サッカーコラム J3 Plus+　

徳島ヴォルティス vs 愛媛FC (鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)

→　8勝12敗4分けで13位の徳島と6勝6敗11分けで12位の愛媛FCの「四国ダービー」は2対0でホームの徳島が勝利した。前半11分にMF広瀬陸のCKからトリックプレーでフリーになったMFカルリーニョスが得意の左足で鮮やかに決めて徳島が先制に成功すると後半11分にはMFカルリーニョスのミドルシュートのこぼれ球をFW渡が押し込んで貴重な追加点を奪った。愛媛FCも少なくない数の決定機を作ったがこの日はゴール前での精度を欠いた。勝った徳島は2試合ぶりの勝利で、愛媛FCは5試合ぶりの敗戦となった。

「四国ダービー」の第2ラウンドはホームの徳島が勝利した。ニンジニアスタジアムで行われた18節の試合も2対0で徳島が勝利しているのでダブル達成となった。1戦目は6月12日(日)に行われているのでインターバルは1か月半ほどしかなかったが今回も徳島が勝利した。堅い試合にはならなくてともにチャンスシーンの多い白熱した展開になったが2ゴールに絡んだMFカルリーニョスの活躍もあって徳島が勝ち点「3」を手にした。前半11分の先制ゴールの場面はうまく相手のマーカーを外してゴール前でフリーになった。

この場面はMF三原向がマークについていたが完全に離されてしまった。フェイントに騙されてゴール方向にポジションを取ろうとしたが後ろ方向に戻ってMFカルリーニョスはフリーになった。キッカーを任されたMF広瀬陸のグラウンダーでのパスも丁寧だった。2点目のゴールを決めのはFW渡だったが、後半に3連続で決定機を得た。1本目のシュートは左足で大きく外してしまったが2本目のチャンスを確実にゴールに結びつけた。最近はFW佐藤晃もまずまず結果を残しているので徳島のフォワード陣はかなり層が厚い。

敗れた愛媛FCはライバルの徳島に勝利できると5試合負けなし。勢いに乗れそうな雰囲気になったと思うがダービーでの敗戦は精神的なショックも大きい。開始早々のMF安田晃のシュート、前半38分ののFW西田のヘディングシュート、後半7分のMF河原のヒールでのシュートなど「決まってもおかしくない。」という場面はいくつもあった。攻撃の形は作れるようになってきたのでFW西田、MF河原、MF瀬沼といった役者がきっちりと仕事をしなければいけない。特にエースのMF河原の復活は浮上のためには不可欠である。

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町田ゼルビア vs 水戸ホーリーホック (町田市立陸上競技場)

→　11勝7敗6分けで6位の町田と6勝9敗8分けで16位の水戸の試合は壮絶な試合になったが後半4分にCKから失点して0対3と3点ビハインドになった水戸が途中出場したMF佐藤和弘の大活躍で3対3のドローに持ち込んだ。3点ビハインドの水戸は後半11分にMF佐藤和弘のゴールで1点を返すと後半33分にはMF佐藤和弘のCKからDF福井が決めて1点差に迫る。さらに後半45分にはまたしてもMF佐藤和弘のミドルシュートが決まって土壇場で3対3の同点に追いついた。MF佐藤和弘は2ゴール1アシストの大活躍だった。

試合は稀に見る激闘となった。「両チームとも3ゴール以上」という試合もかなり珍しいが3点差をつけられたチームが3ゴールを奪って3対3のドローに持ち込むというのも相当に珍しい。町田は手堅いサッカーをするチームなので先制ゴールを奪ったときの勝率が非常に高い。町田のスタイルを考えると0対1でもかなり苦しい状況と言えたが、まさかまさかで0対3から水戸が3ゴールを奪って同点に追いついた。下位の水戸にとっては価値あるドローであり、昇格争いに参加している町田にとっては痛恨のドローと言える。

水戸は攻撃の中心でありチーム内得点王のFW三島康が松本山雅に電撃移籍することになった。7月13日(水)に正式なオファーが届いて熟考した末に松本山雅への移籍を決断したという。この日がFW三島康のラストゲームだった。試合後にはアウェイの地まで大挙押し寄せた水戸のサポーターに挨拶を行って感極まるシーンもあったが点を奪うという仕事をしているだけの選手ではなくてロングボールの割合の高い水戸の攻撃の起点になっているのでダメージは大きい。「エグイ引き抜き」と言えるのは間違いないところである。

松本山雅に移籍したFW三島康の代役は新潟から加入したFW平松、岡山が加入するFW久保裕の2人となる。ともにサイズがあって動ける選手であるが、当然のことながら、FW三島康ほど空中戦に強いわけではない。スタイルの練り直しも必要になってくるのでしばらくの間は攻撃の形が作れずに苦しむ可能性がある。そう考えるとFW三島康のラストゲームで勝ち点「1」を積み上げることが出来たのはかなり大きい。FW平松もFW久保裕も今シーズンはほとんど活躍の場が与えられなかったが大きなチャンスと言える。


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◆　まとめ

　#1423 【J2】 全11試合のレビュー (第25節) (後編) (2016/7/31)

→　7月24日(日)と25日(月)に行われたJ2の第25節の全11試合のレビューの(後編)です。水戸と町田の試合は3点ビハインドとなった水戸が3ゴールを奪って3対3のドローに持ち込みました。エースのFW三島康のラストゲームでしたが何とも劇的な試合になりました。水戸は途中出場したMF佐藤和弘が2ゴール1アシストの大活躍を見せました。追いつかれた町田にとってはショックの大きいドローになりました。


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