■ 娯楽性を追い求めるのか?結果を追い求めるのか?2014年と2015年にFC東京を率いたフィッカデンティ監督。2014年は12勝10敗10分けで9位、2015年は年間トータルで19勝9敗6分けで4位。2015年は最終節で引き分けに終わったため、あと少しのところまで迫っていたCS進出ならびにACLの出場権獲得を逃した。ACLの方はG大阪が天皇杯を制したことで、後日、棚ボタ式で出場権を獲得できたが優勝のチャンスがあっただけに勿体ないシーズンになった。
フィッカデンティ監督は4位と好成績を残したものFC東京との延長を契約することはなかった。もちろん甲府で実績を積んだ城福監督がフリーの立場でオファーが届くのを待っている状態だったので両者を天秤にかけた上で城福監督を選択したのだと思われるが、就任1年目が9位で、就任2年目は4位。守備を重視した手堅いサッカーで結果を残したフィッカデンティ監督を交代させたことに関しては賛否両論あった。
一説にはフィッカデンティ監督のスタイルが守備的過ぎたことがクラブ側が契約更新のオファーを出すのを躊躇った理由の1つだと言われている。原博美監督がチームを率いていた頃から首都のクラブであるFC東京の悩みどころになっているが、「東京という娯楽がたくさんある街のクラブなので勝つだけではサポーターを集めることができない。魅力的なフットボールを見せる必要がある。」という考え方も一理ある。
その一方で「娯楽がたくさんある街のクラブだからこそ勝たないとサポーターを集めることができない。」という考え方も間違いではない。実際に2位になった昨シーズンの1stステージの平均観客動員数は31,068人。2014年の年間平均を6,000人ほど上回っている。魅力的なフットボールを追求すべきなのか、勝利を何よりも追及すべきなのか、首都・東京という特別な環境で活動するFC東京にとっては永遠の悩みである。
■ 昇格1年目ながら結果と内容を両立させているレノファ山口J1やJ2の残留争いに巻き込まれたときは「とにかく結果」が大事であり、「内容にこだわる。」といった悠長なことは言えなくなるが、Jリーグの全てのクラブが娯楽性を追い求めることをやめてしまったらリーグは盛り上がらなくなる。「娯楽性を追及しつつ、結果も出せている。」というクラブはどのカテゴリーであれ、非常に貴重な存在と言えるが、今シーズンで言うとJ2に昇格して1年目となるレノファ山口が目立つ。
開幕当初は思うようなサッカーが出来ずに「J2の壁」にぶつかったがボランチのポジションにテクニシャンのMF三幸を起用するようになってから快進撃がスタートした。13節に行われたアウェイのセレッソ大阪戦は4対2で逆転勝利。山口の攻撃的な良さがフルに発揮された試合となった。しっかりとパスをつないで最終局面までパスとコンビネーションで崩そうとするチームはJ2では山口だけ。異色の存在と言える。
J1では初優勝の大きなチャンスを迎えている川崎フロンターレが娯楽性という点でも目立つ。2012年の序盤に風間監督が就任してからは最終ラインから丁寧にボールを回してチャンスをうかがう攻撃的なサッカーを披露しているがアタッカーのポジションにはFW大久保、MF中村憲、MF小林悠というビッグタレントを擁している。「個の力」でゴールを奪うこともできるし、チームで崩してゴールを奪うこともできる。
他には浦和レッズとサンフレッチェ広島も娯楽性の高いサッカーを披露するチームである。どちらもベースを築いたのはペトロヴィッチ監督なので幹の部分はよく似ているが、そうは言っても細部のところは微妙に異なる。広島はMFミキッチとMF柏の両サイドが強烈なのでサイドから抉る攻撃が大きな武器となるが、浦和は左ストッパーのDF槙野の攻撃参加がアクセントになっており、最終ラインの攻撃参加も魅力となる。
■ J3で娯楽性を追い求めるFC琉球とグルージャ盛岡16チームで戦っているJ3はブラウブリッツ秋田が10試合を終えた時点で5勝5分け。無敗で首位を走っているが「娯楽性」という点で注目を集めているクラブが2つある。1つ目はFC琉球。2014年と2015年はともに9位。昨オフは選手の入れ替えが激しかったので苦戦が予想されていたがここまで5勝2敗3分け。首位の秋田、2位のSC相模原に次ぐ3位と誰も予想できなかった快進撃を見せてJ3を盛り上げている。
今年の1月に行われたニューイヤーカップ(@沖縄ラウンド)のときにFC東京と東京Vと札幌を相手にいい内容のサッカーを見せたことで大きな注目を集めたが選手全員が良い距離間でプレーしてダイレクトのパスがキレイにつながっていく。正直なところ、普通のサッカーファンに名前を知られている選手は1人もいない。「全くの無名」とも言える選手たちだけこれほどのサッカーができるというのは大きな驚きである。
もう1つはグルージャ盛岡である。長らく、明治大の監督を務めていた大学サッカー界の名将の神川監督を招聘したことがオフの最大の話題だったが同様に前評判は低かった。10節終了時点では1勝6敗3分けで15位。12得点/18失点なので前評判通りで苦戦しているのは確かであるが、盛岡の試合を観た多くの人は結構な衝撃を受けており、「最も面白いサッカーをしているJ3クラブの1つ」に盛岡を挙げる人は多い。
今シーズン、盛岡の試合はまだスカパーで放送されていないのでハイライト映像を観た上での印象となるがFC琉球と同じようにリズミカルにパスが回る。FC琉球と比べると名前の知られている選手は何人かいるが、それでもJ1やJ2で実績を残している選手は数えるほど。選手のネームバリュー的にはJ3の中でも真ん中以下ながら大きなインパクトを残している。結果にもつながるようだとさらに評価は高まるだろう。
Jリーグの53クラブの中で「面白いサッカーをしているチーム」というと・・・。 ・レノファ山口
・川崎フロンターレ
・浦和レッズ
・サンフレッチェ広島
・FC琉球
・グルージャ盛岡
・???
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