ネムツォフ暗殺: 反プーチン偽装作戦!
2015年2月28日土曜日
Stephen Lendman
金曜夜、野党政治家で、プーチンに敵対していたボリス・ネムツォフが、モスクワの中心部で銃撃され、殺害された。
タス通信は彼は“彼を追い越した自動車からの拳銃銃撃4発で射殺された…”と報じた。
彼は人民自由党共同議長で、ヤロスラブリ州地域政党党員で、CIAが資金提供した反共産主義者レフ・ワレサのポーランドのソリダリノスチに範をとった、ソリダリノスチの共同創設者/共同議長だった。
1990年代、ボリス・エリツィンの下で、第一副首相や副首相を含め、彼は様々な政府の地位についた。
ロシアの議会下院と上院議員をつとめた。彼は、ウクライナの危機状態に対する、アメリカの明白な責任を無視していた。彼は、ドンバスを“ウラジーミル・プーチンの戦争”と呼ぶウソをついた。
ワシントンのクーデター前に、彼は“我々はヨーロッパとの統合へ向かうウクライナを支持する…ウクライナを支援することで、我々は自らを支援することになる。”と述べていた。
アレクセイ・ナヴァルニーや、ガルリ・カスパロフ、ウラジーミル・リシコフや、他のプーチン反対派と同様、彼は、緊密な欧米とのつながりがあった。
彼は全米民主主義基金(NED)経由で、国務省から資金を得ていた。世界中で、民主主義に対する戦争を行っている機関だ。
アメリカ権益を推進する機関で、重役会メンバーにはネオコン過激派が揃っている。
2009年、ネムツォフとカスパーロフは、オバマと直接会っている。彼らは対プーチン戦術 - 言い換えれば、政権転覆について議論した。
ネムツォフ暗殺は、戦略的に、時期を選んで実施された - 日曜日のヴェスナー(ロシアの春、反政府)反対抗議行進直前だ。
抗議行動は、いまやネムツォフ追悼集会となり、反プーチン/親欧米の日和見主義者/便利な傀儡を、こじつけで殉教者に置き換えようとしている。
クレムリン報道官ドミトリー・ペスコフは、“この残虐な殺人は、契約殺人のあらゆる特徴を帯びていおり、極めて挑発的だと、プーチン大統領は強調した”と述べた。
“大統領は悲劇的に亡くなったネムツォフ氏の家族に深い追悼の念を表明した。”
連続殺人犯/起訴されていない戦犯オバマ大統領は“残虐な殺人を非難した”。
彼は滑稽にも、ネムツォフは“あらゆる国民に享受する権利がある権利を、同胞、ロシア国民に対しても求めた根気強いロシア擁護者だった”と述べた。
“ロシアにおける腐敗に反対する、ネムツォフ氏の勇気ある戦いへの専念を尊敬し、2009年に、モスクワで会った際に、率直な考え方を進んで共有しようとしてくれたことを嬉しく思っている。”
“ロシア国民…は、最も献身的で、雄弁な権利擁護者の一人を失った。”
ジョン・ケリーも同様な二枚舌の発言をした。ミハイル・ゴルバチョフは彼の暗殺を“ロシアの状況を複雑化させ、政府と反政府派間の緊張を激化させて、ロシアを不安定化させようとさえする企て”といった。
ネムツォフは欧米の資金提供を受けていた、利己的な日和見主義者だった。彼の暗殺は、アメリカが画策した偽装作戦のあらゆる兆候を帯びている。クイボノ(誰が利益を得るのか)が依然重要だ。
あきらかに、プーチンが得るものは皆無だ。ロシアを不安定化することで、アメリカのならずもの連中が得る恩恵は実に大きい。
もし、プーチンがネムツォフに死んで欲しくとも、マフィア風契約殺人を命じるというのは、とうてい考えがたい。“不幸な”飛行機や自動車事故の方が、ずっとありそうだ。
恐らく、オバマがチャベスを殺害し、シャロンがアラファートを殺害したような方法で、賢明に毒殺するだろう。
モスクワ中央部での彼の射殺で、クレムリン関与の可能性は自動的に排除される。
彼の死には、CIAが仕組んだ偽装作戦のあらゆる特徴がある。プーチンの関与を示唆する様な証拠が現れるとは予想できない。
ワシントンにとっては、彼を重要な野党政治家として彼を生かしておくより、ネムツォフの受難の方が遥かに価値がある。
困難な経済状況にもかかわらず、プーチン支持率は、85%を超えている。ネムツォフの党は5%以下だ。彼は人気者だったわけではない。大半のロシア人は彼を嫌っていた。
欧米では、彼の受難宣伝がしっかり活用されるに違いない。ネムツォフ効果を高めるために、更なる政治的暗殺をワシントンは計画しているだろうか?
