民主党はもはや存在していない
2016年7月29日
Paul Craig Roberts
民主党はもはや存在していない
画策されている対ロシア戦争では、我々全員が絶滅の対象だ
労働者の権利、高齢者、公民権、憲法によるアメリカの自由の保護に、かつて配慮していた民主党は、もはや存在しない。終わったばかりの民主党大統領予備選挙と、民主党大統領指名大会がはっきり実証している通り、アメリカ合州国には、現在、1パーセントのために尽くす二つの共和党が存在しているのだ。
民主党組織-民主党全国委員会DNCは、共和党よりもっと金銭ずくで、腐敗していることを実証した。漏洩した電子メールは、バーニー・サンダースから指名を横取りするため、民主党全国委員会は、ヒラリー選挙活動と共謀していたことを立証している。サンダースこそが、民主党有権者が選んだ大統領候補だったのは明らかだが、不正選挙や汚い手口で、指名は彼から横取りされたのだ。
民主党全国委員会と、売女マスコミは、漏洩した電子メールは、プーチンの“アメリカ人工作員”ドナルド・トランプのための、ウラジーミル・プーチン大統領による策謀によるものだと主張して、不利な電子メールの信頼を損なおうとした。売女マスコミのくず連中の表現によれば“トランプへの投票は、プーチンへの投票だ”。
この陽動作戦は効果がなかった。アメリカ人とて、そんなものに騙されるほど馬鹿ではない。
その結果、腐敗した民主党全国委員会“指導者”は辞職せざるを得なくなり、聴衆のブーイングで演壇から退場させられるのを恐れ、指名大会で演説することもできなかった。
サンダース支持者は、ヒラリーも、エセ“民主党”も見捨てた。 おそらく彼らの大半は、緑の党候補者に投票するだろう。
共和党組織の共和党全国委員会と、シオニスト・ネオコンは、民主党全国委員会が、サンダースを阻止したように、ドナルド・トランプ指名を阻止しようとしたが、できなかった。彼女は連中側の戦争挑発者であり、トランプは、そうではないと主張しているので、ネオコンは、ヒラリーに団結しているが、大統領選挙戦は、実際はどちらが、1パーセントのための売春婦・男娼になるかという、二つの共和党同士の競争であり、ヒラリーに対する有権者支持の欠如を胸に刻んだ共和党全国委員会は、トランプ支持を続けるようだ。のけ者にされてしまうよりは、たんまり金をもらえる売女でいる方がましだ。
来る大統領選挙で、結果は、たぶん、強力なオリガルヒ権益集団が、トランプは本当の脅威なのか、それとも、連中は彼に取り入り、閣僚任命によって彼を縛りつけることができると判断するかどうかによって決定されるだろう。
トランプの不利な点は、個人がどれほど有能であろうとも、その人物は、超億万長者になり、同時に、経済や外交政策問題にも精通するのは不可能なことにある。トランプは、もし大統領になった場合、彼の支持者たちが、そうして欲しいと望んでいる変化を起こすため、彼の閣僚の支持を得るのに一体誰を任命すべきか知らないというのが赤裸々な事実だ。
ある人物が大統領になっても、その人物が突然ありとあらゆることを知っている百科事典になれるわけではない。大統領は、政権から得る情報の流れに頼るのだ。もしそうした情報の流れが、ウオール街、腐敗した“大き過ぎて潰せない銀行”、軍安保複合体、イスラエル・ロビー、農業関連産業や、採掘産業(エネルギー、鉱業、木材)の権益を支持していれば、大統領の決定は、こうした物的権益を支持することになる。
アメリカの中流階級を犠牲にして、1パーセントを裕福にした大企業の慣行、アメリカ雇用の海外移転に反対しているのだから、ドナルド・トランプこそが、アメリカ国民の選択肢だ。
でっちあげの、いわれのない、ロシアとの紛争に反対しているのだから、ドナルド・トランプこそが、アメリカ国民の選択肢だ。アメリカ国民でさえ、 主要核大国と戦争をすれば、良い結果にならないことぐらい理解できる。
25年前に、ソ連共産党過激分子による、ゴルバチョフに対するクーデターの結果、ソ連が崩壊した際に、その目的が消滅した組織NATOが、今や、アメリカ政府が作った国際条約の下では戦争犯罪であるアメリカ政府の攻撃の道具と隠れ蓑になっていることを彼は理解しているのだから、ドナルド・トランプこそがアメリカ国民の選択肢だ。ワシントンの戦争は、99パーセントと、多くの国の何百万人もの無辜の人々を犠牲にして、1パーセントの一部の利益を狙うものだ。
