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2016年1月

2016年1月31日 (日)

特別ISIS細胞がヨーロッパとロシアでテロ攻撃を計画と ロシアの国家対テロ機関

公開日時: 2016年1月29日 09:10
編集日時: 2016年1月29日 11:19
RT


Stringer / ロイター

チェチェン人の兵士募集担当者アフメド・チェタエフが率いる「イスラム国」細胞が、ロシアやヨーロッパでのテロ攻撃を計画していると、国家対テロ委員会が報じた。元イラク軍将校たちが、ロシアを攻撃するテロリストの訓練に関与しているとも述べた。

“ロシア治安機関は、あるIS集団が、ロシアやヨーロッパ諸国で、テロ攻撃を計画しているという情報を入手した”と、ロシア国家対テロリスト委員会の広報担当者アンドレイ・プルジェズドムスキーは金曜日に警告した。“特に、片腕というあだ名のアフメド・チェタエフが率いる大隊は、主として北カフカス出身新兵で構成されている。”

チェタエフの集団には、「イスラム国」(IS、かつてのISIS/ISIL)に参加すべくシリアに入国したロシア南方の共和国生まれの連中が何十人もいると報じられている。

サダム・フセインのもとで勤務したイラク人元将校がテロリストを訓練していると彼は述べた。

トルコ経由で、シリアに出入りするテロリストの流れを阻止すべくロシア国境警備隊と治安機関は最善を尽くしていると、プルジェズドムスキーは述べた。100人以上のIS参加希望者を参加する前に逮捕し、800人以上の戦士がロシアに向かう途上で逮捕されたと彼は述べた。連中の中には、22人のテロリスト募集担当者がいた。

取り組みで、ロシア国内でのいくつかのテロ攻撃を防いだと、彼は述べた。

“つい最近、 [ロシア]主要都市の一つを攻撃しようとして、筋金入り戦士四人の集団がシリアから入国した”と彼は述べた。

集団はロシアに合法的に入国し、隠れ家を見つけ、ロシア捜査官に尾行されていることに気づかずに簡易仕掛け爆弾製造用の部品を購入した。

“彼らは逮捕され、裁判を待っている”と、プルジェズドムスキーは述べた。

シリアに入国して、テロリスト戦士になろうとする人々の動きは峠を越したが、ロシアにとっての治安問題でありつづけていると彼は述べた。

“IS新兵をシリアにこっそり送り込む良く出来たシステムがある。主な経路はイスタンブール経由だ”と彼は述べた。“彼らは書式に記入し、履歴を書き、身元を確認され、携帯電話をハッキングされる。そこで何か疑わしいことが判明すれば、新兵は独房に監禁されて処罰を待つ。通常、射殺されるという形になる。”

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/330556-isis-terror-europe-russia/
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昨日、下記を紹介したが、現在アクセスできない。事故なのだろうか?これを報じる「マスコミ」は皆無だ。

TPP協定文の分析レポートを公表しました PARC

上記ページから、『TPP協定の全体像と問題点』pdfがダウンロードできる。無償!

プーチン大統領は、アメリカ、ヨーロッパの属国、そして日本が資金提供するロシア国内テロ防止にまで対応しなければならない。税金を払ってテロ支援している一人として、申し訳なく思う。

大本営広報部が垂れ流しする、「TTP担当大臣を辞任したのが、美学」とは笑止千万。

太鼓持ちの正体暴露

元衆議院議員の三宅雪子氏ツイッターこそ正論

「TPP交渉で頑張った」という人に「なにをどう頑張ったか具体的に述べよ」と突っ込めば、答えられないはず。TPP交渉で、日本が得たものはゼロだからだ。・徹夜で交渉した日があった(本当だか不明)。・白髪染めをやめた この2点で「頑張った」になるなら、国民を欺くのは容易いものである。

三宅雪子氏が紹介しておられる篠原孝民主党衆議院議員の発言、正論。民主党議員の中数少ないまっとうな貴重種。やせ我慢の美学のインチキさ、孫崎享氏も指摘しておられる。

同じタカ派、中曽根と安倍の大きな違い-国家戦略ない安倍政権は危ういかぎり- 16.01.27

志村建世のブログで『映像作家・三上智恵さんの悲しみ(1)』を拝読し衝撃を受けた。全文お読み願いたいものだが、一部だけ、引用させていただく。

映像作家で映画「標的の村」などで知られる三上智恵さんのフェイスブックで、とても心の痛む記述を見ました。

ある新潟の中学校が 来週から沖縄に 修学旅行に来るので その前に標的の村を見て とても関心を持っているから ぜひ行く前に監督の話を聞きたい 先生方の熱心な依頼を受けて 宜野湾市長選挙の撮影があるけど 散々迷いましたが きっと、ここまで熱心な指導の学校だから 将来沖縄のために 日本の民主主義のために 力を発揮する生徒が出るかもしれないし 何より辺野古のテントにも 行くと言ってくれている子達だから 沖縄の旅を最高のものにして欲しいなと思って 話をしに行ってきました。

ところが、

反対反対というけど、実は賛成の人も多くて オール沖縄じゃないのでは? とか 地元のメディアは偏ってると 言われているけど 三上さんは偏ってない自信はありますか? とか シールズ琉球は オスプレイ嫌だと言ってましたけど オスプレイがないと中国に攻められます 無責任だと思います 三上さんも同じ意見ですか? 辺野古で反対してるのは 本土の人や 沖縄の人でもお金もらってる人で 本当の県民は反対していないのでは? などなど。

この反応、この中学の生徒さんだけのものではないだろう。

小生の子ども時代の酒飲み仲間、全員そうだ。異論を言うのは小生一人。

大学同級生数人と話したが、やはり、ほとんどそう。驚いたことに、一人だけアカハタ講読者がいた。政治の話、ほとんどしたことがないが、考えてみれば、戦争法案反対国会前デモにも行ったと言っていた。

全て大本営広報部の功績だろう。子ども時代の友人にも、大学の同級生にも、このブログのことは話していない。

貴重なシンポジウムを聴講にでかけると、翻訳時間は減り、長い記事は訳せない。

つながれアジア! 葬れTPP! 1.30 国際シンポジウム 

三人のゲストを海外から迎えた中身の濃い催し。800円。立派な資料をいただいた。

経済的、政治的に隅に追いやられがちなマレー先住民優遇策、ブミプトラ対策が、社会政策の大きな柱であるマレーシアの活動家、ファウワズ・アブドゥル・アジズ氏が、TPPがマレーシアもたらす問題点を講演。ブミプトラ対策や、ハラル食品など、TPPで影響を受けるものは大きいという。

ノ・ムヒョン大統領の首席秘書官を務め、韓米FTAに反対して辞任後、韓米FTA阻止国民運動本部で尽力したチョン・ティン(鄭泰仁)氏が、韓米FTAの売り込み宣伝文句と実態の差を指摘する、TPP後日本の将来?を暗示する鋭い講演。首席秘書官を務めながら、とんでもない政策を推進する大統領からきっぱり離れてしまうとは、実に偉い人がおられるものだ。

中公新書で、韓国政治の本を読んで、ノ・ムヒョン大統領が韓米FTAに尽力した記述に驚いたのだが、彼の明瞭な説明に納得。

ニュージーランド先住民族マオリの芸術家(シンガー・ソングライター)モアナ・マニアポトさんが、1840年2月6日、イギリスと先住民族マオリとの間のワイタンギ条約締結以後、イギリス直轄植民地とされたものを、2016年2月4日TPP調印式を、わざわざニュージーランドで行うという二重の植民地化、「人間は自然の一部」というマオリ哲学を踏みにじる行為を批判した。「マオリの価値観と原則はゆずれない」と。

現在、ニュージーランドには、パブリック・シチズンのロリー・ワラックさんが訪問中で、連日、反TPP講演をしておられる。もちろん、ケルシー教授も同行される。2/4には、ニュージーランド全土で反TPP行進が計画されている。

どうみても、いわゆる「大手マスコミ」、(ポール・クレーグ・ロバーツ氏によれば、prestitute=小生が「売女マスコミ」と訳すのは女性蔑視ゆえ、他の呼び方をすべきと指摘される方もおられる。「売笑マスコミ」が良いだろうか)は、どの社も取材にきていなかった、と思う。

いわゆる「大手マスコミ」、余りに露骨な贈賄釈明・辞任会見は報道しても、酷い行為をする政治家が本気で推進した余りに露骨な売国条約の内容については全くふれない。「素晴らしい条約をまとめる上で、立派な功績を上げた」かのごとき許しがたい虚報ばかり。虚報自体犯罪だろうと思って聞き流している。戦争にぼろまけしているのを糊塗していた戦争中と同じ。反省皆無。

大本営広報部で、戦場を取材するジャーナリストの皆様を扱った力作を見た。TPPについては、取材して報道しようとすると、番組から即おろされる。IWJの岩上安身氏が好例。

東北や関西の方々が本当のシンポジウムで実態を直接聞かれることを切に願う。

山形シンボジウム 1月31日(日) 13:30-17:00 山形市「大手門パルズ」
大阪シンポジウム 2月1日(月) 18:00-20:30 山形市「大手門パルズ」

2016年1月30日 (土)

オバマのシリア侵略計画は、キム・ルーズベルトが、1957年に立案したもの

2016年1月16日
Eric Zuesse.
Washington's Blog

1953年、イランの石油とガスに対する欧米石油会社の支配を継続するために、イランの進歩的で非宗教的で民主的で反共産主義者のモハンマド・モサデク大統領を打倒し、残虐な独裁者レザ・パーレビ国王に置き換えるためのCIAクーデターを計画し、率いたのと同じ人物、テディー・ルーズベルトの孫 (上の写真)が、四年後の1957年、サウジアラビア、カタールと、トルコとともに、アメリカによるシリア侵略を企てることになった。しかも、それはバラク・オバマ大統領が、ホワイト・ハウスに足を踏み入れて以来実施しているのと事実上全く同じ計画だ。オバマの計画は、カーミット“キム”ルーズベルトの計画同様、大衆を騙し、打倒作戦の本当の犠牲者にこそ責任があるのだと思い込ませるよう狙った、諜報関係の世界で“偽旗”事件と呼ばれるものを伴っている。(アサドを排除するためにシリアに侵略する口実として利用したがっていた、シリアにおける、2013年のオバマ・サリン・ガス攻撃の類だ。)

1957年当時、シリアにはアサド王朝は存在せず、あったのはバース党だけで、過去それは、そして今も、アラブ諸国の中で、唯一機能する、非宗派的、神政主義ではない政治勢力だ。だからアメリカ石油会社は、中東の石油を掌握し、シリアを自分たちのためのヨーロッパ(世界最大のエネルギー市場)向けの極めて重要なパイプライン経路として使えるようにするため、彼らの代わりに、イスラム勢力を利用した。バース党は、シリアの天然資源に対する、そのような外国による支配のためのいかなる計画にも協力を拒否した。これがバース党を打倒し、彼らの敵、イスラム主義者に置き換えるというアメリカの決断の基盤だ。(これは同じ様に、サダム・フセインに対するアメリカの戦争の理由だった。)

最終的に、ドワイト・アイゼンハワー・アメリカ大統領は、進んで参加しようとしているのがトルコだけだったので、キムの計画を放棄するよう強いられたが、オバマは、キムが彼らに役を割り当てた通り、サウジアラビアとカタールの王家に演じさせることができた。アメリカの兵器を、シリアの聖戦士に渡し、主要な聖戦主義組織、スンナ派イスラム教原理主義者のムスリム同胞団を支持し、バース党打倒の上で、主要シリア人参加者にしたのだ。

キムの計画は、以前に成功したイラン乗っ取り計画と同様、二人のダレス兄弟、アイゼンハワーのCIAを運営していたアレン・ダレスと、アイゼンハワーの国務省を運営していたジョン・フォスター・ダレスの全面的支援を享受していた。二人のダレスは、ナチス幹部をアメリカに連れてきて、彼らにニセ経歴を与えるアメリカの作戦を率いていた。特に今でも続いている連中の、ロシアを征服するためながら、1990年までは(広くそう見なされていたが)反共産主義の装いをとっていた、ヨーロッパの“オペレーション・グラディオ”に関する良いドキュメンタリーがここにある。あらゆる親ファシスト作戦がそうであるという非常に狭い意味で、それは実際に反共産主義だったが、到底‘民主的’やら親民主的やらと呼べる代物ではなかった。トルーマン大統領が、第二次世界大戦後、初期の新興アメリカ諜報官僚を一体どうすれば良いのかわからずに、その先駆機構OSSでためらった後、CIAは、アイゼンハワーによって、ファシスト組織として設立された。大統領として、アイゼンハワーは、第一次世界大戦時代に、そうだったようには、FDRともはや同調しなかった。戦後、彼は独立し、益々ファシスト化し、彼が大統領政権を作り上げた際、アメリカのファシズムへの切り替えが本格的に始まり、以来決して止まっていない。

オバマも、アイゼンハワーとは違い、ヌスラ戦線と呼ばれる、アルカイダのシリア分派による支援を享受した。アルカイダは実際、1970年代末、ソ連をアフガニスタンで消耗させるため、アメリカが作り出したのだ。アルカイダは、アラビアの王族、特にサウド王家から資金供与されていた。オサマ・ビン・ラディン一派に、サウド王家が代金を支払った(それは付随的に、アメリカ兵器メーカーの利益を押し上げた)アメリカ兵器を供給することに成功した後、スンナ派支配層は、カーミット・ルーズベルトの大本の構想を益々尊重するようになった。50年以上使われないまま、CIA-MI6で棚ざらしになっていたキムの計画を、オバマは微調整した。しかしそれは、実際、KRの計画であって、オバマの独創ではない。ようやくオバマ時代になって、状況が計画にうってつけになったのだ。

カーミット・ルーズベルトは、アメリカ支配層の外国領土征服を推進する上で、遥かに著名な祖父がそうであったのと少なくとも同じ程度には効果的だった。(ルーズベルト一族のFDR派は、アメリカ帝国に大反対していたが、1945年、イギリスが戦後、イギリスの支配層によるアラブ諸国支配を回復するのを阻止するため、FDRは、サウド王と同盟することをとうとう決定した。両国は第一次世界大戦の前に何度か戦っていたので、イギリス帝国そのものさえも粉砕するのがFDRの願望で、アメリカは実際、1927年から1939年までの間に、アメリカとイギリス間で軍事紛争を起こす秘密計画まで策定していた。FDRは、サウド王と同盟するというアメリカの計画で、そういう計画は不要になると考えたのだ。)

いわゆる‘イデオロギー’戦争がとうの昔に終わった後でさえ、依然シリアの主要支援国であり続けている共産主義以後のロシアを悪魔化するのにオバマがたけているので、ソ連共産主義打倒が、ロシアと同盟している支配者たちを打倒する口実として、もはや使えないという事実にも、オバマは全くひるむことはなかった。そして、NATOは今やロシア国境で、益々ロシアを包囲するようになっている。もし反ロシア扇動をするヒラリー・クリントンや他の候補者連中が次期アメリカ大統領になれば、彼らは既にほとんど制御不能なのだから、事態が一体どこまで悪化するか全くわからない。

オバマがほこりを払って引っ張りだし、実行に移した計画は、オバマのもとで、ロシアに対する遥かに広汎なアメリカの戦争の一環となった。次期アメリカ大統領にとって重要な決定の一つは、その広汎な戦争を一体どうするかだ。ウラジーミル・プーチンは、それを止めるため、既にできる限りのあらゆることをしているのだから、この戦争が更に激化するのを防ぐことはできない。ところが、バラク・オバマはノーベル平和賞を受賞している。プーチンは受賞していない。

シーモア・ハーシュが報じた通り、シリアにおける、オバマの攻撃性が、統合参謀本部のトップにとっては、到底つきあいきれなかったため、彼は辞任した。そして、私が報じたように、二人目の国務長官ジョン・ケリーにとっても、到底受け入れられなかったので、彼は事実上、あえてオバマに自分を首にさせようとしたが、オバマは幸いにも、そこで折れた。世界は、このような平和賞受賞者、というかアメリカ大統領を、更にもう一人受け入れる余裕はあるまい。

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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.washingtonsblog.com/2016/01/obamas-invasion-plan-syria-drawn-kim-roosevelt-1957.html
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宗主国大統領選、全く興味がわかない。属国の辞任問題も同様。

週刊文春不買運動というものがあるそうだ。
個人的には、TPP問題を追求しない月刊誌も週刊誌も、しばらく買っていない。

辞任問題に争点をずらそうとしている電気洗脳箱をボーッと見たり、紙媒体のヨイショ記事を読んでいる余裕ははないのだ。問題は、彼個人などではない。TPPだ。宗主国・傀儡支配層の背後にいる多国籍企業だ。

TPP協定文の分析レポートを公表しました PARC

上記ページから、『TPP協定の全体像と問題点』pdfがダウンロードできる。無償!

何と82ページもある。大本営広報週刊誌を読んでいる暇はない。

拝読した後に、頭の栄養として、下記を拝聴しようと思っている。

2016/01/28 「米国は日本を守らない!」 日米新ガイドラインに施された翻訳上の仕掛けとは~『仮面の日米同盟』著者・春名幹男氏に岩上安身が直撃インタビュー(動画)

「みんなで勝てる候補者を!」民主党・福山哲郎議員の訴えに、「それって共産党は黙って降りろってことだろ!?」」と会場大ブーイング! 「ミナセン」市民選対勝手連シンポジウム

「共産党とは同席したくない」と言う民主党議員「でも安倍ちゃんよりいいでしょ」―慶大名誉教授・小林節氏、「絶対野党共闘!どこ見て政治やってるんだ」―SEALDs・本間信和氏

2016/01/27 国会で議員に北朝鮮の「工作員」と名指しで侮辱!?された『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』著者「拉致被害者家族会」元事務局長蓮池透氏に岩上安身が聞く!(動画)

2016年1月29日 (金)

腐敗したアメリカ政府が、プーチンを汚職で非難

2016年1月27日
Paul Craig Roberts

地球上で最も腐敗した政府は、極度の腐敗の余りに、ごく少数の腐敗した巨大銀行の元幹部に、もっぱら連中の銀行の利益のために、アメリカ経済政策を運営することを許し、何千万人ものアメリカ人退職者に、貯蓄に対する利子収入を、7年間一切得られなくし、インフレ率を偽り、生活に追われている社会保障受給者に、生活費調整の支払いを一切拒み、もっぱらウソを口実に、7つの国と何百万人ものイスラム教徒を破壊した完全に腐敗した政府が、この救い難いほど腐敗した政府が、地球上で最も尊敬されている政治指導者を汚職のかどで非難しているのだ。
http://russia-insider.com/en/putin-corrupt-proclaims-most-corrupt-govt-earth/ri12490

洗脳されたアメリカ、そのEU属国とナチ化したウクライナ以外、世界中が笑っている。

かつて尊敬され、そして恐れられたアメリカ合州国は、今や世界のお笑い種だ。CIAに支配されたドイツ・マスコミは、自国のマスコミが、ワシントンの対ロシア・プロパガンダ作戦に過ぎないことを見抜いたドイツ国民によって見捨てられつつある。反発が余りに激しいので、ドイツ・マスコミは生き残れないかも知れない。http://russia-insider.com/en/germany/germans-abandon-major-news-sites-anger-over-slanted-russia-coverage/ri885

下記は、プーチンを悪魔化するワシントン最新の取り組みに対するスティーブン・レンドマンの見解だ。

プーチンの汚職に関するまやかしのアメリカの主張

Stephen Lendman

アメリカの容赦ないプーチン・バッシングはしつこく続き、ウクライナ侵略と殺りくを含む無謀な非難が行われている。この主張を裏付ける証拠は皆無だ。全く存在していない。

ロシアの独立主権を率直に擁護し、多極世界を支持し、ワシントンの帝国主義的な狙いに異議を申し立て、同時に、世界平和と安定と、全ての国々の相互協力を追求しているがゆえに、プーチンは中傷されるのだ。

アメリカ高官の発言は政権の政策を反映している。イギリスBBCは国営で、国が支配し、運営している。プロパガンダが、信頼できるニュースや情報に置き換わっているのだ。

同社記者リチャード・ビルトンは、アメリカ財務省外国資産管理局(OFAC)のアダム・シュビン局長に “プーチンは、腐敗していますか”と尋ねた。

彼は“我々の考えでは、そう. . . 彼は恐らく年間110,000ドル程度の給与を得ています。”といってウソをついた。

“これはこの人物の資産の正確な数値ではなく、彼は実際の資産をいかにして隠蔽するのかについて、彼は長年訓練し、実行しています。”

裏付ける証拠無しに、“実に長年、彼が“国家資産を利用して、友人や密接な協力者を富ませ、友人とは見なさない人々を除け者にしている”ことをワシントンは知っているとシュビンは主張した。

“ロシアのエネルギー資産であれ、他の国家契約であれ、彼に仕えると彼が信じる連中に回し、そうでない連中を排除しています。私にすれば、それが汚職の構図です。”

信頼できる「Saker」は、プーチン“これまでで最も偉大なロシア指導者の一人”だと、もっともな発言をしている。彼は“歴史上、彼の位置を確保した。”

“わずか十年ほどで、彼はロシアを、アングロ・シオニスト帝国に対して、しっかり異議を唱えることができる世界大国に復活させた。”

現在、安く、しかも恐らくは更に安値へと向かっている石油価格のおかげで、経済的に困難な時期でさえ、彼の圧倒的な90%の支持率はそれを反映している。

同時に、彼はこれまでのところ、エリツィン時代に確立された、アメリカが作り出した体制を変えることができずにいる。1990年代、いわゆる欧米の“顧問連中”は、ソ連後の国を“アメリカ植民地”に変えてしまったのだ。

経済改革は、最も急を要するプーチンの国内課題であり続けている。彼は解決の一部であって、問題の一部ではない。

シュビンの非難は、彼を中傷するワシントン長年のキャンペーンの一環だ。これは、彼を支持している圧倒的多数のロシア人に対しても、オバマも彼と比べれば、まるで道化師並みになる、まず間違いなく世界で最も傑出した地政学的指導者、チェスの達人としての立場に対しても、何の影響もあるまい。

プーチン大統領のドミトリー・ペスコフ報道官は、シュビンの非難を、“まったくのでっち上げ”と呼んで片づけたが、彼の中傷には、イギリスも共謀している。

BBCのキュメンタリー、「パノラマ」は、汚職への関与の証拠を何も示さずに、彼の“財布”、彼の“秘密の富”とされるものに焦点をあてた。 信憑性のない非難だ。

大統領在任中、彼は終始、無責任に、激しく非難されつづけている。欧米の売女マスコミは、国が後押しする虚報とデマ宣伝を繰り返している。

ワシントンが支配できない、あらゆる自立した指導者、特に帝国主義の狙いに対して、責任を持って異議申し立てするほどの勇気がある人々は、同じ手法の標的にされる。

Stephen Lendmanはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡できる。

編集者・寄稿者としての新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”

http://www.claritypress.com/LendmanIII.html

彼のブログは、sjlendman.blogspot.com. 

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/27/38395/
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余りの急な辞任発表で、彼はあたかも、素晴らしい大事業TPPをなし遂げた功労者が、道半ばに退任をしいられたかのように、描かれている。属国の売女マスコミは、国が後押しするTPPは素晴らしいという虚報とデマ宣伝を繰り返している。

英語と、スペイン語と、フランス語が正文なのに、日本語が正文になっていない永久売国契約TPPのどこが素晴らしいのか、大本営広報部、全くふれずにいる。

辞任発表であからさまになったのは、大本営広報部の犯罪性だろう。

2016年1月28日 (木)

中国、ジョージ・ソロスに警告: わが国の通貨に戦争をしかけるな

公開日時: 2016年1月27日 03:03
編集日時: 2016年1月27日 03:42
Russia Today


ソロス・ファンド・マネージメント会長ジョージ・ソロス Charles Platiau /ロイター

中国共産党の公式新聞は、一面社説で、超億万長者投資家ジョージ・ソロスに、8月以来、5パーセント下落した人民元として知られている自国通貨への信頼を高めようとしている中国元下落に向けて投機をしないよう警告した。

中国共産党の公式新聞、人民日報に掲載された“向中国货币宣战?“呵呵””という見出しで、“人民元と香港ドルに対するソロスの戦争は、成功するまい。これについては疑問の余地はない”と書いている。

社説は、8月以来、通貨は、5.7パーセント下落したが、投資家に人民元はまだ安全な選択肢だと説得しようとするものだ。一方、中国中央銀行は、通貨下落を止めようとして、外貨準備高に手をつけて、何千億ドルも使っている。

更に読む:‘ロシア国家安全保障に対する脅威’だとして、検事はソロス財団を禁止

彼が先週ブルームバーグTVに、S&P 500や、アジア通貨や、資源依存型経済が駄目になる方に賭けると語った後、中国はソロスに狙いを付けたのだ。ソロスは、中国経済が、リスクオフ市場感情の“根本原因”の一つだと強調し、中国経済のハードランディングを予想していると述べた。

“投資と輸出主導型から、国内需要主導型へと変わるべき成長モデル転換に対処するのを中国は余りに長期放置してきた。だからハードランディングは事実上不可避だ”と、スイス、ダボスでの世界経済フォーラムの際に彼は語った。“私はそれを期待しているわけではなく、そうなると見ているにすぎない。”

中国の経済成長は減速しており、2015年第四四半期は、6.8パーセントで、年率わずか6.9パーセント成長という、25年間で最低の結果となった。

他の中国刊行物も、中国通貨に対する投機戦術への批判を強化している。

“中国資本市場は、投機行為につけこんだり、悪質な空売り行為をしたりという行為により、深刻な危機にあると考えているむきがある。”と、新華社通信は、土曜日に発表した解説で述べた。

中国は混乱を引き起こしかねない投機と戦っている。“見境のない投機や悪質な空売りは、結果として、より高い取り引き経費と、厳しい法的結果に直面する可能性がある”と新華社通信は書いている。

更に読む: ジョージ・ソロス、密かにキエフ訪問

現在85歳の超億万長者ソロスは通貨投機家と評価されている。1992年、彼はポンド価値が低下することに賭け、イギリス政府に欧州為替相場メカニズムで、通貨価値を人為的に上げる取り組みをあきらめさせた。ソロスは、この賭けで、まんまと10億ドル儲けた。

1997年のアジア通貨危機前、彼は、タイ・バーツ下落を狙って投機をした。崩壊の原因として、膨大な通貨取り引き、特にソロスをあからさまに非難したアジア指導者もいて、マレーシア・リンギットの崩壊後、マレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相は彼を“能なし”呼ばわりした。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/330252-china-warns-soros-currency-war/

人民日報記事の原文urlは下記:

http://paper.people.com.cn/rmrbhwb/html/2016-01/26/content_1650385.htm
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ポーランド新政権のマスコミ支配を憂慮する社説に絶句。そう、日本には言論の自由はある。政府の言論弾圧をしっかり批判できる。属国日本政府と、宗主国アメリカ政府以外なら。

News23、クローズアップ現代、そして報道ステーションの変化には言及しない。

フィリピン、仕事のパートナーに会う度に「日本兵はフィリピンの赤ん坊を空中に放り投げて、銃剣で刺し殺したんですよ。」といわれた。事実なのか、噂なのか、小生には全くしるよしもないので、毎回気まずい思いをしていた。

彼はたしか、厳重に警備された特別な区画に暮らしていた。宗主国支配層も、そしてこの傀儡支配層も、同様な厳重に警備された特別な区画に暮らすようになるだろう。

お客様である小生よりはるかに若い世代の方々からは、そういう非難を聞いたことはない。しかし、エリートである彼らの一人は、家族ぐるみで脱出し、英語圏に移住した。もう一人は、近隣アジアの大学で教職についた。人柄も能力も素晴らしいエリートたちが続々国を出てゆく背景、素人には全くわからない。この国も、やがてそうなると強く確信している。

宗主国に通貨政策や経済政策や軍事政策を含め、あらゆる政策を支配されている属国と違い、独立大国はその新聞を通して本音を言えるのだろう。彼らの方針が実現するかどうかは別としても。

引退するかのような言説をしたすぐ後に、こういう発言をするソロス。いんたいしてもたい。

属国新聞が同じことをしたら大変なしっぺ返しを食らう。属国傀儡支配層も新聞社幹部も。

志位共産党委員長質問の後に登場した自民党極右派閥、オーサカ異神、自民党になりかわり、質問に名をかりて共産党攻撃したという。さもありなん。反論の機会が全く与えられない一方的なプロパガンダ攻撃に、志位共産党委員長は怒っていたという党名を聞いた瞬間、テレビを消したので、何を言ったのか全く知らない。人生、アホ・プロパガンダを聞いているには余りに短い。

志位共産党委員長質問とあのヒトの答弁で116年前1900年田中正造発言を思い出した。

戦争法案強行、TPP公約違反、緊急事態事項の問題点指摘に、真っ赤なウソを呼吸するようにつくいつものパターン。

亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問
田中正造
明治三十三年二月十七日、衆議院提出

「民を殺すは国家を殺すなり。法を蔑ろにするは国家を蔑ろにするなり。皆自らを毀(こぼつ)なり。材用を濫り民を殺し法を乱して而して亡びざるの国なし。これを如何」

政府回答「質問の旨趣その要領を得ず、依りて答弁せず」。

この件、下記でも触れた。

田中正造伝 嵐に立ち向かう雄牛 ケネス・ストロング著 2013年9月4日

売国条約TPPについては、売国広報機関の報道でなく、山田正彦元農相の正論をこそ拝聴すべきだろう。

英語化は愚民化』著者の施光恒氏のIWJ岩上安身氏インタビュー、目が話せない中身の濃い番組だったが、蓮池透氏のインタビューも実に強烈。時間も衝撃的な長さだが。

大本営広報部の洗脳番組とは全く対照的な衝撃。そもそも、コマーシャルで中断したり、省略したりする話題ではない。あれくらい時間をかけても足りない話題だ。ただし大本営広報部が時間をかけるのは、まったく重要でない話題ゆえ、このあたり厳格に区別しないといけない。(そもそも政財界広報でしかない大本営広報部報道は、全く信じていない。)

棄民政策を推進する国の実態が良く分かる。

蓮池透氏、最初に拝見した頃とんでも右翼と思った。しかも東電原発関係。これでは、まっとうな政府批判はできないだろうと思った。当時の小生の判断、間違っていたとは思わない。

その人物が、あれよあれよという間に立場を変えたのに驚いている。君子豹変す。いまでも、自民党より、共産党が敵という、全共闘活動家諸氏とは大違い。(最近、その様子を確認し、クラス会には二度とでないと痛感したばかり。時間も金も無駄にする余裕はない。)

ボンボン・ファシストではなく、蓮池透氏のような方こそ、政治家になって頂きたいと思う。

明日は『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』を購入しよう。

2016年1月27日 (水)

石油に一体何が本当におきているのだろう?

New Eastern Outlook
2016年1月24日
F. William Engdahl

もし世界経済の成長や停滞を決定する何らかの単一商品の価格があるとすれば、それは原油価格だ。現在の世界石油価格の劇的な下落に関しては、余りに多くのことがあてにならない。2014年6月、主要な石油は、一バレル、103ドルで取り引きされていた。石油と石油市場の地政学を研究してきた多少の経験から、私は大いにうさんくさいものを感じている。私には納得がゆかないいくつかの物事について、皆様にもお伝えしよう。

1月15日、アメリカ石油価格指標、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の取り引きは、29ドルでひけたが、2004年以来最低だ。確かに、世界には、少なくとも一日約100万バレル、過剰生産があり、それが一年以上続いている。

確かに、イラン経済制裁解除は、供給過剰の市場に新たな石油をもたらし、現在の市場の価格下落圧力を増すことになろう。

ところが、アメリカとEUの対イラン経済制裁が、1月17日に解除される数日前、イラン国営石油NIOCのセイード・モフセン・ガムサリ国際局長は、イランは“…生産増大が決して価格を更に低下させないような形で市場に参入するつもりだ…市場が吸収できるだけの量を生産するつもりだ。”と述べた。だから、経済制裁解除後、イランの世界石油市場への新参入は、1月1日以来の急激な石油価格下落の理由ではない。

中国経済の崩壊とされるものとともに、中国の石油輸入需要が崩壊したというのは事実ではない。2015年11月までの一年で、中国より多く、実により多く、8.9%も、年々輸入し、一日660万バレルで、世界最大の石油輸入国となっている。

劇的に増大している現在の世界石油市場における政治リスクの煮えたぎる大釜状況に加わったのが、2015年9月以来の、テロリストのインフラに対する恐るべき空爆で、正当に選出されたシリア大統領、バッシャール・アル・アサドの依頼に応えるというロシアの決断だ。更に、NATO加盟国のトルコが、シリア領空で、ロシア戦闘機を撃墜するという厚かましい戦争行為をおかして以来、レジェップ・タイイップ・エルドアンのトルコと、モスクワとの間の関係の劇的な決裂もある。こうした全てのことからして、石油価格は、下落でなく、上昇するはずなのだ。

戦略的に重要なサウジアラビア東部州

さらに加えて、サウジアラビア国民であるニムル・アル・ニムルを処刑するという、サウジアラビア国防大臣で、事実上の王、ムハンマド・ビン・サルマン王子による、正気と思えぬほど挑発的な決定だ。アル・ニムル、尊敬されていたシーア派宗教指導者は、2011年、サウジアラビアのシーア派の権利を要求したテロ活動のかどで告訴された。超厳格なワッハーブ派スンナ宗派ではなく、シーア派の教えを奉じている約800万人のサウジアラビア人イスラム教徒が暮らしている。彼の犯罪は、抑圧されているシーア派少数派、おそらくはサウジアラビア国民の約25%に対し、権利を拡張するよう要求する抗議行動を支持したことだ。サウジアラビアのシーア派国民は、王国の東部州に圧倒的に集中している。

サウジアラビア王国の面積はドイツ連邦共和国の倍だが、住民はわずか400万人という東部州は、おそらくは地球上で最も価値のある不動産区画だ。国営石油会社のサウジアラビア・アラムコは東部州のダーランが本拠だ。

サウジアラビアの主要な石油とガス田は、世界最大の油田ガワールを含め大半が東部州陸上、海上にある。ガワールを含めサウジアラビア油田からの石油は、世界最大の原油ターミナル、ラスタンヌーラ・コンプレックスの石油ターミナルから何十もの国々に出荷されている。サウジアラビアによって汲み上げられる一日1000万バレル近くの石油の約80%がペルシャ湾のラスタンヌーラに送られ、そこで西に向かう超大型タンカーに積まれる。

東部州には、サウジアラビア・アラムコのアブカイク・プラント施設、一日700万バレルの能力を有する同社最大の石油加工・原油安定化設備がある。アラビアン・エクストラ・ライトと、アラビアン・ライト原油の主要石油加工サイトで、ガワール油田から汲み出される原油も扱っている。

しかもたまたま、東部州の油田と精油所の大多数のブルーカラー労働者は…シーア派だ。彼らは最近処刑されたシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルに同情的だともいわれている。1980年代末、サウジアラビアのヒズボラ・ヘジャズは、石油インフラを何度か攻撃し、サウジアラビア人外交官殺害もした。彼らはイランで訓練を受けたとされている。

しかも現在、政治的緊張に加えて、片や、両脇を卑屈なアラブ湾岸協力会議諸国によって守られたサウジアラビアとエルドアンのトルコ、そして片や、アサドのシリアと、シーア派国民が60%のイラクと、現在ロシアによって軍事的に支援されている隣国イランとの間で、新たな不安定化の要素が高まりつつある。情緒不安定な、30歳のビン・サルマン王子が、王に任命されようとしていると報じられている。

1月13日、中東シンクタンクのガルフ・インスティテュート、独占レポートで、80歳のサウジアラビアのサルマン・アル・サウード国王は、王位を退位し、息子のムハンマドを王にする計画だと書いている。報告書は、現在、王は“現在の皇太子で、アメリカのお気にいり、強硬派のムハンマド・ビン・ナーイフをも、現在の皇太子兼内務大臣の地位から排除するこの動きへの支持を求めて、兄弟を順次訪問している。進展に詳しい情報源によれば、サルマン国王は兄弟たちに、サウジアラビア王政の安定のためには、継承を、異母兄弟ではなく、王が権力を、自分の最も相応しい息子に渡す直系継承に変える必要がある。”と書いている。

2015年12月3日、ドイツ諜報機関BNDは、気まぐれで、すぐ感情的になると彼らが見ている人物、サルマン王子が益々権限を強化しつつあることを警告するメモをマスコミに漏洩した。シリア、レバノン、バーレーン、イラクとイエメンへの王国の関与をあげて、サルマン王子に言及して、BNDはこう述べていた。“サウジアラビア王家の年長メンバーによるこれまでの慎重な外交姿勢は、衝動的な干渉政策によって置き換えられるだろう。”

石油価格の更なる下落?

