■ 大学サッカーの日韓定期戦毎年恒例の大学サッカーの日韓定期戦は3月21日(火)に駒場スタジアムで行われた。今年が第21回となるが昨年の大会は日本が5対0で大勝した。京都のFW木村勇がハットトリックを達成するなど攻撃陣が大爆発した。その時のメンバーはFW山田新(川崎F)、DF三浦颯(甲府)、MF泉(神戸)、DF中野就(広島)、MFオナイウ情滋(仙台)、FW小森(千葉)などたくさんの選手がJリーグの舞台で活躍している。
日本は「4-2-2-2」。GK上林豪(明治大)。DF奥田勇斗(桃山学院大)、高橋直也(関西大)、高木践(阪南大)、岡田大和(福岡大)。MF藤井海和(流通経済大)、美藤倫(関西学院大)、角昂志郎(筑波大)、坂岸寛大(新潟医療福祉大)。FW近藤慶一(名古屋学院大)、 倍井謙(関西学院大)。右SBのDF奥田勇はC大阪、CBのDF高橋直は湘南、同じくCBのDF高木践は清水、左SBのDF岡田大は札幌に加入する。
ベンチスタートになったのはGK中島佳太郎(常葉大)、DF石尾陸登(仙台大)、DF吉田真那斗(鹿屋体育大)、DF桒田大誠(中京大)、DF佐藤颯真(東海学園大)、MF藤井皓也(中京大)、MF古長谷千博(常葉大)、MF永田貫太(中京大)、MF長尾優斗(関西学院大)、MF古山兼悟(大阪体育大)、FW重見柾斗(福岡大)の11名。DF吉田真は横浜FM入りが内定しており、4月1日(土)にJ1デビューを果たしている。
■ 1対0で勝利した日本試合はどちらかというと静かな展開になった。前半はどちらもあまりシュートチャンスを作れなかった。ボールを保持する時間が長かったのは日本だったがアタッカーやフォワードの選手にいい形でボールが渡るシーンは少なかった。前半のシュート数は日本が1本、韓国は0本。韓国は持ち味である高さやパワーを生かしてチャンスを作りたかったがGK上林豪が守るゴールを脅かすシーンすら作れなかった。
0対0で迎えた後半開始から日本は左SHのMF坂岸(新潟医療福祉大)を下げてMF古山兼悟(大阪体育大)を投入。テコ入れを図ると後半8分に左サイドでCKを獲得。筑波大の3年生のMF角(筑波大)が右足で蹴ったボールに対してファーサイドから勢いよく飛び込んできたCBのDF高木践が頭で合わせて日本が先制に成功する。清水入りが内定しているDF高木践は173センチの身長でありながら豪快なヘディングだった。
先制した後は日本が主導権を握った。後半17分には右SHのMF角がミドルシュートを放つなど惜しい場面をいくつか作った。追加点を奪うことは出来なかったが1対0で勝利した日本が昨年の大会に続いて韓国を完封で撃破した。日本は後半だけで8本のシュートを放ったが韓国は2本だけ。試合を通しても韓国は2本のシュートしか打てなかった。日本はピンチもほぼ無し。危なげなく逃げ切ることに成功した。
■ この試合で最も目立ったのは・・・。大学サッカーの日韓定期戦は新型コロナの影響で中止になった時期もあったが無事に復活した。昨年の大会は日本が韓国を相手にゴールラッシュ。5対0と大勝したことは日本でも大きく報道された。当然、0対5で大敗したことは韓国国内で大きく取り上げられたが韓国はリベンジならず。フル代表にも同じようなことが言えるが近年の日本人選手は体格が良くなっているので韓国相手でも全く見劣りしない。
大学選抜に選ばれている選手の多くはプロの道に進むことになる。すでにJリーグ入りが内定している選手もたくさんいる中、この試合で最も目立ったのはCBのDF高橋直(関⻄⼤)だった。G大阪ユース出身でJ1の湘南入りが内定しているが攻撃センスに長けた選手である。180センチなので現代のCBとしては小柄な部類に入るが相手がプレスをかけてきても簡単にかわして次の展開に持ち込むことが出来る。
