ウクライナ状況報告:勝利の可能性皆無 - 民主主義皆無 - 権力争いのみ
2024年1月30日
Moon of Alabama
ウクライナから、いくつか興味深い新たな報道がある。
現実主義の立場から戦略と軍事力について書いたスティーブン・ビドル教授は、ウクライナの戦況に注目している。
ロシアはいかにしてウクライナの勢いを止めたか - フォーリン・アフェアーズ、2024年1月29日
深層防御に勝るものなし
要旨。
前世紀の戦闘経験から、攻撃側が突破するのが非常に困難な深く準備した防御を、春の終わりまでに、ロシア軍は採用していた。陸戦で、かつても、今も突破は可能だ。しかし、これは長い間、ウクライナにはない許容条件を必要とする。防衛側、この場合ロシアは、気質が浅薄で、過激で、準備不足で、兵站的に支援されていないか、軍隊にやる気がなく、陣地を守る気がなかった。これは、2022年のキーウ、ハリコフ、ヘルソンのロシア軍に当てはまった。しかし今は違う。
これのウクライナに対する影響は厳しい。攻撃的突破がなければ、陸戦での成功は消耗戦になる。消耗戦でウクライナが有利な結果を得るのは不可能ではないが、非常に長期にわたる戦争になりかねない戦争で、量的に優位な敵を凌駕する戦力が必要だろう。
ビドルはそこから先には進んでいない。
しかし現在のロシアの「積極的防衛」姿勢が前線全体で日々小さな前進をもたらしているのを我々は知っている。
ウクライナ砲撃の損失が減ったのは単に砲撃用弾薬が不足しているためだ。発射できない大砲は主要標的でなくなるのだ。
遠隔操作ドローンが全ての損耗の主要因になっている。最初にウクライナが使用したが、その後ロシアは急速に生産を増強している。一方ウクライナは依然後れをとっている。攻撃するロシア側には大きな損失をもたらすことなく、毎日何百機もの無人機がウクライナ陣地を掃討している。
ニューヨーカー誌で、マーシャ・ゲセスがキーウの政治状況を考察している。
ウクライナの暗黒民主主義 - (アーカイブ) - ニューヨーカー
選挙が延期されロシアとの戦争終結が見えない中、ウォロディミル・ゼレンスキーと政治同盟者は、かつて根絶すると約束した当局のようになっている。塹壕に籠もっているのだ。
ウクライナに民主主義がまだ存在するにせよ、哀れな状態だとゲッセンは指摘している。
3年目の冬の戦争に突入したウクライナの状況は、いまだに腐敗の悪魔と戦っており、いまだ反抗的ながら、目に見えて弱体化し、明らかに疲れている。...一方、ウクライナで、民主主義は大部分停止されている。普通の順序に従えば、ウクライナは3月に大統領選挙を行うはずだ。11月末まで、つまり選挙の日程調整期限の数週間前まで、ゼレンスキーの事務所は選挙実施に前向きに見えたが、最終的には選挙を拒否すると決定した。「選挙は必ず不和を生むから選挙はあってはならない」と元国防相で現在は政府に助言するアンドリー・ザゴロドニュクが私に語った。「我々は団結する必要がある。」
推定400万人から600万人のウクライナ人がロシア占領下で暮らしている。少なくとも400万人がEU諸国に、更に100万人がロシアに、少なくとも50万人がウクライナ以外の国に住んでいる。更に400万人が国内避難民になっている。この数字には、戦争が始まってから成人し有権者登録をしていない人がかなりの数含まれている。「選挙は公開討論だ」と、2022年にノーベル平和賞を受賞したウクライナ市民自由センターのオレクサンドラ・ロマンツォワ事務局長は私に語った。「しかし人口の3分の1は軍とつながっている。更に3分の1が避難を余儀なくされている」と述べた。これほど多くの人々が公の議論から排除されているのに、そもそも選挙とは何を意味するのだろう?..."
