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【日本代表】批判されるべきTBSのサッカー中継 (vs エルサルバドル) | | |　

■　FW永井謙が2ゴールの活躍

ひとめぼれスタジアム宮城で行われた日本とエルサルバドルの試合は4年ぶりの代表戦となったFW永井謙(FC東京)が代表初ゴールを含む2ゴールを挙げる大活躍を見せて2対0で日本が勝利した。ロンドン五輪で活躍してフル代表での活躍が期待されながらもなかなか招集されずにキャップ数はわずか「6」だったFW永井謙にとっては忘れられない試合になっただろう。1トップの位置で起用されて鮮烈な活躍を見せた。

森保監督は2試合連続で3バックを採用したが前の試合との大きな違いは左右のWBにドリブラーを起用した点になる。トリニダード・トバゴ戦は右にMF酒井宏、左にMF長友を起用。5バックに近い布陣になったが今回は右にMF伊東純、左にMF原口を起用。2列目を本職とするアタッカー系の選手を配置したことで攻撃的な布陣になった。右のMF伊東純、左のMF原口の仕掛けはこの試合では大きな武器になった。

終わってみると2試合ともクリーンシート達成。DF昌子を中心とした3バックは守備に関しては及第点と言える。コパ・アメリカのメンバーのほとんどは五輪世代の選手になるので、おそらく、コパ・アメリカでも3バックを採用するだろう。トリニダード・トバゴやエルサルバドルと比べるとはるかに攻撃力の高いチリやウルグアイを相手にどこまで五輪世代中心の3バックが耐えられるのか？は大きな注目点になる。

■　スポットライトが当たったのはMF久保建

見どころの多い2連戦になったが最も注目を集めたのはMF久保建だった。17才で岡田JAPANに招集されてデビューを飾った元・清水のDF市川に次いで2番目の若さでの代表出場になったが途中出場ながらインパクトを残した。2列目のポジション争いは熾烈なので今後も継続してフル代表に招集されるのか？否か？は今後の活躍次第と言えるが十分にフル代表でもやっていけるだけのプレーを見せたと言える。

MF久保建がコーチに呼ばれてベンチに戻ってきたあたりから大きな声援が送られるほど異様な雰囲気になった。エルサルバドル戦を中継したTBSがMF久保建にスポットライトを当て過ぎたことは話題になっているが、これだけのスター候補なので、中継をするTV局が注目するのは当然の話である。来場した人ならびに中継を見た人のほとんどはMF久保建に期待をしていたと思うので当然の流れである。

個人的には「スター選手あるいはスター候補にメディアが注目すること」に関しては「当たり前のこと」だと思うので今回のMF久保建に関する伝え方でTBSを批判するつもりはないがこの点よりも気になったのはエルサルバドルという国ならびにエルサルバドルの選手に対するTBSの無関心ぶりである。おそらく、この試合についてはエルサルバドル国内でも同じ映像を用いて生中継されていると思うが極めて雑だった。

■　雑だったTBSの中継

もちろん、エルサルバドルと言われてもなかなかピンとこない人がほとんどだと思う。エルサルバドルがW杯に出場したのは1970年のメキシコW杯と1982年のスペインW杯の2回のみ。ここ最近はずっと予選落ちが続いている。世界的なスター選手もここ最近は登場しておらず、「どのあたりにある国なのか？」を知っている人も多くなかっただろう。日本においてはほとんどなじみのない国であることは間違いない。

「エルサルバドル出身のサッカー選手で知っている選手は誰ですか？」という質問をされたときに草創期の横浜フリューゲルスでプレーした元・エルサルバドル代表のCBのDFチェローナ以外の名前を挙げることが出来る人は相当なサッカーマニアになる。「現役のエルサルバドル代表の選手の名前を聞いてもよく分からない。」というのが普通だと思うがだからと言って無下に扱っていいわけではない。

この試合のエルサルバドルは6人の選手を交代で送り出した。一度に2人の選手を投入することはなかったので計6回の選手交代を行っているがエルサルバドル代表の選手交代に関してTBSは実況も解説もほとんど触れなかった。もちろん、ピッチサイドのリポーターがベンチに下がる選手と投入される選手の名前を紹介した時もあったが「テロップだけ」というケースや「テロップすらなし。」というケースもあった。

「エルサルバドルの選手交代の場面を流すよりも日本の選手のいいシーンやアップをしている選手の様子やベンチに座っている選手の表情を映した方がいい。」という判断の元、相手の選手交代は極めて雑な扱いになったと思うが、ここまで試合中の選手交代が雑に扱われる放送はなかなか見たことがない。(全く同じ映像で)日本国内もしくは本国で試合を観ていたエルサルバドルの人は悲しい気持ちになっただろう。