■ 名古屋への移籍話が浮上東京Vを2年連続でプレーオフに導いたロティーナ監督を招聘したC大阪は開幕戦で神戸に勝利。好スタートを切ったが、その後、極度の得点力不足に苦しんだ。9節を終えた時点では2勝5敗2分けで勝ち点「8」。9試合で5得点のみと攻撃陣が低調だった。浦和に移籍したFW杉本健に代わってFW柿谷がフォワードの軸として起用されたが6節の川崎F戦(A)で決めた1ゴールのみ。期待に応える働きはできなかった。
11節の横浜FM戦(H)ではエース候補だったFW都倉が負傷交代するアクシデントが発生。FW都倉は長期離脱することになったが新外国人のFWブルーノ・メンデスが活躍。13節のFC東京戦(H)、14節の鳥栖戦(A)では2試合連続で決勝ゴールを記録するなど救世主になった。184センチと高さがあって、スピードもあって、献身性もあるFWブルーノ・メンデスの活躍によってC大阪は順調に勝ち点を積み上げるようになった。
FWブルーノ・メンデス、MF奥埜、MF藤田直、MF清武、MF水沼、MFデサバトなどが主力として活躍する一方で、FW柿谷、MFソウザ、MF福満、DF山下などは出場機会に恵まれていない。選手層の厚いチームなので「ロティーナ監督の構想から外れた選手」の何人かが、今夏、チームを離れるのは間違いない情勢だったが、エースナンバーである「8番」を背負っているFW柿谷に対して名古屋が関心を寄せている。
■ 過去にも何度か移籍話が浮上今シーズンのFW柿谷は、先のとおり、開幕当初はフォワードの軸として起用されていたが結果を出せず。彼がスタメンから外れるようになった後、チームとして結果が出るようになったので、立ち位置的にはかなり厳しかった。ルヴァン杯では主力として起用されたが目立った活躍はできず。リーグ戦ではベンチ外になることも多くて、試合勘を養うためにJ3のC大阪U-23の遠征に帯同したこともあった。
FW柿谷は2017年と2018年にチームを指揮した尹晶煥監督と反りが合わなくて過去にも何度か移籍話が浮上している。2018年1月1日の天皇杯を制して2冠を達成した直後、G大阪への移籍話が浮上。その年の夏にもG大阪への移籍話が浮上した。ちょうど1年前のこの時期に浮上した移籍話のときはスポーツ紙で「近日中にG大阪への移籍がまとまる可能性が高い。」とも報じられたが、結局、C大阪に残った。
真偽は定かではないが、このときに「尹晶煥監督は今シーズン限りで辞めさせるのでクラブに残ってほしいとフロントが打診」→「FW柿谷は了承して残留を決断」→「尹晶煥監督は2018年限りで契約満了で退任」→「この監督人事にMF山口蛍が反発」→「自分が出る意味を考えて欲しいと古巣を批判」という流れだったと推測できるが、尹晶煥監督を慕っていたサポーターも多かったのでFW柿谷も批判の対象になった。
■ ロティーナ監督の信頼をつかめず。「結果を出して周囲を黙らせるしかない状況」だったが今シーズンも思うような活躍は出来ていない。J3のC大阪U-23でゴールを量産している19才のFW山田寛の評価が上がっており、FW柿谷のフォワードとしての序列が下がっている状況。ロティーナ監督とFW柿谷の関係性がどうなのか?は分からないが「1年半前」や「1年前」とは違って、『何としてでも引き止めないといけない選手』ではなくなっている。
過去に何度か移籍をちらつかせて自分の立場を良くしようと画策して来た選手なので今回の移籍話についても不信感を抱いているC大阪のサポーターは少なくないと思うが、名古屋が相応の条件を提示した場合、移籍が実現する可能性は高いと考えられる。C大阪の看板選手の1人であることに変わりはないが「絶対に引き止めないといけない選手」ではなくなっている。チーム内での立ち位置は大きく変わっている。
付け加えると、これまでに浮上したFW柿谷の移籍話の相手はほぼG大阪だった。「C大阪の顔だった選手がG大阪に移籍する。」というのはサポーターにとっては堪えがたい話なのでそれもあってクラブは全力で慰留に努めたと思うが移籍先の候補が名古屋となると話は大きく変わってくる。双方の置かれた状況などを考えると「G大阪以外のクラブ」であればそこまでC大阪のサポーターもナーバスにはならないだろう。
■ ハイリスクな補強余剰戦力になっているので移籍はあり得る状況と言えるが、「このタイミングで名古屋が獲得に乗り出す。」というのは不思議に感じる。2013年のJ1で21ゴールを記録した頃のFW柿谷は「日本を代表するストライカー」だったが、2016年は20試合で6ゴール、2017年は34試合で6ゴール、2018年は21試合で4ゴール。C大阪に復帰した後は結果を残せていない。29才になってピークの時期は過ぎている。
今シーズンの推定年俸は8,500万円。Jリーガーの中では屈指の高額年俸である。C大阪といつまでの契約を結んでいるのか?は分からないが今夏に契約が切れることは考えにくいので移籍金が発生するのは確実。FW柿谷を獲得しようとするならば年俸と移籍金を合わせて数億円が必要になるのは間違いない。そこまでの大金をかけて獲得に乗り出すほどの価値が今のFW柿谷にあるのか?というと微妙である。
名古屋は「4-2-2-2」を採用しており、FWジョーがCFにいる。移籍が実現した場合、2トップの一角で起用されることが多いFW長谷川アーリアジャスールとポジションを争う形になると思うが、MF前田直やMF相馬勇やMF和泉などもポジション争いのライバルになる。風間監督が「ストライカーとして再生可能」と考えて獲得に乗り出しているのだと推測できるが、ハイリスクな補強になるのは間違いない。
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