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2017年11月

2017年11月30日 (木)

国境なき記者団はホワイト・ヘルメットに批判的な記者クラブの催しを中止させようとしている

公開日時: 2017年11月27日 20:46


©Ammar Abdullah / ロイター

報道の自由監視団体、国境なき記者団が、スイス記者クラブに、議論の多いホワイト・ヘルメット集団の“本当の狙い”に関するパネル・ディスカッションを中止するよう要求した。しかし記者クラブの事務局長は、そのような要求は普通は圧政的な政権がするものだと述べて、譲ろうとはしなかった。

スイス記者クラブ事務局長のGuy Mettanは、スイスの国境なき記者団(RSF)から会議を中止するよう要求されたと述べた。スイス記者クラブのメンバーであるこの報道の自由擁護団体は、催しに関わりたくないと述べた。

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シリア兵士たちのバラバラ死体を捨てている様子を撮影されたホワイト・ヘルメット・メンバー(なまなましい映像に注意)

"このようなことは見たことがありません"とMettanはTribune de Geneveに語った。“今や情報の自由を擁護する組織が、私に記者会見を検閲するよう要求するのです。"

"普通、記者会見を中止しろという圧力は、独裁制として知られている国々からきます。国境なき記者団のやり口には、あきれます。彼らはジャーナリストを馬鹿扱いしています。まるでジャーナリストたちが、自分の意見を考えられないかのように!”

火曜日の催しでは、シリア国内から詳しい報道をしている独立ジャーナリスト ヴァネッサ・ビーリーや、中東と国際テロの専門家のフランス人ジャーナリストRichard Labeviereや、スウェーデン人権医師会(SWEDHR)会長のMarcello Ferrada de Noliが話をする。

マルチメディア・プレゼンもある会議は、“演技に対してアカデミー賞を受賞したハリウッドのいわゆる‘緊急救援隊員’の本当の狙いが一体何なのかに関して明快な見解”を提供すると宣伝されている。

    ウオール街が作り出した"#Syria Campaign" が、アメリカ-イギリスが資金提供する、#alQaeda PR group #The_White_Helmetsを暴露しようとするスイス記者クラブの催しを妨害しようとしている。偽物は偽物を支援する。@VanessaBeeley@EvaKBartlettpic.twitter.com/B8pbJcDW9E
    - tim anderson (@timand2037) 2017年11月23日

Tribune de Geneveが公表したMettanへの書簡で、スイスの国境なき記者団の理事長と事務局長のGerard TschoppとChristiane Duboisは、ビーリーを“ロシアのメディア・プロパガンダ”にしか引用されない“いわゆる”ジャーナリストだと切り捨てた。彼らはスウェーデン人権医師会は“ロシア・プロパガンダの手先”として活動しているとも主張している。

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テロリストとのつながりという主張がある中、シリア ホワイト・ヘルメットに関する映画がアカデミー賞を受賞

おそらく、Mettanは、この“情報”に気づいていないのだろうと書いて、書簡は、スイス記者クラブに 催しを“中止”するよう促し、さもなくばクラブのイメージを汚す可能性があるとしている。Mettanは、この団体の要求を拒否し、報道の自由擁護に専念する団体が、検閲を主張することへの不信を表明して、返信した。

“過去20年間、私はtスイス記者クラブで働いており、人々が自分の意見を言うのを阻止するよう、常に圧力を受けている。しかし、これまでの所、そうした圧力は常に、中国、サウジアラビア、エジプトやバーレーンなどの権威主義的あるいは独裁政権からのものだった”とMettanは書いた。

“民主的な国のジャーナリスト-擁護団体がそのような要求を私に送ってきたのは今回が初めてだ。私がそのようなことなど出来ないのは言うまでもない。それは皆さん方が行っているはずだと私が期待する仕事の名誉を汚すことになる。”Mettanは国境なき記者団に、検閲しようとするのでなく、催しに参加し、彼らの視点を説明するよう呼びかけた。

2月に、シリアのホワイト・ヘルメットをシリアでの英雄、救世主として称賛するドキュメンタリーがオスカーを受賞した。一方、目撃者たちは、彼らを、テロ組織と協力し、自分たちの救出活動に関するやらせ報告を撮影し、略奪や他の悪事に関与していると非難している。この集団のメンバーたちは、囚人処刑の明らかな幇助を含め、何度か怪しげな行動をしている所を撮影されている。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/411116-reporters-white-helmets-censorship/
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大本営広報部洗脳機構、フル活動。相撲界暴行不祥事と、北朝鮮ミサイル一辺倒。売国政治家集団の悪行は放置したまま。

国境なき記者団のうろんさに関わる記事を一昔前に訳したことがある。あの巨大PR企業も関係していたのを知って納得。連中は、大本営広報部と同じ穴の狢。

「国境なき記者団」のまやかし 2008年4月26日

それで当然、大本営広報部は、時折、国境なき記者団や、彼らによるランク付けに触れる。記事中のツイッターにある「偽物は偽物を支援する。」を絵に書いたようなもの。

大本営広報部から極力遠ざかる以外、正気でいる方法はないだろう。そこで本日のIWJガイド。素晴らしいジャーナリズム活動をされているのに、会員が6000人のままという。
こういう貴重な情報を拝読している方々が、これほど少ないことに、毎回、驚き、不思議に思っている。十倍会員がいて当然に思えるのだが?

日刊IWJガイド「一昨日の衆議院予算委員会で、立憲民主党・川内博史議員と逢坂誠二議員が森友学園問題について追及!森友学園への土地取引の異常さが明らかに!さらに、日本共産党の宮本岳志議員の追及により、『口裏合わせ』の音声データの存在を財務省が認める!/北朝鮮がICBMミサイル『火星15』を発射!柳澤協二氏は『年末にかけて緊張高まる』が米国の先制攻撃の可能性は『ない』と断言!!/『IWJ設立7周年ファンドレイジング・トークイベント』、お早めにお申し込みください!」2017.11.30日号~No.1903号~

2017年11月29日 (水)

戦争が差し迫っているのが見えないだろうか?

Paul Craig Roberts
2017年11月27日

イギリス・マスコミのニュース報道によれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシア産業に、戦時生産体制に迅速に切り替えられるように備えるべく指示した。http://www.independent.co.uk/news/world/europe/vladimir-putin-russia-business-war-production-sochi-military-talks-a8069951.html

欧米との戦争の可能性が現実的だと確信しない限り、ロシア政府がそのような声明をだすまいことは明らかだ。私はかなり前から、コラムで指摘しているが、ワシントンと、ヨーロッパの属国諸国がロシアに対して行ってきた長年の敵対的行動の結果、戦争に向かっているのだ。

巨大なアメリカ軍安保複合体は、膨大な予算を正当化するために説得力がある敵が必要で、狂ったネオコンが、アメリカ世界覇権という幻想イデオロギーを、地球上の生命より優先しており、ヒラリーと民主党全国委員会はトランプの大統領当選をひっくり返すためにありとあらゆることをするつもりだというのは容易に理解できる。しかしながら、ヨーロッパの政治指導者連中が、ワシントンの利益のために、自分たちの国々を進んで危険にさらすのかを理解するのは困難だ。

それなのに、連中はそういう行動をしているのだ。例えば、11月13日、イギリスのテリーザ・メイ首相は、ロシアは国際安全保障に対する脅威であり、ヨーロッパの選挙に干渉し、ヨーロッパ政府をハッキングしていると述べた。こうした主張には“ロシアゲート”に対するものと、同様、証拠はない。それなのに、こうした主張は続き、増大している。現在、欧州連合はソ連の旧共和国-ベラルーシ、モルドバ、ウクライナ、ジョージア、アルメニアやアゼルバイジャンを、欧州連合との“東方パートナーシップ”に組み込みつつある。https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/27/british-pm-makes-clear-eastern-partnership-created-damage-russia.html

言い換えれば、欧米は、モスクワのかつての共和国諸国を、メイ首相が“敵性国家”だと宣言したロシアに反対するようあからさまに組織している。ロシアは、ロシアに対する疑惑には何の根拠もないことを知っており、イラクやリビアやシリアに対する軍事攻撃を正当化するためのサダム・フセイン、カダフィやアサドに対する虚偽の主張と同一のものと見なしている。ロシアに、自分が攻撃対象にされていると確信させたので、、ロシアは戦争に備えている。

このことを少し考えて頂きたい。強欲で腐敗したアメリカ軍安保複合体が、膨大な予算を正当化するための敵が必要で、ヒラリーも民主党全国委員会も、政治的敗北を受け入れられず、またネオコンが、アメリカ至上主義というイデオロギーを奉じているがゆえに、世界はハルマゲドンに向けて押しやられているのだ。嫌悪されている白人至上主義とオバマ大統領自身が是認したアメリカ至上主義との差異は一体何だろう? 一体なぜ白人至上主義は酷くて、アメリカ至上主義は、“例外的”で“必要欠くべからざる”国への神の賜物なのだろうか?

