■ J2の開幕戦2019年のJ2がいよいよ開幕した。2018年は開幕ダッシュに成功して一時は首位に立ったものの右肩下がりのシーズンになって最終的には15位に終わったファジアーノ岡山はホームのシティライトスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦した。長澤監督が退任して新しいスタートを切った岡山は有馬監督が就任した。一方の水戸は長谷部監督になって2年目。昨シーズンは前評判は低かったものの10位と躍進した。
ホームの岡山は「4-2-2-2」。GK金山。DF廣木、田中裕、チェ・ジョンウォン、喜山。MF武田将、上田康、久保田、仲間。FWイ・ヨンジェ、赤嶺。注目の新戦力のFWレオ・ミネイロはベンチスタート。C大阪から加入したベテランのDF田中裕はCBの一角でスタメン出場となった。鹿島からの期限付き移籍となるMF久保田は右SHでスタメン出場となった。1997年1月1日生まれなのでギリギリで東京世代になる。
対するアウェイの水戸は「4-2-2-2」。GK松井。DF岸田、伊藤槙、ンドカ・ボニフェイス、志知。MF前寛之、平野佑、茂木駿、木村祐。FW黒川、清水慎。主力の流出が目立った水戸は期限付き移籍の期間を延長したFW黒川が今シーズンはフォワードの位置でプレーすることになった。昨シーズンは主に右SHで起用されて28試合で3ゴール3アシストを記録した。新加入のフォワードのFW清水慎は古巣対決となる。
■ 三名園ダービーを制したのは・・・。岡山と水戸の三名園ダービーの前半は静かな展開になった。どちらもいくつかセットプレーからゴール前のシーンを作ったがあまり見せ場を作れなかった。0対0で迎えた後半4分にFW黒川がドリブルで相手選手を引き連れてゴール前に走ったMF木村祐に絶妙なパスを送ったがMF木村祐はシュートまで持ち込めず。パスを選択してチャンスを逃したがこのプレーをきっかけに試合は大きく動くことになった。
岡山は後半6分にCKからFWイ・ヨンジェがヘディングシュートを放ったがキーパーの正面に飛んでゴールならず。直後に水戸はボランチのMF前寛之の絶妙なスルーパスから右SBのDF岸田が裏を取って中央にグラウンダーで折り返するとフリーで待っていたMF茂木駿が右足で合わせてアウェイの水戸が先制に成功する。期限付き移籍から完全移籍に切り替わったMF茂木駿が今年の水戸の初ゴールを記録した。
1点を追う岡山は後半15分にMF仲間が個人技から決定機を迎えたが同じくシュートがキーパーの真正面に飛んでしまう。追いつきたい岡山は後半23分に期待の新戦力のFWレオ・ミネイロを投入。後半46分にはFWレオ・ミネイロが同じような形からゴール前でフリーになってシュートを放ったがまたしてもキーパーの正面に飛んで同点ゴールとはならなかった。1対0で逃げ切った水戸が開幕戦で勝ち点「3」を獲得した。
■ ポテンシャルの高い選手は多い水戸ホーリーホック金沢市の兼六園、岡山市の後楽園、水戸市の偕楽園の3つが「日本三名園」と呼ばれている。三園ともに江戸時代に造営されているが兼六園には何度も行ったことがある。 「雪吊り」が風物詩になっている。後楽園も数年前に訪れたが趣のある庭園である。東京ドームが完成する前に読売ジャイアンツが本拠地として使用していたのが後楽園球場になるが岡山の後楽園と東京にあった後楽園球場は無関係である。
水戸の偕楽園には行ったことはないが「いいところだ。」と聞いている。日本三名園のある都市で活動するツエーゲン金沢、ファジアーノ岡山、水戸ホーリーホックの3チームの対戦は「三名園ダービー」と言われているが2019年の最初のダービーを制したのはアウェイの水戸だった。水戸というと今オフも主力の流出が目立ったので前評判はあまり高くないが開幕戦で勝ち点「3」をゲット。しぶといチームである。
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→ 2016/12/12 【J2・J3入替戦:金沢×栃木SC】 生きるか死ぬかの大一番を観戦してきた。(@富山) (生観戦記・後編)実績のある選手が少ないので攻撃も守備も不安は大きいが攻撃面では期限付き移籍の期間を延長して水戸に残ったFW黒川がチームを引っ張った。決勝ゴールの場面に直接的にかかわることはなかったが後半は圧巻のプレーを見せた。主力がたくさん抜けたので「自分がやらないといけない。」という強い思いを持っていると思われる。上手さが目立つ選手だったが強さや逞しさも感じられるようになってきた。
守備陣では大卒2年目のDFンドカ・ボニフェイスが奮闘した。昨シーズンはJ2で5試合の出場のみ。ボランチでも起用されたが今シーズンは開幕スタメンを飾った。183センチ/89キロとサイズに恵まれているが身体能力も相当に高い。空中戦の勝負になったときはほとんどで勝利をおさめた。身体能力が高くて無理が効くところはCBとしての大きな武器となる。加入2年目の2019年は飛躍のシーズンになりそうだ。
■ 4バックを採用するファジアーノ岡山敗れた岡山の有馬監督の初陣を勝利で飾ることはできなかった。岡山というと近年はずっと3バックを採用してきたが今シーズンは4バックを取り入れている。「4バックを採用する岡山」というのはかなり新鮮だったが後半6分の失点シーンはキレイに左サイドを崩されてしまった。あれだけサイドをえぐられると中央でフリーになる選手が出てくるのは当然である。失点シーンは水戸のパス回しが非常に良かった。
CBでプレーできる選手はたくさんいるがC大阪から加入したDF田中裕と加入して2年目のDFチェ・ジョンウォンのCBコンビとなった。DF増田やDF阿部海などもいる中でDF田中裕とDFチェ・ジョンウォンを起用してきたのは驚きだったがどちらもまずまず。DF田中裕はどちらかというとSBの選手であるがC大阪のときもCBでプレーする機会は少なくなかった。DFチェ・ジョンウォンは186センチの高さが武器となる。
また、DFチェ・ジョンウォンは左利きという点も武器になる。この日はゴールを奪うことは出来なかったが昨シーズンまでと比べるとボールを繋ごうとする意識は高まった。パス能力の高いCBが有馬監督には重宝されるだろう。課題の攻撃陣はチャンスがなかったわけではない。決定機はいくつか作ったので決めたかった。2018年は力を出し切れなかったフォワード陣の奮起が上位進出のためには必要である。
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