦争”という公式説明を無批判に受け入れ、そのまま伝えているのだ。

おそらく暴力の恐怖に襲われながらも魅了され、ギブソンは心を奪われたようで、人間の残虐さを、いかなる社会的、歴史的文脈の中にも、描けずにいる。彼は、監督としての仕事を、ほぼ終始、救い難いほど理解できずにいる。

暴力の信じがたい程の描写が、彼が出会う困難な社会的、心理的問題のお気に入りの解決策のようだ。結果的に、『ブレーブ・ハート』、『パッション』、『アポカリプト』などの映画は、致命的かつ、どうしようもないほど失敗している。

以下、中略

グーグルの検閲と戦おう!

グーグルは、World Socialist Web Siteを検索結果掲載を妨害している。

このブラックリスト工作と戦うため:
本記事を友人や職場の仲間と共有しよう。

記事原文のurl:https://www.wsws.org/en/articles/2016/11/17/ridg-n17.html
----------
『ハクソー・リッジ』と『メッセージ』についての評論記事の、『ハクソー・リッジ』部分のみ翻訳したもの。『メッセージ』部分は勝手ながら割愛させていただく。

昼の大本営広報部洗脳番組、例のごとく、見るに耐えない。

昨日のIWJ岩上氏による村上誠一郎議員インタビューとは、月とスッポン。

■□■□■□■□■□■□■□■□
<昨日の岩上安身によるインタビュー報告>「安倍さんは武士(もののふ)として自ら進退を決めるべきだ」~「ミスター自民党」がアベ政治をぶった斬る!村上誠一郎議員に岩上安身が訊く!
■□■□■□■□■□■□■□■□

 おはようございます。テキスト班の原佑介です。

 昨日は岩上さんが「ミスター自民党」を自認する村上誠一郎議員にインタビューしました。

 村上議員は、秘密保護法や新安保法制、共謀罪法案など、安倍政権が暴走するたびに、ひとり大声で異論を唱え続けてきたことで知られ、安倍一強が続く自民党内にあって、まさに「異色の存在」です(逆に言えば、異論を唱えるだけで「異色の存在」になってしまうほど、今の自民党は「イエスマン」だらけで、それはそれでとても危機的状況だと言えますが…)。

 「安倍政権は、財政、金融、社会保障を立て直すことを真っ先にやらなければならないのに、憲法改正や安全保障関連法、『共謀罪』法などを優先させている。財政、金融、経済政策などが後手に回っている」と考えた村上議員は、今年5月、「脱アベノミクス」を考える勉強会を発足させました。

 会の正式名称は「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会」で、会長には消費増税の延期をめぐり、安倍総理と対立した野田毅(たけし)・前自民党税制調査会長が就任。村上議員も野田議員も「一匹狼」タイプの議員ですが、初回の勉強会にはなんと、60人もの自民党議員が参加。安倍政権への不満が自民党内に充満しているということを如実に表わしていました。

 勉強会の講師に招かれた元日本銀行理事の早川英男氏は、日銀のマイナス金利政策を「限界に来ている」と批判。「13年4月の金融緩和は、米軍に対する奇襲に成功した真珠湾攻撃、14年10月の追加緩和は日本軍が敗北したミッドウェー海戦のように思えてならない」などと、語っています。

 自民党内で、これほどまともな勉強会が開かれ、多くの議員が参集していたなど、あまり想像がつきませんが、実際には、まともな議員も息を殺すようにして潜んでいるのかもしれません。

・かすむアベノミクス 企業業績好調 なぜ賃金はそれほどでも…(毎日新聞、2017年7月28日)

https://mainichi.jp/articles/20170728/dde/012/010/009000c

 昨日のインタビューで村上議員は、安倍内閣の支持率急落っぷりについて、「政策面含めて180度転換する時期ではないでしょうか。安倍さんの財政、金融、外交、ほとんどが行き詰まっている」と断言。「社会保障の医療・介護は次世代の『ツケ』でやっているので、次の世代が萎縮してしまっていて、消費に向かわない」と述べるなど、繰り返し「次世代」への懸念を示されました。

 さらに、「まだ借金がいくらでもできるという人がいる。明治時代は、日露戦争でお金がないときで、名目GDPの60%の借金を抱えた。第二次世界大戦はGDPの200%の借金がありました。今は、戦争もしていないのに230%の借金がある。財政がこんな状況だというのに、憲法改正の話をしている場合ではない」と訴え、「大局的な政治判断が必要なのに、ほとんどの国会議員が関心を持っていない。もはやアベノミクスは『ナニモナイミクス』だ」と喝破しました。

 愛媛県今治市を地元とする村上議員には、当然、加計学園問題についてもお話をうかがい、加計学園誘致に奔走した加戸守行(かともりゆき)元愛媛県知事に「(獣医学部新設は)無理です」と何度も伝えていたことなど、「当事者」のひとりとして具体的なお話をお聞きしました。

 インタビューでは、四国に配備されたPAC3がミサイル防衛に役立たないこと、そして稲田朋美・前防衛相が辞任するキッカケとなった、陸自PKO部隊の「日報隠蔽問題」に関連し、官邸による「隠蔽指示」があった可能性が高いことなどについてもお話いただいています。「安倍さんは武士(もののふ)として自ら進退を決めるべきだ」と突きつけた村上議員のインタビュー、本日中に下記URLでアップする予定ですので、お見逃しになった方はぜひアーカイブで御覧ください!

※「安倍さんは武士(もののふ)として自ら進退を決めるべきだ」~ミスター自民党がアベ政治をぶった斬る!「こんな財政状況で改憲の話している場合ではない」村上誠一郎議員に岩上安身が訊く!

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395998

 では、本日もIWJをよろしくお願いいたします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

2017年8月21日 (月)

ロシア・ゲート論が失速する中、トランプ・ネオナチ・スキャンダル始動指示

Finian CUNNINGHAM
2017年8月18日
Strategic Culture Foundation

トランプ大統領の政敵は、大統領の座を妨害するための新手を見いだした - 彼が白人至上主義者やネオナチを奉じているとされることだ。彼は今やアメリカの国際的イメージに悪評をもたらすファシスト“支持者”という烙印を押されている。弾劾手続き開始の合図だ。

そもそも彼の大統領就任からトランプに反対してきた同じ権力の中枢が、彼が人種差別主義者好みだとされることを声高に非難しているのが明らかだ。ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズやCNNなど民主党寄りマスコミは“人種差別主義者”トランプ報道に躍起だが、諜報業界とペンタゴンも大統領非難に加わった。元CIA長官ジョン・ブレナンは、人種的暴力に対するトランプ発言は“国家安全保障上のリスク”だと述べた。

最近アメリカ南部諸州中で集会を開いた様々なネオナチ過激派の醜悪さを軽視するつもりはない。先週末、バージニア州シャーロッツビルで死者まで出した暴力衝突で、反ファシスト抗議行動参加者も同様に非難したかに見えるトランプの頑迷な発言はひどいものだ。

しかしながら、トランプはある種の新総統だという一斉に行われている大規模マスコミ・キャンペーンすっぱ抜きは余りに法外に見える。マスコミの熱狂には、彼に敵対する陰の政府が、大統領の座から追い落とす新たな格好の口実を探し回った匂いがふんぷんだ。

新反トランプ・キャンペーンをかき立てている熱意は、かつてのロシア-ゲート論が明らかに弾みをつけ損なったことによるところが大きいように見える。昨年11月の彼の当選はロシアによる干渉によって実現したという、トランプ就任以来ほぼ七カ月、民主党やマスコミや匿名の諜報機関情報源が推進し続けた執拗な主張は、トランプの信用を損ない、最終的にホワイト・ハウスから追い出すという点でほとんど効果がなかった。ロシア-ゲートという話題は、ソフト・クーデターという目標の点で失敗だった。

1月、トランプ就任直前、アメリカ諜報機関は、民主党のライバル、ヒラリー・クリントンに対するトランプの勝利を推進する狙いでロシアが大統領選挙に干渉したと主張した。ところが七カ月たっても、この人騒がせな主張の何の証拠も出されていない。

トランプをロシアの手先だとして傷つける“致命的証拠”の欠如にもかかわらず、議会は、つまらない主張の調査を続けている。また、別に“特別検察官”、元FBI長官ロバート・マラーは、捜査を拡張し続け、大陪審を設置し、今週ホワイト・ハウス職員の取り調べを始める。

かくして、ロシア-ゲート事件丸ごと、証拠が無いために壮大な茶番となる危機にある。トランプを“ロシアのカモ”というワナにはめようとする超人的努力を裏付けるものがほとんど無いため、著名なマスコミを含む彼の政敵は滑稽な虚報屋と見なされる危険に瀕している。

ロシア-ゲート論がいかに破綻しているかを示す暴露証拠は、今月初めワイアードが掲載した長たらしい記事だ。カリフォルニア州を本拠とするこのオンライン雑誌は、最先端技術の雑誌だと宣言している。他にもヴォーグ、ヴァニティー・フェアやニューヨーカーなどの有名な雑誌を発行しているアメリカの世界的企業、コンデナスト出版が、ワイアードを発行している。毎月の読者数、3000万人を誇り、編集部員は80人を超えるワイアードは、新技術と通信の世界的リーダーだということになっている。

同社の宣伝広告によれば“ワイアードは明日が実現される場所です”、更に“常に変わりつつある世界を解明するための情報とアイデアの欠くべからざる情報源”とある。

そこで、アメリカ技術のフォーラムであるこの雑誌は、インサイダー情報と“コンピューターおたくジャーナリズム”のエリートとされている。こうしたご立派な主張を念頭に置いた上で“アメリカ民主主義破壊するロシア・ハイテク道具箱案内”という見出しで8月8日に発表した記事をワクワクして読もう。

読んでみると、記事丸ごと、ロシア嫌いの陳腐な決まり文句の長丁場だ。ロシアが昨年のアメリカ選挙にハッキングしたという主張が、どれほどお粗末かというすさまじい実証だ。アメリカ諜報機関情報源を引用した、ワイアード記事は、昨年7月ロシアの国家機関が民主党全国委員会コンピュータに侵入し、その後、内部告発サイトウィキリークスを利用して、トランプのライバル、ヒラリー・クリントンに対する不利な情報をばらまいたという根も葉もない主張のおうむ返しだ。

“アメリカの調査官たちによれば”ワイアードは書いている。“DNCサーバー侵入は、どうやら一つはGRU[軍諜報機関]、もう一つはFSB [国家治安機関]という、二つの別のロシア・チームのしわざで、どちらも相手が民主党ファイルの中を探し回っていることは知らなかったようだ。更に、こっそり盗まれたファイルは、WikiLeaksやDCLeaksのようなオンライン漏洩サイトを利用して出所を偽装した… この情報の2016年選挙に対する影響はかなりのもので、何カ月もダメージとなる見出しを生み出した”。

ワイアード記事のどこにも、ハッキングの主張を裏付ける、いかなる納得の行く技術的な詳細も提示されていない。アメリカ諜報機関の“評価”と 反ロシア偏向があきらかなシンクタンクや匿名外交官発言の引用による潤色がもっぱら頼りなのだ。

ワイアードの言ういわゆるロシアの“アメリカ民主主義を破壊する道具箱”には、DNCへのハッキングとされるもの以上の諸々が含まれている。欧米民主主義を傷つけるためのハイブリッド戦争の備蓄兵器として、ロシアが、マスコミ、外交官、犯罪ネットワーク、脅しや暗殺を利用しているのを非難している。

ワイアードはこう宣言している。 “しかも、ロシアでは諜報機関、実業界、組織犯罪集団やマスコミ・ネットワークが融合し、官庁と民間部門との区別を曖昧にし無くす構想で、ウラジーミル・プーチンと彼の同盟者の個人的目標を推進するための国家が支配する一つの無定形の組織を作り出して、自己強化している”。

これは、実に中傷的で、軽蔑的な言葉による、驚くほど決定的なロシア描写だ。基本的に、ワイアードは、ロシア国家丸ごと犯罪組織だと主張しているのだ。記事で表明されているロシア嫌いは並外れているが、しかも、これは技術-諜報のリーダーと目されている雑誌でのことだ。

ワイアードは読者に、ロシアには欧米民主主義や、NATOから欧州連合に至る多国間同盟を密かに傷つける“大戦略”があると語っている。

不吉な予感とともに、こう警告している。“民主主義を密かに傷つけ、不安定化するというプーチン政権の組織的な取り組みは、欧米において焦眉の課題… ベルリンの壁の崩壊以来、欧米体制にとって最大の難題だ”。

ここで顕著な点は、その大げさな専門的主張にもかかわらず、ワイアードは、ロシアがアメリカ選挙にハッキングしたという言説を裏付ける何ら実質的なものを提示していないことだ。もし最先端技術雑誌とされるものが技術的詳細を説明できないのであれば、それはつまり、実際、ロシア-ゲート論丸ごとがいかに破綻しているかの証明だ。

しかも、最近、Veteran Intelligence Professionals for Sanity (VIPS)と呼ばれる評判の高い元アメリカ諜報機関職員の団体が、ロシア-ゲート言説に対するもう一つの致命傷を提供したのだ。先月、この団体が、トランプ大統領に、DNC事件は、インターネット経由で行われた侵入ではなく、情報の出所はDNCだという彼らの専門的分析を書き送った。言い換えれば、情報はハッキングされたものではなく、漏洩で、データは、人間によって、DNC事務所の外へ記憶ディスクで持ち出されたのだ。その場合、ロシア人工作員や、他のインターネット工作員には関与する余地がない。VIPS分析の主要な所見は、DNCコンピューターから得た情報は、余りにサイズが大きかったので、メタデータにあるような時間内で、インターネットでダウンロードすることは不可能だったはずだというものだ。

これは、ウィキリークス編集者ジュリアン・アサンジが、彼の情報源がロシア人ハッカーだったというアメリカ諜報機関やマスコミの主張を常に否定しているのと対応する。また元イギリス大使のクレイグ・マレーが、ウィキリークス情報源の正体を知っており、アメリカ諜報機関を引退した、政府に反対の立場にある人々が評価した通り、情報は漏洩されたもので、ハッキングされたものではないと確認した。

要するに、アメリカ陰の政府とマスコミが七ヶ月間絶え間なく売り込んで来たロシア-ゲート論は、信憑性の欠如で息切れひざまずいている。

最高の技術雑誌とされている「ワイアード」さえもが、ロシア人ハッカーとされるものが、トランプをホワイト・ハウスに送り込むため、いかにしてアメリカ選挙に干渉したのかについて、いかなる詳細もとまどうほど欠けているのだ。まるで詳細の欠乏を償うかのように、ワイアード記事は、この“ばか騒ぎ”を、古くさいジェームズ・ボンド模造品並みの陳腐なロシア嫌いで水増ししている。

それだけでなく、今や技術的詳細や専門家による分析で、信頼できる元アメリカ諜報機関職員たちによるロシア-ゲート論は、実際、でっちあげだという検証が現れている。

陰の政府や他の反トランプ政治/マスコミは、必然的に、大統領を妨害する代替手段を手に入れようと奮闘している。証拠の欠如と、クリントン選挙運動を傷つけたDNCの違反に関する信頼できる説明が出現したことから、トランプをホワイト・ハウスから追い出すためのロシア-ゲート策謀が崩壊の危険にさらされていることに連中は気がついている。ロシアのせいでなかったのだから、トランプがロシアの手先だというあらゆる派手な宣伝は、トランプがずっと主張している通り、偽ニュースだというのが結論だ。

死が差し迫っているロシア-ゲート“スキャンダル”は、大統領は“ネオナチ支持者”だという主張、トランプを追い出すための巧妙に仕組まれた次のキャンペーンにその座を譲りつつある。国粋主義的なアメリカ・ファーストというトランプの考え方は疑わしく、広い意味では非難にさえ値するかも知れない。しかし、それは重要ではない。重要なのは、失敗したロシア-ゲート策謀の代わりに、トランプを追い出すための新たなキャンペーンを強引に進めるため、一斉に画策を進める陰の政府の手口だ。この民主的過程蔑視から、一体誰がより危険なアメリカ・ファシストなのかという疑問が生まれる。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/18/as-russia-gate-story-stalls-cue-trump-neo-nazi-scandal.html
----------
民主的過程蔑視から、一体誰がより危険な属国ファシストなのかという疑問が生まれる。

大本営広報部、今日は何をネタに白痴製造に精を出すのだろう。米韓合同演習か?

一番読みたくない新聞の勧誘員が来た。お金を貰っても読まないと断った。

この記事の話題とつながる今日の日刊IWJガイド記事を引用させていただこう。

【2】トランプ政権の「アメリカ・ファースト」をプロデュースしたスティーブン・バノン首席戦略官兼大統領上級顧問が更迭!孫崎享氏がIWJの取材に「軍産複合体や金融保守本流にとって、これまで以上に有利な状況になる」

 トランプ大統領誕生の最大の「功労者」スティーブン・バノン首席戦略官兼大統領上級顧問が、8月18日付で更迭されました。

 トランプ政権のスローガン「アメリカ・ファースト」を先頭に立って進めてきたバノン氏ですが、最近、トランプ大統領が北朝鮮危機を煽っている状況に対し、「軍事的解決などない。忘れてしまえ。開戦30分でソウルの1000万人が通常兵器で死亡するという難題を一部でも解決しない限りは、意味不明だ」などと主張したことで、大統領との対立を深めていたとされます。

 バノン氏はさまざまな悪評の立っていた人物ですが、朝鮮戦争の再開が途方もない惨劇となることを指摘し、強硬に反対したという一点において、彼は「正気」で「まとも」である、ということが明らかになったと言わざるをえません。そのバノン氏を切ったことで、トランプの「狂気」の方が、深刻に浮かび上がってきました。

 また、トランプ大統領の長女イバンカ補佐官とクシュナー上級顧問夫妻が、バノン氏と対立していたとの指摘もあります。

・トランプ大統領、腹心バノン氏を更迭 米メディアが報じた3つの理由とは?(ハフポスト、2017年8月19日)
http://www.huffingtonpost.jp/2017/08/18/bannon_n_17786602.html

 これについて、元外務省国際情報局長の孫崎享氏はIWJの緊急取材にこたえ、次のように解説しました。

 「トランプ政権には3人の軍人出身者(マティス国防長官、マクマスター国家安全保障補佐官、ケリー大統領首席補佐官)と、1人の金融界代弁者(クシュナー上級顧問)がいる。この4人は以前から、バノン氏の主導する『アメリカ・ファースト』に対立していた。特に安全保障の面ではバノンへの攻撃が強かった。一人で戦っていたバノン氏が更迭されたことで、今後、軍産複合体や金融保守本流にとって、これまで以上に有利な状況になる。トランプ政権は『アメリカ・ファースト』的姿勢からガラリと変わることになるでしょう」

 さらに孫崎氏は、有利になった軍産複合体が北朝鮮危機を煽り続けるであろうことを指摘した上で、「安倍政権にとっては良い流れ。対日関係は基本的に軍産複合体が牛耳っている。その流れがすっきりしてくる。トランプ政権で軍人出身者が重要なポストを握ってしまっていることから、これまで以上に情勢は軍産複合体的な人たちに有利になってくるでしょう。安倍政権が北朝鮮情勢を煽る状態は今後も続く」と述べました。

 バノン氏を含むトランプ陣営のメンバーについては、こちらのインタビューで言及しています。この機会にぜひ御覧ください。

※スティーブン・バノン氏とは何者か――トランプ大統領、「大暴走」の背後にネオコンも警戒する「オルタナ右翼」の存在!岩上安身が孫崎享氏に訊く! 2017.2.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/361037

 バノン氏更迭により、日本の対米従属関係はこれまで以上に深まり、同時に北朝鮮との緊張をさらに深める危険なゲームにのめり込む可能性が出てきました。

 孫崎氏には、岩上さんが8月12日にインタビューをし、その中で北朝鮮情勢について解説をしていただきました。ぜひ、こちらの動画もあわせて御覧ください。会員の方は全編御覧になれます。

---------------
※「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」――先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? 岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く! 2017.8.12
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395470
---------------


二時から、IWJの下記インタビューを拝見予定。

 米国では、白人至上主義者を擁護するトランプ大統領に対し、同じ共和党内の重鎮や米軍トップといった「身内」からも批判の声が上がっています。総理や閣僚がどれだけ不祥事を起こしても、官房長官が「まったく問題ない」「そのような指摘は当たらない」の一言ですませてしまい、正義感からの異論が各所からまるで上がらない日本とは大違いですね。

 安倍内閣の支持率が急落し、ようやく自民党内からもぽろぽろと不満の声が漏れ始めてきたとは言え、これまで声高に異論を唱え続けてきたのは、「自分こそがミスター自民党だ」と誇る村上誠一郎議員ただ一人ではないでしょうか。

 2014年7月、岩上さんのインタビューにこたえた村上氏は、集団的自衛権の行使を容認する「解釈改憲」をめぐり、「下位法で上位法を変える禁じ手だ」と批判、「違憲」であるとの認識を明確に示しています。

---------------
※【大義なき解散総選挙13】「たとえ一人でも、やらないといけない」集団的自衛権行使容認に反対した自民党・村上誠一郎衆院議員に岩上安身がインタビュー 時折涙を見せる場面も 2014.7.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150285
---------------

 今回、内閣改造で支持率回復を試みた安倍総理でしたが、村上議員は改造前から安倍政権の人事について、「『お友達』か、同じ思想を持っている人か、イエスマンかの3つのパターンだ」(2017年7月16日、フジテレビ「新報道2001」で)などと真っ向批判。稲田朋美元防衛相などが念頭にあったと思われます。

・村上誠一郎元行革相がまたもや首相批判 「人事はお友達か、同じ思想か、イエスマンの3つ」(2017年7月16日、時事通信)
http://www.sankei.com/politics/news/170716/plt1707160010-n1.html

 さらに「違う考え方の人を入れなければ、自民党の政治の幅ができない」とも指摘。安倍総理も今回はさすがに耳を貸さざるを得なかったのか、結果、村上氏の苦言どおり、新内閣では他派閥の人材が多く登用されました。

 また、村上氏の地元の愛媛では加計問題は燃え上がっています。加計学園の議論が地元の今治市や愛媛県のためになるのか、この問題についても見解をお聞きしたいと思います。

 森友、加計学園問題では、財務省や内閣府、文科省などで、官僚が安倍政権を必死に庇い続けていますが、官僚らがここまで安倍政権に忠義を尽くす背景には、中央省庁の幹部人事を官邸主導で一元管理する「内閣人事局」の存在があります。管理対象となるのは審議官級以上の約600人の官僚で、政権の意に沿わない官僚を要職からパージできる制度として、大きな弊害となっています。

 村上議員は当初から内閣人事局の設置にも批判的で、「600人の人事を全部官邸に持っていった。こうなれば、官僚は正論も本音も言わなくなる。私は最後まで総務会で抵抗したが、官邸の意向ということで通ってしまった。案の定、それから、公務員は正論も本音も言わなくなった」と述べていました。

 さらにグアム向けの北朝鮮のミサイルを、小野寺防衛相が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に認定して四国上空で撃ち落とすと発言しており、そんなことが万一にも現実化したら、報復攻撃先として伊方原発が狙われるかもしれません。

---------------
※安保関連法案「反対」で孤軍奮闘する村上誠一郎議員、自民党執行部の問題を告白、報じないマスコミの姿勢も批判 2015.6.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248667
---------------

 集団的自衛権について、村上氏はかねてより懸念を示していましたが、その懸念が現実になった今、本日14時より、改めて岩上さんが村上誠一郎議員にインタビューいたします。追い詰められた安倍政権をどのように見ているのか、そして、解散総選挙を含め、今後の展開をどう見据えているのか、「ミスター自民党」の見解をうかがいますので、ぜひ御覧ください。

----------------------------------
★安倍政治は全否定された!信頼回復は「インポッシブル」!総理総裁を「代えるしかない」!安倍一強の中でもブレない「ミスター自民党」村上誠一郎議員に岩上安身が訊く!
[日時] 2017年8月21日(月)14:00~
[YouTube Live] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
----------------------------------

2017年8月20日 (日)

The Camp of the Saints

2017年8月17日
Paul Craig Roberts

情緒主義に溺れたリベラル/進歩派は、白人至上主義者に対してわめくことが、敵のみならず、自らの評判も落とすことに気づいていていない。アメリカ以外の世界は、良い白人と悪い白人とを区別していない。インドから書いてきた読者が言うように“白人全員有罪なのだ。”それが、白人至上主義はアメリカ合州国では、最初から制度化されていると主張する左翼の立場だ。白人リベラル/進歩派が、ジャン・ラスパイユの著書、The Camp of the Saintsを読めば、世界が連中と白人民族主義者を区別していないのに気づくはずだ。“一部の白人”ではなく、白人が世界に対する災厄と見なされているのだ。

読書は連中には荷が重過ぎるなら、カウンターパンチのアジャム・バラカによる記事を読めば良い。

“現在の人種差別主義者右翼政治の特徴は一体何だろう? バージニア州シャーロッツビルにおける反ファシスト抗議行動に突進した、狂った白人至上主義者だろうか、それとも「対北朝鮮攻撃で、何千人もの命が失われる結果になろう…。しかし、そうした命は‘あちらの’人々だ」というリンゼー・グラム発言もそうだろうか? イスラエルを支持し、反イスラエル偏見とされるもので国連を非難する議会両院による最近の満場一致の決議はどうだろう? 続いているパレスチナ人の苦難など知ったことではないように見えるのだから、人種差別主義者で右翼の資格があるのではないだろうか? 軍事予算を540億ドル増やすというトランプ政権の法外な提案さえ越えて、べらぼうな740億ドルを、ペンタゴン予算につけるというアメリカ下院の賛成投票はどうだろう?

“多くの人々が、つけあがった過激な白人至上主義右翼と呼んでいることを巡る現在の議論で、興味深く思うのは、シャーロッツビルで目にした、粗野であからさまな白人至上主義者に対する反対派を動員するのが何とたやすいかということだ。余りに容易で、実際は、より本物右翼の陰の実力者と対決するためになされなければならない困難で危険な事業からの気晴らしなのだ。

“我々がより陰険だと見なしている白人至上主義は、怒れるナチス式敬礼をするオルタナ右翼という単純な型にはまったイメージやらドナルド・トランプに反映されているわけではない。そうではなく、常態化されていて、それゆえ目に見えない白人至上主義イデオロギーは、そうした思想から派生する文化機関や教育機関や政策に吹き込まれている。この過程は、突撃隊員や武装した狂った過激派右翼を生み出すだけのみならず、ゴールドマン・サックスのロバートルービンや、ヒラリー・クリントン、バラク・オバマ、トニー・ブレアやナンシー・ペロシなどの、一瞬たりとも、欧米文明の優位を疑ったことがなく、どの国が主権を持つべきで、誰が‘劣った’国々に対する指導者になるべきかを決める欧米白人の権利と責任を完全に信じ込んでいる‘上品な’個人の、ひそかな狂信者をも生み出す。たとえ、それが、何十億人もの人々がファノンが‘非存在の地帯’と呼んだものに永遠に追いやられることを意味しようとも、グローバル資本主義の驚異の代替案は何もないと信じている連中を。

“こうした白人至上主義を、私は懸念している。暴力的右翼運動の危険性は認めるが、民主党と共和党両党により立法化され、政府のあらゆるレベルで政策にされつつある右翼政策の方が、よほど心配だ。

. . .

“ヨーロッパ-アメリカ白人至上主義と、そのイデオロギー的再生に対する物的基盤となっている白人権力の構造、つまり構造と機関こそ、根本的反対運動の焦点となるべきだ。ところが、覇権主義白人至上主義勢力の物的基盤として機能している、資本主義体制とその機関、世界貿易機関、IMF、世界銀行や、グローバルな欧米化された高等教育などは、人々の注目が、デービッド・デュークやドナルド・トランプなどに向けられているがゆえに、厳しく吟味されることから逃れている。

“白人の物質的特権を喪失する結果になる、正義を求める道を進むために、白人の位置づけ、白人文明や、世界秩序における白人度という神話にまつわるあらゆる人種的感傷を自ら捨て去るという本当の自己犠牲を必要とする、より困難なイデオロギー上の仕事にとりかかるのではなく、こうした人種差別の皮相的な戯画との戦いを好む白人至上主義リベラルと左翼にとって、トランプやオルタナ右翼は、便利な気晴らしになっている。

“この広角レンズで、白人至上主義を見れば、イスラエル国家や、対北朝鮮戦争や、黒人や褐色人種の大量投獄や、奇怪な軍事予算や、高級化区域再開発や、ベネズエラ転覆や、あらゆるジェンダーの黒人や褐色人種に対する国家的戦争や、子供を生む権利に対する戦争を支持することなどは、都合良く自分勝手に、トランプや共和党のレベルに落とすわけにはゆかない、強固な右翼イデオロギーの現れなのは明らかだ。

“白人至上主義というものが、単に誰かの頭の中だけではなく、世界中の人々に対し、継続して、壊滅的影響をもたらしている世界的構造でもあることを理解すれば、世界が生きるためには、525歳の白人至上主義汎ヨーロッパ、植民地主義/資本主義家父長制度は死滅すべきだという人々が一体なぜいるのか理解できよう。”

ここで記事全文が読める。

https://www.counterpunch.org/2017/08/17/the-story-of-charlottesville-was-written-in-blood-in-the-ukraine/

左翼の機能は、問題をはっきりさせることだ。

リベラル/進歩派の機能は、明らかになった問題を見て、他者への非難に満ちた憎しみを叫ぶのではなく、それを改革によって緩和することだ。

リベラル/進歩派がその義務を果たし損ねているのは明らかだ。白人全員が、そのあやまちの代償を払うことになるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/17/the-camp-of-the-saints/
----------

The Camp of Saints  『聖人のキャンプ』については、ハフィントン・ポストに関連記事がある。翻訳掲載は2017/4/14

スティーブ・バノンの世界観は、フランスの人種差別小説にルーツがあった

雑誌『世界』9月号の花田達朗早稲田大学教育・総合科学学術院教授の「ジャーナリズムと市民社会の再接続」を読んで思いだしたことがある。「ワセダクロニクル」について触れたものだ。51ページから引用させていただこう。

もう一つの財源は、月1000円からの定期寄付金によるサポーター会員制である。これは韓国のニュース打破の仕組みを参考にしたもので、その会員数は状況に応じて増減があるが、今日時点で三万八八五八名をサイト上で表示している。ただ、ニュース打破はこの方式で成功している世界で唯一の例であり、日本にその可能性があるかについてはまったく楽観できない。とは言え、これを含めて実験しなければわからないことである。

韓国の人口、2017年で、5145万人。
日本の人口、2017年で、1億2646万人。

ニュース打破の会員数は、今日時点で、38,858人
IWJの会員数は、今日時点で、約6,000人?