ロシア政府は、ロシアが軍事攻撃の対象にされている懸念をあからさまに共有している。CNN、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストではないが、私が報じたように、ロシア軍総司令部即応部第一副局長が、ワシントンが、対ロシア奇襲核攻撃を準備している懸念について公式に述べた。最近、プーチン大統領が、ワシントンが、アメリカ空軍兵器研究所のために、ロシア人のDNAを収集していることに注意するよう呼びかけた。これはロシア専用生物兵器開発を意味している。そのようなことは決して起こらないというアメリカ政権による以前の言質にもかかわらず、ロシア国境に配備されたアメリカとNATOの基地に注意するよう、ロシアは何度も呼びかけてきた。

ワシントンが、主要核・軍事大国のロシアに、攻撃されようとしていると確信させたことが、一体何故、世間の議論や政治論議の最重要話題にならないのかを自らに問うべきなのだ。ところが、アメリカ国歌演奏時に跪いたままのプロフットボールリーグ選手や、ロシアゲート、ラスヴェガス銃乱射事件にまつわる偽ニュースなどしか耳に入らない。

我々がインターネットで、言説を支配するためにワシントンが利用している偽ニュースではなく、本当のニュースを報じるのを、ワシントンが一体いつまで許しておくつもりだろうかということも自ら問わねばならない。ネット中立性を破壊しようという連邦通信委員会委員長の取り組みや、事実に基づくニュースを、ロシア・プロパガンダだとして信用を傷つける別の取り組みも進行中で、ロシアと戦争するために、ワシントンは真実とも戦争しなければならないとワシントンが結論したことを示している。https://www.globalresearch.ca/the-fccs-order-is-out-it-will-end-net-neutrality-and-break-the-internet-weve-read-it-and-heres-what-you-need-to-know/5619857https://www.globalresearch.ca/selected-articles-good-bye-to-net-neutrality/5620061

ワシントンは、その戦争に生き抜けまいし、アメリカ国民もヨーロッパ国民もそうだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/27/cant-see-war-horizon-paul-craig-roberts/
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国会のデタラメ答弁、我慢して見ているが、精神衛生に非常に悪い。デタラメ答弁を可能にしているのは、横綱の品格はしつこく問うが、首脳の品格は全く問わない大本営広報部。本当に引退すべき人物・連中は他にいる。

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題について、財務省は28日の衆院予算委員会で、2013~16年度の4年間にあった同種の土地取引計972件のうち売却額を非公表にしたのは、森友学園との契約1件だったと明らかにした。

モリトモは特例だらけ。

こういうことをする連中が、「道徳」を教科にし、評点をつけさせる。正確には、道徳ではなく不道徳だろう。学校が監獄になる。
犯罪人が、通信簿をかけば、犯罪をおかさない無辜の人が、異常とされる。
ウソをつくと長官になれるが、本当のことを言うと投獄される。
学校入試も、入社試験にも、不道徳の成績評価が使われる、まともな人が生きてゆけない牢獄社会が目の前に迫っている。

日刊IWJガイド「岩上さんによる2日連続インタビュー!本日は15時より開高健ノンフィクション賞受賞ジャーナリスト畠山理仁氏!/『IWJ設立7周年ファンドレイジング・トークイベント』にぜひご参加ください!/グーグルがすべてのアンドロイドスマートフォン利用者の位置情報を勝手に収集!?『位置情報』機能をオフにしていても!SIMカードが入っていなくても!!/日英『地位協定』に向けて協議へ、日英の共同訓練を強化!英国とミサイル共同開発も!東アジアと中東で大掛かりな戦争準備が同時進行!本日、板垣雄三東京大学名誉教授の講演を配信!」2017.11.29日号~No.1902号~

2017年11月28日 (火)

グーグルの検索結果でのRTランク引き下げは、一種の検閲で、あからさまなプロパガンダ

ダニエル・ライアン

公開日時: 2017年11月26日 10:25
RT

本当の宣伝屋はどちらだろう? 人々に、自由に、信じたり無視したりできる情報を提供する人物か、それとも、真実とウソを見分けるため、人々が自分の頭脳を使い始めるのを恐れて、人々が見るものを管理しようとしている人物か?

これこそまさに、グーグルの持ち株会社アルファベット社会長エリック・シュミットが、このウェブサイト、RTのニュース記事に対して行っていることだ。シュミットはヒラリー・クリントンの大統領選挙運動に密接に関与しており、最近のインタビューで、グーグルが、RTのニュースを濾過し、グーグル検索結果で、より目立たなくする特別なアルゴリズムを制作していることを認めた。彼自身の表現は、RTの内容をより見えにくくするため、グーグルは“システムを変更”しようとしている、というものだ。

この検索エンジン改ざんの表向きの狙いは、ロシアによる“プロパガンダ”と“虚報”と戦うことだ。本当の目的は、人々が異なる視点を読んで、不都合な質問をするのを防ぐため、政治的言辞を支配することだ。

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ニュースの審判、グーグルのエリック・シュミットは、オバマとクリントンとつながりが長い

もしRTが毎日ウソばかりたれ流しているのであれば、極少数の人々しか読もうとしないので、全く重要ではなくなるはずで、グーグルが“ランクを引き下げる”必要などないはずだというのが真実だ。そこで、RTをめぐるヒステリーに内在する逆説に辿り着く。RTを批判する人々は、どちらを信じさせようか決められないように見えるのだ。RTは人々の頭脳を乗っ取り、痛めつける能力を持った全能の組織なのか、それとも、我々の弱い精神に対する影響力は全く取るに足らないのか?

言い分だけではなく、言わないこともプロパガンダだ。グーグルの場合、何を促進するものとして選び、何を隠したり、人目につかないようにしたりするものとして選ぶかだ。RTのランク引き下げを正当化する口実は、ウソを流布するからだと言うのだが、シュミットは例を挙げていない。

同じインタビューで、シュミットは“検閲には強く反対する”し、グーグルは決して、RTを完全に“禁止”するつもりはないと言っている。シュミットが見逃しているように見えるのは、何かを禁止することだけが検閲の方法ではないことだ。グーグルは、その膨大な権力を、人々が見るものを支配するのに利用しており、驚くべきことではないが、グーグルは、グーグルと、グーグルが親密にしているアメリカ政府機関に関する、よりお世辞的な報道を人々に読ませたいのだ。シュミットが認めようと認めまいと、それは検閲だ。

グーグルがランク引き下げをしているのはロシア・サイトだけではない。インターネットで、ほとんど完全な独占を享受しているこの企業は、Alternet、Democracy Now、Truth-out.org、CounterpunchやTruthdigなどの左翼、反戦ウェブサイトを検閲しているとして既に批判されている。これらウェブサイトの中には、グーグルの検索アルゴリズムが“偽ニュース”と戦うために変更されて以来、トラフィックが大幅に低下したと報じているものがある。グーグルが、アメリカ軍国主義の応援団で、兵器産業と議会内の戦争で儲ける連中の忠実なパートナーであることを、これほどはっきり示すものはない。それなのに、同社は依然として、真実の良き審判という評判を広範に享受している。

