■ フォワード最後はフォワード。1トップ、2トップ、3トップとあって、最近は、両サイドのウイングを置く3トップが流行しており、J1で首位の名古屋グランパスや、前半戦首位の清水エスパルスも3トップだった。
フォワード → 得点王を走るのがオーストラリア代表として南アフリカ大会にも出場した名古屋グランパスのFWジョシュア・ケネディ。194㎝の圧倒的な高さを武器に27試合で16ゴール。ポストプレーや運動量では全員のFWヨンセンに劣るが、単純な高さ勝負で相手を圧倒する。名古屋は2009年の開幕前にFWダヴィを獲得したが、シーズン途中で中東に移籍。その後釜としてFWケネディをゲットできたことが、今シーズン、優勝に突き進んでいる要因の1つである。
同じく名古屋のフォワードではFW玉田圭司を忘れるわけにはいかない。南アフリカ大会では途中出場が2試合と不本意な起用に終わったが、リーグ戦で爆発。24節の清水戦ではハットトリックを記録するなど、25試合で11ゴール。チャンスメーカーとしても機能しており、充実したシーズンを送っている。
W杯組では、清水のFW岡崎慎司も好調。ここまで27試合で13ゴールとリーグ5位タイ。W杯後はよりシュートへの意識が高まって、1人で持ち込んで決めるゴールも増えてきた。チームメイトのFW藤本淳吾も11ゴール。3年ぶりに日本代表にも復帰した。ポジションが攻撃的MFから右ウイングになって、右サイドから切れ込んで左足でシュートを放つパターンが確立された。
ナビスコカップで2ゴール2アシスト。MVPを獲得したジュビロ磐田のFW前田遼一は名実ともに日本№1ストライカーとなった。先日の韓国での代表戦ではスタメン出場を果たし、日本代表でもポジションを確保しそうな勢いである。万能型でどんな形でもゴールを陥れることの出来るストライカーであり、相棒のFWイ・グノをシーズン途中に失ったが、29試合で14ゴールとリーグ3位タイと素晴らしい結果を残している。
同じく14ゴールを挙げて日本人トップなのがガンバ大阪のFW平井将生。昨シーズンまでは怪我が多くて4年間で9試合に出場したのみと振るわなかったが、今シーズンは26試合で14ゴールと大ブレーク。ゴール以外の仕事が少ないという批判もあるが、決定的な場面で落ち着いてシュートを放ってネットを揺らすことができる。フルに出場しているわけではない中での14ゴールは価値がある。
リーグ2位は浦和レッズのFWエジミウソン。かつてのFWエメルソン、FWワシントンほどのインパクトがないため、過小評価されているが、ここ毎シーズン15ゴール程度を記録していて、安定感は抜群である。ポストプレーも下手ではなく、運動量も少なくはない。
FW前田と同様に南アフリカ大会の代表入りを期待されながらも落選したサンフレッチェ広島のFW佐藤寿人も10ゴールをマーク。シーズン途中に怪我をして7試合を欠場したが、今年も二桁ゴールをマークした。ここ数シーズン、日本人ストライカーの中では、FW前田とFW佐藤寿の安定感が際立つ。
今シーズン限りでの退団も噂されている鹿島アントラーズのFWマルキーニョスは24試合で11ゴール。MVPを獲得した2008年ほどの活躍ではないが、相変わらずの精力的な動きで前線を活性化し、スキがあれば距離があるところからでもシュートを狙ってくる。
怪我のため最初の13試合を欠場し、今シーズンはわずかに15試合しか出場していない川崎フロンターレのFWジュニーニョであるが、ここまで12ゴールを挙げていて、リーグ7位。33歳となって怪我は増えてきたが、爆発的なスピードに衰えは感じない。15試合で12ゴールをいう数字は抜きんでている。
4位と躍進しているセレッソ大阪からはFWアドリアーノをノミネート。怪我や出場停止のため23試合の出場にとどまっているが9ゴールを記録。器用さは無いが、圧倒的なフィジカルとスピードで相手をきりきり舞いさせる。単純なパワーではJ1のストライカーの中でもトップクラスで、独力でゴールを生み出すことの出来る数少ない選手である。
チャンスメーカータイプでは、大宮のFWラファエルのプレーも際立っていた。開幕戦の怪我で2節から9節までを欠場し、19試合で7ゴールとゴール数は多くないが、圧倒的なテクニックで大宮の攻撃を司る。FWフランサがいなくなった今、もっとも魅力的なプレーをするJリーガーの一人である。
最後は降格が決定している湘南ベルマーレのFW阿部吉朗。チームは厳しい結果に終わったが、FW阿部は好調で9ゴールを記録している。2009年シーズンのJ1昇格にも貢献したが、必ずしもレギュラーという訳ではなかったが、今シーズンは怪我人や期待外れのフォワードが多い苦しい中で、チームの得点源となった。最後まであきらめないプレースタイルで、試合終盤のゴールが多かった。
ということで13人のフォワードの名前を挙げたが、ベストプレーヤーに挙げたいのは、首位の名古屋のFWケネディ。3トップシステムを採用している名古屋にとって、FWケネディのいる・いないは大きく、チームの軸の一人となった。
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