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#1308 むしろ、女子サッカーはここからが本番である。 (2016/3/9) | | |　

■　なでしこジャパンはリオ行きを逃す・・・。

今年の夏に行われるリオ五輪のサッカー女子のアジア最終予選は大阪市内で開催されているが豪州と中国に敗れるなど開幕3試合で0勝2敗1分けと大きく躓いたなでしこジャパン。3月7日(月)に行われた4戦目のベトナム戦の前に行われた中国 vs 韓国の試合で中国が1対0で勝利して3勝1分けの勝ち点「10」に到達したため、「2位以内」の可能性が完全に消滅。リオ五輪の本大会出場を逃した。なでしこジャパンは2004年のアテネ五輪から3大会連続で五輪の本大会に出場していたが4大会連続出場はならなかった。

女子の日本代表チームが2000年のシドニー五輪の出場権を逃したときは世間一般の不況の影響(バブル経済の崩壊)もあって、その後、クラブ経営から撤退する企業が続出した。L・リーグ自体が存続の危機を迎えたが、いわゆる、マイナースポーツ(マイナー競技)において「五輪の出場権を獲得できるか否か」は相当に大きな意味を持つ。致命傷になりかねない一大事である。(男子サッカーの場合でもW杯出場を逃したら相当に大きなダメージを受けるはず。マイナースポーツ(マイナー競技)に限った話ではないのかもしれない。)

シドニー五輪の出場を逃したことがきっかけになって女子サッカーにとっての「冬の時代」を迎えたが、2002年の日韓W杯の後、日本サッカー協会が女子サッカーを全面的にバックアップすることを宣言して(女子サッカーにしては)多額のお金を費やしたことが引き金になって2004年のアテネ五輪出場、2008年の北京五輪での躍進、2011年のドイツW杯制覇、2012年のロンドン五輪での銀メダル獲得、2015年のカナダW杯の準優勝につながったが、リオ行きを逃したことで厳しい時代に再突入するのは避けられない。

2011年のドイツW杯での優勝によって突如としてなでしこジャパンに注目が集まるようになった。これほど代表チームの主力選手の名前と顔が広く一般に知れ渡っているのは日本では「男子サッカー」と「女子サッカー」と「女子バレー」くらいである。「筒香？秋山？菅野？嶋？松田？」と言われてしまう野球の日本代表よりも認知度や注目度は高いと言えたが、それ故、なでしこジャパンのことを快く思っていなかった人も少なくない。「何で女子サッカーばかりが注目されるのか？」とやっかむ人は少なくなかった。

これまではなでしこジャパンが五輪やW杯の本大会で文句なしの成績を残していたため、おとなしくせざる得なかった人たちが大きな声を挙げてなでしこジャパンを批判し始めるのは確実。今後はそういう人たちと戦っていく必要がある。救いは4年後に自国開催の東京五輪があること。女子サッカーに限らず、どの競技の選手にも普段以上の注目とお金が集まると思うが、出場が決まっている大会が4年後に控えているのは不幸中の幸いだった。『メディアから全く相手にされなくなる。』という事態に陥ることはあり得ない。

結果が出なかった以上、世間一般から批判されるのは仕方がない。特に今大会のなでしこジャパンのように「本来の力を出し切れたとは言い難い試合ばかりだった。」となるとなおさらである。正当な批判は甘んじて受け入れるしかないが、観ていて気の毒に感じるのは「女子サッカーの未来」を背負って戦い続けている点。当然、ほとんど全ての競技の選手が同じような気持ちで日の丸を背負って戦っていると思うが一番身近な男子の五輪代表と比べても「負けられない。」というプレッシャーは段違いだったと思う。

もちろん、「使命感」とも言えるプレッシャーがプラスの方向に作用するときもあるとは思うが、大抵の場合は、マイナスに作用すると思う。女子サッカーの場合、2000年のシドニー五輪の出場権を逃したことで「危機的な状況」を迎えたが、そういう経験をしている選手がいる分、余計にプレッシャーはかかる。「負けたらどうなるのか？」、「五輪の出場権を逃したらどうなるのか？」は先輩たちから繰り返し聞いていたと思う。自分や家族のことだけでなく「その競技の未来」を背負って戦うというのは大変なことである。

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◆　まとめ

　#1308 むしろ、女子サッカーはここからが本番である。 (2016/3/9)

　・なでしこジャパンはリオ行きを逃す・・・。
　・余分なプレッシャーを背負って戦い続けたなでしこジャパン
　・後任監督は高倉監督が最有力か？

→　大阪で行われたリオ五輪の女子サッカーのアジア最終予選は4節が終了しましたが、1勝2敗1分けのなでしこジャパンは2位以内の可能性が消滅。リオ行きを逃しました。今後、「冬の時代」に突入することも十分に考えられますが、大きなプレッシャーを背負い続けて、かつ、ここまでは十分すぎるほどの結果を残してきたなでしこジャパンの選手たちには敬意を表したいと思います。

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