    ‘現代版検閲:グーグルは、RTはプロパガンダだと判断したが、何百万人もの人々は不同意だ’ https://t.co/qDbaHV5Xtz pic.twitter.com/hOv4q9z7WG
    - RT (@RT_com) 2017年11月21日、

究極的に、グーグルは、インターネットに関して、人々を管理したがっているのだ。シュミットは、自分が人々の手をとって、何を読み、誰を信じるか教えてやる必要があると考えているのだ。RTのようなランクを引き下げられたサイトは、益々オーウェル風未来への滑りやすい坂道、主流マスコミのジャーナリスト連中は気にかけていないようだ。実際、マスコミのグーグル報道は非常に好意的に見える。結局、この連中が、この種の検閲で恩恵を得るのだ。

インターネットの自由を本当に大切と考える誠実なジャーナリストなら、たとえ、RTや他の“ランクを引き下げられた”ウェブサイトが嫌いでも、これはより大きな問題であることを認めるはずだ。グーグルのような政府とつながる企業が制約を受けない権力を振るい、真実に関する究極の審判として行動するのを阻止するのが肝心だ。ここで沈黙していれば、ジャーナリスト連中は、本質的にグーグルのような国家公認の組織が、世の中はどうなっているのかを語るので十分満足していると語っていることになる。

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想像願いたい!‘完全にフェイスブックとグーグルの掌中’でない‘別のインターネット’を

もし、時に間違えたり、読者に虚報を流したりした、あらゆるニュース・ウェブサイトのランクを、グーグルが下げたら、読むに値するものなど無くなってしまうだろう。しかも、もしグーグルが、虚報の流布を本気で懸念しているのなら、ウソを根拠に戦争を応援し、軍事介入賛成派の評論家や専門家に不相応に長い出演時間を与えているかどで、CNN、MSNBC、Foxなどや、ありとあらゆる他の主流アメリカ・マスコミのサイトを、とっくの昔に、ランクを下げているはずだ。

今お読みになっているこのRTの記事にウソはない。確かな情報に基づく更なる見解もある事実情報だ。それでもシュミットは、人々にそれを読ませたくないのだ。彼としては、おそらく、人々には、いずれも、彼のランク引き下げ構想を、異なる視点という悪に立ち向かうある種の英雄的姿勢として描きだしているViceのMotherboardのこの記事や、ガーディアンのこの記事を読ませたいのだ。

それでも、このニュースの中にも、一つ良いことがある。

RTのランク引き下げは、グーグルがそれを恐れていることをはっきり現している。RTだけではなく、同社の言辞と矛盾し、同社の威信と動機に疑念を呈する、どこの国のものであれ、あらゆる情報だ。RTのランク引き下げは、連中の考え方が、公正な戦いでは勝てないと連中が恐れているのを認めていることだ。‘自由’という連中の言辞に、連中は実に不安なので、連中は精査に耐えると人々を信じさせるために、一層権威主義的手法に頼ろうとしているのだ。真面目に考えれば、これは実に皮肉なことだ。

タイムズ・オブ・ロンドンの最近の報道によれば、グーグルは“幼い子供を食い物にする小児愛者に受けるビデオ広告収入”で何百万ポンドも儲けている。だから、グーグルが心から我々全員の最善の利益を考えているなどと騙されて、信じないようにしよう。

RTのランク引き下げに、高貴なことなど皆無だ。グーグルが行っているのはロシア・プロパガンダに対する戦争ではない。“偽ニュース”や虚報に対する戦争ではない。遥かに壮大な規模の思想戦争なのだ。

シリコン・バレーのグーグル幹部や政府内の連中の協力者が、不適切なニュース、不適切な思想、不適切な考え方だと判断したありとあらゆるものに対する戦争だ。

これはどう見ても、検閲でプロパガンダだ。

ダニエル・ライアンは、アイルランド人フリーランス作家、ジャーナリスト、マスコミ評論家。彼女は、アメリカ、ドイツ、ロシアとハンガリーに暮らし、広く旅している。彼女の署名入り記事は、RT、Nation、Rethinking Russia、BRICS Post、New Eastern Outlook、Global Independent Analyticsなどに掲載されている。彼女は広告文作成、編集プロジェクトでも働いている。TwitterやFacebookやウェブwww.danielleryan.netで彼女をフォローする。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/410981-google-rt-censorship-propaganda/
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ロシア政府が資金を出しているRTには、外国代理人登録法に基づいて、登録を強いているアメリカ司法省、BBCや、アルジャジーラなどには登録を強制していない二枚舌。マスコミが大本営広報部でなければ、この問題で大騒ぎしているはずだが、全く見聞きしたことがない。

ここで沈黙していれば、ジャーナリスト連中は、本質的にグーグルのような国家公認の組織が、世の中はどうなっているのかを語るので十分満足していると語っていることになる。

日本の放送局は、国営放送は売国奴連中による支配で、民放の大株主は外資。

2015年11月15日の記事「パリで、更なる偽旗攻撃?」の後に書いた苫米地氏の番組に関する記事部分を再度貼り付けよう。当時見たネット上の番組ビデオ画像も今は見えない。

苫米地氏が示しているパネルの数値で、電気洗脳箱、一体なぜ、宗主国大本営広報部として、しっかり機能しているのか納得。残念ながら、この番組そのものは見ていない。
たまたま、ネットにある画像を拝見したのみ。

「今夜は寝れ9」 LIVE画像をテキストにした。勝手ながら外資比率の順序に変えた。

日本のテレビメディアの外資比率

    フジテレビ    29.8%(違法状態、外資が2、3位)
    日本テレビ    21.9%(違法状態)
    電通          19.6%(筆頭株主は外資)
    TBS          13.5%(上位外資2社が外資)
    テレビ朝日    12.5%
    MXテレビ      0%

これを見れば、なぜ大本営広報部の太鼓持ち連中が、TPPマンセーを言い、種子法廃止を全く報じないのか良くわかる。我々は呆導という名目の外資宣伝を聞かされているのだ。民放番組に時々はさまるコマーシャルは、コマーシャルだとわかるからまだよい。呆導そのものが、外資のコマーシャルだというのは、まず気づかない。もちろん、国営放送呆導は、傀儡国家の宣伝だ。

外資比率が皆無の組織による報道しか信じられない。

ということで、本日のIWJガイド。

日刊IWJガイド・番組表「本日11時頃から! イタリア市民の草の根運動が「政権奪取」に王手! 岩上安身が「五つ星運動」所属イタリア下院議員リカルド・フラカーロ氏にインタビュー!/特別国会がスタート! 野党の質問時間削減を指示したのか? 立憲民主の長妻昭議員追及に安倍総理『指示していない』大手メディアがそろって誤報!? 質問時間見直しで『与党20・野党80』が『与党36・野党64』に! 午前10時から午後4時まで与党が国会占拠の異様な光景/『若手議員起用』の根拠は嘘!? 自公の質疑者はベテラン勢揃い!蓮舫氏『整合性が合わない』」2017.11.28日号~No.1901号~

2017年11月27日 (月)

フリードマンの戦犯宛てラブレター

Daniel Larison
2017年11月24日 7:46 AM
The American Conservative

2017年5月20日、サウジアラビア、リヤドの王宮で、当時の副皇太子ムハンマド・ビン・サルマーン・アル・サウドと握手するレックス・ティラーソン・アメリカ国務長官。(公式ホワイト・ハウス写真 Shealah Craighead)

時に新聞は軽々しい、くだらない記事を載せるが、トム・フリードマンはムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)絶賛記事で、そうしたもの全てを圧倒した。

全て下から始まり、チュニジア以外では惨めに失敗した他のアラブの春と違い、これは、サウジアラビアの32歳のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子によって、トップダウンで率いられており、もし成功すれば、サウジアラビアの性格のみならず、世界中のイスラム教の内容や形も変えることになる。その成功を予言するのは阿呆だけだが、応援しようと思わないのは阿呆だけだ。