世界の石油と天然ガス埋蔵の中心地中東を巡って、この不穏どころではない状況において、不穏な要素が蠢いており、実際ここ数週間、既に昨年12月、40ドル帯という低価格で一時的に安定していた石油価格が、今や更に25%も下落し、約29ドルで、見通しは暗い。シティグループは、20ドルの石油がありうると予想している。ゴールドマン・サックスは最近、世界石油市場を再び安定化させて、供給過剰から脱出するには、一バレル、20ドルという安値が必要かも知れないと言い出した。

今後数カ月で、何か非常に大きな、非常に劇的なものが、世界が全く予期していない何かが世界石油市場で形成されつつあるという非常に強い直感を私は持っている。

前回、ゴールドマン・サックスと、そのウオール街のお仲間が、石油価格で、劇的な予測をしたのは、2008年夏のことだった。当時、アメリカのサブプライム不動産メルトダウンが広がり、ウオール街銀行への圧力が高まるさなか、その年9月のリーマン・ブラザーズ崩壊直前、ゴールドマン・サックスは、石油は一バレル200ドルに向かっていると書いた。当時、147ドルという高値にあった。当時、私は、世界石油市場では膨大な過剰供給が存在しているという事実に基づいて、全く逆の可能性が高いという分析を書いたが、それをわかっていたのは、奇妙にもリーマン・ブラザーズだけだった。中国国際航空や、他の巨大な中国の国営石油顧客に、200ドルになる前に、あらゆる石油を147ドルで買い占めるよう説得するため、価格上昇をあおる助言として、JPモルガン・チェースなどのウオール街銀行は、200ドルという価格を宣伝しているのだと情報通の中国筋から聞かされた。

ところが、2008年12月、ブレント原油価格は、一バレル、47ドルに下落した。2008年9月、元ゴールドマン・サックス会長だったアメリカ財務長官ヘンリー・ポールソンの意図的な政治決定によるリーマン危機が、世界を金融危機と深刻な不況に突き落とした。ゴールドマン・サックスや、シティグループや、JPモルガン・チェースなどの他のウオール街主要巨大銀行にいるポールソンのお仲間は、議会に7000億ドルもの未曾有のTARP資金を持った緊急援助権限の白紙委任状を与える議会によう強いるため、ポールソンが、リーマン危機を企んでいたことを、事前に知っていたのだろうか? この出来事で、石油先物のレバレッジ・デリバティブを利用して、自分自身の200ドル予測がはずれる方に賭けて、ゴールドマン・サックスと、お仲間は莫大な利益をあげたとさされている。

まず、シェール石油‘カウボーイ’を処分する

現在、2009年あたりからアメリカ石油算出増大の最大の源であるアメリカ・シェール石油業界は、大量破産の瀬戸際ぎりぎりのところで踏みとどまっている。ここ数カ月、シェール石油生産は、かろうじて下落し始め、2015年11月、約93,000バレルだ。

大手石油会社カルテル-エクソン・モービル、シェブロン、BPとシェルは、二年前に、シェール・リース権を、市場で投げ売りしはじめた。現在、アメリカのシェール石油業界は大手ではなく、BPやエクソンが“カウボーイ”と呼ぶ 中規模の積極的な石油会社が支配している。歴史的に、大手石油会社に資金供与してきた、JPモルガン・チェースやシティグループなどのウオール街銀行は、大手石油会社自身と同様、世界で最も重要な市場を、彼らが再度支配できるのだから、現時点でシェール・ブームが破裂しても、涙をながすことなどありえない。シェール“カウボーイ”に、過去五年間に何千億ドルも貸しこんだ金融機関は、4月に、次の半期ローン見直しを迎える。価格が20ドル近辺をうろついていれば、新たな遥かに深刻な実際のシェール石油会破産の波がおこるだろう。もしそうであれば、カナダの巨大なアルベルタ・タール・サンド石油を含め、非在来型石油資源は間もなく過去のものとなるだろう。

それだけでは、石油は、巨大石油会社や、ウオール街の銀行にとって快適な70-90ドル・レベルに回復しない。中東のサウジアラビアと湾岸アラブ同盟諸国からの過剰供給は劇的に減らさなければならない。ところが、サウジアラビアには、そうしようという兆しが皆無だ。それで私はこの全体像が心配になるわけだ。

今年後半、石油価格を劇的に押し上げるような何か極めて醜悪なものが、ペルシャ湾で醸成されつつあるのだろうか? シーア派と、サウジアラビア・ワッハーブ派石油国家との間で、実際の武力戦争が醸成されつつあるのだろうか? これまでのところは、主として、シリアにおける代理戦争だ。シーア派宗教指導者処刑と、イラン人によるテヘランのサウジアラビア大使館襲撃以来、サウジアラビアや、他のスンナ派湾岸アラブ諸国による外交関係断絶となり、対決は遥かに直接的なものとなった。サウジアラビア財務省元顧問のホセイン・アスカリ博士はこう語っている。“イランとサウジアラビアがぶつかる戦争があれば、石油は一夜にして、250ドル以上になり、再度100ドル・レベルに下落しかねない。もし両国が、お互いの積み込み設備を攻撃すれば、石油は500ドル以上に高騰し、損害の程度次第では、そのあたりにしばらく留まることになる。”

あらゆることが、世界が次の巨大オイル・ショックに向かっていることを示している。それは、いつも石油を巡るものであるように見える。ヘンリー・キッシンジャーが、1970年代中期、ヨーロッパとアメリカが、OPEC石油禁輸と、ガソリン・スタンドでの長蛇の列に直面した際の、オイル・ショック当時に言ったとされているように“もし石油を支配できれば、全ての国々を支配できる”。この支配妄想が、急速に我々の文明を破壊しているのだ。地球上で最大の石油の大物になろうとして競争するのではなく、平和と発展に力を注ぐべき頃合いだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2016/01/24/whats-really-going-on-with-oil
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IWJ 岩上安身氏による『英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる』著者施光恒氏インタビューを拝見した。お二人の問題意識がぴったりかさなって、実に興味深く拝聴した。時間がたりなくて、続編も期待できるそうだ。

中身の濃い授業か講演を拝聴している雰囲気。朝日カルチャー・センター講義を拝聴しそこねたファンとしては、その聴講にもまさるもの。無料で拝聴しながら罪悪感を感じていた。

売国的な英語化推進、グローバル化、TPP推進の背後にある凶悪な狙いが良くわかる。
大本営広報洗脳電気箱を消して、是非ともこちらをご覧願いたいものだと思う。

2016/01/26 『英語化は愚民化』著者・施光恒氏インタビュー(動画)

日本人を英語植民地人にする自発的隷従を着々進める度し難い連中。

大逆罪で処刑されるべき連中は誰だろう。大逆事件処刑から105年目に考える。

贈賄疑惑、肉を切らせて皮を切り、皮を切らせて肉を切り、TPP自体から目をそらせる高等戦術と踏んでいたが、1976年2月にアメリカ上院外交委員会多国籍企業小委員会における公聴会で発覚したロッキード事件の新版という部分もありそうな気がしてきた。もちろん、妄想ではなく、公開されている情報を辿っただけ。

失踪したとされる公設第1秘書、02年から江田憲司衆院議員(現・維新の党)の事務所で働き始めた。03年に江田憲司衆院議員が落選すると、05年ごろに甘利事務所に移り、11年に公設第1秘書となり、今や地元事務所の「所長」を名乗っているという。

その江田憲司氏、再三書いていたが、TPPで采配を振るっているフロマン氏のルームメイトだったのがご自慢だ。素人にすれば「走狗を自慢する」ことが理解できないが。
誤解のないよう、ご本人のサイト「日々是好日」から全文引用させていただこう。

私のルームメイトがUSTR代表に!?・・・マイケルフロマン大統領補佐官

2013年4月30日

 皆さん、マイケル・フロマン(Michael Froman)という人物をご存じでしょうか?知っている方はかなりの米国政治通、日米関係、特に、TPPや通商関係に精通している人でしょうね。

 彼は今、オバマ政権二期目のUSTR(米国通商部)代表に目されている人です。この26日、米国メディアが一斉に報じました。USTR代表とは、今、最大の懸案事項の一つ、TPP等米国の対外的な通商問題を一手に引き受けるポストで、オバマ政権の閣僚メンバー(大使級)でもあります。

 なぜ、彼を取り上げるかというと、何と彼は、私のハーバード留学時代(1987年~88年)のルームメイトだったのです。そう、男二人で一年近く同じ家で暮らしました。私も彼も国際問題研究所(Center for international affairs)の研究員、私が日米関係、彼がロシア問題。彼は勉強が好きで、プリンストン大学を卒業した後、オックスフォード大学に留学し、そしてハーバードへ。私と一年暮らした後は、そのままロースクールに行き、そこでオバマ大統領と同級生になります。Harvard law reviewという歴史ある学内雑誌の編集長を相前後して務め、無二の親友になったそうです。

 マイクはその後、金融界に入り、ルービン財務長官(クリントン政権)の補佐官やシティーグループの取締役等を務め、オバマが大統領選に出る時は、ファンドレイジング(資金集め)やワシントン政界への紹介等に尽力したそうです。その功績が認められ、オバマ政権発足後はホワイトハウス入り、大統領次席補佐官として、国家安全保障やG8サミットのシェルパ(政府代表)、通商・経済問題等を担当してきました。日米通商筋では、対日本でかなりのタフネゴシエイターとして知られています。TPPへの日本参加問題等がその典型でしょう。

 米国留学から帰国後、もう彼とは会うこともなかろうと思っていたところ、何とその後、仕事で会いまみえることになります。例の世界の耳目を集めた「日米自動車交渉」で突然彼と会ったのです。場所は交渉先のジュネーブ。「え?なんでお前はここにいるんだ?」と聞く私に彼は「今、NSC(国家安全保障会議)のスタッフをしている。その立場で交渉に携わっている」と。当時、橋本龍太郎通産大臣と私(大臣秘書官)は、弁護士出身のカンターUSTR代表と熾烈な交渉をしていたのです。後に、この交渉過程が米国側に盗聴されていたという疑惑が報じられましたが、もしかしたら、経済問題の自動車交渉に安全保障の専門家がついていたということからすると、それは本当だったのかもしれません。

 いずれにせよ、今回、彼とは久しぶりに連絡をとりあいましたが、お互い、年をとっても「マイク、ケンジ」と呼び合う仲。来週にもオバマ大統領から正式にUSTR代表就任の発表があれば、特にTPP問題では早速、情報交換、意見交換をしなければなりませんね。

つまり、事件の実相を追いかけるより、TPPの本質を追いかけるほうが遥かに重要だ。
追求プロジェクトなるものを推進している党派、いずれもTPP推進派。
つまり疑惑追求、実質、一種のTPP推進策にしかなるまい。

サウジアラビア、ガワールという単語で思いだした過去記事二編。

2016年1月26日 (火)

新サービス貿易協定TiSA: 世界統治のための要素

ワレンチン・カタソノフ
2016年1月20日 | 00:00
Strategic Culgure Foundation

2016年、アメリカ外交政策の戦略的目標は、戦略的環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)交渉をまとめることだ。マスコミ報道によれば、連携協定は、アメリカと欧州連合間の自由貿易圏を作り出す。これらの国々は、世界GDPの60%と、世界貿易の33%を占める。

更に2015年10月にアトランタで、12か国が署名した環太平洋戦略的貿易連携協定(TPP)協定は発効するためには批准される必要がある。TPP参加国は推計で世界貿易の40%を占める。

推計によれば、世界貿易の約10%を占めるアメリカが、二つの協定で大きな役割を演じている。Thus、もし両方の協定が発効すれば、この二つの大洋横断連携協定は、世界貿易の73%を支配する。より正確には、アメリカ合州国がこの貿易を支配する。

もちろん、世界貿易機関(WTO)として知られている組織は、一見したところは、自由貿易を保障する目的で作られたもののように見える。現在162か国がWTOに加盟している。最初から、この組織(1995年までは、関税と貿易に関する一般協定 - GATTとして知られていた)は、特定の国々の集団が、主要問題で決定的評決権を確保できるように作られていたのだ。アメリカ、西ヨーロッパ、日本、カナダと、オーストラリアは、自国の多国籍企業(MNC)のために、世界貿易を自由化した。しかし、近年それは益々困難になっている。2001年以来、交渉が行われ、発展途上国は、自国産品(主として農業産品)の欧米諸国の市場参入をより容易にしようとしてきたが、15年間、交渉では何の進展もなかった。シントンと、その同盟諸国にとって、世界市場における商品とサービスで、彼らの事業権益を推進するのが益々困難になりつつある。2012年、ロシアがWTOに加盟した際、この国際組織の内部に、BRICS圏でできてしまう可能性を考慮すると、これが欧米の問題を更に困難にしてしまった。

2012年 アメリカ合州国が、こうした基盤でのゲーム・ルールを決め、WTOは静かに脱け殻となるという考え方で、ワシントンは、二つの大洋横断連携協定という形で、WTOに代わる基盤を作り始めた。こうした策略で、ワシントンは、1)世界貿易に対する支配力を回復し、更に 2)経済的に、ロシアや中国や他のBRICS諸国を貿易相手諸国から隔離して弱体化させることを期待している。

アメリカ合州国によって推進されている二つの協定は、アメリカが世界貿易に対する事実上の支配を確立できるようにするという主張がよくある。しかし、これは全く事実ではない。三点を明確にする必要がある。

第一。そう、国家として行動しているアメリカが、両方のプロジェクトを、この国家は、多国籍企業(MNC)と多国籍銀行(MNB)の権益のために働いているのであり、最終的に世界貿易を支配するのは彼らなのだ。国家としてのアメリカは、やせ衰えさせられるか、WTOのような脱け殻に変えられてしまうのだ。

第二。MNCとMNBの支配下に落ちるのは貿易のみならず、この連携協定に加盟する全ての国の経済的、社会的、政治的側面だ。TTIPとTPPに加盟する国々は主権の大半を失うのだ。

第三。二つの大洋横断連携協定に加え、基本計画には、ごく稀にしか触れられることのない三つ目の要素が含まれている。これが新サービス貿易協定(TiSA)だ。

TTIPとTPP協定に調印した全ての国々が、TiSAに参加するものと考えられている。TTIPとTPPはトロイの木馬と見なすことができるが、新サービス貿易協定は、最終的勝利を保障する兵器のように見える。“最終的勝利”とは、主権国家の全廃を意味するものと理解可能だ。

一年半前には、誰もTiSAのことなど聞いたことがなかった。承認待ちの協定に関する情報は、2014年夏、ウイキリークスのウェブサイトにあらわれた。この情報は、TiSAの準備は2012年に始まり、アメリカとオーストラリアが協定の先陣を切っていたことを示している。交渉に参加する国々は次第に増えていった。情報が漏洩された時点で、50か国(28のEU加盟国を含め)合計するとサービス世界貿易のほぼ70%にあたる部分が、既に交渉に参加していた。

TiSAの準備に関して知るべき三つの重要な事実がある。

そもそも、TiSA交渉は、WTOの軌道外で行われている。もちろん、WTOの枠組み内で機能しているサービスの貿易に関する一般協定(GATS)が存在している。サービスの国際貿易上で残っている、多くの未解決の問題を考えれば、GATSを微調整して、対処する方が論理的に見える。しかし、アメリカと同盟諸国は、WTOは自分たちのやり方を束縛すると判断し、そこで、交渉のために、並行する基盤を立ち上げた。これは、歴史が約70年前にさかのぼる組織(GATTは1947年に設置された)の解体を意味する。

次に、ロシア、中国、インド、ブラジルと、南アフリカをTiSA論議に参加するよう招待することを頑強に拒否している。この国々は、このプロジェクトの存在そのものを公式に通知されてもいない。これは実際には孤立化政策であり、つまり、TiSAは協調ではなく、対立を生み出すのが狙いなのだ。バラク・オバマが、アメリカは、中国のような国が世界経済のルールを決めるのを許すことはできないと主張したのにはもっともな理由がある。要するに、こうしたルールは、アメリカが決めるべきだというのだ。

第三: 2014年の夏まで、TiSAの作業は秘密裏に行われていた。もし協定が調印されれば、その内容は、更に五年間秘密にされる。もし調印されなかった場合にも、交渉資料は五年間“機密”の印を押されるべきなのだ。民主主義というゲームはおしまいになる。

欧州委員会(EC)は、EU加盟諸国や欧州議会の承認無しに、EUになり変わって、TiSAを交渉してきた。2014年中頃まで、欧州議会は、TiSA交渉に関して、全く報告を受けたことがなかったが、2014年夏、ウィキリークスによる公表後に盛り上がった深刻な懸念を受けて、国際貿易委員会(INTA)が交渉過程に関心を持った。欧州議会議員ビビアン・レディングが、TiSAに関する報告者に任命された。2015年1月13日の記者会見で、透明性が主要な条件であり、欧州議会と社会団体とNGOが、その過程に関与することを保障する必要があると言って、交渉過程における透明性の完全な欠如に彼女は不満をのべた。ところが、公的な圧力で、EU加盟国は、2015年3月に正式にECに、TiSAに関する交渉を行う権限を与えた。

交渉はジュネーブで行われている。交渉は公式には、2013年3月に始まった。15回の交渉が行われたが、最近では2015年12月に行われ、来る16回目は、2016年2月に予定されている。こうした会合では、アメリカ、EUとオーストラリアが交互に議長を務めている。現在、各交渉後にメモと報道発表が発表されているが、中身皆無の紙っぺらに過ぎない。

TiSAの主要な要素は下記のようなものだ。

そもそもTiSAは、この協定が発効した後、サービス市場におけるゲームのルールは、国民国家ではなく、何らかの超国家組織が決定すると規定している。国家はサービス市場における事業に悪影響を与えるようなあらゆる種類の法律や規制を制定する権利を失うのだ。

第二、TiSAで規定している規制は、商業サービス市場(運輸、観光、接客業、通信、消費者サービスなど)のみならず、国家の最も重要な機能にも影響する。TiSAの用語で、こうしたものは“公共サービス”として知られている。

第三、TiSAは、国家は国民に対するサービス提供を徐々に停止し、この種の活動を私企業に引き渡すべきことを規定している。

ここで、一瞬一歩離れて見てみよう。国民を“公共サービス”の概念に慣らすことができたら(第一段階)、次は第二段階に進み、こうした“サービス”には金を支払わなければならないと国民を説得するのだ。次の第三段階は、国民を“サービス”は、必ずしも国家が提供する必要はなく、私企業の方がより安く、より良い仕事ができると説得するのだ。そして、私企業が住宅や公益事業や、医療、教育や他のサービスを国民に“効率的に”提供する。そして、それが実社会で一体どのように機能するかは我々全員が知っている。

第四、TiSAは、国のサービス市場を、MNCとMNBの参入に全面解放することを要求している。結果として、“公共利益”圏としての国家は衰弱する。

第一に、TiSAは、国家の社会的機能(教育、医療と公益事業)を破壊し、これらは超国家組織に引き渡される。更に、経済の金融部門に対する国家規制も廃絶される。これは主として保険と金融に適用される。かれらも超国家的組織によって規制されなけれはならない。TiSAは金融市場の更なる自由化を要求している(事実2007年-2009年の金融危機が、これが間違いであることを実証したにもかかわらず)。迫り来る金融改革(そして世界統治全体)の最も重要な点は、キャッシュレス経済への完全移行だ。そうすれば、大衆による“サービス消費”を管理するのが容易になる。恩恵を受ける対象からはずれた国民を誰でも“サービス”体制から切り離すことが実に簡単になる。

最終的に、情報サービス(マスコミ、インターネットと図書館)は、特別な注目を受けることになる。TiSAは、各国民を厳しく規制することを要求するが、情報通信技術を利用することで、国民が超国家機関(世界政府)が設定した基準を順守していることを監視することが可能になる。

TiSAは実際は、社会、金融と情報サービスで、国家を私営化する計画だ。でしかし、このプロジェクトで恩恵を受けるのは、世界中の何百万人、何十億人の大衆ではなく、“世界統治”という名目で地球規模の強制収容所を建設している世界的オリガルヒ家族だ。

関係書類を一見すれば、これは金融オリガルヒと金融支配者連中による、世界権力を決定的に掌握する計画であることがわかる。“民主主義”や“人権”や“大企業の社会責任”に関する中身のない論争のための余地はない。あらゆるものが、厳格で、正確で、真剣で、漸進的な動きで、狙った方向に向かっている。このプロジェクトは、ジョージ・オーウェルが彼の小説『1984年』と『動物農場』に書いたものとよく似た新世界秩序への最終的な移行なのだ。金融支配者連中は急いでいる。新サービス貿易協定は、2020年に調印される予定だが、この過程は加速される可能性が高い。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/20/trade-services-agreement-element-global-governance.html
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多国籍企業の走狗である大本営広報部、別名マスコミは、こうした全体像を解説することは決してない。ヨイショやら、煙幕をはることならある。

TiSAが記事 題名にあるものとしては、下記を翻訳した。

TPP問題で活躍しておられるアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子氏、TiSAについても書いておられる。

アジア太平洋資料センター(PARC) (著) 『TiSA(新サービス貿易協定)で暮らしはどうなる!?: ストップいのちの市場化』1,512円が間もなく刊行される。2016/2/15

沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ!日本の医療〉』堤未果著にも、
「TPPより怖いTiSAって何?」という見出しと記事がある。77ページ。

経済学者の伊東光晴京都大学名誉教授が、昨年「毎日」に書評を書いておられる。

伊東光晴・評『沈みゆく大国 アメリカ<逃げ切れ! 日本の医療>』=堤未果・著

余りな賄賂疑惑、TPP自体の論議から目をそらすための毛ばりだろう。red herring

疑惑を追求して辞任させても、TPPが立派なものという偽イメージが残るのでは全く意味はない。TPPの危険性を追求するプロジェクトをこそ立ち上げるべきだ。売国奴のお仲間でないならば。

そこでTPP問題。以下は再掲載。

昨年12月9日に開催された「検証TPP 全国フォーラム」に関する報道、大本営広報部では全く見聞きしたことがない。

フォーラム資料に収録された鈴木宣弘東京大学教授の下記文章を一読すれば、TPPの御利益なるものの実態、それを推進する異常な連中の本性、即わかる。 

隠され続けるTPP合意の真実と今後の対応策

東京大学教授 鈴木宣弘

どこまで国民を欺くのか~TPP合意の政府説明の異常

 米国では、TPP(環太平洋連携協定)の影響試算を出し、それに基づいて議会で議論する手続きと日程が明示されているのに、我が国では、TPP協定の日本語版も国民に示さず、影響試算もいつ出すか曖昧にされたまま、国会決議を守ったと強弁するための国内対策だけが先に示され、しかも、関連団体から要望を聞いたふりをしただけで、対策も半年以上前に決まっていた。政府が考えている以上のセーフティネット政策の必要性を要請項目に挙げた団体には、政権党の幹部が激怒し、役所を通じて、政府が考えている以上のことを要請するなと事前に要請事項の削除を迫るという、信じられない「暴挙」が行われた。
 
6,000ページに及ぶ協定の日本語版がそのうち出されたとしても、その条文の背景説明を求めると、交渉過程は4年間秘密なので説明できないとの回答が返ってくるだろう。そして、どさくさに紛れて批准してしまうという、こんな異常な手続きが「民主主義国家」で進められている。

米国の「草刈り場」日本

 TPP(環太平洋連携協定)が合意に達したとされたアトランタ会合で、日本は、決着することを目的化し、合意のためには何でもする「草刈り場」と化して、他の国が「よくそこまで譲れるね」というほどに譲歩を一手に引き受けた。他の国が医薬品の特許の保護期間などで最後までもめたら、どちらともとれる表現を提案し、火種を残したままでも、とにかく合意した形を作ろうとした(現に、豪州政府の「成果:バイオ医薬品」によると、『重要なことは、この規定は、豪州の現在のバイオ医薬品に関する5年間のデータ保護又は我々の健康に関する制度の他の部分は、一切変更しない、従って医薬品のコストは増大させない」と発表し、米国が反発している(JC総研木下寛之顧問による))。
 日本政府は、自動車での利益確保に、ハワイ会合を決裂させるほどにこだわった(ハワイ会合の「戦犯」は本当は日本だった)のに、アトランタでは、それさえ差し出した。TPP域内での部品調達率が55%以上でないとTPPの関税撤廃の対象とならないとする厳しい原産地規則を受け入れたが、TPP域外の中国やタイなどでの部品調達が多い日本車はこの条件のクリアが難しくなっている。また、米国の普通自動車の2.5%の関税は15年後から削減を開始して25年後に撤廃、さらには、メディアも意図的に報道しなかったが、大型車の25%の関税は29年間現状のままで、30年後に撤廃するという気の遠くなるような内容である。


「農林水産業への影響は軽微のウソ

 農林水産物で「重要品目は除外」と国会決議しながら、重要5品目に含まれる関税分類上の細目586品目のうち174品目の関税を撤廃し、残りは関税削減してしまい、自動車ではほとんど恩恵がないという合意内容で、日本の経済的利益を内閣府と同じGTAPモデルで暫定的に試算してみると、控えめに推定しても、農林水産物で1兆円、食品加工で1.5兆円の生産額の減少が生じる一方、自動車でも、むしろ生産額の減少が生じ、全体で日本のGDP(国内総生産)は、わずか007%しか増加しない可能性がある。

表1TPP「大筋合意」の日本経済への影響の暫定試算

                   「大筋合意」    全面関税撤廃
GDP増加率               0.069%    0.184%
GDP増加額               0.5兆円    1.3兆円
農林水産生産増加額    ▲1.0兆円    ▲2.1兆円
食品加工生産増加額    ▲1.5兆円    ▲2.1兆円
自動車生産増加額        ▲0.4兆円    2.8兆円

資料:GTAPモデルによる東大鈴木研究室試算。


関税、輸入制度、原産地規則等の変更に伴う影響を試算したもの。内閣府が算入した「生産性向上効果」(価格下落と同率で生産性が向上)及び「資本蓄積効果」(GDP増加と同率で貯蓄が増加)は未考慮(GTAPモデルは国産品に対する輸入品の代替性を低く仮定しているため、関税撤廃の影響は過小評価傾向になることに留意「大筋合意」内容を暫定的に組み込んだ試算で確定値ではないことに留意。

政府は農林水産業への影響は軽微であるとし、国内対策を少し行えば、国会決議は守られたと言えると主張しているが、内閣府のモデルでも少なくとも1
兆円の損失が見込まれるのを軽微とは言えない。そもそも、政府は、前回、関税撤廃された場合の生産減少額として、鶏肉990億円、鶏卵1,100億円、落花生100億円、合板・水産物で3,000億円と示し、これだけでも5000億円を超えていた。今回は、同じ品目が全面的関税撤廃という同じ条件なのに、「影響は軽微」という説明は、まったく説明がつかない。またV現在の輸入先がTPP域外だから関係ないというのは間違いで、関税撤廃で有利になったTPP域内国からの輸入に置き換わる可能性(貿易転換)があることこそがFIA(自由貿易協定)なのである。
 すべては、「TPPはバラ色」との政府見解に合わせて「影響は軽微」だから、この程度の国内対策で十分に国会決議は守られた」というための無理やりの説明である。コメについては備蓄での調整のみ(しかも5→3年と短縮)、牛豚肉の差額補填の法制化と豚肉の政府拠出の牛肉並みへの増加、生クリームを補給金対象にする、などの対策は、牛豚肉の赤字の8割補填から9割に引き上げる点を除いて、TPP大筋合意のはるか半年以上前に決まっていた。TPPの農産物の日米合意と「再生産可能」と言い張るための国内対策はとっくの昔に準備されていて、あとは「猿芝居」だったのである。

「踏みとどまった感」を演出した「演技」

 牛肉関税の9%に象徴されるように、今回の主な合意内容は、すでに、昨年4月のオバマ大統領の訪日時に、一部メディアが「秘密合意」として報道し、一度は合意されたとみられる内容と、ほぼ同じだ。つまり、安倍総理とオバマ大統領は、昨年4月に、実は、寿司屋で「にぎっていた」のである。
 
そのわずか2週間前に日豪の合意で、冷凍牛肉関税を38.5%→19.5%と下げて、国会決議違反との批判に対して、19.5%をTPPの日米交渉のレッドラインとして踏ん張るからと国民に言い訳しておきながら、舌の根も乾かぬうちに9%にしてしまっていたのであるから、恐れ入る。
 その後は、双方が熾烈な交渉を展開し、必死に頑張っている演技をして、いよいよ出すべきタイミングを計っていただけの「猿芝居」だったのだ。フロマンさんと甘利さんの徹夜でフラフラになった演技はすごい。「これだけ厳しい交渉を続けて、ここで踏みとどまったのだから許してくれ」と言い訳するための「猿芝居」を知らずに将来不安で悩み、廃業も増えた現場の農家の苦しみは、彼らにとってはどうでもいいこと。いかに米国や官邸の指令に従って、国民を騙し、事を成し遂げることで自身の地位を守るのがすべてなのである。
そもそも、3.11の大震災の2週間後に「これでTPPが水面下で進められる」と喜び、「原発の責任回避に「TPP」と言い、「TPPと似ている韓米FTAを国民に知らせるな」と箝口令をしいた人達の責任は重大だ、このような背信行為に良心の呵責を感じるどころか、首尾よく国民を欺いて事を成し得た達成感に浸っている。すべてがウソとゴマカシで塗り固められている。

「TPPがビジネス・チャンス」のウソ

 日本が、ここまでして合意を装いたかったのはなぜか。アベノミクスの成果が各地の一般国民の生活には実感されないのを覆い隠すため、TPP合意発表で明るい未来があるかのように見せかけようとした側面もある。しかし、ビジネス拡大のバラ色の世界が広がるかのように喧伝されているが、TPPがチャンスだというのはグローバル企業の経営陣にとっての話で、TPPで国民の仕事を増やし賃金を引き上げることは困難である。冷静に考えれば、ベトナムの賃金が日本の1/36という下での投資や人の移動の自由化は、日本人の雇用を減らし、賃金を引き下げる。端的に言うと、グローバル企業の利益拡大にはプラスで、中小企業、人々の雇用、健康、環境にはマイナスなのがTPPだ。

「健康と環境は訴えられない」のウソ

 特許の保護期間の長期化を米国製薬会社が執拗に求めて難航したことに、「人の命よりも巨大企業の経営陣の利益を増やすためのルールを押し付ける」TPPの本質が露呈している。グローバル企業による健康・環境被害を規制しようとしても損害賠償させられるというISDS条項で「濫訴防止」が担保されたというのも疑問だ。タバコ規制は対象外に(カーブアウト)できるが、その他は異議申し立てしても、国際法廷が棄却すればそれまでである。健康や環境よりも企業利益が優先されるのがTPPだ。

「消費者は利益」のウソ

 消費者の価格低下のメリットが強調されているが、輸入価格低下の多くが流通部門で吸収されて小売価格はあまり下がらない。さらには、日本の税収40兆円のうち1割程度を占める関税収入の大半を失うことは、その分だけ消費税を上げるなどして税負担を増やす必要があることになり、相殺されてしまうのである。
 さらには、米国などの牛肉・豚肉・乳製品には、日本では認可されていない成長ホルモンなどが使用されており、それが心配だと言っても、国内で生産農家がいなくなってしまったら、選ぶことさえできなくなる。

「食の安全基準は守られる」のウソ

 食品の安全性については、国際的な安全基準(SPS)の順守を規定しているだけだから、日本の安全基準が影響を受けないという政府見解も間違いである。米国は日本が科学的根拠に基づかない国際基準以上の厳しい措置を採用しているのを国際基準(SPS)に合わさせると言っている。例えば、「遺伝子組み換え(GM)でない」という表示が消費者を「誤認」させるとして、「GMが安全でない」という科学的根拠が示せないならやめろと求められ、最終的には、ISDS条項で提訴され、損害賠償で撤廃に追い込まれることも想定しなくてはならない。
 それらを隠して、「TPPはバラ色」と見せかけ、自身の政治的地位を少しでも長く維持するために、国民を犠牲にしてでも米国政府(その背後のグローバル企業)の意向に沿おうとする行為は容認できない。

米国の要求に応え続ける「底なし沼」

 農産物関税のみならず、政権公約や国会決議で、TPP交渉において守るべき国益とされた食の安全、医療、自動車などの非関税措置についても、軽自動車の税金15倍、自由診療の拡大、薬価の公定制の見直し、かんぽ生命のがん保険非参入、全国2万戸の郵便局窓口でA社の保険販売、BSE(牛海綿状脳症)、ポストハーベスト農薬(防かび剤)など食品の安全基準の緩和、ISDSへの賛成など、日本のTPP参加を認めてもらうための米国に対する「入場料」交渉や参加後の日米平行協議の場で「自主的に」対応し、米国の要求が満たされ、国民に守ると約束した国益の決議は早くから全面的に破綻していた。
 
しかも、『TPPとも米国とも関係なく自主的にやったこと」とうそぶきながら、結局、TPP合意の付属文書に、例えば、「両国政府は、①日本郵政の販売網へのアクセス、②かんぽ生命に対する規制上の監督及び取扱い、③かんぽ生命の透明性等に関してとる措置等につき認識の一致をみた。」などの形で前言がうそだったこと、国会決議違反を犯したことを平然と認めているのが、なんとも厚顔無恥である。国民を馬鹿にしているとしか言いようがない。
 さらには、米国投資家の追加要求に日本の規制改革会議を通じて対処することも約束されており、TPPの条文でなく、際限なく続く日米2国間協議で、日米巨大企業の経営陣の利益のために国民生活が犠牲になる「アリ地獄」にはまった。

説明責任を果たさずしての批准はあり得ない

 米国では批准が容易でない状況にある。米国議会がTPA(オバマ大統領への交渉権限付与)の承認にあたり、TPPで米国が獲得すべき条件が明記されたが、通商政策を統括する上院財政委員会のハッチ委員長(共和党)がTPP合意は「残念ながら嘆かわしいほど不十分だ」と表明し、このままでは議会承認が難しいことを示唆し、再交渉も匂わせている。
ハッチ氏は巨大製薬会社などから巨額の献金を受け、特に、間、ISDSからタバコ規制が除外できることなどを問題視している。次期米国大統領の最有力候補のヒラリー・クリントンさんはじめ、労働者、市民、環境を守る立場から与党民主党はそもそも反対である。「巨大企業の経営陣の利益VS市民生活」の構造だが、双方から不満が出ている。米国議会批准のために水面下で日本がさらに譲歩することが懸念される(もうしている模様)。
 農業について、政府は「規模拡大してコストダウンで輸出産業に」との空論をメディアも総動員して展開しているが、その意味は「既存の農林漁家はつぶれても、全国のごく一部の優良農地だけでいいから、大手企業が自由に参入して儲けられる農業をやればよい」ということだ。しかし、それでは、国民の食料は守れない。食料を守ることは国民一人ひとりの命と環境と国境を守る国家安全保障の要である。米国では農家の「収入―コスト」に最低限必要な水準を設定し、それを下回ったときには政府による補填が発動される。農林漁家が所得の最低限の目安が持てるような予見可能なシステムを導入し、農家の投資と増産を促し輸出を振興している。我が国も、農家保護という認識でなく、安全保障費用として国民が応分の負担をする食料戦略を確立すべきである。
 TPPに反対してきた人や組織の中にも、目先の自身の保身や組織防衛に傾き、条件闘争に陥る人もいるだろう。しかし、それでは国民は守れないし、現場で頑張っている地域の人々や農家に示しがつかない。結局、組織も見放される。現場の人々ともに、強い覚悟を持ち、食と農と暮らしの未来を切り開いていくために主張し続ける人たちが必要である。
食料のみならず、守るべき国益を規定した政権公約と国会決議と整合するとの根拠を国民に示せない限り、批准手続きを進めることは許されない。

【特集】IWJが追ったTPP問題

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

TTP関係記事を多数翻訳している。主要な記事のリストは下記。

TPP関連主要記事リスト

2016年1月25日 (月)

トルコの海外軍事基地と、安定性に対する脅威

Wayne MADSEN
2016年1月21日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

少なくとも3つの海外軍事基地を建設するというトルコの発表を、アメリカ合州国とNATOは、不安な目で見ることをせずに、アンカラの動きは安定化への貢献だとして歓迎した。これほど真実から程遠いことはない。シリアとイラクでは、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)、アルカイダのヌスラ戦線、リビアでは、アンサール・アル-シャリア、エジプトとチュニジアでは、ムスリム同胞団などのテロ集団に対する支援のあらゆるところに、トルコの二枚舌の指紋がある。

