番外編・エクアドル、アメリカ軍駐留拒否へ
08/04/06
マスコミは、ひたすら、暫定税率期限切れによるガソリン値下げについて、面白おかしく報道している。
個人的には、そんなことより、朝日 2008/04/04 夕刊2面記事に大きな衝撃を受けた。
「エクアドル アメリカ軍駐留拒否へ」という下記の記事だ。webでも読めた。
どうやら、問題の重要さと、記事面積は反比例するという法則がありそうだ。「小金持ちのイジメラレッコ国」、人口とGNPでこそ上回っても、品格という点では、エクアドルにとうていかないそうもない。
引用開始
エクアドル、米軍の駐留拒否へ 制憲議会が改憲案承認
2008年04月04日12時16分
【サンパウロ=石田博士】エクアドルの制憲議会は1日、外国軍の基地設置や駐留を認めないとする改憲案を承認した。同国では米軍が99年から10年の契約で太平洋岸マンタ基地に駐留しており、09年に期限が切れる。左派のコレア大統領は以前から、米軍の使用権延長を認めない意向を示してきた。今年後半にも予定される国民投票で是非を問うが、大統領の支持率の高さなどからみて承認される可能性が高い。
ロイター通信によると、制憲議会はこの日、国家の主権や領土に関する五つの条項について承認した。
米軍はマンタ基地を隣国コロンビアの左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)鎮圧作戦の拠点として使用してきた。大統領は、米軍の撤退を実現した後、物流の拠点となる国際空港として拡張、整備したいとしている。
引用終了
今や本土でも沖縄同様に、宗主国の兵士による悪質な犯罪が起きている。地位協定の見直し程度で納まるはずは無い。エクアドルに習うしか本当の解決策はあるまいに。
上記記事に関連する情報を探したところ、2007年日本平和大会in沖縄 国際シンポジウム・パネリスト発言が見つかった。
パウリナ・エリザベス・ポンセ・カンド(エクアドル) エクアドル反基地連合(反基地世界ネットワーク構成団体)
エキュメニカル人権委員会(CEDHU)人権監視部門コミュニケーション局長によるものだ。
引用開始
エクアドルにおける米軍の存在は、交代で約300人の兵員が駐留するマンタ基地だけではありません。アメリカ国務省は、「エクアドルは、駐留米軍兵士の数において、地域内でコロンビアについで二番目に大きい国である」としています。エクアドルは、エスメラルダスやオレヤーナなどの県で行なわれているように、軍事訓練の場としても利用されています。
アメリカ大使館は、マンタ基地の存在によって、毎年650万ドルがマンタの地域経済に注入されていると言っていますが、このお金は軍関係者のさまざまな任務の活動費にあてられており、マンタの発展に貢献するものにはなっておらず、何十人もの農民が土地も船もなく、将来を奪われています。
2007年3月、キトとマンタで外国軍事基地撤去国際大会が開かれているそのときに、エクアドルのアメリカ大使館は、メディアを使って麻薬欧州活動の「成果」を強調するキャンペーンを開始しました。アメリカ軍部は、今年は1999年以降最大の成果をあげているとしています。
ラファエル・コレア政権は、米軍の存在はエクアドルにとって利益にならず主権を損なうものであると考えており、2009年11月に期限を迎える協定を更新しないことを表明しています。エクアドルの地に米軍が存在することによって、主権と平和が大きく損なわれているのです。
中略
エクアドル反基地連合は、エクアドルでこの11月に発足する憲法制定議会に向けて憲法草案をつくる特別委員会に、提言をおこないました。提言は、憲法の「基本的主権原則」という項に次のような節を挿入せよというものです。
「エクアドルは平和の領土であり、その主権の行使により、外国軍事基地および外国軍の駐留を認めず、ほかの形態での外国軍の存在を示唆するいかなる協定も結ばない。一方的であれ他の国々との連携によってであれ、他国の紛争に軍事的な関与はしない。」
この提言にはエクアドルの16の地域的・全国的組織が署名しました。憲法制定議会を目前にして、エクアドル反基地連合は、提案している文言が確実にそのまま新憲法にもりこまれるようにするため、世論にはたらきかけるとりくみを強めていかなければなりません。
後略
引用終了
発言は下記で終わっている。
今こそ外国軍事基地撤去を!
マンタにイエス! 基地にノー!
石油価格に一喜一憂するより、マスコミがほとんど報じないうちに、あっけなく通過した「思いやり法案」やら、基地廃絶の為の方策に思いを馳せることのほうが、「人間の品格」ではないかと思うのは、自家用車を持た(て?)ないせいだろうか。
ちなみに、この2007/12/4、パウリナ・ポンセのメッセージ、スペイン語原文、英語訳文は、YMCAエクアドルWebにある。
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