■ Jリーグがいよいよ開幕2024年のJリーグがいよいよ開幕した。2023年のJ2を制覇して「初のJ1昇格」を果たした町田ゼルビアはホームの町田GIONスタジアムでガンバ大阪と対戦した。町田にとっては記念すべきJ1でのデビュー戦になる。ポヤトス監督になって2年目のシーズンとなるG大阪はオフにDF中谷進(名古屋)を獲得するなど大型補強を敢行した。下から3番目となる16位に終わった2023年からの巻き返しを図るシーズンになる。
ホームの町田は「4-2-2-2」。GK谷。DF鈴木準、ドレシェヴィッチ、チャン・ミンギュ、林幸多郎。MF柴戸、仙頭、バスケス・バイロン、平河悠。FWオ・セフン、ナ・サンホ。こちらもオフの移籍市場で大型補強を敢行したが実に7名の新戦力が先発で起用された。ベルギー2部のFCVデンデルEHからの移籍となるGK谷は対戦相手のG大阪が保有権を持っているが出場可能。いきなりレンタル元との対戦になった。
アウェイのG大阪は「4-2-3-1」。GK一森。DF半田、中谷進、三浦弦、黒川。MFダワン、鈴木徳、岸本、山田康、ファン・アラーノ。FW坂本一。横浜FMからレンタルバックのGK一森がスタメン出場。GK東口が離脱していることもあって2007年生まれのGKステイマン・J・草太郎がベンチ入りを果たした。キャプテンのFW宇佐美はベンチスタート。岡山からレンタルバックのFW坂本一が1トップの位置で起用された。
■ 白熱した試合は1対1のドロー試合は立ち上がりからホームの町田が攻め込む展開になった。ロングボールを積極的に使ってG大阪を押し込んだ。前半1分にいきなりMF仙頭に決定機が訪れるなど何度もゴールに迫った。前半12分にハーフウェイライン付近でボールを奪ってカウンター。左サイドに流れたFWナ・サンホが左足でクロスを入れるとこれがDF中谷進の手に当たってハンド。DF鈴木準がPKを決めて町田が先制に成功する。
町田にとってはJ1での初ゴールとなった。ただ、前半23分にアクシデントが発生。FWナ・サンホが怪我をしてプレー続行不可。代わって五輪代表候補のFW藤尾が投入された。前半は1対0で折り返した。後半も町田が攻め込む時間が長かったが後半15分にボランチのMF仙頭がやや不用意なプレーで2枚目のイエローカードを受けて退場。1点リードの町田は10人になった。この退場で試合の流れは大きく変わった。
その後は数的優位のG大阪がボールを保持する展開になった。途中出場したMF松田陸などが効果的に攻撃に絡んで厚みのある攻撃を見せると後半39分にMF山田康がバイタルエリアで倒されて絶好の位置でFKを獲得する。これを途中出場したFW宇佐美が右足で鮮やかに決めてG大阪が1対1の同点に追いついた。その後の決定機はGK谷がビッグセーブで防いだ。激闘となった開幕戦は引き分けに終わった。
■ 悔やまれるMF仙頭のレッドカード13,506人という大観衆で埋まったがこれは町田GIONスタジアムで行われた町田のホーム戦としては過去最多。いい雰囲気の中で試合は行われたが町田にとっては悔やまれるドローと言える。立ち上がりから圧力をかけて先制ゴールを奪うことに成功。2点目を取れそうなシーンもたくさんあった。特に前半はほとんどG大阪にチャンスを作らせなかったが後半15分のMF仙頭のレッドカードは痛恨だった。
中盤での攻防でMF鈴木徳にチャージしたときに足が上がっていてやや危険なプレーになった。「すでに1枚イエローカードを受けていること」ならびに「危険なエリアでの攻防では全くなかったこと」を考えるとかなり不用意なプレーだった。さすがに数的不利になると町田も苦しくなる。その後はほとんどボールを保持できずに防戦一方になった。勝てた試合だったので勝ち点「1」止まりというのは不満足と言える。
前半にMF仙頭がイエローカードを受けていたことを考えると早い段階で下げる手もあった。極めて勿体ない退場だったが名門クラブであるG大阪を相手に11対11のときは押し込むことが出来た。これは大きな自信になるだろう。2023年はFWエリキとFWミッチェル・デュークの2トップになることが多かったが清水から194cmのFWオ・セフンをレンタル移籍で獲得。FWオ・セフンは最初の試合から持ち味を発揮した。
FWオ・セフンは高くて強いのでロングボールを多用する町田のサッカーで生きる可能性は高い。FWエリキは長期離脱しているがFWナ・サンホ、FW藤尾、FWミッチェル・デュークもいるので層は厚い。キーになるのは選手起用だろう。これだけ層が厚いと大半の選手は満足なプレー時間を得ることは出来ない。高校生であれば我慢をするしかないが容易に移籍の道を選択できるプロ選手の場合、話は変わってくる。
■ 千両役者のFW宇佐美貴史G大阪は難しい展開になったが何とか数的優位を生かして勝ち点「1」を獲得した。2点目を奪われても全くおかしくない時間帯が長く続いたことを考えるとドローという結果は決して悪くない。横浜FMから戻って来たGK一森が先発で起用されたがほぼミスをすることなく攻守に安定したプレーを見せた。守備範囲の非常に広いキーパーなので最終ラインにかかる負担は軽減されるだろう。大きな復帰と言える。
チームを救ったのは途中出場したFW宇佐美だった。ポヤトス監督になって1年目の昨シーズンは29試合で5ゴール1アシスト。チームが16位と低迷したこともあって批判の対象になった。かなり不本意なシーズンになったが開幕戦から活躍した。昨シーズンも開幕の柏戦(A)でゴールを決めているので2年連続の開幕ゴールとなったが今シーズンはこのままの勢いで突っ走りたい。当面はCFの位置が基本になると思われる。
中学生の頃から大きな期待と注目を集めるスター選手だったFW宇佐美も気が付くと31歳になった。ベテランと言われる年齢に差し掛かっており、DF夛田やMF三上など現役引退を決断する同世代の選手も出始めている。G大阪にとって2024年は極めて重要な1年になるがFW宇佐美にとっても重要な1年になる。ここ数年は期待に応える成績を残せていないがこういう場面で同点のFKを決めるところはさすがである。
G大阪も新戦力がたくさん起用されたが右SHのMF岸本はミスが目立った。ボールを失う回数が非常に多かった。一方、ボランチのMF鈴木徳は安定したボールを回しを見せて起点になった。トップ下のMF山田康は後半の途中までほとんど目立たなかったがその後は躍動。何度もチャンスに絡んだ。途中出場したMF松田陸は最初は本来のポジションではない右SHでプレーしたが存在感を発揮。攻撃の起点になった。
※ 投稿日:2024年1月29日(月) (総再生数:19,121回)
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