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2022年10月 1日 (土)

ヨーロッパ人は、ノルドストリームを破壊してくれたアメリカ人に「感謝」する必要があるのだろうか?

ロバート・ブリッジ
2022年9月29日
Strategic Culture Foundation

 ヨーロッパはヘンリー・キッシンジャーの助言に注意すべきだった。「アメリカの敵になるのは危険だが、友人になるのは致命的だ。」

 ロシアからヨーロッパにエネルギーを供給するノルドストリーム・ガスパイプライン破壊に関する調査が継続しており、主要容疑者が一人いるようだが、誰も驚かない。

 ノルドストリーム1と2ガスパイプライン破壊後、元ポーランド外務大臣ラドスラフ・シコルスキーが「ありがとう、アメリカ合州国」とツイートした時、既に加害者の身元を知っているかのようだった。

 一見、シコルスキーは皮肉を言っていて、ヨーロッパの人々に深刻な影響を与える攻撃を行ったワシントンを攻撃しているように見えた。結局、冬を目の前にしてヨーロッパ・ガスの主要供給源が停止したら、一体誰が冬に何か良いことを期待できるだろう? 結局のところ、減少するガス資源を目の当たりにして、国民に薪を集めるよう促したのはシコルスキーの故郷ポーランドだった。

 実際、このポーランド外交官は、大陸を深淵の奥深く陥れてくださったことに文字通り100パーセント感謝しているのだ。これはウクライナでロシアの特別軍事作戦が始まって以来ヨーロッパ指導者の態度だった。「我々は美徳にあふれた良い人間だという訴えの鳴き声と悲鳴をモスクワの悪漢連中が聞く限り、ワシントン政策立案者がシナリオを描いた自己破壊を受け入れます。」ヨーロッパの首都は美徳の叫び声ではテーブルに食べ物を置いたり家を暖房したりできないのを、いやというほど思い知ろうとしている。

 だが、有権者が高い電気代と移民規制緩和にうんざりした有権者の波にのって極右指導者が権力の座についたイタリアで最近見られたヨーロッパの気温上昇から判断すると、「ありがとう、アメリカ合州国」という言葉は最終的にヨーロッパの墓石に彫られることになりそうだ。

Thankyouusa 

 だが、そもそも、大きな疑問がある。シコルスキーが信じているように見える通り、アメリカはノルドストリーム破壊に本当に責任があるのだろうか? どじばかりするジョー・バイデンの言葉をそのまま受け取れば、答えはイエスのように思える。

 「ロシアが侵入したら、つまりウクライナ国境を再び戦車や軍隊が越えれば、もはやノルドストリーム2はなくなるだろう」とロシアがウクライナでの作戦を開始する二週間前にアメリカ大統領は記者団に語っていた。「我々はそれを終わらせる。」

 記者から具体的に言うように問われると、バイデンは「皆さんに約束します。我々はそれができるでしょう」と答えた。

 アメリカの共犯を指し示す他の手がかりがある。

 9月2日、コールサインFFAB123のアメリカ・ヘリコプターが、ノルドストリーム・パイプラインの地域で飛行しているのが観察された。サイトADS-B.NLによると、6機の航空機がその日このコールサインを使用したが、そのうち三機の機体番号が確認された。それらはすべてシコルスキーMH-60だった。爆発の領域に印をつけた地図上に、FFAB123の航路を重ねると、ヘリコプターがノルドストリーム2ルートに沿って飛んだか、「事故」が発生した地点間を飛行したことが観察される。

 一方、Twitterには、9月13日現在、全く同じ地域で他のアメリカ航空機のスクリーンショットがある。 6月、Sea Powerに記事があった。爆発が発生したと報告されたデンマーク島ボーンホルム島地域で、アメリカは、BALTOPS 22演習で行った水中ドローン分野での実験を自慢している

 「デンマークのボーンホルム海岸沖で実験が行われ、Naval Information Warfare Center Pacific、Naval Undersea Warfare Center NewportおよびMine Warfare Readiness and Effectiveness Measuringが全て米国第6艦隊タスクフォース68の指揮下にある」とSea Powerは報じている。