ここで起きると思われるのは、売女マスコミは、ウラジーミル・プーチンでそうしたより、一層ひどく、ドナルド・トランプを悪魔に仕立て上げることだ。売女マスコミのくず連中は、トランプへの投票を、アメリカに対する反逆行為にすべく、できる限りあらゆることをするだろう。
売女マスコミは、サダム・フセインの大量破壊兵器、イランの核兵器、アサドの化学兵器使用、ロシア侵略といった実にあからさまなウソをついても責任をとわれることがないことを学習しているのだから、トランプでも、ウソがつけることは十分承知なのだ。
だから、連中はそうするだろう。徹底的に。
だが売女マスコミは信頼を失っている。連中の言う一言でも信じるには、低能者でなければならない。
“進歩派”は道に迷っている。彼らは、アメリカ人の立場でもある、移民に対するトランプの姿勢に閉口している。“進歩派”は‘ファシスト”トランプは、性転換者や同性愛者を迫害したり、女性の堕胎の権利を取り消したりするだろうかを懸念している。“進歩派”にとっては、ワシントンと、そのNATO傀儡が、世界を核戦争の中に投げ込もうとする中、それが極めて重要なことに思えるのだ。
機能を停止したアメリカ左翼にも、いかなる知性も期待できない。アメリカ左翼は、過去15年間の違法な戦争やアメリカ警察国家の口実である9/11公式説明を支持している。中東を侵略するため、新たな真珠湾を手にいれようとしてネオコンがおこなった、実際には偽旗事件であるものに対する公式説明に、アメリカ左翼が、完全に同調しているのは、アメリカ左翼が見当違いである明白な証拠だ。
アメリカ左翼は、9/11と、それに続く偽旗事件を、抑圧されている人々が、圧制者たちに反撃したものと解釈している。この解釈による感情的満足によって、無能なアメリカ左翼は、行動のみならず、発言も妥当性を失っている。アメリカ左翼は、敵つまり、ワシントンで政策を支配しているネオコンの手先になってしまった。
すると、一体我々の状況はどうなっているのだろう? 我々は、これまでにないほど、核による絶滅に近づいているというのが答えだ。私はこの発言の内容を重々承知している。私は最高位の機密情報取り扱い許可を得ていた。私はレーガン大統領が冷戦を終結させるのを可能にした秘密委員会の一員だった。
ロシア大統領、ウラジーミル・プーチンは、狂ったアメリカ・ネオコンが人類にもたらそうとしている核戦争を避けるために、彼ができる限りのあらゆることをしている。地球のための、この努力に対し、彼は、一日24時間、週7日間、毎年、悪魔化して描かれ続けている。事実を主張していることで、私は売女マスコミから、“プーチンを弁護する人物”と呼ばれている。
ロシアに関する果てしのないウソで、ロシア・メディアは、アメリカ政府が、NATO傀儡諸国を、ロシア攻撃のために動員していると確信するようになった。このロシア・メディア放送の書き起こしをお読み願いたい。https://vimeo.com/174777588
このロシアのニュース放送を見たあとでも、恐怖を感じられないようであれば、読者は信じ難いほど愚かだ。メッセージははっきりしている。欧米は、ロシアに宣戦布告したが、ロシアを油断させておこうとして、それを否定しているのだ。
ロシア・ニュース放送のビデオは、ポーランドにおける最近のNATO会議において、ロシア・メディアが受けた冷淡な扱いも表している。欧米によって冷酷に略奪されているラトビアや、エストニア、リトアニアや、ポーランドや、ウクライナなどの取るに足らない国々の取るに足らない代表たちが、ロシア・メディアに話すことを拒否したか、インタビューを、アメリカ政府の偽りの対ロシア非難を繰り返すのに利用したのだ。ロシアを侮辱しているこうしたばかもの連中が、ロシアが数分で破壊できる国々の代表なのだ。もし、こうした阿呆連中が、アメリカ政府が自分たちを救ってくれると考えているのであれば、連中は、ヒトラーを刺激するような軽はずみな行動をしても、1939年3月のイギリスによる相互援護条約の保証で、ポーランドが救われると思い込んだポーランド人大佐連中と同じくらい愚劣だ。愚劣なイギリスによって煽られた、このポーランドの愚かさが、イギリスと、フランスの対ドイツ宣戦布告によって第二次世界大戦を引き起こし、ポーランドは、半世紀もソ連に支配されることになった。保証! 平和を望んでいた愚鈍なチェンバレンが、イギリスの価値のない“保証”によって、第二次世界大戦をひき起こしたのだ。
ワシントンの傲慢な戦争挑発低能者連中が、アメリカ合州国と対等な核大国に、アメリカが攻撃しようとしているのだと確信させて、皆様は安全だとお感じになれるだろうか?
