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2016年 年始特別連載:辺野古基地建設反対「島ぐるみ会議」訪米団完全密着レポート~日本政府を飛び越えて―沖縄がアメリカと始めた直接対話

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 ―辺野古基地建設反対を訴えるため、26名の沖縄県民が渡米したことをご存知でしょうか。

 沖縄県と日本政府との間で繰り広げられた辺野古基地建設をめぐる攻防は、2015年も末日まで続きました。キャンプシュワブ前で、警視庁から派遣された第4機動隊によって、力づくで反対派市民が強制排除される中、国が翁長知事の基地建設容認取り消し撤回を求める「代執行訴訟」、沖縄県も国を「広告提訴」することとなり、争いの場は現在法廷にまで及んでいます。2016年もこの状況は続くことでしょう。

 日本政府と沖縄県側との非対称なやり取りが続く一方で、2015年11月15日、26名の県民が渡米していました。日本政府を相手にしているだけでは埒が明かないと、米国政府に対し、積極的に訴えかけていこうとしているのです。

▲最終日、現地時間11月20日のホワイトハウス前アピールの様子。

 IWJでは、現地時間2015年11月15日~11月20日、沖縄県「島ぐるみ会議」訪米団の米国でのロビーイング活動に同行し、密着取材を行いました。辺野古基地建設反対を掲げる「島ぐるみ会議」は、米国でどのような市民団体・政府関係者と交流し、何を訴えたのか。また、米国市民や政府関係者は辺野古基地建設反対運動をどうとらえているのか。

 2016年の年始特別企画としてスタートする本連載では、19年間に渡る米国での県民によるロビーイング活動に注目しながら、訪米の様子を「前編:サンフランシスコ編」と「後編:ワシントンD.C.編」としてお伝えします。

 今回、全日程に同行した報道陣は、IWJ一社のみです。より多くの方に地道な活動の存在を知っていただくべく、本土のメディアがほぼ全く報じることのなかった映像を、非会員の皆さまにも一定の期間フルオープンで公開します。

 どうか多くの方にご覧いただき、沖縄の置かれている現状、そして私たち日本人が知ることのなかった「ジャパンハンドラー」以外の米国の多様な素顔について、理解を深めていただければと思います。

予告編1

草の根の声、届け ~辺野古移設反対 沖縄県「島ぐるみ会議」訪米 2015.12.9

 11月15日より8日間、「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」(通称「島ぐるみ会議」)は、総勢26名の訪米団による米国でのロビーイング活動を行いました。  「島ぐるみ会議」は、2014年7月、県内の経済界や労働団体有志らにより結成されました。

予告編2

【IWJブログ】連帯の動きは、止まらない―沖縄県辺野古、米国からの支援 2015.12.15

▲現地時間11月20日 「島ぐるみ会議」訪米団はワシントンDCホワイトハウス前において、辺野古移設反対アピールを行った。米国市民の飛び入り参加も目立った。

 普天間基地と辺野古移設問題に関するニュースは、今週も連日届けられています。  まずは、2015年12月14日の琉球新報から。13日、県経済団体会議は、島尻安伊子沖縄相の就任祝いパーティを主催。そのなかで、県商工会議所連合会長の国場幸一氏が「アイデンティティの行き過ぎが『イスラム国』や米共和党大統領候補のトランプ氏」と発言、辺野古移設を推進する島尻沖縄相を激励したそうです。 ...

「密着取材前編:サンフランシスコ編」

(1)訪米第1日目:辺野古から、戦争の”プロドローム(前駆症状)”を駆逐できるか~バークレー市、米国市民との交流会 2015.11.15

―「自分がいるところから凄く遠い場所で、沖縄を支援する決議が出たことに正直驚きました」。  訪米2日目に開催された西海岸カリフォルニア州バークレー市議会との交流会において、島ぐるみ会議訪米団メンバーの学生が発言した言葉です。2015年9月15日(現地時間)に採択された、同市による辺野古移設に反対する沖縄支援決議を受けての言葉でした。  「バークレー」という名前に懐かしさを覚える世代の方もいるかもしれません。60年代のヒッピーカルチャーはこ...