この全てを額面通り、あわてて受け取るのは、阿呆だけだと言う方がより正確だろう。著名コラムニストが外国指導者の広報担当者として働いていることに報道する価値など無いと思うが、彼の歪曲した主張を無批判に是認してくれる相手に説明する主要な場を与えられるのは、皇太子にとっては大いに有益だ。応援団がそうだと言っている通り、彼が熱心な“改革者”である証拠だと受け取ってもらえる、この長い記事に、本人の不興を買うような内容は事実上皆無だ。皇太子が画策している劇的大量逮捕の後、サウジアラビアで、皆が自由に彼の批判ができると思っているかのように、MBSによる粛清について悪く言う人は見当たらなかったとフリードマンは言う。

この記事は、フリードマンによるお粗末な上っ面世界分析の最新例として片づけたいところだが、不幸にして、彼がMBSの虫の良い主張を熱心に支持しているのは、皇太子に対する欧米全体の余りに典型的反応だ。欧米の評論家は、寛容や改革について適切なことを言う外国指導者を常に探しており、そうした発言をする人物を見つけると、懐疑心を投げ捨てて、そうした指導者の“応援”を開始しがちだ。フリードマンは、MBSプロパガンダの針と糸と重りをそっくり飲み込んだのだ。

この反汚職の動きも、MBSが開始した並外れて重要な取り組みの二番目に過ぎない。第一は、サウジアラビアのイスラム教を、1979年に転換する前の、より開かれ、より進歩的な方向に戻すというものだ。

サウジアラビアは、最も憎しみに満ちた破壊的な形のイスラム教の一つを、世界中に何十年も広めており、シーア派イスラム教に対する宗派的憎悪をかき立てるために様々なことを行っており、過去十年間一層激化している。たとえ1979年以前のサウジアラビアのイスラム教が、現在のものより“より開かれ、より進歩的”であったにせよ、イランに対する敵意を口実に、地域の国々不安定化に多忙な同じ人物が“より開かれ、より進歩的な”イスラム教を作り出すことに本当に関心があるなどとは、私は一瞬たりとも信じない。これは現在サウジアラビアとその同盟国が、現在イエメンでしでかしている膨大な犯罪をだまされやすい欧米人に見過ごさせるための言い分に過ぎない。

フリードマンは、一度だけイエメンに触れたが、それもほとんどMBSが彼に言ったことの繰り返しだ。

サウジアラビアが後押しする人道上の悪夢であるイエメンでの戦争は、現在イエメンの85パーセントを支配していると彼が言うサウジアラビア寄り正統現地政府に有利な方向になりつつあると彼は主張するが、それ以外を支配している親イランのフーシ派反政府派が、リヤド空港に向けてミサイルを発射した事実を考えれば、何であれ100パーセント以下の状態は、いまだに問題含みなのだ。

イエメンにおける“人道上の悪夢”への言及はあるが、フリードマンは、その悪夢を作り出す上で一体誰に一義的責任があるのかについては一言も言っていない。サウジアラビア率いる封鎖強化は、集団懲罰という言語道断の行為で、たった一発のミサイル攻撃に対する奇妙な過剰反応だと言ってもよさそうなものだが、一言も言っていない。フリードマンのインタビューは、同盟による封鎖強化が、すぐさま国連が何十年間で最悪の飢餓になると警告するものをもたらしているさなかに行われたのに、この長い記事で、経済封鎖や飢餓という単語を探しても見つからない。誰かがミャンマー軍トップとの会話を詳しく書いて、彼らが現在行っている大虐殺について、一言も触れないことを想像願いたい。MBSの計画に関する彼の熱烈で熱狂的な記述で、フリードマンはまさにそれをやっているのだ。彼のイメージをきれいに見せるためなら、MBSは喜んで著名欧米マスコミを起用するだろうが、サウジアラビア政府の戦争犯罪を粉飾して、彼を喜ばせるマスコミは、自分たちの威信を大いに損なっている。

記事原文のurl:http://www.theamericanconservative.com/larison/friedmans-love-letter-to-a-war-criminal/
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もっと激しい非難の記事も読んだ。表現が卑猥で訳す気になれない。

Moon of Alabama氏による、And Then The Clown Prince Told Friedman: 'Suck On This.'

前にも書いたが、大昔、彼の『レクサスとオリーブの木―グローバリゼーションの正体』を購入したのは恥ずかしい思い出だ。読む気力がわかず、数年前に捨てた。何が書いてあったのか全く知らない。

昨日夜、相撲後の国営大本営広報呆導に驚いた。
ロシアのプーチン大統領が、自分の選挙出馬の邪魔になる外国マスコミを弾圧する法律を作った、という趣旨のいいぐさ。おまけのように「アメリカでのロシアの報道機関RTに対する扱いに対応して」と言った。

電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みーんなロシアのせいなのだ。

国営大本営広報で、アメリカ司法省が、RTに外国代理人登録を強制したという「報道」を見たことはない。民放は「報道」したのだろうか?
どちらの大本営広報呆導も真面目に見ていないので確信はない。

相撲暴力沙汰ばかりたれ流す詐欺呆導機関、本当に深刻な問題には一言も触れない。たとえば種子法廃止。

「種子法」廃止の裏に米政府と多国籍企業の影!「TPP違憲訴訟の会」が行政訴訟へ!岩上安身による元農水大臣・山田正彦氏インタビュー! 2017.11.16

なんともおぞましいモルモット属国に暮らしていることが悲しくなる。

大本営広報部で、元農水大臣・山田正彦氏が、こうした事実を語る可能性は皆無。大本営広報部は彼に出演・発言の機会を与えないはずだから。

大本営広報部を信じて見ている方々と、IWJ購読者の方々は、全く別のものの見方になるだろう。

2017年11月26日 (日)

‘トルコとの関係悪化と失敗したシリア政策修復を狙ってクルド人を裏切るアメリカ’

公開日時: 2017年11月25日  05:13
編集日時: 2017年11月25日  05:28
RT

もしドナルド・トランプが、レジェップ・タイイップ・エルドアンとの約束を実際に果たして、いわゆるシリア民主軍に対するアメリカ軍の支援を“修正すれば”、シリアのクルド民兵は裏切られたと感じ、ダマスカスにより接近する可能性がある、と専門家たちがRTに語った。

金曜日、トルコ大統領との電話会話で、シリア現地の我々のパートナーに行っていた [アメリカの]軍事支援に対する“懸案の修正”について、トランプがエルドアンに要旨を説明した。電話会話に居合わせたトルコ外務大臣メブリュト・チャブシオールは、アンカラが、トルコ・クルド労働者党(PKK)とつながるテロ組織と見なしている“YPGに武器を提供しない”と、トランプは、はっきりと約束したと述べた。

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シリア内でアメリカが支援する部隊への軍事支援の‘懸案の修正’について、トランプがエルドアンに要旨説明。

しかし、ワシントンからの支援がなければ、クルド人は、シリア危機を解決し、シリアの統一を維持するため、ダマスカスとより密接なつながりを得ようとする可能性が高いと、調査ジャーナリストのリック・スターリングがRTに語った。

“起こりうることとして、彼らはシリア政府を認め、より緊密に動き始める可能性があります。もちろん、彼らは決してシリア政府軍に対して戦ってきたわけではありません。ここで起こりうるのは、YPGはシリアと組み、連邦化や、それに類するものを求めているのではないのをはっきりさせ、将来のシリアの一部でありたいというでしょう”とスターリングは述べた。

クルド人支援を撤回するというトランプの意図は、ロシアによる直接の強力な介入によって達成された最近の多数の外交的得点を受けた、失敗しているアメリカ対シリア政策“修正”の取り組みの一環だと専門家たちは考えている。今週始め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、シリア大統領バッシャール・アサドをソチで迎えた。彼は、更に、イランとトルコの指導者と共に、将来のシリアについてのサミットを招集し、そこで、あらゆる当事者が、全シリア国家対話を招集する構想を承認した。火曜日、一時間以上にわたるプーチンとトランプの間で電話会話中に、シリアでの進展も話された。

