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コロナウイルスに対して無策のEU。被害甚大のイタリア、スペインなどは「悪の」ロシアや中国に支援を求める

<記事原文 寺島先生推薦>
With united Europe MIA in its Covid-19 response, worst-hit nations turn to 'evil' Russia & China for help

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RT-Oped ダミアン・ウイルソン 2020年3月23日
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<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年4月4日

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  欧州連合(EU)本部は各国をほぼ見離し、それぞれの運命に委ねてしまったのだから、イタリア、スペイン、そしてその他のヨーロッパ諸国が、専門家のアドバイスや医療品の面で有意義な支援をモスクワや北京に求めていることは何の不思議でもない。

  このコロナウイルス・パンデミックが過ぎ去り、EU諸国が人口激減、壊滅した公衆衛生インフラ、そして地に落ちた経済などの代償がどれほどのものだったかを数え上げる時、一つ確かなことは、EU内の力学が永遠に変化してしまっていることだろう。

  この殺人ウイルスが世界的に流行する前、ロシアと中国は、いつだって西側の疑う余地のない厄介者だった。この両国はトラブルメーカーとして常に悪巧みを考え、 危険な地政学的ゲームをしながら、西側諸国の民主主義を弱体化させ、EUとNATOの同盟国を分裂させることを意図していた。と。

  欧米の主流メディアの多くは、ロシアないし中国の陰謀論にどっぷりつかっているので、ここで展開している皮肉な事態がわからないのだろう。というのも事情は変わったからだ。

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WATCH Russian Army deliver medical aid at airbase near Rome as Moscow rallies to help coronavirus-ravaged Italy


  事情は大きく変わった。

  主にロシアと中国というEU外の「扱いにくい」超大国の今回の寛容的な動きのせいで、会費も全額支払い、EUの長期メンバーである一部の国々は、コロナウイルスの発生によって引き起こされた膨大な公衆衛生上の必需品の数々を手にすることができない。

  それは有難いことでもある。もしイタリアやスペインが、過密な病院で何千人もの人々が死んでいくのを止めることができるような、本当の現場支援をEUやアメリカに求めていたら、彼らは無駄に待つことになっていただろうから。

  確かに、ECB(欧州中央銀行)はやっと先週介入を始め、前例のない財政的バズーカ砲で、コロナウイルスのせいで、(少なくとも、各国政府がコロナウイルスを阻止しようと取り組んでいる措置のせいで)引き起こされている経済的影響を軽減することを目指している。しかし、それはコロナウイルスと戦うひとつのあり方でしかない。パンデミック発生以降はとくにそうだ。そしてパンデミックと格闘している最前線ではそんなものは戦い方にすらならない。

  この財政的支援の意義は、今回の健康危機が去り、悲惨な経済的結末が十分に把握された時、本当に明らかになるだろう。そして、今現在、危機は始まったばかりにすぎないという事実があるのだから、より多くの医療スタッフ、個人的防具、人工呼吸器、病院、そしてはっきりしているのはワクチン、それらを提供するような間髪を入れない気配りが必要ということなのだ。

  しかし、EU本部から出されたイタリア、スペイン、そして他のEU加盟国へのメッセージははっきりしている:「今回のコロナウイルス蔓延と、その後生じた数千人の死者の処理は、各国の責任です。」

  EUの絶望的なほどの無能力と無関心が明らかになり始めたのは、数週間前コロナウイルス感染拡大に直面した時のことだ。ドイツを含むいくつかのEU加盟国がマスクや医療機器の国境を越えた輸出を禁止したのである。

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Russian military planes with medics & supplies land in coronavirus-hit Italy (VIDEO)

  イタリア人が今後それを忘れるとは思えない。EU本部の態度と中国の家電メーカー小米科技の寛容さを比較してみたらいい。小米科技は何万個というマスクを送っていたし、同時に中国政府はイタリア政府が喉から手が出るほど必要としていた、そして今も必要としている医療専門家や重要な機器で複数の飛行機を満杯にしていたのだ。
 
  同様に、EU本部の態度とこの週末に送られてきたモスクワからの援助を比較してみたらいい。100人のウイルス専門家、消毒用トラック、医療機器がその援助の内容だ。すべてイタリアの要請によるものだ。

  イタリア政府がここ数年、ロシアとの緊密な関係を維持してきたこと、特にマッテオ・サルビーニ前連立政権外相の主導が功を奏したようだ。最近のEUのクレムリンバッシングに巻き込まれることを拒否し、より緊密な友好関係を育むことを選んだサルビーニは、今回のイタリア困窮時にもたらされた種々の配当的な援助も含め、称賛されなければならない。

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EU spin in the time of coronavirus


  そして、その意図しない結果として、とかく議論の的になるイタリアのポピュリストの批判者たちを立腹させていることは無視できない。

  また、ロシアからの援助が軍事ルートを経由して行われていることに、NATOが注目を逸らすことはないだろう。このことはモスクワに対してよりタカ派的な見方をする人物たちを刺激せずにはおかない。全く同様に、援助物資には「ロシアから愛を込めて」というラベルが貼られている皮肉を見逃すこともない。

  否定できないのは、言葉よりも行動の方が大きいということだ。EU外から支援を受けている国の人々は、その支援に永遠に感謝するだろう。その支援は目に見える。医療専門家の集団であり、複数の大型機で運ばれた何箱もの支援物資である。それは家族や友人の命を救い、最も必要とされる最前線での支援を提供する。

  イタリア北部トリノ近郊のベルドゥーノでは、20年前から建設中で、まだ完成していない病院が、来週、コロナウイルス病院としてオープンし、最初の60人のコロナウイルス被害者を受け入れることになった。

  一方、イタリア政府は、中国が24時間体制で7000人の建設業者を使い、わずか10日で1000床の病院を建設したことをよく知っているだろうし、ロシアも同じような野心を持って、モスクワ郊外にウイルス病院を1ヶ月以内に完成させようとしていることをよく知っているだろう。

  人々がしっかり目を開けて見る必要があるのは、このようなきちんとした形をとった行動だ。それが、絶望から自信を、不幸から希望を生み出す。

  自信と希望。何百万人ものヨーロッパ人が 恐怖に震え上がって家に閉じこもり、孤立している。自発的あるいは強制的に。こんな時にどうしようもなく不足しているのがこの自信と希望だ。

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