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#1247 【J1】 2015年シーズンの最優秀監督賞(1位から5位まで)を考える。 (2015/12/21) | | |　

5位：長谷川健太監督 (ガンバ大阪)

→　昨シーズンは史上2チーム目となる三冠を達成した。最高のシーズンとなった2014年と比べると見劣りするのは確かだが、それでもリーグ戦は3位でチャンピオンシップに進出。準決勝では浦和を相手に下剋上を達成した。ナビスコカップは決勝で鹿島に0対3で完敗したものの準優勝に輝いて、天皇杯もベスト8に残っていて、さらにはACLはアジア制覇を達成した2008年以来となるベスト4に進出した。Jリーグ史を振り返ってみても全てのコンペティションでこれほどの好成績を残したクラブを探すのは大変である。

2014年に三冠を達成したことで長谷川監督に対する評価は揺るぎないものになった。「FWパトリックに頼りすぎている。」、「FW宇佐美に頼りすぎている。」と言われた時期もあったが、武器となる選手の能力を最大限に生かそうとするのはむしろ当たり前のことである。J1の中では選手層の厚いクラブではあるが、J1のリーグ戦とACLの日程が重なった時期も成績が大きく落ち込むことはなかった。DFオ・ジェソク、DF金正也、MF明神、MF井手口、MF二川、FW長沢駿あたりを上手に起用して乗り切った印象が強い。

シーズン途中にシステム変更を断行したことは驚きだった。「4-2-2-2」から「4-2-3-1」に変更してFWパトリックの1トップで、FW宇佐美は左サイドハーフに入るケースが多くなった。これによってFW宇佐美のゴールペースが落ちてしまったのは確かであるが、トップ下で起用されたMF倉田は躍動。総合力は落ちなかった。欧州リーグに移籍すると(フォワードではなくて)サイドハーフでの起用が多くなりそうなFW宇佐美にとってもいいトレーニングになったと思う。先を見据えた変更だったのでは？という気もする。

4位：フィッカデンティ監督 (FC東京)

→　クラブ史上最高となる4位に入ったFC東京。最終節を前にした時点では3位とチャンピオンシップ圏内に位置していたので最終節の鳥栖戦(H)のドローは悔やまれるが、1試合平均の観客動員数もチーム史上最多。いいシーズンになったのは確かである。夏に日本代表のFW武藤嘉が抜けた一方で、代わりに加入したFWネイサン・バーンズとFWサンダサが今一つ。夏の補強が上手くいかなかったところもあるが、FW前田遼が復調したことは大きかった。結果的にはFW武藤嘉の穴をそれほど感じずに済んだ。

元日本代表のザッケローニ監督は「イタリア人にしては珍しいほど攻撃的なサッカーを好むタイプ」だったが、フィッカデンティ監督は典型的なイタリア人監督である。とにかく試合中にシステムを変更するのが好きな監督で、ちょっとでも不都合が生じるとすぐに配置変更を行う。MF高橋秀やMF羽生などピッチ上でリーダーシップを取れる選手に助けられたところもあるが、「これぞイタリア人監督」と言えた。戦いぶりには賛否両論あったが、監督としては異質な存在でJリーグに彩を加えていた監督だったのは確かである。

東京という世界的に見ても娯楽の多い街をホームタウンにしているクラブなのでお客さんを集めるのは大変である。「娯楽の多い街のクラブだからこそ、(勝つだけではなくて)魅力的なサッカーをしなければならない。」という見方もできるが、「娯楽が多い街のクラブだからこそ、勝たないとお客さんが来てくれない。」という見方もできる。どちらも間違っていないと思うが、今シーズンに関しては結果を残して最後の最後まで優勝争いに絡んだことで観客動員数が大幅に増えた。フィッカデンティ監督の功績の1つである。

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◆　まとめ

　#1247 【J1】 2015年シーズンの最優秀監督賞(1位から5位まで)を考える。 (2015/12/21)

→　2015年のJ1の最優秀監督賞(1位から5位まで)を選出してみました。1stステージを無敗で制したペトロヴィッチ監督(浦和)、2ndステージの序盤でバトンを引き継いでナビスコカップを制覇した石井監督(鹿島)あたりの采配や仕事ぶりも見事でしたが、1位から5位までには入れませんでした。「優勝監督=最優秀監督」というわけではありませんが今年に関しては森保監督(広島)を1位に選ぶのがベストと言えます。

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