日曜の行進は反プーチン勢力を集めようとするアメリカの企ての更なる失敗となろう。
ロシア人は馬鹿ではない。彼らはワシントンのやり口を知っている。ワシントンがいかにロシア政府を悪者化するかを。権力を掌握しているネオコン狂人連中はどんなことでもありかねないことを知っている。
ウクライナの危機状況に対する全責任がワシントンにあることを知っている。これを外交的に解決すべく、プーチン大統領は一体どのように本腰を入れるだろう。
オバマは平和ではなく、戦争を望んでいる。彼はロシアを、不安定化し、政権転覆することを望んでいるのだ - もし他の手法でだめなら恐らく核戦争で。
ネムツォフ暗殺では何も変えられない。彼の関与を示唆しても、欧米の反プーチン・プロパガンダは、数日たてば失敗するだろう。
ニューヨーク・タイムズは、ネムツォフ暗殺を“彼の任期中、ロシアにおける最も目立った暗殺”と読んで、事実上、プーチン大統領を非難している。
“彼が率いるはずのウクライナでの戦争に反対する抗議(反プーチン)集会の数日前に”彼の暗殺が起きた。
タイムズは“(ネムツォフ)がロシアで、彼が望んでいると言っていた種類の多元的な政治制度へのドアが今閉じつつある”と愚かにも主張した。
(汚職のかどで)議員身分を剥奪された、反プーチン派の人物ゲンナジー・グトコフは、“彼らは‘人民の敵’を殺しはじめた。ネムツォフ氏は死んだ。次は誰か?”と述べた。
タイムズ紙はネムツォフを“熱血漢のハンサムな若い政治家..ボリス・エリツィンの後継者と称賛されていた”と描いた。
ネオコンのワシントン・ポスト編集者は彼の暗殺を“ロシアのもう一つの暗い兆し”と呼んだ。
連中は、彼は“ロシアは、独裁制から、自由民主主義へと移行できるのだという夢を決してあきらめなかった大胆なロシア人政治家”だったと、あからさまなウソをついた。
連中は、取るに足りない人物を、政治的偶像化しようと努めている。馬鹿馬鹿しくも、彼は“ソ連後時代で、最も不朽の政治家の一人となった。”と主張している
みっともないことに“彼は恥知らずな手法で殺害された初めてのプーチンの敵対者では決してない”とまで述べている。事実上プーチンが殺害を命じたと非難しているのだ。
プーチン大統領は“いかなる野党も許容するつもりはない”と主張している。彼の圧倒的な人気を無視している。プーチン反対派は、わざわざ、自らが見当違いであることを証明してくれたのだ。
ネオコンのウオール・ストリート・ジャーナル編集者は、いつも通りであることが証明された。連中は傍若無人にも、こうのべている。“ギャング国家、つまり、ウラジーミル・プーチンのロシアでは、金曜日夜、モスクワで、一体誰がボリス・ネムツォフを撃ったのか我々が知れることはあり得ない。”
連中は馬鹿馬鹿しくも、“彼が機会さえ与えられていれば、ロシアをまっとうな将来へと向けられていたかも知れない。”と主張している。
“そうではなく、彼は民主主義と人権の勇気ある声となる運命にあり、自らの命をかけて、クレムリンの男と仕事をすることの危険性を無関心な欧米に警告してくれた。”
ジャーナル紙や同類の論説やコメントの類は同じデマ宣伝を次々に繰り返している。無責任なプーチン・バッシングが、真面目な報道や分析に置き換わっている。
ネムツォフ暗殺は、ロシアを不安定化しようとする、ワシントン最新の取り組みだ。昔からの政権転覆戦略の一環だ。
物事は繰り返す。ロシア人は見え透いたアメリカの策略で騙されるほど馬鹿ではない。
ロシア国民の圧倒的プーチン支持は、彼らがワシントン ・ネオコンがロシアに対して狙っていることを、ロシア国民が、きっぱり拒否していることを示している。
スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.
