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【J2】「選手層が厚い。」と言えるクラブはどこだろうか？ (前編) | | |　

■　26週間で何と41試合！！！

再開後のJリーグの日程が6月15日(月)に発表されたが予想されたとおりで超・過密日程になる。約半年で残りの試合を消化しないといけないので当たり前と言えば当たり前の話になるが平日開催の試合がたくさんある。カウントするとJ1のクラブは8試合、J2のクラブは15試合、J3のクラブは6試合が平日開催になる。特に大変なのはJ2のクラブである。平日開催が15試合もある。26週間で41試合をこなさないといけない。

「今、考えるとあり得ないほど過酷だった。」と言われることが多いのは創設3年目の1995年シーズンになる。当時は14チーム制。4回戦総当たり方式だったので各クラブは年間で52試合を戦った。約9か月で52試合をこなしているが1か月あたりの試合数はこのときが5.78試合で、今シーズンのJ2は6.83試合になる。さすがに(当時のJリーグで行われていた)延長戦やPK戦は実施されないが過酷さは過去最高レベルである。

アウェイ戦のときの移動も何かと気を使う必要があるのでJ2のクラブにとって今シーズンは極めてタフな1年になる。その分、たくさんの選手がリーグ戦で出場機会を得ることが出来るので「予期せぬ選手のブレイク」がたくさん発生すると思うが、当然のことながら、「選手層が厚いクラブ」や「保有する選手の数が多いクラブ」や「若い選手が多いクラブ」や「交通の便に優れた地域で活動するクラブ」は有利である。

J1のクラブの中で「選手層が厚い。」と言えるのは横浜FM・FC東京・鹿島・川崎F・C大阪・広島あたりになるが、J2のクラブの中で「選手層が厚い。」と言えるのは磐田・大宮・福岡・京都・千葉・徳島・長崎・新潟あたりになる。このあたりのクラブは開幕前から「上位候補」や「昇格候補」に挙げられていたが「選手の厚さが何よりも大事になってくる今シーズンのJ2で好成績を残す確率は高まった。」と言える。

■　本命視されるのはジュビロ磐田

開幕前に本命視されたのは磐田で、2番手評価を受けたのは大宮だった。その差はほとんどなかったが磐田の選手層はJ2屈指である。6月13日(土)に行われたトレーニングマッチ(vs 沼津)のときは高卒1年目のFW三木直や大型ボランチのMF伊藤洋などがスタメンで起用されたがフベロ監督が積極的に若手を使うタイプの監督なので戦力の底上げが出来ている。中盤から前目のポジションは平均年齢が非常に低い。

「現時点で控えと目される選手」の名前を挙げるとDF櫻内、DFフォルリン、DF舩木翔、MFルリーニャ、F大森、FW中野誠など。経験豊富なMF今野、MF山田大、DF大井なども控えているので選手層は厚い。もちろん、J1の横浜FM・FC東京・鹿島・川崎F・C大阪・広島などと比較すると劣るが、やはり、J2の中では屈指の選手層を誇る。怪我に苦しんでいるMF今野やMFムサエフなどが復活するようだとさらに厚みは増す。

唯一の不安はCFになる。FWルキアンとFW小川航の2トップはJ2屈指と言えたが超・過密日程になるので休ませながら起用しないといけない。怪我明けのFW中野誠、高卒ルーキーのFW三木直、成立学園高出身で18歳のFW吉長などがフォワードの控えになるがFWルキアンとFW小川航の2トップとの差は大きい。他のポジションは控え選手を起用しても大きく落ちないがフォワードのみ落差は大きいと考えられる。

同じく優勝候補に挙げられる大宮も選手層は厚いが「GKフィリップ・クリャイッチとDFマクシメンコとFWネルミン・ハスキッチの3人次第」と言える。開幕戦はFWネルミン・ハスキッチがスタメン出場。DFマクシメンコはベンチスタートで、GKフィリップ・クリャイッチはベンチ外だった。FWネルミン・ハスキッチに見せ場はほぼなかったので期待値の高かった3人の代表経験者は開幕戦ではほぼ貢献できなかった。

■　J1復帰を目指すアビスパ福岡とジェフ千葉

3人の外国人選手が評判通りの力を発揮できると大宮のJ1復帰の可能性は一気に高まるが磐田と同様でCFの層があまり厚くない点が大宮の不安要素になる。FWネルミン・ハスキッチの控えはFW戸島とFW富山になるが他のポジションと比べると見劣りする。もともとFWネルミン・ハスキッチにかかる負担は大きかったが「3人を中心としたフォワード陣」で超・過密日程を乗り切るのはかなり難しいと考えられる。

ただ、資金力のあるクラブなので、ほぼ間違いなく、夏の移籍市場でフォワードの補強に動くだろう。過去を振り返ってみても大宮というクラブは夏の移籍市場でいい選手を獲得するケースが多い。J2屈指の資金力を持っているので効果的な補強を行って弱点をカバーすることが期待される。フォワード以外はほぼ全てのポジションに優秀な控え選手を擁しているので選手のやり繰りで苦労する可能性はあまり高くない。

福岡と千葉はどちらも昨シーズンは下位に低迷した。しかしながら、オフの補強ならびに監督選びに成功して前評判は高かった。ともに久しぶりのJ1復帰を目指すシーズンになるが選手層は厚い。J2の中では資金力のある両クラブなので「悲願のJ1復帰」を果たす可能性はコロナ前と比較すると少し高まったと言える。福岡はMF鈴木惇、MF城後、DF篠原、MF菊池大、FW森本など経験豊富な選手が控えに回ると考えられる。

千葉はCBに不安を抱えているが選手層は厚い。CB以外の全てのポジションに優秀な控え選手を揃えており、「完全ターンオーバーを採用した場合でも戦力はほとんど落ちない。」と考えられる。FW山下敬、FW佐藤寿、MF為田、MF田坂、MF小島秀、DF増嶋、DF下平、GK佐藤優などが控えに回ると思われるが頼もしい話である。ベテランが多めなのは気になるが実績十分のFW川又を獲得できたのは効いてくるだろう。

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