いろいろと因縁のあるドイツとポーランドの対戦。ドイツは、エースバラックが怪我から復帰して、トップ下に入る。ポーランドは、ズラウスキとスモラレクの2トップ。
試合開始直後から、ドイツがボールを支配。やはりバラックのいるドイツは、一味違う。決して本調子ではないが、バラックの展開力は群を抜く。しかしながら、この日のドイツ代表で最も光ったのが、左サイドバックのラーム。今までは、平凡なサイドバックの選手というイメージしかなかったが、精度の高いクロスを連発。右サイドバックのフリードリッヒが守備的なので左肩上がりだがバランスも良く、ラームの攻撃力はドイツ代表の大きな武器になっている。
それでも、この試合でラームよりも、もっと輝いた選手がポーランド代表のボルツ。セルティック所属のゴールキーパーは、ドイツ代表の決定的なシュートをことごとくストップした。ポーランドには、世界的なゴールキーパーが何人もいるが、やはりボルツの安定感は素晴らしい。あまり活躍されると、セルティックからビッグクラブに引き抜かれないかが心配になる。
クローゼやポドルスキが決定力を欠き、ドローの雰囲気も流れ始めた、後半ロスタイム、ドイツ代表は、右のシュナイダーからの縦パスを受けたオドンコールがグラウンダーのクロスを送ると、つめていたノイビルがゴール。前回大会のパラグアイ戦を思い起こさせる展開で、ドイツが貴重な勝ち点3を獲得した。
ボルツ神の活躍で、いやな雰囲気のなか、決定的な仕事をしたのは途中出場のオドンコールだった。おそらく、スタメンで使ってもたいした仕事は出来ないと思うが、途中出場だと流れを変えられる、ジョーカー的な存在となる。これからも、苦しい試合が続くと思われるが、オドンコールの存在はトーナメントを勝ち進む上で貴重だ。
グループリーグで苦戦するかも、と思われていたドイツ代表だったが、あっさりと決勝トーナメントに進出した。バラックにほとんど負担がかかっていない中で勝ち進めたのは大きい。
ポーランドはこれで2連敗となったが、持てる力を全て出し尽くした戦士達に、冷たい言葉を浴びせるサポーターは誰一人いないだろう。
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