■ J1の第10節J1の第10節。1勝5敗3分けのコンサドーレ札幌はホームの札幌ドームで湘南ベルマーレと対戦した。湘南も1勝5敗3分けと苦しんでいるが札幌は7節のG大阪戦(H)で今シーズン初勝利を挙げるなど3試合負けなし中。2節から痛恨の5連敗を喫したが状態は上がってきた。逆に湘南は2節の京都戦(A)で初勝利を挙げたが3節以降は7試合未勝利。直近の7試合は0勝4敗3分けとなる。チーム状態は好対照と言える。
ホームの札幌は「3-4-2-1」。GK菅野。DF馬場晴、宮澤裕、中村桐。MF駒井、荒野、近藤友、青木亮、浅野雄、スパチョーク。FW鈴木武蔵。守備の要であるDF岡村大は今シーズン初めて欠場。ベテランのDF宮澤裕が3バックの中央で起用された。MF菅大輝も今シーズン初めてベンチ外。左WBはMF青木亮が起用された。開幕後にJ3のY.S.C.C.横浜から緊急補強したGK児玉潤は2試合連続でベンチ入りとなった。
アウェイの湘南は「4-2-2-2」。GK馬渡。DF鈴木雄、大岩、キム・ミンテ、杉岡。MF高橋直、奥野耕、池田昌、平岡大。FWルキアン、阿部浩。U-23日本代表のMF田中聡はU-23アジア杯に参加しているので欠場中。大卒ルーキーのMF高橋直がボランチの位置でスタメン出場となった。G大阪ユース出身でCBが本職になるがボランチでもプレーできる。9試合で3ゴールを挙げているFW鈴木章はベンチ外となった。
■ 試合は稀に見る激闘に・・・。試合は稀に見る激闘になった。後半の半ばまではずっと札幌ペースだった。前半23分にタイ代表のMFスパチョークが左サイドをドリブルで突破してクロスを入れるとMF青木亮がニアサイドを打ち破って札幌が先制に成功する。さらに前半42分には右サイドでCKを獲得。MF浅野雄のボールを172cmのMF近藤友が頭で合わせて大きな追加点を奪った。MF近藤友は移籍後初ゴールとなった。前半は2対0で折り返した。
2点を追う湘南は後半開始からMF奥野耕とMF池田昌を下げてMF茨田とMF福田翔を投入。テコ入れを図ったが後半9分にMF青木亮がドリブルから右足でミドルシュートを突き刺して札幌が3点目を奪った。3点ビハインドの湘南は後半22分にFWルキアンの突破から投入されたばかりのMF畑大雅が決めて2点差に迫ると後半40分にはDF大岩の落としからMF福田翔がダイビングヘッドで合わせてついに1点差に迫った。
後半のアディショナルタイムの表示は「6」。勢いに乗る湘南にとっては十分すぎるほどの時間があった。後半48分にCKを獲得するとMF茨田が頭で落としたボールをDF鈴木雄が右足で決めて3対3の同点に追いついた。新加入のDF鈴木雄も移籍後初ゴールとなった。3点差を追いついた湘南にとっては大きな勝ち点「1」となった。逆に3点リードから追いつかれた札幌にとっては悪夢のような試合になった。
■ 湘南は途中出場した5人が全員躍動MF青木亮が2つのゴラッソミドルを決めるなど後半の途中までは「完全なる札幌ペース」だった。湘南は攻守に精彩を欠いていたので「楽勝ムード」だったがまさかの展開になった。札幌も湘南もどちらも9節を終えた時点で1勝のみ。勝てていないチームなので戦いぶりは安定しない。札幌は後半22分に失点をして3対1というスコアになったが慌てる必要はなかった。「悔やんでも悔やみきれないドロー」と言える。
0対3の状況から同点に追いついた湘南は途中出場した選手が躍動した。MF畑大雅とMF福田翔はゴールをゲットして、MF茨田は同点弾をアシスト。MF石井久とMF山田直の2人もいい位置でボールを受けて攻撃の起点になった。0対3になってチームとして開き直ったところはあったと思うが「0対3から追いつく。」というのは簡単なことではない。これで8試合未勝利となったが「湘南にとっては価値あるドロー」と言える。
後半21分にFW阿部浩に代わってMF畑大雅が投入されると3バックに変更となったがこれが大成功した。その直後にMF畑大雅の追撃弾が決まって2点差になったがDF大岩、DFキム・ミンテ、DF杉岡という3バックの3人も効果的に攻撃に絡んできた。MF福田翔の2点目をアシストしたのはゴール前に上がっていたDF大岩だったがマッチアップしたMF青木亮に完全に競り勝って最高のボールをMF福田翔に届けた。
2点目を挙げたMF福田翔は8節の横浜FM戦(A)で途中出場してJ1初ゴールを記録。4月24日(水)に行われたルヴァン杯の2回戦の秋田戦(A)でもゴールを決めている。短期間で3ゴール目。結果が出るようになってきた。昨夏にJ3のY.S.C.C.横浜から加入して馴染むまでに少し時間がかかったが持ち前のゴールセンスを発揮できるようになってきた。「4-2-2-2」の場合、左右のサイドハーフでも貢献できると思われる。
■ 「絶対に勝たないといけない試合だった。」と言える。札幌は一時は3対0とリードを奪った。「絶対に勝たないといけない試合だった。」と言える。5連敗のあと、ここ3試合は1勝2分け。調子が上がってきていたがそれに水を差すドローと言える。1失点目のDF馬場晴の対応が悔やまれる。FWルキアンは万能型のフォワードなので止めきるのは難しい選手ではあるがFWルキアンに接近しすぎて簡単に入れ替わられてしまった。簡単にいなされて突破を許した。
2失点目と3失点目はともに空中戦の勝負で競り負けたことが痛かった。2失点目はゴール前に上がっていたDF大岩に対してMF青木亮がマークについていたが2人の身長差は「9cm」。これだけの差があるので邪魔をすることも出来なかった。3失点目も168cmのMF駒井が近くにいたが173cmのMF茨田にヘディングで触られてしまった。同点ゴールを決めたDF鈴木雄はフリーに近い状況でシュートを打つことが出来た。
後半26分にMF小林祐とDF高尾、後半41分にはFWキム・ゴンヒを投入しているので高さを軽視したわけでは全くなかったがアンラッキーにも2失点目と3失点目は高さに欠ける選手が空中戦を競る形になった。0対2から連続ゴールを許して同点に追いつかれるケースはサッカーの試合では多々あるが0対3から3連続失点して追いつかれるケースは滅多にない。精神的なショックの大きいドローと言える。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、札幌ドームに集まった札幌のサポーターは大きなブーイングをしたが当然と言える。「絶対に勝てる展開」で勝ち点を取りこぼすようだと浮上するのは難しい。ポジティブに考えられるのはここまで低調だった攻撃陣が活発になってきた点。左WBで起用されたMF青木亮は2ゴールの大活躍だった。2点目を奪ったのも右WBのMF近藤友なので両サイドアタッカーは結果を残した。
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