■ 静岡ダービーは1対1の引き分け 大きな注目が集まった延期分の静岡ダービーは1対1の引き分けに終わった。前半34分にFWチアゴ・サンタナのゴールでホームの清水が先制に成功。1対0とリードを奪った状態で後半のアディショナルタイムに突入したが後半47分に高卒ルーキーのMF古川陽のパスを受けたFWジャーメイン良が左足で豪快にネットを揺らしてドローに持ち込んだ。ともに勝ち点「3」の欲しい試合だったので痛み分けのドローと言える。
J1は残り2試合となったが清水は16位、磐田は18位で次の33節を迎えることになった。13位の湘南から17位のG大阪まで「2差」なのでJ1の残留争いは稀に見る大熱戦になっているが磐田は次のG大阪戦(A)も下位同士の直接対決になる。引き分けに終わると最終節(=34節)で勝利したとしても勝ち点「33」止まり。すでに勝ち点「34」を獲得している14位の京都と15位の福岡が2連敗したとしても届かない計算になる。
次のG大阪 vs 磐田は「引き分け以下に終わった時点で磐田の降格が確定する。」という大一番になったが磐田はここ4試合は1勝3分けと負けなし。粘り強い戦いを見せている。FWファビアン・ゴンザレスの契約問題でFIFAから重い処分が下されるなど最悪のムードで静岡ダービーを迎えることになったが後半のアディショナルタイムに追いついたことで希望はつながった。2連勝できると残留できる可能性はある。
■ MF金子翔太とDF松原后は古巣対決だった。 一方の清水はこれで5試合勝ちなし。ここ5試合は0勝3敗2分けとなる。監督が交代して夏に獲得したMF乾やMFヤゴ・ピカチュウなどの頑張りによって残留争いから抜け出しかけた時期もあったがここ5試合で勝ち点「2」のみ。またしても雲行きが怪しくなってきた。33節は鹿島戦(H)、34節は札幌戦(A)になるがどちらも相性が良くない。苦手にしている相手との試合になるが最低でも1勝1分けが求められる。
後半のアディショナルタイムに失点をして勝ち点「2」を失った先の湘南戦(H)ならびに今節の磐田戦(H)が何とも悔やまれるが静岡ダービーで話題になっているのは古巣対決となったDF松原后ならびにMF金子翔に対する一部のサポーターからのブーイングになる。MF金子翔は2021年の夏、DF松原后は2022年の夏にともにライバルクラブである磐田への移籍を決断したがかつては清水で活躍した人気選手である。
どちらも高卒で清水に加入して試合経験を積んで大きく成長した選手になる。好調だった2018年あたりは日本代表入りを期待する声も少なくなかった。清水を離れて他クラブでプレーしている元・清水の選手はたくさんいるがこの2人は特に古巣である清水に対しての思い入れが強い選手だと思うが静岡ダービーの試合後にサポーター席に行って挨拶をしようとしたときに一部のサポーターからブーイングが浴びせられた。
■ 遺恨を残す形で移籍を選択した選手に対しても・・・。 古巣との試合だった選手が試合後にゴール裏などに出向いて古巣のサポーターに挨拶をする場面はJリーグでは珍しくない。対戦相手の選手になってしまったが「惜しまれつつ退団した選手」や「チーム事情から(本人の意思に反して)放出されてしまった選手」や「在籍時は出場機会に恵まれなかったので移籍を選択せざるえなかった選手」に対しては、ほとんどの場合、サポーターから盛大な拍手が送られる。
一方、遺恨を残す形で移籍を選択した選手に対しても拍手が送られることは多い。「後足で砂をかけるような移籍」であったとしても根に持ち続ける人は少ない。「当時は腹が立ったが今のクラブで頑張ってくれ!」とばかりに寛大な気持ちで拍手をする人が多い。よって、今回のようにサポーター席まで挨拶に出向いた選手に対して(一部からとは言っても)それなり以上の音量のブーイングが浴びせられるのは珍しい。
DF松原后に関しては挨拶に向かう途中からすでに号泣しており、一緒にいたMF金子翔がずっと慰めているような状態だった。もちろん、2人に対して温かい拍手を送る清水のサポーターは少なくなかった。MF金子翔に対するゲートフラッグを掲げていた人もいたが「ブーイングと拍手が入り混じる中、当事者のDF松原后は号泣していて、隣にいるMF金子翔は必死に慰めている。」というのはかなり異質な光景だった。
■ そもそもとして清水からのオファーはあったのか? DAZNの配信に映った様子を見る限りでは「ブーイングもしないが拍手もしない。」という清水のサポーターも一定以上の割合でいたことが分かる。「後半のアディショナルタイムに同点ゴールを許して引き分けに終わる。」というショッキングな試合のすぐ後の出来事だったこともあってサポーターが平常心を保つのはかなり難しいシチュエーションだったが「号泣している選手へのブーイング」というのはなかなか厳しい。
率直に言うと印象は良くない。「清水のサポーターに対してネガティブな印象を持った。」という人は少なくないだろう。「かわいそうなDF松原后 vs 非情な清水のサポーター」と思われてしまうのも致し方ない。同県のライバルへの移籍を選択したDF松原后に対していろいろと思うところはあると思うが今夏に清水がDF松原后の獲得に乗り出したという情報は流れておらず。SBの層が厚い清水の補強ポイントではない。
当然、どれだけ古巣に戻りたかったとしてもオファーが来なければノーチャンスである。「熱烈な清水のオファーを断ってさほどの好条件でもなかった同県のライバルである磐田入りを選択した。」というケースであればこういう仕打ちを受けても仕方がないと言えるがその可能性はほぼゼロである。サポーター席に向かって2人が歩みを進めている中、徐々に拍手の音が大きくなっていったのは不幸中の幸いだった。
・ 2022/09/02 【J2限定】 「今オフ、J1のクラブが獲得できたら美味しい。」と思えるJリーガー (21位~30位) ・ 2022/09/02 【J2限定】 「今オフ、J1のクラブが獲得できたら美味しい。」と思えるJリーガー (11位~20位) ・ 2022/09/03 【J2限定】 「今オフ、J1のクラブが獲得できたら美味しい。」と思えるJリーガー (1位~10位) ▼ 最新の動画 (2022年10月12日 up済) VIDEO ★ 現在の投票数 → 147票
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