(2)訪米2日目前編:全ては、19年前に始まった;バークレー・沖縄、草の根の交流が新たな連帯を産む瞬間〜サンフランシスコ市議訪問 2016.1.2

 ――遠い米国の地で、沖縄支援決議が続いています。  訪米取材帰国後から新年スタートの本連載に向け、準備を進めている11月末から年末までのわずか1か月の間に、米国市議会による「沖縄支援決議」に関する報道を2つも目にすることになりました。  まずは、ハワイ州ホノルル市議会。辺野古新基地建設に反対する決議案が審議されるというニュースです。12月15日付の琉球新報によれば、決議案は沖縄県の大きな基地負担に言及し、米国政府に建設計画の検証を求める内容であるとのことです。審...

(3)訪米2日目続編:「遠い」沖縄を、米国からサポートする理由――ベトナム反戦の経験を起点に、米国の軍事主義に内部から反対し続けるため~バークレー市議・平和と正義の委員会との交流会 2016.1.4

 「なぜ、こんな遠いところに、沖縄への支持者がいるかと質問していましたね。私たちは、ベトナム戦争のことを覚えているからです」  バークレー市・下部組織「平和と正義の委員会」委員長であるジョージ・リップマン氏は、島ぐるみ会議訪米団メンバーの学生による疑問に対して、こう答えました。  訪米2日目、サンフランシスコ市議との会談後の午後16時、現地時間11月16日、バークレー市内市民センターにおいて開催された交流会でのことです。  昨年...

(4)訪米3日目:「私たちも怒っている」――従軍慰安婦問題、TPP;米軍基地問題に潜む共通点~サンフランシスコ市記者会見 2016.1.5

 ――1951年、かつて吉田茂がサンフランシスコ講和条約に調印した歴史的場所で、島ぐるみ会議訪米団の記者会見が行われました。  参加した現地市民、日本人記者関係者などおよそ20名を前に、記者会見会場ウォー・メモリアル・ヴェテランズ・ビルデング(War Memorial Veterans Building)において、島ぐるみ会議訪米団全26名が一列に並んで着席しました。  訪米団の背後に掲げられた横断幕には、大浦湾の美しい海に、辺野古基地建設反対と英語で書かれていま...

【前編最終回】(5)訪米3日目後編:「沖縄に今からできることは、私たちが米国から発信すること」~マイク・ホンダ議員補佐官との会談、サンフランシスコ市民との交流会 2016.1.5

▲マイク・ホンダ下院議員の事務所にて、議員補佐官(左端)と。

 「申し訳ありませんが、撮影を許可することはできません。音声もです」  カメラの三脚を用意していたとき、マイク・ホンダ下院議員の補佐官の方に止められました。  今まで、サンフランシスコ市議・バークレー市議との会談では、そのような事態は起こりませんでした。連邦議会議員という規模の違いなのだろうか。ワシントンD.C.での議員との会談もすべて撮影ができないのだろうか。先のことを思いめぐらせながら、機材を片付け、メモだけを手元に残しました。 ...

「密着取材後編:ワシントンD.C.編」

(6)(7) 訪米5日目(前編):黒塗りされた文書;「ジュゴン訴訟」の環境影響調査を公表しない米国防総省~歴史保存諮問委員会、生物多様性センタ―訪問 2015.11.19

2016年 年始特別連載:辺野古基地建設反対「島ぐるみ会議」訪米団完全密着レポート~日本政府を飛び越えて―沖縄がアメリカと始めた直接対話

(8)訪米5日目(後編):アジア太平洋の島々に生まれた人々の共通の課題~米軍基地・性暴力・経済的徴兵・民意の否定~API-Resistance交流会での問い 2015.11.19

2016年 年始特別連載:辺野古基地建設反対「島ぐるみ会議」訪米団完全密着レポート~日本政府を飛び越えて―沖縄がアメリカと始めた直接対話

(9)訪米6日目(前編):宜野湾市長選後の、「オール沖縄」;金秀グループ会長と連合沖縄会長を結んだ想い~違いを乗り越えた結託、その舞台裏で~AFL-CIO(米労組)本部訪問 2015.11.18

 「現職の強みは今回の選挙に限らず見られるもの。私の考えとしては、オール沖縄が高まりこそすれ、鎮まることはないと思っている」――。  応援していた志村候補の敗北を受け、報道陣のマイクを向けられた翁長雄志沖縄県知事は、「オール沖縄」の今後についてこう述べました 2016年1月24日(日)沖縄県宜野湾市の志村恵一郎候補事務所で開票速報を見終わったあと、報道陣の質問に答えての発言です。  辺野古新基地建設をめぐる中央政府と沖縄県の「代理戦争...