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2019年4月28日 (日)

ロシア嫌いの画策は戦争の序曲

2019年4月22日
Paul Craig Roberts

 ワシントンのロシア大使館が、121ページの正確な報告書『ロシアゲート・ヒステリー:極端なロシア嫌いの事例』を作成した。https://washington.mid.ru/upload/iblock/3c3/3c3d1e3b69a4c228e99bfaeb5491ecd7.pdf

 全員この報告書を読むべきだ。それは2016年5月18日から始まった、フェイク・ニュース、ウソ、マラー報告提出を通して継続する外交レベルや、国際法や、ロシアに対して行われる無料の積極的な行動の違反を文書化したものだ。

 明示的にそうとは言わずに、報告諸は、アメリカ政府、アメリカ・マスコミいずれにも、ナノ粒子ほどの品位もないことを示している。いずれも、狭い政治的狙いの追求で、ロシアとの戦争の危険を冒すのもいとわない犯罪組織だ。

 これはアメリカにとっても他の国々にとっても重要な情報だ。ワシントンのロシア憎悪政策を支持する全ての人、全ての政府、全ての民間組織が核戦争の脅威増大に貢献している。

 同様に、これはロシアにとって強力なメッセージなので、ロシア政府やマスコミや国民全てが報告書を読むように願う。メッセージは確実に、意図的なものではないが、それでも、このメッセージは大使館報告書から伝わるのだ。

 ロシア政府は、ワシントンや、シティバンクのようなアメリカ組織や、アメリカによる国際法厳守のようなことを信用する、自分のだまされやすさに驚嘆すべきだ。121ページの報告書は、ロシアに対する罪に続く罪、ウソに続くウソを列記している。それでもロシア政府は、決して答えられることのない外交文書、決して答えられることのない会議要請、決して答えられることのない証拠要求を送り続けた。何カ月にもわたる嫌がらせで、ロシア政府は、ワシントンに対するロシア回答が、ロシアの「パートナー」には存在していると想定していた知性や「協力精神」や理性や「世界の安全保障に対する共通の関心」は一体どこにあるのだろうかと思ったに違いない。

 純朴で、だまされやすいロシア政府のワシントン対応は、ワシントンの思うつぼだった。ワシントンで画策されたロシア嫌いに対して、それが誤った情報に基づく何らかの過ちであるかのように対応して、ロシア政府は、ワシントンが悪魔化プロセスを推進するのを可能にし、進行中のロシア悪魔化に貢献してしまった。そうではなく、ロシア政府が不平を言うのではなく、ロシアの悪魔化は、アメリカ人をロシアとの戦争に準備させるワシントンの行為だと非難して、好戦的姿勢をとっていれば、ワシントンの政策には深刻な代償が伴うという認識が、アメリカとヨーロッパ全体に広がり、ワシントンの危険で無謀な政策に反対の声が上がっていたはずなのだ。現在、ロシアに対する画一的な意見ではなく、ワシントンの無責任な挑発に反対する異論があったはずなのだ。

 ロシアの自己欺瞞の危険は終わっていない。大いに喧伝された共謀は実際根拠がないとマラー報告が結論した今、ワシントンとロシアの関係を正常化し、協力を実現することは可能だという希望を大使館報告は表明している。

 そのような可能性は皆無だ。民主党は「もみ消し」だと絶叫し、バー検事総長の辞任とトランプの弾劾を要求している。売女マスコミは、マラー報告が彼らの報道を正当化すると主張している。トランプは犯罪を行うため、アメリカ外交政策を使い続けている。彼は、ベネズエラ大統領は、ベネズエラ国民が選んだ人物ではなく、自分が選んだ人物だと宣言した。シリア領土は彼が与える権利があるものかのように、彼はイスラエルにシリアの一部を与えた。彼はイスラエルの要求通り、イランを戦争で脅している。言い換えれば、アメリカの傲慢さは、常に益々高まっているのだ。

 ロシア政府とロシア国民は、ワシントンと折り合いをつけるには、ロシアは、主権を放棄するか、ワシントンと同じぐらい好戦的にならなければいけないという事実をどこかの時点で受け入れ、ワシントンによる非難に対するロシアの無駄な反論を、ロシア自身によるアメリカ非難に置き換えなければなるまい。さもなければ、戦争が唯一可能な結果になるまで、ワシントンは強要し続けるだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

 ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2019/04/22/the-orchestration-of-russiaphobia-is-the-prelude-to-war/

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 宗主国の暴走に、つける薬はない。属国の驚くべきポチ状態にも。

 昨日か一昨日、また夜の番組を見てしまった。番組表で、北朝鮮・ロシア・トップ会談のような題名が見えたのだ。申し訳ないことに、その新聞の名前も、ご本人の名前も覚えていないが、北朝鮮系新聞の方が出ておられた。彼の話、筋が通って、しっかりしているように見え、テレビが消せなくなった。

 シアター・イメージフォーラムでの『金子文子と朴烈』上映は残念ながら終わった。連休中多数の方がご覧になれると思っていたが。改元プロパガンダに対する解毒剤として。幸いなことに『主戦場』は5月3日まで上映している。下記リテラ記事をお読みになって、おでかけいただきたいもの。

 慰安婦問題検証映画『主戦場』で極右論客たちが衝撃のトンデモ発言! 櫻井よしこ、杉田水脈、テキサス親父、加瀬英明…

 下記のような記事をみるにつけ、小栗上野介忠順伝『覚悟の人』の列強の理不尽さ、おろおろと対応する幕府幹部の姿と重なって、なかなか読書が進まない。

 今日の孫崎氏メルマガ題名。

転載・東京新聞。「トランプ氏は日米貿易交渉を巡り、日本が米国産の農畜産品にかけている関税の撤廃を要求。貿易協定を五月にも締結する可能性に言及。更なる対日貿易赤字の削減も求めた。両首脳は早期の合意を目指し、閣僚間の交渉を加速させることに合意。」

 昨日の下記シンポジウム中継、拝見していない。再配信を待とう。

日刊IWJガイド・日曜版「衆参ダブル選で自民や維新に3分の2以上の議席を確保されたら、『命がけで改憲に打って出てくるだろう!』海渡雄一弁護士らが登壇したシンポジウム『改憲のもう一つの危険な狙い 自民党草案(緊急事態条項)』を近日再配信!」 2019.4.28日号~No.2418号~(2019.4.28 8時00分)

IWJは、昨日の海渡氏らが登壇したシンポジウムを中継しました。このシンポジウムは近日、再配信しますので、ぜひご覧ください!


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【タイムリー再配信 363・IWJ_Youtube Live】19:00~「いつでも独裁が可能!? いつまでも独裁が可能!? 憲法で堂々と独裁を肯定!? より危険性が高まった自民党新改憲の緊急事態条項!~5.21岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー(後半)」
YouTube視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
ツイキャス視聴URL(冒頭のみ): http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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