人口2.45倍の日本でIWJ会員数、95,000人でなく約6,000人というのが素人には不思議。

IWJは、「ニュース打破」を、既に取材しておられる。

「権力が発表したことを伝えるのではなく、真実に近い事実を検証していくことが、ジャーナリズムの使命だ」〜韓国の「ニュース打破」のキム・ヨンジン代表にIWJがインタビュー! 2016.11.28

ニュース打破、ハングル表記では、뉴스타파  日本語と違い「だは」ではなく「タパ」
http://newstapa.org/

明日のIWJ、再びの「岩上安身による自民党・村上誠一郎衆院議員インタビュー」

【IWJ_YouTube Live】14:00~「岩上安身による自民党・村上誠一郎衆院議員インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 岩上安身による自民党・村上誠一郎衆議院議員インタビューを中継します。

ということだ。必見。

そこで前回インタビューも再配信される。
これを拝見するまで、自民党に、素晴らしい政治家がおられるとは全く知らなかった。

【タイムリー再配信 47・IWJ_YouTube Live】21:00~「『たとえ一人でも、やらないといけない』集団的自衛権行使容認に反対した自民党・村上誠一郎衆院議員に岩上安身がインタビュー 時折涙を見せる場面も」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 2014年7月4日に収録した、岩上安身による自民党・村上誠一郎衆院議員インタビューを再配信します。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150285

2017年8月19日 (土)

もし家分れ爭はば、其の家立つこと能はざるべし

2017年8月17日
Paul Craig Roberts

リベラル/進歩派/左翼は、非難の馬鹿騒ぎを楽しんでいる。これほど酷いものは見たことがない。これは、16年間、ワシントンが七つの国を丸ごと、あるいは部分的に破壊するのを座視していた連中だ。これ程の戦争挑発と人類に対する犯罪では満足できずに、ワシントンは、ロシアとの対立状況を画策した。アメリカ人がこの危険な対立を緩和するつもりだと言った大統領を選ぶと、リベラル/進歩派/左翼が彼に喰ってかかっている。対照的に、シャーロッツビルで嫌悪された抗議行動の終了後、一人が殺害されると、アメリカ大統領に対する果てしない、ばかばかしい怒りが起きている。

昨日、ニューヨーク・タイムズの三人のマスコミ売女が、“自らが招いた人種的危機で、益々孤立化している”と言って、危機をトランプのせいにした。双方の抗議行動集団が暴力行為をしたと非難したがゆえに、トランプに責任があるようだ。

だが実際そうだったのではないだろうか? 双方の側が暴力を振るったのではなかったか? ニュース報道を見るかぎり私はそういう印象を持った。トランプが同じ印象を持ったとしても驚かない。実際多数の読者が双方の暴力という印象を持ったという電子メールを送ってこられた。

つまりトランプは真実を言ったがゆえに、こきおろされているのだ。

トランプや他の多くの人々がニュースから受けた印象が間違っていたとしよう。そうであれば間違った結論に至ったかどで、トランプは、有罪ということになろう。ところが彼はナチスの暴力を煽り、支持したかどで非難されているのだ。一体どうすれば、間違いを悪意に変えられるのだろう? ニュース報道から得た間違った印象は、“白人民族主義者抗議行動参加者の擁護”ということにはならない。ニューヨーク・タイムズが主張したとて、意図の欠如を意図には変えられない。既成支配体制は、連中としては、彼をそこに入れたい白人至上主義者陣営に、トランプを押し込もうとしているのだ。

非難に根拠が無いのは明らかだ。これはウソで、トランプ大統領と彼を選んだ人々を非合法化するために使われている画策なのだ。

疑問はこうだ。この画策の黒幕は誰だろう?

この画策が、人々をトランプから逃げ出させたり、連中が彼を大統領の座から追い出す策謀を推進する口実に利用されたりしている。

パレスチナ人に対するアパルトヘイト政策で、ジミー・カーター大統領がイスラエルを批判した際、カーター・センター役員会メンバーが彼を見捨てたのと同様、スティーブン・A・シュワルツマン率いるトランプの戦略・政策フォーラムも逃げ出した。ニューヨーク・タイムズは、軍幹部が逃げ出していると言う。共和党もまるごと。

驚くべき偽善だ。16年間、軍幹部、ニューヨーク・タイムズや他の売女マスコミ、両政党とリベラル/進歩派/左翼は、人類に対する大規模犯罪に積極的であれ、受動的であれ関わってきたのだ。何百万人もが死に、四肢を失い、家から追い立てられた。ところが、シャーロッツビルで一人が亡くなると遥かに大きな抗議行動が噴出する。

心の底からのものとは思われない。自分たちの政府の手による何百万人もの死に無関心だった人々が一人の人の死を巡って、それほど動揺できるとは信じがたい。トランプには、一人の女性の死に責任があるとしよう。ビル・クリントンや、ジョージ・W・ブッシュや、オバマの両手についた血と比較して、どれほどのものだろう? 悲しみの噴出が、大統領と彼を選んだ人々を非合法化するよう練られた画策なのは十分明らかに思えるだ。ジョン・ワイトがカウンターパンチで書いている通り、オバマ政権がウクライナにしかけたことを、もちろんリベラル/進歩派/左翼の支援を得て、今我々は国内で体験しているのだ。

マイダン抗議行動参加者の大多数が、自分たちが利用されているなどとは全く思っていなかったのと同様に、トランプに対する濡れ衣に抗議をしている人々の大多数にもこれはあてはまる。リベラル/進歩派/左翼の大半にとって、トランプと白人民族主義者への憎悪は、彼らに染み込んでいるアイデンティティ政治の条件反射的結果の表現だ。

状況を客観的に判断すれば、トランプと彼を選んだ“哀れな連中”に向けられた憎悪は、白人民族主義者が表現している憎悪を量的に遥かに超えているという結論になろう。

白人民族主義者のような卑劣な連中は、抗議行動を許されるべきではなく、抗議行動する許可を与えられるべきではないと、リベラル/進歩派/左翼のメンバーたちは主張している。彼らは抗議行動が権利であることを忘れている。
40年前の1977年、ユダヤ人が暮らすシカゴ郊外スコキーにおける過激派抗議行動を阻止するイリノイ州裁判命令を破棄して、アメリカ最高裁判所が問題を解決している。最高裁判所は一部の人々が感情を害する、あるいは偶然暴力的な反応が起きることがあるという事実によって、抗議行動が制限されることはないと裁定したのだ。そうでなければ、どのような党派であれ、権力を掌握している立場にあるものが、他の全員の反対意見を抑圧できてしまうことになる。

国民を分裂させるべく、リベラル/進歩派/左翼は何十年も本格的に力を入れてきた。黒人研究や、女性研究やアメリカ先住民研究は、憎悪を生み出すプロパガンダに容易に変わりかねない。イエスが言う通り“もし家分れ爭はば、其の家立つこと能はざるべし。”

シャーロッツビルは、アメリカが分裂した国であることを証明する非難のどんちゃん騒ぎになっている。これほど分裂した国が、本気でロシアや中国やイランと戦争したがるのだろうか? リベラル/進歩派/左翼が言うように、もしアメリカが、白人至上主義を制度化したものであるなら、一体どうして、アメリカ人は、同時に、外国の人々を爆撃して、石器時代に戻す権利を持った“例外的な、必要欠くべからざる国民”であり得よう?

このシナリオには辻褄が合わないことが多々あるのは明らかだ。

私のウェブサイトの読者は自立した思考ができる方々だ。ある物事の説明が、ある物事の言い訳ではないのを理解されている。私の説明は説明に過ぎない。間違っているかも知れないが、釈明ではない。既にそう思い込んでいることを聞きたがっていて、常に誰か非難する相手を探している読者もいる他の多くのウェブサイトにも私のコラム記事は転載されるので、これを明記しておくことが必要だと思えるわけだ。自立した思考ができる国民の数が極めて限られているというのは、アメリカ合州国にとって大きな制約だ。おそらく、これはあらゆる国にとって問題なのだろうが、アメリカ合州国にとって問題なのは確実だ。

アメリカの知識人階級、いやたぶん準知識人階級と呼ぶべきものに、本当のこと言うのを大いに恐れている臆病者が大量にいるという、もう一つの大きな制約がアメリカ合州国にはある。もちろんアイデンティティ政治が生み出した魔女狩り気質を考えれば、彼らが恐れるのも無理はないが、連中が臆病なおかげで、真実を守る重荷はごく少数の肩にかかることになってしまうのだ。

注: マコーリフ・バージニア州知事は、白人至上主義者には武器貯蔵庫があり、バージニア州警察より、白人至上主義者の方が銃を多く持っているという、売女マスコミによって世界中に広められているウソの主張をした。そのような武器貯蔵庫は発見されていないと発表して、警察は低能な知事に反駁しているとReason.comが報じている。http://reason.com/blog/2017/08/16/virginia-state-police-say-they-didnt-fin

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/17/house-divided-cannot-stand/
----------
題名、第一野党とされるものについても言えそう。 相当数、緑のタヌキと合流するだろう。

首席戦略官バノンも辞任。

知ってはいけない――隠された日本支配の構造』を読み終わって見るニュース、キオスクの新聞見出し、イージス・アショアを買わされ、宇宙軍でもこきつかわれる。「お説の通り」と思うばかり。 属国大本営広報部のなんとももの悲しいイージス・アショア怪説。お二人が気の毒に思えてきた。棒人形劇。

日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2

バルセロナ、ランブラス通りに近いレストランで豪華海鮮料理を食べたのは30年ほど前。日刊IWJガイド・ウィークエンド版の一部を引用させていただこう。

 日本時間18日未明、スペイン・バルセロナ繁華街で、白いバンが歩道に突っ込み、13人が死亡、およそ100人が負傷する痛ましい事件が起こりました。地元警察がテロ事件と断定して捜査を始め、本日事件に関与したと見られる男2人を拘束したと伝えられています。事件後、「イスラム国」(IS)が犯行声明を出しましたが、スペイン当局はこれまでのところ今回の事件の犯行とISのつながりを明らかにしていません。

http://digital.asahi.com/articles/ASK8L05QSK8KUHBI03M.html(バルセロナでテロ、車暴走し13人死亡 ISが犯行声明 8月18日、朝日新聞)

 日本政府は今回のテロ事件に対する声明をまだ発表していませんが、今回のテロ事件を利用して、テロ対策のための監視体制の強化を正当化するのではないか、と懸念します。

 これまでも、安倍政権は秘密保護法(2013年)や盗聴法拡大(2016年)、共謀罪法(2017年)を制定させ、国民への監視体制を強化していますが、監視体制の強化はテロ対策に役立たないことは明らかです。

 昨日のIWJのインタビューで、ジャーナリストの小笠原みどりさんは、「監視でテロが防げたのかと言うと、全然そんなことはない。フランスではシャルリ・エブド事件以来、市民のネット動向を分析するソフトのインストールを義務付け、PCのリアルタイム監視のために警察が家宅捜索することまで合法化。しかしテロは続いている」と監視体制の強化がテロ対策に全く役立たないことを、フランスの現状に照らして述べています。日本でも同様のことがいえるのではないでしょうか。

※共謀罪と監視社会―― スノーデン文書により明かされた日本政府とNSAの関係とは? 岩上安身による元朝日新聞記者・ジャーナリスト 小笠原みどり氏インタビュー
2017.8.17http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395679

 安倍政権が国民への監視体制を強化しようとしていることは、まさに自民党の憲法改正草案にハッキリと表れていると思います。例えば、自民党の憲法改正草案第13条では、「公益及び公の秩序に反しない限り」生命、自由及び幸福追求の権利が保障されると規定されています。「公益及び公の秩序」に反するか否かを決めるのは、もちろん政府や治安権力です。

 岩上さんが澤藤統一郎弁護士や梓澤弁護士と共に、自民党の憲法改正草案を現行憲法と比較して逐条で読み解いていく書籍『前夜 増補改訂版』の中で、梓澤弁護士は「私的生活の自由に入り込んでくるのが、今度の自民党改憲草案の第13条です。『いまの政府秩序に反するなんか活動をやろうとしているな、じゃあ、監視のもとに置こうじゃないか』となりかねません。これは公、公の秩序に反するんだから」と述べ、自民党改憲草案の危険性を指摘しています。(『前夜 増補改訂版』 p160)

 国家が私的生活の自由に入り込む例として、通信履歴の収集が考えられます。

 オリバー・ストーン監督の映画『スノーデン』では、次のようなシーンがありました。NSAがパキスタン人銀行家を協力者にするため、その銀行家や家族の通信履歴を収集すると、娘の恋人が不法滞在者ということが分かり、NSAは「これは使える」と考えました。そこで、娘の恋人を強制退去させると、娘が自殺未遂をしました。そして、NSAは娘の憔悴した様子に落ち込む父親に酒をすすめ、車で帰るところを通報し、飲酒運転で実刑を受けたくなければ協力しろと脅しました。卑劣極まりない手口です。

 このように国家が個人の通信履歴を自由に閲覧できれば、私たちの家族や友人など親しい人々の関係が壊れ、私たち市民が国家に都合の良いように利用される危険性があります。

 そのような危険を招かないためにも、今の安倍政権や自民党が何を目的として自民党憲法改正草案を作成し、どのような国づくりを目指しているのかを正しく知ることが必要です。

 書籍『前夜 増補改訂版』では、自民党改憲草案には、国防軍の創設・緊急事態宣言条項の創設など、上記に挙げた第13条以外にもまだまだ存在している危険な条項につき読み解いています。監視体制の強化も含めて、安倍政権や自民党がどのような国づくりを目指しているのかを知りたい方は、ぜひ書籍『前夜 増補改訂版』をご一読ください。

 ご購入はぜひ、「IWJ書店」でお願いします。

 ※【増補改訂版】『前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=169

2017年8月18日 (金)

キエフ政権に耐えることが、ロシアにとって一体なぜ危険なのか


Michael Jabara CARLEY
2017年8月11日

今日、誰もが世界のどこかにおけるアメリカ侵略戦争について語っているように見える。そう、アメリカ合州国は決して侵略戦争は行わず、国際法に違反しないことは知っている。アメリカは丘の上の輝ける町で、何も悪行を行えないのだ。だが世界の大半の場所におけるアメリカの戦争は侵略戦争のように見えると言おう。“ニュース”を読むと、アメリカの政策立案者たちは、次にどこを攻撃するか決められないもののようだ。イラン、朝鮮民主主義人民共和国、シリア、ベネズエラ、中国、ロシア連邦; どこかの国を私は漏らしているだろうか?

ミンスク合意の問題は、キエフ暫定軍事政権が、それを全く尊重していないことだ。

そう、マスコミの注目から外れているように見えるある場所、あるホットスポットがあるの。ウクライナだ。そこで何が起きているのだろう? 今でもたまに、いわゆる悪名高いミンスク合意について耳にする。この合意は、2014年2月、ネオナチ・クーデターで権力を掌握したキエフ“政権”、暫定軍事政権と、ドンバスのいわゆる“反政府派”との間に和平をもたらすはずだった。そもそもの始めから、ミンスク合意の問題は、キエフ暫定軍事政権に、決して尊重されていないことだ。

和平協定は、全当事者が、それを尊重する用意がある場合にのみ機能する。ミンスクの場合は決してそうではない。いわゆる現地の反政府派が、ウクライナ軍とネオナチ民兵を叩きのめしていたので、政権側は補給と修理のための時間稼ぎが必要だったため、キエフ・クーデター参加者連中が合意に同意したに過ぎない。クーデター参加者連中はその意図を隠していない。しかし、モスクワを含め全員が、気がつかない振りをしていたのだ。更に酷いことに、ロシア政府は、オポルチェンツィ、つまりドンバス民兵に、前進を止め、疲弊したウクライナ軍が逃亡するにまかせよと命令した。あれは戦術的な間違いだった。

アメリカとEUが、一体なぜ、キエフが、ミンスク合意を尊重し損ねているのに気がつかない振りをしているかは理解できる。連中は、キエフ政権の屋台骨たるウクライナのファシストにも気がつかない振りをしている。あるいは連中は、ファシストは“ごく僅かの傷んだリンゴ”に過ぎないと言っている。アメリカとEUが、一体どうして、ウクライナ・ネオナチを支持できるのかと素朴に疑問を持たれるかも知れない。ともかく、アメリカにとっては実際何の問題もない。アメリカ政府には、第二次世界大戦後のスペインにおけるフランシスコ・フランコから、チリのグスト・ピノチェトに至るまで、ファシスト政権を支持してきた長年の実績がある。CIAにお問い合わせ願いたい。

だがロシア政府は、一体なぜ、キエフのファシストやキエフ暫定軍事政権がミンスク合意を尊重するのをいやがっていることに気がつかない振りをしているのだろう? エフの刺客連中が一般市民や民生インフラを標的にする残虐行為の後で、ロシア人であるドンバス住民、キエフのクーデター政権に服従することに合意するだろうなど、モスクワの誰が一体どうして本当に信じるだろう?

ソ連国民は、ナチス・ドイツに対して血なまぐさい戦争を戦い、ロシアはヒットラー・ファシズム打倒を、戦勝記念日の5月9日に慶賀しているのはいささか奇妙な状況だ。キエフで現在権力を握っている連中が今やウクライナの国家的英雄となったステパーン・バンデーラのようなナチス協力者の直系の子孫だ。ロシアはナチズム打倒を慶賀しているが、連中の子孫がウクライナで再度地位を確立したことは見て見ないふりをしているようだ。

ちなみに、ウクライナは、ロシア連邦国境の他のどの地域のどの場所と同じではない。ロシアのいにしえの中核地域なのだ。9世紀に成立した最初のロシア国家キエフ・ロシアの場所なのだ。ロシア文化の礎石、ロシア正教発祥の地なのだ。ロシアそのもの、その歴史、あらゆるロシアなるものにとって欠かせないものなのだ。それでもなおロシア政府は、ロシア嫌いのネオナチ・キエフ政権に耐え、これしか適切な用語はないが、ロシア人に対して戦争をしかけているのに目をそらしている。ロシア政府はミンスク合意を支持すると念仏のように繰り返している。これは暗黙のうちに、ウクライナ国内のロシア語話者住民が、クーデター参加者連中によるキエフ当局権力に服従し、キエフ当局を受け入れる結果、そうなることが明らかな、生活、自由、文化や言語の喪失を受け入れるのをロシア政府が期待していることを意味する。キエフクーデター参加者はミンスク合意を尊重したことがないし、することもないだろうと申しあげておこう。ロシア政府を支配している人々は世間知らずではないのだから、状況を十分に理解しているはずだと考えられる。

キエフのバンデラ主義者、実際はファシストの手で苦しめられているウクライナ国内のロシア人の問題とは全く別に、ロシアにとっての安全保障問題がある。最近のオリバー・ストーンのテレビ・インタビューで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア連邦の安全保障に対するあらゆるウクライナ脅威を歯牙にもかけない素振りで、はねつけているように見える。私は教師で歴史学教授に過ぎず、ロシアの安全保障問題について知っていることは限られている。ロシア大統領にあえて反対するつもりはないが、ただ疑問点をいくつか挙げておこう。

アメリカとNATOはウクライナに入り込みつつある

キエフ・クーデター参加者連中は、ウクライナのNATO加盟を実現する願望を隠そうとしていない。もしそうなれば、ソ連崩壊以来続いているNATOによるロシア包囲の大成果だ。NATO軍は、ウクライナ戦線からモスクワまでわずか490キロだ。連中は既に、サンクトペテルブルクからわずか150キロ程のエストニア国境にいる。もちろん被害妄想になるべき理由は皆無だ。最近のニュースでは、アメリカは、オチャコフ海軍基地に“大規模計画・作戦ハブ”を建設している。ワシントンのストレンジラブ博士、民主党も共和党も、クーデター政権に兵器を送りたがっているという。西ウクライナでは、アメリカ、イギリス、カナダとポーランドの軍人が顧問を務め、訓練をしているのも知っている。カナダ特殊部隊がドンバス戦線付近にいると報じられている。カナダは、祖父がナチス協力者のウクライナ人高官だったカナダ系ウクライナ人の超民族主義外務大臣がご自慢だ。アメリカ顧問やスパイ連中がキエフにしっかり定着している。明らかに、アメリカとNATOはウクライナに入りこみつつあるのだ。

キエフ政権はドンバスを武力で奪還する意図を隠そうとしていない。いわゆるウクライナ首相さえも、そう発言している。つい最近、スプートニクに、これらの地域からロシア人を一掃するため、ドンバスで、クロアチアのクライナ風作戦を行う計画を得意気に話しているキエフクーデター参加者に関する記事が載った。ウクライナ国軍は絶えず砲撃して、ドンバス防衛の弱点を探っている。戦争は予期せぬことに満ちている。一つ間違えるだけで、防衛線での一つの失敗が危機を引き起こしかねない。ロシア政府は、そのような失敗に耐えられるだろうか? クリミアの安全保障に対するドンバス崩壊の影響は一体どのようなものだろう? 順調なので、キエフのクーデター参加者連中が何をしようと関係ないのだろうか? ケルチ海峡橋は、バンデラ主義者による攻撃標的になりかねない。

もちろん、ロシアは、キエフから発せられるファシストの脅威に対処すべく、やりたいことを何でも出来るわけではない。NATOとEUの敵意と更なる経済制裁という脅しに縛られている。つい最近EUは、シーメンス(ドイツ)のタービンが、発電に使用すべく、クリミアに送られた模様だということで、ロシアの個人や企業に追加経済制裁を課した。EUによれば“クリミアとセヴァストーポリ用の自前発電所建設は、ウクライナからの離脱を支援し、ウクライナの領土的一体性と主権と独立を損なうがゆえに、経済制裁が課されたのだ。ガス・タービンは、新発電所建設にとって極めて重要な部品だ。”EUが触れ損ねているのは、ウクライナのバンデラ主義者が、ウクライナからクリミアへの電力線を2015年11月に爆破したこと。これはテロ行為だ。ロシア当局は、ロシア本土から電力を供給する緊急措置をとらざるを得なかった。バンデラ主義者が、クリミアへの電力を切断した際、EUは瞬きさえしなかった。EU発言の含意は、クリミアはウクライナ支配の下に返還されるだろうということだ。いや、決してそういうことはない。クリミア住民も、その名に値するロシア政府も、決して容認することはあるまい。クリミアはロシアの一部であり、18世紀以来そうなのだ。クリミアが再度ウクライナ当局の支配下に入る可能性が一つだけあるが、それはロシアが世界大戦敗北した場合だ。そういう可能性はありそうもない。欧米のロシア侵略者連中の過去800年ほどにわたる成功率は、ほぼゼロに近い。

特に新たなアメリカ経済制裁は、上辺はロシア連邦を標的にしているが、EU自身も標的にしているので、ロシア政府は、ウクライナを巡る更なるEUとの面倒を避けようとしている。つまり、アメリカは、ロシア天然ガスを、遥かに高価なアメリカ産ガスで置き換えるよう強制するため、ロシアで活動していたり、ロシア企業と協力していたりするアメリカ系でないヨーロッパ企業に対し、治外法権を行使しようとたくらんでいるのだ。ロシア政府が、ヨーロッパ諸国、特にドイツが、アメリカによる支配に対し、自らの主権を守ることを期待しているのは確実で、それでウクライナを巡るEUとの面倒を避けようとしているのだ。これはもっともだ。

それで、ロシアは、ウクライナでのクライナ風作戦からドンバスを守るため必要最小限のことを行っているが、ドンバスはロシアによる重要な経済的、軍事的支援無しには存在し続けられないので、実際にはかなりのものになっている。だがロシアは、ミンスク合意尊重に関するたわごとを繰り返し続け、ウクライナ内の様々な不利な進展を見て見ないふりをしている。相対的なロシアの弱さゆえ、必然的に、EUやアメリカへの対処に当たって紆余曲折を強いられるのだ。

現代ウクライナで、ナチスの同盟者バンデラを支持する人々

2014年以来、ロシアはウクライナで“時間がかかるゲームを演じており”プーチン大統領は“自分がしていることを理解しており、計画があり”ロシアは、キエフのバンデラ主義者は潰れると信じていると聞かされてきた。もしプーチン大統領に計画があるなら、それは機能していないように見える。つい最近、キエフの“良い”ウクライナ人は“最終的に、両手が肘まで血に浸かった超過激派によって、何事かをするよう強いられるだろう”という記事がスプートニクにあった。スプートニクでさえ、ファシストやバンデラ主義ネオナチなどの、より平易な用語よりも無難な“超過激派”という単語を使いたがっている。だが“悪い”ウクライナ人のおかげで、“良い”ウクライナ人が権力の座にい続けられるのだから、キエフの良いウクライナ人と悪いウクライナ人という区別は誤った考えだ。バンデラ支持者なしには、EUやアメリカやロシア政府にまで支えられない限り“良い”クーデター支持者はお陀仏になる。ファシスト民兵はキエフ暫定軍事政権の屋台骨なのだ。この政権は、ファシスト同様、戦争犯罪を行っている。スプートニクがインタビューしたいわゆる専門家の中には、一体何について話しているのかわかっていなかったり、夢想とおとぎ話の別世界で暮らしたりしている人々がいた。連中にはモスクワに何の影響力もないことを、そして、いかに人目を忍んでであれ、ロシア政府が、ロシアとウクライナ国内のロシア人の利益を守るべく活動しているようにと願いたくなる。とうにそうあるべきなのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/11/why-tolerating-the-kiev-regime-dangerous-for-russia.html
----------
「北朝鮮がグァム島の方向にミサイル発射を計画」いつもの安倍政権応援と思っていたら、地上イージス導入という、宗主国訪問時のお土産つきだった。
THAADより安いから、ということのようだ。

既にルーマニアにあり、ポーランドにも建設するような記事を見た。
この属国の隷属度がわかる。

知ってはいけない 隠された日本支配の構造』矢部宏治著を読み始めた。

アメリカは日本のどこにでも基地を作れる。北方領土が返還されれば、当然基地建設の対象になる。従って、ロシアは決して返せないのだ。自分の首を絞める政策を推進するまともな政治家はいないだろう。属国傀儡連中を除いて。

日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2

憲法を壊すのではなく、地位協定を無くすか、せめて、ドイツ程度のものに変えることこそ、世界最大の属国には必要だ。

2017年8月17日 (木)

アメリカではプロパガンダが真実を征服した

2017年8月15日
Paul Craig Roberts

デューク大学があるノースカロライナ州ダーラムで、大半が白人男性の無法者連中が南部連合国兵士の彫像を引き倒して公共財を破壊した。おそらく連中は、民主的に選ばれた政権を打倒したアメリカの画策によるクーデターの後、オバマとヒラリーがウクライナに据えつけたネオナチからヒントを得たのだ。オバマが据えたネオナチ新政権が最初にしたことは、ウクライナをナチス・ドイツから解放したソ連の戦争記念碑全ての破壊だった。戦争記念碑を破壊したネオナチは、ナチス・ドイツ側について戦ったウクライナ人の子孫だった。これらネオナチが“民主主義”の政府、オバマとヒラリーがウクライナにもたらし、アメリカ政府と、そのヨーロッパ諸属国が支持している政府を構成しているのだ。

ダーラムでの公共財破壊で一体何が達成されたのだろう、警官はどこにいたのだろう?