アドルフ・ヒトラーを称賛するトルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンが、カタール、ソマリア、ジョージア共和国と、アゼルバイジャンに軍事基地を建設するという計画は、トルコのより攻撃的な、新オスマン対外・軍事政策に沿っている。トルコはトルコ海軍の存在感を紅海やインド洋にまで拡張する、初めての航空母艦も建造中だ。

トルコがジョージア共和国に基地を建設するという発表は、3000人のトルコ軍が駐留する、カタール国内と、トルコが既にモガディシュ港を、20年契約で運営しており、キスマヨ港運営も乗っ取ることを計画している破綻国家ソマリア国内での軍事基地計画をトルコが発表した後に行われた。

ジョージア国内のトルコ軍事基地と、将来の可能性として、おそらくは、アルメニアとトルコ間の飛び地ナヒチェバンへのアゼルバイジャン国内トルコ基地計画が、ジョージアのジャヴァフクとツァルカ地域の主としてアルメニア系住民を、ジョージアからの分離とアルメニア併合を検討するよう駆り立てた。この地域のアルメニア人は、二十世紀初期のトルコによるアルメニア人虐殺の記憶をずっと忘れずにいるのだ。

ジョージア領内へのトルコ基地という提案は、ジョージアの首都トビリシでの、トルコと、ジョージアと、アゼルバイジャン国防大臣の会合で議論された。ナヒチェバンのトルコ基地は、アルメニアの懸念を引き起こすのみならず、ISILや他のスンナ派聖戦集団とトルコのつながりを警戒しているイランにも不安をいだかせよう。

過去に、エルドアンは、アルメニアに対する、アゼルバイジャン国粋主義を煽ったことがある。2010年、エルドアンは“トルコとアゼルバイジャンとNAR(ナヒチェバン自治共和国)の間の軍事協力は、我々の関係における重要な要素の一つだ”と述べた。トルコ連絡将校が、もう長い間、既にナヒチェバンで運用しているアゼルバイジャン国内の軍事基地に駐留していると思われている。チェチェン共和国、イングーシ共和国、カラチャイ-チェルケス共和国や、ダゲスタン共和国などでのように、分離主義がトルコ自身のイスラム主義の狙いを達成する場合を除けば、トルコ自身が、クルディスタンの自治あるいは独立というあらゆる考え方に対して戦っているので、カフカス地域の分離主義者にとって、トルコは天敵なのだ。

アンカラは、駆け出しのソマリア国軍将校団を訓練するという公式任務で、トルコが軍事基地を予定しているソマリアの中心にいる分離主義者をも脅かしている。

ソマリアにおける、トルコ軍による最初の犠牲者は、独裁者モハメド・シアド・バーレの残虐なソマリア政権から分離した1990年以来、平和的ながら、承認をされていない国家として存在している、事実上独立しているソマリランド共和国かも知れない。トルコは、ソマリランドとソマリアを仲裁しようとしたとされているが、分離主義者に対するトルコの攻撃的な態度は、ソマリランドのみならず、ソマリア、プントランド、ジュバランドなどを含む他の分離主義地域でも、良く知られている。これがソマリア国内のトルコ軍部隊にとって最初の標的だろう。

駐ソマリア・トルコ大使オルガン・ベカルが、プントランドを初めて訪問したのは、2014年で、そこでアブディウェリ・モハメド・アリ大統領と会った。2015年アダドにあらたにでっちあげた中央国の発足式典にベカルは出席した。ベカルは大使の役割を放棄し、ソマリア駐留オスマン帝国総督役を演じているように見えた。会談の主題は、連邦化したソマリアへのプントランドの再統合だった。2015年、トルコ財界代表団が、ベカルの支援を得て、戦略的に重要な港キスマヨがあるジュバランドを訪れた。

アリ大統領の前任者、アブドゥルラフマン・モハムード・ファロレ・プントランド大統領は、ガルムドゥグ大統領のモハメド・アフメド・アリンとともに、2012年に、イスタンブールで開催されたソマリア和平会議から降ろされた。二人の地域指導者は、会議は“ソマリア人が運営”するものではなく、トルコには下心があると述べた。ソマリア国内のトルコ基地設置が発表された今、二人の指導者が正しかったことが証明された。

ソマリアの自治区を従属させた後、トルコは、トルコの陰謀用の“トロイの木馬”としてうってつけな大多数がイスラム教徒のオロモ人がいる、キリスト教徒が多数派のエチオピア、イスラム教の沿岸地域と、キリスト教内陸部との間で分裂が激化しているケニヤ、ザンジバルや、イスラム教でも穏健なイバディ派が多数派のタンザニアの分離主義志向地域に目を向けるだろう。イスラム主義過激派に直面しているキリスト教徒が多数派の国々、特にアルメニア、エチオピアやケニヤとって、トルコ自身既に重大な脅威になっている。

トルコは、シーア派が多数派のイランや、イバディ派が多数派のオマーンなどの非スンナ派諸国にとっても脅威だ。それゆえ、トルコは、ペルシャ湾におけるイランとオマーンの権益に圧力をかけることが可能なカタールに巨大軍事基地を構築する。

海外での軍事的存在を拡張するというトルコのあらゆる動きで、アンカラはNATOとアメリカ合州国の全面的支援を受けている。ジョージアとアゼルバイジャンへのトルコ進出は、NATOによる奨励無しには不可能だ。カフカスにおける、NATOの主な狙いは、ロシアを孤立化させ、アブハジア、南オセチアなどの独立志向の共和国や、アゼルバイジャン国内のアルメニアの飛び地、ナゴルノ・カラバフに直接圧力をかけることだ。ソマリアにおける、トルコの軍事的冒険主義は、アフリカにおけるアメリカ軍のあらゆる作戦を監督する、常駐アメリカ・アフリカ司令部(AFRICOM)の支援を受けている。そしてまた、カタールでは、トルコ基地は、中東で最大のアメリカ軍基地、アメリカの巨大なアル・ウデイド空軍基地に共存するのだ。

地域超大国になろうとするトルコの計画は、カタール、ソマリア、ジョージアとアゼルバイジャンの基地で止まるのだろうか? エルドアンと公正発展党の汎テュルク主義の欲求から、ヨーロッパ、中央アジアや北アフリカにも更にトルコ基地ができるかも知れない。アルバニアとの合意のもと、トルコ海軍は、パシャ・リマン基地としても知られているヴロラ海軍工廠を利用する権利を有している。イスラム教徒のアルバニア人やボシュニャク人のために、トルコ軍と諜報機関が、ボスニア-ヘルツェゴヴィナ、コソボ、アルバニアと、マケドニアに関与したことは、イスラム教徒の緊張を煽り立てたことを含めて、良く知られている。

トルコは、トルクメン人と、スンナ派部族の代理軍を利用して、イラクのクルディスタンと、シリア国内で、軍事基地を運用している。更に、トルコは“北キプロス・トルコ共和国”として知られている、トルコ以外のどの国からも、国家承認を受けていない分離主義者の組織、北キプロスで、軍事基地を長年運営している。

トルコが、キプロスとマケドニアのイスラム教分離主義運動を支援し、シリアとイラクのクルド人集団や、アフリカの角のソマリア人集団や、ジョージアのアルメニア人集団と戦うことを選んだことが、アンカラにあだとなって返ってくる可能性がある。トルコ共和国は、分離主義と無縁どころでなく、トルコ・クルディスタンから、かつてのアッシリアや、アルメニアの土地や、トルコ東部のラジスタン、トルコ地中海沿岸の元ギリシャ人の土地や、東トラキア、コンスタンチノープルを含むトルコ西部に到るまで、エルドアンと彼のとりまきの汎テュルク主義政権に対し、外部勢力が分離主義を利用するのに十分な空間があるのだ。トルコは、エルドアンのような実力者の世話になって統一されているトルコ共和国などというものとほど遠く、様々な民族と宗教で構成されている砂上の楼閣だ。アテネや、エレバン、モスクワ、ベオグラード、スコピエ、テヘラン、ハルゲイサや、アジスアベバから強い突風が吹きさえすれば、クルド人がもたらしているものを遥かに越える、自前の民族や宗教的国粋主義の勃興に対処すべく、汎テュルク主義政権の軍隊を帰還させるのに十分だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/21/turkey-foreign-military-bases-and-their-threat-to-stability.html

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ユーラシア大陸の東端と西端で、忠実な属国両国は大活躍。

Record China 2016年1月23日
中国を包囲する米軍基地群、日韓だけで181拠点も―中国メディア

その一端が宜野湾市長選挙にもあらわれている。残念な結果になったが『日本にとって沖縄とは何か』を読み始めた。帯には「これはあなた自身の問題である」とある。

故小松裕教授の『「いのち」と帝国日本』を読み返していて105年前の出来事を思い出した。

1911年1月24日 幸徳秋水ら11名が、大逆罪で処刑された。
1911年1月25日 管野スガが、30歳で、大逆罪で処刑された。

アベコベの典型・先例。

処刑する側が滅亡していれば、今の永久属国日本はなかったかも知れない。

反戦平和と持続可能な文明を主張した田中正造のような政治家が多ければ、日本中が原発だらけになることもなかったろう。

宗主国やそれを操る大資本のために、戦争法案を推進し、憲法を破壊して、理不尽な侵略戦争や、代理戦争のためにむざむざ日本人が死んでいったり、苦難をあじあわされたりすることにはならなかったろう。

「いのち」と帝国日本』霧社事件の記述で終わる。映画『セデック・バレ』が扱った事件。

小松裕教授、「小国自立」という穏やかな代案を選び損ねたこと、そして、今も選びそこねていることをおっしゃりたかったのではと思わせる。

小松裕教授の著作何冊か拝読した。圧巻は『田中正造の近代』。大作。無職の身にはつらい価格だが、さりとて図書館から借り、重要部分を書き写して返す本とも思われない。

属国状態を確定するための経済的、法律的仕組みであるTPPについて、大本営広報は、推進担当者の賄賂疑惑情報しか報じない。

15人の若い命が奪われたバス・事故、具体的原因究明は必要だろうが、背後にある、規制緩和の行き過ぎ、今だけ、自分だけ、お金だけの体制、政権による新自由主義政策という根本原因・巨悪には決して触れない。もっぱら個人や経営者の責任だけ追求する偽善茶番。

1億人以上の国民が、ほぼ永遠に、国家ではなく、多国籍巨大企業が支配する世界で暮らすようになるTPP体制の深刻な問題には意図的に触れない。

    • 大本営広報関係者の皆様のIQが信じられないほど低いのか
    • 大本営広報関係者の皆様が多国籍巨大企業の走狗であるのか

のいずれか。

電気洗脳箱の放映時間と、紙媒体の記事面積、問題の重要さとは常に反比例する法則がある。

かろうじて日刊ゲンダイだけが、彼氏が大活躍したとされるTPP交渉の実態に触れているようだ。ネットから引用させていただこう。

「格違い」と持ち上げられるゴロツキ政治家の素性
身を覆う政治家の劣化の象徴

TPP交渉だって甘利は担当大臣として、目ぼしい成果を挙げたのか。秘密交渉の内容をリークしてくれた恩義でもあるのだろうか。大マスコミは「タフネゴシエーター」などと、やたら甘利を持ち上げるが、合意過程はベタ降りの連続。「聖域」だった重要5品目を守り切れなかった。

TPP参加国のGDPの8割を占める日米2国間交渉では、5項目のうち牛・豚肉は関税の大幅引き下げで決着。安い麦や乳製品の輸入も拡大し、コメも無関税で輸入できる特別枠(年7万トン)を設けた。その見返りに日本が手にするのは、現行たった2・5%の自動車部品の関税撤廃程度。自動車関連企業だけが、ホンの少しの恩恵を得られるに過ぎない。

【特集】IWJが追ったTPP問題

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

2016年1月24日 (日)

連中が我々に言うのはウソばかり。

Paul Craig Roberts
2016年1月22日

イギリス政府の調査が、ロシアのプーチン大統領が ポロニウムによるアレクサンドル・リトビネンコ毒殺を“おそらく承認した”と結論をだした。http://www.informationclearinghouse.info/article44002.htm

憶測に対して出された証拠が皆無なのだから、十年前に起きた未解決の事件に関するこの報告は、MH-17や“ロシアのウクライナ侵略”に関するウソと同様、プーチンを悪魔化するために、欧米が利用しているウソの一部だ結論することができる。

リトビネンコの弟も父親も“ロシア当局が関与していないと確信している。全てロシア政府に圧力をかけるためにでっち上げられたものだ”と語っている。弟のマクシム・リトビネンコは、イギリスの報告を、プーチン中傷だと片づけた。https://www.rt.com/news/329804-litvinenko-brother-britain-murder/

そういうことだ。

“わが”政府は、経済と戦争に関してだけウソをついているのではなく、文字通りありとあらゆること関してウソをついている。例えば、皆様はルワンダ虐殺を覚えておられるだろうか?我々が聞かされた話は、真実と真逆だった。現在では、虐殺の犯人は、ルワンダ大統領ポール・カガメだ。http://www.globalresearch.ca/rwanda-the-enduring-lies-a-project-censored-interview-with-professor-ed-herman/5502707

欧米政府やマスコミは彼の犯罪を隠蔽し、彼のことをルワンダを救った偉大な人道主義者で、国民に完全に支持されていると称賛した。カガメは、ヒトラーとスターリンとポル・ポトを合わせたよりも酷い独裁主義者だったというのが真実だ。彼は、ルワンダを、恐怖に支配された心理的監獄に変えてしまったのだ。ルワンダで、ジャーナリスト養成所を経営していたジャーナリスト、アンジャン・サンドラムが、カガメによる、ルワンダにおける、あらゆる真実や、あらゆる自立した思考の破壊を詳細に描き出している。ダブルデイ社から刊行されたばかりの著書『悪いニュース: 独裁制の中の最後のジャーナリスト』で、欧米の共謀も得た上で、ルワンダ人が、ジョージ・オーウェルの『1984年』の主人公ウインストン・スミス以上に、心理的に支配されるようになったのか、身の毛のよだつような詳細をサンドラムは書いている。

カガメは、ルワンダにおけるあらゆる自立した発想の表現を抹殺するために、支持者たちを、殺し、脅し、賄賂をし、粛清した。実際、ルワンダでは、人々は行方不明になっている。人々は国家にとけこまされている。サンドラムは、ウインストン・スミスのように改造されつつあるルワンダ人との会話を報告している。この人物は、サンドラムにこう語る。“この国では、一体国はどこで終わるのか、我々がどこから始まるのかわかりません。私自身が、一体どこから始まるのかがわからなければ、私には何の価値もありません。私には何の権利もありません。我々は個人ではありません。我々は国家の代理人です。”

二十世紀中、欧米がわめいた、いかなる全体主義も、ここまでひどくはなかった。どこにでも抵抗運動があった。ヒトラーの幹部将校さえ、彼を倒そうと策謀した。ソ連や毛沢東の中国には、共産党幹部を含めて反体制派がいた。だがルワンダでは、反対するという概念さえもが抹殺されている。

『悪いニュース』を読んでいると、アメリカの類似性を思いおこす。ルワンダでは、判決は法律によってではなく“権力側の言葉で決まる。単なる言葉が、そこまでの権限を獲得するのだ”。これは、裁判や有罪判決無しでの、アメリカ国民の無期拘留や暗殺という結果をもたらす、アメリカ大統領の単なる言葉を思いおこさせる。自立したジャーナリズムを弾圧したルワンダとよく似た国家が、欧米ジャーナリズムの服従を獲得したのだ。金による賄賂と、仕事にありつく可能性の脅しが使われる。首にされ、ジャーナリストとして雇ってもらえなくなる恐怖が使われるのだ。時には、自動車が突然スピードを上げ、高速で衝突したアメリカ人ジャーナリストの未解決の事件のように、おそらく殺害すらも利用されている。別のアメリカ人ジャーナリストは禁固刑にすると脅された。

アングロ-シオニスト帝国が“イディ・アミンの5倍以上もの人々を殺害した”虐殺主義者、カガメを支持してきたという憂慮すべき事実は、おそらく、アングロ-シオニスト帝国が我々に対して一体何を考えているのかを示唆しているだろう。http://www.globalresearch.ca/rwanda-the-enduring-lies-a-project-censored-interview-with-professor-ed-herman/5502707

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/22/they-tell-us-nothing-but-lies-paul-craig-roberts/
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宗主国支配層の言動は、そのまま、属国支配層の言動と、わかるコラム記事。

属国大本営広報部は、宗主国支配層に不都合な真実は決して書かないので、日本語のネット記事を探しても、同じような意見の記事は見当たらない。

カガメについての記事、藤永茂氏のブログ『私の闇の奥』で拝読したのみ。たとえば下記。

Paul Craig Roberts氏のこの意見に対応する文章を、岩波新書『日本病 長期衰退のダイナミクス』金子勝・児玉龍彦著の110ページの見出しに見た気がする。

属国傀儡支配者は、差配として、宗主国支配層・大企業のために、自国民を搾取して、儲ける身分を維持するには、宗主国支配者の命令をそのとおり実施するしかない。
逆らえば、田中角栄の運命が待っている。宗主国から賄賂を暴露される。賄賂は、はじめから、しかけられているのだ。あるいは、不思議な死が待っているだろう。

もはや嘘の上塗りしかない

そして、111ページには、こうある。

しかも第二章で見たように、アベノミクスは完全に失敗しているために、安倍首相は息を吐くように嘘をつくようになっている。これほど公然と嘘をつき、公約を軽んじている首相は珍しい。

ウソではない政治を志す人々、そしてそれを報じる大本営広報部ではない自立した組織の記事。明日はどうなるのだろう。

忍び寄る軍国主義を受け入れるか、はねのけるか――安倍政権と市民の「代理戦争」宜野湾市長選の選挙戦は残り1日!かつてないほど、結果の見えない選挙に

2016年1月23日 (土)

テロリストを支援していると非難して、チョムスキー、エルドアンに反論

公開日時: 2016年1月14日 21:33


トルコ大統領タイップ・エルドアン(左)とノーム・チョムスキー Stringer / ロイター

傑出したアメリカ人言語学者で哲学者、ノーム・チョムスキーは、アンカラのクルド人に対する軍事作戦に抗議する公開書簡に署名したことで、彼を“未開”で“植民地根性”の持ち主だと非難したトルコのレジェップ・エルドアン大統領を激しく非難した。

この論争を引き起こしたのは、トルコ人学者と、ノーム・チョムスキーや、イマニュエル・ウォーラーステインを含む世界中89の大学の外国人学者約1,128人が署名したトルコ指導者宛て公開書簡だ。書簡は先月“我々はこの犯罪の一員にはならない”という題名で公開された。

クルド人が居住するトルコの南東部におけるアンカラの軍事作戦に対する学者たちの批判がエルドアンを激怒させ、彼は特にチョムスキーを激しく非難したのだ。

“わが国の駐米大使に、テロ組織に対するトルコの作戦に関して声明を出したチョムスキーを招待させよう”と、月曜日に始まったトルコ大使の第8回年次会議で、エルドアンは述べた。チョムスキーをクルド地域で“もてなそう”と彼は申し出た。

“私がトルコに行くと決めるのは、彼に招待されてではなく、以前によくあったように、長年過酷な攻撃を受けているクルド人を含む、多数の勇気ある反体制派の人々の招待による”チョムスキーはエルドアンの提案に電子メールで答え、ガーディアンに語った。

哲学者は、偽善と、テロに対して二重基準を適用し、テロ組織をあからさまに支援していることでも、トルコ指導者を非難した。

“トルコは、ほとんど違いの無いヌスラ戦線も支援しながら、エルドアンが様々な方法で支援しているISISを[イスタンブール攻撃をしたと]非難しています。彼は更に、シリアとイラク両国でのISISに対抗している主要地上部隊であるクルド人に対する彼の犯罪を非難する人々に対し、長い攻撃演説をしました。これ以上コメントする必要があるでしょうか?”と彼は述べた。

公開書簡は、トルコ当局に、トルコ南東部での“虐殺と大量殺りく”を止め、クルドの町や都市への包囲を解くことを要求し、同時に、自国民に対し戦争をしかけていると、エルドアンを非難した。

“現在の自ら招いたトルコの危機の責任は、もっぱら、クルド人を… トルコ大統領による至上の支配を確立する彼の計画に対する障害物と見なしているエルドアンの責任である”と公開書簡にある。

“南東部における彼らの共同体を包囲し、トルコは事実上自国民に宣戦布告をしている。この現在の危機はでっち上げられたものであり、全く不要なものだ。これはまたしても、エルドアンが、ひどく対立を生む勢力であることを実証している”とも述べている。

エルドアンは、月曜日の演説で、トルコ南東部における人権侵害は、国軍ではなく‘テロリスト’がおかしたものだと主張して、署名した人々を強く批判した。

“自らを学者だと称するこの群衆は、国を声明で非難している。それだけでなく、彼らは進展を監視するよう、外国人まで招いている。請願に署名したトルコ人学者を“反逆罪”をおかしていると非難して、これは植民地根性だ”と彼は述べた。

“あなた方は本当に見識のある人々ではなく、未開だ。あなた方は知識人とはほど遠い。あなた方は無知で未開で、東も南東部も区別できないのだ。我々は、自宅の住所を知っているのと同様に、こうした場所のことを知っている”と彼は怒りをあらわにした。

トルコ高等教育評議会(YOK)も請願を非難し、トルコ人署名者に対し法的手段をとることを約束した。

“テロに対し、わが国が南東部で続行中の戦いを‘虐殺と大量殺りく’と表現する学者集団が発行した書簡が、わが国のあらゆる学問世界が疑われるようにしてしまった”とYOKの声明にある。

トルコ軍と、アンカラによって非合法化されているクルド労働者党(PKK)のクルド戦士の衝突は、トルコ当局が、南東部での治安作戦の際に殺害されている人々はPKKメンバーだったと主張して、昨年7月以来続いている。

しかしながら、ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、弾圧時に、100人以上の一般市民も殺害されたという。

現地住民による解除の再三の要求にもかかわらず、トルコ当局の治安上の配慮から、いくつかの南東部の町に、外出禁止令が課されている。

トルコ人権財団(HRFT)によれば、外出禁止令が課されて以来、29人の女性と、32人のこどもと、24人の高齢者を含め、少なくとも162人の一般市民が死亡した。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/328997-chomsky-erdogan-aid-terrorists/
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Russia Todayの元ページには、更に多数の写真がある。ご確認願いたい。

ブログ私の闇の奥『トルコのエルドアン大統領の犯罪』を拝読して、翻訳途中になっていたこの記事を思い出したもの。

Russia Todayには下記の最新記事(動画・静止画)がある。エルドアン、チョムスキーいずれの主張を、皆様信じられるだろう。

白旗を振るクルド人たちへの銃撃を撮影した画像(残酷な動画)

公開日時: 2016年1月22日 10:37
編集日時: 2016年1月22日 11:02

エルドアンと仲良しの彼が、死生方針、息をするようにウソ作文を読む能力にはかなわない。
意味しているのは、言っていることと100%逆。正しい日本語に翻訳しないと真意理解不能。

一億総カモ化
一億総兵士化
一億総被曝

日本経済復活の条件 金融大動乱時代を勝ち抜く極意』植草一秀著 196-198ページにこうある。

民を滅ぼし、国を滅ぼす成長戦略

「一億総動員」と「一億総棄民」が「新三本の矢」の正体だ。

大資本の走狗が推進するTPPで、庶民生活が良くなる理由などあるわけがないだろう。

言いたいことだけいって、都合が悪いことになると、とぼけて逃げる。

超重要!!【国会ハイライト】ついに国会で緊急事態条項の危険性が取り上げられる! 緊急事態条項は「ナチスドイツの国家授権法と全く一緒だ」福島議員が追及! なんと安倍総理は中身について答弁せず逃走!

電気洗脳箱は、しつこくスキーバス事故だけ追求する。追求するなとは思わない。

国民に深刻な影響を与えるTPPを真面目に扱うことは支配層に禁じられているのだ。

日本経済復活の条件 金融大動乱時代を勝ち抜く極意』植草一秀著 138ページに、こうある。

TPPの実態は、グローバル強欲巨大資本の際限のない利益の追求、収奪を全面援護する、強制力のある経済諸制度の確立であって、その内容をまったく説明せずに、賛美だけするのは、一種の売国行為である。戦時下の戦争推進、戦争礼賛の報道とよく似ている。

阿呆陀羅経をきくより真摯な対談をきく(拝読する)方が精神衛生に良いだろう。たとえば、

樋口健二氏&アーサー・ビナード氏 コラボトーク講演会

個人的には、八王子の市長選挙が気になっている。

2016/01/17 「八王子には空襲の悲しい歴史がある」五十嵐候補が安保法廃止を訴え!石森候補応援弁士は「八王子に安保法反対と言っている“あんぽんたん”が住んでいる」と有権者を侮辱!? 市長選で舌戦!

このブログも「あんぽんたん」なのだろう。

2016年1月22日 (金)

もはや機能しないロシアの赤の恐怖

Finian Cunningham

2016年1月19日
"Sputnik"

アメリカとイギリス政府は、クレムリンがヨーロッパの政党やマスコミに工作員を潜入させているという大げさな主張で、ロシアを悪魔化する更なるマスコミ・キャンペーンを開始した。卑劣なロシアの狙いは、欧州連合を破壊することだと我々は教えられたのだ。

ウクライナと"新ヒトラー、プーチン"に関するこの脅し作戦の別バージョンを我々は見てきた。だが、このあくびを誘うような行動は、かつて支配者たちが持っていた欧米の大衆に対する魔法が、もはや機能しないことを実証している。欧米プロパガンダという阿片は、効力を失ったのだ。

ロシアは気にすることなどない。ワシントンの無謀な政策への意気地のない追随ゆえに、EUは、その現在のストレスや緊張を、自分以外の誰にも責める相手はいないのだ。

冷戦終結とソ連解体から25年後、ワシントンとロンドンの忠実な助手は、自国民を、恐ろしい物語で支配することができていた"古き良き時代"に、時計を必死に逆転させようとしている。

欧米当局が、自国民を、恐怖心と、"ロシア人がやってくる"という不安から動員した"潜入している共産主義者"、"赤の脅威"、"悪の帝国"等々、人を脅すために使い古された悪い子をさらう鬼のお話を想起願いたい。

今振り返ると、そうした脅し戦術をしたのに、この欧米の洗脳作戦がまんまと逃げきれたのは驚くべきことだ。しかも当時は、それがかなり機能したのだ。それでアメリカと、NATO同盟諸国が、地球を何度も絶滅できる膨大な核兵器蓄積を構築することが可能になった。この洗脳が、全て、"悪のロシア"に対して、"自由世界"を守るという口実で、アメリカが、特に世界中の何十もの国々に軍事的に干渉し、政権を打倒し、残酷な独裁制を据えつけることを可能にしたのだ。

先週、我々は冷戦の洗脳公式の再現を目の当たりにすることになった。悪名高い心理戦御用達業者、イギリスのデイリー・テレグラフが、ロシアとウラジーミル・プーチン大統領を、 "政党への資金提供"と"モスクワが支援する不安定化"によって、ヨーロッパの統一を破壊させようとしている悪の妖怪として描く記事を掲載した。

イギリスの右派政治支配体制との深いつながりゆえに、嘲笑して"トリーグラフ"として知られている新聞は、匿名のイギリス政府幹部の発言を引用している。

"実際に新冷戦が起きている。EU全体で、様々な極めて重要な戦略問題について、ヨーロッパの統一という構造を破壊しようとしているロシアの取り組みの憂慮すべき証拠を、我々は目にしている。"

同じ記事で、アメリカ議会が、ジェームズ・クラッパー国家情報長官に、"過去十年のヨーロッパ政党に対するロシアの秘密資金提供に対する本格的調査を行うよう"命じたとも報じられていた。

ロシアが操作している推測されるヨーロッパの政党には、デイリー・テレグラフによれば、ジェレミー・コービン率いるイギリス労働党、マリーヌ・ルペン率いるフランスの国民戦線や、オランダ、ハンガリー、イタリア、オーストリアやギリシャの他の政党が含まれている。

ヨーロッパの政治を不安定化させるためのロシアの陰謀とされる話を裏付ける証拠は一片たりとも提示されていない。ロシア政府に向けられた"ニュース" として脚色された典型的な、かつての欧米の冷戦プロパガンダ非難は、当て付けや偏見や悪魔化に頼っていた。ロシアと、指導者のウラジーミル・プーチンが "悪い"のは、そう、我々が彼らは"悪い"というからだ。

ここで本当に起きているのは、膨大な人数の普通の市民が、非民主的な奇怪さに全く幻滅しているがゆえに、欧州連合の縫い目部分が、実際にピンと張りつめているのだ。このEUに対する不満は、右派、左派両方の政党に投票した人々にあてはまる。

容赦のない緊縮策という経済政策、失業と貧困の増加、公共サービスの極めて過酷な削減をする一方、銀行と大企業の利益と、裕福な少数の人々を益々豊かにし続け、EU5億人住民のうち非常に多くの部分を敵に回すこととなった。

EUの政治指導者連中は、保守派、リベラル、社会主義者、あるいは他の様々な名で呼ばれていようとも、より民主的な政策を生み出したり、大衆の需要に合わせたりする能力がないことをさらけ出している。多くのヨーロッパ人の目から見れば、既成政党は全て同じで、いずれも奴隷のように、既に大富豪な人々のための資本家の福祉という方策を守っている。

問題の大きな部分は、EUがワシントンからの自立を全く示せないことだ。アメリカが率いるNATO軍事同盟のくびきのもと、ヨーロッパ政府は、アメリカのアフガニスタン、イラク、リビアとシリアでの政権転覆のための破滅的で違法な戦争に無批判に参加した。こうした戦争は、ヨーロッパに、第二次世界大戦以来最悪の難民危機を負担させられるという跳ね返りになっている。

困難を悪化させているのは、ウクライナ危機を巡る、ロシアとヨーロッパの間の全く無用かつ不毛な対立だ。地政学的な狙いで、ロシアを孤立化させるためウクライナを不安定化させるワシントンとブリュッセルの政策のおかげで、ヨーロッパの農民、企業や、労働者が苦しんでいるのだ。ワシントンが、ヨーロッパ大陸への主要エネルギー供給者としてのロシアを追い出そうという自らの私利のために、ロシアを孤立化させたがっていることが明らかなので、この点、ヨーロッパ政府は特に嫌悪すべきだ。自らの墓穴を掘っているのだ。

こうした一連の問題を考えれば ヨーロッパ諸国民が、彼らのいわゆる政治指導部に不満を抱いていても不思議はない。ブリュッセルに対する大衆的な侮蔑は、最高レベルに達しているが、それも当然なのだ。

ワシントンの経済・外交政策に対する、ヨーロッパの痛ましいほど卑屈な服従が、抗議行動と、EUというプロジェクト全体に対する反対という形で表現されている。ポーランドの右翼、国粋主義与党の勃興は、時代の兆しの一つだ。

ところが、ヨーロッパ全体に広がった不満を潔く受け止めることはせず、ワシントンとイギリスなどの大西洋主義同盟諸国がしようとしているのは、ロシアを生贄にすることだ。

皮肉なのは、ワシントンとロンドンが、苦悩と、ヨーロッパにおける不一致の増大を、ロシアのせいにしようとしていることだ。ヨーロッパが、縫い目からほころびているようにみえる主な原因は、ワシントンとロンドンであるのに。

それを狙って、全ヨーロッパに対する自らの悪意ある破壊的な影響力から注意をそらす方法として、アメリカとイギリスが、ロシアを悪魔化するためのかつての冷戦の口汚い言葉を再開しているのだ。

何十年も前は、反ロシア悪口も大衆に効果があっただろう。特に欧米報道機関と連中のCIA、MI6が潜入した"ジャーナリスト" が、世論に対して効果的な独占を享受していた頃には。そういう時代は終わったのだ。欧米大衆はもはや、子どものように怖いお話の影響を受けはしない。より正確な構図を得るために彼らが利用できる多数の代替情報源が存在しているのだ。

しかも、このヨーロッパ問題の正確な構図はロシアの不正行為とされるものとはしっくりしない。そうではなく、不正行為はワシントンと、追従者のヨーロッパ諸国政府に十分帰せられるのだ。

ワシントンとロンドンによる"赤の恐怖"巻き戻しの企みは、簡単に確実に片づけられよう。しかし興味深いのは、それが、益々イライラして、怒った欧米の国民の注意をそらすための、この二国のプロパガンダ・アイデアがどれほど種切れかという深い印を漏らしていることだ。

人々は益々募る社会・経済問題に対して、何十年も前に有効期限が切れた馬鹿げた怖いお話ではなく、本当の解決策を求めている。欧米の大衆は、このようなたわごとで侮辱されればされるほど、彼らは自国の支配者連中を益々軽蔑するようになる。破綻して、無能な欧米資本家の権力は、行き詰まり状態だ。かかってこい。

この記事で表明されている見解は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもスプートニクの公式的な立場を反映するものではない。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20160119/1033390804/russia-media-tactic-west.html
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国会で、<憲法解釈議論>法制局長官、記録不作成認める 参院委

この国の支配層、確信犯の集団。それを批判しない大本営広報部は太鼓持ちの集団。

赤の恐怖で、欧米世論を変えることはできなくとも、原油安は、ロシアに痛切なボディー・ブローで効いてくるだろう。
アメリカの輸出解禁も、イランの核を理由にした経済制裁解除も、サウジアラビアが減産しないのも、全てロシアに対する経済戦争だろう。

表題は『もはや機能しない日本共産党の赤の恐怖』と読み替えられるだろう。

反共労組をもとにした、反共政党・民社党を核にしているだろう党に方針転換を求めても時間の無駄だろうと個人的には偏見をもっている。自民党ではなく共産党が敵というのが原則。

本物のジャーナリストは、それでも、しっかりインタビューをしておられて頭が下がる。

2015/12/25 「緊急事態条項」への認識を問う! 憲法を「眠らせ」ようとしているのは誰か 民主党は「ナチスの手口」に屈するのか? 岩上安身が岡田克也代表を単独直撃インタビュー!

偏見をもたず虚心坦懐に国会論戦を見れば、共産党が良き保守党で、与党なるもの新自由主義と売国クーデターが党是の破壊・革命政党。治安維持法の対象。全くアベコベ状況。

国会中継で、共産党参議院議員、田村智子氏、学費を上げ、アルバイトで苦しむ大学生の実情を訴える前に、余りな賄賂問題を軽く追求した。

「女子大学生を対象に、風俗業が求人している」という話もあった。ポール・クレーグ・ロバーツ氏が、資本主義作動中で、「学費で苦しむアメリカの女子大生がネットで愛人を募集する」と書いておられるのを思い出して驚いた。属国では全て宗主国並になる。ギリシャでは、OLが生活苦のため売春をしているとも書いておられた。人ごとでなくなる可能性大。若い男性は侵略戦争のため砲弾の餌食。不幸になるのを避ける秘訣は日本に生れないこと。

寺島隆吉著『英語で大学が亡びるとき「英語力=グローバル人材」というイデオロギー』明石書店には、驚くべきことが書いてあった。

傀儡政府、傀儡官庁、アメリカに留学生を多数送り出そうとしているのだそうだ。

アメリカ人自身が、余りに高騰する学費にいやけがさして、カナダに留学するようになっており、アメリカの大学は学生減で苦しんでいるのだそうだ。
そこで、穴埋めに、日本からカモを大量に送り込む壮大な計画だという。

宗主国の侵略戦争に、砲弾の餌食として、世界中に自衛隊を送り出すのと同じ売国発想。国家的女衒活動で、外国人慰安婦に苦難をあじあわせた連中の師弟が、今度は同国民を、宗主国留が苦に送り出す。血は争えない。

治安の悪さ、程度の低さからしても、大学留学は決して奨めないと寺島氏はおっしゃる。

武者修行をしたければ、日本の大学で博士号をとり、研究テーマがはっきりした上で、研究員や招聘教授として遊学した方がはるかに有益だ。

日本は、英語をまなぶより、日本語を輸出すべきだという鈴木孝夫氏の論も詳しく解説されている。英語を話すと戦闘的になり、日本語を話すと温和になる、タタミゼ効果があるという。

より詳しくはご本人による『百々峰だより』の、たとえば下記記事をお読み願いたい。

『鈴木孝夫の世界』第4集(書評その5)――「地救原理」を広め、世界を「タタミゼ(畳化)」せよ!

