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【甲府×新潟】覚醒しつつある24歳のストライカーのFW渡邉新太 | | |　

■　どちらも降格して3年目のシーズン

J2は6月27日(土)にいよいよ再開した。当面は近隣のクラブ同士の対戦になるが山梨中銀スタジアムではヴァンフォーレ甲府とアルビレックス新潟が対戦した。このカードは「川中島ダービー」と呼ばれている。どちらもJ2に降格して3年目となる。過去2年間はいずれもJ1昇格に失敗している。開幕戦は甲府はアウェイで町田とドロー、新潟はアウェイで群馬に3対0で大勝して徳島と並んで首位発進となった。

ホームの甲府は「4-2-3-1」。GK河田。DF小柳、DF今津、DF新井涼、DF内田健。MF野澤、MF山田陸、MF松田力、MF泉澤、MFドゥドゥ。FWジュニオール・バホス。甲府に戻ってきた195センチのFWハーフナー・マイクはベンチスタート。FW金園もベンチスタートになった。新潟U-18出身のMF泉澤はトップ下でスタメン出場。ボランチのMF山田陸は大宮ユース出身で高卒4年目。伊藤彰監督の秘蔵っ子になる。

対するアウェイの新潟は「3-1-4-2」。GK藤田和。DFマウロ、DFゴンサロ・ゴンザレス、DF田上。MF秋山裕、MF新井直、MF堀米悠、MFロメロ・フランク、MF高木善。FWファビオ、FW渡邉新。ボランチが本職となるDFゴンサロ・ゴンザレスが後方でプレーしたので3バックに近い布陣でスタートした。開幕戦では途中出場でゴールを決めたFWファビオがスタメン出場。大卒3年目のFW渡邉新と2トップを形成した。

■　激闘となった試合は3対3のドロー

上位候補同士の直接対決だったが乱戦になった。前半19分にFWファビオの丁寧なパスを受けたFW渡邉新がコース隅にシュートを決めてアウェイの新潟が先制に成功する。序盤は防戦一方の展開になった甲府だったが前半33分に左SHにポジションを移したMF泉澤のクロスからFWドゥドゥがヘディングシュートを決めて1対1の同点に追いつくと直後の前半34分にもFWドゥドゥが決めてあっという間に逆転に成功する。

先制された後、甲府はポジション変更を実施。トップ下のMF泉澤を左SHに移して、左SHだったFWドゥドゥを2トップの一角に変更したがものの見事に当たった。逆転された新潟だったが前半46分にボランチのMF秋山裕の対角線のミドルパスをFW渡邉新がダイレクトで合わせて2対2の同点に追いついた。FWドゥドゥとFW渡邉新はともに前半で2ゴールの活躍だった。FW渡邉新は早くも今シーズン3ゴール目となった。

2対2で迎えた後半36分に途中出場したMF本間至が鮮やかなルーレットから右サイドにパスを出すとMFシルビーニョがボレーで合わせて新潟が3対2と逆転に成功する。しかしながら、後半49分にDF内田健のロングスローから途中出場したMF太田修が押し込んで土壇場で3対3の同点に追いついた。大卒3年目のMF太田修は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。打ち合いになった試合は痛み分けのドローに終わった。

■　2試合で3ゴールとなったFW渡邉新太

再開したJリーグはJ2もJ3もたくさんのゴールが生まれた試合が多かったが「川中島ダービー」も激闘になった。「新潟が先制して甲府が逆転して新潟が再逆転して甲府が追いつく。」という試合展開だったのでどちらにも勝てるチャンスはあった。双方にとって勿体ない試合になったが内容を考えると「ドロー」というのは妥当な結果と言える。これで新潟は1勝1分け、甲府は2引き分けとなった。どちらもまだ負けはない。

新潟は2試合連続で3ゴールを奪っている。得点力不足というのは近年の新潟の慢性的な課題だったが「個の力を持った選手」が一気に増えたことで「どこからでも点が取れるチーム」になりつつある。外国人選手をうまく活用できていないチームが目立つが新潟は外国人選手がしっかりと定位置を確保しており。192センチの大型ストライカーのFWファビオは2試合で1ゴール1アシスト。フォワードの軸になりつつある。

FW渡邉新も2試合で3ゴール1アシスト。十分すぎるほどの結果を残している。昨シーズンまでは左SHでプレーする機会も多かったがストライカーの気質を持った選手なので「2列目よりもフォワードの方がベター」と言える。フォワード起用は大成功と言える。交代枠が増えた関係で途中出場した選手がゴールに絡む機会が非常に多くなっているが新潟も途中出場したMFシルビーニョとMF本間至がゴールに絡んだ。

勝利にはつながらなかったがMF本間至のアシストは鮮やかだった。2試合ともベンチスタートになっているが「短い時間で決定的な仕事が出来る選手」なのでスーパーサブとしての適正は高い。超・過密日程になる今シーズンは「強力なジョーカーを持っているか？どうか？」は相当に重要である。本人はスタメンでのプレーを望むと思うがMF本間至のような選手をベンチに置くことが出来るのも今年の新潟の強みになる。

■　復帰戦となるFWハーフナー・マイクは不発

甲府は開幕戦に続いてドロー。2試合を終えて勝ち点「2」となった。いい形を作れずに先制ゴールを許す難しい展開になったが、先のとおり、ポジションならびにシステムを変更したことが同点ゴールと逆転ゴールにつながった。前半33分に生まれたFWドゥドゥの同点ゴールで試合の流れは一気に変わったがMF泉澤はやはりサイドでプレーした方が生きる選手である。トップ下での起用はあまり効果的ではない。

後半49分に殊勲の同点弾を決めたのは大卒3年目のMF太田修だった。FWハーフナー・マイクとFW金園が投入されて2人に相手のマークが集中する中、流れてきたボールを胸で合わせた。ゴールまで少し距離があったので「胸で押し込むのは難しい。」と思えたがうまく胸で押し込んだ。足や頭以外の部分でゴールに流し込むプレーは元・ブラジル代表のMFライーが巧みだったがMFライーを彷彿とさせるゴールだった。

注目のFWハーフナー・マイクは後半17分に登場した。甲府でゴールを量産して日本代表入りならびに欧州移籍を果たした選手なのでサポーターから愛された選手になるが見せ場はほとんどなかった。2019年の秋以降に神がかり的な活躍を見せたFW金園がいて、元・大宮のFWラファエルがいて、FC岐阜から戻ってきたFWジュニオール・バホスもコンディションは良さそう。早い段階で結果を残したいところである。

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