事件の映像は、狂った白人、主に白人男性の集団が、ブロンズ像を蹴り、唾をかけ、まるで彫像が反撃するかのように、後ろに飛んで下がる様子を映している。無知な狂った憎悪の誇示だ。

この憎悪の起源は一体何で、一体なぜそれが彫像に向けられたのだろう? デューク大学の学生たちの可能性が高いのだが、無知な無法者連中にとって、破壊された彫像は、奴隷制度の象徴なのだ。

南部連合国兵士と奴隷制度を、無知ゆえに結びつけるのは、知られているあらゆる歴史に矛盾する。南部諸州の奴隷制度は、プランテーションとして知られている広大な農業区画に限定されていた。奴隷は農業労働力だった。この組織は、南部連合国やアメリカ合州国そのものより、ずっと歴史が古い。それはヨーロッパの経済権益者連中によって、新世界が植民地化された時から受け継がれてきた仕組みだった。奴隷制度は、南部が発明したものではない。奴隷制度は、利用できる資源がありながら、労働力が存在しなかったがゆえに、独立宣言よりずっと以前に導入されたのだ。

最初の奴隷は、白人奴隷だったが、彼らはマラリアや黄熱病でバタバタと死んでいった。次に先住アメリカ人(“インディアン”)が奴隷として利用されたが、彼らは働こうとしなかった。その頃、アフリカ人の中には、マラリアに免疫があり、黄熱病に耐性がある人々がいることが発見され、とうとう労働力が見つかったのだ。毎年、お互いに、戦利品が奴隷の戦争をしているアフリカの諸部族から奴隷が購入された。私が最初の著書を捧げた私のユダヤ人オックスフォード大学教授で優れた物理化学者で哲学者、マイケル・ポランニーの弟、カール・ポランニーなどの社会主義者の歴史家が、アフリカの黒人が行っていたアフリカ人奴隷貿易の詳細かつ正確な歴史を書いている。

南部連合国兵士は奴隷を所有していたわけではなく、誠実な歴史学者なら誰でも知っている通り、彼らは奴隷制度のために戦っていたわけではない。彼らは自分の国が侵略されたがゆえに戦っていたのだ。

アメリカ合州国がそうではなかったのと同様、南部連合国は彼らの国ではなかった。彼らの国は、州だった。当時、人々が忠誠心を持っていたのは州だった。彼らは州を自分の国だと考えていた。彼らにとって、アメリカ合州国は、フランス人、イタリア人、オランダ人、イギリス人などにとってのEUのようなものだった。フランス人は今でも自分たちのことをEUではなく、フランスだと考えている。

ロバート・E・リーが北軍を指揮するよう要請された際、彼はバージニア州のことを言っていたのだが、自分の国に戦争をもたらすわけには行かないという理由で断ったのを想起願いたい。

リーの軍隊は北バージニアの軍隊だった。

リンカーン大統領が再三言っていた通り、戦争は奴隷制度とは無関係だ。“アメリカ合衆国保持”つまり帝国保持のためだった。もし南部が分離することを認められれば、ミシシッピー川の西側の広大な土地を巡って、二つの国が競合することになる。ワシントンの駆け出しの帝国はそのような競合を望んではいなかった。

もし南部が分離を認められていれば、北部は、より安価なイギリス製品に関税を課すことによって、南部に売りたいと思っている北部の相対的に高価格な製品の市場を失うことになる。

南部は正当にも、南部は二重に打撃を受けることになるだろうと判断した。北部からの高価格の商品と、南部からの綿輸出に対するイギリスによる報復関税だ。

北部と南部との間の、この経済紛争は、それが連邦脱退を引き起こすまで、長期間続いていたのだ。左翼アメリカ人歴史学者チャールズ・ベアードは、いわゆる“内戦”を、それを引き起こした経済的条件で説明している。戦争は奴隷制度とは一切無関係なのだ。

“内戦”という呼び方そのものがウソなのだ。内戦というのは、政府の支配を巡って、二者が戦うもののことだ。南部は、アメリカ政府を支配するために戦っていたわけではない。南部は北部が侵略したがゆえに戦っていたのだ。

リンカーンは奴隷を解放しなかった。しかもリンカーンが暗殺されていなければ、彼が白人より劣ると考えていた黒人をアフリカに送り返すのが彼の計画だった。これは“陰謀論”ではない。これは文書証拠のある事実だ。この文書証拠のある事実を反証するなど全く不可能だ。

奴隷解放宣言はプロパガンダだった。狙いは二つあった。一つは奴隷制度廃止論者を黙らせることだった。もう一つは、故郷の女性と子供たちを守るため、南部連合国の軍隊を戦線から撤退させるはずの南部諸州での奴隷反乱を助長することだ。リンカーン自身の国、務長官ウィリアム・H・スワードが、我々は我々に管轄権がない場所で奴隷を解放し、我々が管轄している所では、奴隷を、奴隷制度に置いたままにしていると述べた。スワードの正確な言葉はこうだ。“我々の手の届かない場所では奴隷を解放し、我々が彼らを自由の身にできる場所では奴隷のままにしておくことで、我々は奴隷制度に対する共感を示している。”

左翼歴史学者のリチャード・ホーフスタッターは、リンカーンは、彼に何の権限もない奴隷だけ解放したと、リンカーンの奴隷解放宣言をからかった。

リンカーンが狙ったのは、奴隷の解放ではなく、奴隷が南部の女性たちを強姦し、南部の子供たちを殺害するのを誘発し、彼の将軍連中では打ち破ることができない南部軍をリンカーンによる奴隷の反乱から自分たちの家族を守るべく、戦線を離脱し、帰郷するのを余儀なくさせることだった。

ところが、女性と子供たち以外に、彼らを支配する連中が誰もいなかったにもかかわらず、奴隷は反乱しなかった。すると、これは一体どういう圧制だったのだろう?

ロバート・E・リーとの交戦時、北軍は、常時、二乃至、三対一、そして時には、それ以上に、人数で南軍を上回っていたにもかかわらず、リーの北部バージニア州軍は、戦争の最初の二年間、戦闘で敗れたことがなく、リンカーンは無数の将軍たちを使い果たしてしまったがゆえに、奴隷反乱を引き起こすことを狙って、リンカーンは奴隷解放宣言をしたのだ。もし南部の人口がもっと多ければ、南部による戦勝の数で、ワシントン占領と、終戦に終わっていたはずだ。だが南部には、軍事勝利を得続けるだけの十分な数の兵士が決していなかった。対照的に、北部にはアイルランドからの無限の移民供給があり、その大半がアメリカ帝国のために亡くなった。

北部での戦争反対は強かった。リンカーンは北部の新聞所有者や編集者300人を逮捕、投獄し、アメリカ国会議員たちを追放せざるを得なかった。

奴隷制度は、南部が作り上げたものではなく、受け継がれた制度だった。奴隷制度は、南部への移民が労働人口を形成し始め、過剰耕作されたプランテーションの土地が肥沃度を失い始めることで、次第に消滅していたはずだ。奴隷制度は、新たな移民が、現地の労働力になるのではなく、西へと向かい、インディアンの土地を占拠して、自営農家になったがゆえに、あれだけ長く続いたのだ。

もちろん奴隷制度廃止論者連中は、出来る限りのあらゆる南部憎悪を作り出した。実際、私は人生のほとんどを南部の外で暮らしてきたが、リベラルが白人に対する黒人の人種的憎悪を醸成するのを目にしてきたし、フェミニストが男性に対する女性のジェンダー的憎悪を醸成するのを見てきた。憎悪はリベラルの大義なのだ。それが彼らの特徴だ。

愚かなリベラルが、人種やジェンダー間での社会的反目の種をまいた。その結果、アメリカは破壊されることになろう。

おそらくロシアと中国が我々を地表から吹き飛ばさなければならなくなる前に、人種とジェンダー戦争に夢中になって、アメリカは崩壊するだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/15/america-propaganda-vanquished-truth/
----------
日本では「南北戦争」と呼ぶが、英語では、Civil War。辞書をみると、内乱、内戦が先にでてくる。

大本営広報部も、この銅像破壊の映像を流した。その際のコメントがすごかった。
対ロシアの経済制裁の理由を、ロシアがクリミアを併合したためと言っていた。
ウクライナで、クーデターを引き起こして、ネオナチ傀儡政権を作って、ロシア系住民を弾圧させた大本の真実には触れない。

日本でもプロパガンダが真実を征服した

チャルマーズ・ジョンソン氏が、「金を払って、自らをスパイしてもらう国」と日本のことを表現するのを読んだ記憶がある。スノーデンは、まさにその真実を語っている。

そこで今日は、大本営広報部洗脳バラエティーではなく、IWJ小笠原みどり氏インタビューを拝聴予定。日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

 冒頭でもお知らせしましたが、本日13時から、岩上さんは監視社会について研究しているジャーナリスト・小笠原みどり氏にインタビューをおこないます!

--------------------------------
★【IWJ_YouTube Live】共謀罪と監視社会―― スノーデン文書により明かされた日本政府とNSAの関係とは? 岩上安身によるジャーナリスト・小笠原みどり氏インタビュー
[日時] 2017年8月17日(木)13:00~
[YouTube Live] https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?view=2&flow=grid
[ツイキャス] http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
--------------------------------

 2013年、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元職員・エドワード・スノーデン氏が、NSAの機密文書を持ち出し、イギリスのガーディアン紙上で公表、NSAによる市民監視の実態を告発しました。スノーデン氏は現在、ロシアで亡命生活をしているとされます。

 小笠原氏は昨年5月、スノーデン氏への単独インタビューに成功。その記録を著書『スノーデン、監視社会の恐怖を語る 独占インタビュー全記録』にまとめて出版しました。

 小笠原氏には、昨年12月に岩上さんが直接インタビューをおこなっています。

※「日本政府も企業も個人もすべて米国NSAに盗聴されている!」元NSA職員スノーデン氏が暴く!米国による巨大監視システムの実態とは――スノーデン単独取材に成功した小笠原みどり氏に岩上安身がインタビュー 2016.12.26
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/354108

 また、関連記事を以下の特集にまとめています!

※【特集】日本政府、企業、そして個々人に至るまで、すべての通信が米国のNSAに盗聴・監視されているという衝撃! スノーデンが暴いた自称「同盟国」米国の正体!!
http://iwj.co.jp/wj/open/snowden

 今回のインタビューでは、今年4月にアメリカのインターネットメディア「インターセプト」が報道した、日本に関連するスノーデン文書に書かれていた内容を中心にお話をうかがう予定です。

 この文書により、NSAが日本政府に対し、大量監視システム「XKEYSCORE」(エックスキースコア)を提供していたこと、NSAの基地を維持するために、日本政府は5億ドル(約550億円)以上も拠出したこと(国の資金である以上、原資は税金です)などが明らかになりました。

 「XKEYSCORE」とは何か、NSAによる大量監視の仕組みについてお話をうかがうほか、先月施行された共謀罪と大量監視の関係についても、詳しくお話をうかがいます!ぜひご覧ください!

2017年8月16日 (水)

ナレンドラ・モディはくら替えしたのか?

2017年8月11日
F. William Engdahl

世界でも潜在的な主要大国の一つインドという国が、組織的に自己破壊するさまを見るのは何ともつらいことだ。インドとブータン王国と接する中国のチベット自治区国境、ヒマラヤ高原の人里離れた土地を巡る中国との新たな戦争挑発は、最新の例に過ぎない。ここで思い浮かぶのは、一体誰が、あるいは一体何がナレンドラ・モディ首相指揮下のインド外交・国内政策の背後にある総合構想なのかという疑問だ。モディはくら替えしたのだろうか? もし、そうであれば誰に?

ユーラシアの調和?

わずか一年前には、穏やかではないにせよ、中国、更には、慎重にパキスタンまで含むモディのアジア近隣諸国との平和な進展に向かっているように見えていた。

昨年インドは、パキスタンと共に、中国がロシアと共に創設メンバーで、益々重要になりつつある上海協力機構の正式メンバーとして受け入れられ、1947年に、マウントバッテン総督が将来の発火点として、陰険にもカシミールを含むいくつかの未解決の紛争地域残したまま、イギリスが、インドを、イスラム教徒が多数派のパキスタンと、ヒンズー教徒が多数派のインドに分離して生み出され、くすぶり続けている国境の緊張も、共通のSCOの枠組みで、平和的解決が可能になるだろうという希望が高まった。

インドは、中国とともに、インド人が総裁をつとめるBRICS新開発銀行を上海に設立したばかりのBRICSメンバーでもある。インドは、中国を本拠とするアジア・インフラ投資銀行AIIB加盟国でもある。モディが、中国の一帯一路の5月14日北京会議へのインド出席拒否を発表するまでは、インドも巨大なユーラシア・インフラ・プロジェクトの参加国だった。

OBORボイコット、日本の‘自由回廊’

物事は何と素早く変わるのだろう。中国OBORの一環として、パキスタンが占領しているカシミールを通過する620億ドルの中国とパキスタン間の道路、鉄道と港湾インフラ開発、中国-パキスタン経済回廊CPECへの中国による投資をあげ、モディは5月14日の中国OBOR会議参加拒否を発表した。

インドは、そこで驚くほどの慌ただしさで、グジャラトで開催中のアフリカ開発銀行会議で、日本の安倍晋三首相との共同プロジェクト、アジア-アフリカ成長回廊(AAGC)構想文書を明らかにした。インド-日本AAGC文書は、中国のOBORに対抗すべく、インドと日本により提示されている、日本の資金を使い、インドがアフリカでその存在感を確立する、いわゆるインド-太平洋自由回廊の明らかな一環だ。

安倍の下で、日本は東シナ海の釣魚台列嶼、日本で尖閣諸島と呼ばれるものを巡る紛争を含め、益々攻撃的な反中国政策を進めている。日本は、アメリカ・ミサイル防衛システム設置も決めており、安倍の下で、アジアにおけるアメリカ軍の最強同盟国と見なされている。今年2月に安倍がトランプと会った際、アメリカ大統領はアメリカ-日本安全保障条約の条項を再確認し、条約が、東シナ海の尖閣、あるいは中国では釣魚台と呼ばれる紛争になっている無人諸島にも適用されることを明らかにした。

ワシントンとテルアビブでのモディ

数週間後の6月27日、インドのモディ首相は、ワシントンで、アメリカ大統領と会談した。その前日、うまい具合に、アメリカ国務省は、パキスタンに本拠を置く、カシミール渓谷の過激派、ヒズブ・ウル・ムジャヒディンのカシミール人指導者、モハンマド・ユスフ・シャーを特別指定世界的テロリスト(SDGT)に指定したと発表した。何よりも、この指定で、アメリカによるパキスタン経済制裁が可能になるのだ。

モディ-トランプ会談の結果、アメリカは、インドに、22機のガーディアン無人機、いわゆるゲーム・チェンジャーを、30億ドルで売ることに同意した。他の項目には軍事協力強化や、アメリカ・シェール・ガスLNG購入するというインドの合意もある。モディはワシントンでの交渉に大いに気を良くしたようで、彼は大統領の娘イヴァンカ・トランプを、今年末インドで開催されるグローバル起業サミット(GES)のアメリカ代表団団長として招いた。

ワシントンでの明らかな政治的成功に対する賛辞を受ける中、インドのモディ首相はイスラエルに飛び、7月7日、イスラエルでのインド政府トップとイスラエル首相との未曾有の会談を行った。モディとベンヤミン・ネタニヤフとの会談を、インド外交政策の大転換として、インド・マスコミは賞賛した。

話はここで断然興味深くなる。イスラエル諜報機関モサドのインド内の事務所と、RAWと呼ばれるインド版CIAとの間には、1950年代にまでさかのぼる秘密の協力があるのだ。2008年、イスラエル駐インド大使、マーク・ソファーが、イスラエル諜報機関が、1999年のインドとパキスタンの“カルギル戦争”の際、インド軍に極めて重要な衛星画像を提供し、インドが、ジャンムーとカシミール州のカルギル地方にある駐屯地を占拠していたパキスタン軍陣地を正確に爆撃するのを可能にしたと暴露した。

アジット・ドバルの不審な役割

7月のモディのテルアビブ訪問は何ヶ月もかけて準備されたものだ。既に2月末には、訪問の詳細を話し合う為、モディは、国家安全保障顧問アジット・ドバルをテルアビブに派遣していた。そこでドバルは、モサドのトップ、ヨセフ・コーヘンと会い、何よりも、アフガニスタン-パキスタン国境に近いアフガニスタン内の他の州の中国とパキスタンによるタリバン支援とされるものについて話し合った。

ドバルは決して軟弱ではない。彼が‘防御’から‘防御的攻勢’へと呼ぶ、パキスタンに関するインド安全保障政策の最近の転換、インドのドバル・ドクトリンと呼ばれるものは彼のたまものだとされている。彼は2016年9月のインドによる対パキスタン局部攻撃と、カシミールにおけるインド寄り過激派の勃興の黒幕だとされている。あるインドのブログdescribes it、国家安全保障顧問に任命された後の、2014年と2015年の彼の演説で述べた本質的に中国とパキスタンを標的にした、ドバル・ドクトリンには、要素が三つある。“道徳とは無関係、計算や較正から自由な過激主義と、軍への依存だ”。明らかに、ドバルは外交的解決にはほとんど使い道はない。

6月、モディとワシントンとの間で、また7月始め、テルアビブとの間で、どのようなことが非公式に合意されたにせよ、中国とブータンとインドの間の微妙な国境地帯での中国建設チームに対し、インドが、無理やり干渉するため軍隊を送る決定をして、チベット高原でドクラム紛争が勃発したのはこの時期のことだ

中国側は、元インド首相ジャワハルラル・ネール首相から中国の周恩来首相宛の1959年書簡を引用している。“1890年本協定が、シッキム州とチベット間の境界も明確にした。そして境界は後に、1895年に画定された。それゆえシッキム州とチベット地域の境界に関する争いは存在しない”と書簡にある。中国は、1890年の協定と、“双方はシッキム州の境界調整に合意した”とある1959年-60年の書簡に加えて、2006年5月10日の言及も引用している。中国は道路建設について、“善意の”として、インドに“通知した”とも公式に主張している。

現時点で、本当に重要な問題は、中国の主張が国際法の下で妥当なのか、妥当でないのかではない。中国とインドとの間の最近のドクラム紛争をとりまくあらゆることが、モディ政権と共謀して、巨大で発展しつつある中国の一帯一路インフラ・プロジェクトの進展を妨害するため、アメリカがけしかける次の代理戦争を醸成し、対立を利用するワシントンとテルアビブの闇の手を示唆している。

ドクラムを巡る紛争は、決して軍事面にまでのエスカレーションする必要はなかった。これはモディ政府による決定であり、モディの安全保障顧問で、インド諜報機関の元トップ、アジット・ドバルが関わった形跡はあきらかだ。

ナレンドラ・モディは、上海協力機構内の親善精神で、インド-パキスタンや、インド-中国国境紛争の平和的解決を本気で支持する側から、実際くら替えしたのだろうか、それとも彼は、2014年の首相としての任期の始めから、義務として、欺瞞的な、一種のイギリス-アメリカ-イスラエルのトロイの木馬として、中国のユーラシア新経済シルク・ロード推進を妨害するために送り込まれたのだろうか? 少なくとも筆者には、まだ答えはわからない。とは言え、インド軍と密接なつながりがある、信頼できるインドの情報筋が、最近の私的通信で、昨年11月、トランプ当選から間もなく、アメリカ諜報機関の上級顧問が、トランプ一派に、アメリカと中国間の戦争はないだろうが、インドと中国の間で、ヒマラヤ山脈で、戦争があるだろうと単刀直入に言ったと教えてくれた。それはドクラムが全く穏やかだった11月のことだった。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/08/11/has-narenda-modi-switched-sides/
----------
長州神社を参拝する連中、同じことを繰り返しますという決意表明。今年は話題の医者やら外人タレントまで登場。

大本営広報部昼の洗脳報道、北朝鮮によるミサイ発射一辺倒。こうした中国包囲網への日本の荷担には、もちろん決して触れない。

宗主国のため、存立危機状態をいう傀儡の問題にも一切触れない。確認のためだけとは言え、くだらないもののため電気と時間を使うことを毎回後悔している。

駅のキオスクで、タブロイド紙二紙の見出しを眺めるのが一種の日課。一紙は買おうかと思うことがあるが、もう一紙、買いたいと思う見出し、見たことがない。あれが売れること事態、民度の途方もない低劣さの証明。金を払って洗脳されたい心理がわからない。

2017年8月15日 (火)

議会よ、アフガニスタンは、あなた方のベトナムだ

議員の誰かに責任を引き受ける勇気と洞察力はあるのだろうか?
2017年8月11日
アンドリュー・J・ベースヴィッチ

五十年に僅か足りない1967年11月7日の昔、アーカンサス州選出民主党議員、J. ウィリアム・フルブライトが議長を務める上院外交委員会で、続行中のベトナム戦争の進展を評価する非公開委員会が開催された。ディーン・ラスク国務長官が、証言するよう招かれた唯一の証人だった。ラスク発言と、それ以降の委員会メンバーとのやりとり記録は、今日でさえ気がめいる読み物だ。

もの悲しいものから、敵対的なものにわたる様々な質問に答えて、ラスクは一歩も譲らなかった。ジョンソン政権は、戦争を大いに終わらせたいのだと彼は主張した。北ベトナム政府がそうするのを拒んでいるのだ。ハノイのせいなのだ。それゆえアメリカ合州国には、やり続ける以外の選択肢はない。アメリカの信頼性は風前の灯だった。

その延長で、共産主義者の侵略を阻止する戦略丸ごとも同じだった。上院議員たちも周知の通り、南ベトナムにおける危険は他の国々の運命にも及ぶのだ。ラスクは、議会でほぼ満場一致の賛成で成立したトンキン湾決議、事実上の宣戦布告にさりげなく言及し、委員たちに、議会は“主要な決断がなされた際、機能を果たした”のを思いおこさせた。ラスクは、委員会メンバーに、この戦争は政権のものであるのと同様、議会のものでもあることを、実にはっきりと知らしめたのだ。

だがフルブライトと同僚たちは、責任を受け入れる気持ちをほとんど見せなかった。その結果、ラスクと質問者たちの間の堂々巡りの議論は、ほとんど価値がないものとなった。戦争が大失敗している問題を明らかにし、あり得る解決策を見出そうとするのではなく、論議は欲求不満の発散行為になった。オハイオ州選出、民主党のフランク・ローシー上院議員がきっかけを作ったこのやりとりが討議の全体的雰囲気を捕らえている。

    ローシー上院議員:  “ベトナムで、我々はどう進めるべきかの議論は、トンキン湾決議以来、前進しているべきなのです。何時のことでしたか、1964年8月でしたか?

    ウエイン・モース上院議員 (民主党-オレゴン州):  “はるか前だ。”

    アルバート・ゴア, Sr.上院議員 (民主党-テネシー州):  “はるか前だ。”

    フルブライト上院議員:  “そう、だがあれはトンキン湾だった。”

    ローシー上院議員:  “三年間、我々は議論し続けていますが、一体何の目的で議論しているのでしょう? トンキン湾決議の破棄でしょうか? 撤退の理由をはっきりさせるためでしょうか? 三年の間、国務長官は一体何度我々の前に登場しましたか? 

    公聴会や討論は、私の考えでは、あなたが話している、あらゆる点を、十分検討しました。なんら具体的問題に取り組むこと無しに。今や、これは火急の問題だと思います。もし我々のベトナム駐留が間違っているなら、[もし]そう思うのであれば、我々は撤退すべきで、我々の誰かが決議を上院に提出すべきではありませんか[?] …. [そうすれば]我々には具体的な課題ができます。過去三年間そうしていたように、現場にだらだらと広がっているだけにはならないはずです。”

つまり、ローシー上院議員は、アメリカを大きく二分し、ラスクが請け合っても、良い結果に終わる兆しが皆無の問題を、検討し、解決する討論会を設けて、議会がことを押し進めるよう提案していたのだ。とは言え、議会による介入は起きなかった。実際問題として、1967年の議会は、冷戦という切迫した事態が表向き要求している通り、全軍最高司令官の希望に従う方が好都合だと判断したのだ。

そこで、ベトナム戦争は、膨大な経費をかけ、何ら良い影響も無しに延々続いた。1970年夏、議会がトンキン湾決議を撤廃するまで。それさえも、何か意味のある影響をもたらすには余りに遅過ぎた。戦争は痛ましい結論に向かって継続した。

ベトナム戦争に対する議会の行動を、臆病で無責任だと表現するのは思いやりだ。もちろん議員連中の中にも個人的例外はあり、モース上院議員はトンキン湾決議に反対し、フルブライト上院議員は、1967年には、賛成投票したことをあけすけに後悔し、ベトナムは大惨事だと認めていた。とは言え集団として、議員たちは、あわれなほど破綻した。

さて半世紀たち、我々はまたもや窮地に陥っている。アメリカ合州国が、現在、ベトナム戦争より著しく長い、アメリカ史上最長の武力紛争から抜け出せずにいる中、1967年のローシー上院議員提案は見直しに値しよう。

もちろん(グローバル対テロ戦争の一環だとされる)アフガニスタン戦争は(冷戦の一環だとされる)ベトナム戦争とは非常に多くの点で異なっている。だが三つの極めて重要な点でベトナムと似ている。第一に、終わりが見えないまま延々と続いている。第二に、単にやり続けるだけで肯定的結果がもたらされることを示唆する証拠は皆無だ。第三に、戦争運営責任者連中は、いかにして事態を好転させるかについての発想が枯渇して久しい。

実際、トランプ政権は、アフガニスタンで何をすべきか決められないように見える。高位のアメリカ野戦指揮官による追加軍隊要求は、2月以来、中ぶらりんだ。彼は今も回答を待っている。トランプの国防長官、ジェームズ・マティスは、ピカピカの新戦略を約束した。その約束は果たされないままだ。一方、カーブルからのニュースは、ほぼ一様にひどいものだ。戦争そのものは、まるで自動操縦のように続いている。ローシー上院議員の“現場にだらだらと広がっている”という発言は、現在、アメリカ合州国が一体どういう状況にあるかの適切な描写になっている。

議会は一体何をしているのだろう? 冷戦は今や遠い昔の思い出で、トルーマンやアイゼンハワーのように卓越した人々が就いていた職位が、今では、判断や(何よりも)集中力の持続時間も怪しい人物が占めているという事実にもかかわらず、外から見る限り、全軍最高司令官の推定上の特権に対する議会の服従は、お話にならないほど変わらずにいる。

こういう疑問があって不思議はない。戦争に関する事に対する憲法上の権限を再び回復するのに、議会はこれ以上、一体何が必要なのだろう? 党派的配慮を無視し、勇気と洞察力を奮い、ローシー上院議員のものに似たむこうみずな提案ができる少なくとも一握りの議員がきっといるに違いない。そうすれば、無為に延々と続いている戦争に関する論議を始動するのみならず、アフガニスタンもその症状の一つに過ぎない、アメリカ政策全体の混乱に対し、大いに必要な関心を向けられる可能性があろう。そうでなくして、我々は一体なぜこの連中に税金を払っているのだろう?

記事原文のurl:http://www.theamericanconservative.com/articles/yes-congress-afghanistan-is-your-vietnam/
----------
朝日記者が菅官房長官に巨大ブーメラン!という記事を見た。語るに落ちるとはこのこと。

記者「ある政治家も『政府があらゆる記録を国民に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料で、その作成を怠ることは国民への背信行為だ』と本に記したが、誰かご存知か?」
官官房長官「知りません」
記者「官房長官の著作に書かれてるんですが」

その御著書『政治家の覚悟』書評を巨大ネット書店で見た。想像通りの結果。
ほとんどがよいしょ書評。そうしたものに多数の同意。
まともなのは昨日書き込まれた書評のみ。

あそこで絶賛されるものは読む気になれない。
あそこで非難されるものは読む気になれる。
偽ニュース現象の本家本元。

拒否できない日本』も町の書店では山積みなのに、一年ほど在庫なし表示という「amazonで品切れな『拒否できない日本』」実績があるのだから驚かない。

アフガニスタン、ブレジンスキーがソ連を誘い込んで、「ソ連のベトナム」をくれてやって大成功だったはずが、最後は自分の墓穴を掘って終わる。

誠実風大臣、宗主国に対して誠実なのが良くわかる沖縄訪問時のオスプレイ釈明。

『沖縄と国家』辺見庸 目取真俊 対談の84ページに下記目取真発言がある。おっしゃる通り。

沖縄県民は基地の被害を受ける立場でもあるんだけど、同時に、イラクやアフガニスタンで米軍に殺される側からすれば、沖縄で鍛えられた兵士たちが自分たちに銃を向けるわけです。それに荷担してきたという面もある。

2017年8月14日 (月)

“狂犬” マティス国防長官、グーグルとアマゾンを訪問

Andre Damon
2017年8月12日

水曜、ジェームズ・マティス国防長官は、声明の中で、もしアメリカ合州国の要求に従わなければ、北朝鮮は“国民の破壊”に直面することになると述べた。

前進作戦基地に向けてではなく、シアトルのアマゾン本社と、グーグルのようなハイテク企業と密接に仕事をしている、シリコン・バレーにある国防省機関訪問旅行に出発する際、2004年のイラクの都市ファルージャを残虐に征服したことで、“狂犬”というあだ名を得た退役海兵隊大将が、この大量虐殺宣言を発した。

アメリカ合州国が冷戦終焉以来のどの時点より核戦争へと近づく中、マティス訪問は、海外での戦争行為のみならず、国内政治的敵対勢力の検閲と弾圧においても、アメリカ巨大ハイテク企業が益々重要な役割を演じている証しだった。


木曜日、アマゾンCEOジェフ・ベゾス、マティスと会談[写真提供者: @JeffBezos]

北朝鮮、そして可能性としては、その同盟国の中国とさえ戦争を準備する中、マティスとアメリカ軍は、国内で、労働者階級による大規模反戦運動という形の潜在的に最大の敵対勢力と直面していることを十分承知している。軍国主義や戦争の拡大には、常に民主的権利に対する攻撃の強化や独裁的支配の進展がともなう。

現在アメリカでは、軍、諜報機関や主要マスコミは、左翼、反戦ウェブ・サイトを沈黙させることを狙った組織的検閲を実行するため、ハイテク企業、まず第一には、グーグルと協力している。この作戦の主要標的はWorld Socialist Web Siteだ。

過去三カ月、インターネットで“偽ニュース”と戦い、“信頼できる”内容を促進するという名目で、グーグルは検索アルゴリズムに変更を施し、主要左翼ウェブ・サイトの検索トラフィックを45パーセントも減らした。この政治検閲作戦は、グーグル検索からのWorld Socialist Web Siteへのトラフィックを、三分の二以上減らした。

マティスとハイテク企業幹部との話し合いで、グーグルが展開している検閲アルゴリズムが重要な部分を占めたのは確実だ。しかし訪問の名目上の狙いは、シリコン・バレーの企業を、戦争を遂行するための成長著しい、儲かる商売によりしっかり組み込むことだ。

木曜、マティスは巨大ハイテク企業のシアトル本社でアマゾンCEOジェフ・ベゾスと会見し、金曜、彼は、カリフォルニア州マウンテン・ビューのグーグル社から3.2キロにある国防省のユニット、国防イノベーション実験ユニット(DUIX)本部を訪問した。ユニットの顧問の中にはグーグルの親会社アルファベット会長エリック・シュミットもいる。

マティスは、DUIXを通じたペンタゴンとシリコン・バレー企業との提携は、アメリカ軍をこれまでになく“より壊滅的で、より効果的”にするだろうと述べた。DUIXは、アメリカのハイテク企業に軍事技術契約を発注している。

事業で、人工知能、自律運転装置や宇宙などの分野で、45のパイロット・プロジェクトで、既に1億ドル以上契約している。DUIXのウェブ・ページは、ハイテク企業に“1000億ドル+ 市場をうまく活用する”よう奨励している。

訪問時、マティスは“ユニットの成果として、ここでのAIの進歩をアメリカ軍への組み込むのに我々は上達する”と宣言し、それは軍に対する“影響を増大する”だろうと述べた。ブルームバーグ・ニュースによれば、DUIXが展開してきたプロジェクトの中には“逃走する車輛などの”標的に対する空爆を調整するシステムもある。

用意された発言の後、アメリカ軍は北朝鮮に対する“軍事オプション”の“用意”が出来ているとマティスは補足した。

ペンタゴンにとって、外国で戦争を行う上で、巨大ハイテク企業の通信インフラ以上に重要なのは、世論を形づくり、反戦、反政府感情の表現を阻止するため、彼らの通信インフラを利用することだ。この分野における主要組織に、グーグルの親会社アルファベットの子会社でジグソーという名のシンクタンクがある。コンドリーザ・ライスとヒラリー・クリントン両人の元国務省顧問をつとめたジャレッド・コーエンがジグソーを率いている。

ジグソーの最も目立つプロジェクトは“パースペクティブAPI”と呼ばれるウェブ・コメント検閲システムで“人々の意見交換を台無しにしかねない、好ましくないコメントを特定するためのウェブ・パブリッシャー用の新ツール”だ。