著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。金曜のアメリカ中部時間午前10時と、土曜と日曜の正午に放送されている。いつでも聞けるよう、全ての番組がアーカイブされている。
記事原文のurl:http://sjlendman.blogspot.jp/2015/02/nemtsov-murder-anti-putin-false-flag.html
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Paul Craig Roberts氏も、まだ、ごく短いコメントしか書いておられないが、基本は同じ。
Cui Bono、だれが恩恵をうけるのか。に尽きる。
たまたま、ロシア在住が長かった方と、コーヒーを飲みながらお話したが、衝撃をうけたとおっしゃっていた。どのような意味でかは、聞きそびれた。そのうちに、うかがってみよう。
属国大本営広報部報道は、例によって、この事件に関する読むべき記事は見当たらないように見える。宗主国売女マスコミの焼き直しばかり。もし良い記事を、見落としているのであれば残念。
殺人の話題でも、御国柄にぴったりの矮小テーマ、終日いやというほど報じてくださる。電気白痴製造装置が。
イジメ殺人、「集団的他衛権」から目をそらすのには、格好の話題なのだろう。
内田聖子氏のTPPに付随する深刻な話題のブログ記事をお読みねがいたい。重要なことを隠し、些細なことを大騒ぎして報じる大本営広報部の罪深さ、瞬時にご理解願えよう。
これこそ終日論じるべき話題だろうに。
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コメント
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1 ロシアの大衆紙とされるモスコフスキー・コムソレツ,Московский комсомолец(以下、МK)が3/10、ロシアの刑務所人権監視委員会メンバーがネムツォフ暗殺容疑者3人と面会し、人権を守る観点から事情聴取したことを報道している。
http://www.mk.ru/politics/2015/03/10/zaur-dadaev-rasskazal-v-sizo-o-svoem-zaderzhanii-i-dele-nemcova.html
この記事を引用し、容疑者3人が拷問を受け、自白を強要されたとするニュースが広がっている。【拷問、自白強要】の真偽は?ニュースは(伝染)はどう広がったか?を考えてみたい。
ロシアだから【拷問、自白強要】があってもおかしくないという既成観念が強いせいか、疑問を投げかける書き込みは見られない。プーチンはKGB出身、やっぱりな…である。
ところがМK【記事原文】では、容疑者3人は【拷問で自白を強要された】とは供述していないのである。訳せば簡単に解ることなのに、なぜ、事実と違ったことが流通するのか?マスコミ有志連合が奏功しているのだろうか?
以下、障りの箇所(…は省略部分)の訳。
-------------
①シャギド・グバショフ(兄)
-……если ли у вас жалобы на содержание? -спрашиваем у крепкого молодого парня.
もしかして君は内容について何か不満を持っているのでは?-と私は善良な若い男に訊いた。
-Нет, сейчас все в порядке. Здесь со мной обращаются по-человечески.…
いや、大丈夫だ。ここでは俺を人間らしく扱っている。……
②アンゾル・グバショフ(弟)
-Вас били?
君が打って付けたのか?(※痣について)
-У меня нет жалоб никаких.
俺に何ら不満は無い。
③ザウル・ダダイフ
-В «Лефортово» со мной обращаются по человечески, уважительно.Я им очень это благодарен. Здесь пока я чувствую себя в безопасности.
「レフォルトボ」は俺を人間的に丁寧に扱っている。俺はとても感謝している。ここは安全だと感じている。(※レフォルトボはモスクワ市内の地名、ロシアFSBの拘置所がある)
-----------------
3人ともお世辞なのか、恐怖からなのかわからないが、人間的に扱われていて、不満は無いようだ。これではニュースにならない。はて、どうしたものか?