小生、日本語で書いても過激なのは、独学で英語を長く学んだせいかもしれない。この国の傀儡政治家諸氏、宗主国に留学しておられる皆様、頭の中は英語なのかもしれない。

日本語が実に達者な外国人を何人か知っているが、皆様目をつぶって話せば、100%日本人。言葉のうまさだけでなく発想が。個人的に「タタミゼ効果」という言葉を初めて知ったときに、ああやはり、と思った。

学生をだけ送り出すのではなく、国民、市場を丸ごと、宗主国巨大多国籍企業、特に、保険や、アグリ企業に売り渡すための仕組みが、売国協定TPPだ。2月4日にニュージランドで署名する運びだという。

膨大なページの条約、驚くべきことに日本語が正文ではない。正文は英語、フランス語、スペイン語のみ。一億人の運命が永遠に変わる条約を、中身を理解もせずに署名する馬鹿、日本以外のどこの国にいるだろう。

「オレオレ詐欺に注意」といって美人アナウンサーに告知させている暇などないだろう。

国そのものが、国民全員が犠牲になるオレオレ詐欺への振込にのめり込んでいるのだ。

ネットにあった大本営広報部週刊誌見出しを見て、購入しないで良かったと安心。
TPPのプロパガンダ記事を読むのに、金を払わされてはかなわない。太字強調は小生。

難航したTPP交渉を大筋合意に導き、評価を高めた甘利明TPP担当大臣。今国会では承認が控えるが、そんな矢先、その適格性が問われる重大な疑惑が発覚した。甘利大臣や秘書が、口利きのお礼として多額の金を受け取ったというのだ。

国家主権を廃棄し、多国籍企業に実権を与える売国行為で、庶民に地獄をもたらす、TPP交渉を大筋合意に導き、多国籍企業からの評価を高めた人物。

この見出しを読ませたくて、センセーショナルな記事を載せたのだろう。

皮を切らせて、肉を切る。肉を切らせて、骨を切る予想通りの羊頭狗肉作戦。

2016年1月21日 (木)

マーチン・ルーサー・キング

Paul Craig Roberts
2016年1月19日

全ての偽装攻撃や暗殺と同様、1968年のマーチン・ルーサー・キング暗殺は隠蔽された。キングの場合、ジョン・F・ケネディ大統領の場合のオズワルドや、ロバート・ケネディの場合のシーハン・シーハンのように、ジェームズ・アール・レイは、でっち上げられた身代わりだった。

キング家は、証拠に注意を払うあらゆる人々と同様に、彼らも国民も、公的に隠蔽結果を手渡されていることを知っていた。長年の取り組みの結果、キング家は、民事訴訟で証拠を明るみに出すことに成功した。本当の証拠に直面して、陪審員団は、一時間でマーチン・ルーサー・キングは、政府機関も含む陰謀によって殺害されたと結論づけた。

より詳細については、以下を参照。http://www.globalresearch.ca/court-decision-u-s-government-agencies-found-guilty-in-martin-luther-kings-assassination/5320024

マーチン・ルーサー・キングは、ジョン・F・ケネディ同様、ワシントン国家安全保障支配体制の被害妄想による犠牲者だ。ケネディは、キューバ政権転覆のための、ライマン・レムニッツァー大将のノースウッド・プロジェクトを拒否し、CIAのキューバ侵略計画に反対し、キューバ・ミサイル危機を巡って、ソ連と紛争を起こすレムニッツァーの計画を拒絶し、統合参謀本部議長から、レムニッツァーを排除し、冷戦を和らげるべく、フルシチョフとこっそり交渉した。結果として、軍安保複合体のメンバー連中は、ケネディに根に持つこととなり、ケネディの共産主義に対する甘さゆえに、彼はアメリカ合州国にとって、安全保障上の脅威だと確信するに至った。シークレット・サービス自体が策謀に引き込まれていた。暗殺場面のフィルムは、警備をするシークレット・サービス要員は、致命的な銃撃の直前に、大統領の自動車から離れるよう命じられたことを示している。

キングは当時わずか39歳で、公民権指導者としての立場を確立していた。FBIは、キングは共産主義者とつながっており、彼が率いる運動は、国家安全保障の脅威に発展しかねないと確信していた。当時、公民権を強調することには、多くの人々が共産主義プロパガンダと混同していたアメリカ批判という意味合いがあった。アメリカ批判というのは、共産主義者がしていたものであり、そこに、アメリカの欠点を指摘し、ベトナム戦争反対の雰囲気を醸成しはじめた日の出の勢いの指導者があらわれたのだ。

まっとうな批判を国家に対する反逆罪と合成するのは良くあることだ。そう遠くない昔オバマに任命されたキャス・サンステイーンは、戦争と市民的自由の喪失を受け入れるよう騙されたことをアメリカ国民が悟るようになる前に、9/11真実運動に政府職員を潜入させ、信用を落とすよう主張した。ジャネット・ナポリタノが国土安全保障省長官を退任して、カリフォルニア大学学長になる前に、国土安全保障省の焦点は、テロリストから、戦争に反対する人々、環境保護主義者や、政府を批判する人々を含む“国内過激派”に変わったと述べた。

歴史を通して、思慮に富んだ人々は、真実が政府の敵であることを理解している。政府の大半は私物化されている。政府は、分たちの私的な狙いを追求するため政府を利用する小さな集団に支配されている。政府が公共の利益のために働いているという考え方は、大変な欺瞞の一つだ。

こうした権益の邪魔をする人々は優しい扱いは受けられない。ジョン・F・ケネディ とマーチン・ルーサー・キングは殺害されたのだ。ロバート・ケネディは、どの政府工作員が彼の兄を殺害したかを知っていたために殺害されたのだ。ロバート・ケネディは、次期大統領となって、殺害された兄の“CIAをバラバラに解体する”計画を実施する途上にあった。もしロバート・ケネディが大統領になっていれば、国家安全保障国家の分子が、告訴され、有罪判決を受けていただろう。

ウォーレン委員会は、オズワルドが身代わりだったことは理解していたが、委員会は、冷戦の真っただ中で、アメリカ国民に暗殺の真実を話してしまえば、国家安全保障国家に対する国民の信頼を破壊してしまうことも理解していた。委員会は、隠蔽以外の代案はないと感じていたのだ。

専門家たちがウォーレン委員会に不満だったため、二つ目の調査がおこなわれることとなり、今回は暗殺に関するアメリカ下院特別委員会によるものだった。JFK暗殺から16年後、1979年に公開されたこの報告も、やはり隠蔽だったが、特別委員会は、複数の狙撃犯による陰謀があり、陰謀の可能性に関する“ウォーレン委員会とFBIの調査には、重大な欠陥があったことを認めざるを得なかった。” http://www.archives.gov/research/jfk/select-committee-report/part-1c.html

1997年 ジョン・F・ケネディ暗殺記録審査委員会は、1962年、統合参謀本部によって、ケネディ大統領に提出された最高機密のノースウッド・プロジェクトを公表した。ペンタゴンの計画は、アメリカ国民を殺りくし、アメリカの旅客機を撃墜する、カストロのせいにして キューバの政権転覆を実現する侵略に対する国民の支持を作り出すために。ケネディ大統領が報告書を拒否するという決断が、ケネディには、共産主義に反対して立ち上がる力と信念があるのかという、国家安全保障国家の疑念を強めた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Operation_Northwoods

政府によるマーチン・ルーサー・キング殺害に対するワシントンの対応は、彼の名を冠した祝日を設けることだった。政府分子が殺害した人物を讃えるのは、議論を終わらせ、厄介な問題を処分するには賢明な方法だ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/19/martin-luther-king-paul-craig-roberts/

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ケネディ暗殺について、デモクラシー・ナウ!が日本語字幕付きで下記を公開している。17分48秒

悪魔のチェスボード:アレン・ダレス、CIA、米国の秘密政府の台頭(2)ケネディ暗殺の陰謀

余りの賄賂の余りに絶妙な時期のスクープ。週刊文春という政府御用達週刊誌が、自民党の足を引っ張るはずはない。TPPの本質議論から、目をそらして、TPPを推進する骨を切らせて、肉を切る、高等戦術だろう。

堤美果氏のtwitter、「羊羹だの録音だの明らかにアレな内容はともかくとして、リークのタイミング完璧すぎ。 これで調印間近のTPPについて、国会で中身に踏みこんだ審議は難しくなる」というのを拝読して、そう確信した。

電気洗脳箱も紙媒体も大本営広報部は百害あって一利ない。電気の無駄。頭脳破壊。

翻訳しながら、電気洗脳箱プロパガンダを聞いている。本気で聞くと頭脳と心臓に悪いので聞き流し。

スキーツアーバス事故、カツ流用問題各社のいい加減さを散々叩く。あるいは人気グループ解散問題の謎?報じる。

東京電力福島第一原発事故で住まいを追われている方々の数、15万人以上と聞く。しかも我々も、日々放射能に曝されつづけている。

共産党吉井英勝氏の危険を指摘する質問主意書に、事故の例はなく、安全だとのたまった答弁書のでたらめさや、東京電力幹部のいい加減さ、事故後の御用学者のヨイショ発言を、電気洗脳箱に出演する提灯持ち、評論家風タイコモチ諸氏諸嬢、本気で指摘し、伝えた様子、見た記憶がない。悔い改めるのは今からでも遅くはないが、もちろん永久にありえない。

巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書

衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書

答弁書の無責任さ、何度読んでも腹が立つ。

キャス・サンステイーンの驚くべき発言については、同じ筆者の下記記事でも触れられている。

政府の術中にはまったジュディシアル・ワッチ、様々な 隠された狙いのおかげで分別をなくしたアメリカ国民

人気グループ解散問題過剰報道で、昔翻訳した記事WikiLeaksを巡る疑念はてんこもり末尾に書いた疑問をまたしても貼り付けたくコピーしたくなった。

この国の民度に比例したジャーナリズムなるものが、どうでもよい話題を一斉に報じる時期は、なぜか庶民生活の根本に関連する重要な法律の成立前やら、つつかれたくない政府の活動と一致することが多いような気がする。まあ、貧乏人の被害妄想だろう。

「庶民生活にとって、どうでも良い話題は熱心に報じるが、庶民生活にとって、どうでも良くない話題は報じない」のが彼等(政界・マスコミ・霞が関)の仕事なのだ、という素朴な確信、頭から離れない。

    • 野球関係のおば様と剣劇のおば様の口論?が大いに報道されたのは、1999年3月末
    • そこで、
      周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律
      1999年5月28日
    • 国際連合平和維持活動などに対する協力に関する法律の一部改正
      1999年7月16日
    • 白装束の渦巻きカルト集団の動きが大いに報道されたのは、2003年4月から5月
    • それから、
      武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 2003年6月13日
  • モンゴル人横綱の暴力騒動がかまびすしかったのは、2010年1月
    そして、
    「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(日米安全保障条約)署名50周年に当たっての日米安全保障協議委員会の共同発表 2010年1月19日

今回の人気女性タレント不倫、グループ解散騒動、スキーバス事故に同時並行している法案、企みは何だろう?株価崩壊で消えた年金基金だろうか? ファシズム推進の緊急事態事項だろうか?TPPだろうか?参院選だろうか?

【国会ハイライト】蓮池透さんは北朝鮮の「工作関係者に利用されている」!? 中山恭子議員の “誹謗中傷”の全容!透さん「バカバカしい。もう国会議員やめたら?」と証言!文・岩上安身

【国会ハイライト】「軽減税率」導入による減収分「1兆円」はまったくのウソ!?日本共産党小池晃氏の追及に政府側は答弁不能状態に!翌日慌てて数字合わせするも根拠はまるで不明!

今読んでいる本『英語で大学が亡びるとき 「英語力=グローバル人材」というイデオロギー』寺島隆吉著、素晴らしい本だと思う。こうした記事と直接つながる文章があったので、転載させていただこう。

307-308ページ

福島原発事故で明らかになったように、政府の発表も大手メディア(特にNHKを含めた大手のテレビ局)の報道も嘘に満ちていて、外国の報道を通じて初めて、私は福島原発事故における放射能汚染の深刻さを知ったからです。
かつてアジア太平洋戦争で日本が負け戦を続けているにもかかわらず当時の『朝日新聞』を初めとして大手メディアは政府の垂れ流す「勝った、勝った、日本が勝った」をそのまま報道し続けてきたのに似ています。しかし英語で情報を読んだり聞いたりできたひとにとって、日本の敗戦は疑いようのない事実でした。
ですから日本の英語教育は「読む能力」にもっと力を入れるべきだと考えています。そうすればインターネットで海外の報道を知ることができるようになった現在、英語を読む力をつけておきさえすれば、政府の発表や大手メディアの報道で国民がだまされることも、大幅に減少するでしょう。
ところがTOEICの受験結果を見るかぎり、大方の予想に反して、日本人の英語力は「聴解力」よりも「読解力」の点数が低いのです。今は学校も民間も「会話一辺倒」ですから、ますます英語の読解力と低下していくでしょうし、「英語でおこなう、英語の授業」はさらにこの傾向に拍車をかけるでしょう。情報を隠したい為政者にとってこれほど好都合なことはありません。

書評『英語で大学が亡びるとき』長周新聞pdf

2016年1月20日 (水)

インドネシアはサウジアラビアの‘対テロ’同盟を冷たくあしらい...首都を攻撃された

Finian Cunningham

2016年1月15日
"RT "

インドネシアは「イスラム国」集団や、系列に襲撃されたとされる、中東地域以外で益々増える国々のリストに加わった。これは、ISが単にグローバル化している例なのか、それとも、インドネシアでの最新の出来事に何か他の事情があるのだろうか?

一見したところでは、今週のインドネシアの首都、人口1000万人のジャカルタ商業地区での攻撃は、結果としての死傷者数はずっと少ないが、パリで、昨年11月に実行されたものと似ている。いずれの事件でも、自爆犯と銃撃攻撃チームが加わっていた。

パリ攻撃では、11月13日に、約8人の武装した連中が様々な公共施設を攻撃し、130人を殺害した。今週のジャカルタでは、爆発物とライフル銃で武装した15人の襲撃者が、殺害できたのは民間人二人だけだ。他の5人の死者は、警察に銃撃された襲撃者か、自爆した連中だ。

テロリストの視点からすれば、ジャカルタ作戦は失敗だった。この失敗は、部分的には、テロリスト通信を傍受したためだと主張して、首都中の警備を、ここ数週間強化していたインドネシア警察の警戒のおかげだ。

ジャカルタ警察副局長ブディ・グナワンが、ジャワの都市ソロの、地元出身イスラム主義者ネットワークが、シリアを本拠とする聖戦士とテロ攻撃を計画していたと発言したと、ウオール・ストリート・ジャーナルは報じている。

“シリア集団とソロ集団との間の通信を傍受した”とグナワンは述べている。ジャカルタでの事件後、IS集団は犯行声明を出したと報じられている。

疑問は、インドネシアにおけるISとつながる活動増加の背後には一体なにがあるのか?ということだ。警察は、ここ数週間で何人かのIS工作員容疑者を逮捕していたと報じられている。

インドネシアは、イスラム主義者集団が行うテロを始めて経験するわけではない。2000年から2009年までに、6回の大規模テロ惨事が起きている。最大のものは、2002年、リゾート土地バリでの爆発で、200人以上が亡くなった。しかし、過去五年間、インドネシアは、比較的平和を享受していた。

作家でインドネシア専門家のジェレミー・メンチクは、木曜日夜のインタビューで、フランス24に、世界で四番目の大国が比較的穏やかなのは、インドネシアの比較的民主的な移行で、反体制イスラム主義者集団を取り込むことができたおかげで実現できたと語った。

2億4000万人以上の国民がいるインドネシアは世界で最も人口の多いイスラム国家だ。インドネシアは、1965年から1990年代末まで、スハルトのもとで過酷な独裁制に苦しんだが、以来インドネシアは、より穏やかで、寛容で非宗教的な政治進路を進むことに成功した。

2014年に選出されたジョコ・ウィドノ大統領のもと、インドネシアは、かつての過激イスラム主義者問題を封じ込めることに成功した。

一月前の12月17日、サウジアラビアの首都リヤドで、仰々しく発表して、サウジアラビアは、34のイスラム教国“対テロ”連合を立ち上げた。突然の構想を、「イスラム国」や他のアルカイダとつながる過激派を含むテロ集団に資金提供し、武器を与えてきたサウジアラビア支配者の実証されている役割からして、多くの観測筋は懐疑的に見ているがワシントンとロンドンは大歓迎した。

懐疑的な人々は、名目だけのいくつかの加盟国が後に、立ち上げについて、サウジアラビアから相談を受けていないと述べていて、サウジアラビアが率いる34のイスラム教国連合 急きょまとめられたもののようにみえると語っている。サウジアラビアが主導する“対テロ”イスラム連合構想に含まれていないのは、イラクとイランだが、この二つのシーア派が多数派の国に対するサウジアラビアの敵意を考えれば、恐らく決して驚くべきものではない。

二つの主要イスラム国家、アルジェリアとインドネシアは、一層あからさまに、サウジアラビアが率いる同盟への参加をきっぱり拒否した。

世界最大のイスラム国家としてのインドネシアの重要性からして、ジャカルタが署名を拒否したことで、サウジアラビア構想は、広報上の厳しい打撃を受けた。

フィナンシャル・タイムズによれば、サウジアラビアは、数年前から、インドネシア国内の過激イスラム主義者集団に資金提供してきたと見なされている。

それを考えれば、インドネシア当局が、先月、多くの専門家が、それに取り合わなかったのとまさに同じ理由で、サウジアラビアの“対テロ”連合を冷淡にあしらった可能性が高い。テロ、特にシリアにおける5年間にわたる紛争とのつながり疑惑を巡って、酷く傷ついた自分たちの国際的イメージを艶出ししようとしているサウジアラビアによるひねくれた広報策謀と見なしたのだ。

そこで、今週ジャカルタでのISとつながる集団によるテロ攻撃は、先月の、サウジアラビアに対する、当惑させるような冷淡なあしらいをしたインドネシア政府に対する一種の報復として画策された可能性があるという、もっともな推測が浮かび上がる。

もしサウジアラビアと欧米の諜報機関が、実際に自分たちの地政学的狙いのために、何らかの怪しげな方法で、聖戦主義テロを動かしているのであれば、そのようなテロ集団が、インドネシアでも、それを言うなら世界のどこででもだが、こうした同じ主人公連中によって操縦されているというのは理にかなっている。

IS集団によって実行されたと思われる、ジャカルタ中心でのテロ攻撃は、欧米が支援するサウジアラビア“対テロ”連合へのばかにしたような嫌がらせを巡る、インドネシアに対する厳しい警告なのだ。

インドネシアでのイスラム主義者テロ活動が突然増加したことと、ジャカルタでの攻撃者連中が、より大きな損害を引き起こし損ねたことは、攻撃が急きょ計画されたことを示唆している。工作員に対する指令も急きょ送られ、実行されたのだ。

これは、サウジアラビアのテロ・スポンサーが、自分たちの先月の対テロ茶番を傷つけたインドネシアに素早く反撃することを狙っていたという理論とぴったりする。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。ミラーや、アイリッシュ・タイム ズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は20年以上、ミラー、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデントなどの大手マスコミで、編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、彼のコラムは、RT、スプートニク、Strategic Culture Foundationや、Press TVに掲載されている。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/329034-indonesia-snubs-saudi-terror/
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この論理を拡張すれば、大産油国のご機嫌をそこねれば、この国でも、テロをおこされかねない、ということになる。何とも剣呑な話。

サウジアラビアやイラクや他の産油国の石油収入を巡る『エコノミック・ヒットマン』の記述は大いに興味深い。文庫にでもなって、もっと広く読まれるべき良書と思うが、なぜか品切れだか、絶版のようだ。巨大ネット書店では、古本が購入可能だが、追跡されてしまうだろう。

エピローグの356ページに、書いてあることももっともだ。

危機が存在していることと、幸運な条件に恵まれていることについて、多くの人々の理解を助けるために、あなたはたとえばこんな行動を実行できる。

  • 地元の図書館や書店で、『エコノミック・ヒットマンの告白』に関する勉強会を開催する。

とあるが、品切れだか絶版では、実行が極めて困難な行動。

社会民主党の福島瑞穂参議院議員が緊急事態条項に関して、「内閣が法律と同じ効力を持つ政令を出せるようになるなら、ナチスドイツの国家授権法と全く一緒だ。これは許すわけにいかない」と指摘した。これに彼氏は色をなし、「国際的に多数の国が採用している憲法の条文だと考えている。そうした批判は慎んで頂きたい」と反論した。

彼氏はこうも発言している。

「例えば、インターネットの中で私を批判している方達の中にはこの『妻が働き始めている』にカッコをしてパートと書いてあるんですよね。私、言っていませんから。カッコをしてパートと書かなければ、この文脈の中では読めないのかなと思います。」

そうした誤魔化し発言は慎んで頂きたい。

2016年1月19日 (火)

21世紀:詐欺の世紀

Paul Craig Roberts
2016年1月18日

二十世紀末、アメリカ外交政策に、新たなかたちの不正が入り込んだ。ワシントンは、宣言していない狙いを推進するために、偽りの大義名分で、ユーゴスラビアとセルビアを解体した。21世紀に、この不正が何層倍にも膨らんだ。アフガニスタン、イラク、ソマリアとリビアが破壊されたが、もしロシア大統領が防がなかったら、イランとシリアも破壊されていただろう。ワシントンは、現在のイエメン破壊の背後にもいて、ワシントンは、イスラエルによるパレスチナ破壊も可能にしており、資金提供もしている。更にワシントンは、宣戦布告せずに、パキスタン国内で軍隊を動かして、“テロと戦う”という名目で、多数の女性や子どもや村の長老を殺害している。ワシントンの戦争犯罪は、史上のあらゆる国の戦争犯罪と肩を並べている。

こうした犯罪を、私はこのコラムや本に書いてきた。(Clarity Press)

ワシントン外交政策の純粋さを信じている人は魂を失った人だ。

ロシアと中国は、ワシントンには歯がたたない戦略同盟だ。ロシアと中国は、ワシントンが、これ以上、両国の安全保障や国益を侵害するのを防ぐのだ。ロシアと中国にとって重要な国々は、この同盟によって守られる。世界がめざめて、欧米の邪悪を認識すれば、益々多くの国々が、ロシアと中国による保護を求めることになるだろう。

アメリカは経済面でも失敗している。コラムと、英語、中国語、韓国語、チェコ語と、ドイツ語でも刊行されている著書、The Failure of Laissez Faire Capitalismで、経営幹部や株主やウオール街などの既得権益層が、短期的利益のために、製造業雇用、事業ノウハウや技術を、外注可能な専門技能職とともに、中国、インドや他の国々に送りだし、アメリカ経済骨抜きにし、アメリカ経済を、世帯平均所得が長年下落するような空洞化させてしまったのを、ワシントンがいかに傍観し、というより実際は、声援を送っていたかについて私は描いた。現在、25歳のアメリカ人の50%が、独立生活を維持するのに十分な仕事をみつけることができないため、両親や祖父母と暮らしている。 http://www.zerohedge.com/news/2015-10-27/why-are-half-all-25-year-olds-still-living-their-parents-federal-reserve-answersこの残酷な事実が、アメリカの経済回復という空想物語の源泉、アメリカ売女マスコミによって覆い隠されている。

我々の存在状態に関する事実が、報道されていることと余りに違うので、私はあぜんとしている。元経済学教授、ウオール・ストリート・ジャーナル編集者、経済政策担当財務次官補として、金融部門、財務省、金融規制機関や連邦準備金制度理事会を支配している腐敗に、私はあぜんとしている。私が現役だった頃なら、銀行家や政府幹部は、告訴され、実刑判決を受けていただろう。

現在のアメリカには、自由な金融市場は存在しない。全ての市場は、連邦準備金制度理事会と財務省に操作されているのだ。これらの組織によって支配されている、規制をするはずの規制機関は、見てみないふりをしており、たとえ、規制機関がそうしていなくとも、私益の方が、法律より強力なので、彼らは、いかなる法も執行することはできない。

政府の統計機関すらも腐敗している。インフレを低めに言うため、インフレ率はでっち上げられている。このウソで、ワシントンは、社会保障生活費調整を支払わずに済み、資金を更なる戦争に回せるだけでなく、職探しする余裕もなくなって、職探しをあきらめた求職意欲喪失労働者を数にいれずに、政府が、5%の失業職をでっちあげているのと同様に、インフレを低く評価することで、インフレを実際の成長として計算し、政府は本当のGDP成長もでっちあげられるのだ。公式失業率は5%だが、誰も仕事を見つけられない。25歳の人々の半数が自立する余裕がないために、家族と暮らしているのに、どうして失業率が5%でありえるだろう? ジョン・ウィリアムス(shadowfacts)が報じているように、職がないので、職探しをあきらめたアメリカ人を含めた失業率は23%だ。

ごく少数の銀行の道具、連邦準備金制度理事会が、2009年6月以来、経済ではなく、金融資産へと流れ込む何兆ドルも印刷して、経済回復という幻想を作り出すのに成功した。人為的な株と債券市場の活況が、売女経済マスコミにとって、経済活況の“証明”だ。

アメリカに残されたごく少数の教養ある人々、実にごく少数の人々だけが、前の不況から回復などしておらず、新たな悪化がのしかかっていることを理解している。ジョン・ウィリアムズが、アメリカ工業生産は、インフレに対して適切に調節すると、2008年レベルに復活しておらず、まして2000年のピークにおよばず、再び下降したと指摘している。

借金と所得の伸びの欠如に圧倒されて、アメリカの消費者は疲れ果てている。アメリカ経済政策の全てが、アメリカ経済を救うことではなく、ごく少数のニューヨークの銀行を救うことに集中している。

経済学者や、他のウオール街のサクラ連中は、工業生産の衰退を、アメリカは今やサービス経済だといって片づける。ごくわずかな賃金のウエイトレス、バーテンダー、パートの小売り店員や、救急医療サービスが、製造業やエンジニアリングの雇用に置き換わり、インフレを抑えている。ネオリベラル・エコノミストによる、アメリカ有効総需要崩壊の説明はこういうもので、あるいは連中は、それを中国のせいにする。

アメリカ経済を復活できるかどうかは不明だ。アメリカ経済を復活させるには、金融制度の再規制と、海外移転で外国に渡してしまった雇用と、アメリカGDPを取り戻す必要がある。それにはマイケル・ハドソンが新刊「Killing the Host」で指摘している通り、金融部門が経済剰余を絞りとり、それを金融部門に利子を払ってくれる債務担保証券に投資するのを防ぐような税政策革命が必要だ。

腐敗した既得経済権益によって支配されているアメリカ政府は、幹部のボーナスやウオール街の利益に影響を及ぼすような政策を決して許すまい。現在、アメリカ資本主義は、アメリカ経済を売り渡すことで金を稼いでおり、人々はそれに依存している。

“自由と民主主義”のアメリカで、政府と経済は、アメリカ国民の利益とは完全にかけ離れた権益に仕えている。アメリカ国民の売り渡しは、自由市場派の経済学者や生活のためにウソをついて、金を得ている売女経済マスコミによるプロパガンダの巨大な天蓋によって守られている。

アメリカが崩壊すれば、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアや日本などのワシントンの傀儡諸国も崩壊する。ワシントンが世界を核戦争で破壊しない限り、世界は立て直され、腐敗した自堕落な欧米は、新しい世界の取るに足りない一部分となるだろう。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/18/the-21st-century-an-era-of-fraud-paul-craig-roberts/
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突然の大雪、雨の中、国会前デモにでかけるために購入した長靴が役にたった。

数日前の国会中継、共産党小池氏、社民党福島氏のものだけ見た。
普通に見ていれば、大企業課税を下げ、足りなくなった税収入を、消費税で、庶民から取り立てる新自由主義政策の悪行、あきらかだろう。

質問だけ聞き、息をするように自由自在に真っ赤なウソしか言わない傀儡諸氏の回答は音声を消している。切り替えで忙しいが、多少電気代の節約になるだろう。

日本財政 転換の指針』を、興味深く読み始めたところだ。

「IOC、2020年オリンピック賄賂疑惑を調査」という記事を先程孫崎氏メルマガで拝読した。
IOC probes 2020 Games bribery allegations

ごく少数の連中の道具、年金積立金管理運用独立行政法人GPIFが、無謀にも、年金資金を株に投資し、経済回復という幻想を作り出すのに成功ししようとしている。人為的な株と債券市場の活況が、売女経済マスコミにとって、経済活況の“証明”だ。

“自由民主”という羊頭狗肉の政党支配で、政府と経済は、日本国民の利益とは完全にかけ離れた権益に仕えている。日本国民の売り渡しは、自由市場派の経済学者や生活のためにウソをついて、金を得ている売女経済マスコミによるプロパガンダの巨大な天蓋によって守られている。

ウソをついて、金を得ている売女経済マスコミは、バス事故や廃棄カツ転売や、芸能人の解散可能性を熱心に報じるだけ。

2016年1月16日 (土)

アメリカのキーストーンXLパイプライ計画却下に対し、トランスカナダが150億ドルで提訴。TPPが批准されれば、これが当たりになるのだろうか?

2016年1月7日
Democracy Now!

水曜日、トランスカナダ社は、オバマ大統領が、キーストーンXLパイプラインを拒否したのは、アメリカ憲法下の彼の越権行為だとして、アメリカ連邦裁判所に提訴した。トランスカナダも、パイプライン承認拒否は、"恣意的で不当だ"として、北米自由貿易協定、NAFTAのもとでも提訴した。同社は、NAFTAに基づく要求として、150億ドルの賠償を要求している。トランスカナダの訴訟は、論議の的になっている彼の環太平洋戦略的貿易連携協定TPPを売り込むと予想されていた、オバマ大統領最後の一般教書演説のわずか数日前に行われた。このアメリカ合州国と、11の環太平洋諸国との間の秘密貿易協定は、世界経済の40パーセントまでも支配しかねない。水曜日、トランスカナダが訴訟発表を受けて、環境NGOフレンズ・オブ・ジ・アースFOEは、"これこそ、フレンズ・オブ・ジ・アースが、国民の健康と環境を守るための主権政府の決定に、企業や投資家が異議を申し立てることを認める環太平洋戦略的貿易連携協定や、他の貿易協定に反対する理由です"という声明を発表した。より詳細について、パブリック・シチズンのグローバル・トレード・ウォッチ代表、ロリ・ワラック氏にご参加いただく。

書き起こし
これは急ぎの書き起こしである。文章は最終的なものでない可能性がある。

エイミー・グッドマン: トランスカナダ社が、キーストーンXLパイプライン拒否を巡って、アメリカ政府を訴えました。水曜日、同社は、オバマ大統領がパイプラインを拒否したのは、アメリカ憲法のもとで、彼の越権行為だと主張し、アメリカ連邦裁判所に提訴しました。トランスカナダは、パイプライン承認拒否は、"恣意的で不当だ"と主張して、NAFTA、北米自由貿易協定のもとでも、訴えを起こしました。NAFTAに基づく請求として、同社は、150億ドルの賠償を要求しています。

オバマ大統領は、長年の検討後、11月、国境を越える原油パイプラインを拒否しましたが、これはここ数十年で、アメリカにおける最も強力な草の根キャンペーンの一つです。当時彼は、キーストーン承認は気候変動を止めるための世界的取り組みを損なうことになると述べました。

    バラク・オバマ大統領:気候変動と戦うための真剣な行動という点で、アメリカは今や世界的リーダーです。そして、率直に言って、このプロジェクトを承認すれば、世界的指導力を損なうことになります。そして、行動しないことは我々が直面する最大のリスクです。究極的に、もし我々が生きている間に、この地球の広汎な部分を住み難くするだけでなく、住めなくしてしまうのを防ぐつもりなら、ある種の化石燃料は、それを燃やして、より危険な汚染を大気に放出するのではなく、埋蔵してままにしておく必要があるので、例を示すことで、現在も、我々はリーダーであり続けている。

エイミー・グッドマン: キーストーンXLパイプラインは、毎日830,000バレルの原油を、アルバータのオイル・サンドから、メキシコ湾岸の精油所に送るはずでした。トランスカナダの訴訟は、論議の多い彼の環太平洋戦略的貿易連携協定、TPPを大々的に売り込むと予想されていたオバマ大統領最後の一般教書演説のわずか数日前に行われた。アメリカ合州国と、11の環太平洋諸国との間のこの秘密性の高い貿易協定は、世界経済の40パーセントを支配しかねない。水曜日、トランスカナダが訴訟を公表した後、地球の友は、"これこそが「地球の友」が、企業や投資家が、国民の健康と、環境を保護するための主権政府の決定に異議を申し立てることを可能にする、環太平洋戦略的貿易連携協定TPPや、他の貿易協定に反対する理由だ。"という声明を発表しました。

Democracy Now! は、トランスカナダを、今日の番組に参加いただくようご招待したが、同社は係争中の訴訟を理由に参加を辞退した。声明で、同社はこう述べている。"トランスカナダは、政権の行動を入念に評価しており、この場合、NAFTAとアメリカ憲法の明らかな違反があると確信している。"

さて、これから先は、ワシントンD.C.で、パブリック・シチズンのグローバル・トレード・ウォッチの代表デで、The Rise and Fall of Fast Track Trade Authorityの著者のロリ・ワラックさんにご参加頂きましょう。

ロリさん、デモクラシー・ナウ!への再登場ようこそ。トランスカナダ告訴についてのご意見をお話しください。

ロリ・ワラック: はい、要するに、このパイプラインは、わが国にとっても、環境にとっても良くないというアメリカ政府決定の結果が、連中の気に入らないので、アメリカ納税者は、150億ドル支払わなければならないと、外国企業が決めたということです。そして、連中が、こうしたお金を我々から搾り取ろうとしている場所は、アメリカ裁判所でもなく、アメリカ法廷でもなく、司法管轄外なのです。NAFTAのもとで認められている投資家-国家裁決機関です。アメリカは、この途方もない制度を有する50の協定を締結しているNAFTAのもとで、全てカナダからですが、約十のこうした攻撃にあっています。これらの協定を締結している国々のどこも、実際にはアメリカに投資家がいないのです。ですから、これまでのところ、アメリカは、こうした訴訟では一つも敗訴していません。ところが環太平洋戦略的貿易連携協定TPPでは、万一実施されれば、一夜にして、わが国の法的責任が倍増します。現在、50の協定で、我々が協定を締結している国々から、アメリカで操業している約9,000社が相互登録しており、こうした裁決機関で、アメリカの法律を攻撃できます。TPPは、一夜にして、更に9,500社の巨大多国籍企業、日本の金融業や製造業、オーストラリアの鉱業会社に、こういうことをする権利を与えるのです。ですから、この訴訟が、我々が一体どこに行こうとしているのかを教えてくれる炭坑のカナリアのような機能をしてくれれば良いと思います。

エイミー・グッドマン:5月に、オバマ大統領はオレゴン州、ビーバートンのナイキで演説をして、未決状態の環太平洋戦略的貿易連携協定TPPを擁護しました。

    バラク・オバマ大統領:批判する連中は、この協定の一部がアメリカの規制、食品安全、労働者の安全、金融規制までも損なうと警告しています。これは-連中がでっちあげているのです。これは真実ではありません。いかなる貿易協定もわが国の法律の改訂を強いることはありません。

エイミー・グッドマン:オバマ大統領は、TPPはNAFTAの改良版だとも言いました。

    バラク・オバマ大統領:こうした連中に、具体的に、"この貿易協定の一体何に反対なのか?"と質問すると、彼らは"NAFTA"としか言いません。NAFTAは、20年前に成立しました。あれは違う条約です。そして実際、今度の協定は、NAFTAで間違っていた一部のものを、労働や環境条項を実際に強制執行可能にすることにより、改めています。NAFTAが成立した時、私は丁度、法科大学院を卒業するところでした。

エイミー・グッドマン:ロリ・ワラックさん、オバマ大統領に対するあなたのご意見は? 彼は、ナイキの本社で演説しましたね。

ロリ・ワラック:はい、アメリカ国内の、パイプラインを設置させないという民主的な政府決定に対する、このトランスカナダによる攻撃だけのためではありませんが、そもそも「でっちあげている」という発言は棚上げせざるを得ません。これはまさに、起きるはずがないと彼が言ったものです。同社は実際、150億ドルを要求しています。この投資家-国家紛争調停条項のおかげで、判事ではない、三人の民間部門の弁護士で構成される裁決機関で。利益相反や、公平の規則は存在しません。彼らは、ある日は企業のために政府を訴え、翌日は判事役をつとめるという具合に、交代する連中です。しかも連中は、連中の中だけで、訴訟事件を審理するのです。彼ら自身"クラブ"と呼んでいます。しかも、上訴はありませんし、彼らが政府に支払うよう命じる金額に上限はありません。そして、ちなみに、もし政府が支払わなければ、企業には政府資産を差し押さえる権利があるのです。税金を引き出すため政府資産を差し押さえるのです。ですから、第一にこの訴訟は、オバマ大統領が、これについて懸念をしている連中がでっちあげているのですといった、まさにその訴訟なのです。それが今実際に起きたのです。