主要アメリカ新聞と協力して開発されたツールは、ニューヨーク・タイムズのコメント欄のコメントに削除の印を付けるために、既に導入されている。“CIAはシリア内のイスラム教主義者に武器を与え、何千人も殺害した”という言葉を含んだコメントには、パースペクティブAPIによって、66パーセント“好ましくない”という印がつけられる。“アメリカ政府は素晴らしい”というコメントへの“好ましくない”パーセントはゼロだが、“アメリカ政府は腐敗している”は、71パーセント“好ましくない”という印が付けられると今週、ウィキリークスが報じた。

今年第二四半期、アメリカ政府へのロビー活動で、グーグルは過去に使ってきた以上の金額、約600万ドルを費やした。これはアメリカの他のどの会社が使った金額より多かった。

グーグルは、前のホワイト・ハウスとは極めて親密な関係にあった。インターセプトは、“オバマが大統領になった時から、2015年10月までに、グーグルの代表は、ホワイト・ハウスの会議に、平均、週に一回以上、出席していた”と報じている。

インターセプトの報告は更にこうある。“[オバマ]政権中、約250人の人々が政府職員から、グーグル社員、あるいは、その逆方向に移動した”更に、こう結論している。“政府とここまで親密になった公開企業は他にない”

巨大ハイテク企業と軍との提携増大は、最近の一連の報告書で、政治的敵対勢力の増大を制御するのは現代軍事戦略の重要な要素であり、インターネット通信の支配は、軍事作戦にとって“極めて重要”だと述べたアメリカ陸軍士官学校の所見と一致している。

4月に陸軍士官学校によって刊行された“要地、ソーシャル・メディア: 我々はそこを確保できるか?”と題する研究は“大義を宣伝し、プロパガンダを広め、誘惑されやすい人々を勧誘するためにメディアを利用する過激派や敵対的組織の能力同様、ソーシャル・メディアのメディア環境に対する影響は広く認識されている”と述べている。

更にこう結論している。“ソーシャル・メディアは21世紀における軍事作戦の事実上あらゆる側面で益々直接的な影響力を持つだろうし”軍は“特に、ごまかしと心理作戦(PSYOPS)での利用”で、ソーシャル・メディアに対する支配を強化しなければならない。

先月発行されたある国防省報告書が警告していた“基本的支配権を巡る政府と国民との間の溝が広がる”中、オンライン通信に対する支配は、益々重要になる。

この報告書は、国民が“政治的連帯や忠誠心の無数の代替源”に触れられるようになっている為“現在、全ての国々が、威信、影響力、精力が及ぶ範囲や、吸引力の急激な衰退を味わっている”と結論している

また昨年刊行された他の報告書は、国際的反目の増大が“社会秩序”の危機の激化をもたらしているとも警告していた。

国々はライバル国のみならず、“自らがその上に依拠している、脆弱で反抗的な社会秩序”によって“今や全て、危うい流砂の上に立ちながら、お互い競合する権益を巡って格闘していると結論づけている。

新たな大規模戦争の危険が高まる中、資本家支配層エリートによる戦争計画に反対して、労働者階級を動員するために、情報への自由で拘束されないアクセスは益々極めて重要になっている。全ての読者に、WSWS記事をソーシャル・メディアで共有し、グーグルによるインターネット検閲に対する戦いに参加するよう我々は呼びかける。

筆者は下記もお勧めする。

グーグル、WSWSの上位45の検索単語全てをブロック(英語原文)
[2017年8月4日]

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2017/08/12/matt-a12.html
----------
Perspective API 「評価API」という意味だろうか。検索してみると翻訳された記事があった。

昨夜の731部隊ドキュメンタリー、ロシアでの裁判時の証言録音が使われていた。
莫大な研究費が軍から支出されており、国民全体の雰囲気も、有名大学出身の医師たちによるとんでもない研究を後押ししていたという。
医師の出身大学にも膨大な研究費が割り当てられていた。
医学部の上司から、満州に行かないなら、首だと言われたという話もあった。

画面に登場する方々は、医師ではなく、使い走りの元少年兵の方々。
一人、まともな発言をした医師の録音があって驚いたが、彼は帰国前に自殺したという。他の大多数の医師は、帰国後、大いに出世した。

番組では出てこなかったが、血友病の方々に使われた血液製剤で、エイズを蔓延させた「ミドリ十字」の創始者は731部隊幹部だった。

無人機操縦者もPTSDになるというが、そういうシステムを開発しているエンジニアはどうなのだろう。

日本の学術会議でも軍事研究は話題になっている。国家からの予算が削減される中、研究費の工面で、倫理観は後退するだろう。

武器輸出と日本企業』という新書、官房長官の回答拒絶話法に鋭く切り込む記者によるもの。

武器輸出大国ニッポンでいいのか』という共著も拝読予定。

この記事にも出てくる巨大ネット書店で『武器輸出と日本企業』を見ると、とんでもない酷評があり、しかも、それに賛成する連中が何十人もいることになっている。

最近読み終えた『偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス』の書評をみると、やはり実にとんでもない評価記事が賛成多数になっている。

こうしたものも一種「逆Perspective API」による逆宣伝ではと勘繰りたくなる。

あの巨大書店書評で罵倒されている本こそ、良書だというのが小生の理解。もちろん、あそこからは決して買わない。

罵倒書評で思い出したのが、IWJインタビュー「日米開戦の隠された真実に迫る!新刊『日米開戦へのスパイ 東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏 (元外務省国際情報局長)に岩上安身が訊く!第一弾 2017.8.12」で触れられていた孫崎享氏の『戦後史の正体』に対する佐々木俊尚書評。「本書は典型的な謀略史観でしかない。」
後日、新聞はこの部分を削除した。書いた本人はとぼけているらしい。

新聞書評、今「逆Perspective API」化しているのかどうかは購読しておらず、わからない。

2017年8月13日 (日)

朝鮮問題で、ワシントン側につくのは何故危うい可能性があるのか

Finian CUNNINGHAM
2017年8月10日
Strategic Culture Foundation

国連安全保障理事会で、アメリカが率いる最近の対北朝鮮経済制裁を支持して、中国とロシアは、アジアの半島における危機解決のため根拠の薄い賭けをしたように見える。ワシントンの懲罰的経済制裁に従うことで、アメリカは彼らの包括的交渉提案に折れ、アメリカ同盟国韓国との軍事演習を凍結するだろうと北京とモスクワは計算しているのだ。

中国とロシアは一連の行動を後悔しているかも知れない。先週末、新たな対北朝鮮経済制裁が課されて以来、地域における緊張は、憂慮すべきレベルに高まった。アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮に対して“世界がこれまで目にしたことのない力の”“炎と怒り”を放つと威嚇した後、“錯乱した”言葉を使ったと議員たちに非難さえされている 。アメリカ議員の中には、トランプの言辞を北朝鮮の激しやすい指導者金正恩のそれと比較する向きもある。

北朝鮮は、予想通り、トランプの怒りの爆発に、北朝鮮指導部は、太平洋の島グアムにあるアメリカ空軍基地への先制軍事攻撃を考えていると宣言して応えた。

地域は確実に核兵器を使用する戦争の一触即発状態におかれている。北朝鮮は、とうとう既に能力が証明済みの大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を装着する技術を習得したと、アメリカ側は結論するに至ったと、ワシントン・ポストが今週報じた。つまり、もし軍事的対立が勃発すれば、アメリカは圧倒的な力を行使したくなるだろう。

今週が1945年広島と長崎へのアメリカによる原子爆弾投下72周年であることを考えると、“世界がこれまで目にしたことがないような力”を行使するというトランプの言葉は実に凍てつくようだ。

先週、国連安全保障理事会が開催された際、15票対0票の満場一致で、決議2371を成立させた。中国とロシアの驚くべき転換だった。先月、7月4日の北朝鮮によるICBM実験後、北京もモスクワも、更なる対平壌経済制裁というアメリカの呼びかけを拒否していた。両国は当時、経済制裁政策は機能しないと主張し、長年にわたる朝鮮危機を解決するための全当事者参加の対話を呼びかけていた。中国とロシアは、アメリカと同盟国韓国が、共産主義北朝鮮が、侵略の脅威と感じている頻繁な共同戦争演習を止めるという大いにもっともな呼びかけもしていた。

ここ数週間、アメリカと中国は、朝鮮問題を巡り、本格的な交渉をしていたとされている。トランプは、中国の習近平主席が、同盟国北朝鮮を制御するのに十分なことをしていないと非難していた。アメリカは、貿易と知的財産権という広範な問題で、中国に対し、懲罰的行動をとるとも威嚇していた。週末、国連安全保障理事会での投票前、貿易上の紛争を巡り、中国に対する、アメリカの強硬な行動を説明すると予想されていた演説を、トランプは不可解にも取り消した。これは、ワシントンと北京の間で何らかの取り引きが行われ、その一環として、中国が、更なる対北朝鮮経済制裁に賛成したことを示唆している。

国連安全保障理事会での満場一致投票後、トランプと国連大使ニッキー・ヘイリーは、“ならずもの国家北朝鮮”に対する“団結した対応”を巡る喜びを到底隠すことができなかったと報じられている。

ロシアがこれで一体何を得るのか明らかではない。おそらく、ロシアは対北朝鮮経済制裁に拒否権を行使すれば、世界中の激怒を招くだろうと感じたのだ。しかしワシントンが挑発的に同様な措置をロシア自身に対しても課している同時期に、モスクワが経済制裁に賛成するのは奇妙に見える。

中国とロシアの思惑にあるのは、北朝鮮に対して厳しくするというアメリカの願望のご機嫌をとることで、アメリカが、多国間交渉の呼びかけと、朝鮮半島での軍事活動凍結に同意するのを期待であるように見える。

中国とロシアの国連大使は、いずれも最新の対北朝鮮経済制裁決議と、二つの朝鮮、中国、ロシア、日本とアメリカが参加する六者間交渉の再開を組み合わせていた。これらの交渉は、2009年に、アメリカと北朝鮮が非難合戦で決裂して以来中止されている。

先週、国連投票前に、アメリカ国務長官レックス・ティラーソンが重要な演説を行い、アメリカは平壌の政権転覆を目指しているわけではなく、北朝鮮に対する戦争をする意図も皆無だと述べた。

国連経済制裁の採決後、マニラにおける東南アジア諸国連合サミット出席中のティラーソン発言は融和的だった。サミットには、中国の王毅とロシアとセルゲイ・ラブロフの両外務大臣も出席していた。もし北朝鮮がミサイル実験を止めれば、アメリカは北朝鮮と対話する用意があるとティラーソンは述べた。これは、朝鮮問題解決に向けたアメリカ側からの大幅な譲歩のように見える。

ところが、ここで計算がボロボロになる。中国とロシアが、更なる対北朝鮮経済制裁を支持したことで、アメリカの姿勢は若干軟化したかも知れないか、一体どのような代償を払ったのだろう?

北朝鮮側からすれば、経済制裁強化は戦争行為も同然だ。新たな措置は、石炭や鉱物や海産物を含む北朝鮮の主要輸出収入産品の禁輸を狙っている。新経済制裁は北朝鮮の年間輸出収入を、三分の一削減し、年間20億ドルにすると言われている。予想通り平壌は、経済制裁は主権に対する攻撃だと言って、激しく反撃した

トランプのツイッター外交嗜好を考えれば、今週示されたように、言い合いの悪循環は破滅的な誤解を招きかねない。

振り返ってみると、北京とモスクワが、新経済制裁を巡ってかけをしたのは驚くべきことに見える。起きた損害を元に戻すことはできない。しかし、中国とロシアがすぐさますべきなのは、全ての当事者が多国間協議に入り、軍事力を解くよう主張することだ。地域における軍事力を解除する義務は主にアメリカにある。アメリカは、今月末に再度予定されている同盟者ソウルとの挑発的演習を中止する必要があり、韓国領土内で継続中のTHAADミサイル・システム設置を止める必要がある。

中国とロシアが、アメリカ経済制裁を巡って迎合し、引き替えに、譲歩として、何事かを期待するのは見当違いだ。尊大なアメリカ人には譲歩の意味が分からず、連中は弱みを見抜いて、弱みにつけこもうとするだけのことだ。

更なる対北朝鮮経済制裁というアメリカの要求を甘やかすと、ワシントンの傲慢さと、何のおとがめもなく済むという感覚をつけあがらせる危険がある。アメリカによる外交資産差し押さえや、更なる経済制裁を巡る自らの経験からして、誰よりもロシアこそ、力学を理解しているはずだと思いたくなるのだが。

モスクワと北京が早急にすべきことは対北朝鮮新経済制裁を気にすることではない。両国は、ワシントンに、北朝鮮に対して、1953年の朝鮮戦争休戦以来、ずっと差し迫ってきた脅威軍事的脅威を除去するよう要求すべきなのだ。それから、全ての当事者が、半島の包括的和平調停のための交渉を無条件で開始しなければならない。

がき大将への迎合が良いことだったためしなどないのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/10/why-siding-with-washington-korea-may-be-dangerous.html
----------
日本の対応を指摘してくれる文章。

昨日見損ねたIWJインタビューを、これから拝聴する。日刊IWJガイド・日曜版冒頭を引用させていただこう。

日刊IWJガイド・日曜版をお送りします。

 昨日は新刊『日米開戦へのスパイ――東條英機とゾルゲ事件』を上梓したばかりの元外務省国際情報局長・孫崎享さんに、岩上さんがロングインタビューを行いました。

 「ゾルゲ事件」とは、ロシア系ドイツ人のリヒャルト・ゾルゲを中心とするソ連のスパイ組織が戦前に、日本で諜報活動を行なった罪で死刑などの重罪が科せられた事件です。ゾルゲらの任務は主に日本の対ソ戦略の調査と、対ソ攻撃研究の計画や報告とされ、その成果はソ連を対独戦における勝利に導いたと言われています。「ゾルゲ事件」は、大戦前夜の日本を揺るがせた「20世紀最大のスパイ事件」として語り継がれてきましたし、実際に、冷戦期のソ連で宇宙飛行士に匹敵する「英雄」とされました。

 今では忘れられつつあるこの「大事件」が、実は開戦派の東條英機陸相が開戦反対派の近衛文麿首相を追い落とすための「謀略」に利用するなど、「日米開戦の本筋と大きく関わっていた」と孫崎さんは説明。それだけでなく、「ゾルゲ事件」は、冷戦期の「反共」のプロパガンダとして、米国や日本などで「再利用」されてきたこともご解説してくださいました。

 孫崎さんは、膨大な資料や書籍を分析し、ゾルゲはスパイとしては有能とは到底言えず、世界大戦の戦況を大きく変えるようなスパイ活動など行えていなかったばかりか、むしろ、ソ連側からは酒飲みの使えないスパイくらいに思われていたと指摘します。また、当時、ゾルゲ事件を担当した検察官や特高警察の担当官も、戦後、「ゾルゲに死刑の判決があるとは予想していなかった」などと、ゾルゲの「罪」の小ささをはっきりと認識していたことを明かしています。

 ではなぜ、戦前の日本を震撼させ、戦後は「20世紀最大のスパイ事件」などとして世界で大きく取り沙汰されたのでしょうか。

 昨日のインタビュー冒頭で話題にのぼりましたが、現在、北朝鮮がグアム沖にミサイルを発射すると匂わせたことを受け、小野寺五典防衛相が、グアムに向かうミサイルを自衛隊が迎撃するオプションもあるとの異例の発言をし、物議を醸しています。

 米国のために武力行使すれば日本が北朝鮮から壊滅的な反撃に遭うのは確実で、岩上さんは「そこになぜ日本が首を突っ込むのか。同盟国が喧嘩をおっ始めようと、日本の安全第一に振る舞うのが日本の政治家のはずだ」と批判。そのうえで、小野寺防衛相の発言の背景には、日本は今も「米国占領下の戦争協力体制の継続」という「朝鮮戦争レジーム」の下にあり、米国の「戦争の道具」としての役割を深めている現実があると指摘しています。

 しかしなんと、こうした「朝鮮戦争レジーム」の始まりにも、「ゾルゲ事件」は深く関わっているんですね。

 「ゾルゲ事件」は過ぎ去ったスパイ事件ではなく、戦時中は日本の日米開戦へと向かう大きなキッカケのひとつであり、かつ、戦後の日本の道を決定づけるうえで重要なプロパガンダの役割を果たした、現代を生きる我々にも深く関わる闇の深い事件だったんですね。話はかなり多岐に渡りましたが、すべては一本の糸でつながっています。さっそくアーカイブをアップしましたので、ぜひ、御覧ください!

※日米開戦の隠された真実に迫る!新刊『日米開戦へのスパイ 東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏 に(元外務省国際情報局長)岩上安身が訊く!第一弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395300

 岩上さんによるインタビューアーカイブは、一般会員様であれば1ヶ月、サポート会員様であれば今後、いつでも好きなときにご自由に御覧いただけます。孫崎さんサイン入りの『日米開戦へのスパイ――東條英機とゾルゲ事件』も、会員限定で20冊販売いたしますので、この機会にぜひ会員登録をお願いします!

※IWJ会員登録はこちらからよろしくお願いします!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

2017年8月12日 (土)

言論の自由を抑圧すると決めたグーグル

2017年8月8日
Paul Craig Roberts

これは今朝の先の投稿記事、http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/08/facts-supplanted-propaganda-wherever-look/ (日本語翻訳記事)に対する更新記事だ。

グーグル社内で、事実に基づかないイデオロギー文化に疑問を呈したハーバード博士号を持つエンジニアが突き止められ、解雇された。

グーグルCEOのサンダー・ピチャイは、自分の見解を発表した従業員は、グーグルの行動規範に違反し、“職場で、ジェンダーに関する有害な固定観念を助長し”越えてはならない一線を越えたと述べた。元従業員ジェームス・デイモーは、自分の意見を表明して“ジェンダーに関する固定観念を永続させた”かどで解雇されたことを認めた。

デイモーを解雇したか、グーグルの思想取り締まり責任者、ダニエル・ブラウンが、デイモーを解雇するのを認めたかしておいて、サンダー・ピチャイは偽善茶番を演じた。サンダーは、デイモーに触れてこう言った。“職場で、特に少数派の視点で、自分の考えを安心して言えるのかどうか疑問に思っている同僚たちに触れた。彼らも脅威を感じているが、これは良いことではない。人と異なる意見を自由に言えると、思えなければいけない。”

自分の意見を発表したかどでデイモーを首にしておいて、サンダーはこう確認したのだ。“グーグル社員が自らの意見を表明する権利を強く支持する”。サンダーはこう述べた。“メモの中で挙げられていた多くの点 - グーグルの訓練に対する批判の部分や、職場におけるイデオロギーの役割に対する疑問、女性や、十分な配慮を受けていない集団に対するプログラムが全ての人々に十分開かれているかどうかという論議は重要な話題だ。書いた人物は、こうした話題について、彼らの(原文通り)見解を表現する権利があった - 人々がこういうことをできる環境を我々は奨励しており、こうした議論を引き起こす誰に対しても取り締まらない方針を続けてゆく。”https://www.recode.net/2017/8/7/16110696/firing-google-ceo-employee-penned-controversial-memo-on-women-has-violated-its-code-of-conduct

しかしながら、グーグル社員は、フェミニスト・イデオロギーに疑問を呈してはならないのだ。

グーグルが表現の自由に反対しても、我々は驚くべきではない。報道によれば、グーグルは、あらゆる人々に、あらゆる場所で、違憲なスパイ行為をし、自立した異議を唱える思想や表現を抑圧するため、NSAとCIAに協力して動いている。

例えば、7月31日、World Socialistウェブ・サイトはこう報じた。“4月から6月までの間に、グーグルは、大企業や国が支配するマスコミから自立して活動しているインターネット・ウェブ・サイトへの人々のアクセスを大幅に減少させるよう、検索エンジンの大規模改修を完了した。変更実施以来、多くの左翼、反戦、進歩派ウェブ・サイトは、グーグル検索でもたらされるトラフィックが急激に減少している。World Socialist ウェブ・サイトは、グーグルからのトラフィックが、わずか一月で、70 パーセントも減少した。” https://www.wsws.org/en/articles/2017/07/31/goog-j31.html

Global Researchの記事で、グラハム・ヴァンバーゲンが、グーグルによって、偽ニュース、あるいは陰謀論サイトだと恣意的に烙印を押され、グーグルが、読者数を、19から67 パーセントも減らすのに成功した13のウェブサイトのリストを挙げている。

* wsws.org 67パーセント減
* alternet.org 63パーセント減
* globalresearch.ca 62パーセント減
* consortiumnews.com 47パーセント減
* socialistworker.org 47パーセント減
* mediamatters.org 42パーセント減
* commondreams.org 37パーセント減
* internationalviewpoint.org 36パーセント減
* democracynow.org 36パーセント減
* wikileaks.org 30パーセント減
* truth-out.org 25パーセント減
* counterpunch.org 21パーセント減
* theintercept.com 19パーセント減

こうしたサイトのどれも、偽ニュースやら陰謀論サイトではないことは全く明白だ。こうしたサイトは、人々に与える言説を管理するのに使われている公式のウソに疑問を投じるがゆえに、グーグル検閲の対象になっているのだ。印刷メディアもTVメディアもNPRも支配下に置いたので、今や支配権を握るごく少数の権力者集団は、人々を、がっちり『マトリックス』の世界に閉じ込めておくために使われている公式のウソと異なるあらゆるインターネット言辞を封じようと動いているのだ。

グーグルは独占企業だ。独占主義者連中が、シャーマン法などのアメリカの反トラスト法を死文に変える前だったら、グーグルは解体されていたはずだ。現在グーグルは、反トラスト法の崩壊のおかげのみならず、アメリカ警察国家にとっての有用性によっても守られている。グーグルの積極的な協力無しには、NSAは、全面スパイ・ネットワーク、国防に役立つだけでなく、支配権を握るごく少数の権力者集団の狙いから逸脱する反体制派も抑圧できるネットワークを完成できていなかったはずだ。

グーグルは、その権力を色々な形で濫用している。例えば、ポデスタ電子メール漏洩の中には、グーグルのエリック・シュミットから、クリントンの首席補佐官だったシェリル・ミルズ宛ての、民主党が大統領選挙で勝利するのを支援するため、アメリカ人をスパイするのにグーグルの能力を提供しようというものがあったとウィキリークスは報じている。http://www.zerohedge.com/news/2016-11-01/wikileaks-reveals-googles-strategic-plan-help-democrats-win-election

どうやら、グーグルは、真実の代わりに、ウソとイデオロギーを支持すると固く決めた怪物になるのを選んだようだ。ワシントンに立ち向かう勇気のある他の国が、ライバル検索エンジンを作り出さない限り、真実は地表から消えるだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/08/google-committed-suppression-free-speech/
----------

World Socialist Web Siteが、この話題を最初に扱ったのは、「グーグルの新アルゴリズム、左翼、進歩派ウェブ・サイトへのアクセスを制限」だったと思う。現在も、詳しい記事を続いて掲載している。

筆者のインタビュー記事、PCR’s latest interview with Greg Hunter, USA Watchdogの言葉に座布団十枚。

それによって、残りの人生をずっとテレビの前で過ごしたり、ニューヨーク・タイムズのあらゆる号を読んだりして得られるものより遥かに多くの真実を知ることができよう。

真実を知りたければ、“主要マスコミ”は捨て去ることだ。

ご意見に従って、大本営広報部大政翼賛会は読まず、見ずに、本日は三時からIWJによる孫崎享氏インタビューを拝見予定。以下、日刊IWJガイド・ウィークエンド版の一部を引用させていただこう。

----------

 さて、3連休の中日となる本日は、15時から岩上さんによるインタビュー「日米開戦の隠された真実!新刊『日米開戦へのスパイ東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏に(元外務省国際情報局長)岩上安身が訊く!」をライブ配信でお届けします。

 「ゾルゲ事件」とは、ロシア系ドイツ人のリヒャルト・ゾルゲを中心とするソ連のスパイ組織が1933年から1941年にかけて日本で諜報活動を行なったとして、その構成員らが逮捕された事件です。同組織の中には、近衛内閣のブレーンであった元朝日新聞記者の尾崎秀実(おざきほつみ)も含まれていました。

 19名に有罪判決が下され、ゾルゲ、尾崎は死刑。5人が獄死、1人が服役中危篤となり、仮釈放後に死亡しています(執行猶予2人、戦後釈放9人)。ゾルゲらの任務は主に日本の対ソ戦略の調査と、対ソ攻撃研究の計画や報告とされ、大戦前夜の日本を揺るがせた「20世紀最大のスパイ事件」とも言われてきました。

 しかし、後世になってこのゾルゲの情報の多くは不正確だったことが明らかとなっています。

 岩上さんが聞き手を務めるIWJのインタビュー番組には幾度となくご出演いただいております元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、最新の著書『日米開戦へのスパイ東條英機とゾルゲ事件』の中で、次のような疑問を呈しています。

 「ゾルゲ事件を論じる時、『具体的にいかなる国益が侵されたか』『はたして極刑に値したのか』という論点がほとんど論じられていない」――

 その上で孫崎氏は、「ゾルゲ事件は『関係者を死刑や無期懲役にできるような事件ではなかった』」と断言。「『スパイ』という、ただその言葉だけによってその人を葬るに足るような、ときがたい汚名をきせられた事件」との見方も示しています。

 他方、この事件は「東條英機陸相が近衛文麿首相を追い落とす」ために利用され、「日米開戦の本筋と大きく関わっていた」と強調。「20世紀最大のスパイ事件」の虚像、「ゾルゲ事件」の本質に同書は迫っています。

 2014年、孫崎氏が出版元の祥伝社と相談をしたとき、「日米開戦とゾルゲ」をまず提案。「ゾルゲ事件」は、なんと、孫崎氏が40年間も構想を温めてきたテーマだったそうです。

 しかし、書き始めてみると、どうしても日米開戦を語るには日露戦争からの政治の流れを書く必要があると判断し、まずは『日米開戦の正体』を執筆。同書はベストセラーになりました。同書の発売時には、すぐに岩上さんが2度にわたるロングインタビューを行っています。この時のインタビューは合計8時間にも及んでいます。

※“史上最悪の愚策”真珠湾攻撃を行った当時の日本と似通っている現在の安倍政権~安保法制、TPP、AIIB、中東情勢について、『日中開戦の正体』著者・元外務省国際情報局長・孫崎享氏に岩上安身が聞く―第1弾 2015.6.8
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248422

※日中の軍事バランスは核兵器を含めて1対100!? 「真珠湾攻撃の時と同様、戦争にはなり得ない」岩上安身のインタビューで孫崎享氏が「日米開戦の正体」を暴く! ―第2弾 2015.8.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256172

 孫崎氏は、「忠臣蔵」の外伝に相当する「日米開戦とゾルゲ」を論じる前に、まずは本編である「忠臣蔵」(つまり『日米開戦の正体』)を書いてから、次に外伝として「日米開戦とゾルゲ」をテーマに本を書こうと考えたそうです。しかし、今回、執筆にあたって勉強してゆく中で、ゾルゲ事件は外伝ではなく、「日米開戦」の本筋と深く関わっていることに気づいたといいます。

 「何としても戦争を回避したい」派の近衛文麿首相から、開戦派の東条英機陸相に内閣が交代した時こそが、「対米戦争開戦」という、日本史上もっとも愚劣な政治決断に日本が舵を切る分岐点でしたが、近衛内閣崩壊の「謀略」として開戦派に利用されたのが、なんと「ゾルゲ事件」だったというのです。今回の新刊『日米開戦へのスパイ東條英機とゾルゲ事件』は、『日米開戦の正体』の「外伝」ではなく、まさに日米開戦を語る上で絶対に外せない「本筋」そのものだったのです。

 現代の若い世代には知る人は多くないかもしれませんが、戦時中に「ゾルゲ事件」という有名な事件が起きました。

 因みにこの事件は、巨匠篠田正浩監督の引退作品『スパイ・ゾルゲ』として映画化。元「シブがき隊のモックン」こと本木雅弘氏が尾崎を、映画『バイオハザード』ではアイザックス博士役だったイアン・グレン氏がゾルゲを演じ、3時間を超える大作として2003年に公開されました。

 本日の岩上さんのインタビューも濃密な3時間になることは必至です。どうぞご期待ください!

 インタビューは下記よりご視聴いただけます。

▽日米開戦の隠された真実!新刊『日米開戦へのスパイ東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏に(元外務省国際情報局長)岩上安身が訊く!
2017年8月12日 15時から18時(予定)

※YouTube Live
https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

※ツイキャスLive
http://ja.twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 孫崎氏の新刊のあとがきには、尾崎が処刑直前に担当弁護士に送ったとされる手紙が紹介されています。その中で尾崎は「私の最後の言葉をもう一度繰り返したい。『大きく眼を開いてこの時代を見よ』」と綴っています。

 新たな視点、視野、視座を与えてくれる同書は、インタビュー後に孫崎氏の自筆サイン入りでIWJ書店にて販売開始予定です。準備ができ次第日刊ガイド等でお知らせ予定ですが、こちらにもご注目ください!

※IWJ書店はこちらから。(『日米開戦へのスパイ東條英機とゾルゲ事件』は著者インタビュー後、孫崎さんにサインを入れていただき、準備が整い次第、販売開始となります)
https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=16

 IWJ書店は定額会員(サポート会員・一般会員)の方のみご利用可能なサービスです。IWJの取材活動は、IWJ会員の皆様の会費で成り立っていますので、会員登録をぜひお願いいたします。また、現状、会費だけではまかないきれていないのも事実です。どうか引き続き、ご寄付・カンパによるご支援もよろしくお願いします!

