■ アルゼンチン代表が登場アルゼンチンが強豪国のひとつであることは疑いようも事実。だが、マラドーナをリアルタイムで体感していない世代としては、W杯でのアルゼンチン代表には、それほどのインパクトはもっていなかった。
自国開催の1978年と、マラドーナがいた時代はいい成績をおさめたけど、それ以外では・・・、という印象もあった。
初戦でコートジボワールに勝利したアルゼンチン代表は、第2戦でセルビア・モンテネグロと対戦した。
■ いきなり先制前半5分にいきなり、アルゼンチンが先制する。左サイドでボールを受けたFWサビオラが、ゴール前のスペースに絶妙のパスを送ると、MFマクシ・ロドリゲスがゴール。サイドに開いたサビオラのプレーが光った。
なんとしても勝利が欲しいSGCだが、アルゼンチンの激しいプレッシャーの前に、全く攻撃の形が作れない。前半31分には、FWサビオラ→MFリケルメ→FWサビオラ→MFカンビアッソ→FWクレスポ→MFカンビアッソと鮮やかにつながれて、追加点のゴールを奪われる。
ショートパスがダイレクトで5本6本とつながった、「まさにアルゼンチン」という見事なパスワークだった。前半42分にも、サビオラのシュートのこぼれ球を、マクシが押し込んで3点目。これで、勝負あり。
■ 変幻自在のサビオラ前半の3得点全てに絡んだFWサビオラ。メッシの台頭でバルセロナを追われた身だが、今大会のアルゼンチン代表のキーマンになっている。運動量が豊富でサイドに流れて基点を作ったり、中盤に下がってボールを受けたり、自在の動きでSCGのディフェンスを翻弄。
サビオラという選手は、意外とゴール前での決定力を欠く部分があるので、バルセロナ時代のように完全なストライカーの一角として起用されるよりも、この日の役割のように、点も取れるチャンスメーカーとして起用されるのがベターだと思う。この辺りの選手の使い方に、ペケルマンは間違いがない。
後半にも、アルゼンチンは、FWクレスポ、FWテベス、FWメッシがゴールを挙げて、結局6対0で勝利した。SCGは、歴史的な完敗で、グループリーグ敗退となった。
■ またしても大敗・・・まず、敗れたSCGから。EURO2000で、開催国のオランダに1対6と大敗してから、よくチームを立て直して、今回のワールドカップ出場に至ったわけだが、またしても、大舞台で大敗を喫してしまった。
1990年大会で、互角以上の試合を演じた同じアルゼンチン相手だったが、力の差は歴然だった。もともと、守りきって勝つというメンタリティのない国に、守備的な戦術を与えた監督の、ミスマッチが招いた結果だったのだろう。
■ マルチプレーヤーの存在一方のアルゼンチンは、チーム全体の、フレキシブル性が半端ではない。DFソリンやDFエインセ、MFカンビアッソといったマルチなプレーヤーが、ポジションチェンジから生まれる、チームの穴を的確に判断して、カバーできている。
当然中心は、MFリケルメだが、今のアルゼンチン代表は、リケルメに頼るだけのチームではなくなった。20年ぶりの優勝が現実味をおびてきた。期待は高まる。
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