しかし、これは、WTOに、貿易制裁で何十億ドルも威嚇されて、連邦議会が、他の消費者保護法骨抜きにして、わずか一カ月後のことです。食料品店では気がついておられない皆様に申しあげたくはないのですが、肉が一体どこから来たのかを知るために我々が使っているこうした消費者用の肉の原産地表示ラベルを、WTOは、もはや使用することはまかりならんといったのです。それで議会は、こうした経済制裁に直面して、"ああ、そんな法律はなくした方が良い。"と言ったのです。そこで、二つの現実例が、オバマ大統領が約束したものと比較できます。

TPPには、皆様に知っていただくべき、更にひどいことがあります。トランスカナダは、訴訟事件摘要書を提出していますが、この訴訟で用いている実際の文言は同じ文言で、一言一句違わぬ文言が、TPP中で繰り返されています。NAFTAとTPPの投資家-国家紛争調停条項の文言では、色々細かいものが変更されています。様々な点で、実際、TPPは、投資家-国家紛争調停条項を拡張しているのです。TPPは、より広汎な企業の主張を可能にしています。外国の土地での、外国企業の天然資源採掘免許に対する政府契約に異議を申し立てることまで認めています。これはNAFTAにはなかったのです。ところが、トランスカナダがしている実際の主張は、一言一句、TPPの文言です。この分析は、我々のウェブサイト、TradeWatch.orgでご覧いただけます。文章をお読みいただいて、私たちの分析を、基本的に、案内付き見学としてご利用ください。

エイミー・グッドマン:ロリさん、彼らが一体なぜ、150億ドルを要求しているのかご説明ください。

ロリ・ワラック:これは昨日、実に多くの人々が私に聞いた質問です。"はい、ちょっとお待ちください。"新聞を読んでいる人なら誰でも"そう思うでしょう。これは、30億ドルのパイプラインです。彼らは一体なぜ、納税者に、150億ドルも要求できるのでしょう?" 答えは、理不尽な投資家-国家紛争調停制度のもとで、外国企業は、アメリカの裁判所を回避し、アメリカの法律を回避し、補償を要求するというこうした特別な権利を得られるだけではありません。彼らがプロジェクトに投資した金額だけではなく、彼らは期待される将来の利益まで補償されるのです。連中は計算しているのです。準備書面は、これを論じています。パイプラインが認可されていれば、パイプラインの稼働寿命の間に将来、得られたであろうと考える利益。そして、彼らの商業プロジェクトは、国益にならないと、アメリカ政府が民主的決定をしたのだから、それが、我々納税者が連中に支払うべきだとされるものなのです。それが150億ドルなのです。

エイミー・グッドマン: ロリさん、貿易ルールが、気候変動への各国の対処方法にどう影響するのかお話しいただけますか? 例えば、2014年に、アメリカが、インドの太陽光発電奨励金に対して、WTOの異議申し立てをしたような。

ロリ・ワラック:これに関しては、シエラ・クラブ、NRDC、350.orgが素晴らしい仕事をしています。彼らのウェブサイトをご覧いただけば、たとえば、シエラ・クラブには、気候の混乱への対処も、我々が採用したいエネルギー政策における「効率」の適用、両方の取り組みも、アメリカの貿易ルールが損なっていることをあらゆる点で、体系的に調査した素晴らしい報告があります。包括的には、三つ問題があります。

問題の一つは、ある国と貿易協定を結べば、たとえば、液化天然ガスの輸出を停止することが許されなくなってしまいます。エネルギーを輸出し続けることが義務にされてしまうのです。気候問題対策の一環として、特定の炭素系燃料を加工したり、輸出したりしないでいる必要があるのですが、政策として、そうする権利を失います。そういうことは、割当量ゼロと見なされるのです。我々は貿易を制限することが許されなくなります。

二つ目は、これら全ての貿易協定にある、貿易以外の規制制限です。規則は、あらゆる国が、あらゆるこうした貿易以外の規則に合致すべく、国内法を改訂しなければならないというものですから。TPPには30章あります。貿易に関係しているのは、わずか6つの章です。サービスについて、一つの章があり、それはエネルギー・サービスも対象にしています。たとえば、政策で、化石燃料対、風力や太陽光で、差別をして、規制することが許されなくなります。化石燃料は化石燃料なのです。しかも、この種のエネルギーと環境保全施策を巡って、一連の具体的制限があります。

更に、三つ目は、行える調達政策の種類を限定してしまうのです。ですから、典型的には、品々を政府のために調達して、市場を作り出す場合、税金の利用で、政府が最先端になります。自動車の効率基準、燃料効率基準で、アメリカの自動車を購入する際には、企業平均燃費基準CAFEがあることを誰でも知っています。政府保有車両のための、その基準は、政府プログラムとして、企業が、効率的な自動車の製造を試すことができる市場を得られるようにするのです。ですから現在は、たとえば再生可能エネルギー供給義務化基準というものがあり、政府がエネルギーを購入する場合は、一定の割合は、再生可能エネルギーでなければなりません。この種の条件制限は、TPPのような協定では、調達の章で制限されます。ですから、燃料政策の選択肢で、政府の動きを制限するので、基本的に燃料業界にとっては大当たりで、それが彼らがこの協定が大好きな理由なのです。

記事原文のurl:http://www.democracynow.org/2016/1/7/transcanada_sues_the_us_for_15b

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大本営広報部、スキー・バスの事故、真剣に報道する。それは、当然悪いことと思わない。

不思議なことは、沖縄基地問題や、TPPになると、急激に熱意が低下すること。

恥ずかしながら、孫崎氏メールを拝読するまで、この記事に気がつかなかった。

キーストーンについて、何も知らずにいたわけではない。

Democracy Now!の、この件に関する記事に下記がある。大本営広報部よりはるかに重要と思う。

Obama Rejects Keystone XL Pipeline under GOP Deadline, But Opponents Prepare for Long-Term Fight

衝撃的なのはこのインタビューだろう。当然ながら、属国日本の大本営広報部、決して報じない。

スキー・バス惨事。運動神経皆無で、金銭的余裕もないのでスキーは全く縁がない。しかし、子どもとしては、バスに乗るたび、大雨での崖崩壊や崖下パス落下、ずっと恐れていた。

深夜バス、一度だけ乗ったことがある。6時間。当然、無事目的地についた。

しかしバスはバス。軌道上を走る鉄道ではないだろう。

深夜バスゆえ、十分睡眠をとれないまま、目的地についた。年をとった体には答えた。

大本営広報部が、大騒ぎするほど、深夜バスは恐ろしくないのでは、と想像する。そうでなくて、なぜ、新宿の巨大バス・ターミナルだろう。

本当に恐ろしいのは、売国奴連中が、1億人すべてを道連れに壊滅する属国体制だろう。

2016年1月15日 (金)

テロとのつながりを消し去るためのエルドアンの偽旗爆発

Finian CUNNINGHAM
2016年1月14日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、今週イスタンブールで、死者をもたらした爆発に対応した巧みなやり方が疑惑を生んでいる。この出来事には、無辜の一般市民に対して実行された、単なるイスラム主義者のテロ攻撃以上に多くのことがあるのではという疑惑だ。大胆に言えばこうだ。イスタンブール爆破を実行したとされている、全く同じイスラム主義テロ・ネットワークと彼自身の政権のテロへの結託に関する山のような証拠を消し去るために、エルドアンには、この残虐行為が“必要だった”のだ。

流血と殺りくから、彼の政権は素早く進み出て、国際的に、自らを野蛮なテロの被害者として、また「イスラム国」テロ・ネットワークに対する恐れを知らぬ戦士として位置づけようとした。トルコは、あまりに自意識過剰に、自らを11月のパリ・テロ攻撃後の感動的なフランス国旗に身を包もうとしている。

アメリカのホワイト・ハウスと国連の潘基文事務総長も、イスタンブールにおける“卑劣な”殺人に対する非難に割ってはいり、テロに対し、トルコとの団結を誓った。

エルドアンもアフメト・ダウトオール首相も、即座に、別個とは言え、よく似た、原稿を用意された演説で対応し、この残虐行為は、トルコが“テロに対する戦いの最前線”にいる証拠だと主張した。

“「イスラム国」テロリストを打ち破る我々の決意には誰も疑念を抱くことなどありえない”とエルドアンは記者団に語った。彼の真剣で強硬な対テロ宣言を、ダウトオールも繰り返した。

だがウィリアム・シェークスピアなら言うだろう。“むきになって言い張り過ぎだ!”(ハムレット三幕二場)つまり、わざとらしい言辞が隠れた動機を示唆している。

エルドアン政権は、イスタンブールの歴史的地区で起きて、8人のドイツ人観光客を含む少なくとも10人が死亡した爆発に、怪しいほど正確な説明で対応した。

火曜日の早い時間の攻撃から数時間後に、トルコ当局は自爆犯人は元々サウジアラビア生まれの28歳のシリア人だと特定した。トルコ政府は、彼が「イスラム国」(IS)テロ集団のメンバーだったと述べた。

だが数時間後、火曜日夜の時点で、攻撃を実行したと発表した集団はなかった。これが一体誰が爆破を実行したのかという疑念を生じさせる。確かにISなら、こうした残虐行為でいつもしている通り、国際的な大見出しになる攻撃を大喜びで自分の手柄にするだろう。一体なぜこの集団が、事件直後、事件について何も知らないように見えるのだろう?

もしこれがトルコの国家治安機関をあざむいた本物のテロ攻撃だったのなら、トルコ当局は一体なぜ、自爆犯人とされるものをこれほど迅速に特定できたのだろう? “普通の”テロ攻撃では、当局は不意を突かれ、一体誰が実行したのか全貌を明らかにするのに、数日間奔走するものだ。今回はそうではない。エルドアン政権は、爆撃の背後にいるとされる集団(IS)のみならず、実行犯とされる個人の真相まで、即座に把握していた。もし公式説明を額面通り受け取れば、これは実に目ざましい捜査効率だ。

いずれにせよ、エルドアン政府の説明を額面通り受け取るのは、あまりに考えが甘い。トルコの軍諜報機関、MITは、これまで過去の多くの例で、シリアで戦争をしているイスラム主義テロ集団と、密接に関与していることがあきらかになっている。

ジュムヒュリエット紙編集者のジャン・デュンダルは、彼の新聞が、MITによるシリア国内のテロ集団向け銃密輸入を暴露したために、終身刑に直面している。

トルコ国会議員エレン・エルデムも、今年早々、エルドアン政権がMITが「イスラム国」戦士に提供した化学兵器の捜査をごまかしたという信ぴょう性のある主張をした。2013年8月、ダマスカス郊外東グータでのシリア国民大量殺りくに使用された可能性が極めて高い化学兵器だ。

ロシア軍の航空偵察が、ここ数カ月、ISテロリストによる、トルコへの産業規模での石油密輸を、疑いようもない暴露したが、密売の確かなつながりは、トルコ国家と、特にエルドアンの家族の海運事業にまで、はるばるさかのぼる。

トルコ国内のトルコ国民に対する過去の爆撃でも、エルドアン政権の汚れ仕事がほのめかされていた。昨年10月、アンカラの平和的集会での爆弾爆発で、100人以上のクルド人権活動家たちが死亡した際、クルド人集団は、トルコ国家の機関工作員が秘密裏に残虐行為を遂行したと非難した。やはり昨年のスルチとディヤルバクルでの、クルド人政治集団に対する、死者を出した爆発を巡り、国家テロだという、同じような主張がされた。

2013年5月、トルコ国境の町レイハンリで、40人以上が死亡した爆発でも、トルコのシリア軍事侵略のために、開戦理由をでっちあげようとする企みで、シリア政府を陥れようとした、トルコ政府工作員のせいだとされた。トルコのアフメト・ダウトオール首相も、党幹部連中との私的会合で、そのような偽旗作戦について発言したのを漏洩した録音テープでつかまれていた。

ここ数週間、トルコ当局は、ISに属する自爆犯を阻止したと言って、トルコ国内のテロ策謀をくじいたと大げさな主張をしている。エルドアン政権が、自立したマスコミ報道を厳しく弾圧しているため、これら公式説明を確認するのは不可能だ。

だが、そのような公式説明を評価する妥当な方法の一つは、トルコ当局が、今週イスタンブールでの爆破で起きたように見えるテロ攻撃の準備をしたと考えることだ。

エルドアン政権は素早い反応で、巧みに、トルコはISテロの犠牲者だというむきだしの主張をはじめ、ホワイト・ハウスと国連からすぐに同情と支援を受けることになった。

きちんと理解をするには、タイミングが重要だ。エルドアンもダウトオールも与党の公正発展党も、ここ数カ月、ロシアのシリア軍事介入によって、連中はシリア国内でのテロ支援にどっぷりつかっていることが暴露されている。欧米マスコミは、事実発覚に、興味なさげな無関心で対処した。それでも、事実発覚は、NATO加盟国で、欧州連合加盟の熱烈な希望者であるトルコ国の無法状態についての衝撃的告発だ。

エルドアン政権は、シリアにおける、特にISのようなイスラム主義のテロ集団と結託した国家テロや密輸や銃密輸と同義語になっている。(サウジアラビアも同様に、ならず者、やくざ国家として脚光を浴びている。)

エルドアンの視点からすれば、後に、で、彼の政権が“ISの敵”で、“テロに対する擁護者”であるという主張をするため、今週イスタンブールで外国人観光客を殺害したISの残虐行為より有り難いものがあるだろうか。

とはいえ、この代替のより現実的シナリオが物語っている。エルドアン政権は、そのようなテロ工作員連中と協力しているがゆえに、爆破犯人の正体を知っていたのだ。そして“テロの犠牲者”として見なされることで、トルコの酷く傷ついた国際的評判を漂白するという連中の利己的な政治的目的のため、トルコ当局が攻撃実行を可能にしたのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/14/false-flag-bomb-erase-erdogan-terror-links.html
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同じことが、この国で起きて不思議はない。同じ「ヤラセ」背景で。侵略戦争推進のために。

文字通り、庶民の全滅は近い。

「全国的な選挙調整ができなければ『全滅』だ。今のままだとそうなる可能性が非常に強い」――生活・小沢代表が参院選に危機感!自民党側に回った鈴木宗男氏の「転身」にも言及

共産党、名前が悪いから、名前を変えろ、という連中、名前を変えれば、振る舞いが悪いから、俺たちについて来いというだろう。

統一戦線をはばんでいるのは、エセ野党、エセ労組の連中だということは、日々はっきりしつつある。

別に、共産党と協力することが、共産主義政府樹立を目指すわけではないこと、猿でもわかるだろう。野党協力を拒否しているのは、事実上、与党に加担することに他ならない。

 

悪魔の安倍政治本性が牙をむくのはこれからだ 植草一秀の『知られざる真実』

 

街の弁護士日記に、驚くべきというか、恐ろしいというか、信じたくない必読記事がある。

 

日弁連次期会長  稲田朋美議員支援者でいいのか

 

バラエティ番組、知る必要皆無の、政府に不利にならないゴミ情報だけを流す。TPPの深刻な問題には決して触れない。

 

先程、タイトルを拝見して嬉しくなったブログのタイトル。

 

 

 

個人的に恥ずかしいとは思わないが、スマップというグループ、皆様のお名前を良く知らない。

個人的に思い出すと、どうでもいいことを全局が報じる時、ろくなことは起きていない。というより、意図的な悪質な仕業を隠すため、全くどうでもいいことが報じられる。タレント集団の解散が大きな話題になることがわからない。人気タレントの不倫が話題になる意味がわからない。人気タレントだという竹下首相の孫の結婚がなぜ話題になるのだろう。こういう話題を追いかけていれば、脳味噌は、酒粕以下の廃棄物になるだろう。マスコミの愚民化推進は、下記記事の末尾で触れた。

WikiLeaksを巡る疑念はてんこもり 2010年12月 7日

「庶民生活にとって、どうでも良い話題は熱心に報じるが、庶民生活にとって、どうでも良くない話題は報じない」のが彼等(政界・マスコミ・霞が関)の仕事なのだ、という素朴な確信、頭から離れない。

 

    • 野球関係のおば様と剣劇のおば様の口論?が大いに報道されたのは、1999年3月末

 

    • そこで、 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律 1999年5月28日

 

    • 国際連合平和維持活動などに対する協力に関する法律の一部改正 1999年7月16日

 

    • 白装束の渦巻きカルト集団の動きが大いに報道されたのは、2003年4月から5月

 

    • それから、 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 2003年6月13日

 

  • モンゴル人横綱の暴力騒動がかまびすしかったのは、2010年1月 そして、 「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」(日米安全保障条約)署名50周年に当たっての日米安全保障協議委員会の共同発表 2010年1月19日

 

そういう時間とエネルギーの浪費はやめよう。意味ある言論を見よう。

 

関税撤廃で自給率低下 農業者の怒り代弁 TPP撤退迫る畠山議員(共産)衆院予算委

 

しんぶん赤旗 政府のTPP「輸出戦略」批判 畠山氏

2016年1月14日 (木)

シリアの「真実」飢餓状態の欧米マスコミ

Finian Cunningham

2016年1月11日

"Sputnik"

またもや欧米報道機関は、包囲攻撃から解放されつつあるシリアの飢えている町に関し、厚かましいウソと半端な真実を語ることに、せいを出している。詐欺報道を強化するため、痩せ衰えた子どもたちのニセ写真も報道されている。

BBCと、イギリスのインデペンデント紙がシリアの街マダヤのものだと称した栄養失調の少女の写真を例にとろう。少女は南レバノン住民であることが判明した。彼女の名前はマリアンナ・マゼフだ。今週、欧米マスコミが広く流布した写真は三年前のものなのに、彼女は、欧米マスコミがバッシャール・アル・アサド大統領の政府軍によって封鎖されていると言うシリアの街マダヤ住民の一人だと、その同じマスコミが主張している。

プロパガンダ目的で、彼女の惨めな画像が流布されていることに、マリアンナの家族が、激怒していることが判明した。"私はマダヤではなく、タイル・フィルセイ[南レバノン]に住んでいますし、私は元気です" と少女はアル・マナル通信に語った。彼女は現在7歳で、昔のやせ衰えた状態からは、完全に回復しているようだ。彼女の昔の病気の原因は不明だ。


2016年1月5日に、マダヤで撮影されたとされるビデオからとられたこの写真用に、カメラに向け、抱き上げられた幼児。©
            REUTERS/ SYRIA-TOWN Handout via Social Media Websit
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しかし、あきらかなのは、またしても、欧米マスコミが、現在解放されつつある包囲攻撃されていたシリアの町に関する現実を改ざんした現場を見られてしまったことだ。

イギリス国営放送局BBCは、シリア中の約15の包囲攻撃された町で、400,000人もの人々が捕らわれていると報じている。BBCや他の欧米マスコミは、こうした場所を "反政府勢力が占拠している"と報じ、あからさまなウソや半端な真実の過程で、ヒズボラ民兵とロシア空軍力に支援された、シリア軍によって包囲攻撃されている場所だと推論する。

ニューヨーク・タイムズが、今週"人々は脱出しようとすると、銃撃される" 虜囚状態の町について報じた際のように、時折、欧米マスコミも、うっかり漏らすことがある。住民を人質にしているいわゆる反政府勢力によって、人々は銃撃されるのだが、ニューヨーク・タイムズはその事実を省いている。

欧米マスコミが語ろうとしない半端な真実は、シリアの多くの町が、依然外国が支援する傭兵民兵によって占拠されていることだ。彼らは、いわゆる「イスラム国」(あるいはダーイシュ)、ヌスラ戦線や、ジャイシ・アル・イスラムといった集団に属するテロリストであって、"反政府勢力"ではない。彼ら全員が、反抗するものは誰でも首を切り落とされたり、子どもたちが集団強姦されたりして当然だと規定する、倒錯、堕落版イスラム教を信奉している。

欧米マスコミは、"シリア政権" 軍が、町々を封鎖して、飢餓を、住民に対する武器として利用していると報じている。真実からこれほどかけ離れたことはない。
住民は、テロ集団によって人質にされ、本人の意思に反して捕らわれていた人々を解放すべく、シリア軍が前進するのを防ぐ"人間の盾"として利用されているのだ。

今週、包囲攻撃されている町として、ニュースで報道されているのは、首都ダマスカス近くのマダヤと北部のケフラヤとフォウアだ。だが同じ包囲攻撃状況と最終的解放は、以前にもザバダニ、ケッサブ、アドラ、ホムスやマルーラなどの他の多くの町や村で繰り返されてきた。

全ての場合で、外国が支援する傭兵による監禁状態という悪夢から解放されたことを感謝して、住民は "解放者"として、心から喜んで、シリア軍を歓迎している。彼らの飢餓や全般的な虐待状態は、欧米マスコミが主張するような、シリア国軍による包囲作戦とされるもののせいではなく、傭兵によって大量拉致された直接の結果だ。

アイルランド人の平和活動家、デクラン・ヘイズ博士が、2014年、レバノン国境近くのマルーラで解放に立ち会った体験を筆者に語ってくれた。

"シリア軍部隊と町に入ったのは、4月24日、復活祭の日曜日でした。傭兵によって数カ月占拠されていました。子どもも、老い若きも、キリスト教徒も、イスラム教徒も、歓声を上げ、旗をふって迎えてくれました。雰囲気は高揚していました" とヘイズは語る。

"マルーラの破壊は、実際に見なければわかりません。占拠していた傭兵によってあらゆるものが破壊されていました。住民は依然として、受けた残虐行為によるショック状態にありました。斬首、銃撃、拉致、強姦です。壁には、いわゆる聖戦士連中が描いた落書きがありました。‘我々の敵の首を切ることで、我々は神に近づく'というものです。"

彼らは、欧米政府とマスコミが"反政府勢力"と呼んでいるまさに同じ傭兵だ。マダヤや他の町の包囲攻撃が、今週終わりつつあるので、欧米マスコミは、マルーラも、同様に、シリア軍による包囲攻撃下にあるというお話を考え出した。

もちろん、欧米が、"テロリスト"とは呼ばず、"反政府勢力"と呼ぶ理由は、テロリストを、欧米政府と、サウジアラビア、カタールやトルコという地域の同盟諸国が連中を支援しているためだ。完全な真実は、本当の欧米政府の犯罪的本質や、アサド政権に対する、違法な政権転覆計画のため、シリア国内の秘密戦争を、連中が支援している実態の衝撃的な暴露なので、半端な真実がでっち上げられたのだ。

ヘイズは、シリアの町や社会を狂気に陥らせている客観的な手法があるという。シリア社会と文化の豊穣な多元的構造を破壊するのが目的だ。

"マルーラは、世界最古のキリスト教徒が暮らしている場所の一つです。現地の人々は、イエスの時代に遡るアラム語を話しています"とヘイズは説明する。"しかし、そこの社会には、イスラム教徒、スンナ派、シーア派、アラウィ派、ドルーズ派や他の宗教の人々もいます。彼らは何世紀も平和に共存してきました。マルーラは、広汎なシリア社会の縮図です。他文化で、平和共存しているのです。"

2011年3月に紛争が勃発して以来、外国が支援する傭兵連中が行おうとしてきたのは、社会を残忍に扱い、宗派間分裂を激化させることによる、シリア社会構造の破壊だ。

過去五年間、シリアで暴れ回っている傭兵旅団は、欧米の軍諜報機関、アメリカCIAと、イギリスのMI6と、トルコ諜報機関によって指揮されていると、ヘイズは考えている。"これらのテロリストの指揮統制は、シリア国外から行われています。テロリスト連中は、社会を破壊しようという、悪魔的ではあるが意図的な計画に従っているのです。"

欧米の報道機関は、シリアに対する国家的テロ攻撃のプロパガンダ機関だ。シリアは、"民主主義をもたらすため"欧米列強が違法に介入した、他の多くの国々同様の破綻国家に変えられて、完全に壊滅させられる瀬戸際にあった。

9月末のロシア軍事介入が、シリアを崩壊の瀬戸際から引き戻した。また、現在、テロリストに降伏を強いているのも、ロシアの空軍力と、シリア軍、ヒズボラとイランの地上軍なのだ。それで、多くの包囲攻撃が急におわりつつあるわけだ。

今や欧米マスコミは、これまで以上のウソで歪めて、 "悪のアサド政権"が(どういうわけか)変心し、打ちひしがれ、飢えた住民に対する人道支援車列進入を許した、と国民に伝えようとしている。

シリアの人々は、欧米が画策しているテロリストによって包囲攻撃されているというのがありのままの真実だ。

欧米マスコミによって、欧米諸国民の心に対しても別の包囲攻撃がしかけられている。真実の飢餓だ。

本記事の見解は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもSputnikの公式的な立場を代表するものではない。

 

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。北アイルランド、ベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は20年以上、編集者、著者として働いた。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20160111/1032965548/west-syria-media-misinformation.html
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藤永茂氏『私の闇の奥』の記事「鰐(クロコダイル)の目に涙」この記事と直接つながっている。

昼間のバラエティー番組、北朝鮮核実験や渡り蟹シーズンと紛争との関係を面白おかしく語り、及びそうな危機や、トルコ首都の爆破問題を官報よろしく扱う。そして三歳児虐待死事件。

来る選挙によって、自国が本格的な戦争属国に変わるのを前に、北朝鮮を馬鹿にしている余裕はない。自分の頭の蠅を追わない茶坊主・女茶坊主のたわごとを聞き流しながらも、いらいらはつのる。胃や腸にも決して良くはない。見なければよいのだが、見ないで電気洗脳箱と呼んでも、説得力がないだろうと、電気代を使って勝手に苦行中。(翻訳中、聞いているだけ。)

マスコミは「緊急事態条項」による日本破壊を目指す政府広報窓口。

マスコミによって、日本人の心に対しても別の包囲攻撃がしかけられている。真実の飢餓だ。

大本営広報部ではない発言をこそ読む必要があるだろう。洗脳されずにいるためには。

悪魔の安倍政治本性が牙をむくのはこれからだ

2015/12/06 【岡山】「アラビア語わからない」―― 文書流出で明らかになった公安の的外れで呆れた「テロ対策」に東京新聞・田原牧氏「一番の対策 は恨まれないこと、敵をつくらないこと」と警告!

2016年1月13日 (水)

エルドアン皇帝のISILイェニチェリ軍

Wayne MADSEN
2016年1月11日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

オスマン皇帝の時代、イェニチェリ、傭兵は、個人的に皇帝の私兵として働くよう採用され、最後のイスラム教カリフ国でもあったオスマン帝国全土で大変な権勢を振るった。イェニチェリは、大半がアルバニア、セルビア、マケドニア、ボスニアと、ブルガリアの征服されたキリスト教徒から徴募された。キリスト教徒の家族は、オスマン皇帝の奴隷兵として、若い息子を軍務に強制徴募された。通常、家族が再び息子と出会えることは決してなかった。

暦を現代へと早回しすると、我々は新オスマン帝国指導者の復活を目にしており、ドイツ・ナチス総統アドルフ・ヒトラーが樹立した強力な大統領制政府を最近称賛したレジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領が、現代のイェニチェリ、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)を非公然に支援している。皇帝のイェニチェリ軍団と同様、イラクとシリアから、リビア、アフリカの角、そして北ナイジェリアにまでひろがる領土で“カリフ国”を自称するISILは、主に傭兵で構成されている。多くのISIL傭兵は、シリアとイラク国内の聖戦戦士に仲間入りするため、自らの自由意思でトルコを縦断してはいるが、最近の報道は、ウソの約束をされ、聖戦戦士軍に引き込まれる若者がいることを示唆している。

最終的に、イェニチェリ軍団は彼らの影響力と権限を制限しようとした皇帝に歯向かった。1826年、皇帝マフムト2世が、テッサロニキの悪名高い“血の塔”で多くの首をはね、6000人以上のイェニチェリを虐殺した残虐な作戦でイェニチェリ軍団を絶滅した。強力な近衛兵に対するそうした残虐な弾圧は、フランス王フィリップ4世が、教皇の傭兵軍、テンプル騎士団を、大量虐殺するよう命じた1307年10月13日の金曜日以来なかった。

トルコ軍と、トルコ国家情報機構(MIT)に、シリアとイラク国内の彼のISIL“イェニチェリ”支援を承認したエルドアン大統領は、明らかに、歴史をしっかり学んではいない。ISILカリフ国は、現在、彼らがシリア、イラクとリビアに対してそうであるのと同様に、トルコにとっても、長期的な危険となっている。

公式には、ISIL、ダーイシュや、他のいくつかの名称で知られているトルコとサウジアラビアのスンナ派聖戦戦士“外人部隊”は、東部戦線を始めつつある。バッシャール・アル・アサド大統領政権を保護するためのシリア内戦へのロシア参入に悩まされて、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と、サウジアラビアのサルマン王に雇われたISIL傭兵 イラク軍による地上戦での大きな敗北、ISILは、サウジアラビア東部州のシーア派の間にテロをまき散らし始めた。

ISIL前進の基盤を構築するため、昨年5月、サウジアラビア諜報機関が、ISILテロリストのスンナ派軍団に、二つのシーア派モスクを爆破することを認めた。2015年5月22日、カティーフのクディーフ村で、シーア派のイマム・アリ・イブン・アビ・タリブ・モスクが、ISILテロリストによって、爆破された。金曜日のお祈りの際に起きた爆撃で21人が死亡した。5月29日、ダンマームのイマム・フセイン・モスクの駐車場で、別のISILテロリストが自爆した。攻撃で4人が死亡した。

2015年3月、エルドアンが、サウジアラビアのサルマン王との新オスマン同盟を強化するためにサウジアラビアを訪問した後、モスク攻撃がおこなわれた。トルコのMIT長官ハカン・フィダンは、世界中のイスラム社会で、ISILのために募集を継続し、トルコ-サウジアラビア枢軸に対する新たな標的を決定する自由を与えられている。こうした標的には、2015年5月の攻撃で見られたように、東サウジアラビアのシーア派少数派が含まれている。

2015年6月、サウジアラビアが率いるISIL傭兵が、クウェート市のサワビル地区のイマム・サディク・モスクへの自爆攻撃を手配した。27人のシーア派信者が死亡し、227人が負傷した。2015年11月24日、シリア国内の聖戦戦士ゲリラを攻撃する任務のロシアのSu-24爆撃機が、シリア側に突出している狭いトルコ領空に数秒間入り込んだ後、MITが、トルコ空軍に撃墜を命じた。シリアのISILのために戦っている、MITに支援されているトルコマン族聖戦戦士ゲリラに、パラシュートで脱出したロシア人パイロットを銃撃し、彼らを救出するため派遣された、ロシア海兵隊ヘリコプターをアメリカのTOWミサイルで攻撃するよう命じたのもフィダンだった。

昨年11月、トルコとサウジアラビアの許可を得て、ISILテロリストが別のシーア派モスクを攻撃した、今回はバグダッド南部郊外だ。6人が死亡し、19人が負傷した。モスク攻撃後の週には、バグダッド中のシーア派に対する残忍なISIL攻撃が行われた。

フィダンは、バージニア州ラングレー、中央情報局(CIA)7階にあるジョン・ブレナン長官事務所では大歓迎の客だ。ブレナンは、サウジアラビアのISILへの資金提供と、武器供与への隠れ蓑を提供するだけでなく、1990年代、CIAリヤド所長として、戒律を順守するイスラム教徒だけに許されているメッカの神殿訪問の許可を与えられ、イスラム教の本拠を表敬訪問した断固たるサウジ支持者でもある。奇妙なことに、CIA長官として宣誓をする際、ブレナンはアメリカ憲法を選び、聖書を避けた。

サウジアラビアは“急進主義”と戦うための多国籍同盟の立ち上げを画策した。サウジアラビア連合の一員だと発表された三国、パキスタン、マレーシアとインドネシアは、事前に相談がなかったので、自分たちが一員とされたことへの驚きを表明した。やはり、サウジアラビア連合の一員として発表されたレバノン政府も、反サウジアラビア・シーア派ヒズボラがレバノン政府の一員なので、反対を表明した。

サウジアラビアは、軍事協定の発表の後、サウジアラビアでシリアの反政府政党の会合を開催して。サウジアラビアと同盟国のトルコは、明らかにアンカラ-リヤドの勢力圏内にある連中を招いたのだ。サウジアラビア秘密会議に出席したのは、シリアのアルカイダと連帯している、アフラール・アシ・シャム・ゲリラと、トルコに本拠を置き、トルコが支援するシリア国民評議会だった。

リヤド会談から締め出されたのは、トルコ-ISIL共同作戦で、再三攻撃されている、主要なシリアのクルド政党、クルド民主統一党(PYD)、サウジアラビアと、トルコがキリスト教を軽蔑しており、コーランに触発された、キリスト教との最終対決を追求しているため、招かれなかった、主にキリスト教徒が多いアッシリア民主党、PYDの軍事部門であるクルド人民防衛隊(YPG)、YPGとより小規模なアラブ人と、キリスト教部隊と連合し、アメリカの支援を受けているシリア民主軍同盟、そして、特に注目すべきは、バッシャール・アル・アサドのシリア政権だ。

シリアとイラクにおけるISIL戦線がこう着状態なので、集団を東に進めるべき頃合いだ。2015年3月、エルドアンが、サウジアラビアのサルマン王との会談前に、アラビアの二つのシーア派モスクに対するISIL爆撃があったのと同様、2015年12月30日、エルドアンの二度目のリヤド訪問では、数日前に、人気の高いシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルと、それほど著名でないシーア派宗教指導者4人のサウジアラビアによる処刑が行われた。広報目的で、サウジアラビアは、2004年に逮捕されていたファリス・アル-ザフラニという“アルカイダ”テロリストも処刑したと述べた。テヘランとマシャドで、反サウジ・シーア派暴動が起き、こられの都市で、サウジアラビア大使館と領事館が襲撃された後、リヤド政権は、イランとの関係を絶ち、アラブ首長国連邦、バーレーンとクウェートに、イランとの関係を停止し、格下げするよう圧力をかけた。

ニムル・アル・ニムルの処刑が、サルマンとエルドアンが望んでいたものの舞台を作ったのだ。シーア派と、東のイランとの対決だ。イスラム教でも穏健なイバード派が、サウジアラビアのワッハーブ派と、新オスマン・トルコにとって、目の上のこぶである、イランに好意的なオマーン・スルタン国も標的だ。オマーンのカブース・ビン・サイード国王は、健康がすぐれず、後継者が指名されていない。オマーンは、スンナ派国際・聖戦傭兵にとって格好の標的だ。

ペルシャ湾地域のスンナ派軍団用に、懸案のトルコの動きとして、トルコ軍とMITは、カタールに、軍事基地を建設中だ。カタールのトルコ軍基地は、サウジアラビア東部州、クウェート、イラク、バーレーンとイランや、オマーンのシーア派標的や、ISILが国家支配を目指して、タリバンに挑戦しているアフガニスタン国内の標的に対するISIL/ダーイシュ/スンナ派軍団攻撃を調整することになる。ISIL部隊は、イランが港や他の事業権益を保有しているフジャイラと、ラアス・アル=ハイマ首長国で、潜在的標的を精査することになろう。

このカタールにおける新オスマン作戦は、3000人のトルコ軍陸軍、海軍、空軍と、“特殊作戦”部隊で構成され、中東最大の米軍基地、アルウデイド空軍基地の陰に隠れて、作戦を行う予定だ。カタールのトルコ軍基地を補完する建造中の225メートル航空母艦“アナドル”が、ペルシャ湾とインド洋への新オスマン帝国進出に、追加の航空機、ヘリコプター、戦車や、上陸用舟艇支援を行うことになる。またしても、実績が、シリア、イラクとリビアのみならず、ペルシャ湾地域においても、首席中東顧問エルドアン皇帝と共に、バラク・オバマが、聖戦戦士によるテロを支援、扇動していることを示すだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/11/isil-janissary-army-of-sultan-erdogan.html
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イスタンブール観光地、アヤソフィア博物館やブルーモスク近くで爆発。観光業には大打撃だろう。こうした出来事を利用し、日本より一足先に「緊急事態事項」を導入するのだろうか?

衆院中継「妻がパートで25万」発言を追求する民主西村智奈議員に屁理屈で答える様子、見ていて恥ずかしい。
民主緒方林太郎議員の「拉致を政治利用したのか」との質問に、彼は「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う」と答えた。
言い換えれば、緒方林太郎議員が引用した蓮池透氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)にはウソが書いてあることになる。
論理的に、どちらかが本当で、どちらかが間違い、あるいはウソ。

本が刊行されたのは知っているのだが、書店でみかけず、まだ拝読していない。個人的には、蓮池透氏を信じている。

「安倍さんは拉致問題を政治利用して総理大臣にまでなった」――拉致被害者家族・蓮池透氏が会見で「真相」を暴露! 〜安倍総理は国会で「誹謗中傷」「北朝鮮の思うつぼ」と“逆ギレ”!