※会員登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパはこちらからよろしくお願いします
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

至る所でプロパガンダに取って代わられる真実

2017年8月8日
Paul Craig Roberts

ロシアは、アメリカから経済攻撃とプロパガンダ攻撃を受けている。更に、アメリカはロシアと中国を、軍事基地とミサイル基地で包囲し、両国を、ワシントンは奇襲核攻撃を準備しているという結論に至らしめた。ワシントンによる、二つの核大国に対する高いレベルの威嚇にもかかわらず、英語版ロシア・メディアには、フェミニスト神話の利益ための、男性アメリカ人に対する迫害増大を、我々に警戒する余裕がまだあるようだ。

RTは、グーグル内のある男性エンジニアから送られたメモを報じている。メモは、男性による対女性差別ゆえに、科学技術分野で、女性は男性より給料が低いというフェミニストの主張に異議を申し立てると言う容認できない違反をおかしている。エンジニアは、性差別等々にもかかわらず、かつては明白な真理と理解されていた、“男性と女性の間には、特徴分布に違い”があるという説得力ある主張をしている。彼は男性の特徴と、女性の特徴をリストしているが、女性の特徴は重要度が低いなどとは全く言っておらず、違う分野に特徴があると言っているだけだ。https://www.rt.com/usa/398766-google-memo-viral-women/

フェミニストとアイデンティティ政治が作り出した“罪悪感文化”のせいで、男性と女性の差異に関する真実は、もはや発言できないとエンジニアは言う。証拠が、このイデオロギーを裏付けないので、我々はあらゆる実証的根拠を無視しなければならないのだ。

エンジニアは、まだ特定されておらず、首にされてはいないが、もちろん女性だが、グーグルの多様性、品位、ガバナンス担当新副社長ダニエル・ブラウンに、“ジェンダーに関する間違った仮定”を主張しているかどで非難された。エンジニアの説明の不正確さを裏付ける既知の科学的証拠はなく、そして、たとえ間違っていたにせよ、アメリカ人が間違った意見を持っていても、何ら異常なことではない。ダニエル・ブラウンが言っているのは、我々全員が真実だと知っていることは、フェミニスト・イデオロギーと矛盾しているので、容認できないということだ。

尋ねられておらず、答えられていない疑問が残っている。プロパガンダが事実より優位になった場合、文化というか単に普通の能力が一体どうして生き残ることができようか?

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文の:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/08/facts-supplanted-propaganda-wherever-look/
----------

「存立危機事態」なるセリフが早速飛び出した。ご主人様に成り代わって成敗だ。北朝鮮国民もびっくりの宗主国への忠誠心。「戦争大臣」と頭の中で、読み替えている。

グアムを狙うミサイルは、島根、広島、高知上空を通過するという。島根には標的にぴったりの原発がある。本気なら、核ミサイルなど不要。防御?システム配備の傀儡茶番。

「豊洲問題の決定はAIによるもので、記録はない。」さすが都民・日本ファシスト両党の事実上の党首のお言葉。AっけらかんとしたIかさま師。こういう党に進んで投票する人を、恥ずかしながら数人知っている。おさななじみ。一年以上会っていない。

男女性差で思い出す本がある。『だれが源氏物語絵巻を描いたのか』。『源氏物語』の作者が女性であることは当然知っているが、『源氏物語絵巻』もそうだとは全く知らなかった。
内容に驚いて、『絵が語る男女の性差』と、『おいつめられる男の子どっちつかずの女の子』も拝読した。この二冊、絶版のようで残念。

2017年8月11日 (金)

2017年版『渚にて』戦争の手招き

John Pilger
公開日時: 2017年8月4日

アメリカ潜水艦艦長が言う。“人はみな遅かれ早かれいずれ死ななければならない。ただ問題は、心の準備をしてその時を迎えるというわけには決していかないこと。なぜなら、いつそのときがくるかわからないから。ところが今このときにかぎっては、およそいつ死ぬかをだれもがわかっていて、しかもその運命をどうすることもできない。”

彼は9月までには死ぬだろうと言う。誰にも確信はないが、死ぬまで、あと一週間程度だ。動物はもっと長生きする。

戦争は一カ月で終わった。アメリカ合州国とロシアと中国が主役だった。戦争が事故で始まったのか、間違いで始まったのかは明らかではない。勝者はいなかった。北半球は汚染され、今や生物はいない。

放射能のカーテンが、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカや南アメリカに向かって南に移動している。9月迄には、最後の都市、町や村々も死ぬだろう。

北半球同様、大半のビルは無傷のまま、一部は電気の最後の瞬きで照らされている。

    こういうふうに世界は終わる
    爆発音ではなく、すすり泣きで

T.S.エリオットの詩「空ろな人間たち」のこの行が、ネビル・シュートの小説『渚にて』の冒頭にあり、目頭が熱くなった。表紙にある推薦の言葉も同じだった。

余りに多くの作家が沈黙したり、怯えたりしていた冷戦絶頂期の1957年に刊行されたこの小説は傑作だ。一見、表現は気取った感じがする。とは言え、核戦争について私が読んだものの中でこれほど揺るぎない警告はなかった。これほど差し迫った本はない。

静かな形のない恐ろしいものが最後の生きた世界に降りてくるのを待つべく、潜水艦をオーストラリアに着けるアメリカ海軍司令官を、グレゴリー・ペックが演じるモノクロのハリウッド映画を覚えておられる読者もあろう。

『渚にて』を先日初めて読み、アメリカ議会が、世界で二番目の最も強力な核大国ロシアに対し、経済戦争をする法律を成立させた時に読み終えた。この狂った投票は、強奪の約束以外、正当化のしようがない。

“経済制裁”はヨーロッパ、主にロシアの天然ガスに依存しているドイツも、ロシアと正当な事業を行うヨーロッパ企業も標的にしている。連邦議会での討論とされるものでの多弁な上院議員たちから、通商禁止が、ヨーロッパに高価なアメリカ・ガス輸入を強いるように計画されたものであることは明らかだ。

連中の主目的は、戦争、本物の戦争のように見える。これほど極端な挑発は、他の何も示唆しようがない。アメリカ人は、戦争が一体何かについてほとんど何も知らないのだが、連中は戦争を熱望しているように見える。 1861年-5年の南北戦争が本土で最後の戦争だった。戦争というのは、アメリカ合州国が他国にしかけるものなのだ。

人類に対して核兵器を使用した唯一の国は、以来、その多くが民主主義である何十もの政府を破壊し、社会丸ごと荒廃させた。イラクでの何百万人もの死は、レーガン大統領が“高貴な大義”と呼び、オバマ大統領が“例外的な国民”の悲劇と改訂したインドシナでの大虐殺のほんの一部だった。彼はベトナム人のことを言っていたわけではない。

昨年、ワシントンのリンカーン記念堂で撮影をしていた際、国立公園局のガイドが、若い十代の学生の団体に説教するのをたまたま耳にした。“御聞きなさい”彼は言った。“ベトナムで58,000人の若い兵士を失いました。彼らはあなたたちの自由を守って亡くなったのです。”

真実が一気にひっくり返された。自由など全く守られなかった。自由は破壊されたのだ。農民の国が侵略され、何百万人もの国民が殺害され、四肢を奪われ、立ち退かされ、汚染された。60,000人の侵略者連中は自ら命を絶ったのだ。本当に、お聞きなさいだ。

それぞれの世代に、ロボトミー手術が施されているのだ。事実は取り除かれる。歴史は切除され、タイム誌が“永遠の現在”と呼ぶもので置き換えられるのだ。ハロルド・ピンターは、こう表現している。“一方で普遍的な善のための力を装いつつ、世界中で権力の臨床操作を行って来たのです。それは、頭のいい、機知にさえ富んだ、すばらしい成功を積み上げた催眠術でした。[つまり]だからそれは起きなかったのです。なにひとつ、起きなかったのです。それが起きつつある時でさえ、それは起きなかったのです。どうでもよかったのです。何の関心もなかったのです。”

自らをリベラル、あるいは宣伝的に“左翼”を称する連中は、現在、一つの名「トランプ」に帰着するこの操作と洗脳の熱心な参加者だ。

トランプは狂っている、ファシストだ、ロシアの傀儡だ。彼は“アイデンティティー政治のホルムアルデヒドに漬け込まれたリベラルな頭脳”にとっての贈り物でもあると、ルシアナ・ボーンが巧みに表現している。不朽の体制の症状と戯画としてのトランプではなく、人物としてのトランプに対する執着は、我々全員に、大きな危険を招く。

連中の時代遅れの反ロシア策略を推進しながら、私の人生で思い出せないほどの規模で、戦争を挑発する中、ワシントン・ポスト、BBCやガーディアンなどの自己愛的マスコミは、現在最も重要な政治的話題の本質を握りつぶしている。

8月3日、ロシア人がトランプと共謀したというたわごと(極右が、ジョン・ケネディを“ソ連の手先”と中傷したのを思い出させる)にガーディアンが割いた紙面と対照的に、同紙は、アメリカ大統領がロシアに経済戦争を宣言する議会法案への署名をしいられたというニュースを16面に隠した。

トランプによる他の署名と異なり、これは事実上、秘密で行われ、“明らかに違憲だ”というトランプ自身による但し書き付きだ。

ホワイト・ハウスの住人に対するクーデターが進行中だ。これは彼が唾棄すべき人物だからではなく、彼がロシアとの戦争を望まないとはっきり言い続けているためなのだ。

この正気のわずかな兆候、単なる現実主義が、戦争、監視、軍備、威嚇と極端な資本主義に基づく体制を守っている“国家安全保障”管理者連中にとっては受け入れがたいのだ。マーチン・ルーサー・キングは、彼らを“現在、世界最大の暴力広め屋”と呼んだ。

連中はロシアと中国をミサイルと核兵器備蓄で包囲した。ヒトラーがそこを通って侵略し、2700万人の死をもたらしたロシアの“境界地方”に、無責任で攻撃的な政権をしつらえるため連中はネオナチを利用した。連中の狙いは現代のロシア連邦をばらばらにすることだ。

これに対し、アメリカ合州国における福音主義者による戦争の意欲を止める可能性があるものとして、ウラジーミル・プーチンが絶えず繰り返している言葉が“パートナーシップ”だ。今や、ロシアの疑い深さは、恐怖と、おそらくある種の決意に変わっている可能性がある。ロシアが核報復攻撃を模擬演習しているのはまず確実だ。防空演習は珍しいことではない。ロシアの歴史が、ロシアに身構えよと告げているのだ。

脅威は同時だ。最初はロシア、次に中国だ。アメリカはオーストラリアと、タリスマン・セーバーとして知られている大規模軍事演習を終えたばかりだ。彼らは中国の経済的ライフラインが通るマラッカ海峡と南シナ海封鎖の予行練習をしたのだ。

アメリカ太平洋艦隊を指揮する大将が“もし必要なら”中国を核攻撃すると言った。現在の誠実さに欠ける雰囲気の中で、彼がそのようなことを公に発言するということからして、ネビル・シュートのフィクションが現実になり始めているのだ。

こうしたもののいずれもニュースとは見なされていない。一世紀前のパッシェンデールの戦いにおける流血の惨事を想起させるようなことは決してなされない。大半のマスコミでは、もはや誠実な報道は歓迎されていない。評論家として知られているおしゃべり連中が権勢を振るっている。編集者連中は、娯楽情報番組か党公式見解の管理者だ。かつての編集に代わって、隠された狙いをもった決まり文句が解放されている。従わないジャーナリスト連中は窓から放り出される。

この切迫感には多くの前例がある。私の映画『来るべき中国との戦争』で、沖縄駐留アメリカ空軍ミサイル部隊要員の一人だったジョン・ボードネが、1962年のキューバ・ミサイル危機の際に、彼と同僚が、ミサイル格納庫から“全てのミサイルを発射するよう命じられた”様子を説明してくれた。

核搭載ミサイルは中国とロシアに向けられていた。ひとりの下級士官がこれに異議を唱え、最終的に、命令は撤回された。業務用リボルバー銃を配給され、もし“警備態勢を解”かなかった場合、他のミサイル要員を撃つよう命じられた後に。

冷戦絶頂期、アメリカ合州国における反共産主義ヒステリーは実に強烈で、中国と公式に仕事をしているアメリカ人幹部は反逆罪と非難され、首にされた。1957年、シュートが『渚にて』を書いた年、世界で最も人口の多い国の言葉を話せる国務省幹部は皆無だった。今、ロシアを狙って成立したばかりの議会法案で繰り返されている制限の下で、北京官話話者たちは追放された。

法案は超党派だった。民主党と共和党との間には根本的な違いはない。‘左翼’と‘右翼’という言葉は無意味だ。現代のアメリカ戦争の大半は、保守派によってではなく、リベラルな民主党によって始められたのだ。

オバマが大統領の座を去った際、彼はアメリカ最長の戦争や、裁判なしの殺害、無人機による殺人という未曾有の作戦を含め記録的な七つの戦争を統轄していた。

任期最後の年、外交問題評議会の研究によれば“不本意なリベラル戦士”オバマは26,171発の爆弾、一日24時間、一時間に三発投下した。核兵器を“世界から無くす”ようにすると誓ったノーベル平和賞受賞者は、冷戦以来どの大統領より多くの核弾頭を製造した。

それと比較すればトランプは意気地なしだ。現代国家としてのリビアを破壊し、ヨーロッパへの人々の殺到を起動したのは、ヒラリー・クリントン国務長官を従えたオバマだった。彼はアメリカ国内では、移民団体には“強制送還最高司令官”として知られている。

大統領としてのオバマ最後の行動の一つは、アメリカ合州国支配におけるファシスト軍国主義の圧倒的優位を反映した、記録的な6180億ドルをペンタゴンに与える法案の署名だった。トランプは、これを是認したのだ。

詳細の中に埋もれているのは‘Center for Information Analysis and Response’設置だ。これは真理省だ。核戦争の本当の可能性に我々を備えさせる“事実の公式説明”を提供するのがこの組織の業務だ。もし我々がそれを許せば。

ツイッターで、ジョン・ピルジャーをフォローする @johnpilger

記事原文のurl:http://johnpilger.com/articles/on-the-beach-2017-the-beckoning-of-nuclear-war
----------

2017/8/14更新
ブログ『私の闇の奥』の8月12日記事で、まさに本記事について触れておられる。
John Pilger (ジョン・ピルジャー)

防衛省、オスプレイの飛行再開容認=自粛要請から一転
一体どこの国の防衛省なのだろうと、考える必要皆無の属領状態。

『ワルチング・・マチルダ』という歌がはやったのを覚えている。この映画の中でつかわれていたものが流行したのだろうかと、ふと思ったが、映画の中では、楽器演奏のようだ。陽気なメロディーなのだが、歌詞は実は陰惨だ。各自ご確認願いたい。

渚にて』創元SF文庫新訳冒頭に、書かれているT.S.エリオットの詩「空ろな人間たち」の部分は、この筆者が挙げている部分とは違う。

タワーズ艦長発言は、訳書の205ページを引用させていただいた。

「渚にて」原題は、On the Beach。
辞書で成句を調べると、
1 陸上勤務で、退職して
2 零落して、落ちぶれて
3 失業して、破産して、困って
などとある。

核戦争といえば、「原子力発電」は、核兵器材料製造の副産物。

お二人がそれに間に合うよう、昨日のIWJ下記インタビューを早めに切り上げられた、東芝記者会見を思い出す。

NTTと東電を「家長」とする東芝倒産危機の構造に迫る~半導体や原発で勝負する気など最初からなかった!? 『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏に岩上安身が訊く、第二弾! 2017.8.10

今日の日刊IWJガイドにはこうある。

■「東芝 原子力敗戦」の大西康之氏インタビューに、なんと、当の東芝の決算報告がバッティング!! 

 昨日は、東芝が2017年3月期の決算を遅れに遅れて報告した日でしたが、そんな日にドンピシャのタイミングで岩上さんが『東芝 原子力敗戦』の著者である大西康之氏に二度目のインタビュー! 終了後、大西さんとIWJスタッフは東芝の会見に急行して取材。会見の中継後には大西氏にこの決算の持つ「意義」について解説していただく、というリレー中継を行いました。詳しくは、後段で報告していますので、ぜひご一読ください!

※NTTと東電を「家長」とする東芝倒産危機の構造に迫る~半導体や原発で勝負する気など最初からなかった!? 『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏に岩上安身が訊く、第二弾!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395048

※東芝 2017年3月期決算 監査意見は「限定付き適正」―国内製造業で過去最大の赤字9656億円!半導体事業売却の難航・内部統制問題で上場廃止・倒産の足音が!! 2017.8.10
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395068

『ワルチング・・マチルダ』のメロディーが頭の中で聞こえるような気がする。

核戦争を手招き

2017年8月7日
Paul Craig Roberts

賞賛に値する、尊敬すべき真実を語る人物、ジョン・ピルジャーが、核戦争は我々が考えるより近づいていると警告している。

1957年の小説『渚にて』は、核時代の戦争は地球上の生命を終わらせかねないという認識をもたらした。この認識から、ソ連に対する核攻撃を仕掛けるようにというアメリカ統合参謀本部の勧告を、ジョン・F・ケネディ大統領は拒否したのだ。今や、アメリカ政府、そのヨーロッパ傀儡諸国や、ネオコン評論家の行動で明らかな通り、この認識は、もはやアメリカの政策に影響していない。

ピルジャーは、事実を歴史から除去するため、各世代に対して行われているロボトミーについて語っている。ロナルド・レーガンが、核戦争の脅威を減らすべく、ゴルバチョフと協力したのを強調する代わりに、レーガンがベトナム戦争を擁護したのを強調することを選んだピルジャー自身も犠牲者だ。欧米世界に対して行われたロボトミーが、ソ連崩壊以前、アメリカとロシアは平和的関係にあったという知識を破壊してしまった。

この平和な時期は、わずかしか続かず、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領政権までだった。クリントン政権の出現とともに、それまでにまとめられていたあらゆる和平合意は、24年間、三つの政権の、それぞれ二期の大統領で、ワシントンにより一貫して破られたが、核のハルマゲドンという妖怪を除去するための二十世紀のアメリカ政府による仕事のわずかに残されたものを破壊するのに、今や議会が注力しているする。議会に上程されている国防権限法案は、ロナルド・レーガンとミハイル・ゴルバチョフが署名した中距離核戦力全廃条約を破棄するものだ。この条約は、あらゆる種類の核兵器を廃絶するもので、冷戦終焉のきっかけとなったのだ。

ジョン・ピルジャーは復活した核兵器競争の、ある種の結果を物語っている。
http://johnpilger.com/articles/on-the-beach-2017-the-beckoning-of-nuclear-war 日本語翻訳は、こちら。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/07/beckoning-nuclear-war/

2017年8月10日 (木)

ワシントンの経済制裁体制に対して“身構える”ドイツ

Peter Koenig
2017年8月1日
Global Research

アメリカ選挙への干渉(アメリカのシークレット・サービスは、いかなる証拠もないと再三言っている)や、2014年2月のウクライナへの干渉(ワシントン/NATO/EUがけしかけ、資金を出した残虐なマイダン・クーデター)や、クリミア併合(国連憲章によって与えられている権利で、圧倒的多数(97%)のクリミア住民がロシア連邦への再編入に賛成投票した )など、ワシントンや従順な西欧が、ロシアを非難しているようなことをロシアは何もしていないのに、アメリカ議会による最新の対ロシア経済制裁、いつもどおりの根拠皆無の経済制裁に、明晰な頭脳がある人々全員が身構えている。たとえロシアが、改めようと思ったとて、どの‘間違い’も改めようはないのだ。全てでっち上げなのだから。

非難のどれ一つとて、何の実体もない。だが、欧米売女マスコミは、それを人々の愚かな頭に繰り返したたき込み続けている。我々が出来ることと言えば、ヒトラーの宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの言葉を繰り返すだけだ。“私にマスコミを支配させてくれれば、どんな国民でも豚の群れに変えてみせる”。そう、欧米のアングロ-シオニスト・プロパガンダ装置が、欧米文明(原文通り)を首尾よく豚の群れに変えたのだ。

アメリカ議会の議員全員が、ロシアがアメリカ大統領選挙に干渉したと信じるほど本当に愚かなのだろうか? それとも単純に“我々世界のご主人たるアメリカが、常にそういうことをしているのだから、ロシアもしているに違いない”と信じているのだろうか?

上院が下院の例に習って、圧倒的多数の賛成で、新‘経済制裁’を承認したのをトランプ大統領は全く嫌悪しているように見えるが、トランプは最終的には結局それに署名した。彼の反感も、ペテンに過ぎなかったのだろうか?

怒れるメルケル女史も、ロシアには何もしない、新たな一連の経済制裁に対し‘身構えている’ように見える。ロシア経済は欧米経済からほとんど切り離されているので、ロシアは経済制裁の影響を受ける状態を遥かに超えている。ロシアも中国も、上海協力機構(SCO)全体が素早く学んだのだ。

プーチン大統領は、一層愚かな経済制裁を前に、無表情な顔をしているが‘目下の連中’が行儀良くしない場合に罪を科する - 真っ赤なウソを根拠に懲らしめる場合でさえ、「世界の支配者」の権利を依然信じている欧米の無知にほくそえんでいるに違いない。実際、これら対ロシア経済制裁は、ヨーロッパが、愚かな属国であるがゆえに、彼らを罰するものだ。おかしなことに、この制裁は、例えば、ロシア-ヨーロッパ共同パイプライン・プロジェクトに参加しているヨーロッパ企業に罰金を科するのだ。

すると‘経済制裁’は一体なぜ続いているのだろう? - プロパガンダに決まっている! - 世界は、アメリカは最も偉大で、最も強力で、思いのままに世界を取り締まれると信じなければならない。それこそがワシントンの究極の生存手段だ - 膨大なプロパガンダで包んでウソで固めた話 - まさに、ゲッベルスの指示に従っているのだ。

それが、わが欧米の体制を、全くの無法、道徳も無く、倫理も無い、何でもありの新自由主義を、新ファシズムへの変身へと進めるのだ。まだお気づきでない場合、しっかり、目を開けて頂きたい。そこにこそ我々は現在暮らしているのだ。古代文明の破壊; ギリシャ、現代の欧米文化の揺りかごも情け容赦なく荒廃させた。シリアやイラクや、ほぼ中東全体と、北アフリカは炎に包まれている - しかも誰も文句を言わない。新たな標準になってしまったのだ。病んだ欧米社会は、ビールをがぶ飲みし、サッカーを見ているだけだ。本格的な、いい加減で身勝手な、欧米の‘無教養化’だ。

だがメルケル女史は‘間抜け’という範疇には属さない - 彼女は何としても再選されたいだけなのだ。というよりは、彼女は国家の中の闇の国家によって、2017年9月24日に、4度目も再選するよう命じられているのだ。それゆえ、一見ワシントンとの関係を損なおうとも、国内で人気を上げることをせざるを得ないのだ。ちなみに、トランプも、国家中の闇の国家の子分にすぎず、連中の命令を実行するしかないのだ。彼はそれを知っており、彼女はそれを知っている。二人の間のわずかな見せ掛けのささいな言い合いなどどうでも良いのだ。大衆を混乱に陥れて、とうとうヨーロッパが、再び主権を持った大陸になり、メルケル女史の明らかな指導力のおかげで、大西洋主義者たちから離れ、責任能力と主権を取り戻すのだと信じこませるようだますゲームに過ぎない。もちろん、彼女の犯罪上の弟妹、他の二人の“M” - マクロンとメイ - も彼女に続くだろう。それゆえ、あらゆる些細なことはうまく行く。

出典: CTV News

メルケル女史は、もうたくさんだと言って、‘経済制裁’を非難する人々の仲間に加わった。ハンブルクでの最近のG20サミットで言ったのと同じ口調だ - ‘責任能力を我々の手に戻さなければなりません’ - これは基本的に、彼女も他のEU傀儡諸国も、ワシントンの血まみれの手に責任能力を引き渡してしまったことを認めていることだ。

ハンブルクG20会議丸ごとが仕組まれた茶番で、これからやって来る遥かに酷いもののためのならし運転だった。警官と雇われた暴力的抗議行動参加者の教練場だった。ドイツ国軍とNATOが、やがてやって来る新ファシスト的暴政と緊縮政策に反対する民衆の抵抗運動を軍隊と警官が弾圧する訓練のため、ザクセン・アンハルト州のヨーロッパの最も現代的な陸軍キャンプの一つに、ゴースト・タウンを丸ごと建設し、静かに準備されている都市型戦闘演習の一環だ。

近い将来、国家の中の闇の国家が、完全支配に近いと考える新世界秩序がやってくる兆しがある。人々よ目覚めよ。決して遅過ぎることはない - 連中が皆さんの町のあらゆる通りを軍事化し、わずかに残った公民権を剥奪するまでは。フランスを手始めに、戒厳令がまもなく、EU加盟諸国の憲法に書き込まれるはずだ。確実に、そういう計画があり、そして起こり得るのだ。三人の“M”(メルケル、マクロン、メイ)は、これを実現させるため、しっかり協力している 。そして、もしこの三大国がこれを実現すれば、他のEU傀儡諸国も足並み揃えて続くはずだとNWO徒党は考えている。犯罪的プロパガンダ装置が、欧米諸国民に向け、ウソの致命的一斉射撃を放ち続けているのだから、そうなる可能性が高い。

メルケル女史の‘責任能力を取り戻す’という主張と、アメリカの対ロシア新経済制裁に対する激しい抗議は、彼女の人気を再度高めるに違いなく、もう二カ月もない選挙で、再選可能になるはずだ。これこそ、ドイツ国民が望んでいるもので、彼らの圧倒的大多数は、ブリュッセル-NATO-ワシントン独裁のない世界、自立した主権を持ったドイツとヨーロッパを望んでいる。

人々も企業も、反ロシア言辞にはうんざりなのだ。彼らは平和とロシアとの正常な関係を望んでいる。大西洋を横断する新たなアングロ帝国が表面化する前、何世紀も存在していたような隣国同士の自然な関係だ。念のため申しあげるが、紛争だらけの、古く専制的な大陸に拘束されるほど近くにいるより、二つの輝く海にいる方がずっと安全だと感じるヨーロッパからの離反者と冷酷な戦士とで、新たなアングロ帝国は成り立っている。新帝国では、国家の中の目に見えない闇の国家がはびこっている。

メルケル女史に戻ろう。最新の経済制裁に対する彼女の不満が、策略、再選されるための世論操作に過ぎなかったとしたら、どうだろう? そして再選された場合、彼女はまたしてもプーチンに背を向け、トランプと握手するのだろうか? 十分可能性がある。それは典型的なネオリベラルによる混沌・混乱の設計図だ。人々をせん妄状態に追いやれば、人々に対し、何であれやりたいことができるのだ。一つ確実なことがある。巨大な始末に負えないブルドッグは、目的を、この場合、完全支配というPNACの目的を達成するまでは決して諦めないのだ。これはロシアと中国という鋼鉄の同盟を服従させることを意味している。

だが、この鋼鉄の同盟に対しては、酸素不足と、不安定なエネルギーのため、ブルドッグも屈伏する可能性がある。この新たな同盟、SCO、つまり上海協力機構と呼ばれるものは、新シルク・ロード、一帯一路 (OBOT)、あるいは一帯構想とも呼ばれる新しい本当の経済的可能性を提示している。習主席のOBIは急速に新たなはずみをつけ、同盟国を増やしており、更なる力をつけ、常に極悪な欧米の命令から逃れたがっているが、実行するのを恐れていた、これら全ての欧米諸国にとって一層の引力となる。

そうなのだ。いくら繰り返しても言い過ぎることはない。未来は東にあり。欧米は、血まみれの暴力と、ウソのプロパガンダの中で、ゆっくりながら確実に溺れつつある。メルケル女史よ、注意された方が宜しかろう。

Peter Koenigは、経済学者で、地政学専門家。彼は元世界銀行職員で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。アメリカ、ヨーロッパや南米の大学で講義をしている。彼は、Global Research、ICH、RT、Sputnik News、The 4th Media (中国)、TeleSur、The Vineyard of The Saker Blogや、他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は事実と、世界銀行での世界中での30年間という経験に基づいたフィクションの「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。彼は「The World Order and Revolution! - Essays from the Resistance」の共著者でもある。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/germany-up-in-arms-against-washingtons-sanctions-regime-is-madame-merkel-up-for-a-ruse/5601629
---------
長崎原爆の日:「あなたはどこの国の総理ですか」は至言。答えは誰もが知っている。

「新党50議席」というタブロイド紙見出しを見た。重要文字が二つ欠けていたのでは。
日本会議ファースト。宗主国と同じ、名前だけ違い中身は同じな二大政党作り。

日本を含む欧米は、血まみれの暴力と、ウソのプロパガンダの中で、ゆっくりながら確実に溺れつつある。〇×よ、注意された方が宜しかろう。

孫崎享氏の今日のメルマガ記事題名に納得。

江崎発言で浮き彫り、政府は日米地位協定改定方針を持たず「もう少し見直さないと(いけない)」との江崎発言の修正が求められること。米国の同盟国、伊、独は米軍運用に関し、両国政府の発言力あり。改定目指さない方針こそ問題

「報道ステーション」は、江崎発言について、納得ゆく指摘をしたが、大本営広報部全体の基本方針は、寝た子は起こすな。

今日の昼は(どんな下らない白痴化暇潰しをするのか、こわいもの見たさで見てしまう自分を悲しく思う)大本営広報部洗脳バラエティー(バカエティ?)ではなく、下記を拝聴予定。第一弾も録画で拝聴したばかり。

【IWJ_YouTube Live】12:00頃~「『東京電力』を家長にした『電力ファミリー』の正体! ミッションは『反共』と『原発推進』!?『東芝解体電機メーカーが消える日』著者・大西康之氏に岩上安身が訊く、第二弾!」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※岩上安身による大西康之氏インタビューを中継します。

2017年8月 9日 (水)

タイで欧米が政権転覆の素地を準備中

Tony Cartalucci
2017年8月4日
Land Destroyer Report

写真: “アメリカによる政権転覆の二人の騎手”アメリカ上院議員ジョン・マケインとジョゼフ・リーバーマンが、主権国家を不安定化させ、打倒するための、アメリカが支援するあらゆる企みに先立ち、選んだアメリカ代理人連中の前に現れ取り囲む。ここで二人は、2014年予想されていた権力の座からの追放に先立ち、インラック・シナワトラを支持している。彼女と彼女が代表する政党を再び権力の座に戻す取り組みが現在進行中だ。(出典: Land Destroyer Report)

タイでの極めて重要な裁判に先立ち、アメリカの既得権益集団は、政治的にも、マスコミでも、外国が支援する次の不安定化の素地を準備中だ。

アメリカの代理を、タイで再び権力の座に就ける取り組みは、地域に対するアメリカの“卓越”を回復する企てで、東南アジアを勃興する中国に対する統一戦線に転換するという、より大きな取り組みの一環だ。シナワット家へのアメリカによる支援は、タクシン・シナワットが、今日に至るまで続いている、アメリカを本拠とする株式投資会社カーライル・グループの顧問となった時にまでさかのぼる。

更に読む: An enumerated list of Shinawatra's US backing.