サッカー界はSBの選手に高いビルドアップ能力を求める時代になったがさらに今のサッカーが進化するとSBのところにも強いプレッシャーがかかるようになってCBのところからゲームを組み立てることが必要になってくると思われる。CBの選手には高いパス能力だけでなくドリブルでボールを運んで相手のプレスを無力化するプレーも求められるようになると思うがDF高橋直はそういうプレーをこなすことが出来る。
内定先の湘南は3バックを採用しているので「左右のストッパー」もしくは「3バックの中央」で起用されると思うがいずれにしても高い攻撃力が求められる。持ち味を出しやすいクラブを進路先として選択したと言える。即戦力として活躍することが期待される。CBの相方のDF高木践は決勝ゴールをゲットしたがこちらは173センチ。清水入りが内定しているが清水ではSBやボランチで勝負することになると考えられる。
■ 右SBのDF奥田勇斗はC大阪入りが内定右SBのDF奥田勇もG大阪ユース出身でありながら進路先はC大阪となった。G大阪には同学年となるDF半田がいて26歳のDF高尾もいる。「神戸もオファーを出した。」と報じられているがこちらにはDF飯野がいてDF山川哲がいてDF初瀬もいる。縁のあるG大阪・神戸・C大阪の3チームの中では右SBのDF松田陸にかかる負担が大きいC大阪が一番チャンスありと思われる。こちらも「賢明な選択だった。」と言える。
DF奥田勇は現代的なSBである。技術が高くて判断も的確。右SBの位置から攻撃の起点になるシーンは多かった。DF松田陸は1991年生まれなのでちょうど10歳違い。右SHで起用されているMF毎熊は1997年生まれ。MF毎熊とも4歳離れていることを考えるとDF奥田勇には「近い将来の右SBのレギュラー候補」として大きな期待がかかる。後ろからパスをつなごうとするC大阪のスタイルにはすぐに馴染むだろう。
キーパーのGK上林豪はまだ3年生。進路先はまだ決まっていないがこちらはC大阪U-18出身。育ててもらったC大阪に強い思いを持っており、かつ、GKキム・ジンヒョンが35歳になったことを考えると「同じように近い将来のC大阪のレギュラー候補」として大きな期待が集まっている。身長は186センチ。現代のキーパーとしては標準的なサイズになるが身体的な能力は高くてハイボールの処理も安定している。
★ 現在の投票数 → 132票
→ 最大で10チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2023/01/03 【J1編】 2023年の展望 (上位編) ~2強が優勝争いの中心。追うのは広島・鹿島・C大阪・FC東京など~
2023/01/03 【J1編】 2023年の展望 (中位編) ~大注目は大型補強のG大阪と鳥栖。監督交代の浦和はどうなる?~
2023/01/05 【J1編】 2023年の展望 (残留争い編) ~降格枠は1。回避したい新潟・横浜FC・神戸・湘南・福岡・京都。~
2023/01/10 【J1編】 2023年の順位予想 ~13:神戸、14:湘南、15:横浜FC、16:新潟、17:福岡、18:京都~
2023/01/10 【J1編】 2023年の順位予想 ~7:浦和、8:柏、9:鳥栖、10:名古屋、11:G大阪、12:札幌~
2023/01/11 【J1編】 2023年の順位予想 ~1:川崎F、2:横浜FM、3:鹿島、4:広島、5:C大阪、6:FC東京~
2023/01/18 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~13:横浜FM、14:新潟、15:福岡、16:川崎F、17:京都、18:神戸~
2023/01/19 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~7:札幌、8:横浜FC、9:柏、10:名古屋、11:浦和、12:広島~
2023/01/20 【J1編】 今オフの補強の最終評価 ~1:G大阪、2:鹿島、3:湘南、4:鳥栖、5:C大阪、6:FC東京~
2023/05/11 【YouTube】 投稿済みの動画 (タイトル一覧へ)
- 関連記事
-