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2021年11月10日 (水)

欧米の中国コンプレックス:敵で救世主の北京

2021年11月2日、午後3時34分
Ramzy Baroud
www.ramzybaroud.net

 「中国経済は崩壊する可能性はあるか?」はクォーツ誌QUARTZに掲載された10月15日記事の題名だ。記事は中国の経済崩壊と中国と世界経済に対する影響の不吉な主張だ。

 これは全て最近発表された中国経済の種々の部門、特に建設分野の予想より低い成長という経済指標が動機で、ここ数週間欧米主流メディアに現われる多くの記事の一つだ。

 国際市場の不安定さ、特に中国ほどの規模の国の経済生産高が、世界全体で最も成長が早い、二番目に大きな経済が、短期的とは言え失速していることが、世界中のエコノミストが当面懸念するのは理解できる。

 当惑するのは、世界貿易に対するコロナ大流行の悪影響を考慮すれば、ほとんど予測可能な景気停滞が、一体どうして差し迫った中国崩壊という予測をたきつける説得力ある理由になるのかだ。

 クォーツ誌にとっては、中国の経済苦難とされるものは、北京の計画経済と、共産党の政治的取り締まりと、民間部門リストラの結果なのだ。もし成長が速度を落とし続ければ「中国で社会不安がおきるだろう」と、このような劇的主張を裏付ける具体的証拠もなしに、この記事は予測している。

 中国での、でっち上げらえられた「危機」に関する「この世の終わり」記事を、大混乱や供給欠乏や交通渋滞をもたらし、集団パニックで、何百万人もの人々によるガソリンと軽油の買い急ぎを招いたイギリスでの本当の燃料危機と比較願いたい。需要と供給に関する単純な役所のずさんな管理、あるいは単なる計算違いの結果に過ぎないかのように、欧米メディアは未曾有の危機を軽視している。もしイギリスのディストピア現場と同じようなものが中国で見られたら、欧米ジャーナリストは、さらに「社会不安」と差し迫った革命についてさえ報じる準備ができているはずだ。

 だがドナルド・トランプ政権の初めから上昇した、メディアによる反中国の誇大宣伝は両刃の剣だ。習慣的に中国を不安定な国として描き、数十年にわたる経済成長をつかの間の現象であるかのように表現するメディア・プロパガンダは中国の地位を下に押し下げる上で大いに恩恵があるが、中国が長期景気後退に入れば、最初に代償を支払のは欧米経済だ。

 経済が欧米市場とほとんど完全に隔離されていたソ連と異なり中国経済はヨーロッパから北アメリカまで、アフリカ更に、その先まで、世界経済としっかりとより合わさっている。「中国がくしゃみをすれば世界が風邪にかかる」という言葉は今ほど本当だったことはない。

 最近の様々な主要経済大国による「世界成長への貢献」を示すブルームバーグのイラストによれば、中国は、特に2010年から、世界経済の背骨役割を果たしてきた。2020年は中国だけが、ゼロパーセントを越えた大きな成長を維持して特に興味深かった。

 世界経済成長の主な燃料としての中国の中心的役割は、欧米にとって手に負えないジレンマだ。一方で、アメリカと同盟国は、中国が世界的に政治弱小国のままでいることを願いながら、他方で、彼らは中国の「経済の奇跡」が自身の経済を破産から逃れさせてくれるのを当てにし続けている。欧州委員会によれば「中国はEUの最大輸入源で、二番目に大きい輸出市場」なのは驚くべきことではない。

 10月21日に、ロイド・オースティン国防長官が、彼にとって初めてのNATO防衛大臣会議に参加するためブリュッセルに向かっていた時、オースティンは「中国を念頭に置いて」大いに影響力がある会議に参加するとワシントン・ポストは報じた。

 オースティンと米軍が懸念しているのは、中国の膨大な能力と絶えざる進歩より、NATOが「中国の脅威」を正当に評価しそこねていることだ。実際、アメリカが繰り返す警告にもかかわらず、ヨーロッパと大半のNATO加盟諸国は、中国の軍事的勃興について、ほとんど無関心なままだ。

 簡単に言えば、ワシントンはヨーロッパが墓穴を掘るのを望んでいるのだ。中国を孤立させることで、ヨーロッパは自身の経済成長を抑制し、その延長として、世界経済全体を停滞させるのだ。EUとアメリカ間の信頼欠如を考えれば、トランプ政権時代の不安定さの結果、バイデンは進路を完全変えることに失敗し、更には最近のアフガニスタン撤退の大失敗から、今回ヨーロッパは、アメリカ-ソ連冷戦の頂点時代にそうだったようには、ワシントンの後に続かない可能性が高い。

 上記の主張は、具体的な数で何度も実証されており、最新のものは、12のEU加盟国でヨーロッパ人を対象に行なわれたEuropean Council on Foreign Relationsによる調査だった。大半のヨーロッパ人、59パーセントが、彼らの国は中国との冷戦に関係していないと感じていることを調査が示した。

 Foreign Policy誌は「Europeans Want to Stay Out of the New Cold War ヨーロッパは新冷戦に関わらないことを望んでいる」という題の記事で所見を報じた。欧米メディアの人騒がせ連中やNATO会議でのオースティン介入のいずれもこの現実を変えない可能性が高い。

 世界的流行に起因する世界景気後退のおかげで、中国経済は盛衰を続ける可能性が高い。そのような変動自体は、それだけで規定の世界大国としての中国勃興や紛れもない欧米の衰退を変える可能性はありそうにない。この現実をより早く認めるにこしたことはない。

 Ramzy BaroudはジャーナリストでThe Palestine Chronicle編集者。5冊の本の著者。最新著書は「These Chains Will Be Broken: Palestinian Stories of Struggle and Defiance in Israeli Prisons」(アトランタ Clarity Press)。Baroud博士は、イスタンブール・ザイム大学(IZU)Center for Islam and Global Affairs(CIGA)の非居住上席研究員。彼のウェブサイトはwww.ramzybaroud.net

記事原文のurl:http://www.ramzybaroud.net/the-wests-china-complex-beijing-as-the-enemy-and-the-savior/

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今に至ってやっと政府は方針転換! 新型コロナ無症状者への無料PCR検査と抗原検査の実施方針を政府が11月前半に公表予定!

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