追放されたタイ首相インラック・シナワトラは、2011年の選挙中、もし彼女の政党タイ貢献党を権力の座につけてくれたら、市場価格を超えるものを農民に約束するとした、米買い取り制度による選挙買収にまつわる職務怠慢の嫌疑を受けている。

何十年も米の生産と輸出の世界的リーダとしてのタイ市場は、あっと言う間に混乱し、資金は間もなく枯渇し、品質は急落し、代わりに、地域の競合諸国がタイの伝統的な貿易相手国から恩恵を受ける結果になった。

2014年、シナワトラが何ヶ月もの街頭抗議行動と軍事クーデターでとうとう打倒された際、政府の倉庫は、カビの生えた売れない米で溢れていた。

この計画で、何十億ドルも失われ、権力を握った暫定軍事政府は、以来長年、農民に返金し、タイ農業を修復しようとつとめている。

疑いの余地のない選挙買収計画は、タイの米農家を一層政治的補助金に依存させ、f国内、国際経済の現実に対してより脆弱にする結果となった汚職と無能さにまみれていた。

欧米が言っていること: ウソ

こうした事実にもかかわらず、欧米は様々なロビイストや、連中を使うマスコミを通して、現在のこの政治的岐路を、全く異なる観点で描こうと企んでいる。


写真:ビン・チャチャバルポンプンは、偏りのない“学者”を装っているが、実際には、アメリカに支援されたタイ反政府派の長年のメンバーで、シナワット家の近しい友人だ。ここでは、ビン・チャチャバルポンプンは、有罪判決を受けた犯罪人、逃亡者、大量殺人のタクシン・シナワットと食事している。

京都大学東南アジア研究所を本拠とする偏りのない“学者”を装い、欧米マスコミによって、そう描かれている、反政府派ロビイストで、シナワットの親友、パビン・チャチャバルポンプンが、アメリカとヨーロッパの既得権益団体と、タイ国内の連中の代理政治集団が使っている最新主張の要約を最近投稿した。

インラック裁判は、タイにとって深刻な危機の火付け役になる”と題するロイターが発表し、ジャパン・タイムズが再掲載した論説で、こう主張している。

2001年から、2006年まで権力の座にあった兄のタクシン政権から受け継いだ彼女の党のポピュリスト綱領に乗って、インラックは、2011年選挙で圧勝した。タクシンは、北部と北東部の地方住民に権限を与えるように作られた政策を実施した。彼らは後に、タクシンの党の強力な権力基盤として機能した。インラックは、農民から、米を、市場価格を超える価格で買う結果となり、世界価格を歪めた米担保融資制度を始めた。これは地方各県内の彼女の支持者たちには大いに好評だった。

彼はこうも主張している。

それゆえ、暫定軍事政権が、彼女を法的手段で追放しようと決めても、街頭抗議行動になる可能性があり、政治的暴力は不可避かも知れない。だが、インラック投獄は、政治ゲームの終わりにはならない。彼女の支持者たちは既に、彼女を、20年間のうち14年間を軟禁状態で暮らさざるを得なかったミャンマーの民主主義志向リーダー、アウン・サン・スー・チーと比較している。スー・チー幽閉で、彼女は民主的な偶像という肩書きを獲得し、彼女はミャンマーにおける軍支配に対する戦いの象徴となった。

パビンは計画が世界価格を歪めたことを認めているが、事実上他の全ても意図的な、周到に準備されたウソだ。

彼がインラック・シナワトラと、ミャンマーのアウン・サン・スー・チーを比較しようとしているのは適切だ。パビンが意図しているものと異なるとは言え。スー・チーは、シナワトラ同様、何十年にもわたりアメリカとヨーロッパの政治的支援を受けており、彼女の政党や非政府組織(NGO)を装う欧米が資金提供するフロント組織は、外国権益の延長として機能している。

彼女の“健全”イメージは長年の欧米プロパガンダにより入念に作り上げられており、余りに巧みで、彼女が共謀して統轄したミャンマーの少数派ロヒンギャ虐殺さえも、どうやらパビンも含め、多くの人々の目から見た、彼女のイメージを傷つけられないほどだ。

欧米が言わないこと: 真実

2011年タイ選挙は“圧勝”とは程遠かった。現実には、全有権者のわずか35%しか、シナワットのタイ貢献党(PTP)に投票しておらず、投票したタイ国民の間でも、PTPは人気を獲得しそこねた。

2011年の選挙中、インラック・シナワトラが、賄賂のかどで、2年の実刑判決を逃れ有罪判決を受け、海外に逃亡した犯罪人、兄のタクシン・シナワットのあからさまな代理として出馬したことをパビンは省いている。タイ貢献党の2011年選挙スローガンは、文字通り、“タクシンが考え、タイ貢献党が実行する”で、実際、人々が票を投じるタイにいる連中ではなく、有罪判決を受けた犯罪人で、逃亡者がアラブ首長国連邦、ドバイのホテルの一室から、タイ貢献党を動かしていることをあからさまに認めていた。


2011年、タイ貢献党の選挙運動看板にはこうあった。“タクシン Kit.. タイ貢献党 Tom,”翻訳すれば“タクシンが考え、タイ貢献党が実行する”で、2年の実刑判決を逃げている有罪判決を受けた犯罪人逃亡者が、法律に真っ向から矛盾し、野党を動かしていることをあからさまに認めているのだ。シナワットの膨大な財産と外国による支援のおかげで、彼と支持者連中は、こうした言語道断な行為に何のおとがめもない状況を長年享受している。

パビンは2001年から2006年までの間、タクシン・シナワットの政権が“地方住民に権限を与えた”とも主張している。実際、それは政治的支持と引き換えに与えられた維持不能な補助金で、唯一本当に“権限委譲された”のはタイ東北地方のシナワット政治装置だ。

わずか90日の間に、約3,000人の無辜の人々が街頭で大量虐殺された、2003年のシナワットによる“麻薬との闘い”も、パビンは都合良く省いている。2001年から2006年までの、シナワットの政敵の拉致や脅迫や暗殺を含む組織的虐待も彼は省いている。


選挙買収“ポピュリズム”は、タイが何十年にもわたって築き上げた国際的評判も含めタイの米産業を破壊した。タイが損傷を修復しようとする中、この損害に責任がある連中が欧米の支援を得て、またしても権力の座を取り戻そうとしているのだ。

2006年に、シナワットと欧米の支援者が、権力の座から追放された後に作り出した“反独裁民主戦線” (UDDあるいは“赤シャツ) - 2006年から今日に至るまで - 攻撃、殺人、テロや、大規模な武装反乱や暴動さえ実行してきた連中、街頭の暴徒についても、長たらしい論説からパビンは省いている。


2010年、全国規模で、リビアあるいはシリア風紛争を引き起こす企みで、アラブの春風暴力を実行した連中“赤シャツ”により、タイは、アメリカが支援する“平和な民主主義志向活動”を経験した。タイにとって幸いなことに、こうした企みは失敗した。

こうしたものの中には、2010年 約100人の命を奪い、最後はバンコク市内至る所での放火に至った暴動、2013年-2014年、反シナワット抗議行動参加者たちに対して行われ、女性や子供を含む20人以上が亡くなったテロや、病院も含む今年の爆撃騒ぎがある。

更に読む: The Truth Behind Thailand's 2010 Violence

もし読者が、インラック・シナワトラ裁判の本当の文脈や、彼がそのためにロビー活動をしている“反政府派”の本性を理解すれば、もし欧米のどこかで連中の犯罪を実行していれば、反政府派はとうの昔にテロと烙印を押され、反政府派は裁判所の決定により、また、もし必要であれば、軍により根絶されることになっているはずの反政府派と、タイの現在の政治体制が、どれほど妥協しようとしているのか読者が理解してしまうので、パビンはこうしたことを全て無視している。

パビンは、論説の最後で 2010年のものに似た街頭での抗議行動、あるいは暴力行為にさえなりかねないシナリオを思い描いている。これはアメリカとヨーロッパの既得権益集団がベネズエラで実行しようとしており、既にリビアやシリアやイエメンで既に点火し、燃えるに任せているシナリオと同じようなものだ。

金を払ってマスコミに掲載させる不正な記事に加え、アメリカ大使館や他の連中は、タイ現地での活動、つまり、偏りのない権利擁護団体を装ってはいるが実際は、アメリカが支援する傀儡政権が再度権力の座に就くのを守り、推進している、プラチャタイ、人権のためのタイ 弁護士(TLHR)、タイ・ネチズン、新民主主義運動その他諸々を含む、支援団体の陰で活動する、NGOを装うフロント組織に資金提供し指揮するのにおおわらわだ。

更に読む: How the US funds and controls Thailand's "opposition."

北アフリカや中東中で、アメリカが画策した“アラブの春”が“湧き出す”前も、同じ取り組みが進行していた。残虐な戦争が世界中で見出しになる前に、シリアなどの場所で秘かに用いられていたのと同じ類の仕組まれた破壊やプロパガンダが、今タイで広められつつある。

それがタイで展開するのを見つめていれば、後に大見出しになる可能性のある衝突で、評論家の誰もびっくり仰天させられることなく、一体何が、実際に、これから勃発しかねない大規模衝突をもたらすのか明確に把握することが可能になるだろう。

記事原文のurl:http://landdestroyer.blogspot.jp/2017/08/thailand-west-prepares-ground-for.html
----------
同じ筆者による「NGOの悪用」に関する詳しい記事に、
帝国の両刃の剣: グローバル軍 + NGO」がある。

「失言大臣」と大本営広報部はくさすが、自民党に、まともな政治家がいるのに驚いた。「地位協定の見直しが必要」。鳩山元首相の「少なくとも県外」クラスの正論。

「報道ステーション」では、この発想、沖縄の人々、そして本土の人々の多くの願いだと指摘。これにも驚いた。

「米国は儲からない原発ビジネスを見切り、日本に押しつけた」〜「東芝崩壊」に見る日本電機メーカーの危機!『東芝解体電機メーカーが消える日』著者 ジャーナリスト 大西康之氏に 岩上安身が訊く! 2017.7.21

をやっと拝聴した。大本営広報部のバラエティー番組では決して触れない重要な話題。
まじめなドキュメンタリーでも、触れることができない驚愕の真実。上層部ほど腐っているこの国。与党だけではない。企業も。米つきばった社会の「忖度する人間しか出世しない組織」が、「実力者が指揮する組織」と戦えるなど、そもそもあり得ない。忖度文化が永続するはずがない。大属国、服従してきたがゆえにの大崩壊中ということが良くわかる。

東芝解体 電機メーカーが消える日』は拝読したが、『東芝 原子力敗戦』は拝読していない。こちらも必読書のようだ。次回インタビューが楽しみ。

今日は長崎に原爆が投下された日。以前に訳した記事を一つあげておく。

長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実

翻訳記事の後で触れた、天主堂を消し去った理不尽な行為について、8月12日午後9:00に、ドキュメンタリーが放送されるようだ。ようやく。

BS1スペシャル「幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択

2017年8月 8日 (火)

偽ニュースはアメリカ・マスコミのおはこ

2017年8月5日
Paul Craig Roberts

アメリカ・マスコミは偽ニュースが専門だ。実際、クリントン政権以来、アメリカ・マスコミは、偽ニュースしか報じていない。ユーゴスラビアに対する違法なアメリカ爆撃と破壊を覚えておられるだろうか? “バルカン半島の殺りく者”と烙印を押され、ヒラリーが、この肩書きをロシア大統領に付け替えるまで、ヒトラーと比較されていたセルビア大統領、“戦犯”スロボダン・ミロシェヴィッチを覚えておられるだろうか? ビル・クリントンではなく、ミロシェヴィッチが逮捕され、国際戦犯法廷で裁判にかけられた。彼は国際戦犯法廷によって嫌疑を晴らされる前に監獄で亡くなったが、殺されたという人々もいる。http://www.globalresearch.ca/milosevic-and-the-destruction-of-yugoslavia-unpleasant-truths-no-one-wants-to-know/5540873

犯罪人ジョージ・W・ブッシュ政権による真っ赤なウソで知られている、国連兵器査察官が存在しないと検証した兵器、サダム・フセインの“大量破壊兵器”に関する仕立て上げられたプロパガンダで正当化されたイラク破壊を覚えておられるだろうか。イラクは破壊された。何百万人ものイラク人が殺害され、孤児にされ、未亡人にされ、家から追われた。サダム・フセインは、スターリンによるブハーリン裁判よりあからさまな見せしめ裁判にかけられ、後に裁判による処刑という口実で殺害された。

もっぱらワシントンのウソと、CIAが武装させた聖戦士が、ムアマル・カダフィを打倒し、殺害できるよう、NATOによるリビア軍爆撃に転換した、国連飛行禁止区域決議の犯罪的悪用に基づいたリビア破壊を覚えておられるだろうか? 人ごろし女ヒラリーが“来た、見た、彼は死んだ!”と言って悦にいったのを覚えておられるだろうか?

犯罪人オバマ政権が、シリのアアサドについて言ったウソと、イギリス議会とロシア政府に阻止されたアメリカによるシリア侵略計画を覚えておられるだろうか? オバマと人ごろし女が、アメリカ軍兵士が実行するのを妨げられている仕事をするようISISを送り込んだのを覚えておられるだろうか? TVでフリン元中将が、“国防情報局長官としての自分の反対を押し切って、ISISをシリアに送り込むというのは、犯罪的オバマ政権の“意図的な決断”だったと暴露したのを覚えておられるだろうか? 語られたこのわずかな真実が、ワシントンの犯罪人連中に、フリン元中将が憎悪され、トランプの国家安全保障顧問から追い出された理由だ。

ウクライナの民主的に選ばれた政権に対するアメリカ・クーデターとネオナチ政権への置き換えを覚えておられるだろうか? ウクライナ民主主義に対するワシントンの犯罪が“ロシアによる侵略”というぬれぎぬで素早く隠蔽されたのを覚えておられるだろうか?

過去二十年間のアメリカ・ニュースで、何か本当の報道を思いつけるだろうか?

犯罪人のクリントン、ジョージ・W・ブッシュとオバマの政権が言って、何百万人もの死をもたらしたあらゆるウソは明白だった。アメリカ・マスコミは、容易にこれを暴露し、何百万人もの人々の命を救い、七つの国々を丸ごとの、あるいは部分的な破壊から救えたはずなのだ。ところが売女マスコミは、国々や人々のいわれのない犯罪的破壊を応援した。アメリカ最高裁判所判事ロバート・ジャクソンがニュルンベルク裁判で設定した基準の下では、売女マスコミ全員が戦犯だ。

我々は真実の労働統計すら手に入れられない。昨日(8月4日)労働統計局(BLS)が、7月の205,000件の新たな民間部門雇用と失業率が4.3%に減ったと報じた。これは偽ニュースだ。

AP通信のクリストファー・ルゲイバーは偽ニュースを熱心に応援し、多くのエコノミストが“堅調な雇用は何カ月、何年も続くだろう”と考えていると付け加えている。これについて考えてみよう。一般的にエコノミストは、失業率5%を完全雇用と見なしている。雇用状況には摩擦があるので、失業率ゼロというのはあり得ない。例えば、失業したり、仕事を辞めたりして新たな仕事を探している仕事をしていない人々や、おそらくは、子育てや、高齢者や病気の親に時間を使うため、労働人口から抜け、労働人口に再度参入した人々がいる。エコノミストは、失業率が余り下がると、インフレが嵩じるとも信じている。

エコノミストが、一体どういう失業率が完全雇用なのかについての考えを突然変えたわけではないとすると、もし現在の失業率が4.3%なら、既に完全雇用率以下だ。経済が既に完全雇用なのに、何年も失業率が低下し続けられるのだろう? どうやら、AP記者や“多くのエコノミスト”は、こういう疑問を思いつかなかったようだ。

もちろん失業率4.3%というのは偽ニュースだ。何百万人もの求職意欲喪失労働者を含めていないのだ。過去四週間以上職探しをしなかった労働者を含めれば、失業率は22-23%に跳ね上がる。

次に、205,000件の7月新規雇用なるものを検討しよう。こうした雇用のおそらく約半数は、birth-deathモデルによる追加によるもので、残りの半分は季節調整の操作によるものだ。shadowstats.comのジョン・ウィリアムズが説明してくれるだろう。だが実際に雇用があると仮定しよう。労働統計局(BLS)は、どこに雇用があると言っているのだろう?

雇用の89パーセントはサービス業、基本的に国内の海外移転不可能なサービス業だ。

専門、対企業サービスが雇用の49,000件を占め、うち30,000件は行政ゴミ処理(ゴミ収集)で、14,700件は人材派遣サービスだ。

54,000件の雇用は教育と医療サービスで、うち、外来医療サービス、在宅医療サービスと社会的支援が、46,900件を占める。

雇用の62,000件はレジャーとホスピタリティー産業で、うちウエイトレスとバーテンダーが雇用の53,100件を占め、娯楽、賭博とレクリエーションが、5,900件の雇用を占める。

アメリカ雇用のこの構図は約二十年続いている。これは第三世界の労働力の描写だ。輸出産業に雇用はない。中産階級の収入をもたらす高生産性、高付加価値の職業に雇用はない。雇用があるのは、低賃金のパートタイム国内サービス業であることが多い。

そうした雇用は、企業利益を押し上げる、自由に使える支出を可能にする収入をもたらさない。すると一体なぜ株式市場が新高値なのだろう? 答えは、大企業幹部連中が、連邦準備金制度理事会のゼロ金利につけこんで金を借り、それで、連中の報酬の主要部分たるボーナスを増やすべく、自社株を買い戻しているためだ。

ところが、雇用に関するこうした紛れもない事実も、クリストファー・ルゲイバーや他の経済売女マスコミ連中や新聞見出しの作り手や“多くのエコノミスト”が“一体どこまで上がるのか?”と問うのを止めることはない(2017年8月5日、Atlanta Journal-Constitution紙一面)。

ワシントンと、その売女マスコミが、ウソによって、丸ごとあるいは一部を破壊したのはイスラム教国七カ国だけではない。ワシントンのウソは、アメリカ経済とアメリカの労働人口も破壊したのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/05/fake-news-us-media-speciality/
----------
そのまま、日本のマスコミについての記述。ワシントンと、その売女マスコミが、ウソによって、丸ごとあるいは一部を破壊したのはイスラム教国七カ国だけではない。ワシントンのウソは、日本経済と日本の労働人口も破壊したのだ。

「日本ファシスト」登場。新「亜自民党」に関する呆導、聞く気になれない。国会でも、都議選再演を、支配者連中と大本営は狙っているに違いない。

憲法破壊日を決めて行うつもりはないというが、例により呼吸するようにつくウソだろう。

下記インタビューで、矢部宏治氏が指摘しているとおり、歪んだ体制をあらためることこそ先だということを、大本営広報部は決して報じない。

偽ニュースは日本のマスコミのおはこ

日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

一時間、ごらんになった上で、矢部宏治氏のご本をお読み願いたい。目からうろこ、間違いなし。

明日は長崎に原爆が投下された日。以前に訳した記事を一つあげておく。

長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実

翻訳記事の後で触れた、天主堂を消し去った理不尽な行為について、8月12日午後9:00に、ドキュメンタリーが放送されるようだ。ようやく。

BS1スペシャル「幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択

福岡に出張した帰路、長崎に行き、原爆ドームの類がなく、入り口の柱の一部だけが立っているのに驚いた。各国から贈られた碑のなかに、セント・ポール市からのものがあって、何とも不思議に思ったものだ。

藤永茂氏のブログ『私の闇の奥』2017年8月6日の記事冒頭には驚いた。
Paul Craig Roberts

何とも有り難い、もったいないお言葉。

2017年8月 7日 (月)

トランプは今や戦争大統領

2017年8月3日
Paul Craig Roberts

トランプ大統領は、軍安保複合体に敗北させられ、ロシアとの仕組まれた危険な緊張の継続を強いられている。トランプの敗北は、ロシア人に、私が長年彼らに教えようとしていた教訓を与えたが、それは、ロシアは、ワシントンにとっては、友達としてよりも、敵として、遥かに価値があるということだ。

ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相と同様に、トランプはぼろぼろになって“全く無力”だと結論すれば良いのだろうか。私はそう思わない。トランプは生来の指導者なのだ。彼はトップに立っていたがっており、それは彼の個性が彼にそうさせているのだ。軍安保複合体、アメリカ二大政党、売女マスコミ、リベラル-進歩派-左翼と、ヨーロッバのワシントン属国諸国によって、平和の指導者としてトップに立つのを阻止されたトランプは、今や戦争の指導者になっている。これだけが、CIAと兵器産業が彼に許す役割だ。

和平の機会を失えば、我々全員の命を失うことになりかねない。ロシアと中国が、ワシントンには、世界の舞台を、彼らと分け合う気がないことを見てとった以上、ロシアと中国は、ワシントンが両国を除け者にするのを防ぐため、ワシントンに対して、より挑戦的にならざるを得ない。両国の権益を守るため、戦争準備が中核になるだろう。状況は、冷戦のどの時期よりも、遥かに危険だ。

愚かなアメリカのリベラル-進歩派-左翼は、アイデンティティー政治に夢中になり、“トランプを支持するみじめな連中”への憎悪で、軍安保複合体のトランプ攻撃に加わった。トランプ攻撃の結果が、ロシアとの対立のエスカレーション、ヨーロッパの事業と安全保障の利益にはならない紛争だということがわかる十分な知性を誰一人持たない欧米マスコミを装う男娼売女や、ヨローッパのワシントン傀儡諸国も。そうだ

ワシントンは、既に暴力の閾値を上げた。ワシントンが、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イラン、セルビアやロシアについて言ったのと同じウソそが、今ベネズエラについて、言われている。ウド・ウルフコッテと、シーモア・ハーシュがまさに指摘した通り、アメリカ売女マスコミは、CIAに手渡されたウソを忠実に報じている。こうしたウソは、ベネズエラの民主的政府に対する来るべきアメリカによるクーデターと、アメリカ大企業によるベネズエラ搾取再開を認めるワシントンに従順な政府への置き換えを受け入れさせるよう、欧米諸国民を条件づけるプロパガンダなのだ。

アメリカ資本主義の生産的な部分が剥がれ落ちるにつれ、搾取的な要素が本質となった。ベネズエラの後には、更に南米の犠牲が続こう。ロシアとの緊張緩和の可能性はもはやないのだから、アメリカが、シリア政府と、更にはイラン政府を打倒するという、アメリカとイスラエルの決意を放棄する理由はない。

イラク、リビア、ソマリアに対する容易な戦争の後には、遥かに危険なイラン、ロシアと中国との対立が続く。

ジョン・ブレナンが、トランプ大統領を打ち負かした結果がこれだ。

更新: ロシアとの対立のエスカレーションが始まった。マイク・ペンス副大統領が、昨日(8月2日)モンテネグロで、NATOに加盟させるた、モンテネグロ人をパニックに陥れるのを計算して、ロシアに対する虚偽の主張をした。ワシントンによる、そうはしないという約束にもかかわらず、NATO東進が二十年間続いたことが、ロシアに、ワシントンとの間のどのような協定も決して信頼できないという教訓を与えたに違いない。それなのに、なぜロシアは、ワシントンとの協定を求め続けているのだろう? https://sputniknews.com/politics/201708021056112385-pence-russia-montenegro-prime-minister/

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/03/trump-will-now-become-war-president/
----------
「日本郵政、民営化失敗の可能性…深刻な業績不振、国の株売却計画が頓挫」と「JR北 資金ショートの可能性」という見出し記事を見た。何を今頃。『あらかじめ裏切られた民営化』。
これはIWJの岩上安身氏の渾身ルポ『あらかじめ裏切られた革命』をもじったもの。
実に残念なことに、この本、絶版のようで、古書で5000円を超える。

郵政民営化は、宗主国の指示だった。オスプレイ導入もそうだろう。

大本営広報部を朝から晩まで、一年読み続け、見続けても、なぜ日本は唯々諾々と、世界最大の属国でありつづけているのかはわからない。彼らの仕事は、真実を報じることではなく、事実を隠蔽することなのだから。

そこで、今朝の「日刊IWJガイド」の一部をコピーさせていただこう。

時を同じくして、またもや、オスプレイの墜落事故が発生しました。

 8月5日、オーストラリア北東部沖のショールウォーター湾で、米軍普天間飛行場に駐留する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落しました。搭乗していた26人のうち、23人は救助されたものの、3人が行方不明となっております。米海兵隊は6日未明、3人の捜索打ち切りを発表しました。

 墜落した同機は、7月下旬までショールウォーター湾で実施されていた米豪の合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に参加していたものと見られます。

 昨年12月13日には、今回の墜落機と同じ米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイが、名護市の約80メートル沖の浅瀬に墜落、胴体と翼が分離し大破しました。墜落当時の事故現場には、IWJからも記者が取材に行っています。その時は奇跡的に、搭乗していた米軍人にも、地元住民にも死者は出なかったものの、今回は残念ながら、3人の米兵が犠牲となってしまいました。

 構造的欠陥のあるオスプレイを使い続けることで、一番の犠牲者となるのは米軍の兵士であり、その家族です。このオスプレイのために一体何人の未亡人が生まれたか。これから先、何人が未亡人として嘆き悲しむことになるのか。

---------------
※米海軍オスプレイが沖縄沖で墜落、大破…米軍幹部の「被害がなくて感謝されるべき」発言で明らかになる米の「植民地意識」 日本政府は1機200億円の桁違いの高額で17機を購入・配備予定 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352476

※「感謝しろ」だと!? 米軍幹部が露わにした植民地意識!「新基地建設を認めれば『あんたたちが招いた事故だろ』と言われる」~オスプレイ墜落現場を地元・名護市議の東恩納琢磨氏と歩く 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352506

※【IWJルポルタージュ】あっさり奪われた日本の「主権」!米軍の支配下に置かれた「異様」な光景~写真でみるオスプレイ墜落の事故現場、大破した機体の残骸が散る沖縄の海 2016.12.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/352462
---------------

 オスプレイの問題が沖縄だけの問題でないことは、先日岩上さんがインタビューをした作家・編集者の矢部宏治氏が明らかにしてきました。矢部氏は新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』の中で、米軍が日本全土の上空にいつでもどこでも優先空域を設定できる権利を持っていると書いています。

 そして米軍の特権の期限は朝鮮戦争にあります。矢部さんはこれを「朝鮮戦争レジーム」と呼んでいますが、もともとの名付け親はなんと!岩上さんなのだそうです。

---------------
※日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

※「戦後再発見双書」プロデューサーが語る、日米関係に隠された「闇の奥」~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー 2014.10.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/181723

※国際社会の「敵国」であることを自ら望む日本の病 ~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー第2弾 2014.11.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/201949

※岩上安身による『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』著者・矢部宏治氏インタビュー 2016.5.20
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/302909
---------------

 このような事故が起きてもなお、日本の防衛省は2018年度に佐賀県・佐賀空港へMV22を17機配備する方針を変えていません。

 さらに、8月10日から28日に予定されている、北海道大演習場での米海兵隊と陸上自衛隊での日米共同訓練でも、MV22オスプレイ6機と、CH53大型ヘリ4機、UH1ヘリ4機、AH1攻撃ヘリ4機が訓練に参加する予定です。

・海兵隊2000人“参戦” 北海道 来月に日米演習 過去最大 オスプレイも6機 戦争法具体化(しんぶん赤旗、2017年7月30日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-07-30/2017073001_04_1.html

・小野寺防衛相、米に飛行自粛要請=北海道訓練参加も-オスプレイ事故(時事通信、2017年8月6日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080600238&g=pol

 小野寺五典新防衛相は、この演習へのオスプレイの参加を取りやめるよう、米側と調整する考えも示しているとのことですが、実際に日本の上空からオスプレイを完全に締め出すことなど、安倍政権にできるとは到底思えません。

 自民党の他の政権にも、民進党政権にもできません。日米安保があり、さらに日米間に密約がある限り、それは不可能なのです。日本の政治はまるごと米太平洋軍の司令官のもとにあるのです。

 その「指令」を日本のオール官僚が具体化させる仕組みが、日米合同委員会です。

 「『日米合同委員会』の研究」を書いたジャーナリストの吉田敏浩氏への岩上さんのインタビュー等を通じて、IWJは日本が米軍の半軍事植民地状態にあることを明らかにしてきました!

