■ 上位対決浦和レッズと川崎フロンターレの対戦。
ホームの浦和は<3-4-3>。GK都築。DF坪井・闘莉王・堤。MF鈴木・山田暢・平川・相馬。FW田中達・高原・エジミウソン。FW永井、MF梅崎がベンチスタート。
アウェーの川崎Fは<3-5-2>。GK川島。DF井川・横山・伊藤。MF谷口・中村憲・村上・山岸・ジュニオール。FWジュニーニョ・我那覇。新外国人MFヴィトール・ジュニオールがトップ下で初スタメン。
■ 逆転で完勝劇試合は立ち上がりは浦和が優勢。FW田中達を中心に川崎Fの3バックに襲いかかる。前半7分に相手DFをうまく外したFW高原の左足のシュートで浦和が先制。FW高原は4月26日以来の今シーズン3ゴール目となった。
しかしながら、前半20分を過ぎると川崎Fの一方的な展開となる。完全にラインが引いてしまった浦和は、川崎Fの中盤にプレッシャーをかけられず川崎FのMF中村憲に自在のゲームコントロールを許す。前半27分に左サイドのMFヴィトール・ジュニオールの左足のクロスからDF伊藤がヘディングで決めて同点に追い付く。DF伊藤は意外にもJ1では初ゴール。前半は1対1で終了。
後半10分に浦和はFW田中達を代えてFW永井を投入。FW永井をやや引き気味の位置で起用し、ようやくバランスが良くなるが、後半21分に浦和が決定的なチャンスを迎えたそのすぐ後の川崎Fのカウンターのシーン。FWジュニーニョの突破→クロスから中央フリーのFW鄭大世が決めて逆転。
さらに2分後にもFWジュニーニョのクロスから中央のMFヴィトール・ジュニオールがヘディングで合わせて3対1とリードする。浦和はMF梅崎やFWエスクデロを投入するがゴールは奪えなかった。結局、3対1で川崎Fが勝利。連勝を飾った。
■ 1ゴール1アシストのジュニオール川崎Fは立ち上がりこそ、浦和に主導権を奪われたが、その後は主導権を奪い返し、3点を奪って逆転勝利。昨シーズンに続いて、さいたまスタジアムでの勝利を飾った。
特に、退団したFWフッキの代役として獲得し、2トップ下に入ったMFヴィトール・ジュニオールは1ゴール1アシストの満点デビュー。いきなり鮮烈な印象を残した。序盤はやや戸惑いも見せたが、時間が経つにつれてコンビネーションは向上していった。
昨シーズンまでチームに所属したMFマギヌンと比べると、MFマギヌンよりも個の打開力はありそうで、左足のプレイスキッカーとしても期待できる。狭いスペースでも相手を出し抜けるキレとテクニックを備えており、チームにとって重要な選手になることは間違いない。
■ 決勝ゴールの鄭大世川崎Fの決勝ゴールはFW鄭大世のゴールだった。FW我那覇に代わって後半16分にピッチに入ると、後半21分に勝ち越しのゴールをマーク。FW我那覇の復調もあって、最近は出場機会が減っていたが、見事に結果を残した。
先発出場したFW我那覇の出来も悪くなかったが、浦和のDFは途中出場のFW鄭大世の当たりの強さに手を焼いて、2点ビハインドの状態でもカウンターを過剰にケアせざる得なかった。
■ 若手をうまく起用する川崎F川崎FはDF闘莉王の高さに手を焼いたが、新人DF横山を中心に守りきって、貴重な勝利をつかんだ。2点リードを奪った後半32分には同じく新人のMF菊地を投入。タフな試合にもかかわらず、躊躇するなく若い選手を送り込んで、結果も残した。
無難にシーズンを戦うのであれば、例えば、開幕前から戦列を離れていたが昨シーズンまでの中心選手のDF箕輪を起用することも出来たが、その後半戦の始まる前にDF箕輪はレンタルで札幌に放出。決してDF陣は層は厚くなく、やや疑問の残るDF箕輪の移籍ではあったが、DF横山やMF菊地といった若い選手を起用できる土壌を作って、しっかりと持ち場を与えて、選手を育てていこうとする姿勢には共感が持てる。
■ 引いて失敗した浦和浦和は非常に立ち上がりは良くて、前半7分に幸先よく先制ゴールを奪ったが、リードを奪うとチーム全体が下がり気味になるという悪い癖をこの試合も修正できなかった。3トップのバランスも悪く、川崎Fの中盤をフリーにさせ過ぎて、簡単にボールを回された。
後半10分にFW永井を投入しやや盛り返したが、決定的なチャンスを逃すと、カウンターから逆転ゴールを許し、DF闘莉王が再三に渡ってゴール前で空中戦の強さを見せた以外は、見せ場を作れないまま、試合を終えた。
DF闘莉王はセットプレーにおいて抜群の存在感を発揮し、圧倒的な空中戦の強さを見せたが、攻撃はDF闘莉王頼みの感が強く、多彩なタレントを持て余している印象が強く残った。中心選手に頼ること自体は悪くはないが、DF闘莉王は満身創痍の状態であり、いつ爆発するか分からない状態である。不安は消えない。
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