昼に外出したので、午後見たのは共産党笠井亮議員と赤嶺政賢議員だけ。安保、戦争法案、辺野古基地問題に直結する重要話題の論議。質問はよかったが、回答がひどい。

ジブチ基地・軍事協力強化拡大画策を指摘する笠井亮議員に対し、防衛大臣、事前通告がないから読んでいないと木で鼻をくくった答弁。
こっそり、アフリカ基地を拡大し、NATO、アメリカとの活動を強化していること、知られたいはずがない。

「アフリカで、自衛隊をNATOと一緒に活動させろ」というのは、民主党長嶋議員が師事し、尊敬するブレジンスキーの著書に前から明記されている。(下記記事は翻訳ではない。)

北大西洋共同体(NATO)に日本を組み込む ブレジンスキー 2009年2月15日

赤嶺政賢氏が、国民、沖縄県民の願いより、アメリカ軍の要求を優先している現実を鋭く指摘するが、傀儡与党、見苦しい言い訳しかできない。理は赤嶺政賢氏側にあるのは明白。

大本営広報部をいくら読んでも、見ても、背後の理由は見えてこない。

【特別寄稿】安倍総理のアフリカ訪問の動機とは? ~中国、資源、そして米軍との軍事協力(米川正子 元UNHCR職員・立教大学特任准教授)

2016年 年始特別連載:辺野古基地建設反対「島ぐるみ会議」訪米団完全密着レポート~日本政府を飛び越えて―沖縄がアメリカと始めた直接対話

2016年1月12日 (火)

論より証拠:アメリカ政府は、人類史上最も完璧な犯罪組織

Paul Craig Roberts
2016年1月9日

地球上の国々の中でも独自に、アメリカ政府は、アメリカの法律と命令が、諸国の主権より優先すると主張している。ワシントンは、外国国民に対する、アメリカ裁判所の権限を主張し、ワシントンや、アメリカの権益団体が認めない外国の活動に対するアメリカ裁判所の治外法権管轄を主張している。ワシントンが、よその国々の主権を無視している恐らく最悪の結果は、ワシントンが、外国国民に対して行使している力は、もっぱら、いかなる証拠も欠ける、テロ行為に対する告訴に基づいていることだ。

いくつか例を考えよう。ワシントンは、まずスイス政府に、スイスの銀行法に違反することを強いた。更にワシントンは、スイスに、銀行の機密法を廃止することを強制したのだ。スイスは民主主義だとされているが、スイスの法律は、スイス国民が自分たちの代表として選出したわけではないワシントンの連中によって決定されるのだ。

どうやらロシアへのいやがらせ目的でワシントンがでっちあげたらしき“サッカー・スキャンダル”を検討しよう。サッカー団体の本拠はスイスだが、だからといって、ワシントンは、FBI職員をスイスに派遣して、スイス国民を逮捕するのをやめるわけではない。スイスが、スイス連邦捜査員をアメリカに派遣して、アメリカ人を逮捕させることをご想像願いたい。

ワシントンの対イラン経済制裁に完全に合致し損ねたかどで、ワシントンがフランスの銀行に課した90億ドルの罰金を検討しよう。ワシントンがイランに経済制裁を課し、他の主権国家にも従うよう要求した事実自体が完全に違法であることを考えれば、外国の金融機関に対するワシントンの支配力というこの主張は、一層厚かましく違法だ。実際、でっち上げで、捏造されたウソの告訴を基に経済制裁が課されたのだから、この場合、三重の違法だ。

あるいは、ワシントンが、フランスの造船会社とロシア政府との間の契約に強権を発動し、フランス企業に、フランス企業には何十億ドルも、フランス経済に対しては、多くの雇用の損失という犠牲を負わせ、契約破棄を強いたことを検討しよう。これは、クリミアで、ワシントンの命令に従わないロシアを、ワシントンが懲らしめる一環だった。

あらゆる国々が、自国の法律の治外法権を主張する世界をご想像願いたい。法的、軍事的戦闘に世界のGDPが費やされて、世界は永久的な混沌になるだろう。

ネオコンに支配されたワシントンは、歴史が、世界に対して覇権を行使するようアメリカを選んだので、他の法律は関係ないと主張している。ワシントンの意思だけが重要なのだ。 リチャード・アーミテージ国務副長官(選出されたのではない職位)がパキスタン大統領に、言う通りにしないと“爆撃して、石器時代にしてやる”と言ったように、ワシントンは、法の命令を置き換えてしまうことが多いので、法律自体さえ不要なのだ。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/5369198.stm

ロシアか中国の大統領が、主権国家に、そのような命令を出すことを想像願いたい。

実際、ワシントンは、パキスタンの広汎な地域を爆撃し、何千人もの女性、子ども、長老を殺害した。ワシントンは、戦争状態にない他国におけるアメリカ軍行動を、ワシントンによる治外法権という主張で正当化したのだ。

他国民に対する、あらゆるワシントン最悪の犯罪で、最も法外なものは、アメリカ法にも、国際法にも違反して、ワシントンが他の国々の国民を拉致し、彼らを、キューバのグアンタナモや、エジプトやポーランドなどの犯罪国家の秘密地下牢に引き渡して、拘留し、拷問する場合だ。こうしたとんでもない犯罪が、アメリカ政府が、疑いようもなく、これまで地球上に存在したものの中で、最悪の犯罪組織であることを証明している。

犯罪者ネオコン・ジョージ・W・ブッシュ政権が、アフガニスタン違法侵略を開始した際、国際法のもとでは戦争犯罪となる違法侵略を正当化する口実とすべく、ワシントンの犯罪政権は“テロリスト”がどうしても必要だったのだ。ところが、テロリストなど全くいなかった。そこで、ワシントンは、軍閥指導者の支配地域に“テロリスト”に何千ドルもの賞金を与えるというリーフレットを投下した。軍閥指導者連中は、この機会を利用し、無防備の人物を捕まえて、賞金欲しさから、アメリカに売ったのだ。

“テロリスト”がテロリストだったという唯一の証拠は、無辜の人々が、軍閥指導者によって、アメリカに“テロリスト”として売られたというだけのことだ。

昨日、ファイズ・ムハンマド・アフメド・アル・カンダリが、“自由と民主主義のアメリカ”による14年間の拷問から釈放された。アル・カンダリの代理人、アメリカ合州国将校バリー・ウィンガード中佐は、“拘禁の正当化として、まずい時に、彼がアフガニスタンでイスラム教徒だったこと、見たこともないような二、三の伝聞の供述以外、何の証拠もありません”。まして、ウィンガード中佐が言う通り、犯した罪とされるものを自供するよう強いる取り組みとしてのうんざりするほど多くの長年の拷問に大義なぞありえない。

欧米の売女マスコミが、こうした事実を報道してくれると期待してはならない。こうしたことを知るには、RT https://www.rt.com/usa/328329-kuwaiti-detainee-guantanamo-transfer/ か、Stephen Lendman http://sjlendman.blogspot.com か、このサイトをお読みいただく必要がある。

売女欧米マスコミは、ワシントンの犯罪的作戦の一部だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/09/the-proof-is-in-the-us-government-is-the-most-complete-criminal-organization-in-human-history-paul-craig-roberts/
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電気洗脳箱、紙媒体、北挑戦の挑発・暴走をあざ笑い、属国民の恐怖を煽る。

本当に恐ろしいのは、北朝鮮ではない。満州国を完成させようとしている連中だ。連中の策謀を、大本営広報部、別名マスコミ、わかっていながら決して報じない。TPP、緊急事態条項。

売女マスコミは、ワシントンと傀儡属国の犯罪的作戦の一部だ。

売女マスコミではない、自立した人々だけがせまりくる危機を指摘している。

植草一秀の『知られざる真実』2016年1月11日このままゆけば日本版全権委任法制定は確実 

IWJ2016/01/11 岩上安身による升永英俊・弁護士インタビュー ~緊急事態条項について(動画)

2016年1月11日 (月)

スティーヴン・スピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』: 冷戦時の一エピソード

David Walsh
2015年10月24日

スティーヴン・スピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』は、冷戦時のエピソードを扱っている。1957年6月、ニューヨーク市でのソ連スパイル、ドルフ・アベルの逮捕と、約5年後、U-2スパイ機パイロット、ゲーリー・パワーズとの捕虜交換だ。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

弁護士のジェームズ・ドノバンは、裁判でアベルの代理人となり、1962年始めの最終的スパイ交換で大きな役割を果たした。イギリス脚本家マーク・チャーマンと、アメリカ人映画製作者ジョエルと、イーサン・コーエン共著の映画脚本は、ドノバンの1964年の回想録、『橋上の見知らぬ二人: アベル大佐とフランシス・ゲーリー・パワーズ事件』に部分的に基づいている。

オープニング・タイトルが、映画が冷戦の真っ只中、1957年から始まることを説明する。ルドルフ・アベル(マーク・ライランス)は、FBIによる監視下、ブルックリンで、いつもどおり、アマチュア画家のかたわら、隠されたメッセージを回収する仕事をする。実際問題、捜索令状も“相当な理由”もなしに、FBI捜査員たちが全く違法に彼のアパートに踏み込む。

冒頭、正当な主張に対して、生命保険会社を弁護する様子を見せる著名なニューヨークの弁護士ジェームズ・ドノバン(トム・ハンクス)は、地方の弁護士協会から、アベルを弁護するよう要請される。彼は刑事事件を扱ったのは大昔のことだと抗議するが、義務感から、彼は仕事を引き受ける。“皆が私を憎むだろうが、裁判にも負けるのだ”と彼は冗談を言った。ドノバンが選ばれた理由の一つに、ニュルンベルク戦争犯罪裁判での仕事で、彼は最高裁判所判事ロバート・H・ジャクソン・スタッフの次席検察官をつとめ、第二次世界大戦中には、OSS(CIAの前身)の総合弁護士をしていたことがある。

アベルは、ドノバンに即座に好印象を与える。(回想録で、弁護士は、ソ連工作員は“類まれな人物で、聡明で、終生かわらぬ研究者のような大変な知識欲だったと書いている。彼は仲間付き合いと意見のやりとりを渇望していた”と書いている。ドノバンは、ほぼ5年にわたる拘留期間中、唯一のアベル面会者だった。)アベルは冷静で、落ち着いていて、非常に知的だった。ドノバンが“不安なようには見えませんね”というと、ソ連スパイは答える。“役にたちますか?”このセリフは何度か繰り返される。

アベルは、アメリカ国民ではなく、単に自分の祖国のために働いている立派な“兵士”なのだから、(数年前にソ連スパイとして処刑された)エセルとジュリアス・ローゼンバーグのような裏切り者ではないというのが、ドノバンの理論だった。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

その間に、CIAがU-2スパイ機を開発し、ゲーリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)を含む元空軍パイロット集団を飛行機を操縦すべく招き入れた。U-2は高空を飛行し、大判カメラで、写真を撮影するのだとCIA担当者は説明する。パイロットは飛行機と共に墜落するよう指示され、瞬時に死ねるような毒を塗った針を与えられていた。

アメリカで、ドノバンがアベルを弁護する論拠は、アメリカは“共産主義スパイ”であっても、あらゆる被告が法の適正手続きを受けることを示す必要があるということだ。ドノバンはすぐさま知ることになるのだが、実際は、これとはほど遠い。判事モーティマー・バイヤーズ(デイキン・マシューズ)が、ドノバンとの会話で、迅速な有罪判決を進めるよう期待しており、そう計画していることをはっきりさせる。彼は、FBIの家宅捜査は違法だというドノバンの主張をはねつけ、政府にとって裁判が円滑に進むようつとめる。憲法第四修正に違反して、証拠が押収されたという理由で、ドノバンがアメリカ最高裁判所に上告するが、5-4の評決で否決されてしまう。

人道的かつ、アメリカ人スパイがいつか逮捕された場合、アベルが生きていれば交渉の切り札になるという実利的理由から、ドノバンは、バイヤーズに、アベルに死刑判決をしないように(第一訴因、国防情報のソ連引き渡し謀議は、死刑に相当する罪だった)強く懇願する。最終的に、裁判官は、ソ連スパイに、三十年の刑を宣告する。

アベルが、アトランタの連邦刑務所で刑期をつとめている間、1960年に、ゲーリー・パワーズがソ連上空で撃墜され、尋問される。ソ連の裁判所で、彼は三年の禁固と、七年の労働という判決を受ける。(アメリカ当局は高度21,000メートルなら、U-2は、ソ連レーダーと地対空ミサイルが届かない範囲だと誤って思いこんでいた。両方の点で彼らは間違っていた。しかも、彼らは愚かにも、いつもより交通量がずっと少ない祝日の5月1日に、パワーズをスパイ飛行に送り出したのだ。) CIAはパワーズが秘密を漏らしてしまうのではないかと心配になる。

第II幕は、ソ連と東ドイツ政府と、アベルとパワーズとの交換と、東ドイツのスターリン主義者連中に捕らえられているアメリカ人学生の釈放について交渉するよう、非公式な資格ながら、CIAによってドノバンが派遣されたベルリンが舞台になる。CIA工作員が、外交的努力を進めるドノバンの周辺をうろつく。東ドイツは、アメリカに、主権国家としての東ドイツの立場を認めさせようとして、アメリカとソ連双方に、面倒をもたらす。出来事は歴史記録の一部なので、ドノバンが任務に成功した秘密を一切暴露することなく、西ベルリンと東ドイツを結んでいる橋の上で終わる。

『ブリッジ・オブ・スパイ』には楽しめ、称賛すべき点が多々ある。ライランスはアベルの知性と揺るぎなさを伝える点で、実に素晴らしい。彼が登場する場面で映画は最も現実的で、陳腐さがない。

逮捕される時までに、本物のアベルと実に様々な体験をしていた。彼は、1903年にイギリスでウィリアム・オーガスト・フィッシャー(おそらくは、ウィルヘルム・リープクネヒトと、オーガスト・ベベルにちなんで?)として、ドイツ系ロシア人革命家亡命者の家庭に生まれた。父親は一時、レーニンの協力者だった。一家は、革命の後、ソ連に帰国し、1927年、フィッシャー-アベルは、ソ連諜報機関で働くようになった。


『ブリッジ・オブ・スパイ』

彼はすんでのところで、1930年代末の大粛清をきりぬけた。彼の義弟はトロツキー支持者であることで非難され、フィッシャー-アベルは、一時、NKVDを解雇された。第二次世界大戦中、彼は重要な対ドイツ諜報作戦に参加する。1948年、彼はソ連スパイを統轄するため、アメリカに派遣された。逮捕後、死刑に相当する罪を前にしながらも、彼はFBIに協力することを拒否したか、何も語ろうとはしなかった。

ありきたりで洞察力に欠けた形で役が構想されているため、ドノバン役のハンクスはそれほどできは良くない。ハンクスは、荒海の中、常識的な道を進もうとしている中流階級の普通のアメリカ人を演じている。彼の演技は申し分なく素晴らしいが、真実味に欠けているのだ。ジェームズ・ドノバンの名は、やぶから棒に選ばれたわけではない。影響力があり、有力なコネ(ウオール街や情報機関などの間で)をもった人物で、後に、ニューヨークで民主党のアメリカ上院議員候補者として立候補もする人物だ。オンラインで見ることができるビデオでは、彼は狡猾で、おそらく、かなり冷酷な人物に見える。

アメリカ・エリート自身が、ケネディ時代には、国家の伝統に対し、いささか違う関係を持っていた。帝国主義的野望を執拗に追求しながらも、政治とマスコミの支配体制は、まだ、守るべき自信があったか、ある種の民主的規範に対し、少なくとも口先だけは賛同していた。ドノバンは回想録の中で、アメリカでもっとも憎悪されていると思われる人物アベルを弁護するという彼の決断は、彼の同僚“仕事上の知人や、アメリカ合州国全土の弁護士”から広く支持されたと述べている。例えば、元米国弁護士協会会長は、彼にこう書いていた。“不人気な主張の弁護は、我々の職業を天職にするものの一つです。”

ドノバンは、最高裁判所の準備書面で、以下のように結論づけている。アベルは、ソ連のスパイという極刑に価する罪で告訴されている外国人です。アメリカ憲法がそのような人物の保護を保障するのは異例にも思えるでしょう。何も考えていない人々は、アメリカによる自由な社会という原則の誠実な遵守は、利他主義としてあまりに几帳面に過ぎ、自滅に到る可能性を見るかもしれません。しかし、我々の原則は、歴史と  国法に刻み込まれている。もし自由世界が、自らの道徳律に忠実でなければ、他の人々にとって、渇望する社会がなくなってしまいます。”

映画には、どうやらそのきらいがあるが、ドノバンを、リンチをしようとする雰囲気の大衆に直面した、憲法と権利章典の聖人のような擁護者として、あるいは、CIAとアメリカ国家が設定した秘密計画の振り付け通りに動くだけの皮肉屋の、いずれにも描き出す必要はないのだ。ドノバンは、アメリカ支配層の権益の擁護者であり、同時に、被告の基本的な憲法上の権利を本気で信じているように見える。

スピルバーグ映画(特にアメリカ生活に関して)ではよくあることだが、人物や状況が、感情に流されず、本当に客観的なやり方で、描き出される繊細で痛烈な場面と、気力を萎えさせる自己満足や愛国的賛美を発散させる、あたかもノーマン・ロックウェルの絵のように描かれた場面が、交互に入れ変わるのは、不快で説得力に欠ける。

刑務所でのアベルとドノバンとの間の場面や、多数の裁判所の場面や、CIAがパワーズや同僚パイロットを訓練する場面は、写実的かつ正確に演じられている。ここで、スピルバーグの、ペース、映画全体のリズムと、構成に対する本物の感覚が活躍する。しかし映画制作者たちは、中産階級の家族生活を理想化し、改ざんすることに抵抗するのは困難だったのだろう。ドノバンが帰宅すると、妻が時折不満を言うものの、観客は映像の温かさに浸るよう促される。芸術的に、作品は停止してしまう。

しかも、概して『ブリッジ・オブ・スパイ』の前半は後半より格段に強力だ。映画製作者は、アベルを非常に同情的な調子で描いている。たぶん彼らは、東ベルリンや、ソ連と東ドイツ当局者を、陳腐でありきたりな姿で構成し、ソ連スパイを複雑な人間として描き出す自分たちの厚かましさを償う必要性を、意識的なり、無意識的なりに感じたのだ。こうした場面は、どこかプロパガンダ映画の内容のようだ。国境警備兵全員はおどすように乱暴だ。役人は全員が陰険か、残酷か、その両方だ。映画の色合いが、東ベルリンでは、くすんだ灰色と黒の調子に変わる(そこでドノバンがニューヨークに戻るところが活気づき、2月だというのに、木々には、突然、奇妙なことに葉が繁っている!)。

冷戦期に制作された数多くの映画『寒い国から帰ったスパイ』『国際諜報局』『パーマーの危機脱出』や、アルフレッド・ヒチコックの作品中でも秀作とは言えない『引き裂かれたカーテン』や『トパーズ 』さえ、そして他の作品も、アメリカの“自由世界”という主張に関しては、『ブリッジズ・オブ・スパイ』よりずっと懐疑的だった。映画製作者は、若い世代に間違ったことを教えているのを恥じるべきだろう。

結果として、『ブリッジ・オブ・スパイ』は、重要な時期には、比較的ほとんどふれずにいる。こうした疑問のそばには近寄らないことを選んでいるのだ。ソ連は一体何だったのか、そして一体どうして、アベルのようなこれほどの忠誠心と献身を引き出せたのだろう? 上っ面の虫のいい表現の下にあった、冷戦の本質は一体何だったのだろう? アメリカ・リベラリズムの矛盾は一体何であり、現在それは一体どうなっているのだろう?

こうした様々な社会層に対する反共産主義の遺産は、依然として重い。反共産主義と結びついた、アメリカにおける、いわゆる自由企業体制の擁護や、世界中での地政学的権益といった偏見や社会的視点から解き放たれるまで、芸術的、知的進歩は困難だろう。

スピルバーグの映画は、過去のみならず、現在をも示唆している。実際『ブリッジ・オブ・スパイ』の中で、現代アメリカ生活に関する映画製作者の懸念は、最初から明らかだ。FBIとCIAは暴力的に振る舞い、裁判官は基本的な民主的権利に無関心で、マスコミは、後進性や恐怖をかきたてる。

彼は有罪には見えるが、アベルは基本的に、無理矢理、監獄に送られている。『アベル大佐裁判』の中で、ジェフリー・カーン法学教授が述べている通り、1957年8月の告訴の時までに、“アベルは、連邦捜査員に捕らえられ、全く秘密裏に、最初に逮捕された場所から2000マイル離れた独房監禁に、弁護人との接触もなしに、いかなる理由でも、司法官僚の前に姿を現すこともなく、48日間留め置かれていた。”

スピルバーグとハンクスは、インタビューで“対テロ戦争”や、グアンタナモや、他の場所における被拘留者の処遇のことがずっと頭の中にあったことを明らかにしている。ハンクスは、映画のウェブサイトCollider.comのインタビューでこう語っている。“人々の拷問を始めれば、すぐに、相手側に全く同じことをする許可と大義を与えてしまうことになりますが、アメリカの規範はそういうことではありません。… 自分たちの国に逆らっていると思える誰かを処刑し始めれば、KGBやシュタージとさほど違わなくなります。それはアメリカの目指すところではありません。ドノバンが最初から身につけていたのはこれです。これは否定できません。”

スピルバーグは、エンタティンメント・ウイークリーにこう説明している。“保険会社の弁護士だったが、元ニュルンベルク裁判の次席検察官で、アメリカでは、あらゆる人が弁護されることを世界に示す為、この仕事を引き受けるよう要求されたジェームズ・B・ドノバンという名の人物の存在は、つい最近知りました。誰でも公正な扱いを受けるのです。こうした道徳的主題に私は共感します。特にリンカーンに由来するものですから。”

拷問、警察国家、軍国主義、憲法規範の侵害、国家暴力こそ、まさに現在の公式アメリカだ。映画製作者は現実から遊離しており、彼らの懸念はきっと本物なのだろうが、いずれも、あまりにおざなりだ。状況は遙かに進んでいる。

同様に『ブリッジ・オブ・スパイ』制作中、緊張が現在のレベルには至っていなかったことは疑うべくもないが、米ロ関係の問題は、脚本家や監督に重くのしかかっている。映画は、交渉や外交、妥協において、冷静さを優先するようにという呼びかけだ。 彼らの懸念は本気だが、大災厄との遭遇へと向かうアメリカの支配層エリートを突き動かしている、社会・経済的な力の深みを、彼らはまたしても、あまりに過小評価している。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/10/24/brid-o24.html
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『月刊住職』という雑誌の目次を、毎回新聞のサンヤツ広告で興味深く拝見している。これまで購入しようと思ったことはなかったが、下記見出しをみて正月号、是非拝読したくなった。

  • TPPは寺院にも住職にも影響する!?

大本営広報部報道、いつもは真面目に読む気力は起きないが、長谷部恭男・早稲田大学教授と、杉田敦・法政大学教授の対談、真面目に拝読した。きちんと「緊急事態条項」問題を指摘しておられる。

気になるお相撲さんのひとり、時天空、悪性リンパ腫で休場。

一体、なぜ今、この映画なのか、昨年秋に、この記事を読んで不思議に思った。
いまでも不思議に思う。

ISとの、人質交換を言いたいのだろうか。
ロシアとの本格的冷戦再開を言いたいのだろうか。筆者が指摘する通り、宗主国、とんでもない下劣な帝国に成り下がり、それとともに第一の属国は益々惨めな新満州国に成り下がりつつある。

国策プロパガンダ映画『海難1890』なぞ、金をもらっても見ないが、この映画、個人的に気になった。『海難1890』の評判を全く知らない。一体どのような反響だったのかだけは関心があるのだが。

子どもの時に、新聞見出しで「U-2撃墜」とあったのを読んだ記憶がある。
検問所、通過した経験がある。チェック・ポイント・チャーリーだったかどうか定かではない。
訪問した西ドイツの人が帰還するのを見送るのかどうかわからないが、東ドイツ側の人々が皆様、文字通り号泣していたのを覚えている。
荒涼とした東側、ネオン煌きジャンズ高鳴る大ベルリンという華やかさの対比に心底驚いた。

筆者が指摘していることを、エンドロールを見ながら、つかの間考えた。

ソ連は一体何だったのか、そして一体どうして、アベルのようなこれほどの忠誠心と献身を引き出せたのだろう? 上っ面の虫のいい表現の下にあった、冷戦の本質は一体何だったのだろう? アメリカ・リベラリズムの矛盾は一体何であり、現在それは一体どうなっているのだろう?

民主党やら異神やらの有象無象の与党別動隊の活躍を見ていると、宗主国に習って、共産主義憎悪プロパガンダの負の遺産、「人類を」ではなくとも、「属国を」破滅させるには十分すぎるほど強烈な洗脳であること一目瞭然。民主党やら異神やらの方が恐ろしい。しかし、

馬鹿は死んでも直らない。

庶民には共産党より何より、属国ファシズムのほうが、はるかに怖いだろうと思うのだが。

電気洗脳箱は、北朝鮮の核の脅威やら、独裁者の脅威やらをあおり、スキー場宣伝を嘲笑している。ああいう論点逸らしで時間を潰している余裕もはやない。下記をご覧願いたい。

【中継配信】1/11 14:00~
岩上安身による升永英俊・弁護士インタビュー
緊急事態条項について

2016年1月 9日 (土)

石油とISIS: アメリカ-NATOによる、もう一つのリビア戦争が差し迫っている

Stephen Lendman
Global Research
2016年1月5日

2011年、アメリカ率いるNATOが、アフリカで最も発展した国を荒廃させた。リビアは、紛争と混乱の大釜状態のまま、ISISによって脅かされている。

ワシントンは、ISISが、スルトに足場を築き、リビア石油を狙って、他の地域へと拡張を開始できるようになるまで支援したが、連中の勢力を阻止する取り組みがなければ、彼らが支配するのは、おそらく時間の問題にすぎない。

スルトは、更に東方にある、いくつかの主要油田や精油所への入り口だ。ISIS戦士は、以前からこれらを標的にしており、いくつかを手に入れた。彼らはプロパガンダで“スルトは、(自称シリアの首都)ラッカに劣らない”と主張している。

12月中旬、ライバルの都市トブルクと、トリポリは、様々な部族集団を除外しながら、統一政府の形成に合意したが、良くて、不安定な合意だ。

リビア当局が、アメリカが率いる爆撃作戦、および/あるいは地上作戦を拒否しているにもかかわらず、報道ではISISと戦うという口実で、約1,000人のイギリス特殊部隊を派兵する計画で、更に数千人のアメリカ、フランスとイタリアの戦闘部隊が加わるという。

月曜、イギリスのデイリー・ミラーは“SAS (特殊部隊)がリビアにおける「イスラム国」による石油強奪を止める連合軍攻勢の先陣を切る”という見出しで、こう報じている。

    “連中の戦争財源を強化するため十以上の主要油田を確保した5,000人の(ISIS)過激派の前進を止めるのが(口実だ)” - もし成功すれば、事実上、全てのリビア石油に対する支配を得ることになる、北アフリカ最大で、スルトとベンガジの中間にある“リビアの宝、マルサ・エル・ブレガの石油精油所”攻略を狙っている。

アメリカが率いるNATO軍は、政府や安全保障理事会による承認なしに、リビアで違法に活動するつもりだ。

アメリカ率いる戦闘機が参加する、より大きな紛争と混乱を引き起こす爆撃作戦の可能性は差し迫っており、ISISと戦うのではなく、支援して、シリアとイラクで継続している活動を複製し、テロ集団の空軍として活動し、インフラや政府の標的を攻撃するという作戦が、数週間、あるいは、それより早く開始されるはずだ。

イギリス軍幹部情報筋は、ミラー紙に、こうウソを言った。

    “リビアで大きく前進している「イスラム国」に対して、偵察から、攻撃作戦に到るまでの様々な資源を、この連合は提供することになる。”

    “状況を評価し、どこを攻撃すべきかを、そして、わが軍にとっての脅威を明らかにする地上軍を我々は前進させた。”

2011年、アメリカが率いるNATO荒廃させ、破壊したリビアが、再び、ワシントンの更なる帝国主義的狙いのためにISISを利用する残忍な戦場になろうとしている。

長年苦しむリビアの果てしない試練は続く。

最後のコメント

大晦日、ロシア外務省は、ワシントンが、“ISISと戦っているふりをして”ISISに対するまやかしの戦争をしていると非難した。

FSB副長官オレグ・シロモロトフは、アメリカのシリア空爆作戦は“丸一年(以上)テロリスト勢力の資金となる密輸した石油を運ぶタンクローリーの車列(に気がつかなかった) ”と述べた。

    “アメリカが率いる連合は、政治化された手法の虜になっていて、ISISに対して戦闘をするふりをしているという印象を与えている”。

    “シリアにおけるアメリカが率いる対ISIL連合の行動は、基本的に違法だ。国連安全保障理事会も、ダマスカス当局も、多国籍軍に、シリアを爆撃する許可を与えていないのだから、シリアの主権は、あけすけに侵害されている。”

ISISや他のテロ集団の原因と戦うのではなく、ワシントンはあからさまに彼らを支援しているという、全く同じ構想が、現在、リビアにむけて計画されている。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡ができる

編集者・寄稿者としての新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”

http://www.claritypress.com/LendmanIII.html

彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

本記事の初出は、Global Research。
Copyright Stephen Lendman、Global Research、2016

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/western-war-on-libya-imminent/5499465

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TPPの文章を政府がwebサイトに公開したことを報じている大本営広報部、一つもない。と素人は思う。

国民全員、未来永劫拘束される条約について論じることなしに、バスの迷走やら、教科書賄賂を論じている。

日本の「マスコミ」、実質は北朝鮮と一緒。ハンサムと美人が出ているだけだ。そう、給料も、けた違い。

国会論議で、ウソしか言わないブーメラン氏の尊顔を見た瞬間、音声を消したり、電気洗脳箱を消している。リモコン操作が忙しくて翻訳が進まない。

『紙の爆弾』2月号、「傀儡3兄弟」が押し進めてきた「日本満州国化」計画というのを見て、早速購入。岩波書店の『世界』2月号を購入にでかけたのだったが。

「傀儡3兄弟」が押し進めてきた「日本満州国化」計画、いつも、素人が考えていることが活字になっているのを見るのは嬉しい。著者は、佐藤雅彦氏。

26ページにあるのは、

戦後日本を“ネオ満州国”に作り変えた「米国傀儡政治家ファミリー」の罪 岸信介・佐藤栄作・安倍晋三

いつも思っているのと、同じことを考えている方がおられるのを確認できるのはとても嬉しいが、その事実自体は、あまりにも、おぞましく悲しいものだ。

2016年1月 8日 (金)

シリアにおけるテロの跡を糊塗するため混乱を狙うサウジアラビア

Finian Cunningham
2015年1月5日
"Sputnik"

シリアへのロシアの痛烈な軍事介入の成功は、このアラブの国家を安定化させ、テロリストによる乗っ取りから救っただけではない。ロシアの作戦は、政権転覆を狙った犯罪的な秘密侵略戦争という外国が扇動している紛争の本質をも暴露したのだ。

選挙で選ばれたバッシャール・アル・アサド大統領政権に対する違法な反乱勢力を支援する上での、ワシントン、イギリスとフランスの様々な共謀の度合いが、ロシアの軍事介入によって暴露された。

それ以上に暴露されたのは、この地域の欧米傀儡政権の犯罪的陰謀だ。レジェップ・タイイップ・エルドアンのトルコが、シリアのテロリスト・ネットワークを支援するため石油と兵器密輸商売にどっぷりつかっていることが、ロシア空爆によって暴露された。

そして、ロシアによって暴露された、もうひとつの政権は、サウジアラビアだ。これこそが、石油豊富な独裁君主国が、一体なぜ、先週末のシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムル処刑によって、今、地域で、宗派間紛争を煽ろうとしているのかという理由だ。

ニムルは、サウジアラビアの原理主義支配者、ワッハーブ主義として知られている過激版イスラム教を信仰するサウド王家のもとでの圧政に対する勇気ある平和的な抗議ゆえに、地域のシーア派イスラム教徒の間で崇拝されていた。

ワッハーブ派の考え方では、シーア派やキリスト教徒や他の人々は、剣によって殺されるべき "異教徒"とみなされる。アサド政府打倒のためにシリア国内で戦っている、いわゆる聖戦士の多くも、ワッハーブ派を奉じているのは偶然ではない。ダーイシュ(「イスラム国」)や、ヌスラ戦線などのテロ集団が、サウジアラビアのワッハーブ派支配層から資金提供を受けていることを示す明らかな証拠がある。

宗教指導者ニムルの不当な処刑は、寛大な処置を訴えてから、数カ月後に行われた。サウジアラビアの不明朗な裁判手続きと、ニムルの無罪を立証する豊富な証拠ゆえに、中東における主要シーア派大国イラン政府のみならず、いくつかの国際人権擁護団体も寛大な処置を訴えていた。サウド王家が彼の処刑を強行したのは、地域、特にイランで、激情を挑発する意図的な行動であることを暗示している。

在テヘラン・サウジアラビア大使館放火、言葉の戦争や、サウジアラビアとイラン間の外交関係断絶は、爆発的な対応が、周到に準備されていたことを強く示唆している。今やサウジアラビア、バーレーン、スーダン、アラブ首長国連邦というアラブ同盟諸国は、次々にテヘランとの外交チャンネルを断ち切っている。評論家の中には、地域で全面戦争が勃発しかねないと懸念するむきもある。

重要なのは、サウジアラビアによるニムル処刑が引き起こした騒乱が、サウジアラビア支配層を後援しているワシントンや他の西欧列強を苛立たせたように見えることだ。今週始め、オバマ政権にとって "寝耳に水"だったので、"地域をどれほど煽ることになるのかを無視する不注意に対し… サウジアラビアへの怒りを表明した"とニューヨーク・タイムズは報じた。

すると、サウジアラビア支配層は、一体なぜ地域を混乱に陥れることを決めたのだろう? ロシアのシリアへの軍事介入が、諸外国のシリアにおける政権転覆陰謀を酷く損ねたためだ。更に、ロシアが、ダーイシュやヌスラ戦線や連中の様々な分派など一連の違法武装集団を打ち負かして、これらテロ集団と外国政府、特にアンカラとリヤドの、スポンサーのつながりを暴露したためだ。

アメリカ人政治評論家ランディー・マーティンはこう語っている。"現在あらわれているように見えるものは、ロシアが、シリア紛争のカモフラージュを吹き飛ばしたことによる余波なのです。テロ・ネットワークに対するロシアの軍事作戦が、ワッハーブ派サウジアラビア支配者の正体を劇的に暴露したのです。"

この評論家はさらにこう述べた。 "サウド王家は、シリアにおける連中の犯罪的な謀略や、既知のテロ集団とのつながりが暴露されてしまったので、自分たちにとって次善の選択肢は、シーア派イランと、そして、あるいはロシアとさえも、徹底的な戦争をあおり立てることだとサウジアラビアは判断したのです。"

マーティンは、12月25日のロシア空爆が、シリア首都ダマスカス近い東グータにある部隊拠点を攻撃し、イスラム軍としても知られているジャイシ・アル-イスラム聖戦部隊の指導部を殲滅し、指導者ザフラン・アルーシュや他の司令官を殺害したことを指摘した。

四日後の12月29日、サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外務大臣は、ジャイシ・アル-イスラムに対するロシア空爆を公式に非難した。リヤドで発言したサウジアラビア外務大臣は、この殺害で、今月末に、ジュネーブで開催予定のシリア和平交渉が困難になると述べた。アル・ジュベイル外務大臣は、記者団に"ロシアが一体何を考えているのかわからない。"と語り、困惑を表した。

ザフラン・アルーシュや他のジャイシ・アル-イスラムのメンバー殺害に対するサウジアラビアの公式対応が、シリア国内におけるテロ集団に対するサウジアラビアの関与を明らかに実証している。ジャイシ・アル-イスラム武装集団は、アメリカ政府と欧州連合によって、公式にテロ集団として指定されている、アルカイダ系列のヌスラ戦線と、戦士と兵士を共有していることが知られている。

ロシアのシリア軍事介入は、二つのことをなし遂げた。その第一は、欧米と、この地域における同盟諸国が、2011年3月以来、政権転覆目的で、シリアでこっそり、しかけていた秘密のテロ戦争を潰したことだ。この結果、政治的手法が、欧米列強が、長年抱いてきたシリアでの政権転覆という目標の実現を期待できる実現可能な唯一の代案となった。そこで、ジュネーブ交渉というわけだ。