 このような「実験」には、ノルドストリーム・パイプラインが敷設されている深さに到達するための深海機器が必要だったはずだ。

 最後に、全ての「偶然論者」のために興味をそそられる情報がある。ノルドストリーム1と2が機能停止した翌日、デンマーク経由で、バルト海を経由し、強烈なロシア嫌いなシコルスキーの故郷に天然ガスを送る新しいバルト海パイプ開会式にポーランド、ノルウェー、デンマーク指導者連中が出席した。そう、ただの偶然だ。

 しかしワシントンがノルドストリーム破壊に手を下した主要因は、それが享受するすさまじい権力だ。ヨーロッパの経済危機は、すでに各企業に米国移転を検討するよう強いている。そこはビジネス環境がより良く、電力代は多かれ少なかれ手頃だ。

 ノルドストリーム破壊後、大陸の経済状況は大幅に悪化するだろう。NS-IIは稼働していなかったが、稼働の可能性があり、この「可能性」は市場に大きな影響を与えていた。今や主要エネルギー供給者がおらずヨーロッパは崩壊の運命にありアメリカは高揚する。

 経済的破壊は、ヨーロッパを経済的、政治的、軍事的にアメリカに完全に依存し、政治的意志と独立のない牙のないトラに変える。同時に、ヨーロッパは(法外に高い)ガスでほぼ完全にアメリカに依存するようになる。ヨーロッパをロシア・ガス供給から断ち切るため、アメリカは今年、欧州連合市場に少なくとも150億立方メートル(BCM)の液化天然ガス(LNG)を供給する予定だ。

 言い換えれば、EUは北半球にあり、冬が間近に迫っているのだが、バナナ共和国への変化は既に始まっているのだ。

 ヨーロッパよ、あなた方は本当に誰よりもアメリカ本質を良く理解しているヘンリー・キッシンジャーの助言に注意すべきだった。「アメリカの敵になるのは危険だが、友人になるのは致命的だ。」

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2022/09/29/should-europeans-thank-americans-for-destroying-nord-stream/

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 記事中の、シコルスキーによるオリジナル・ツイッター自体は削除されている。魚拓のようなものから画像を加工挿入した。

 下記二つの映像のどちらを皆様は信じられるのだろう。DW出演のお雇い専門家、ガスプロムが実行した可能性があるとのたまう。

Scott Ritter: Talks Nord Stream 2 Sabotage! 2:16

Potential sabotage: What's behind the Nord Stream pipeline leaks? | DW News 16:07

 宗主国の身勝手な行為で没落するのはEUだけではない。我々も同じ運命。

 植草一秀の『知られざる真実』

円暴落ドル360円時代に回帰

 一部を引用させて頂こう。

日本円の購買力がグローバルスタンダードで暴落している。
外国人から見ると日本のすべてがバーゲンセール状態。
米国でビッグマックは5.8ドルだが、現在の為替レートで円に換えて日本で購入すると2.9ドルで買える。
ビッグマックだけでない。
日本のホテルの宿泊費もNYと比べれば東京は破格の安値になっている。
日本の不動産価格も同じ。
企業を買収するための費用も暴落している。
このため、ハゲタカなどの巨大資本は、いま、日本の資産を買い占めることを真剣に検討している。
日本円が暴落しているのは日銀が円安誘導を実行しているから。
日本円を暴落させて、日本の優良資産を外国資本が買い占めることに全面協力している
究極の「売国政策」だ。

 2013年2月23日に公開した下記ポール・クレイグ・ロバーツ氏記事翻訳の末尾に書いたことを思い出す。従順なチェロキー・インディアンを策謀で追い出した国。日本に原爆を落とした国。同様属国ヨーロッパを気にするはずもなかったのだ。『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪予言の書に思えてくる。

それがこの国で起きたのだ

私の闇の奥」を書いておられる藤永茂氏の『アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪』を読めば、あの国と緊密におつきあいいただけば、いまの運命になること必定であると、誰でもわかる。

これから『アメリカ・インディアン悲史』日本版(EU版)が本格的に始まる。

 今日の東京新聞朝刊特報面、国葬弔辞について報じている。納得できる。下記番組の佐高氏発言も反映された記事。

デモクラシータイムス

安倍「国葬偽」・国権派山縣の大罪・自民に浸み込む統一教会>平野貞夫×佐高信×早野透【3ジジ生放談】 1:01:05

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