■ 第15節J2の第15節。6勝1敗1分けで首位のジェフ千葉がアウェーでザスパ草津と対戦。草津は4勝4敗でイーブンの成績。このカードは、昨シーズンは36節で対戦したが、草津が2対0で勝利。これで千葉はJ1昇格の可能性がなくなってアビスパ福岡のJ1昇格が決定した。
ホームの草津は「4-2-2-2」。GK北。DF古林、御厨、中村、永田。MF松下、櫻田、アレックス、熊林。FWラフィーニャ、萬代。MF後藤がベンチスタートでFW萬代が4試合ぶりのスタメン。FWラフィーニャ、MFアレックスはここまで4ゴールを挙げている。
対するアウェーの千葉は「4-2-3-1」。GK岡本。DF山口慶、竹内、ファン・ゲッセル、青木良。MF佐藤勇、伊藤、マット・ラム、米倉、深井。FWオーロイ。DFミリガンはオーストラリア代表に招集されたため欠場。DFファン・ゲッセルがセンターバックでスタメン。MFマット・ラムは6試合ぶりのスタメン。DF竹内は3試合連続ゴール中。DF竹内、MF深井が4ゴールを挙げている。
■ MFアレックスが先制ゴール試合の序盤は千葉ペース。FWオーロイを起点に効果的な攻撃を見せて攻め込む。ゴールに近づいたのは、やはりセットプレーで、DF竹内のヘディングシュートがクロスバーをたたくなど、惜しいチャンスを作っていく。押され気味の草津も、GK北を中心に対抗。劣勢とはいえ、悪くない内容で前半を折り返す。
後半開始から、千葉はMFマット・ラムに代えてMF太田圭を投入。しかし、先制したのは草津で、後半5分にFWラフィーニャが左サイドを突破して左足でクロスを入れると、フリーになっていたMFアレックスが豪快なヘディングシュートを決めて先制する。MFアレックスは今シーズン4ゴール目。
ビハインドとなった千葉は、後半19分に途中出場のMF太田圭を下げて、FW久保を投入。2トップ気味の布陣に変更して反撃体制になるが、逆に草津が後半35分にカウンターからビッグチャンスを作る。MF熊林のパスからいい形で左サイドバックのDF永田が攻撃に参加して左足でクロス。これをFWラフィーニャが落ち着いたコントロールから冷静に決めて2点目を挙げる。FWラフィーニャも今シーズン4ゴール目。
勢いに乗る草津は後半45分にも、左サイドでボールを持ったMF櫻田のスルーパスからFW萬代が裏に抜け出すと、FW萬代がGKもかわして無人のゴールに流し込んでダメ押しの3点目を挙げる。FW萬代は今シーズン2ゴール目。
その後、千葉が相手のハンドからPKを獲得し、MF深井のゴールで1点を返すが、反撃はそこまで。3対1で草津が勝利し、今シーズン5勝目を飾った。一方の千葉は、今シーズン2敗目となったが、ライバルクラブも勝ち点を伸ばせなかったため、首位はキープした。
■ ザスパが完勝千葉の出来もよかったので、草津は攻め込まれる時間帯も長かったが、GK北、DF御厨、DF中村が、うまくFWオーロイに対応し、ビッグチャンスは作らせなかった。16:00キックオフの試合で、暑さとの戦いにもなったが、最後まで
運動量も落ちず、草津としては、非常にいい内容の試合で勝利を飾った。
ゴールが決まった時間も効果的で、前半はチャンスは少なかったが、後半開始5分でFWラフィーニャの個人技からMFアレックスが決めて先制すると、前掛かりになった千葉のDFラインの裏を突いてカウンターから2ゴール。理想的な展開で首位の千葉を攻略した。
これで、ここ4試合で3勝1敗。今シーズン5勝目で暫定で7位に浮上したが、FC東京、千葉と昇格候補をホームで撃破しており、序盤戦の「台風の目」的な存在になっている。
■ 好調を支える両サイドバック草津は、昨シーズンの終盤も好調だったが、そのいい流れをうまく受け継いでいる。中心選手は大きく変わっていないが、オフに、サイドバックに湘南からDF古林、浦和からDF永田を獲得したのも大きく、若いサイドバックがチームに勢いをもたらしている。
浦和から獲得したDF永田は、2点目のFWラフィーニャのゴールをアシスト。守備では、MFマット・ラム、MF太田圭に対峙したが、ほとんどやられるシーンはなく、質の高いプレーを見せた。
一方、右サイドバックのDF古林は、マッチアップしたMF深井のドリブルに苦労して、翻弄されるシーンも多かったが、持ち味の攻撃力を見せて、サイド攻撃を活性化させた。ともに、基本技術が高いので、落ち着いてボールが持てるのも魅力で、最終ラインのビルドアップも安定するようになった。
■ FW萬代がダメ押しゴール1ゴール1アシストのFWラフィーニャ、先制ゴールのMFアレックスも光ったが、この日は、FW萬代が試合を通して、質の高いプレーを見せた。FW萬代は、1節、8節、9節、10節、11節と開幕から5試合連続でスタメンで起用されたが、FWラフィーニャら、ブラジル人とのコンビネーションが合わず、しばらくスタメンから外されていたが、久々のスタメンで存在感を示した。
DFラインの裏に飛び出して決めた3点目のゴールも見事だったが、それ以上に「豊富な運動量」と「的確なポストプレー」でチームに貢献する姿が目に付いた。
FW萬代というと、仙台時代からソフトなタイプで、ハードワークは苦手にしていたので、そのよくないイメージを払しょくするようなプレーぶりだった。草津には、FWラフィーニャ、MFアレックスと点の獲れる選手はいるので、FW萬代がこの日のような献身的なプレーで貢献してくれると、チームとしては有り難い。
■ FWオーロイ ゴールなし一方の千葉は、悪くはなかったが、草津の鋭いカウンターに屈して1対3で敗戦。今シーズン2敗目となった。熊本先戦、大分戦と比べると、攻撃もスムーズで、リズムも悪くはなかったが、最後のところで攻めきれないシーンが目についた。
気になるのはFWオーロイであり、しばらくゴールから遠ざかっている。再開初戦となった8節のFC東京では2ゴールを決めたが、その後はゴールなし。怪我もあったが、シュートもあまり打てておらず、ここ5試合ではシュート5本だけ。おとり役としては機能しているが、決定的なシュートは打てておらず、ゴールの予感も小さくなっている。
FWオーロイが不発でも、MF米倉、MF深井、MF太田圭らがゴールに絡めていれば大きな問題ではないが、この日のようにMF米倉も消えてしまうと、ゴール前に迫力が出ない。暑い中での試合が続いており、コンディション調整の難しい時期に入っているが、FWオーロイがゴールに絡んでこないと、チームも乗っていけない。不安材料の1つといえる。
■ DFファン・ゲッセルのCB起用千葉は、DFミリガンが不在のため、誰をセンターバックに入れてくるかと思ったが、DFファン・ゲッセルをセンターバックで起用してきた。ベンチにはDF福元がいて、さらにはDF青木良もセンターバックでプレーできるので、意外な選択だったが、DFファン・ゲッセルは、スピードへの対応に苦しんで、成功したとは言い難い。
ボランチのMFファン・ゲッセルがDFラインでもプレーできるようになると、戦略の幅は広がるので、考え方としては面白いが、草津はFWラフィーニャ、FWアレックスがいる。DFファン・ゲッセルのCBを試すには、あまり適さないチームだった。
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