“シリアで起きているのは、基本的にアメリカ外交政策の失敗なのです。ワシントンは、宗教狂信者連中支援で、サウジアラビアと組んだのです。ところが、ロシアとイランと、レバノンのヒズボラの介入で、これら勢力がいわゆる「イスラム国」を打ち破り、宗教狂信者連中が負けたので、アメリカ政策は、現在、失敗した政策の代替策を見出そうとして必死の努力をしているのです” 歴史学者のジェラルド・ホーンは説明する。

“[トランプ-エルドアン電話会談の]タイミングは、解決を見いだす上で、様々な当事者を一緒に交渉の場に集め、実際、紛争解決の上で大いに進展しているロシアの役割によって決まったのです”とスターリングは指摘した。

スターリングは、ワシントンの一部勢力がシリアでの和平が進むのを望んでいないと警告する。しかも、ワシントンが、公式には、今年早々、モスクワ、アンカラとテヘランによって設定された四つのうちの一つ、イドリブの安全(デエスカレーション)区域監視のために現地にいるシリア内のアンカラ軍と組む可能性がある。ところが、エルドアンは、トルコ軍がシリア、アフリンのクルド拠点を攻撃するかも知れない事実をほとんど隠そうとしていない。

    ペンタゴンは#シリアの2,000人の米軍兵士を公式に認める可能性 - 報道 https://t.co/EngzKbwwkdpic.twitter.com/9rUvkWhOmd
    - RT アメリカ (@RT_America) 2017年11月25日

“多数のトルコ軍部隊が北シリアに進軍しており、ワシントンはシリアからの撤退を拒否するだろうトルコ軍部隊とより密接に連携する可能性があります”スターリングsaid. “ワシントンで起きているのは、状況をどのように扱うかについて、不確実なのだと思います。ワシントンには、これ[和平実現]を駄目にしたがっている勢力がいます。彼らは紛争の解決を見たいと思っておらず、それが危険なのです。”

アメリカが率いるシリア民主軍(SDF)の中核であるYPGから身を引くというワシントンの決断は“裏切り”沙汰だと専門家たちはRTに語った。

“クルド人は過去何度も裏切られて来ました”とスターリングは言う。“彼らはこれに驚くことはないでしょう。それに、彼らはおそらく、かなりの間、彼らのパトロン、アメリカ合州国が彼らを見捨てた時の計画を立てています。”

地域列強とアメリカが認めなかった9月のイラク・クルディスタン地域独立住民投票後、“クルド人は窮地に陥っています”とホーンは言った。“クルド人が、ひどい仕打ちをうけることになっても、ワシントンの手によって受ける初めての愚弄ではありません”と彼は補足した。エルドアン-トランプ電話会話後“クルド人は実際、困り果てています”と彼は述べた。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/410908-syria-kurds-betrayal-us-turkey/
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大本営広報あきずに相撲騒動。番組が痴呆を生み出し、痴呆が番組を後押しするカエル属国悪循環。

刑事事件事実解明は警察に委ねるのが基本

お友達元TBS記者の強姦は無罪放免で、それも信用できないところが絶望的。

日刊IWJガイド ・日曜版「本日13時より、五つ星運動のリーダー リカルド・フラカーロさんと語り合う Eデモクラシーとコミュニティの未来を中継!/21時からはオールジャパン平和と共生 院内緊急学習会・『戦争と世界統一市場を推進するのが資本主義。それに対する最大の敵対者は民主主義』講師 政治経済学者・植草一秀氏を再配信!」2017.11.26日号~No.1899号~

2017年11月25日 (土)

ロシアと中国、新たな経済地理を構築

2017年11月16日
F. William Engdahl

11月8日、ロシアの巨大採掘集団ノリリスク・ニッケルは、ロシア、ザバイカリエ地方、チタ郊外で、最先端技術のビストリンスキー採掘・加工工場の操業を開始したと発表した。このプロジェクトで注目すべき点は、中国の参加と、四年前、ビストリンスキーの膨大な銅と金と磁鉄鉱埋蔵は、いかなる市場にも接近しがたく、全く未開発だった事実だ。これは、ロシアと中国の緊密な協力、特に、以前、新経済シルク・ロードとして知られていた中国の一帯一路構想の結果、成長しつつあるユーラシア全体の経済地理変貌の一例だ。

ビストリンスキー採掘・加工コンビナートは、鉱石の総埋蔵量3億4300万トンと推計されている15億ドルのプロジェクトだ。この巨大プロジェクトは、ニッケルとパラジウムの世界最大の生産者で、プラチナと銅の最大生産者の一つノリリスク・ニッケルと、ウラジーミル・ポターニンが設立したロシアの天然資源基金、CIS天然資源基金と、中国のHighland Fundの共同所有だ。新しい採掘コンピナートは、ロシアのシベリア極東にある中国国境から鉄道で約400キロだ。

中国の参加は驚くべきことではない。中国は世界最大の銅輸入国で、大半の新たな鉱産物は中国へと向かうのだ。ユーラシアを横切る何千キロもの新たな高速鉄道建設を進める中国の一帯一路構想(BRI)は、銅や鉄鋼や鉄鉱石の大規模な需要増加を生み出している。新たなロシアの採掘プロジェクトには、道路、鉄道支線という全く新たなインフラ建設も含まれ、これはこれまで未開発の荒野だった場所での膨大なインフラだ。ロシア極東で最大の民間プロジェクトである鉱山は、2019年にフル稼働する予定だ。

 

アムール川に架橋

ロシアと中国の間で起きている経済地理変容のもう一つの例は、中国で黒竜江と呼ばれるアムール川の橋梁建設だ。新たな橋は、中国とロシアを、中国最北西の地域、哈爾浜と結ぶ。世界最大の国、ロシア連邦を横切る壮大な距離を理解するために言えば、アムール川橋は、チタ近郊の新たな中国-ロシア銅採掘コンビナートの約1000キロ東にある。

2019年に開通予定の新しい橋は、ロシアのユダヤ人自治州と中国の黒竜江省との間での貿易を促進する、長さ2km以上に及ぶ鉄道・道路橋という重要インフラ・リンクとなる。新たな橋の主な即効的恩恵は、香港のIRC Limitedが所有するユダヤ人自治州にあるキムカン露天掘り鉱山鉄鉱石の経済的輸送だ。鉄道部分には、標準軌(1435 mm)と、ロシア軌間(1520 mm)があり、自動車とトラック輸送用の2車線道路がある。

2016年、数年に及ぶ交渉の後、中国とロシアのパートナーの間の長年にわたる不信感を克服して、橋梁建設が始まった。橋は、新経済シルク・ロードの中国-モンゴル-ロシア経済回廊(CMREC)への輸送統合を可能にすることで、中国の巨大な一帯一路構想につながる。アムール橋は、黒河市と、アムールとゼヤ川が合流するロシア、アムール地区の行政の中心、ロシア極東の都市ブラゴベシチェンスクを結ぶ。橋は更に、ロシアのシベリア横断鉄道と、太平洋のロシア主要商業港、ウラジオストックとも接続予定だ。

黒竜江-ブラゴベシチェンスク橋は、2016年3月、中国に設立された黒竜江橋会社と呼ばれるロシア-中国ジョイント・ベンチャーで、ロシア内の子会社が六ヶ月後に設立された一つの会社が運営する。

中国-モンゴル-ロシア経済回廊

2014年、タジキスタン、ドゥシャンベでの会合で、 中国の習近平主席、ロシア ウラジーミル・プーチン大統領と、モンゴルのツァヒアギーン・エルベグドルジ大統領が、中国の一帯一路構想の六優先回廊の一つで、一帯一路構想の一部を形成する最初の多国間協力計画となる中国-モンゴル-ロシア経済回廊(CMREC)の創設に合意した。CMRECは、中国の一帯一路構想と、ロシアが提案しているユーラシア経済連合と、モンゴルのステップ・ロード計画を結び、地域経済統合を推進する。CMRECには、二本の主要交通大動脈がある。一本は、中国の北京-天津-河北地域から、フフホト市、更に、モンゴルとロシアに向かう。もう一本は、中国の大連、瀋陽、長春、哈爾浜と満州里から、新たな大規模ロシア-中国銅プロジェクトの現場であるロシアのチタにまで延びる。