2 シャギド・グバショフ(兄)は、拘束されてモスクワに飛行機で連行されるまで袋詰めにされ、目隠しされていたと供述。かなり手荒に扱われた様子が窺える。この時、彼を拘束したのはFSB捜査官ではなく麻薬取締官であり、2人の名前を挙げている。薬の売人で、警察のお得意様だった可能性がある。で、なければ政治案件に麻薬取締官が急に登場するわけがない。
この暴力について、記者は「彼らは殴打、拷問を申し立てた。但し、明らかに危険な容疑者達を連行する際の力の行使許容されると考えられていることを想い起こしてください」「権力の違法な方法を引き合いに出して正当化する戦術は犯罪者の間では極めて普通であることもまた注意してください」と記している。
傷や痣は拘束・連行時に生じた可能性がある。でないと、彼らの供述と傷、痣は矛盾する。
【拷問、自白強要】があれば、何らかの形で表現されると思うのだが、3人とも【拷問、自白強要】を訴えていない。後で仕返しが怖いから、口を閉ざすことは十分あり得る。文学作品にまで出てくるロシアの収容所でのこと…信じ難いが取調での暴力を3人とも供述していないのは確かである。
投稿: トム・ジーヤ | 2015年3月14日 (土) 06時18分
20年以上もロシアへ行ったことがない人間には憚れますが、「客観的」に見えるかも知れないという意味で、若干現在のロシアのメディアと反体制派の状況について書きたいと思います。
どうも一般には、プーチン礼賛の翼賛報道のみと見られているかも知れませんが、ネットで見る限り、新聞、ラジオでも確実に反プーチンの報道があります。新聞は社によって旗色鮮明で、プーチン礼賛の「コムソモリスカヤ プラウダ」から反プーチンの「ガゼータ ル」まで多彩です。中でも元々はFMラジオ局の「エコー モスクワ」は、ネット報道にも力を入れており、ここが反体制派の拠点になっています。(ネムツォフも殺された日にこの局でインタビュー番組に出ていました。)一方テレビですが、通常番組での露骨なプーチン批判はまずありません。僕が見るには、これはエリツイン時代の混乱の反省だと思います。何しろロシア人のテレビ好きはかなりのものですから、影響力は絶大です。と言っても、例えば、政治討論番組で全員がプーチン万歳をしているかと言えば、全くそんな事はなく、ウクライナ問題に関しては、討論参加者の半分がモスクワ側、半分がキエフ側という配慮がなされているのが普通であり、キエフ側の参加者は、「ロシア軍がドンバスで住民を殺しまくっている」とがんがん吠えています。(この点、よくロシアの体制派が言うのですが、キエフではロシア擁護の発言の機会がない、ワシントンでも全く出来ない。従ってロシアは民主的だと)
現在のロシア反体制派というのは、その主力がエリツイン政権の中枢に居た人々です。基本は欧米志向の非常に強いインテリです。その度が超すのか、上に挙げた「エコー モスクワ」を見ていても非常に反露的です。ロシアに対する愛を微塵も感じないブログ、コメントの羅列です。(その代わり欧米批判は一切ありません)遅れたロシアをヨーロッパ並みにするという19世紀的な使命感を持つ奇特な連中です。この1年のウクライナでの混乱の深化は、ロシアの人々にソ連崩壊以降の歴史を再考する機会を与えたと思います。週末のニュース番組は、報道ではなく解説番組になっており、この中でアメリカの世界戦略の矛盾を徹底的に批判しています。これは先ず日本、欧米では考えられない良質な解説で構成されており、如何にエリツイン時代、欧米によりロシアの富が政商を通じ吸い上げられたか、を分かり易く説明しています。そこで折角プーチンが安定をもたらしたのに、また不安定化させようとしていると、一般にはそう理解されていると思います。プロパガンダと言えばプロパガンダなのですが、本当のことであればある程、強く広く行き渡るものだと思います。この意味でロシアの反体制派の命脈は尽きているのですが、インテリで弁が立つことと、アメリカからの強力なサポートによりかろうじて存在している感じです。多分、選挙でも議席獲得に必要な5%は獲れないと思います。今回のネムツォフの事件は、クレムリンをバックにした(映像として)有名政治家の劇場型暗殺事件としてセンセーショナルではあるのですが、ロシア政治には何の意味もありません。唯、この1年繰り返されてきた欧米によるロシア叩きの材料にされ迷惑な話だなという感じです。
投稿: 石井 | 2015年3月 2日 (月) 17時34分