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【J1】 2013年のベストプレーヤーを考える。 (ボランチ編)ボランチ → ボランチの上位候補と言えるのは、MF青山敏(広島)、MF森崎和(広島)、MF中町(横浜FM)、MF富澤(横浜FM)、MF山本真(川崎F)、MF山口螢(C大阪)、MFレオ・シルバ(新潟)といったところで、MF阿部(浦和)、MF青木拓(大宮)、MF小笠原(鹿島)、MF大谷(柏)、MF扇原(C大阪)、MF米本(FC東京)、MF富田(仙台)、MF鈴木啓(浦和)なども控えている。したがって、非常に層の厚いポジションと言える。
多彩な顔ぶれの中からランキングを選定するのは難しい。100人いれば100通りの答えが出てくると思うが、ここでは、1位はMF青山敏(広島)、2位はMFレオ・シルバ(新潟)、3位はMF中町(横浜FM)を選択する。日本代表のボランチ候補の1人であるMF青山敏は、一本のパスで決定機を演出できるのが魅力で、ボランチの位置からこれだけゴールに直結するパスが出せる選手というのはなかなかいない。
2位のMFレオ・シルバ(新潟)は、ボールを奪い取る能力はJ1の中ではトップクラスで、運動量が多くて、ゴール前に出ていく力もある。「取れそう。」だと思った時には確実にボールを奪い取ることができる選手で、新潟の躍進の原動力の1人となった。ボランチは日本人選手のレベルが高いので、外国人選手をあまり必要としていないチームが多いが、Jリーグに久々にやって来たスーパーボランチと言える。
3位のMF中町は気の利いたプレーが光った。トップ下のMF中村俊があれだけ自由に、そして、気持ちよくプレーできたのは、近くにMF中町がいたからで、欲しがっているタイミングを見逃さずに的確なパスを供給し続けた。福岡時代はもっとゴール前に出ていくプレーが多かったが、横浜FMでは押さえ気味である。チームに求められていることをパーフェクトに理解するインテリジェンスの高さが際立っている。
1位から3位までは、比較的、簡単に決めることができるが、4位以下は難しい。MF森崎和(広島)、MF富澤(横浜FM)、MF山本真(川崎F)、MF山口螢(C大阪)あたりが4位あるいは5位の有力候補で、MF阿部(浦和)、MF米本(FC東京)も候補と言えるが、ここでは、4位はMF山口螢(C大阪)、5位はMF山本真(川崎F)を選択する。もちろん、他の選手を選ぶ人がいても全くおかしくないほど僅差である。
MF山口螢は前半戦は2列目(サイドハーフ)でプレーすることが多くて、後半戦はボランチがメインポジションとなった。おそらく、「サイドハーフでプレーした時間」と「ボランチでプレーした時間」は同じくらいか、ちょっとボランチの方が多いという割合だったと思うが、日本代表にも定着して、Jリーグのベストイレブンにも選出されて、チームメイトのFW柿谷とともに大飛躍のシーズンとなった。
最大の魅力は何と言っても最後まで全く落ちない運動量で、さらには、「日本人のMFの中ではトップレベル」と言えるスピードもある。そして、基本的な技術もしっかりしていて、キックの精度も安定していて、展開力もある。得点力も上がってきているので、弱点らしい弱点というのは見当たらない。日本代表でもボランチのレギュラーを狙えるところまで評価を高めている。
5位のMF山本真は4節の甲府戦(H)からスタメンで起用されるようになったが、彼がボランチに定着してからチームは落ち着いた。清水ユースのときから将来性を高く評価されており、2007年のU-20W杯に出場した「カナダ世代」の中では、早くから注目されていた選手の1人である。当時は、このチームの中核になることが期待されたが、今シーズンがキャリア最高のシーズンとなった。
ということで1位から5位までは、以上のような選手となったが、MF山口螢(C大阪)だけでなく、MF扇原(C大阪)、MF米本(FC東京)、MF青木拓(大宮)など、今シーズンは「ロンドン世代のボランチが存在感を発揮したシーズン」だったと言える。期待されたMF柴崎(鹿島)は、特に後半戦は今一つで停滞してしまったが、「ボランチが弱点」と言われたロンドン世代もボランチの層が厚くなってきた。
東アジアカップで日本代表に初選出されたMF扇原は着実に成長していることを印象付けるシーズンとなった。MF扇原というと、とにかく波の激しい選手で、昨年までは、一旦下り坂に入ると良くない試合が何試合も続くことが多かった。安定感の無さが課題になっていたが、今シーズンは大きな落ち込みはなかった。サイズを生かした守備だけでなく、攻撃でも7アシストを記録。FW柿谷とホットラインを築いた。
2度の大怪我を乗り越えたMF米本は完全復活を果たした。2010年は7試合、2011年は1試合の出場にとどまったが、2012年は27試合に出場した。ただ、このシーズンは「怪我の後遺症」を感じさせるプレーも目立ったが、今シーズンはそういうところは全く感じられなかった。プロ1年目の2009年に鮮烈なデビューを飾ったが、このときと比較しても、あらゆる部分で成長している。
一方のMF青木拓は、シーズン前半戦はリーグMVP級の働きを見せたが、チームとともに後半戦は大失速した。尻すぼみのシーズンとなったが、チームの調子が良かった前半戦はつなぎや守備だけでなく、得点力でもチームに貢献した。最終的には28試合で4ゴールだったが、「点の獲れるボランチ」というのは非常に価値が高いので、来シーズン以降のさらなる成長が期待される。
ということで、当サイトの管理人が選ぶ2013年のJ1のポジション別ベストプレーヤーのボランチ部門は以下のとおりとする。次回は攻撃的MF編。
1位: 青山敏弘 (サンフレッチェ広島)
2位: レオ・シルバ (アルビレックス新潟)
3位: 中町公祐 (横浜Fマリノス)
4位: 山口螢 (セレッソ大阪)
5位: 山本真希 (川崎フロンターレ)
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