茶番を吹き飛ばす発言。原稿からそれて、ロシア政権転覆計画を認めたバイデン
Finian Cunningham
2022年3月28日
Strategic Culture Foundation
茶番を吹き飛ばすバイデンの承認後は、このような言語道断な帝国の狙いに関して、アメリカ-ヨーロッパの「団結」を維持するのは政治的に困難だろう。
先週、アメリカのジョー・バイデン大統領は、アメリカ指導部に対するヨーロッパの恭順の波に乗り、ヨーロッパを訪問した。それから彼は、週末、ロシアに対するヨーロッパとNATOの団結を活気づける見せ場と宣伝された勝利演説をするためワルシャワに行った。
だがその見せ場はトランプで作った家のように崩壊した。大統領が、帰国のためにエアフォースワンに乗り込んだとき、決定的瞬間のバイデンによるヘマのおかげで、大いに自慢された大西洋両岸の団結は混乱していた。
それはバイデンを評価するバラク・オバマ元大統領の警告的な言葉を思い出す。「ものを台なしにするジョーの能力を決して過小評価してはいけない」と彼の元副大統領と、彼の失言癖のある口の軽さについて、オバマは言っていた。
ワルシャワでのバイデン演説は入念に作りあげられた、人を鼓舞するものだった。それは、もちろん、邪悪な独裁者に対し、自由世界を率いることに関して、もちろんバイデンのとりとめ]のない話し方同様、目茶苦茶な単語が至る所にあり、いつもの陳腐なアメリカの横柄さに満ちていた。にもかかわらず、彼はロシアの侵略とされることに勇敢に立ち向かう上で、アメリカと同盟諸国の団結を結集することに成功しているようにも見えた。その団結は、ロシアのウクライナでの軍事介入に対する、NATO、欧州連合の対応に関して確かに注目に値するように思われた。ワシントンの要請で、ヨーロッパは対ロシア経済制裁を強化した。彼らはアメリカ武器を買い上げ、ロシアの代わりにアメリカのエネルギーを輸入することになっている。
バイデンが突然、原稿から外れて、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に言及して、宣言したまさにその演説の終わりまでは、首尾よく行っていた。「どうあっても、この男は政権に留まることはできない。」
これだ。バイデンによる政権転覆だ。ヨーロッパ同盟諸国は、このドジな承認に当惑して気分を悪くした。イギリス、フランス、ドイツと欧州連合は全て、彼らは、この狙いを否定すると言った。ワシントンから距離を置くのは、原則というよりも、むしろ政治的な見栄えの悪さが理由だ。
何週間も、この政策を、ウクライナ(そしてヨーロッパの民主主義)を守るものだと描く欧米メディアの懸命なキャンペーンの後、アメリカ大統領が、本当の大詰めは、モスクワでの政権転覆だと知らしめたのだ。
去年アフガニスタンから撤退するバイデンの命令と全く同様、ヨーロッパの指導者連中はバス停の傍観者のように見える状態におかれている。ワシントンは家臣連中に相談する見せかけもなしに、采配を振るうのだ。
その時点までは、彼が見せられていたへつらいの恭順のおかげでアメリカ大統領にとって衝撃的成功とみなされていたヨーロッパ歴訪の最後に、歴史本のために振り付けられた、まさに型にはまった演説の終わりで、ジョー・バイデンはそれを吹き飛ばした。
ホワイトハウスは緊急に、大統領が実際政権転覆を意味していなかったことを明確にし、被害を抑える作戦モードに入った。バイデン自身は、アメリカに戻った時、政権転覆に言及したことを否定した。だが追従的な報道機関でさえ、文字どおりの意味を他のことに歪曲する困難さを認めていた。
バイデンの失言する才覚は、政治家として50年の間、長く存在していた。最近の失言の頻度は、彼の知的鋭敏さが、79歳という年齢で衰えていることを示唆するが、それは単に老人性痴呆症の兆しとだけ説明することはできない。第46代大統領としての一年半に、補佐官連中が不注意な発言の尻拭いをさせられたことは無数にある。一つの悪名高いヘマで、彼は大陸からの侵略の場合、アメリカが軍事的に台湾を守ると言って、ワシントンの何十年もの「一つの中国政策」を否認したように見えた。
彼が最初、オバマの副大統領として、今回大統領としてホワイトハウスに入る前、上院議員や移動大使として、バイデンが何年も自身を「外交政策専門家」売り込んでいたのはお笑いだ。