この政権転覆計画に関する地域の強硬派、サウジアラビアは、ロシアが、シリアにおける空爆作戦を開始して以来、アメリカのジョン・ケリー国務長官が過去三カ月間、熱心に推進してきた政治的選択肢に反対している。"サウジアラビア当局は、ケリー長官の取り組みは失敗に終わると、ずっと言い続けてきたが、それも日曜日のイランとの外交断絶前からだ"と、ニューヨーク・タイムズは報じている。

ロシアの軍事介入がなし遂げた二つ目のことは、専門家ランディー・マーチンが指摘している通り、サウジアラビアとテロ集団の関係が誰の目にも明らかにされたことだ。

今週、サウジアラビア国連大使アブドゥッラー・アル・ムアリミは、地域におけるイランとの言葉上の戦争が、ジュネーブにおけるシリア和平交渉へのサウジアラビア参加を不可能にすることはないと主張した。

しかしながら、これは広報用イチジクの葉にすぎない。それが"異教徒"の敵、イランと交渉することを意味し、それは地域におけるイランの政治的評価を高めてしまうことになり、サウド王家が、シリアの大統領アサドは "退陣しなければならない"という最後通告に固執しているため、サウジアラビア支配層は、政治交渉を受け入れ難いものと考えている。

サウジアラビアが先月、シリアを侵略してアサドを打倒するという軍事的選択肢を保持すると主張し、石油豊富な王国が、一体なぜ、テロの脅威" が存在すると見なすどの国にでも侵略することができる、34か国による"対テロ"軍事同盟を立ち上げたのかという"理由はこれだ。

言い換えれば、地域におけるサウジアラビアの好戦的政策と、テロ集団とサウジアラビアの共謀が明らかになったのだ。そして、こうした悪辣なつながりを暴露したのは、シリアでのロシアの断固たる、壊滅的な対テロ軍事介入だ。

それこそが、サウジアラビア支配層が、シーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムル処刑を強行した理由だ。連中が解き放ちたがっている混乱と殺りくは、シリアにおける連中のテロの跡を糊塗することを狙ったものだ。

本記事で表明されている見解は、もっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式な立場を反映するものではない。

更に読む: http://sputniknews.com/columnists/20160105/1032718583/saudis-seek-chaos-terrorism.html#ixzz3wWdDK9NI

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七草粥、特に美味しいものではないが、恒例の食事。七草野菜パックにはシールが三枚も貼ってあった。何とか売るために、価格を何度も変えたのだろうか。

北朝鮮支配層と、この国の支配層が共謀したと思われる核実験も始めは脱兎の如く、最後は線香花火。

常識的に大きく損をするであろう北朝鮮に対して、戦争法制強化、平和憲法破壊推進、戦争予算増加などで、大きく利益をうけるであろうこの国の支配層から、秘密財政支援でもなければ、引き合わないだろう。

大本営広報部で、国会論議を瞬間報じた。

TPPについて、共産党の井上議員が、試算のデタラメを指摘し、今からでも撤退という正論。
傀儡首魁がウソ八百を言いかけたところで、大本営広報部、ウソがばれないよう、バスの民家突入やら、雪不足の話題に切り替えた。

アクセス・ランキングのトップが北朝鮮の核実験だというタワゴト。報道管制しているのだから、TPPがアクセス・ランキングのトップになるわけがない。

大本営広報部の上記番組Twitterで、そういえばTPPがあったという呑気なものが一つ。TPPで雇用が増えて欲しいというお目出度いTwitter書き込みもあった。増えるわけがないだろう。そうならない仕組みなのを知らせない報道管制、驚くほど効果があるのだ。

傀儡政権が中から破壊するTPP、戦争法案、緊急事態事項こそ正しく恐るべきだろうに。

民主党も、連合も、基本的には、自民党補完勢力であるという苦い事実に我々は直面すべきだろう。「本当の野党」が連合しなければ、自民・公明の与党、野党を演じている異神や、日本の未来を破壊する会などの与党夜盗連合に勝てるはずがない。
国政選挙の前哨戦が、宜野湾市長選挙や、八王子市長選挙だろう。こうした選挙での自称野党、自称労組の振る舞いを見れば、国政選挙での連中の行動は予想可能だ。

自称野党、自称労組の振る舞いを確認するという意味で、八王子市長選挙に立候補された五十嵐仁氏のブログ1月7日(木)『日刊ゲンダイ』の記事に私のコメントが出た の一部を引用させていただこう。あの集団、労働組合というより、労働者破壊組合だ、というのが、サラリーマン体験の個人的結論。

民主党議員の中にも「結集すれば、夏の参院選でも勝利する可能性が出てくる」ことが「理解」できる人はいます。民主党の有田芳生参院議員は、私への応援のメッセージを寄せてくださいました。
 しかし、連合が石森現市長と政策協定を結んだために、八王子の民主党は会派として応援する形になっていません。力を合わせて安倍政権と対峙しなければならない非常緊急の時に、どうして安倍側近の萩生田官房副長官の、そのまた「子分」である石森現市長の側に立つのでしょうか。
 このような形で「民主党が頼りにならないから、学者が書斎を抜け出して立ち上がり」、かく言う私も八王子市長選挙に出馬を決意することになったわけです。コメントでも指摘したように、「政党には過去の歴史や利害関係があるから、簡単には一つにまとまれないのかも知れ」ませんが、「でも、国民にとっては政党の都合など、どうでもいいこと」ですから、「アベ政治を許さない」「野党は共闘」の立場から、「ストップ・ジ・アベ」に向けて一緒に立ち上がっていただきたいものです。

2016年1月 7日 (木)

北朝鮮‘小型水爆’実験成功と発表

公開日時: 2016年1月6日 02:24
編集日時: 2016年1月6日 05:45


北朝鮮指導者金正恩  Kyodo / ロイター

“人工地震”の後、北朝鮮は、小型水爆実験に成功したと発表したが、これは同国として、四度目の核実験となる可能性が高い。

昼の“特別重大”発表で、北朝鮮TVは、現地時間午前10:00、同国が水爆実験に成功したと主張した。

“独自の智恵、技術と、努力で実施された実験で、朝鮮民主主義人民共和国が、実験用に新たに開発した水爆の技術的仕様が、正確かつ科学的に、小型水爆の威力を検証できたこと完全に確認した"と声明は述べている。

"水爆実験は、安全かつ完璧に実施され、生態系には何の悪影響もないことが確認された"と述べた。

既知の平壌核施設近辺でマグニチュード5.1の地震をUSGSが探知した後に発表された。

アメリカ地質調査所(USGS)のデータによると、地震の震央は、両江道承旨白岩東北東19キロ(12マイル)、深さ10キロだ。2013年2月12日、北朝鮮が地下核実験成功を主張する前に、ほぼ同じ地域で同様な地震活動が記録されていた。

北朝鮮の“既知の”核施設近辺での“異常な”地震活動は、人工的由来と思われ、核実験の明らかな兆しだと、聯合ニュースは報じた。

韓国の通信社によると"外務省は、報告を受け、即座に状況を判断するため、外務大臣の司会で現在会議を開催中である"と外務省当局者は述べた。

韓国諜報機関は四度目の核実験が行われた可能性を分析しており、国家安全保障会議は、この問題を議論するために会議を開催する準備をしていると聯合ニュースは報じた。

日本の官房長官も、地震は、核実験によって“引き起こされた可能性が高い”とのべたとロイターは報じた。一方、あるアメリカ国防省幹部は、国防省は“北朝鮮の核施設近辺での地震事象報道を調査中だ"と述べた。

更に読む
北朝鮮指導者金正恩、北朝鮮は水爆を保有し、強力な核大国になったと語る。

北朝鮮は、2005年に核爆弾を開発したと始めて宣言した。以来、平壌は、三度の地下実験を実施してきた。最初は、2006年に、北朝鮮北東の豊渓里核実験施設で、5から10キロトンの威力で行った。これはロシア、中国、日本、韓国とオーストラリアの地震観測所で記録された。

第二次と第三次実験は、それぞれ10から20キロトンTNTへと実験装置の威力を強化し、2009年5月と、2013年1月に実施された。

北朝鮮の2013年の実験は国連安全保障理事会による経済制裁を引き起こし、北朝鮮の金融と、貿易と、旅行が即座に制限された。

平壌は、首都から約90キロにある北朝鮮の主要核施設、寧辺原子力研究センターで、原子炉も稼働している。

北朝鮮は、主権が侵害された場合には核兵器を使用すると、再三威嚇してきた。先月、平壌は、北朝鮮は“わが国の独立と国威を、強力な核爆弾と水爆攻撃で守ることができる偉大な核大国”になったと主張していた。

ただし、北朝鮮が、弾道ミサイルの弾頭として使用できるほど小型な核爆弾開発に成功したかどうかは不明だ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/328038-north-korea-earthquake-nuclear/
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年頭所感で、24回も繰り返した単語、「朝鮮」だったのだろうか。

大本営広報部のありとあらゆる紙媒体、電気洗脳箱が耳目にたこができるほど報じている話題。わざわざ翻訳するまでもない。

例の言葉、Cui bono。出来事「誰の役に立つのか」という疑問を言いたかったにすぎない。

ラテン語Cui bono、英語で「for whose benefit」とリーダーズ英和辞典第3版にある。

宗主国報道官、属国首領、属国戦争大臣らの嬉しそうな顔をみるにつけて思う。毎回の一見乱暴な行動、常に対岸の属国与党を支援する絶好のタイミングに起きる。

経済制裁しながら、あの人物の秘密口座に莫大な送金でもするのだろうか?

原発だらけの日本、ただのミサイルだけで十分悲惨な目にあう。

本気で被害を防ぎたければ、全原発停止、核燃料撤去しかない。
被害などないと思っているか、被害が生じる時には、自分たちは逃げるつもりかどちらか。

あの国の存在意義、「こちらの国のB層を脅し、与党支持を確保すること」以外ないのでは?宗主国は、あの国を、格別に大切にし、イラクやリビアやシリアのようには爆撃しないのだ、と思わないと、宗主国のやさしさ、とうてい理解できない。

産業から法制度にいたるまで、全てを宗主国に差し上げ、傀儡戦争国家に改造しようとしている傀儡政権・大本営広報部・大政翼賛会にとっては最高の追い風。

昨年強引に「成立させたことになっている」戦争法案を正当化し、これからの憲法破壊を正当化するのにぴったり。

恐ろしいのは北朝鮮核実験ではない。恐ろしいのは宗主国支配層と属国傀儡の策略。

耕助のブログ 投稿日: 2016年1月4日の記事冒頭だけ引用させていただこう。

英語版TPP条文

環太平洋連携協定(TPP)交渉参加国が10月初めに大筋合意したという条項を、11月5日、ニュージーランド政府が公開した。

秘密で行われていた交渉の内容がようやく英語の世界では明らかにされたが、30章からなる文書は細かい取り決めまで含むと5万5554ページにも及ぶ。政府は概要を掲載するだけで、条文はニュージーランド政府のホームページへ、となっている。

協定は英語、スペイン語、フランス語を正文とする、とあるが、経済の規模からみてなぜ日本語が正文になっていないのか。日本の制度や法律を変えるほどの効力を持つ協定を、英語版しか国民に提供せず、日本政府が交渉の場で日本語版を要求しないこと自体が、TPPが一方的な押し付けであると考えざるを得ない。これだけでも、TPPの本質が「日本の主権喪失」にあるといえるだろう。

こういう本当の危機に一切ふれず、株動向やら核実験を嬉しそうに報じる昼間の洗脳バラエティー=選挙応援愚民化番組、音声を消した。

与党はでたらめだが自称野党もひどい。元気を奪う会なる与党別動隊と野合する異神なる与党別動隊と合体し、党名まで変えるという自称第一「野党」与党連合を幇助するのが究極の狙い。

今日の孫崎享氏ニコニコチャンネル・ブログ・メルマガ一部を引用させていただこう。

『インサイダー』編集長・高野 孟氏と話した時に、彼は次の情報を提供した。

連合本部は「統一候補擁立を取り消せ」と熊本支部に連絡したという。

民主党本部も熊本に同様の動きをしたという。
 「ではどうしろと言うのか。具体的に案はあるか」と聞くと特段ない。共産党との協力は嫌だに留まっていたという。

北朝鮮イデオロギー、実に怪しいが、日本古来の価値を守るはずの神社、日本文化・憲法破壊の先頭に立っているという。イスラム国の戦闘的狂信はひどいが、自壊する神道それ以前。

【IWJブログ】境内に櫻井よしこ氏の改憲ポスターが!全国各地の神社で起きている「異変」 〜日本会議・神社本庁・安倍政権が一体となって「政教分離」を定めた憲法に違反する、改憲署名を推進!

明日あたり、はるばる某神社に初詣予定だったが思いなおした。

2016年1月 6日 (水)

地域における大虐殺挑発を狙った、サウジアラビアの処刑

Finian Cunningham

公開日時: 2016年1月3日 14:19
"RT"

2016年1月2日 イギリス、ロンドンのサウジアラビア大使館前で、著名なシーア派宗教指導者ニムル・アル-ニムルの処刑に反対する抗議行動で、プラカードを掲げる抗議行動参加者  Neil Hall / Reuters

著名なシーア派宗教指導者のサウジアラビアによる処刑に対する中東全体での激しい反応が、処刑は、支配者サウド王家による意図的な挑発であったことを強く示唆している。
この挑発は、サウジアラビアの地政学的権益を推進するために - 既に引火点に近い -地域の様々な国々で、宗派間緊張をあおり、紛争を助長することを狙ったものであるように見える。こうした権益の中心にあるのは、いつも通り、激しいライバル関係にある、地域におけるシーア派大国イランだ。

週末、シーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルが、46人の他の囚人と共に処刑されたというサウジアラビア内務省による発表の後、地域全体、特に、イラン、イラク、レバノンやバーレーンなど多数のシーア派信者がいる国々で、予測通りの憤激がおきた。イランは、過激なスンナ派サウジアラビア支配者を“犯罪人”と非難し、“軽率と無責任の極み”の行為を実行したと糾弾した

イランの最高指導者、アヤトラ・ハメネイは、サウド王家を、過激テロ集団ダーイシュ、(「イスラム国」、また以前はISIS/ISILとして知られる)になぞらえた。注目すべきは、王国が敵対者を断首刑で処刑するやり方が、サウジアラビア政権とダーイシュ幹部が共有している、ワッハーブ主義として知られるイスラム教のシャリーア法の厳格な解釈によって同様に - 。

元イラク首相ヌリ・アル-マリキは、死刑発動は、サウジアラビア支配者の崩壊をもたらすだろうと述べ、他のイラク政治家連中も、不安定で、宗教的に緊張した地域全体で“地獄への門を開ける”だろうと語っている。

アメリカ合州国も欧州連合も、アル・ニムル処刑には懸念を持って対応し、両国とも、サウジアラビアによる死刑で、宗派間緊張が激化すると警告した。

アル・ニムルは、土曜日に、サウジアラビアにおけるここ三十年で最大の大量処刑とされるもので、46人の他の囚人とともに処刑された。報道によれば、死刑は、12箇所の刑務所で、報斬首または、銃殺隊で行われた。死刑判決を受けていた人々の大半は、2003年から、2006年の間、サウジアラビアにおける、欧米の権益に対する破壊的な攻撃を行ったかどで告訴されていたアルカイダ・テロ集団のメンバーだとされている。

ニムル・アル・ニムルは、週末に処刑された4人のシーア派活動家の一人だった。彼らは政府転覆とテロなど、いくつかの罪で告訴されていたが、この裁判を国際人権団体は、裁判手続きの茶番だとかたづけていた。アル・ニムルは、2012年に逮捕され、暴力的な抗議行動をあおったかどで告訴されたが、支持者は、尊敬されている宗教指導者は公には常に平和的な抗議行動を支持していたと指摘している。彼の発言で、最も良く知られているものは、“言葉の力は、弾丸の轟音より強い”だった。

10月、アル・ニムルは、彼の死刑に対する上訴で敗訴した。その後更にいくつか国際的な寛大な処置への訴えがなされていた。特に、イラン政府は、宗教指導者の命を救うよう呼びかけるいくつかの声明を出していた。

アル・ニムルに対する司法の誤りと、寛大な処置への訴えにもかかわらず、処刑を実施するという恐ろしい判断が、事件を大いに衝撃的なものにしている。

レバノンのシーア派レジスタンス運動ヒズボラは、サウジアラビアの行動を“暗殺”だと非難し、イラン革命防衛隊は、サウジアラビア支配者は“厳しい復讐”に会うだろうと断言した。

2016年1月2日 バーレーン、マナマ西部のサナビス村で、サウジアラビア当局による、サウジアラビアのシーア派宗教指導者ニムル・アル-ニムルの処刑に反対する抗議行動で、 "死は我々にとって当然のことで、神があたえたもうた尊厳は殉教だ" という垂れ幕を掲げる参加者、Hamad I Mohammed / Reuters

サウジアラビアと他のスンナ派アラブ諸国連合軍が、過去9か月、空爆を行っているイエメンでは、主として、シーア派フーシ派反政府派も、アル・ニムル処刑を非難し、彼の死に対して報復すると約束した。週末に、サウジアラビア国境のジザン州へのフーシ派によるロケット弾攻撃で24人のサウジアラビア軍兵士が死亡したことが報じられていた。この攻撃が、アル・ニムル処刑発表の前だったのかどうかは明らかではない。

サウジアラビア政権は、かつてイランとヒズボラを、イエメンにおけるフーシ派にる反乱をあおっていると非難した。テヘランは、武装反抗勢力を軍事的に支援しているという主張を否定した。しかし、サウジアラビアに反撃する方法として、イランとヒズボラが、今後イエメンでの軍事介入を強化するだろうというのは適切な仮説だろう。

サウジアラビアが様々な反政府派民兵、主としてワッハーブ派原理主義イデオロギーを共有する、いわゆる過激イスラム主義集団に資金を提供し、武器を与えてきた、シリアにおける、イランとヒズボラの関与についても同じ反応が予想される。これら集団には、12月25日、指導者ザフラン・アローシュが、ダマスカス近くで、シリア空爆で殺害されたジャイシ・アル・イスラム(イスラム軍)も含まれる。サウジアラビア政権は、やがて行われるジュネーブでの国連が後援する、シリアに関する和平交渉を危うくするとのべて、アローシュ殺害を公式に非難した。

サルマーン王率いるサウド王家は、ワシントンも、モスクワも支持しているジュネーブ交渉に賛成ではないことが知られている。シリアの政治的未来は、選挙で、シリア国民によって決定されるべきだというロシアの姿勢に対し、ワシントンが妥協したように見えることにサウジアラビアは動揺している。和平交渉の前提条件としてシリア大統領バッシャール・アサドは辞任すべきだ、というワシントンによる長年の主張が放棄されたのだ - その結果、サウジアラビア、トルコとシリアの過激派戦闘集団が、アサドは退陣すべきだと要求し続けている唯一の当事者となってしまった。

トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンが、ニムル・アル・ニムル処刑のわずか数日前にリヤドで、サウジアラビアのサルマーン王と“戦略的サミット”を行ったことには、おそらく大きな意味があるだろう。

9月末以来の、ロシアのシリア軍事介入は、バッシャール・アサドのシリア政府を安定化させる上で大成功だ。オバマ政権でさえ、最近、シリアにおけるロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦略的成功を認めた。

この軍事的成功は、現地のシリア・アラブ軍の勝利に貢献した、イランとヒズボラと、イラクの功績だ。

シリアにおける秘密の政権転覆で、最大の敗者は、サウジアラビア、カタールとトルコという地域の同盟諸国とともに、ワシントン、ロンドンとパリが率いる枢軸だ。ワシントンや、他の欧米列強には、シリアでの最終的な政権転覆のため、秘密の反政府活動支援から、遅ればせながら政治的手段へと、戦術を切り替える抜け目のなさがあるが、サウジアラビアとトルコは、依然、秘密の戦争計画に固執しているように見える。

この意味で、ロシアが支援するシリア軍事同盟は、サウジアラビアとトルコにとって、特に不利な一斉攻撃だ。

サウジアラビアの観点からすれば、連中のシリアでの敗北と、イエメンで継続中の挫折を救済するための一つの方法は、地域を、宗派紛争の爆発で吹き飛ばすことだろう。もちろん、多くの人々にとって、そのような賭けは、常軌を逸している。だが、もしサウド王家が、スンナ派とシーア派の間の騒動を挑発できれば、それは、ワシントンとモスクワとを対立させることになり、地域全体で、より広汎な戦争をもたらすことになろう。

シリア政権転覆の権謀術数でわけがわからなくなった、サウド王家が、他国の領土に、混乱と流血の蔓延を引き起こしたがっているように見える。

著名なシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルの処刑は、全く根拠のない野蛮な殺人なので、結論は一つしかない。死刑という全くの狂気は、地域で騒乱を引き起こすことを狙った病的な計算を徹底的に裏切ることになるだろう。

サウジアラビアは、シリア、イエメン、イラク、レバノンや他の国々で大連敗しているため、独裁者連中はおそらく、いちかばちかやってみても、自分たちにはほとんど失うものがないと判断し、地域における大虐殺を挑発したのだ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。アイルランドのベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/327796-saudi-arabia-nimr-cleric-executed/

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2016年1月4日付け記事「権謀術数を巡らしたトルコ、サウジアラビアの自業自得」で、

石油豊富な湾岸諸国に典型的な不労所得生活というサウジアラビア経済の特徴

と翻訳した部分、原文、実は下記の通り。

the rentier nature of the Saudi economy, typical of the oil-rich Gulf states

「不労所得生活」という部分は、rentier ランティエ フランス語。英語でレンテイア。リーダーズ英和辞典3版には、不労所得生活者とある。rent家賃、地代、金利などで暮らす人。プログレッシプ仏和辞典第2版では、「金利生活者」。これは、この場合には、あたらないだろう。

サウジアラビアの対イラン制裁発表後、すぐに湾岸産油国のカタールやクエートなどが続いた。湾岸レンティア国家に関する入手しやすい本、素人は下記しか思いつかない。

湾岸産油国 レンティア国家のゆくえ』松尾昌樹著 講談社選書メチエ

66ページに、こうある。

レント収入は、厳密には石油輸出収入に限定されるものではないが、湾岸産油国に限っては事実上、「歳入の大半をしめるレント収入=石油輸出収入」だ。

192ページ

湾岸産油国の場合、国によっては、自国労働者が全体の10%をわりこむ場合もある

およそ現代の日本にはほど遠い世界と思うが、

194ページには、

経済産業省が2005年に作成した予測によれば、1995年の時点での日本の生産年齢人口を将来的に維持しようとすると、日本の人口増加率を補うために、2030年までに1800万人の外国人を受け入れる必要があるとされている。・・・外国人労働者の割合は60%を越えると推計され、日本人労働者よりも、外国人労働者の数が多い社会が到来する可能性が示唆されている。

とある。

そのころには、地殻変動のおかげで、日本も産油国になっているのだろうか?TPPで丸裸になっている可能性の方が遥かに高いだろう。

妄想はともあれ、近づく選挙、辺野古基地問題の方が切実。

【スピーチ全文掲載】「野党は四の五の言わずまとまるべき!」~「市民連合」大規模街宣で小林節・慶應義塾大学名誉教授が野党共闘の必要性を訴え 「参院選で勝てば暴走は止まる!」

2016年1月 5日 (火)

自壊プロセスを開始したウクライナ: 未来は予想不可能

Andrey UVAROV
2016年1月3日 | 00:00
Strategic Culture Foundation

2015年は、ウクライナにとって、希望が打ち砕かれ、幻想が消散する年だった。ウクライナ人の中には、マイダン抗議行動とヨーロッパ統合政策に希望を託した人々もいた。国産ファシズム政権は、壊滅的敗北を味わうだろうという夢を抱いた人々もいた。こうした希望や熱望の全てが現実化しなかったのは明白だ。

唯一確信を持って言えることは、ウクライナの将来は全く予想不能ということだ。

元ウクライナ大統領レオニード・クチマが、ウクライナはロシアではないと言ったのは正しかった。同時に、ウクライナはガボンではない。ソマリアでもない。ところが、欧米の専門家連中は、ウクライナに関して語る際に、破綻国家という用語を使い始めた。連中がそうするのも無理はない。これほど激しい自滅過程を始めた国は、史上かつてない。2015年に、これは極めて明瞭になった。

2014年、何千人もの人々が、鍋や釜を叩いて、マイダン抗議行動に参加した。彼等はシェンゲン・ビザを必ず入手できると確信し、反ロシアのたわごとを聞きながら踊り、喜びを感じていた。オデッサやイロヴァイスクや、ホルリフカやシャフタリシクで、凄惨な出来事が起きているのを目にしながらも、彼等は惰性で政権を支持し続けた。

2014年、ウクライナは血にまみれたが、それでも正気にはならなかった。悲劇的な出来事が、2015年冬、デバリツェボで起きた。アルセニー・ヤツェニュク首相政府によって押し通された予算で外国債券が消滅したのと同じ形でウクライナ軍国主義は消散し始めた。

NATOが支援の手を差し伸べてくれるだろうと幻想を抱いて、いまだに手を振り回している連中もいる。

軍隊は勝利と戦利品を約束された。現在、軍人連中にとって一番重要なのは、軍務にい続けられ、給料をもらえることだ。給与がどれほどわずかなものであれ - 何もないよりはましだ。募集案内所に、志願兵の行列はない。若いウクライナ人連中が、徴兵逃れで、ユーラシアのあらゆる国々に隠れているのを人々は知っている。

出来事の進展をじっと観察してきた人々は、ウクライナが外国からの支援を得られまいことがわかっている。

諸外国は、それぞれ自国の目標を追求している。事実上、彼等は既にクリミアをロシアの不可分の一部として認識している。諸外国は、ウクライナ分割の過程が継続しているのを自覚している。以前に約束されたビザは、決して与えられていない。使える兵器システムは送られてこない。よその国々の指導者は、各勢力の相関関係を評価しているのだ。彼等はロシアとの関係を漸次正常化している。この課程はさほど明らかではないが、状況をしっかり見続けている人々には、進展が見えている…

2015年は大量洗脳操作の年だった。権力者連中は、あらゆるものが、自分の着任前に盗まれていたので、事態がこれほど酷いのだと、自分の失敗を正当化している。連中はロシアとプーチンのせいにした。実際、ウクライナ人は、鍋やざるを振り回して街路を行進するのはやめたが、それでも、まだ彼等はTVの言い分を信じているのだ。

2015年に、TV局と政府は、とうてい我慢できないようなことをしでかした。キエフの支配者連中は、経済を向上させ、社会生活の進歩を実現すると約束しながら、国を、失業、インフレ、産業の破壊や、想像もできないほど高い水道光熱費に陥れた。

果てしのない“見せ物”や集団喧嘩がウクライナ議会でおきている。高官たちは、お互いを盗人と呼び、皿を投げ合っている。アメリカ大使は憤慨して、汚職との戦い取り組み失敗を語っている。政党スヴォボダの民族主義者連中は、国民防衛軍兵士に手榴弾を投げつけ、右翼集団右派セクターは、ムカチェヴォで究極の銃撃戦をしでかした。

ネストル・マフノ (“バトゥコ (父親)”と呼ばれた、ウクライナ人のアナキスト-共産主義革命家で、1917-1922年のロシア内戦時、独自のウクライナ・アナキスト軍司令官) の遺産が、ウクライナでは、政治“ファッション”と化した。地方勢力は中央政府を無視し、裁判所や市議会が攻撃されている。不運な元首は、性的自由への希望が打ち砕かれたウクライナの同性愛者連中によって、肉体的に威嚇されている。

表面にうかびでたいくつかのものごとは、もみけされている。たとえば、士気の低下、移民の増加、貧困の増大、そして、独立しているふり。政府幹部は使い走りだ。ポロシェンコ大統領の主な機能は、ジョー・バイデン副大統領、ビクトリア・ヌーランド国務次官補や、駐ウクライナ大使 ジェフリー・R・パイアットなど、アメリカ人幹部が言うことを、ウクライナ語に翻訳することだ…

社会助成金がもはや存在しないという事実を隠すのは困難だ。ヤツェニュク首相が発した行政命令№ 3628に従って、人々は、幼稚園の食事、学校の教科書、公共図書館や他の文化施設を利用するのに料金を支払わなければならない。所得低減と、価格上昇のなかで、これだ。政府が散々騒ぎ立てた助成金も、実際には、銀行の秘密を無くす決定をごまかすためのいかさまだった。国民が隠し持っていたあらゆる資産は、今や政府資産と化した。こうした全ての無数のへそくりは、もはや秘密にしておけないのだ。これが、ウクライナの誰一人、ポロシェンコとヤツェニュクを好きではない理由だ。幻想は消滅した。現実の問題は、依然何百万人ものウクライナ人が“ソフト・パワー”(ウクライナ・マスコミ)の犠牲者のままでいることだ。彼等は、国家の破壊を、勝利だと間違って思い込んでいる。彼らは、何千人もの人々の殺害、国の分割、主要経済部門の消滅をもたらす行為を正当化している。この何百万人もの人々は、前大統領ヴィクトル・ヤヌーコヴィッチに近いオリガルヒと、よりを戻すことは不可能だが、ポロシェンコが支援するオリガルヒが、現在国家を支配しているのは、かまわないと思っている。

この何百万人もの人々は、債務を返済せずとも、ヨーロッパ向けのガスを抜き取ってもかまわないと思い込んでいる。

この何百万人もの人々は、ファシズムの勃興や、恐怖政治や、宗教戦争の脅威を無視し続けている。武装強盗団が大荒れし続けても、本当の民主主義の証拠であるかのように描かれる。こうした犯罪人連中は、どのような政府でも徹底的にやっつける用意ができていることを示している。ここで書いた人々は、自分たちの過去の遺産を否定している。彼らは、相手がリドナー・モーヴァ(ウクライナの公式言語)を話し、ホパーク(ウクライナの国民的舞踊)を踊り、民族衣装を着ている限り、悪魔とさえ取り引きする用意ができているのだ。

この種の政権が一体どのようなやり方を採用しようと、この何百万人もの人々の、いびつな心が、長々と続く政府劣化の期間を引き延ばしてしまう。支配者連中は、国民にウソを与え、国民は、支配者連中に自らの血を捧げて、“ウクライナ万歳!”と唱えるのだ。

ドンバスの喪失は反論の余地のない事実となった。ウクライナの大砲による一斉射撃のたびごとに、これがますます明らかになる。この地域の分離は、確実に、政権の崩壊を促進する。しかし、政権が去っても、ウクライナ問題は解決されまい。救済は、真実と悔恨にある。

無能な幹部が失態を演じ、水道光熱費が上がり、幹部に関する新たな不祥事が暴露されるたびに真実はより明らかになる。真実は、疑念と恥ずかしい気持ちをもたらす。それはやがて、悔恨をもたらすだろう。だがこの問題の解決は、まだ道遠しと言わざるを得ない。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/03/ukraine-launches-process-of-self-destruction-future-unpredictable.html
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読んでいて人ごとと思えない。

年頭から真っ赤なウソだらけ。見聞きするに絶えない。

「本年は永久属国化を完成するための挑戦、売国TPP推進挑戦、そして憲法破壊の挑戦あるのみ。未来の破壊へと果敢に挑戦する」

「今こそ、少子高齢化という構造的課題は放置しなければならない」と述べ、子育て支援をたて前とした「1億総奴隷社会」実現のため、憲法破壊を推進する買収強化の意欲をのべた。
15年10月に大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)に関しては「効果を真に経済破壊・地方崩壊に直結させるとともに、TPPの悪影響に関する国民の不安は、徹底的にだましつづけなければならない」と話した。

自壊プロセスを開始した日本: 未来は予想可能

この種の政権が一体どのようなやり方を採用しようと、この何百万人もの人々の、いびつな心が、長々と続く政府劣化の期間を引き延ばしてしまう。支配者連中は、国民にウソを与え、国民は、支配者連中に自らの血を捧げて、“日本万歳!”と唱えるのだ。

2016年1月 4日 (月)

権謀術数を巡らしたトルコ、サウジアラビアの自業自得

Finian Cunningham
2016年1月2日
"SCF"

レジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領が、サウジアラビア、サルマーン王とのサミットのため、適切にリヤドに飛んで一年が終えた。会談には、挫折の一年の後、二人の指導者が陣営を固めるかのような雰囲気があった。古い諺にある通り、同病相憐れむ。しかも、トルコとサウジアラビア指導部が互いに慰め合うべき病は深刻だ。

アンカラもリヤドも、地域における両国の軍事計画は、決定的に駄目になってしまったのだ。過去三カ月のロシアのシリア軍事介入は、トルコとサウジアラビアによって、密かに政権転覆の対象とされていたバッシャール・アル・アサド大統領の政権安定化に貢献した。ワシントンや他のNATO諸国も確実に、この犯罪的謀略の一員だ。だが“第一線役”を果たしていたのは、トルコとサウジアラビアだった。

ロシアによって加えられた聖戦傭兵に対する壊滅的打撃は、アンカラ・リヤド協賛の汚い戦争の流れを変え、アメリカ合州国ですら最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワ長年の同盟国シリア国家の安定化という戦略的目標実現に成功したことを認めている。

ロシアの石油密輸と兵器輸送路空爆で、トルコがテロ旅団の活動を可能にしていた聖戦代理軍が利用していた補給線が切断された。アンカラのエルドアン政権による共謀のおかげで、傭兵連中が一日に数百万ドル稼いでいたと推計されるが、ロシア爆撃攻撃による石油密輸の大量破壊が、シリアで戦争をしかけているテロリストへの現金と兵器供給をだめにした。

エルドアン大統領が、12月29-30日、サウド王家と新たな“戦略的協力委員会”構築を話し合うためリヤドを訪問していたのも不思議ではない。トルコとサウジアラビアは今や、連中のシリアにおける政権転覆計画のための深刻な資金調達問題に直面している。

サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相は、もちろん公にはシリアには触れずに、サミットについてこうのべて、会議の不適切な部分を消し去るべく最善を尽くした。軍事、経済、投資協力を強化するため“会談は、二国間で、高位の戦略協力委員会を設置するという期待を生み出すに至った”。

だが行間を読めば、極めて重要で緊急なサミットの背景は、シリアなのだ。

シリアの情報筋によれば、隣国の政権転覆というトルコ-サウジアラビア取り組みは下記のような形で機能していた。トルコは、兵器と聖戦戦士の兵站補給を行い、シリア国境内に訓練キャンプを設け、一方、サウド王家は、2011年3月の紛争の発端にまでさかのぼる非道な企ての主要資金提供源なのだ。サウジアラビアは、アメリカ中央情報局(CIA)の暗黙の了解を得て、アメリカが供給する膨大な備蓄からの兵器も提供していた。

トルコ南東部と、北イラクの分離主義クルド人に対してエルドアンが再開した軍事作戦と、トルコのかつて繁栄していた経済の全般的下降のおかげで、アンカラは、新オスマン計画に資金を供給するための調達ができなくなっている。既に書いた通り、トルコ-シリア国境沿いのロシア空爆が、違法な密輸貿易資金源を潰してしまった。かくして、財政難のエルドアンは苦境におちいっている。

リヤドの長年のエルドアン・スポンサーも同様だ。石油豊富な王国は、980億ドルという記録的な財政赤字 - サウジアラビア経済の15パーセントもの額で、年を終えた。

サウジアラビアの支配者連中は、今やまずい財政を是正するため、未曾有の緊縮政策に乗り出さざるを得なくなった。フィナンシャル・タイムズの見出し記事は“サウジアラビア、過激な緊縮計画を公表”だ。サウジアラビア国民は、燃料、電気や水道の価格値上げに直面しているが、これは独裁者連中が、生活費を補助する気前の良い助成金で“平民”の不満を、常に金で片付けてきた、サウジアラビアの“社会契約”からの突然の離脱だ。

これは独裁制王国において、社会不安をもたらすことを意味する。何十年もの王家の気前の良さにもかかわらず、サウジアラビアは、とりわけ青年層の高い慢性的失業と貧困に苦しんでいる。これは、石油豊富な湾岸諸国に典型的な不労所得生活というサウジアラビア経済の特徴を反映している。サウジアラビアの総人口2700万人の三分の一もの数が外国からの海外在住労働者で、多くは南アジアから来ており、廉価な奴隷労働力となっている。おかげで、サウジアラビア国民の多数は失業したままという結果になっているが、サウジアラビア石油財源からの“給付”で、これまでの所、彼等を従順にしておけたのだ。

サウジアラビアの国家財政が弱まっている主要な要因は、世界市場での石油価格崩壊だ。わずか五年前、石油価格は、一バレル100ドルを優に越えていた。現在、それが約40ドルにまで下落しており、昨年一年だけでも、23パーセント下落した。

サウジアラビアの国庫歳入の約80パーセントが、石油売り上げに依存している。これと比較すると、ロシアは産業上で、ずっと多角的な経済発展をしているおかげでロシアの石油依存は、約15パーセントだ。

話はここでややこしくなる。サウジアラビアによる石油の過剰生産が世界市場で供給を飽和させることとなり、そこで商品としての価格を押し下げることになったのだ。

ロシアのエネルギー相アレクサンドル・ノヴァクが、市場価格下落の原因は一体誰か疑っている。ノヴァクは、ロシヤ24 TVで今週こうのべた。“サウジアラビアは、今年一日150万バレル増産し、事実上、市場の状況を不安定化させた。”

専門家の中には、サウジアラビアの一見自滅的な政策は、より弱い競合相手を駆逐し、ロシアと共に世界第二の産油国という市場での立場を守ろうとすることが動機だと主張するむきもある。より悪意ある説明は、サウジアラビアは、ロシア経済を損なおうとするワシントン計画を幇助し、扇動したというものだ。

いずれにせよ、結論は、サウジアラビアは、石油で地政学遊びをしたおかげで、自らの権益を更に損なう結果におわったということのようだ。

サウジアラビアの悩みに輪をかけているのは、彼等がイエメンで継続中の戦争だ。南の隣国を9か月も連続爆撃しながら、打倒された傀儡政権を再度据えるという点で、サウド王家は何も達成できていない。この戦争がおわる見込みは全くないように見えるが、それはつまり、王国国庫が負債状態なのに、サウジアラビアは、今年、更なる軍事支出を用意しなければならない。

しかし権謀術数が、トルコとサウジアラビア両国にとって逆噴射する一方で、他の国々にとって、おそらくはある程度、良いニュースだろう。国連が主導するシリア紛争に関する和平交渉が、今後数週間進む中、アンカラとリヤドの敗退は、交渉の席で、ロシアと同盟国シリアの立場を有利にする。

だれの得にもならない風は吹かない。甲の損は乙の得。少なくとも、自らの権謀術策がもとで、トルコとサウジアラビアが自業自得の報いを受けている旋風は、この地域の平和を本気で実現しようとしている当事者にとっては、つかの間の猶予となるだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/02/turkey-saudi-reap-machiavellian-whirlwind.html
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朝まで生テレビで、自民党議員の身分をいつわった発言。あの番組の象徴のようなもの
あの番組なり、司会者なりに、あきれているので、長年見たことがない。
ああいうものを、見る気力・体力がある方々には、心から感心するばかり。
人生は短い。

理不尽だが、岸井氏の発言を偏向だと非難した連中、ああいうインチキは批判せず喜ぶだろう。
正論でも、売国傀儡政権に不利なものは罵倒する。
暴論でも、愚論でも、売国傀儡政権に有利なものは持ち上げるのが御用評論家の役目。

沖縄タイムスが報じた著名元外交官虚言にあきれる。アメリカ人記者質問に答え、ジャパン・ハンドラー諸氏の横で堂々真っ赤なウソを語る著名元外交官氏の雄姿、youtubeで見られる。
大本営広報紙に広告を載せた連中、暴論でも愚論でも、売国傀儡政権に有利なものは持ち上げる。

Why Henoko? Okamoto, Perry & Yamaguchi Answer

彼は平然と「合理的な選択だった」と答えた。
珊瑚礁もなく、生物もいない。ジュゴンも、あとできがついたが、沖縄全島を回遊して、たまに辺野古に寄る、と珍説。

No coral reefs, no creatures.
It was only later that we found out that there are some Dugons going around the circle of entire Okinawa island and sometimes stopping by Henoko.