ドルを使用しない中国-ロシア投資

9月、ウラジオストックで、CMREC三国のトップは、エネルギー資源、鉱物資源、ハイテク、製造業、農業と林業、サービス貿易を拡大するより緊密な協力と、教育、科学技術、文化、観光、医療と知的所有権での協力に合意した。これは冷戦緊張時に、酷く未開発で、お互いに孤立していた三国の地域の大転換を保証するものだ。

同じウラジオストックでの、第三次東方経済フォーラムの9月7日の会談で、中国は、1ロシアとの将来の地域経済協力プロジェクトに資金を供給する50億ドルの基金の設立を発表した。中国国務院副総理汪洋が、投資は製造業、資源開発、インフラ、農業と観光を対象にする予定だと述べた。

これに2017年7月、習近平のモスクワ訪問が続き、そこで両国は一帯一路とユーラシア経済連合構想の両方のものを含むロシア・プロジェクト用の人民元資金供給利用を可能にする新たな100億ドルの中国-ロシア人民元投資協力基金の設立を含む、一連の経済協力協定に調印した。中国海南でのプロジェクトは、文化・芸術への取り組みを優先分野として、産業・革新パーク、ハイテク医療、観光、社会インフラを開発するための50000万ドル(人民元換算値)投資を主張している。海南は、中国海のシルク・ロード・インフラの主要ポータルだ。

更に、ロシア-中国開発基金は、モスクワ北西の旧トゥシノ飛行場に、15億ドルに相当する投資総額で、ロステク・ビジネス・パーク、住民15,000人用のアパート、学校と診療所を含む巨大プロジェクトを開発中だ。開発には主要テナントの一つとして、ロシア国営企業ロステク社が関与しており、デベロッパーは、ロシアの投資会社Vi Holdingだ。

ロシアと中国の投資基金間で、ロシアのExport and FRC Internationalとともに、打开套娃(ダーカイタオワ) - 中国語で“マトリョーシカを開ける”ことを意味する商標名のプロジェクトをたちあげることにも合意した。プロジェクトの狙いは、遺伝子組み換えではない、生態学的に清潔なロシア農産物の更なる成長と中国市場輸出の促進だ。

しかも中国は、モスクワで、中国ICBC銀行を通して、人民元での決済サービスを提供する許可を、ロシアから得た。これにより、中国とロシアは、両国相互の経済投資で、ドル・リスクを効果的に回避する。

ユーラシアの国々全体に新たな経済地理を構築するこうした進展の全ては、2001年9月以来、ワシントンがやってきたことと全く対照的だ。ブラウン大学のWatson Institute of International and Public Affairsの新たな研究によれば、2001年以来、ワシントンは、アフガニスタンやイラクやシリアやパキスタンでの戦争に 、ペンタゴンが公式推計で主張している額の三倍以上、驚くべき5.6兆ドルを費やしてきた。

そうではなく、アメリカ合州国が、5.6兆ドルを、アメリカの朽ちた8兆ドルの道路、鉄道、水道、配電網のインフラ不足の再構築に使っていたらと想像願いたい- アメリカ人と世界にとって、一体どの様な向上だったろう。彼らは、世界にとって、本当に全員の利益になるロシア-中国による新興ユーラシア開発の平和的協力も想像できるはずだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/11/16/russia-china-build-up-a-new-economic-geography/
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朝から晩まで、相撲暴行問題一辺倒。横綱の品格は問うが、首相の品格は問わない、品格と無縁の大本営広報部と茶坊主・太鼓持ち。
宗主国大統領が、羽田や成田でなく、横田に飛来し、アメリカ軍兵士への演説から、属国訪問を開始し、武器大量契約と、米日FTAについて話したことの方がよほど重大に思えるのだが。カエルの王国大本営広報部は、違う。

そこで、今朝の孫崎享氏メルマガのタイトルをコピーさせて頂こう。

高田昌幸著「なぜ記者は権力のポチになるのか」(「月刊日本」よりの転載) 現在の新聞報道の80%は当局の発表を伝える「発表報道」。メディアの役割は「権力監視」と言われるが、軍部を監視したことはないし、GHQを監視したこともない。

日刊IWJガイド・ウィークエンド版「年末『IWJ設立7周年記念ファンドレイジング・トークイベント』参加ゲストが続々決定! 2017年12月23日(土・祝日)はスケジュールの確保を!! 今年の会場は『六本木一丁目』駅直結の泉ガーデンタワー3階でアクセスも簡単」2017.11.25日号~No.1898号~

参加ゲスト、拝聴している衝撃的インタビュー登場の方々がずらり。

2017年11月24日 (金)

経済制裁を解除し、わが国のチーズを召し上がれ: チェコのゼマン大統領、140人の企業家を同行し、プーチン大統領と会談

公開日時: 2017年11月21日  16:49
編集日時: 2017年11月21日  20:50
RT

EUとロシア間の相互の経済制裁を廃止すべき時が来たと、チェコ大統領はソチで語った。彼の訪問に同行した実業家集団が、ロシアはチェコにとって、フランスの“10倍重要”であることを示しているとも語った。

ソチでのロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談後“素晴らしい一日に、[経済制裁]は対処されるべきだ”と、チェコのミロシュ・ゼマン大統領は記者会見で語った。彼は、EUとロシアがお互いに課した制裁を受け入れることは出来ず、断固反対し続けるとも言い足した。

チェコ大統領は、ロシア大統領に、もしロシアがヨーロッパの経済制裁に対抗して、EU諸国に課した制裁を解除しなければ、ロシアは“わが国の素晴らしいチーズやヨーグルトを奪われることになる”と冗談まじりで警告した。これに対し、プーチンは、ロシア人はチェコ・ビールが飲める限り、チェコ・ヨーグルト無しでも我慢できると冗談を言った。


2017年11月21日、ソチで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)チェコのミロシュ・ゼマン大統領と会談。ミハイル・クリメンチェフ / Sputnik

ゼマンは、彼のロシア訪問には、フランス訪問時の10倍の実業家が同行し、チェコにとって、ロシアは明らかに、例えばフランスの“10倍、重要”だとも語った。彼は、そのような場合にいつも使用する二機のエアバスでは、ロシアと仕事をすることに関心を持っている人々全員を乗せることができず、代表団のために、追加飛行機をチャーターせざるを得なかったとも述べた。

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チェコ大統領は、自分は‘プーチン、トランプ、中国とイスラエルの代理人’だと言って、マスコミをからかった。

ゼマンは、その間モスクワでのロシア-チェコ経済フォーラムと、エカチェリンブルグでのビジネス・フォーラムに出席予定の彼のロシア訪問に、約140人のチェコ実業家が同行していると述べた。対照的に、彼の最近のフランス訪問に同行した実業家はわずか14人だった。

二人の大統領は、会談の始めの部分は、ロシア語で話し、ゼマンは彼の言葉をチェコ語に翻訳することに反対までした。“[私の発言]を翻訳する必要はない、[チェコの] ジャーナリストは、ロシア語を知っているはずだ”と彼は述べた。

チェコ大統領は、経済制裁にもかかわらず、両国の経済協力が進展しているのは嬉しいことだと述べた。総計約200億ドルにのぼる13の協定に署名する予定だと彼は述べた。

ロシア大統領は、両国経済関係の下方スパイラルが逆転し、2017年に、ロシアとチェコ共和国間の貿易が約43パーセント増えた事実を歓迎すると述べた。ロシアは、両国の“共通利益に合致する”ので、EUとの関係正常化に関心があると、プーチンは述べた。