もしこれがアメリカの専門知識だというなら、無能力は一体どのように見えるのだろう?アメリカ-ロシア関係が極めて微妙な時に、バイデンはプーチンを「殺人者」や「戦犯」と呼んだ。週末、彼の政権転覆宣言が発表される前、彼はロシア大統領に「虐殺者」というレッテルを貼り、クレムリンを第三帝国になぞらえた。
バイデンの偽善は十分酷い。彼は何百万人もの死をもたらし、国を丸ごと破壊した果てしない犯罪的なアメリカ戦争や政権転覆作戦を支持した。バイデンが人のことを「戦争犯罪人」や「虐殺者」と呼ぶのは、皮肉にしても、余りに吐き気を催す。
だがバイデンによって、ウクライナ紛争が、主にアメリカ主導のNATO同盟が、ロシアとの対決を作りだしたことを完全否定し、極端に単純化した戯画におとしめられるのは侮辱的だ。
アントニー・ブリンケン国務長官は、週末の扇動的発言に対する被害を抑える作戦部隊の一員だった。ブリンケンには「我々はロシア、あるいは他のどこでも政権転覆戦略を持っていない。」と言う厚かましさがあった。バイデンが副大統領だった時、リビアとシリアで、政権転覆戦争を画策するのを助けたのはブリンケンだ。
ウクライナ紛争はロシアに対するアメリカの敵意という、より大きな構図の一部に過ぎない。ワシントンとヨーロッパの手先連中は、長年NATOの東方拡大を防御的な性質の罪がない進展として描こうとしていた。
NATOの姿勢をロシアの国家安全保障に対する攻撃的な実存的脅威だとモスクワは繰り返し非難した。クレムリンが昨年末安全保障安保条約を提案した際、ワシントンとNATOに拒否された。それは必然的にロシアによる防衛対策としてウクライナ戦争をもたらした。
バイデンは、この政策の包装をはぎ取ったに過ぎない。彼はロシアが言っていたことを一挙に証明したのだ。ロシアに対する政権転覆を認めたのは、国連憲章と国際法に違反する自認だ。ヨーロッパの指導者連中が驚愕としているのは、連中がこのような犯罪に反対だからではない。彼らの懸念は、彼らが犯罪的陰謀に共謀しているのを暴露されることだ。彼らは、国民が帝国の狙いにどのように反応するのかを恐れている。経済封鎖や、結果として生じているエネルギー価格インフレは、そのためのものなのだろうか?
良い年のジョーが、またもや、ことを台無しにしてくれた。アメリカ政府がヨーロッパ人をアメリカ指導の下に囲い込んだ、まさにその時、帝国の狙いが突然中止になったのだ。
これはキエフのゼレンスキー政権が、なぜずるずる先延ばしして、紛争の政治的解決を避けているかの説明にもなる。ワシントンは和解は関心がない。ワシントンは、本当の狙いでは、ロシアを不安定化するため、ウクライナを手先として使うことだから、代理戦争が継続することを望んでいる。ワシントンの彼らの調教師が求めていることではないから、ゼレンスキーとキエフは和平できないのだ。ワシントンはロシアとの永続する緊張と(全面戦争にはならない)紛争を欲しており、必要としているのだ。
だが、茶番を吹き飛ばすバイデンの承認後は、このような言語道断な帝国の狙いに関して、アメリカ-ヨーロッパの「団結」を維持するのは政治的に困難だろう。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
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新聞朝刊一面、右半分は「国立競技場 周辺木々に異変」という外苑破壊計画の現実。
左半分は、ロシア 報道の自由に「幕」
日本のマスメディアのどこに報道の自由があっただろう。昔も今も大本営広報部のまま。昔は財閥と軍部の広報機関。今は宗主国ジャパン・ハンドラーの広報機関。
四面 国際ページに、バイデンの釈明記事がある。
「道義的怒り」からのもので、体制転換求める意図否定。
悪人が悪事を続けるべきではないのと同様、彼は権力を維持し続けるべきではない。
常に頭の中にある本音だから原稿なしで言えるのだ。だが、まさに自分のことだ。
今回のバイデン本音発言を深掘りしているマスメディアあるのだろうか?皆無だろう。
植草一秀の『知られざる真実』で、バイデンが、ブリスマ汚職を捜査する検事総長を首にしたのを自慢するビデオが紹介されている。ルールによる支配の体制、ここにあり。
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