ウクライナの全ての権力は大統領府に集中している。
戦争が始まって、ロシアが毎日キーウを爆撃していた時、議会はガラス屋根の建物で会議を開き続けるリスクを考慮しなければならなかった。委員会はそうすることにしたが、過半数が議場に持ち込むのを望んでいる法案にのみ投票し、修正案の議論は制限すると決定した。これにより立法作業の中心は事実上大統領府に移った。他の法案の中でも、議会はゼレンスキーが開戦初日に導入した戒厳令布告を承認し、定期的に更新している。戒厳令は、閣僚が人の出入国を規制し(戦争が始まって以来、60歳未満の男性は出国を禁じられている)、全てのメディア、印刷機、流通企業の業務規制を可能にしている。
ゼレンスキー大統領事務所は、戦争関連のニュースやトークショーを24時間放送する番組「ユナイテッド・ニュース・テレビ・マラソン」を創設し、活気に満ちた多様なテレビ・ニュース市場に取って代わった。この番組は、ウクライナの6つの主要放送局に登場し、いつでも、全ての局が同じものを放送している。ユナイテッド・マラソンは、その名前と裏腹に、明らかに短距離走を前提に設計された。戦争初期の数ヶ月、番組には切迫感、斬新さ、衝撃があった。今やロシアがロケット弾を連射し、全国の民間人を殺害する最悪の日でさえ、人々が多かれ少なかれ同じ場所で同じように殺害される他の全ての恐ろしい日々と同じだ。もはや分析するものはほとんどない。「全てのウクライナ人が同意しているのはマラソンを終わらせる必要があるということだ」とロマンツォワは私に語った。
政府が管理する他のメディアは国際的視聴者を対象にしている。
大統領府をめぐる権力闘争の一例が昨日目撃された。
正午頃、ウクライナの複数の信頼できる政治筋が、ゼレンスキー大統領が最高司令官ザルージニー将軍を解雇する法令に署名したと報じた。数時間後、国防省はザルージニーが解雇されたことを否定した。
得られた情報から、何が起きたのか、ある程度再構築することが可能だ。
ザルージニーは大統領府に入るよう命じられていた。彼は辞表を書くよう要求された。慰めの贈り物として彼は西ヨーロッパのどこかの国で大使の地位を得ることになる。
ザルージニーは要求を拒否し、解雇されるか職にとどまるのを許すかだと主張した。
ゼレンスキーは、ウクライナ情報総局のキリロ・ブダノフ長官を新最高司令官に昇進させる予定だった。
ここで、他の高官や、おそらく米軍も介入したと私は信じている。
ブダノフはそもそもの経歴の始めから特殊部隊の諜報部に所属していた。一つの集団より大きなものを彼が指揮したことは一度もない。小隊でもなく、中隊でもなく、大隊でもなく、旅団でもなく、師団でもなく、軍団でもない。陸軍、空軍、海軍を含む全てのウクライナ軍司令官であるはずの実際の部隊編成を率いた経験がまったくない人物が、どうしてできるだろう?
それは不可能だ。
ブダノフはゼレンスキーにいくらか忠誠を誓っているようだ(本当はそうではないに違いないが)。彼はハンサムで、カメラ写りが良い。彼は滑らかに話す。彼はまた、創造的で才能あるテロリストでもある。しかし、彼の実際の軍事作戦は、ベルゴグラードへの地上攻撃のように、ほとんどが平凡な失敗だった。
ペンタゴンやホワイト・ハウスでさえ、キーウに電話し、ゼレンスキーがそのようなたわごとを実行するのを止めたかもしれないと私は確信している。
当面ザルージニーは、その地位にとどまるだろう。
しかし、この事件は、ゼレンスキーと彼の仲間に対する軍の見方を弱めることになろう。キーウでの軍事クーデターが、たった一日で、突如遥かに可能になったのだ。軍事状況が悪化すればするほど、それが最終的に起きる可能性は高くなる。
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The Duran
Absence of US Strategy, Middle East & Ukraine - John Mearsheimer, Alexander Mercouris & Glenn Diesen 1:33:22
大本営広報部大政翼賛会呆導番組、見ていないので知らないが、下記裁判の結果を伝えたのだろうか?
結果は彼だけでなく、彼を押し上げた大本営広報部の敗北だろう。
Moview IWJ
Yahooニュース
【速報】橋下氏が敗訴 「れいわ」大石議員と「日刊ゲンダイ」を訴えた裁判 「橋下元知事は気に入らない記者は袋叩き」と批判したインタビュー記事 「重要な部分が真実であり違法性を欠く」と請求棄却 大阪地裁
東京新聞 総合面
原発再稼働、一転 慎重に
石川・志賀町長インタビュー
避難経路寸断「抜本的見直し 昨年末の町長選で初当選。
町長選では「化石燃料に頼り、電気代も高騰している現状では、すぐにでも原発を再稼働すべきだ」主張したが、一転、慎重な姿勢に態度を変えた。
デモクラシータイムス
【原発耕論 No22】能登半島地震の警告!珠洲原発を止めたのは住民 忘れるな3.11福島 20240125 1:09:33
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
米国は、イラク、シリア内でイランと密接な関係があるグループの施設空爆。中東での紛争拡大が懸念される。この中イラク空軍最高司令官の報道官は空爆をイラクの主権侵害と非難。一抵抗勢力は声明で「イ我々が望む時と場所で適切な対応をする。米国の攻撃が終わりではない」と声明
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