プーチン/トランプ・サミット、二つの見方
2018年6月28日
Paul Craig Roberts
陰の政府が、でっちあげ“ロシアゲート”論や、お膳立てされたマラー“捜査”によって、不可能にすることを目指していた会談が、他ならぬ陰の政府ネオコン工作員ジョン・ボルトンによって設定された。パトリック・ラングが、一体どうして、こうなったか説明している。https://russia-insider.com/en/politics/stroke-brilliance-trump-has-made-bolton-his-point-man-putin-summit/ri23950
プーチン/トランプ会談に利点を見ている人は多い。例えば: https://www.strategic-culture.org/news/2018/06/25/these-are-benefits-of-us-russia-summit.html
プーチン本人はトランプ同様、会談に利点を感じている。プーチンは両政府の関係を改善する可能性を考えているのだ。もちろん“ぎくしゃくした関係”は、もっぱら、ロシアとプーチンをぬれぎぬで悪魔のように描き、違法な経済制裁のような敵対的行動をするワシントンのせいだ。ウクライナでのワシントンによるクーデターで、ロシアが黒海海軍基地をあきらめると期待したのは、ワシントンの誤算だった。
一体何を基盤に合意が可能だろう? ボルトンの立場は、ロシアとのいかなる合意をするのも、いかなる形であれロシアとの協力にも反対だ。ネオコンの観点からは、ロシアはアメリカ世界覇権の邪魔なのだ。ネオコン外交政策教義にある通り、アメリカ単独覇権主義の抑制になりうるようないかなる国の勃興も阻止するのがアメリカの最重要目標だ。ロシアはアメリカ単独覇権世界の邪魔なのだから、ロシアはアメリカ世界秩序にとって問題なのだ。
サミットを成功させるには、トランプが、このネオコン教義を拒否する必要がある。もしトランプが、ボルトンを横に座らせ、これをうまくやってのければ、トランプを批判する連中は間抜けに見えるだろう。ボルトンと陰の政府には、ロシアを、敵という立場であり続けさせて、アメリカ軍安保複合体の膨大な予算と権限を維持するべく、サミットに失敗を折り込む方策があるのだろうか? トランプは、1961年、アイゼンハワー大統領がアメリカ人に警告した、この強力な既得権益集団に打ち勝つことができるスーパーマンなのだろうか? 何十年もの冷戦と対テロ戦争によって育成され、この複合体は、半世紀以上たって、更にどれほど強くなっただろう?
アサドと、確実にイランは、ワシントンとの交渉は時間の無駄だと確信している。アサドは、こう結論している。“アメリカ大統領の問題は、彼らがロビイストの人質だということだ。連中は、我々が聞きたいと思っていることを言うことはできるが、逆の行動をする。それが問題で、しかもそれは益々悪化している。トランプが際立った例だ。アメリカ人と話し合い、何か議論しても、何も解決しないのはそれが理由だ。何の結果もあり得ない。ただの時間の無駄だ。” https://www.fort-russ.com/2018/06/assad-says-talks-with-the-trump-a-waste-of-time/
アサドの見解には証拠がある。トランプの最初の行動の一つは、多国間のイラン核合意からの一方的離脱だった。望みを抱いているロシアの見方を裏付ける証拠はない。
アメリカの歴史上ワシントンが結んだ合意を全て列記し、ワシントンが守った割合を計算するのは興味深かろう。もしプーチンが、だまされたくないのであれば、先住民ネ・ペルセ族のジェゼフ酋長のワシントンとの交渉を要約した言葉を熟考すべきだ。“話は散々聞かされたが、何も実行されていない。何の成果もない話し合いにはうんざりだ。美辞麗句の山と破られた約束を思い出すと胸が痛む。”
Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2018/06/28/two-views-putin-trump-summit-paul-craig-roberts/
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素人には全く訳のわからないサッカー試合、大本営広報部による一辺倒報道の中、想像通り、悪質法案成立。毎回おなじみの属国売国政策パターン。
その採決を推進させたのが、第二公明党、あるいは第二異神を目指す?ヌエ政党。憲法破壊国民投票についても既に密約があるという。決して驚かない。それがヌエの使命。
植草一秀の『知られざる真実』
働かせ改悪法制定に協力した隠れ与党勢力
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