2017年8月 6日 (日)

アメリカ主要‘ニュース’メディアは、いかに政府のウソを浴びせ大衆を欺いているか

Eric ZUESSE
2017年8月4日

シリア政府を打倒し、置き換えるために戦っている聖戦戦士一味への武器提供と訓練を、アメリカ政府が、とうとう公式に終了することとなった。この事実を、シリア政権を打倒し、置き換えるため、アメリカ政府が、聖戦士に武器を与え、訓練するのではなく、アメリカ政府は、シリア内の聖戦士に反対してきたとされている、過去五年間、連中がずっと示し、維持してきた偽りの‘歴史’と矛盾せずに、あるいは乱すことなく、どのようにアメリカ人に伝えるべきかを巡って、ネオコン主要アメリカ‘ニュース’メディアはお互にい争っている。これはかなりあからさまな‘歴史的’ウソだが、連中は、それをずっと五年間維持してきたのだ。そして今連中は(その存在そのものを政府が国民から隠すのを連中が助けてきた)この計画が、今やこれほどあからさまに、しかも突然、終えるよう命じられたので、これを扱うべきか、あるいはいかに対処するべきかを巡って言い争っている。

7月19日、ネオコン民主党新聞ワシントン・ポストは、連中の数多い反トランプ報道記事の一つに“トランプ、シリア国内の反アサド反政府派を武装させる秘密のCIA計画を終わらせる、モスクワが望んでいた動き”という見出しをつけた。‘反政府派’(連中のほぼ全員、実際は聖戦士)を見捨てる(実際は重要で建設的なものなのだが)トランプによるこの行為に対する連中の見方は、この共和党大統領は、(シリア政府を守っている、非宗教的な政府は、これやら、あらゆるアメリカ新聞で条件反射的に、悪者として描かれている)ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を喜ばせるためにこれをしたというもので、WP記事は、計画を終わらせるトランプの動きを批判するネオコン発言を引用している。

ネオコン共和党の雑誌、ウイークリー・スタンダード8月7日号の“トランプは決着をつけた : シリアでのCIAによる代理戦争を停止”という見出しの記事は、“代理戦争”を開始し、運用したことで、前任の民主党大統領を攻撃せず、それが一体何であったのかはっきりさせず、あるいは、一体なぜそれが仕掛けられたのかも言わず、ロシアとシリアの指導者たちに対して、“プーチンの手は、多くのシリア人民間人の血でまみれている”やらの敵対的なことを言い、シリア政府に対し下記のような非難をしている。

ロシアとシリアの戦闘機は、繰り返し、無差別に民間標的を爆撃している。アサド政権は化学兵器を使用し、トランプ自身は、報復として、シリア飛行場を爆撃するのに反対した。アメリカ合州国は、シリアにおける大量虐殺実行犯と同盟することで、これらの戦争犯罪を承認するわけにはゆかない。

少なくともこうした主張の一部は明らかにいつわりであるという事実に加え、アメリカ合州国政府は、実際(しかも頻繁に)、プロパガンダ記事がロシアとシリアがやったと主張するものごとを実行しているのに、この極右雑誌には、そのことについて何も書いてない。ウイークリー・スタンダードの読者はこの現実への言及さえ目にすることがない。この刊行物は読者に情報を提供するかわりに、読者をだましているのだ。

だが、ここで留意すべきより重要なことは、記事が重要な事実に全く触れていないことだ。ロシア軍は、アメリカが支援している聖戦戦士暴力集団から、シリア政府を守るため、シリアの非宗教政府にシリアに招かれたのだが、アメリカ軍はシリア政府に招かれたわけではなく、政府を打倒しようとして、シリアを侵略しており、シリアの非宗教政府を打倒するため、シリアを侵略しており、ISIS聖戦士を打倒するのを助けようとしているいるだけではないのだ。極めて重要な事実は、オバマ政権が、ロシアはシリアで、シリア内のアルカイダ部隊を爆撃しているのではなく、現地のアルカイダを保護しているのだといしつこく主張していたのが、シリアに関して、ロシアとの合意を実現しようというジョン・ケリー国務長官の取り組みが失敗した主な理由なのだ(合意は実際、彼自身のボス、オバマ大統領に妨害された)、ウイークリー・スタンダードは無視している。(この極右雑誌は、アメリカ政府の手も、ロシア政府なり、他の戦争参加者なりと少なくとも同様に多くの“シリア民間人”ので濡れているのも無視している。雑誌は、いつわりの‘我々’対‘彼ら’偏見を煽り、読者の知性を侮辱しているが、これも、情報を伝えるのではなく、共和党支配層の利益のため読者を操つりたがっている雑誌所有者を含む本当の敵から、だまされた読者の注意を逸らすために行われているのだ。こうした支配層にとって、だまされやすい人々が、だまされたままでいることが必要なのだ。)

これは、民主党前任者の帝国主義的政策を変えようとしている共和党大統領を擁護する共和党‘ニュース’メディアてさえ、アメリカの二大政党両方を告発する - アメリカ支配層の利益になるよう全世界を征服するため(シリア、ロシアを含め)両党が団結しているアメリカ政府そのもの、その最高レベルを告発する本当に醜い歴史については、アメリカ国民をだましつづけるような形にされて行われることを示している。

この極めて重要な真実を報じる代わりに、ウイークリー・スタンダードはこう言っている。

ロシアは、2015年9月、シリアに介入したが、時期は偶然ではなかった。わずか数カ月前の3月、“ファトフ軍”が北西部のイドリブ州を征服していた。この反政府派連合は決して穏健派の一群ではなかった。親密なイスラム主義者や、聖戦戦士パートナーを含み、ヌスラ戦線が率いていた。ファトフ軍は行進し、アサド一家の本拠地、沿岸にあるラタキアを脅かしていた。

雑誌が、保守的なアメリカ人読者に伝えようとしているのは、ロシアは現地で“アサド家”を守っているのであり、(世界最大のエネルギー市場EUに対する主要エネルギー供給者としてのロシアを、アメリカと忠実なアラブの同盟諸国で置き換えるため、石油とガス・パイプラインをシリア経由で建設するのに関心を持っている)アメリカ支配層の要求から、シリア自身の領土に対するシリアの主権やシリア政府の独立を守っているのではないということだ。

これは帝国主義戦争で、アメリカ支配層がこれに勝利する唯一の方法は、軍事的に(および/または、ウクライナでしたようなクーデターで)、(ロシアの石油とガスを含む)ロシア資産支配を掌握するためロシアの同盟国を崩壊させることだが、巨大な政治力を有するひと握りのアメリカ集団は、中国の資産も、イランの資産も、まだアメリカ支配層の傀儡国家(ヨーロッパや日本やアメリカの他の全ての同盟国のような傀儡)でないあらゆる完全武装した政府の資産も狙っているのだ

アメリカ軍徴兵制度を再開し、何万人ものアメリカ兵士を、‘敵’政府打倒、あるいは少なくとも弱体化するために派兵するよりも遥かに安上がりなので、アメリカは(サウド王家や、中東の他の原理主義-スンナ派のアメリカ支配層パートナーの支援を得て)シリアやロシアのような非宗教的政府に対する“地上軍”として、聖戦士を利用している。連中は、アメリカ軍兵士ではなく、こうした代理軍を使って新領土を強奪するための遥かに安上がりな“地上軍”なのだ。

現代、国際的な最重要問題は、国家の主権 - 独立、あるいは自由だ。国際民主主義が、この全てが危機に瀕している。代案は(アメリカ政府が率いる)国際ファシズムだ。単に侵略 (‘国防’省) とクーデター (国務省など)で構成されているわけではない巨大なプログラムだ。

(1990年2月24日以降)アメリカ合州国は、世界征服を固く決めているので、アメリカ合州国内での国際ニュース報道に関しては、アメリカ‘ニュース’メディアでは、国際関係に関して本質的に真実なものは何一つ報道されていない - 全て、アメリカ支配層の両翼、共和党と民主党が、アメリカ政府は世界中で自由と民主主義を支持しており、アメリカ政府が征服しようとしている国々は国際的自由と民主主義を支持していないと言う共通のウソに基づいている。アメリカが言う基準(反対しているのではなく、支持している、世界中の民主主義)は、真実の真逆だ。

例えば: 国連事務総長が、一日に二度も、誰がシリアの次期大統領になるのを認められ、誰が認められないかに関する拒否権を持っているというアメリカ大統領の主張は“全く不当で、理不尽で”そうではなく“アサドの未来は、シリア国民によって決められるべきだ”と述べた際、アメリカ‘ニュース’メディアが一体どれだけ報道しただろう。この発言に対する公表は皆無だった。全くなかったのだ。(アメリカ大統領が“アサドの未来は、シリア国民によって決められるべき”ことを受け入れるのを拒否した)事実は衝撃的だ。だが、それはアメリカ国民には報じられなかったい。アメリカ人は、それについて決して知ることがない。

アメリカ政府が、国連総会で、人種差別、ファシズムと、ホロコーストの否定を非難する決議に反対投票した世界中で、わずか三つの政府の一つだった際、アメリカ‘ニュース’メディアはどれほど報道しただろう? ひとつも無い。全く無い。事実は衝撃的だ。だが、それも報道されなかったのだ。

1990年2月24日夜、アメリカ大統領が秘かに、西ドイツ首相に、ソ連大統領(間もなくロシアだけの大統領になるはずの)ミハイル・ゴルバチョフに対する彼らの発言全て、アメリカと、その同盟諸国は、もしソ連と、その同盟諸国が彼らの側で止めれば、冷戦を自分側でも止めると言うのは単なるウソで、欧米の側は、ロシアそのものが征服されるまで冷戦をしかけ続けると言ったのを、一体何人のアメリカ人が知っているだろう?

政府(とその‘ニュース’メディア)が歴史の最も重要な部分を隠蔽し、代わりに、国民に国際関係に関するウソを送り出す国が一体どうして‘民主主義’でありえるだろう? アメリカ合州国の本当の主権者は誰だろう - 国民なのか、それとも支配層か?

無料で掲載できるよう彼ら全てに送ったこの記事を、一体いくつのアメリカ・マスコミが掲載するだろう? 大量の購読者がいるいずれのマスコミにとっても、掲載すれば、実際、既存の‘歴史’がウソの上に成り立っているのを公式に認めて、アメリカ支配層自身内部で(連中のウソに対する革命)未曾有の革命を促進することになりかねない。だが、もしアメリカで、今この事実が公式に認められなければ、一体いつ、こうしたことに関する真実が掲載を許されるようになるのだろう? あるいは、いつか? それとも決して。

ワシントン・ポストの記事には、“匿名を条件にした現職幹部”は“シリアではプーチンが勝った”と述べたとある。匿名情報源は: “シリアでは、シリア国民が勝った”とは言わなかった。

欧米がスポンサーになったシリア国内での世論調査では、55%のシリア国民が、アサドに大統領に在任して欲しいと思っており、82%のシリア人が、アサドを打倒しようとして、シリアに聖戦士がいるのはアメリカのせいだとしている。

アメリカ‘ニュース’メディアは絶望的で - 救い出す余地はないのだろうか? アメリカ民主主義は救い出す余地はないのだろうか? アメリカは『1984年』の世界に閉じ込められているのだろうか? それは世界の未来にとって何を意味するのだろう?

アメリカと組んでいる国々の‘ニュース’メディアも同様にくず同然だ。例えば、素晴らしいブロガーが、イギリスのロイター‘通信’社の、イエメンでの戦争に関する8月1日の記事を徹底的にこきおろした文章がこれだ。このロイター‘ニュース’報道は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストに掲載されても不思議ではない代物だ。

今や世界中の‘ニュース’メディアが腐りきっているのかも知れない。だが、アメリカ、あるいは同盟諸国のどの主流‘ニュース’メディアにも、よその国々の‘ニュース’メディアを批判する現実的な基盤はない。それなのに、連中は、そうした国々のマスコミを常に批判している。それも純粋なウソも同然の‘ニュース’メディアによるもう一つのウソに過ぎない。

‘ニュース’を読む際の推論は、それゆえ「連中は本当は一体何を売りこもうとしているのか、そして、一体誰に対して?」であるべきなのだ。ウソに支配されている世界では、実際、何よりも重要なのは動機だ。信頼を根拠に、何事も信じてはならない。国際関係では、あらゆるものが今や戦争状態で、戦争の最初の犠牲者は真実だ。そして、それが現実なのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/08/04/how-mainstream-us-news-media-pump-their-government-lies-deceive-public.html
----------
峠三吉『原爆詩集』を購入した。詩集をもとにしたカンタータ「人間をかえせ」がある。

原爆投下に関する記事には、宗主国から?、スパムが書き込まれることが良くある。

昨日下記IWJインタビューを拝聴。ご本の刊行が待ち遠しい。

日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

2017年8月 5日 (土)

トランプの選択

2017年8月1日
Paul Craig Roberts

アメリカ大統領として、ドナルド・トランプは人類の希望、というより、核大国間の対立挑発に内在する危険を理解している人々の希望だったと言うべきだろう。二十年間、クリントンと、ジョージ・W・ブッシュと、オバマの政権は、ロシアという熊に、棒やら石やら不快な言葉を投げつけてきた。アメリカは、安保条約を次々と破り、離脱し、ロシア国境で軍事演習を行い、何世紀もロシアの一部だったウクライナでクーデターを行い、絶えずロシアに濡れ衣を着せ続けて、ロシアが脅威と見なすものを強化してきた。

この無責任で、軽率で、無謀な対ロシア政策の結果が、数週間前の(アメリカ・マスコミが無視している)ワシントンは対ロシア奇襲核攻撃を準備していると、ロシアの軍事計画者たちが結論したという、ロシア最高司令部による声明だ。

これは私の人生で最も憂慮すべき出来事だ。ワシントンのひどく狂った連中が、ロシアはワシントンの戦争計画の対象で、ロシアには先制攻撃を準備する以外の選択肢はないと、ロシアに確信させたのだ。

冷戦中、両国は飛来するICBMの無数の誤報を受けたが、双方が緊張を緩和すべく協力していたため、誤報を信じなかった。ところが、現在はワシントンが緊張を余りに高めたために、どちらも誤報を信じる可能性が高い。次の誤報が、地球上の生命を終わらせかねないのだが、これで咎められるべきは、ワシントンをおいて他にない。

トランプがロシアとの関係正常化を強調したのは、核戦争の結果を理解するだけの知性がある人々にとって、大きな救いだった。しかし、こうした人々の誰一人、ワシントンや、民主党や、共和党や、軍安保複合体や、アメリカでマスコミとして通っている売女連中の中にはいない。こういう組織の連中全員、ロシアと仲直りしようとしているがゆえに、トランプを潰したがっている。

下院・上院議員の535人中、530人が、三権分立に違反し、トランプ大統領が対ロシア経済制裁を解除するのを阻止する法案に支持投票をした。投票があまりに絶対的多数なので、拒否権も効かず、ホワイト・ハウスは、ロシアとの正常な関係を回復するという彼の目標を放棄し、あきらめ、トランプは法案に署名するだろうと発表した。

ホワイト・ハウスは、法案は拒否権行使に対抗可能だと考えており、拒否権行使で、トランプが実現できることと言えば、彼がロシア工作員で、大統領の座を、ロシアを守るために使っているという非難を証明するだけで、それは容易に弾劾手続きに変わりかねないと考えている。

しかしながら、トランプにも出来ることがあり、ロシアが脅威と見なしているものを取り除くことが戦争を回避するには必須なのだから、トランプ軍安保複合体と、議会内の連中の召し使いとマスコミが、アメリカをロシアとの命懸けの対立に閉じ込めるのを防ぐため、出来る限りのことをするのが絶対必要だ。

昨日私が書いたように(http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/31/witch-hunt-donald-trump-surpasses-salem-witch-trials-1692-93/)、日本語訳 トランプは、重要演説で、アメリカ国民に訴える、議会は、三権分立を侵害し、大統領権限を骨抜きにし、前政権が主要核大国との間に作り出した危険な緊張を彼が緩和するするのを違法にしてしまうと指摘することができるはずなのだ。

トランプは、議会に法律は違憲で、法案には署名しない、あるいは拒否権を行使すると言えるはずで、もし議会がしつこく言い張るなら、最高裁に持ち込める。

トランプは、電話をとって経済制裁は違法で、ドイツを犠牲にして、アメリカの事業権益に役立てるためのものだと非難しているドイツ人政治家や大企業のCEOたちに電話をかけられるはずだ。彼は、彼らにメルケルに、ドイツは経済制裁を受け入れないと声明をさせるよう強いるべきだ。EU指導部も経済制裁を非難している。トランプは、わずかな努力で、ヨーロッパの猛烈な反対を組織し、アメリカ大統領として、思慮のない能無しの集団たる議会が、ヨーロッパ人を帝国から追い出して、ワシントンの帝国を破壊するのを許すわけには行かないと、議会に言えるはずだ。もしトランプがヨーロッパ人に行動させることができれば、実際は、軍安保複合体とアメリカ・エネルギー業界の政治選挙資金献金者に対する議会の貢献に過ぎない法案を彼は潰すことができるのだ。

トランプは戦士だ。そして、これはトランプの戦いなのだ。彼は挑戦して立ち上がることに利こそあれ、失うものは皆無で、我々もそうだ。トランプ 核戦争をもたらす緊張を緩和することができる人物は他にないのだから、全世界が彼を支持すべきなのだ。

ロシアとの平和は、予算と権限 軍安保複合体にとって極めて重要な、作り上げた敵を無くしてしまうかゆえにトランプを破壊する、軍安保複合体の取り組みに合流してしまった、アメリカのリベラル-進歩派-左翼の愚かさと不正直さにはあきれている。もちろん、アメリカには、もはや左翼はいない。ギラド・アツモンが様々な著書で説明しているように、お互いに憎み合うよう教え込み、ゴイムを破壊する上で有効であることが証明されている、シオニストが作り出したアイデンティティ政治に、左翼は取って代わられたのだ。アイデンティティ政治では、全員が、女性蔑視で、人種差別主義者で、同性愛蔑視で銃マニアだとアイデンティティ政治が定義する、白人の異性愛男性の犠牲者なのだ。ヒラリーの言う“トランプを支持するみじめな人々”だ。“みじめな人々”がトランプに投票する中、リベラル-進歩派-左翼は、たとえそれが核戦争を意味しようと、軍安保複合体がトランプを潰すのを手助けしているのだ。

私が予想した通り、トランプは彼の側についてくれる閣僚をどう選ぶべきか全く分かっておらず、完全に失敗したのは明らかだ。国連大使や、国務大臣や国家安全保障顧問や国防長官に、彼はえず反論されている。トランプは彼の政権で孤立しているのだ。

だが彼も戦えるはずだ。アメリカ国民に呼びかけるのだ。怒れるヨーロッパ人を組織するのだ。ひどく狂ったワシントン犯罪人連中が世界を戦争で破壊する前に、戦いをしかけるのだ。

この21世紀に既に、ワシントンは、七カ国を丸ごと、あるいは部分的に破壊し、何百万人もの難民と、難民認定を主張する移民を生み出し、ヨーロッパ諸国の人口構成を変え、ヨーロッパを地表から消し去りつつある。http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/30/europe-is-history/

これが、ヨーロッパが、ワシントンの傀儡でいることに対する報いだ。

トランプは、ヨーロッパに、こう言うべきなのだ。“ワシントンに、もうたくさんだと言うべき時だ!”

もしトランプが戦わず、彼に助言する能なし連中によって、支配している小数独裁集団陣営に連れ込まれれば、トランプは指導者役を演じるため、アメリカを対世界戦争へと導くことになる。戦争指導者として、彼は支配している小数独裁集団に支持され、軍安保複合体がロシアとの和平というトランプの構想を潰すのを助けている愚か者のリベラル-進歩派には正当な根拠がなくなるだろう。                                                             。

私の予言はこうだ。トランプの個性が、彼が指導者であるよう強いている。軍安保複合体、リベラル-進歩派-左翼、腐敗した民主党、腐敗した共和党や、マスコミで通っている男娼売女連中によって、彼の和平構想を打ち負かされたトランプは、外国の敵に対する戦争と侵略で、指導力を取り戻すだろう。

ベネズエラ民主主義を打倒して、人伝統的にベネズエラを支配してきた右翼スペイン人の小集団を使ったワシントンによる支配を回復することを願って、トランプは既にベネズエラに違法な経済制裁を科している。

ロシアと中国には、ワシントンによる、民主的に選ばれた政権の来るべき転覆を阻止するため、ベネズエラを支援する機会があるが、両国には必要な洞察力が欠けている。ワシントンが、ベネズエラ政府を転覆させれば、ワシントンはエクアドル政権を転覆し、ジュリアン・アサンジの外交的亡命を無効にする。アサンジが、拷問で、ウィキリークスはドナルド・トランプとウラジーミル・プーチンに資金提供されているロシア/アメリカ組織だと自白させられれば、アサンジは処刑され、愚かなアメリカ人は歓声を上げるだろう。そこでワシントンは、ボリビアを転覆し、ブラジルでも実行した、CIAの給与支払い名簿に載っていない政治指導者全員の粛清を行うのだ。

そこでワシントンは、ロシアと中国に“無法者国家”という烙印を押し、アメリカの核ミサイルとABMサイトで包囲し、ワシントンは、降伏を要求し、さもなくば破壊すると言うのだ。

まるで空想のように見えるではないか。だがこれは極めて現実的だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/08/01/trumps-choices/
----------

「支持率回復」の見出しに茫然。カエルの王国。

彼氏の記事に貴重なコメントを頂いているが、ご本人がコメント受け付けを拒否しておられるので、公開できずにいる。あしからず。

見損ねていたIWJの下記インタビューを拝聴中。

【2】『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者の矢部宏治氏が新刊を発売!「日米関係研究」の総集篇!岩上安身による矢部氏アーカイブ、今回、特別に<1年間フルオープン!>

 8月2日(水)、岩上さんは8月17日に新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』を刊行する作家・編集者の矢部宏治氏にインタビューをしました。

 矢部氏は前2作『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(ともに集英社インターナショナル)で、日本国憲法の上位に「日米合同委員会」が位置するという、日米だけの「異常な」法体系の存在を明らかにしましたが、新刊は「日米関係研究」を、ごくごく一般の人たちにも知ってもらいたいというコンセプトのもと、これまでの総集篇としてまとめられています。

 今回のインタビューは、内容のあまりの濃さに当初予定されていた1時間ではとても収まりきらず、約3時間半に延長。それでもすべてを語り尽くしたとは言い切れないくらい、矢部氏のご研究は密度が高いものとなりました。

 「1000万人くらいの人に知ってもらいたい」という矢部氏の言葉どおり、この問題は日本の「最暗部」であり、日本国民一人ひとりに密接に関わってくる問題です。インタビューをお見逃しになった方はぜひ、アーカイブをご視聴ください!アーカイブは1時間ほどの尺に編集し、この度特別に<1年間フルオープン!>で記事をアップしました!これを御覧になれば、安倍政権が「戦争法」を強行採決し、ひたすら改憲に向かって突き進む理由が「朝鮮戦争レジーム」の貫徹にあることがわかり、背筋がぞっとします。

※日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!?
岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394226

2017年8月 4日 (金)

1692年-93年のセーレム魔女裁判をしのぐドナルド・トランプに対する魔女狩

2017年7月31日、
Paul Craig Roberts

サリー・Q・イエイツが、司法省で検察官を27年間もつとめたことを、我々は死ぬほど怖がるべきなのだ。ニューヨーク・タイムズで、サリーは、トランプのセッションズ司法長官批判に大いに腹を立て、トランプがセッションズに対して失望しているのは、トランプによる、法の支配への攻撃だと激怒している。https://www.nytimes.com/2017/07/28/opinion/sally-yates-protect-the-justice-department-from-president-trump.html

サリーの言っているのは逆だ。犯罪のいかなる証拠も無いのに、トランプについて何かを発見するため特別検察官を任命したことで、法の支配が攻撃されているのだ。

1940年、アメリカ司法長官のロバート・ジャクソンが“ある人物を選び、捜査官をその捜査に当て、その人物に何らかの罪を着せることに対し、連邦検察官に警告した。検察官が嫌いな、あるいは、困らせたいと思っている人物や、何らかの不人気な人々の集団を選び、それから、その犯罪を捜すということに、検察権限乱用の最大の危険がある。そういう場合、法執行機関は個人的なものとなり、優勢な集団、あるいは支配的集団に不人気なもの、つまり、間違った政治的見解を支持していたり、検事自身の気に障ったり、邪魔になったりするものが、本物の犯罪になってしまう。”

ロバート・ジャクソンの言葉は、ロバート・マラー特別検察官の手に掛かっているトランプ大統領に何が起きているのかの完璧な説明になっている。ヒラリーが圧倒的な大差で当選するという賢い連中全員の予想が間違っていることを証明したがゆえに、既存支配体制や、民主党や、軍安保複合体や、連中に買収され、雇われている上院議員や、マスコミから、トランプは大いに不評だ。

この徒党は、の初日から、トランプをやっつけようと躍起で、トランプにぬれぎぬを着せる仕事を、マラーにまかせたのだ。誠実な人物なら、マラーの仕事である首席魔女狩り人という仕事を引き受けるはずがない。

CIAも、NSAも、FBIも、国家情報長官も、誰一人、一片の証拠たりとも見つけられない事実にもかかわらず、ありもしない“ロシアとの共謀”という息を飲むようないんちきが何カ月も主要ニュース記事だ。切羽詰まって、17のアメリカ諜報機関のうち三つが、誠実さに欠けると思えるごく少数の職員を選び、いかなる証拠もなしに、厳選されたごく少数の連中が、共謀があったかも知れないと考えたという裏付けのない報告書を作り出した。一体どのような証拠に基づいているのか連中は言わない。

全く実体のないものに、特別検察官を据えていることが、アメリカにおける司法がどれほど完全に堕落しているかを示している。

しかも、根拠のない非難自体ばかげている。次期政権が他国政府と話すことを禁じる法律など存在しない。実際、トランプであれ、フリンであれ、誰であれ、無謀なブッシュ政権とオバマ政権が逆立てたロシアの怒りを静めようと素早く動いたことでメダルを授与されるべきなのだ。核を持ったロシアの熊を絶え間なく挑発して、一体誰のためになるのだろう?

議会が新たなロシア経済制裁法案を通過させたのは、無謀なばか丸出しの行為だ。法案で犠牲を払わされるはずで、拒否する可能性があり、脆弱なアメリカ帝国中に衝撃波を送っていただろうヨーロッパとの相談もせずに行われたのだ。

議会の無分別な法案は三権分立の侵害だ。外交政策は行政府の仕事だ。無責任なオバマが経済制裁を課したのだ。大統領が経済制裁を課することができるなら、大統領が、経済制裁を解除することができるのは明らかだ。

トランプはこの問題を、ツイッターではなく、本格的な演説でアメリカ人に訴えるべきなのだ。いずれも、CNNやニューヨーク・タイムズよりも視聴者が多いフォックス・ニューズとアレックス・ジョーンズが、トランプ演説を放送するだろう。議会が憲法上の権限を越えていて、核大国間の危険な緊張を緩和するのも妨害していると、トランプは主張すべきなのだ。トランプは、次々と根拠のない挑発をして、ロシアとの戦争に追い込まれたいのかと、アメリカ人に、ずばり問うべきなのだ。

ブッシュとオバマが、大統領という職位に、軽率にも与えた権限のおかげで、トランプは非常事態を宣言し、議会をキャンセルし、誰であれ、選んだ人物を逮捕することができる。もちろん、売女マスコミは、国民とアメリカ軍を、非常事態反対へと動かすため、出来る限りのことをするだろうが、もし本当の“ロシアの共謀”が存在していれば、トランプは、国民と軍をトランプ側につかせるような本格的危機をプーチンに引き起こさせられるはずだ。そのようなことが決して起きないのが“ロシアの共謀”などないと言う完全な証拠だ。

息もつかせぬ“ロシアの共謀”というウソを始め、先導者であるワシントン・ポストでさえ、今では“共謀を証明するための探求は崩壊しつつある”という、画策丸ごと、でっちあげだと結論する記事を載せている。https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2017/07/27/the-quest-to-prove-collusion-is-crumbling/?utm_term=.eba7acda8a67

ワシントン・ポスト記事が言う通り“決してない話は起きてなどいなかったのだ”。

だから、偉大な“超大国アメリカ”“例外的な、必要欠くべからざる国”は、犯罪的なブッシュとオバマの政権によって酷く損なわれたロシアと中国との関係を修復できていたはずなのに、新大統領の7カ月間を、でっちあげに浪費したのだ。アメリカ支配体制を構成する全くの阿呆連中は一体何を考えているのだろう? アメリカ合州国や、その無能なヨーロッパとイギリスという傀儡諸国を地球上からわずか数分で消し去ることが出来る二つの大国との高い緊張を望んでいるのは、一体何だろう? これで利益を得るのは一体誰だろう? 自分たちの破滅へと追いやられつつあることが理解できないアメリカ人は、一体どこがおかしいのだろう? 無頓着なアメリカ人というのは、十分強烈な表現ではないのは明らかなようだ。

無茶なサリー・Q・イエイツに話を戻せば、サリーは、明らかに無頓着なアメリカ人の権化だ。司法省検察官として27年間過ごしたと彼女は言っている。それなのに、彼女は、こうした全くのたわごとを書くことができるのだ。“自分の直接の経験から、一流の検察官や職員たちが、他の何物でもなく、事実と法律のみに基づいて、公正で偏らない判断をする責任をどれだけ真剣に受け止めているか、私は良く知っている”

マイケル・ミルケンとレオナ・ヘルムズリーにぬれぎぬを着せるために、連邦検察官ルディー・ジュリアーニが売女マスコミを利用した時に、サリー・Q・イエイツは一体どこにいたのだろう? ジュリアーニには、ミルケンに対して何ら有効な起訴理由がなかったが、ミルケンに司法取り引きを強いるのに、マスコミと、ミルケンの身内に対するFBIによる脅しを利用し、更に、違法に入国した外国人を非合法に雇っていたことが明らかになったために、最高裁検察官にするという報奨が潰れたマヌケな裁判官に、ミルケンは裏切られたのだ。

現在、腐敗したアメリカ・マスコミのおかげで、ミルケン事件を覚えている国民の99.9%が、ミルケンは、何の証拠も提示されず、ジュリアーニが勝ち取れるようマスコミが助けた強要された司法取り引きでも全く欠けている罪状、インサイダー取り引きで有罪判決を受けたと思っている。

ヘルムズリー事件に関する私の調査で覚えている限り、ルディーは、ヘルムズリーに不利な偽りの証言と引き換えに、腐敗した会計士の告訴を断念していた。私の記憶では、事件で弁護士だったロバート・ボークもアラン・ダーショウィッツも、ヘルムズリーに対する告訴は荒唐無稽だと語った。ヘルムズリー・ホテルは完全に減価償却済みで、客のレンタルだけで続いていた。もしヘルムズリー夫妻が、所得税を減らそうと思えば、彼らは、所得税を減らす減価償却を増やすため、既存の完全に減価償却済みの所有物を売却して、他のホテルを購入しさえすれば良かったのだ。

司法省のどの裁判を見ても不正の匂いフンプンだ。アメリカで公正を見出すのは極めて困難だ。

それでも、サリーは、トランプ大統領による軟弱な司法長官批判は、アメリカにおける法の支配の終焉を意味していると確信しているのだ。左翼の多くが言う通り、アメリカには、決して法の支配などなかったのだ。あるのは、力による支配だ。決してニュルンベルクで裁判されることがない、クリントン、ブッシュやオバマ政権の壮大な戦争犯罪や、トランプや後継ペンス政権が行う戦争犯罪を、他にどう説明できよう?

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/31/witch-hunt-donald-trump-surpasses-salem-witch-trials-1692-93/
----------
「内閣人事局」が存在するということは、宗主国のご指導の通りに、全省庁のトップを決めることができる究極の植民地・属国体制が完成した、ということだ。

内閣人事局の創設時、その本当の狙いを説明した大本営広報部、あったのだろうか。

決してニュルンベルクで裁判されることがない、クリントン、ブッシュやオバマ政権の壮大な戦争犯罪や、トランプや後継ペンス政権が行う戦争犯罪についてゆく傀儡属国を、他にどう説明できよう?

