■ 2位のハーツ相手に劇的な逆転勝利2位のハーツとの勝ち点差は「10」開いているが、首位攻防には変わりない。中村俊輔は、この試合も、右の攻撃的MFで先発出場した。
セルティックは、前半からなかなかリズムがつかめずに苦戦。中村俊輔が、前を向いてボールを持つシーンはほとんどなく、決定機を作れない。後半に入ると、ボランチのレノンとスノーのミスが目立ち始め、カウンターでハーツに脅かされるシーンが出てくる。後半28分に、中盤のパスミスから失点を喫する。
セルティックは、ヘッセリンク・ヤロシク・マローニを投入し、同点を狙いにかかると、後半41分に中村の左コーナーキックから、ヤロシクがダイビングヘッドで押し込んで同点に追い付く。さらに、ロスタイムにも、同じく左コーナーキックからカルドウェルがシュートし、そのこぼれ球を、マクマナスがシュート。1度はキーパーに阻止されたかのように見えたが、ハーツのキーパーのゴードンがキャッチミス。結果的に、ゴードンのオウンゴールとなって、セルティックがロスタイムに勝ち越しのゴール。2対1の劇的すぎる展開でセルティックが勝利した。
■ 脅威の左足ちょうど、年始めのハーツ戦と同様の展開で、試合終了間際に追いついたセルティックが、その流れに乗って逆転勝利をおさめた。そして、これまたそのときと同様に、2点とも中村俊輔のセットプレーが起点になった。同点に追いついた後のフリーキックの場面では、あわやゴールという、ポストを叩くシュートを放つなど、この試合でも中村俊輔のキックは脅威になっていた。
ただ、チーム状態は、キルマーノック戦、ベンフィカ戦に続いて、良くなかった。ボランチの位置でミスが多く、中村俊輔にボールが集まらない。2トップの一角の、ミラーは及第点のプレーを見せたが、ズラウスキはこの日も低調なプレーに終始した、ここ最近の、ズラウスキの元気のなさは気になるところだ。
■ ヘッセリンクが復帰それでも、この試合からヘッセリンクが復帰。191cmのターゲットマンは、ピッチ上にいるだけで攻撃に厚みを加える頼もしい存在。グラベセンの復帰も間近で、チームが一時の勢いを失いかけているだけに、待望の怪我人組が帰ってきて、ようやくベストメンバーが揃いそうだ。大一番のマンチェスター・ユナイテッド戦に向けて、明るい話題といえそうだ。
■ 洗練されたハーツのサッカー会長と選手との間で揉め事が起こっているというハーツだが、グラウンド上で繰り広げるサッカーは、そんなことは微塵も感じさせないほど洗練されている。これまでの試合を見る限り、セルティックとの実力の差はほとんどない。鋭いカウンターアタックは、見事の一言。
ただ、この敗戦で、セルティックとの勝ち点差は「13」。今後、セルティックが格下相手に取りこぼすことは考えづらい。CL圏内となる2位以内が現実的な目標になってきた。
■ ターニングポイントになりそうな試合セルティックとしては、リーグ戦だけを考えると、この試合に敗れていてもそれほどのダメージは無かったと思うが、CLで嫌な負け方をしていた後だったので、流れを変える意味でも重要な試合だった。もし、あのまま0対1で敗戦していれば嫌なムードになるところだったが、終わってみれば、逆に、今後にはずみがつくような試合となった。今シーズンのターンニングポイントとなりそうな逆転勝利だった。
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