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【U-17W杯：日本×セネガル】和製・ロマーリオ。またもFW高岡伶颯(日章学園高)が2ゴールでGL突破！ | | |　

■　U-17W杯のGLの3戦目

インドネシアで開催されているU-17W杯のGLの3戦目。初戦はポーランドに1対0で勝利した日本だったが2戦目はアルゼンチンと対戦して1対3で敗れた。ここまで1勝1敗。GL突破を賭けてアフリカ王者のセネガルと対戦した。セネガルは2連勝。早々にGL突破を決めている。GLで3位になった場合も決勝Tに進出できる可能性はあるが他グループの結果から日本は「引き分けでもGL突破が確定する状況」になっている。

日本は「4-2-2-2」。GK後藤亘(FC東京U-18)。DF柴田翔太郎(川崎U-18)、本多康太郎(湘南U-18)、土屋櫂大(川崎U-18)、小杉啓太(湘南U-18)。MF矢田龍之介(清水ユース)、中島洋太朗(広島ユース)、佐藤龍之介(FC東京U-18)、吉永夢希(神村学園高)。FW徳田誉(鹿島ユース)、井上愛簾(広島ユース)という11人。体調不良で初戦はベンチスタートだったMF佐藤龍之介は2試合連続スタメンとなった。

ベンチスタートになったのはGK上林大誠(山形ユース)、GKピサノ・アレクサンドレ幸冬堀尾(名古屋U-18)、DF松本遥翔(鹿島ユース)、DF布施克真(日大藤沢高)、MF山本丈偉(東京Vユース)、MF永野修都(FC東京U-18)、MF川村楽人(東京Vユース)、MF名和田我空(神村学園高)、FW道脇豊(熊本)、FW高岡伶颯(日章学園高)の10名。高校2年生のFW高岡伶はここまで2戦連発。日本の全得点を1人で記録している。

■　2対0で勝利してGL突破が確定！

2連勝のセネガルは2試合で計6ゴールと攻撃陣が好調。引き分けでも首位通過となる。1勝1敗の日本も引き分けでもOK。静かな展開になるかに思えたがセネガルが攻め込む展開になった。個人技からチャンスを作ったが前半のうちにセネガルの選手2人が負傷交代するアクシデントが発生する。キーパーのGKデューフも怪我で交代するなど想定外のアクシデントが発生した。前半は0対0で折り返した。

迎えた後半もセネガルが優勢だったが日本はキーパーのGK後藤亘を中心に何とか耐えて0対0のスコアを維持した。後半10分にMF矢田龍之介とFW徳田を下げてMF山本丈とFW高岡伶を投入。U-17アジア杯の時から切り札になっているFW高岡伶を投入すると後半17分に右サイドを崩して右SBのDF柴田翔がクロス。165cmのFW高岡伶がヘディングで合わせて日本が先制に成功する。FW高岡伶は3戦連発となった。

さらに後半27分には相手のキーパーへのバックパスに対してFW高岡伶がプレスをかけると相手の隙をついてボールを奪取。無人のゴールに流し込んで試合を決める2点目を奪った。2対0で勝利した日本は2勝1敗。GL突破を決めた。「死のグループ」と呼ばれたD組はアルゼンチンとセネガルと日本がともに2勝1敗で並んだがアルゼンチンが首位通過、セネガルが2位、日本は3位でGL突破を果たした。

■　途中出場のFW高岡伶颯が2ゴールの大活躍！

3大会連続でベスト16入りを果たした日本はラウンド16でスペインと対戦することになった。セネガルに対して3点差以上で勝利出来たら2位通過となったがその場合はアメリカ or フランス。フランスの可能性が高いことを踏まえると「2位通過でも3位通過でもあまり変わらなかった。」と言える。当然のことながら、スペインは「優勝候補の一角」に挙げられているので難しい試合になる可能性は高いがチャンスはある。

5月に行われたU-20W杯はGL敗退だったのでU-17W杯は結果を残さないといけない大会だった。最低限の目標であるGL突破を果たせたのは良かったが、しかも、アルゼンチン・ポーランド・セネガル・日本という「死のグループ」に入ったことを考えるとベスト16入りは評価できる。3位通過とは言っても「2勝してのGL突破」は十分な結果と言える。過去最高はベスト8。スペインを倒して過去最高に並びたい。

表のヒーローは文句なしでFW高岡伶になる。この日も途中出場だったが2ゴールの活躍。スーパーサブ的な起用法になっているが神がかり的な活躍を見せている。165cmなのでサイズには恵まれていないがスピードがあってギラギラした選手である。決定力も高くて勝負強さも併せ持っている。若い頃はスピードスターとして活躍した元・日本代表のFW播戸によく似ている。試合の流れを変えられる選手である。

1点目はヘディングシュートだった。セネガルの選手は長身揃い。であるにもかかわらず、165cmのFW高岡伶が高いボールに対してヘディングで合わせた。ポジショニングの良さと跳躍力が光った。J SPORTSで解説を務めた元・日本代表の右SBの名良橋さんは「1994年のアメリカW杯のときのFWロマーリオみたい。」と形容したが同大会の準決勝のスウェーデン戦のFWロマーリオのヘディングとよく似ていた。

■　これで3大会連続のベスト16入り

陰のMVPと言えるのはCBのDF土屋櫂(川崎U-18)になる。U-17アジア杯のときはDF永野(FC東京U-18)もCBとしてたくさん起用されたが今大会はボランチがメイン。DF本多康とDF土屋櫂のCBコンビで固定されているがDF土屋櫂のパフォーマンスは光った。181cmなので大きな選手ではないが安定感があってヘディングも強い。先制ゴールをアシストしたDF柴田翔も川崎U-18所属。攻撃力が光っている。

パートナーのDF本多康は187cmの長身。文句なしでCBの逸材と言える。これだけのサイズがありながらスピードもあって対人能力は相当に高い。ビルドアップはまだ勉強中になるが湘南にとっては待望の大型CBである。左SBはキャプテンのDF小杉なので、結局、最終ラインは川崎U-18の2人と湘南U-18の2人で構成されている。「強力なタレントを擁するセネガルを相手に無失点」というのは自信になるだろう。

キーパーのGK後藤亘は大会を通して素晴らしいプレーを見せている。U-17アジア杯のときは「最優秀GK賞」を受賞したものの軽率なミスも多くて安定感を欠いたが今大会はここまで3試合で3失点のみ。安定感があってビッグセーブも多い。GK後藤亘も190cmとサイズに恵まれており、キーパーとしての将来性は高い。次のスペイン戦も押し込まれる展開になるのは確実。後ろの選手の頑張りが必要になってくる。

U-17W杯はこれで3大会連続のベスト16入りとなったが前々回の2017年大会は優勝したイングランドを相手にPK負け。前回の2019年大会はオランダに勝利するなど2勝1分けで首位通過を果たしたがGLで3位だったメキシコに0対2で敗れてベスト16止まり。フル代表のW杯と同じでラウンド16は鬼門になっている。森山監督も過去2大会はともにベスト16で敗退しているので「壁を突破したい。」と考えているだろう。

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