2017年8月 3日 (木)

ロシアに更に圧力をかけるワシントン

Paul Craig Roberts
2017年7月31日

ドイツが第一次世界大戦を終わらせる停戦に同意すれば、賠償はとらず、領土を失うこともないという、ドイツに対するアメリカのウッドロー・ウィルソン大統領の約束に違反して、ヴェルサイユ条約で他の国々に与えられたドイツ領土を取り戻したヒトラーに対する、イギリスのチェンバレン首相による宥和政策が、第二次世界大戦の原因だと信じている学者たちがいる。

私は同意できない。事実は明らかだと思える。第二次世界大戦の原因は、チェンバレンがポーランド軍事政権に与えた、もしポーランドがドイツに領土と住民をドイツに返還するのを拒否すれば、イギリスはポーランド支援にくるという、根拠がなく、法的強制力のない保証だ。ドイツとソ連が、ポーランドを両国で分割する協定を結んで攻撃すると、愚かな“保証”のために、イギリスは、ソ連ではなく、ドイツに宣戦布告した。フランスは、条約で、イギリスと同盟していたために、フランスも宣戦布告せざるを得なかった。欧米における、プロパガンダ支配のおかげで、ほとんど誰もこれを知らないが、第二次世界大戦はイギリスとフランスのドイツに対する宣戦布告で始まったのだ。ところが、アメリカ、イギリス、フランスとソ連によって、ニュルンベルクで、侵略戦争を始めたかどで裁判にかけられたのは、ドイツ政権の生き残りメンバーだった。

チェンバレンが、イギリスに反撃させ損ね、ヒトラーを、より一層侵略行為をするよう仕向けたというのが一般的見解であるにもかかわらず、ワシントンのロシアへの侵略行為に対して、ロシア政府が反撃しないことが、ワシントンを、より一層攻撃的になるよう仕向けているのを、なぜ誰も指摘しないのだろう。これも戦争を招くのだ。

チェンバレン同様、ロシア政府も戦争より平和を好んでいるため、チェンバレン政権同様、チェンバレンが直面したものより遥かに危険な挑発にロシア政府は反撃していない。

疑問は、違法な経済制裁や、プロパガンダ的非難や、悪者扱いに反撃しないことで、ロシア政府は、戦争を避けているのか、それとも仕向けているのかなのだ。ロシアは、ワシントンが、ポーランドやルーマニアとの国境にABM基地を作るのさえ許している。これはロシアがキューバにミサイル基地を設置するのを、アメリカが認めているのと同じようなものだ。

ロシアは、アメリカ合州国とは違い、開かれた社会で、アメリカのような、反体制派が管理され、抑圧される警察国家ではないので、不利な条件におかれている。ロシア政府は、一部のマスコミの外国による所有を許すと決定しているため、不利な立場にある。抗議行動を組織し、ロシア政府に絶えず濡れ衣を着せる何百ものアメリカやヨーロッパが資金提供するNGOを受け入れるという決定によって、ロシアは不利な条件におかれている。ワシントンと、その傀儡諸国がロシアを寛容な民主主義と見なし、ロシアを欧米諸国一家に歓迎してくれるとロシア政府が誤って思いこんでいるがゆえに、これを許しているのだ。

ロシアは、欧米志向の教養ある上流階級、大学教授や実業家たちによっても不利な条件におかれている。大学教授はハーバード大学での学会に呼ばれたがっている。実業家は欧米実業界に組み入れてもらいたがっている。こうした連中は“大西洋統合主義者”として知られている。彼らは、ロシアの未来は欧米に受け入れられることにあると信じていて、この受け入れを実現するためには、ロシアを売り渡すことも辞さない。ロシアの若者の一部は、アメリカでは誰でも簡単に金持ちになれ、あらゆることが素晴らしいと考えており、ロシア・マスコミの中には、欧米の売女マスコミを見習っているものがある。

ロシア政府にとっては困難な状況だ。ロシア人は、ソ連崩壊で、我々は皆友人になったと間違って思い込んでいる。ソ連崩壊で、ワシントンの覇権主義的行動に対するあらゆる制約が無くなったことを理解していたのは、ゴルバチョフだけのようだ。アイゼンハワー大統領が、1961年に警告したアメリカ軍安保複合体の膨大な予算と権限が、それを正当化するには敵が必要なのに、ソ連崩壊が、その必要な敵を無くしてしまったということを理解しているロシア人はごくわずかに見える。まさにロシアが国益を守っているがゆえに、ワシントンは、プーチンのロシアを、喉から手が出るほど必要な範疇の“敵”にあてはめているのだ。

ロシア政府や上流階級は、これを自覚するのが、とんでもなく遅い。実際、事態を飲み込み始めている人々はごくわずかだ。

悪い兆しにもかかわらず、ロシアの新国連大使ワシーリー・ネベンジャは、7月29日、ロシアには“いかなる状況下においても、架け橋を築くしか選択肢はない。我々は協力するつもりだ。アメリカ人は我々無しではいられないし、我々も彼ら無しではいられない。これは客観的現実だ。”と発言した。

これはロシア降伏声明だ。

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣も悪い兆しを認めるのを拒否している。彼はワシントンとモスクワは“報復の悪循環を脱し、新規まきなおし”すべきだと考えている。

7月30日、昨年のクリスマス時に、オバマ政権が仕組んだ、ワシントンから、ロシア人外交官追放と、ワシントン地域にあるロシア政府資産の違法な没収に、とうとうロシアのプーチン大統領が、“アメリカ外交官”、実際にはロシア政府を傷つけるべく活動している工作員を750人、強制退去させて対応した。プーチンは連中を逮捕することもできていたはずだ。ロシア人外交官に対するワシントンの敵対的行為にロシアが対応するのに、わずか7カ月しかかからなかった。

ロシア政府は時折、自分たちが、永久にワシントンの不倶戴天の敵に指定されているという多少の認識を示すことがある。プーチンは、遅まきながらのアメリカ“外交官”追放を以下のように説明した。“実に長い間、何かが良い方向に変わるかも知れないと待ち続けた。状況は変わるだろうと願っていた。しかし近い将来には、状況は変わりそうにないようだ… 我々は何事もうやむやにするつもりはないのを示す時期だと私は判断した。”

こう言った後、プーチンは全てを取り消した。“重要なのは、多くの分野で多面的に協力していることだ。もちろん、モスクワは色々言いたいことがあり、我々が断ち切ることが可能で、アメリカ側にとってはデリケートな多数の協力分野もある。しかし、我々はそうすべきではないと思う。国際関係の発展を損なうことになろう。そういう事態にならないよう願っている。今日の時点では、私はそれに反対だ。” https://www.rt.com/news/398019-putin-us-diplomats-sanctions/

プーチン大統領より現実的な反応をしているのは、ロシア対外・国防政策会議副議長で、プーチンのヴァルダイ国際討論クラブのプログラム・ディレクター、ドミトリー・スースロフだ。スースロフは、ロシアに対する新たな違法な経済制裁は、アメリカ・エネルギー輸出にとって有利なだけでなく、ロシアに対する侵略行為であり、狙いが、アメリカとロシアの二国間関係改善を不可能にすることにあるのを理解している。スースロフは言った。“現在、アメリカが我々の敵であることは既に明らかで、長期間、我々の敵であり続けるだろう。ロシアは、アメリカとの必然的な軍事的-政治的対立を反映して、わが国の兵器開発計画を調整する必要がある。相互確証破壊体制を維持する抑止力への投資が必要だ。”

スースロフは更にこう言っている。“おそらく、そもそもアメリカ自身にとって必要な事柄でのアメリカ合州国との協力を止めるのは価値がある。例えば、アメリカは、宇宙協力の分野でロシアに依存している。おそらく、計画を修正し、協力プログラムの一部をあきらめる必要がある。アメリカ大陸で、ロシアの軍事協力を増すことも考える価値がある - 主に、ベネズエラとの協力強化だ”と、スースロフは述べた。

ワシントンでは、ロシアの意思決定を妨害する妄想からスースロフほど逸脱した連中は、皆首にされる。ロシアがワシントンから受けている脅威に関するロシアの認識に、スースロフが許容範囲以上の現実を持ち込んだのかどうかを見るのは興味深い。

ロシアは欧米の仲間になろうと必死なあまり、妄想と思い違いに支配されているのだろうか? もし、そうであれば、戦争は必然だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/31/washington-pushes-harder-russia-paul-craig-roberts/
----------
大本営広報部、予定通り、終日人事談義だろう。興味皆無。

孫崎享氏のメルマガ題名で十分。スイッチを入れない方が電気代と頭脳の節約。

内閣改造で、安倍政権は支持率上昇が期待できるか。数%上昇あっても期待薄い。目玉が河野氏、野田氏では弱い。内閣不支持の最大理由は「安倍首相を信頼できない」だから変化難しい。それに今後も菅官房長官、二階幹事長テレビに。-要因。

日本は米の永久子分になろうと必死なあまり、妄想と思い違いに支配されているのだろうか? もし、そうであれば侵略戦争への派兵あるいは代理戦争への巻き込まれは必然だ。

アフガニスタン人の記憶にのこるロシアの記事、いつになく、正体不明の書き込みが多い。よほど、宗主国には、いまいましい記事なのだろうと思われる。全て自動的にスパムになるので、手間はかからない。こうした書き込み、ボットで実行しているのだろうか。

2017年8月 2日 (水)

アフガニスタンで、ロシア人は記憶に懐かしく残っている

2017年7月29日
Andre Vltchek
New Eastern Outlook

これは読者が読むとは想像もしていなかったはずの記事だ。アフガニスタンにおける“ソ連時代”のあらゆる記憶は封じ込められ、更には“否定的”やら“有害”だとまでいう烙印が押された。この話題の論議は、少なくとも欧米やアフガニスタン国内の‘上流社会’では許されていない。

ソ連は巧みにアフガニスタンに引きずりこまれ、共産主義超大国は、アフガニスタンで止めを刺された。‘共産主義に対する資本主義の勝利’と欧米公式説明は叫んだ。‘人類に対するあらゆる進歩的代替案の一時的破壊だ’と反撃する向きもあったが、大半小声のささやきだった。

ゴルバチョフ/エリツィンの、恐ろしい残虐で屈辱的な時期、筆舌に尽くし難い苦悶を経験し、ロシアは、地理的にも、人口的にも縮小した。ロシアは大出血していた。欧米が一時的勝利を慶賀し、旧植民地の再征服を思い描いて、世界地図を前に踊っている間、ロシアは自らの排泄物の中に浸かっていた。

だが結局ロシアは生き延び、立場と威厳を取り戻し、再び欧米グローバル帝国主義者の狙いと直接対立する地球上で最も重要な国の一つになった。

アフガニスタンは決して回復していない。1989年、ソ連最後の戦闘部隊がアフガニスタンを去った後、アフガニスタンは長年、残虐な内戦に焼き尽くされて、酷く破壊された。進歩派政権は、オサマ・ビン・ラディンのような連中が聖戦大虐殺を指揮する、欧米やサウジアラビアが支援したムジャヒディーンという途方もない脅威と直面せざるを得なかった。

社会主義者、共産主義者、非宗教主義者や、旧ソ連や東欧圏諸国で教育を受けたほとんど全ての人々は、殺害され、亡命し、あるいは何十年も沈黙させられた。

欧米に定住した人々の大半は裏切ったに過ぎない。欧米の公式言説と教条を受け入れている。

今でも左翼だと自称する人々でさえ、事前承認されているウソをおうむ返しに繰り返して来た。

“おそらくソ連は、ムジャヒディーン、タリバンや、欧米ほど悪くはなかったが、それでも実際十分悪かった。”

ロンドンやほかの場所で、堕落したアフガニスタン人‘エリート’や連中の子供たちが語るこうした話を聞いていた。最初から私は疑っていた。そして私の仕事、アフガニスタンへ、そして国内の旅が始まった。国中の何十人もの人々と話し、思いとどまるように言われたことをした。護衛も防御も無しに、至る所にドライブし、人里離れた村のど真ん中で止まり、麻薬がはびこる命にかかわるような都市スラムに入り、カーブルや、ジャララバードや他の場所で、著名な知識人と接触した。

“どこから来られましたか?”と良く尋ねられた。

“ロシアです”と答えていた。これは極端な単純化だ。私はレニングラード、今のサンクトペテルブルクで生まれたが、私は信じられないほど、中国、ロシア、チェコとオーストリアの血が混じっている。それでも、アフガニスタンの砂漠や深い渓谷の真ん中で、特に生命が危険に晒されていると分かっているような場所で“ロシア”の名が自然に思い浮かぶ。この世で最期の言葉を言えと言われたら、“ロシア”でありたいものだ。

ところが私がそう言うと、アフガニスタン人の表情は思いの外、突然和らぐ。“ようこそ!”私はこれを何度も聞いた。それから質素な家に招待される。休んでゆけ、食事をしてゆけ、水を一杯のんでゆけと言われる。

‘なぜだろう?’と私は不思議に思ったものだ。“なぜですか?”と私はとうとう友達になった運転士兼通訳のアリフに尋ねた。

“この国ではアフガニスタン人はロシア人が好きだからですよ ”彼はこともなげに答えた。

“アフガニスタン人はロシア人が好きですか?”私は疑問に思った。“あなたは?”

“ええ”彼は微笑んで答えた。“私は好きです。アフガニスタン人の大半はそうです.”

*

二日後、装甲UNESCOランド・クルーザー車内に座り、旧ソ連で教習を受けたエンジニア、今ではただの運転手、ワヒード・トーリャライと話していた。彼は実名を出して良いと言った。彼は何も恐れておらず、怒りをため込んでおり、彼はそれを吐き出したがっているのが明らかだった。

“眠る時、今でも時々旧ソ連を夢に見ます。その後は、目覚めてから丸一カ月は幸福です。今でも、あそこで見た全てを私は覚えています…”

‘あそこで’一体何が彼をそれほど幸福にしたのか知りたかった。

ワヒードは躊躇しなかった。

“人ですよ! 皆実に親切で。とても歓迎してくれました… ロシア人、ウクライナ人… あそこでは、私は実にくつろいでいました。彼らの文化は我々のものとそっくりです。ロシア人がアフガニスタンを‘占領した’という連中は身売りしているのです。ロシア人は、アフガニスタンに対し、非常に多くのことをしてくれました。彼らは‘マクロヤン’のような住宅地を建設しました。彼らは工場や、製パン所まで建設しました。カンダハルなどでは、人々はいまでもロシア・パンを食べています…”

ソ連時代、アフガニスタンの質素な田舎の至る所で撮影した水道管や、ジャララバードのような都市の中や周辺の精巧な水路を思い出した。

“反ソ連プロパガンダは実に激しいですから”と私は言った。

“ロシア人を憎んでいるのはムジャヒディーンと欧米人だけです”とワヒードは説明した。“そして、連中に仕えている人々。”

更に、彼はこう続けた。

“貧しいアフガニスタン人のほぼ全員、決してロシア人については悪く言いません。しかし、政府の連中は欧米側です。現在、海外で暮らしているアフガニスタン人エリート連中同様。ロンドンやドバイで不動産を買っている連中、自分の国を売りながら…‘世論を作るべく’金を貰っている連中。”

彼の言葉は滑らかに続いた。彼は言いたいことを良く理解していて、痛烈な内容だったが、彼がどう感じているのかは明らかだった。

“ソ連時代の前とその間、アフガニスタンにはソ連人医師やソ連人教師もいました。アメリカやイギリスから来て、アフガニスタンの地方で働いている医師や教師を一人でも見せてください! ロシア人は至る所にいて、今でも何人か名前を覚えています。リュドミラ・ニコラエヴナ… 今ここで働く欧米人医師なり看護婦を一人でも見せてください。以前はロシア人医師や看護婦が国中で働いていましたし、彼らの給料はとても低かったのです… 彼らはその半分を自分たちの生活費に使い、残り半分を貧しいアフガニスタン人に配ったのです… 今アメリカ人やヨーロッパ人がしていることを見てください。連中全員金儲けにやってくるのです!”

バグラム基地で、アメリカの指揮の下、軍務についているジョージア人戦闘員との最近の出会いを覚えている。彼はとんでもない体験を語ってくれた。

“バグラムの前には、ヘルマンド州のレーザーネック米軍基地で軍務についてしました。アメリカ人が撤退した際、連中は地面からコンクリートまではがすのでした。連中はこう冗談を言いました。“我々がやって来た時、ここには何もなかったのだから、我々が去った後も何もなくするのだ…”彼らは私たちが現地の子供たちに食べ物をあげるのを禁じました。食べきれないものは破棄しなければならず、決して現地人にあげてはいけないのです。私はいまだになぜなのか理解できません。アメリカや西ヨーロッパから来た連中は、アフガニスタン人に対して大変な悪意を示しています!”

何という違い!

ワヒードは、ソ連の遺産がいかに突然根絶させられたかをこう想起している。

“タリバン時代以降、我々は全員貧困です。そして飢餓。我々には何もありませんでした。そこに欧米がやって来て、あらゆる所で金銭を浪費しはじめました。カルザイやエリート連中は“アメリカは良い!”と、おうむ返しにして、連中ができる限りのものもつかみ取り続けました。カルザイ政権で働いた外交官たち、エリートは、連中はアメリカやイギリスに家を建てますが、ソ連で教育を受けた人々は、まともな仕事にはつけませんでした。我々全員ブラックリストに載せられました。教育は欧米が独占したのです。ソ連、チェコスロバキア、東ドイツやブルガリアで教育を受けていた場合、連中は面とむかって言うのです。出てゆけ、共産主義者! 今は少なくとも、我々は何らかの仕事につくことが許されています… 私たちは依然、純粋で、身ぎれいで、決して腐敗いしていません!”

 

“人々はまだ覚えているでしょうか?”私はいぶかった。

“もちろん、覚えていますよ! 街なり村の市場お行きなさい。連中に“お元気ですか?”とロシア語で言ってごらんなさい。彼らはすぐさまあなたを家に招き、食事を出し、抱きしめますよ…”

数日後、市場の真ん中で試すと… うまくいった。田舎町で試したが、やはり、うまくいった。最後に、カーブルから約60キロの、タリバンが入り込んでいる村で試したが、そこではうまく行かなかった。それでも無事で済ませられた。

*

プレ・チャルヒ村でシャカル・カリミに会った。現地の長老で、かつてはナンガルハール州の首長だった。

現代アフガニスタンに導入されたシステムで何が最善でしたか?と彼に尋ねた。

彼は最初、汗王朝について話したが、それから、タリバンが、1996年に、カーブルに入った後、残虐に拷問され殺害された左翼アフガニスタン指導者に触れた。

“彼らがナジーブッラー医師に平和に統治させていれば、アフガニスタンにとって最善だったでしょう!”

1979年のソ連侵略について、彼に尋ねた。

“間違った情報を与えられて連中はやってきたのです。最初の間違いは、アフガニスタンに侵入したことです。二つ目の、致命的な間違いは、去ったことです。”

“アフガニスタンに関与していた際のロシア人と欧米人の主な差異は何だったのでしょう?”

“ロシア人は、主に、アフガニスタンの為になるよう、支援すべくやって来たのです。ロシア人とアフガニスタン人の関係は、いつも素晴らしいものでした。本物の友情があり、人々は交流し、一緒にパーティーまでし、行き来していました。”

私はそれ以上は彼に聞かなかった。今何が起きているのか尋ねなかった。それは実に明白だ。“巨大な壁と高電圧ワイヤー”が答えだろう。無人飛行船、至る所にある兵器と、信頼の完全な欠如… ごく少数の超大金持ちと、大多数の絶望的に貧しい人々との間の恥ずべき分裂… アジア大陸で最も貧困にあえぐ国。

*

後で、友人のアリフに、これは皆本当かどうか質問した。

“もちろん!”彼は激しく大声で言った。“100%真実です。ロシア人は道路を建設しました。彼らは我々のために家を建設しました。それに彼らは、アフガニスタン人を非常に良く、まるで兄弟のように扱ってくれました。アメリカ人は、アフガニスタンに何もしませんでした、ほとんど何も。連中は自分の利益しか目にはいらないのです。”

“もし‘アフガニスタンはロシアと組むのが良いか、アメリカ合州国と組むのが良いかという単純な質問で、今すぐ国民投票をすれば、大多数は決してアメリカやヨーロッパとでなく、ロシアと組む方に投票するはずです。なぜかわかりますか? 私はアフガニスタン人です。国が良くなれば私は幸せです。もし国が悪ければ、私は苦しみます! アフガニスタンの大半の人々は、欧米人に洗脳されたか、買収されたかしていない限り、ロシアがこの国に何をしたか良く知っているのです。そして彼らは欧米がいかにわが国を傷つけたか知っているのです。”

*

もちろん、これは、ありとあらゆるアフガニスタン人が考えていることではないが、彼らの大半は絶対に、そう考えている。現地に行き、アフガニスタンの、ありとあらゆる場所をドライブして、質問して頂きたい。もちろん、人はそういうことはしないものと思われている。この“無法状態の”国にやってきて、動き回るなど死ぬほど恐ろしいのだと言われる。そして、人は庶民に直接近寄らないものと思われている。その代わり、人は牙の無い、臆病な学者の著作や従順なマスコミ報道を再利用するよう期待されている。もしリベラルであれば、少なくとも“希望も、解決策も、未来も無い”というように期待されている。

ゴガ・マンダ村では、タリバンと政府軍間の戦闘が依然続いている。地域中で、錆びたソ連軍ハードウエアの遺物や、“ソ連時代”の戦闘で破壊された古い家々が目に付く。

タリバンは丘のすぐ裏に陣取っている。タリバン戦士は、アフガニスタン国軍を、少なくとも月に一回攻撃する。

NATOによるアフガニスタン侵略と、それに続く占領のほぼ16年後、この村は、アフガニスタンの他の何千もの村と同様、電気や飲料水は使えない。歩いて行ける距離に、小学校はなく、小さな、設備の乏しい診療所でさえ、ここから遙か彼方、約5キロ離れている。ここでは、平均的な六人の家族は、一月130ドルで生き延びなければならず、それも家族の誰かが町で実際に働いていればの話だ。

近くの町で教師をしていたラフマト・グルに、“ロシア時代”の方が良かったかどうか聞いた。

一分ほどためらってから、曖昧に答えた。

“ロシア人がここにいた頃は発砲が良くありました… 本物の戦争でした… 人々が死にました。聖戦時代、ムジャヒディーンはあそこに陣地を構えていました… 連中はあの丘から銃撃し、ソ連戦車は川沿いにいました。多くの一般市民が激しい攻撃を受けました。”

彼に更に質問をしようとしていると、通訳がパニックになった。

“行きましょう! タリバンがやって来ます。”

彼はいつも落ち着いている。彼が緊張する時は、本当に逃げるべき時だというのがわかる。我々は走った。アクセルを踏んで、すさまじい速度で幹線道路めがけて走った。

*

別れる前、ワヒード・トーリャライは私の手を掴んだ。彼が何か重要なことを言いたがっているのがわかった。彼が考えをまとめるのを待った。すると、長く使わないためさびついてはいるが、うまいロシア語でこう言ったのだ。

“時々非常に傷つき、怒りを感じます。ゴルバチョフは一体なぜ我々を見捨てたのですか? なぜですか? 我々はうまくやっていたのです。彼はなぜ我々を見捨てたのでしょう? もし彼が我々を見捨てなければ、アフガニスタンの暮しは素晴らしかったはずです。国連運転手になる必要はなかったでしょう… 私は300人が働いていた大きなパン工場の副社長でした。我々は愛する国を作り、食べさせていました。プーチンが我々を捨てないよう願っています。”

そこで彼は私の目を真っ直ぐに見つめ、彼の話しを聞きながら私は突然鳥肌がたち、メガネが曇った。

“プーチン大統領に言ってください。私があなたの手を掴んでいるように、我々の手を掴んでください。私の国で見たことを彼に言ってください。我々アフガニスタン人は、あるいは少なくとも、我々の多くは、依然、誠実で、強く、正直な人々だと彼に言ってください。こうしたこと全ては終わります。我々はアメリカ人とヨーロッパ人を追い出します。間もなくそうなります。そうなったら、是非やってきて、我々本物のアフガニスタン愛国者の力になってください! 我々はここにいます。待ち構えています。是非戻って来てください。”

アンドレ・ヴルチェクは哲学者、作家、映画制作者、調査ジャーナリスト。彼は、Vltchek’s World in Word and Imagesを制作しており、革命小説『Aurora』や他のを書いている。オンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/07/29/in-afghanistan-russians-are-now-remembered-with-love/
----------

アフガン・緑の大地計画―伝統に学ぶ潅漑工法と甦る農業』を書店で見かけた。中村哲氏の新刊。カラー写真満載。

一方、傀儡政府、とんでもないことしかしない。大本営広報部昼の洗脳ワイドショー、こういう話題、扱うのだろうか?余りの愚劣さにあきれ、ここ数日、昼は全くみていない。

孫崎享氏の今日のメルマガ、詳しく書いておられる。、「日報問題の閉会中審査、自民が稲田元防衛大臣の出席拒否の意向。元大臣の出席無しの審査に何の意義があるか。自衛隊が、大臣が関与しないで日報の処理を決定したとすれば、文民統治上深刻な事態。自民党内に「隠蔽」の動き復活。」

目をそらすのがお仕事の大本営広報部、こういう話題、決して扱わない。

※財務省が森友学園に値引き額や分割払い案を提示していた!? 籠池夫妻逮捕の前に財務省職員らの背任容疑の調査を!岩上安身による神戸学院大学教授・上脇博之氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/394082

2017年8月 1日 (火)

一縷の希望

Paul Craig Roberts
2017年7月26日

クリントン政権時代に、ネオコンがアメリカ外交政策を乗っ取り、21世紀のアメリカを規定する二十年におよぶ戦争犯罪を始め、アメリカ大企業がアメリカ労働者を裏切って、アメリカの雇用をアジアに移して以来、アメリカは意欲をそぐ景観になった。

オバマ政権がロシアの脅威を復活させ、核大国間軍事紛争の可能性を高めたことで、見通しは一層暗くなった。

ヨーロッパは板挟みになり、普通の状況であれば、ヨーロッパ諸国は、ワシントンに、ロシアに対するいわれのない挑発を止めるよう主張していたはずだ。だが普通な状況は存在していなかった。第二次世界大戦終焉以来、ヨーロッパ諸国は独自の経済政策も外交政策もない属国だ。

ヨーロッパは、ロシアを脅かすアメリカ軍基地を受け入れている。ヨーロッパは、セルビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリアに対するワシントンの侵略戦争を、ワシントンによるパキスタンの州に対する空爆を、ワシントンが対イエメン代理戦争を戦うのにサウジアラビアを利用しているのを支持している。

ヨーロッパは、ワシントンのいわれのない対イラン、対ロシア経済制裁、ヨーロッパに大きな損害をもたらし、ワシントンにはさほど損害のない経済制裁を支持してきた。

ヨーロッパに好き勝手にするのに慣れて、ワシントンはヨーロッパ 傀儡諸政権と相談することさえせずに命令する。今や、ワシントンの途方もない尊大さと傲慢さの結果、手を広げ過ぎになってしまったように見える。新たな対ロシア経済制裁に直面して、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長は、ワシントンが自分の利益を優先し、ヨーロッパの利益を後回しにする時期は終わったと、ワシントンに言った。

新たな経済制裁は、ヨーロッパにとって、壊滅的な経済的、政治的影響をもたらす。ユンケルは、もしヨーロッパの“懸念が十分配慮されない場合、我々は数日のうちに適切に行動する用意がある”と述べた。

ドイツとフランスの外務大臣もユンケル支持を表明した。ドイツ外務省はこう述べた。“ヨーロッパ企業がいかなる第三者と - 特にロシアのエネルギー企業と、一体どういう形で協力してよいか判断したり、決めたりする権利がアメリカにあるわけではない。”

フランス外務大臣はこう述べた。経済制裁は“域外適用”ゆえ“国際法に矛盾する”。

ヨーロッパは、経済制裁を、アメリカの事業権益を、ヨーロッパの事業権益より優先させるためのアメリカ産業政策手段だと見なしている。

ワシントンの傲慢さが、ワシントンが後退するのを許さず、ヨーロッパがワシントンに中指を突きたてて、アメリカ帝国から離れることを願おう。軍事基地を受け入れ、アメリカのプロパガンダを鸚鵡返しにするヨーロッパなしには、ワシントンがロシアを威嚇する能力は大幅に減少するはずだ。実際、ロシアに対する敵対的な威嚇的な態度を続ければ、ワシントンは世界の中で孤立するはずだ。ワシントンの単独覇権主義だけのために、核戦争を味わうリスクを望んでいる国など皆無だ。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2017/07/26/ray-hope-paul-craig-roberts/
----------
ワシントンの単独覇権主義だけのために、核戦争を味わうリスクを望んでいる国など日本を除けば皆無だろうと個人的に思う。

夫妻とうとう逮捕。ちがうだろー!特捜の役割、「強きを助け、弱きを挫く。」

孫崎享氏のメルマガ、結論部分をコピーさせていただこう。

本来、特捜部がなすべきは、国有地を実質ゼロ円で売却したプロセスであろう。

その際には、籠池氏と安倍夫妻の関係を調べる事が極めて重要である。

しかし、今回大阪地検特捜はこのプロセスの事実関係を述べようとした籠池氏を逮捕するに至った。

 特捜が行うべきは逆である。

 あくまでも国有地の不当売却が何故起こったかの追及が最重要なはずだ。

大本営広報部による市場問題一斉報道、財界、政界、マスコミ全てが一体となった異様な彼女の応援運動と思って見ていた。

さんざん煽っておいての不思議な圧勝後、いんちき両立論を大本営広報部は一切追求しない。

大本営広報部は呆導洗脳機関だという確信は強まるばかり。小泉郵政選挙の二番煎じ。
次は財界、政界、マスコミ全てが一体となっての国民ファシスト立ち上げを狙っているに違いない。

昨日、下記インタビューを拝見して大いに納得。

都議選終了直後に「都ファ」代表を辞任した小池都知事は公職選挙法違反の疑い!? 新代表・野田数氏の素顔に迫る 岩上安身による神戸学院大学教授・上脇博之氏インタビュー・続編(その5)17.7.23

明日の矢部宏治氏インタビューが楽しみ。

 さて、明日15時から、岩上さんは矢部宏治氏にインタビューをおこないます。矢部氏は今月16日に新刊『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』を出版されます。岩上さんはこれまで、矢部氏の新刊出版に合わせて度々インタビューをおこなっています。

※国際社会の「敵国」であることを自ら望む日本の病 ~岩上安身による『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』著者・矢部宏治氏インタビュー第2弾 2014.11.2
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/201949

« 2017年7月 | トップページ | 2017年9月 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