遠慮ない物言いをするチェコ大統領は、概して敵対的な欧州連合指導部の中では、モスクワ支持者として知られている。彼は、対ロシア経済制裁の解除を呼びかけるのみならず、クリミア問題を巡って、ロシア支持も表明した。

10月、ゼマンは、ヨーロッパの政治家に、ウクライナからの半島分離を“既成事実”として受け入れるよう促した。欧州評議会議員会議(PACE)で発言して、ロシアはウクライナに、クリミアに対して、お金か石油で“埋め合わせ”できるだろうとも彼は語った。

彼の発言は、ウクライナからの怒りの反撃を引き起こしたが、プラハは、“ネアンデルタール洞窟からの叫び声”に過ぎないと片づけた。ゼマンは自分の親ロシア姿勢について冗談を言うのを決して躊躇しない。3月、二期目への出馬意図を表明した際、チェコ大統領は、プーチン、中国、アメリカのドナルド・トランプ大統領と、イスラエルの“代理人”だと発言した。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/410536-zeman-putin-russia-sanctions/
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傀儡与党政治家連中に、ゼマン大統領の爪のあかを飲ませたい。

レバノン首相が、宗主国でテレヒで辞任演説をした話で連想したのは、1968年、モスクワで、ラジオ放送したドウプチェク氏。チェコ語がわからなくとも、声の調子にただならぬものを感じた。

伝統文化関係の人物が、しきりに「相撲協会に出てきて、実情を語れ」とのたまう。

この国では、国会でウソをつけば出世し、本当のことをいうと監獄に閉じ込められ、家族と会うことも禁じられる。植草一秀氏もこうおっしゃっている。

暴行傷害事実なら被害者攻撃するのは筋違い

力士の暴力、品格を報じる暇があるなら、トップの品格、国家の暴力、品格を論じろと、洗脳箱と、茶坊主連中を見て思う。今の千倍くらい「地位協定」を論じてみろ、と思う。あり得ないが。

ゼマン大統領の「制裁より、相互に恩恵のある経済関係「とは、全く対照的な暴走を夢想する狂人集団がのさばる属国。

日刊IWJガイド「敵基地攻撃能力『さまざまな検討を行っていく責任がある』と安倍総理が明言! 核兵器含む『反撃』の危険性には触れず!/【本日】山口4区で安倍総理と対決! 岩上安身による『今治加計獣医学部問題を考える会』共同代表・黒川敦彦氏インタビュー」2017.11.24日号~No.1897号~

2017年11月23日 (木)

シリア、ロシアとイランは外交に移行、一方アメリカと同盟諸国は戦争を推進

Finian Cunningham
2017年11月21日

シリア和平交渉の週、イランとトルコの指導者も集まるソチで、アサド大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に歓迎された。おそらく、ふさわしいのだが、アメリカは、シリア和平のための新たな努力に何の提案もできずにいる。

プーチンは、ISIS (ダーイシュ、「イスラム国」)やシリア内他のテロ集団の打破は事実上達成されたので、紛争の当事者は、平和を勝ち取るための政治的手段を補強しなければならないと述べた。ロシア黒海のリゾート地、ソチでの交渉は、シリアの主権当局として、バッシャール・アサド大統領と彼のダマスカス政権を承認した先のジュネーブ合意を強化するのは重要だ。

ワシントンとヨーロッパの同盟諸国によるアサド“辞任”要求は、とうの昔に期限が切れた。この無効状態は、政権転覆を狙った、シリアでのほぼ七年間秘密の戦争、あるいは、少なくとも、欧米が支援する代理過激集団を装った秘密の戦争が敗れたことの暗黙の承認だ。

今週、ソチでの和平交渉に、アメリカとヨーロッパ高官が欠席していることが、シリア戦争における連中の悪質な役割について、実に多くを物語っている。

シリア、ロシア、イランとトルコが和平交渉を刷新しようと尽力する中、ペンタゴンのジェームズ・マティス長官が先週、アメリカ軍はシリア領に更に腰を据えるつもりだと述べたのことは重要だ。

テロ集団の崩壊にもかかわらず、シリアからの撤退をアメリカ軍がいやがっているのは、一環地域におけるアメリカ軍事的存在の復興と見るのが一番当たっているだろう。トランプ大統領の下 - 彼の選挙運動公約にもかかわらず - アフガニスタンやイラクで、アメリカ軍のレベルは大幅に強化された。シリアへの配備は地域における強化というこのパターンに合致する。

地域におけるアメリカ軍勢力レベルの強化は、サウジアラビアとイスラエルがイランとレバノンに対する敵意を強めている不吉な兆しも強調している。

テロ集団が駆逐されつつあるにもかかわらず、先週、ジェームズ・マティス国防長官は、アメリカ軍はシリアに留まるつもりだと述べた。アメリカ軍のシリア駐留は、国連の法的委託を受けているというマティスの主張は、ロシアとシリアによって、国際法の曲解だとかたづけられた。

だが、たとえマティスの間違った論法によっても、彼の主張はおぼつかない。もしアメリカ軍が、主張通り、テロリストを打ち破るため、シリアに駐留するよう委託されていても、テロリスト連中がほとんど打ち負かされたのを考えると、そこに駐留しているのは一体なぜだろう?

アメリカ軍の新たな目標は“ISIS 2.0”の出現を防ぐことだとマティスは述べた。アメリカはISISに対する戦いはほとんど行わず、実際は、BBCでさえ報じた通り、危険な状況からの司令官連中のヘリコプター空輸を含め:過激派戦士に安全な通行を保障した事実にもかかわらず。

アメリカと、NATOと、地域の傀儡政権によって、秘かに武器を与えられ、資金を供与されていたテロ集団を撃退するあらゆる力仕事をしたのは、シリア・アラブ軍、ロシア、イランとヒズボラだった。ISIS、ヌスラ戦線や、他のあらゆる略語だらけのテロ集団は、シリア政府や ロシアが既に指摘している通り、実際には、外国による侵略に当たる駐留にあたる、戦闘機や特殊部隊のアメリカによるシリア配備の口実に過ぎない。

今マティスが、シリアでISISを打ち破ったのはアメリカだったと主張し、アメリカの手先が、ISIS 2.0として再登場する亡霊を警告しているのは、シリア領土占領を継続するための口実だ。アメリカの手頃なまぼろしの敵は、二度も役立ってくれる。これはis toアメリカのシリア干渉を“正当化”するためだ。そして今度は、テロリストに対する本当の勝者、シリア、ロシアとイランが、シリアを非武装化しようとしている時期に、アメリカ軍のシリア駐留を正当化するために。

    '#シリアに‘革命’など決してなかった、外部諸大国によってあらかじめ計画された戦争だ' (Op-Ed by @EvaKBartlett) https://t.co/ISNJAQEnVS
    - RT (@RT_com) 2017年11月3日

国民に見えないところで、アメリカ軍はシリア、アフガニスタンやイラクで駐留を拡大している。Politicoはこれを“公式な見え透いた言い訳”と呼んでいる。トランプ政権とペンタゴンは、アメリカ人の意向に背き、中東全域に更に数千人の軍隊を配備しようとしているのだ。

ワシントンにとって大変不快なことに、先週、アメリカがシリアに13の軍事基地を擁していることをトルコが暴露した。ロシアは、過去二年間、ISISや他のテロリスト・ネットワークを打ち破る上で、ずっと大きな軍事的影響を持ってきたにもかかわらず、ロシア、明らかに、わずか五つの基地しかない。

最大の米軍基地の一つは、北部の都市ラッカから約140キロ、コバニ近くにある。これが、先マティスがアメリカ軍は腰をすえるつもりだと言った際に、言及していた場所であることは確実だ。

コバニのアメリカ空軍基地は、極めて限定されたわずかな機種の航空機しか受け入れられない素朴な飛行場から、最大の兵員輸送、貨物輸送機を含む、ペンタゴン航空隊の“どの種の機体でも”着陸できるものへと、昨年以来、劇的に強化されている。