某掲示板で、当方のPaul Craig Roberts氏の記事翻訳を適当にコピー・ペーストした書き込みがあり、それに、多数の方々が様々なコメントをつけておられる。

原著者のPaul Craig Roberts氏、別の記事『核戦争の可能性』で、荒らし書き込みについて書いておられる。同じ意見だ。そこで、一部を再度掲載させていただこう。太字強調は小生によるもの。

大半のアメリカ人は、神話の中で暮らしているが、こうした神話は事実の影響を受けない。アメリカ人には、自分の先入観に合わない情報に出くわすと激怒する連中がいる。私は、新聞社で働いていた頃、読者からの手紙で、こうしたことがわかりはじめたが、同じ 譴責は、電子メールや、ウェブサイト・コメント欄でも続いている。

郵便や電子メールは、読者が筆者を酷評し、うっぷんをはらせるようにする手段だが、コメント欄では、集団で攻撃して、筆者を誹謗するだけでなく、ウェブサイト読者全員に私憤を読ませることが可能なのだ。

私が、このコラム記事転載を承認している、OpEdNewsやInformation Clearing House等のウェブサイトでは、荒らし連中や、様々な変人や、レーガン憎悪者や、無知な連中が、コメント欄で、私を誹謗し、評判を傷つけ、私が書いたものを歪曲し、私が読者に提供している情報を潰す為、最悪のことをしでかしている。荒らし連中やその同類は、真面目な欧米マスコミの不在を補おうとする様々な筆者達に対し、同じことをやっている。誰が攻撃されているか、お考え願いたい。売女マスコミのニューヨーク・タイムズや、ワシントン・ポストや、Fox Newsではないのだ。例えば、ジュリアン・アサンジや、グレン・グリーンウォルドだ。一人は強姦者だとされ、もう一人は文書窃盗の共犯者にされた。

私にはコメント欄の意味が全くわからない。コメントは、相も変わらず、筆者を称賛したり、くさしたりする投書か、あるいは、自分達が余り良く知らない主題を巡り、読者間の言葉で殴りあうような論争だ。

サイトにコメント欄があるのは、読者を引きつけて、ビジット、あるいは“ヒット”を増やし、サイトを広告主に売り易くする為だという主張を聞いたことがある。とはいえ、例えば、Information Clearing Houseは広告を掲載しておらず、OpEdNewsの記事に対して投稿されるコメントの率はごく僅かで、記事を読んだ読者の1パーセントでしかない。そこで私は、コメント欄をおいておく理由なる主張は、不合理だと結論づけている。

コメント欄は、新聞編集者への手紙のようなもので、読者が意見を言えるようにするためだという向きもある。だが印刷媒体の編集者は、手紙をよく読み、何か意義のあるものだけを公表している。ウェブサイト・コメント欄で、ありとあらゆる阿呆や、荒らし連中が、筆者の記事を読む人々に対して、意見を言っているのは、それとは違う。

新聞編集者達の解決策が完全だったと申しあげたいわけではないし、この発言で、コメントされる方々全員を、一派ひとからげで非難するつもりもない。言いたいのは、コメント欄に書きこむ為には、筆者より遥かに多くの知識や、学問や、より開かれた精神が必要だということだ。新たな情報や、分析、あるいは主流意見と異なる視点を、読みやすい記事でご提供するには、時間も思慮も大いに必要だが、中傷や、とんでもないことなら瞬時で書ける。

荒らし連中は、偽名やペンネームを使って、自分の正体を隠すことが多い。良くある手法は、著者が言っている内容でなく、著者個人を攻撃することだ。例えば、荒らし連中は、進歩的な左翼サイトで、悪のレーガン政権で働いた人物で、それゆえ信用できない人物だと、私の“正体を暴いている”。保守系サイトでは、私は、CounterPunchに記事を書く左翼だと“暴露”されている。筆者の正体を暴く、こうした行為は、そうした情報を無視したいので、先入観と合わない情報は聞きたくない連中の役にたつ。

サイトの中には、筆者も書き放題、攻撃もし放題にしているものもある。RTに、サイト報道に対する、荒らし連中による反論のし放題にしているコメント欄があるのは不可解だ。自己否定をするサイトの意義は、一体何だろう? コメント欄があるサイトは、実際、政治的な既得権集団が、そのサイトの報道や、筆者達をおとしめるのを認めていると同じことだ。サイトを評価するだけの実績が明らかでない匿名読者に、記事の評価を認めるサイトもある。ごく少数の読者しか参加しないので、サイト評価は、きわめて少数の正体不明の連中によって、決められかねない。

大統領や、政府高官や、売女マスコミ連中や、警官やら、強欲銀行幹部の不正の責任を、私が問うているのと同様、荒らし連中や、その同類の責任を、私は問うているのだ。

今年、いくつかのコラムで、ロシアやプーチンの意図に関する、ワシントンによる一貫した攻撃的なウソや、選挙で選ばれたウクライナ政権を打倒し、ワシントンの傀儡を据えつけたワシントンによるクーデターや、戦争を引き起こしかねない、無謀で危険な行為である、ロシアに対する軍事的熱狂に、NATOをワシントンが追い込んでいるのを指摘した。

荒らし連中は、こうした懸念を、破滅の予感やら、自国政府に対する不信の餌食となった常識を失った人物がわめき立てていることにしてしまう。連中は、核戦争は、不合理で、それゆえ、起こり得ず、社会の大惨事を予言する人など無視すべきだと言うのだ。ネオコンが、核兵器と、その使用を擁護し、大多数のアメリカ人が、プーチンは“暴漢”で“ヒトラーよりひどい”というプロパガンダを真に受け、ニューヨーク・タイムズが“アメリカ、核兵器の本格的更新を計画”と報じている事実にも関わらず。http://www.nytimes.com/2014/09/22/us/us-ramping-up-major-renewal-in-nuclear-arms.html?_r=1

理性的で洞察力ある人物で、アメリカの良心役を長らくつとめてきたノーム・チョムスキーが、ワシントンが、世界を核戦争に追いやりつつあると感じる、社会の大惨事を予言する人々の一員に加わってくれたことを嬉しく思っている。

2016年1月 3日 (日)

効率的な大統領制の一例としてヒトラーのドイツをあげたエルドアン大統領

公開日時: 2016年1月1日 14:39

編集日時: 2016年1月1日 21:08


タイイップ・エルドアン・トルコ大統領  ayhan Ozer / ロイター

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコに大統領制政府を必ず採用するようにさせたい意向を繰り返し述べ、これを実現する方法の一例として、アドルフ・ヒトラーのドイツをあげた。

記者会見で、エルドアンに、あるジャーナリストが、トルコは、もし大統領制が導入された場合、政府の中央集権構造は維持できるのかどうか質問した。

“世界には既に例がある。ヒトラーのドイツを見れば、わかる”ドガン通信社の録画放送によれば、彼はそう語っている。"他の様々な国にも新しい例はある。"

 

金曜、あらゆる種類の政治体制において、悪い統治が起こりかねないことを示そうという試みで、ヒトラーの時代に触れたのだと説明し、エルドアン大統領の言葉は誤解されたと大統領府はのべた。

APによれば、声明はこうだ。“議会制であれ、大統領制であれ、ヒトラーのドイツのように、もし制度が悪用されれば、大惨事におわる悪政になりかねない。”

“大統領の発言を、ヒトラーのドイツを肯定的に言及したものとして表現するのは受け入れられない”と大統領府はのべた。声明は、エルドアン大統領が、ホロコースト、反ユダヤ主義、イスラム嫌悪は、人類に対する犯罪であると言明したことも強調した。

エルドアンも、アフメト・ダウトオール首相も、政府を一層効率化できるようにするため、アンカラは現在の議会制から脱皮する必要があると語っている。

更に読む
‘窮境に陥ったエルドアン’と書いた横断幕を持ったジャーナリストや、トルコ人知識人: 投獄されたジュムヒュリエット編集主幹、一体なぜ、トルコは、シリアに関するすっぱ抜きのかどで、ジャーナリストを罰したのか

“トルコにとってふさわしいのは、[民主的]精神に沿った大統領制を採用することだ。この制度は独裁制に変貌することはないが、もしこの精神を持たなければ、議会制度さえ、これ[独裁制]に転化しかねない”と、NTVのインタビューで、ダウトオール首相が語ったと、ヒュリエット・デイリー・ニューズは報じている。

11月の選挙で絶対多数を獲得した与党の公正発展党 (AKP)は、大統領制への移行を促進する新トルコ憲法の採択を狙っている。野党は、エルドアンに余りに大きな権力を与えることになり、彼が独裁支配を生み出すのを容易にすると言って批判している。

“[エルドアン]はトルコを大統領制にしたがっています。前回選挙の後、彼は考え方を変えていません。彼はどうにかして、これを強行すると思います。トルコが完全独裁制になる最後の出口だと思います”と、ジュムヒュリエット紙の反政府派ジャーナリスト、ジェイダ・カランは、RTに語った。

一方、ミシガン大学のロナルド・スニは、RTに、大統領制に向かう動きは“危険だ”、とりわけ約“40-45パーセント”の国民がこれに反対していることから、危険だと語った。

“我々は、ある種内戦に近い状況に直面しており、これは実に危険だ- トルコにとって、国内的に、そしてまた、トルコ、アメリカ、ロシア、シリア - こうした国々全てと、クルド人が、シリアとイラク国内のISISに対する戦い”に関わっている国際的な局面でも危険だと、スニは11月に語った。

更に読む
トルコのタイップ・エルドアン大統領。トルコ政治家ウミト・ベクタス、エルドアンを、ツイッターで侮辱したかどで懲役刑判決を受ける。

既にエルドアンは、彼に批判的な多くの政敵のジャーナリストを投獄している。大晦日、政敵のフェイズィ・イシュバシャランは、トルコ大統領を侮辱したとされるツイートを投稿したかどで禁固約三年の判決を受けた。イシュバシャランは、エルドアンのAKP党の元メンバーだ。

一方、野党の共和人民党(CHP)議員エレン・エルデムは、RTに「イスラム国」が、トルコ経由で、サリン・ガスを入手したと語ったかどで“反逆罪”で告訴された。彼は、アンカラは、あらゆる証拠を持っていたにもかかわらず、その流れを止めるために何もしなかったとも主張した。

“この国には、外国テレビ局のインタビューで、トルコが、テロリストに化学兵器を売ったと語って、共和国と同じくらい古い歴史がある党に対する裏切りの奈落に深く落ち込んだ議員がいる”と、12月18日、激怒したエルドアンは、語った。

彼は、一週間の外出禁止令が課されたトルコ南東部のクルド人に対しても、厳しい取り締まりを開始した。

火曜日、アンカラは、外出禁止令実施に反対して抗議する何千人ものクルド人に対して催涙ガスを使用し、学校は休校となり、住民たちの暮らしを酷く破壊することになった。10,000人以上の治安部隊と、戦車と装甲車両を現地に配備し、クルド人民兵に対する6か月の攻勢で、トルコ軍は住宅地を瓦礫の山と化した。

“トルコ国軍はまたしても、この平和的な抗議行動参加者を弾圧しました… クルドHDP党支持派の国会議員を含む何十人もの人々を拘留しました”と住民のハルン・エルジャンは、RTに語った。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/327651-erdogan-example-hitler-president/

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サウジアラビアで、シーア派指導者47人死刑執行。IS主要スポンサーならではの悪行。

ロシア西端と東端、両方で、反ロシア独裁体制は着実に進行中。

2013年7月28日の麻生副総理発言を彷彿とさせる記事。

憲法はある日、気づいたらワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ
誰も気づかないで変わった

あの手口に学んだらどうかね

2016年1月 2日 (土)

内戦ではなく、内戦であったことなどなかったシリア

Ulson Gunnar
New Eastern Outlook
2015年12月28日

兵器は外国製で、戦士は外国人で、狙いも外国のためだ。シリア軍が国家の支配を取り戻し、国境内で秩序を回復するため戦っている中、“シリア内戦”神話は継続している。シリア政府に反対するシリア人や、政府に反対し、それゆえシリア国民に対し、武器を持って立ち上がるシリア人すらいるだろうことは疑う余地はないが、最初から(実際は、始まる前から)この戦争は外国によって動かされてきたのだ。これを“内戦”と呼ぶのは、武器を持って戦っている連中を“反政府勢力”と呼ぶのと同様、間違った呼び方だ。これは“内戦”ではなく、シリア政府と戦っているのは“反政府勢力”ではない。

これを内戦と、シリア国家と戦っているテロリストを“反政府派”と呼んでいる連中は、その言説を聞いている人々が、連中のウソの先までは決して考えず、それが始まる前から行われていた動きや、そうした動きが一体どこで作られているのかという、この紛争の大きな文脈を理解しないことを願っているのだ。

これは一体いつ始まったのか?

これが、一体いつ実際に始まったのかというのは、もっともな疑問だ。冷戦時代、アメリカ合州国とヨーロッパ(NATO)と、ソ連のみならず、成長しつつある中国との間の東と西の間の戦いが一進一退を繰り返していた。しかし冷戦そのものは、世界対する様々な権力の中心の間で、何世紀にもわたり続けられてきた地政学的闘争の単なる継続だ。中枢には、ヨーロッパのパリ、ロンドンとベルリン、もちろんモスクワ、そして過去二百年間、ワシントンが含まれる。

ところが、この文脈で、地域紛争として描きだされているものは、これらの各特定利益集団中枢の間の、より広大な地政学的闘争の中にびったり納まるのが見えてくる。シリア紛争も例外ではない。

シリアは、冷戦中、ソ連と緊密な関係を維持してきた。つまり、ソ連崩壊後でさえ、シリアは、ロシアとつながりを維持していることを意味している。シリアはロシア兵器と戦術を使用している。シリアは、ロシアと、経済的、戦略的、政治的つながりを維持しており、秩序国家主権の優先を強調する多極的世界の優勢志向を含め、利害が一致している。

このおかげで、欧米の権力中枢は、何十年も(他の多くの国々とともに)シリアをこの軌道から引き離そうとしてきた。オスマン帝国の崩壊とともに、分裂した中東は、ヨーロッパ独立を求める民族主義者の蜂起によって飲み込まれるまで、最初は植民地主義者連中に支配されていた。自分たちが切った植民地とのつながりを、切れたままにしておきたいと願う人々は、ソ連の支援を求め、どんなことをしても権力の座につこうと狙う連中は、概して、欧米の支援を求めたのだ。

2011年の紛争は、シリアにとって最初のものではない。オスマン帝国崩壊以来、イギリス帝国が生み出し、育成したムスリム同胞団は、70年代末と80年代始め、現在のバッシャール・アル・アサド・シリア大統領の父親で、当時のシリア大統領ハフィーズ・アル-アサドを打倒しようとした失敗した企てでも支援されていた。この紛争に参加した武装過激派は、その後の取り締まり強化で散り散りとなり、ムスリム同胞団の多くのメンバーが、アルカイダと呼ばれる新たなアメリカ-サウジアラビアの組織を形成した。同胞団と、アルカイダが、それ以来、現在に到るまで、独立した中東の運命の後を追い続け、阻止しようとつとめることになる。

シリアの戦争には“内戦的”なものは皆無だ。

この文脈で、シリアの最近の紛争は、この広範な闘争の一環であり、決して、力の真空の中で展開している、紛争がはじまった後、始めて外部権益組織が引き入れられた“内戦”ではないことがはっきりとわかる。

2011年以来ずっと、ムスリム同胞団と、それから派生したアルカイダが存在しており、そのせいだと説明されてきた。2011年末には、アルカイダのシリア支部(ヌスラ戦線)が、他のいわゆる反政府集団を小さく見せる、全国規模の作戦を遂行することになる。しかも彼等がここまで大成功したのは、彼等がシリア国境内で見つけた資源と支援のおかげではなく、国境外から、彼等へと流れ込む膨大な資源と支援のおかげだ。

サウジアラビアは、シリアで活動している過激派集団の多くに、当初から、あからさまに武器を供与し、資金提供し、政治的支援をしている。実際、最近、アルカイダそのものの同盟者を含む、こうした集団の多くが、サウジアラビアのスポンサーと連中の共同事業の将来を議論すべく、リヤドに集まった。

ヌスラ戦線とともに、自ら任じる「イスラム国」(IS)がある。ISは、シリア紛争そのものと同様、欧米マスコミによって、できる限り長期間、どこからともなく生じたものとして描かれてきた。連中の軍事的、政治的な強さの根源は、他のことでは全知の欧米諜報機関にとって、謎のままだった。ロシアが紛争への関与を強化して。ロシア戦闘機が、トルコ領から出入りし、ISに向かう車列に猛攻撃を加え始めると、ヒントがあらわれだし、謎はとうとう解決した。ISは、シリアで活動している他の全ての過激派集団と同様、世界中から送り込まれる、気前良く、果てしのない大量の兵器、装備、現金や戦士の受け手だったのだ。

シリア紛争は、外国権益中枢によって、シリア国民の未来のためでなく、彼等を作り出した外国の世界秩序に、より都合良く調和するシリアにするべく、断続的に戦闘をしてきた、何十年も前に生み出された諸組織によって生じたのだ。紛争は、シリア国民自身からではなく、リヤド、アンカラ、ロンドン、パリ、ブリュッセルや、ワシントンにある、外国の特別権益集団の中枢から送られる兵器、現金、支援、更に戦士に到るまでの奔流に支えられてきたのだ。

ありもしない内戦で、どのように和解するのだろう?

もしシリア紛争が、何十年も (シリア内外で)外交政策を実施するための道具として利用してきた過激派集団をあおってきた外国権益集団によって生み出されて、内戦でなく、本質的に代理侵略となっているのであれば、一体どうすれば“和解”が実現できるだろう?

和解するために、シリア政府は一体誰と交渉すべきだろう? ダマスカスと戦っているヌスラ戦線や、ISなどの過激派を明らかに支配している幹部と交渉すべきなのだろうか? それとも、シリア政府は、紛争を永続化させる上で、傑出した要因であり続けてきた連中、リヤド、アンカラ、ロンドン、パリ、ブリュッセルやワシントン、こうした過激派集団の中でも最も過激な連中の支援に関与しているらしき全員と交渉すべきなのだろうか?

もし、ダマスカスが、こうした外国の首都の政治指導者連中と交渉するようなことになれば、ダマスカスは、“内戦”を、それとも、これら外国勢力と戦っている戦争を、終わらせることになるのだろうか? 世界の舞台では、これら外国首都は完全に過激派の肩を持っているのは明らかで、誰も驚きはしないが、これらの過激派連中が、まさに、こうした海外の首都が望んでいることを望んでいるように見える。

シリアが実際に戦っているのは一体どのような紛争なのかに関し正直になることが、それを終わらせるための本当の解決策を見いだす第一歩だ。欧米は、これは“内戦”だと主張し続けている。これにより連中が、紛争の結果と、結論が出た時点で、シリアがいあわせることになる政治的状況に影響を与えようとし続けることが可能になる。シリア政府は、あらゆる正統性を失ったと主張することで、欧米はこの文脈で立場を強化できるのだ。

外国権益枢軸が、シリア政府に対して隊列を組ませた武装過激派集団に対して、立ち上がり、戦っている事実を根拠に、シリア政府から正統性を剥奪しようという企ては、非常に危険で、受け入れがたい前例となろう。もし“シリア・モデル”が成功すれば、次は自国の番であることを、他の国々が理解しているがゆえに、この戦いでシリアの同盟国が増えているのも不思議ではない。

シリアで継続中の紛争は、ダマスカスに対する外国による攻撃の結果であることを認めることで、解決は非常に単純になるだろう。解決策は、国連あるいは戦場で、シリアを狙う暴力に油を注ぐ国々に対して措置を講じながら、ダマスカスが国境内で秩序を回復するのを認めることだ。おそらく、この解決策の明晰さこそが、この紛争の背後にいる連中が、これを内戦として描き出そうと必死になっている理由なのだ。

2011年以来、シリア“内戦”の意味を理解してようとしてきたが、うまく行かなかった人々にとって、説明は単純だ、それは内戦でなく、内戦であったことなど決してなかったのだ。そもそもの始めから(あるいは、そもそも始まる前から)代理紛争なのだと理解することで、理解が明晰となり、明らかな解決策は一体何かを理解する上で、計り知れないほどの助けになるだろうが、それも、人々が、この理解に至った場合に限られる。

Ulson Gunnarは、ニューヨークを本拠とする地政学専門家で、作家で、特にオンライン誌“New Eastern Outlook”に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/12/28/syria-its-not-a-civil-war-and-it-never-was/
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暇つぶしに、某民放歌謡番組をみると、自民党癒着宣伝歌番組。あわてて消した。TPP、戦争法案、原発再稼働を推進する諸氏の歌をきくのは耐えられない。

国営の呆導番組、ウクライナ、シリア問題、アメリカ、NATO側の攻勢に全くふれずに怪説、売り出し中の女性政治学者も華々しく登場して怪説。下記のような、クーデター勢力による無法な殺戮行為ついては全くふれない一方的構成。(こういう行為、虚報であって欲しいが、そういうプロパガンダも見聞きしたことがない。)

キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!) 2014年5月7日

またしても、あわてて消した。

見る番組がない、わけではない。電気洗脳箱以外なら、必見の番組がある。

2015/12/19 安倍政権が改憲で狙う緊急事態条項の途方もない危険性~日本で今、一番、詳しい永井幸寿弁護士に訊く! 岩上安身による超重要全国民必聴インタビュー!(動画)

2016年1月 1日 (金)

取り組まれずにいる諸問題によって破壊されつつあるアメリカ

Paul Craig Roberts
2015年12月30日

百年前、ヨーロッパ文明として知られていたものは、後に第一次世界大戦と名前をつけられた大戦で、その命を終えつつあった。愚かな将軍連中によって、鉄条網と機関銃の砲火の中に派兵された何百万人もの兵士の軍隊は、塹壕でこう着状態になった。妥当な和平合意ができるはずだったが、アメリカのウッドロー・ウィルソン大統領が、戦局を、ドイツに不利に、イギリスとフランスに有利に変えようと、新たなアメリカ兵士を派兵し、大虐殺を継続させた。

新たなアメリカ兵という機関銃や鉄条網の餌食が、ドイツの立場を弱め、停戦が合意された。ドイツは、武器をおきさえすれば、領土を奪われず、賠償金も要求されないという約束だったのに、ヴェルサイユで裏切られる結果となった。ヴェルサイユ条約の不当さと愚劣さが、ドイツのハイパーインフレと、ワイマール共和国の崩壊と、ヒトラーの登場をもたらした。

13パーセンのドイツ・ヨーロッパ領と人口の十分の一を占める、フランス、ベルギー、デンマーク、リトアニア、チェコスロバキアとポーランドに引き渡した部分のドイツ返還をヒトラーは要求し、大戦を引き起こしたフランスとイギリスの愚劣さの繰り返しが、第二次世界大戦で、ヨーロッパ文明の残滓を片づけた。

アメリカ合州国は、この死で、大いに恩恵を受けた。アメリカ合州国経済は、両世界大戦からは無傷だったが、それ以外のあらゆる国々の経済は破壊された。おかげで、ワシントンとニューヨークの銀行は、世界経済の権威者となった。世界準備通貨として、アメリカ・ドルがイギリスのスターリング・ポンドにおきかわり、アメリカ支配、二十世紀後半、ソ連によってのみ行動を制約される支配の基盤となった。

1991年のソ連崩壊が、ワシントンから、この制約を除去した。アメリカの傲岸と不遜の爆発が、アメリカ合州国に引き渡された指導力の限界を消し去り、手を広げ過ぎるという結果になった。クリントン政権以降、ワシントンの戦争が、アメリカの指導力を損ない、中東と北アフリカの安定を、混乱に置き換えた。

ワシントンは、経済・政治の両分野で間違った方向に動いている。外交の代わりに、ワシントンは、脅しと強制を利用している。リチャード・アーミテージ国務副長官は“言われた通りにしないと、爆撃で石器時代にしてやる”と、パキスタンのムシャラフ大統領に言っていた。弱い国々をいじめるだけで満足せず、ワシントンは、ロシア、中国やイランなどの強力な国家を、経済制裁と軍事行動で威嚇している。結果的に、非欧米世界の多くは、世界通貨としての、アメリカ・ドルを放棄しつつあり、多くの国々は、支払制度を、彼等自身の世界銀行とIMFを組織しつつある。NATO加盟諸国の中には、ワシントンがロシアとの紛争に追いやっている組織の加盟国でいることを見直している国もある。

大国への中国の予想外な急成長は、アメリカ資本主義の強欲によるところが大きい。ウオール街に押され、“業績手当て”の誘惑から、アメリカ企業幹部は、生産性の高い、付加価値の高い雇用を、同等業務の給与が少なくて済む海外に移転し、アメリカ生活水準上昇をとめた。雇用と共に技術と事業ノウハウも移転した。アメリカの能力が中国に転移した。例えば、アップル・コンピューターは雇用を海外移転したのみならず、製造も海外移転した。アップル社は同社製品を製造している中国の工場を所有しているわけではない。

アメリカの労賃の節約は、企業収益、役員報酬や、株主のキャピタル・ゲインになった。一つの結果は、アメリカ所得分配の悪化と、所得と富の少数への集中だ。中流階級民主主義は、少数独裁政治に転化した。元大統領のジミー・カーターが最近発言した通り、アメリカはもはや民主主義ではない。少数独裁政治だ。

ウオール街の乗っ取りの脅威を避けるため、短期的利益と引き換えに、資本家はアメリカ経済を手放してしまったのだ。製造業と移転可能な専門職雇用が、アメリカから流出すると、実質家計所得は増大を止め、減少した。経済回復が主張されるなかでも、アメリカ就業率は下落した。雇用の増大は、低賃金の国内サービス業、小売り店員、ウエイトレスや、バーテンダーなどに限定されており、パートタイム雇用が、常勤雇用に置き換わった。労働人口に加わる若者は、自立した生活をすることが益々困難となり、50パーセントの25歳のアメリカ人が両親と同居している。

消費者と投資支出によって動いている経済において、実質消費者所得増大の欠如は、経済成長なしの経済を意味している。アラン・グリーンスパンに率いられて、連邦準備金制度理事会は、21世紀始めに、経済を動かし続けるため、欠落している消費者所得の成長を、消費者負債の増大で置き換えた。消費者負債の増大は、消費者所得の増大によって制限されるのだから、これは短期的な一時しのぎに過ぎない。

もう一つの深刻な過ちは、資本主義を機能させていた金融規制の撤廃だ。この甚だしい過ちの陰にいたのは、ニューヨークの大銀行連中で、買収したテキサス州上院議員を利用して、グラス・スティーガル法を撤廃し、驚くべき債務レバレッジや金融詐欺への歯止めを外したことで、議員連中は、報酬として、7桁の給与と銀行の副頭取職を与えられた。

グラス・スティーガル法撤廃が、商業銀行と、投資銀行の区別を破壊した。一つの結果が、金融の集中化だ。5つのメガバンクが、アメリカ金融界を支配している。もう一つの結果は、メガバンクが、アメリカ合州国政府より強力な力を得たことだ。現在、アメリカ財務省と連邦準備金制度理事会は、メガバンクの権益のためだけに働いている。

アメリカ合州国では、貯蓄している人は、8年間、貯蓄への利子が皆無だ。自分の退職の為に貯蓄してきた人々は、微々たる社会保障給付で、生きてゆくために、元金を引き出さざるをえなくなり、苦労している息子、孫、娘や孫娘に残す遺産も減ってしまうのだ。

ワシントンの財政政策が、家族に、徐々に自らの絶滅を強いている。これが今日の“自由と民主主義”アメリカだ。

資本家連中と、政府権力の乱用については正しいが、私的権力の乱用はほとんど気にかけないリバタリアン・イデオローグのサクラ連中は、家族や経済を破壊している資本家の強欲を進歩への道と見なしている。私企業の不正行為を規制する政府機関を信用しないことによって、リバタリアンは、アメリカ資本主義を機能させていた金融規制を撤廃する口実を与えたのだ。現在、強欲とリバタリアン・イデオロギーのおかげで、機能不全の資本主義が支配している。

アメリカ中流階級の消滅とともに、出世の階段も解体されたことが日々明らかになり、アメリカ合州国は金持ちと貧乏人で構成される二極分化した国になった。最も明白な結論は、アメリカ政治指導部の失敗が、不安定を、裕福な1パーセントと、持たざる99パーセントとの間の紛争へと導いているということだ。

アメリカ合州国指導部の失敗は、政治分野に限られず、全般にわたっている。アメリカの機構が動いている計画対象期間は極めて短期だ。アメリカ製造業が、アメリカ雇用と、雇用に伴う消費者所得を海外移転して、自社製品に対するアメリカ人の需要を損なったのと同様に、大学経営部が大学を破壊している。75パーセントもの大学予算が、経営に向けられている。学長、副学長、学部長、副学部長や、あらゆる差別語禁止違反の大家が激増している。

大学経営陣が、非常勤講師に数千ドルで授業をするようにさせ、学問の自由の根幹をなす終身在職権雇用は消滅しつつある。終身在職権雇用の減少は、博士号課程在籍者減少の先駆けだった。大学入学者数も減少する可能性が高い。大学での経験がむしばまれ、同時に、大学教育に対する金銭的見返りもむしばまれつつある。卒業する学生の雇用環境は、学資ローンを返済したり、独立した家計を営んだりするのに十分な収入を益々もたらさないものになっている。

大学の研究は、益々国防省や商業利益によって資金提供されるようになり、そうした権益のために動いている。大学は社会評論家や改革者を生み出す源としての役割を失いつつある。真実そのものが、商業化されつつある。

かつては事業に資金供給をしていた銀行制度は、できるだけ多くの経済を、レバレッジ債券に変換することに益々注力している。クレジット・カードの高金利請求のおかげで、消費者支出すら減少しつつある。経済では、負債が本当の生産より早く増大している。

歴史的に、社会資源の効率的利用を保障するという理由で、資本主義は正当化されてきた。利益は、資源が社会福祉を最大化すべく利用されている印であり、損失は非効率的な資源の利用の印であり、そういう企業が破産することで、是正されるというのだった。しかし、一国の経済政策が“大き過ぎて潰せない”金融機関を保護するためのものとなり、利益が、雇用海外移転の結果による、アメリカGDPの海外移転を反映するようになっている今、もはや当てはまらない。明らかに、アメリカ資本主義は、もはや社会の役にたっておらず、所得と富の分配の悪化がそれを証明している。

これらの深刻な問題のいずれに対しても、大統領候補は取り組んでおらず、どの政党の綱領も、アメリカ救出計画にはなっていない。本質的に短期的な、抑制されない強欲が、アメリカを破滅へと追いやり続けるだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/12/30/america-is-being-destroyed-by-problems-that-are-unaddressed-paul-craig-roberts/
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大学教育の崩壊、日本ではどうなっているのか実態をしらないが、先程、良い記事を拝読した。良く似ているような気がする。

内田樹の研究室 大学教育の終焉

なつめろ、紅白、格闘技。
を横目に翻訳。実は、紅白、長年見ていない。若手歌手の名前も全く知らない。

昼は、戦争法案、TPP、原発再稼働と関係ない、数奇的事件を羅列する洗脳呆導を聞いていた。放送時間の長い順ですといっても、TPP報道など、はなから管制しているのだから話題にならない。庶民の生活にとっての重要性と、支配層にとって聞かせたくない話題の重要性は比例するだろう。それで、どうでもよい話題しか報じない。「緊急事態条項」も全く同じ扱い。そこで、

取り組まれずにいる諸問題によって破壊されつつある属国

対洗脳策、大本営洗脳報道でない情報を見聞きするしかない。まっとうな本を読むしかない。といったら、知人、「馬鹿にしている」と怒った。

日刊IWJガイド「憲法を一時停止する『緊急事態条項』が、がら空きのボディに刺さる!? 本日より『シリーズ特集:緊急事態条項』開始! 2015.12.27日号~No.1200号~

孫崎享氏、ニコニコチャンネルブログ・メルマガの冒頭三行、大本営虚報より貴重。

本年一番発信したかった事。日本史、真珠湾攻撃ほどの愚策はない。「少し頭を使えば破壊的な結果になる」、今原発再稼働、TPP,集団的自衛権、少し頭を使えば間違いだという事が解るではないか

慰安婦合意も不発というより逆噴射?こうなるのは少し頭を使えば解るではないか

しかし、新聞という紙媒体と、テレビという洗脳電気箱だけを見聞きしていれば、少しも頭を使えなくなるのだろうと思う。支配層のみならず、知人、その例であるまいかと恐れている。

選挙を狙った株価幻想洗脳作戦で預金金利を無くす一方、年金をバクチに投入するお上。

2015/12/10 国民の年金が安倍政権の人気取りと企業支配に利用される!? 厚労省がGPIFによる株式への直接投資「解禁」に向け、検討開始

仕事の客に懇請され、何度か同行した築地も移転。

2015/11/25 「築地市場の来年11月移転は東京オリンピックのため?」未解決の土壌汚染、交通不便、ハゼも棲まない海水利用——ずさんな豊洲移転計画に仲卸業者から懸念続出!

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