しかも、ロシアは、アメリカ政府の大ばかな挑発には、もううんざりしているもう一つの核大国、中国と同盟関係にある核大国だ。あなた方の未来を、二つの核大国との核戦争へと導きつつある“あなた方”の政府を、皆様は進んで支持されるのだろうか?
我々、アメリカ人は、大統領選挙に突入しながら、現代の極めて重要な事実、アメリカ政府が、人類を核戦争で脅かしているということは、議論の対象にならない! アメリカ国民はいったいどうなったのだろう? 我々は信じがたいほど馬鹿なのだろうか? まったくどうでも良いことを、現代で最重要な問題だと考えて、我々が愚かに座視している間に“わが”狂った政府は核戦争を挑発している。歴史上、これほどまでに、義務を実行しそこねた国民がいただろうか? いたとすれば、一体どの国民だろう?
私が言いたいことは以上だ。純然たる悪が欧米を支配し、世界を絶滅へと押しやっている事実に、対抗する証拠は皆無だ。欧米民主主義は完全に破綻している。民主主義は、アメリカ国民の反対にもかかわらず、狂った戦争挑発人ヒラリーが、大統領候補指名になるのを防げなかった。
アメリカ政府による来る攻撃を阻止しなければならないという結論を出すまでに、ロシアと中国と一体どれほど待てるのだろう? ロシアと中国が、自分たちが攻撃目標だと確信してしまえば、彼らが、ただ座視し、攻撃を待ち受けると考えるような人が、愚かなアメリカ人にさえ、誰かいるだろうか?
欧米諸国民ほど義務怠慢で有罪な人々に、生き残る権利はあるのだろうか?
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/29/the-democratic-party-no-longer-exists/
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民主党はもはや存在していない。日本にも、そのままあてはまるだろう。
残っているのは、自民党別動隊、異神連中。こういう残骸を支持する「労組」、実態は労働者首絞め組合。
TPPを推進しているアメリカ通商代表部のフロマン氏と、留学中、同室だったのが自慢で、TPP推進の先鋒をつとめる江田憲司議員。彼が異神系の派閥をまとめるかどうか知らないが、民進党なるもの、論理的整合性皆無。つまり、基本的には、昔の民社党の役割と変わらない。自民党別動隊そのもの。洗脳虚報大本営広報部は、もちろん決して報じない。
そういう組合が本気で推進しない選挙の結果は、始めから分かりきっているように思える。そういうトンデモ連中を相手に、野党連合の夢をおいかけた某政党、今回の選択で手ひどい打撃をうけるのでは、と部外者ながら、心配になる。
基本的責任は、夢を追いかけた政党より、追いかけさせた似非野党第一党にあるだろう。罪深い政党だ。
自民党や、公明党や、異神やら、他のヨイショ政党は、もちろん論外
日本国民や東京都民ほど義務怠慢で有罪な人々に、生き残る権利はあるのだろうか?
「幽霊会社」に政治資金から「調査費」を支出!? 小池百合子氏の「政治とカネ」疑惑を徹底追及!~岩上安身による神戸学院大学教授・上脇博之氏インタビュー(小池百合子候補編・後編) 2016.7.30
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コメント
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いつもお世話になり、ありがとうございます。
隣家の高齢の女性が、私の顔を見るなり 「トランプさんが大統領になれば大変よ! 日本から基地を引き上げるなんて、中国が攻めてきたら どうなるの?!」と言い、別な人は「クリントンさんになることを 心から願っているわ」
またロシアの「国家ぐるみのドーピング問題が ひどい!」と怒っている人。ポケモンを心配する人。
ご紹介いただいた「世界」8月号の アーサー・ビナードさんの「オバマは何しに日本へ?」を10部ほどコピーしました。でも、「ビナード? 知らないわ」という人ばかりで、配る気持ちが萎えます。堤未果さんの著書はどれも衝撃的で、いつも友人たちに読ませるために 余分に5冊ほど買います。でも、本って自分で買わなきゃ 読みませんよね。「政府はもう嘘をつけない」も 余分に買うべきか 迷っています。
でも、愚痴ばっかり言っていては ダメですね。高江で闘っている人たちのことを 思いましょう。心を寄せましょう。行かなくては・・・、あの座り込んでは排除されている中に 私も入らなくては・・・。
投稿: nobara | 2016年7月31日 (日) 19時39分
大政翼賛会的なマスコミの情報しかない中で、いつも貴重な情報をありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: neko | 2016年7月31日 (日) 11時50分