コバニのアメリカ軍基地は、北イラクのカッヤラ・ウエストから、ラッカの北、タブカ・ダムを結ぶ一連の新たな飛行場の一環でもある。

ペンタゴンのForce Management Level政策の下で、公式にはシリアには、わずか500人の兵士しかいないことになっている。アフガニスタンやイラクでと同様、実際の人数は、公式に認められているものより遥かに多いと考えられている。

インチキ計算の大半は、ペンタゴンが相手国に120日以下しか駐留しない部隊を数に入れないことから起きている。こうした部隊は橋梁、道路や滑走路建設を任務とするエンジニアや兵士だ。

これは、アメリカとNATO軍が、バルト海と黒海地域で、“交替制駐留”の範疇の兵士、戦闘機や艦船を恣意的に数に入れないことで、部隊態勢を過小評価しているのと、そっくりだ。しかし十分頻繁に交替すれば、部隊態勢は実質的に恒久的となり、実際には、公式に認められているよりずっと多い。

アメリカの代理勢力が“ISIS 2.0”として再来することがないようにする(何というあつかましさ!)ことに加え、現地アメリカ軍の拡張は、11月28日に再開するジュネーブ和平交渉が、“影響力”を得られるようにするためだとマティスは述べた。

“我々は、ジュネーブ・プロセスが影響力を持つ前に、今すぐ立ち去るつもりはない”先週イギリス国防大臣とのロンドンでの会談で滞在中にとマティスは述べた。

これが示唆しているのは、ワシントンがシリア領土の違法軍事占領を、政治プロセスに影響を与える手段として利用しているということだ。シリア領土に無理やり居すわることで、ワシントンは、アサド政府が、アメリカの辞任要求に折れるか、新憲法を制定して、敗北した反政府派に、より発言権を与えるかするのではと、おそらく計算しているのだ。

もし、アメリカが、シリアにおける政治プロセスに本気で貢献するつもりなら、次のジュネーブ ・サミットに備えて、ロシアが仲介した今週ソチでの交渉に弾みをつけるべく、なぜアメリカ外交官たちが参加していないのだろう?

しかし、一層不吉なのは、地域全体でのアメリカ軍強化という状況だ - ほとんど秘密で、アメリカ国民に知られずに。ワシントンの傀儡政権、サウジアラビアとイスラエルが、直接、あるいは、レバノンとイエメン経由で、イランとの対決を推進しており、シリアでの軍事駐留拡張は、戦争は終結から程遠いことを示している。逆にこれは、更に壊滅的な地域戦争の前兆かも知れない。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。彼は音楽家で、作詩作曲家でもあるミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は20年以上、編集者、著者として働いた。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/410530-syria-russia-iran-war-isis/
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白鵬・嘉風戦の白鵬の態度は頂けない。国会で毎度のウソ答弁よりはまし?

日刊IWJガイド・番組表「会計検査院が森友学園に対する国有地売却経緯の検査結果を公表! 8億円もの値引きについて『十分な根拠が確認できない』と指摘! さらに、市民団体が近畿財務局長を刑事告発!/参議院本会議での共産党・山下芳生副委員長の質問に対し、安倍総理はコピペで答弁!/自民党にはびこる『女性=出産マシーン』思想!? 山東昭子議員がナチスに通じる『子供4人以上出産で表彰』発言、党内では子供なし世帯に増税案を検討中」2017.11.23日号~No.1896号~

2017年11月22日 (水)

フランスのマクロン、サウジアラビアによる侵害を隠蔽

Finian CUNNINGHAM
2017年11月20日

窮地に立っているレバノン首相サード・ハリリと家族に“パリで数日間”過ごすようにというフランスの招待は、サウジアラビアとレバノンの間の緊張を解決すべく、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が巧みなソフト・パワーで介入したものとみなされている。

厳しく言えば、マクロンが実際行っているのは、サウジアラビア支配層によるレバノンに対する途方もない侵害行為、レバノンの主権への侵害に対し、身勝手な隠れ蓑を与えることだ。

フランス訪問中、ハリリの子供二人はサウジアラビアの首都リヤド週末に残された。ハリリに、サウジアラビアによる事態歪曲を支持し続けさせるべく、彼らはサウジアラビアによって人質として利用されているのだろうか? 確かに、このお膳立ては、疑いを抱かせるが、フランス大統領は、“正常”で、何もおかしなことはないという見かけの振りをしようとしていた。

先週、レバノン大統領ミシェル・アウンは、ハリリを彼の意思に反して、リヤドに留め置いているとサウジアラビアを公に非難した。ハリリを拘留し、レバノン首相として辞任を強いて、サウジアラビア支配者国際法に違反しているとアウン大統領は述べたのだ。そのような行為は、侵略に等しいと、アウン大統領は述べた。

とろが、マクロンはサウジアラビアの干渉について一言も触れていない。彼は逆に現実をあべこべにして、地域での“侵略”のかどで、イランを激しく非難して、結局、イランがイエメンに弾道ミサイルを提供したというサウジアラビアの主張を支持している。イランはマクロンは“地域の緊張をかき立てている”と素早く非難した。

称賛されるべきは、この状態をそのまま、多くのレバノン国民や世界中の多くの他の観測者が結論している通りに、率直に、堂々と発言したアウン大統領だ。この大混乱丸ごと、サウジアラビア支配層による、レバノンと国際法に対するとんでもない侮辱、ハリリが急にサウジアラビア の首都リヤドに今月始めに呼び出され、その後のサウジアラビアTVで放送された辞任演説をし、そこに長逗留していることを考えれば。更に卑劣なのは、レバノンの主権問題へのサウジアラビアの干渉が、小さな地中海の国での内戦再開を、更に悪い可能性として、イランとの中東全体での戦争を招く恐れがあることだ。

ハリリは、サウジアラビアで行われた後のマスコミ・インタビューや、レバノンにいる家族や友人とのやり取りと報じられているものの中で、サウジアラビア滞在は強制されたわけではないと主張している。ハリリの突然の辞任と、ほぼ二週間に及ぶ長いサウジアラビア滞在という奇怪な現状を考えれば、この主張は信じがたい。

ともあれ、レバノンのミシェル・アウン大統領は、この話には何か酷い欠陥があると結論し、サウジアラビア支配層をレバノンの主権侵害ではっきり非難した。

それゆえ、何らかの原則なり、国際法を順守するのであれば、サウジアラビアの行動は、国際社会、国連、欧州連合や、特に1943年に独立するまで、元宗主国としてレバノンとの歴史的関係があるフランスによって、断固非難されるべきなのだ。

ところが、そうではない。現実にあるのは、逆に、ワシントンの恥ずべき沈黙や、EUの当たり障りのない声明だけだ。欧州連合外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニは、レバノンの内政への“外国の干渉”を警告する曖昧な声明を発表した。一体何という臆病で回りくどい表現だろう?

レバノン首相サード・ハリリは、事実上サウジアラビアによって拘留され、最後通告として、首相辞表を提出するよう強いられたのだ。ワッハブ派サウジアラビア支配層は、シーア派集団ヒズボラが、ベイルートの連立政権の一部であることに憤慨していたという信じるべき報道がある。ハリリは、ヒズボラに、そして延長として、イランに敵意を持ったサウジアラビアに支援されるスンナ派政治家だ。だが明らかに、サウジアラビア支援者の目から見て、彼は十分敵対的ではなかったのだ。そこで、ハリリはリヤドに呼びだされ、11月4日に辞任するよう命じられたのだ。(サウジアラビアが支援する秘密テロ戦争のシリアにおける敗北も、この時期となった一つの要素なのは確実だ。)

マクロン大統領は、サウジアラビア専制君主に迎合し、便宜をはかるという極めて厄介なゲームをしているのだ。

ワシントン・ポストのWorldView要約は、先週こう報じた。“フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ハリリがサウジアラビアの囚人だという意味合いを払拭することが重要だと記者団に語った。”

新聞は、むしろ空疎なマクロン発言まで引用している。“自由に発言できる指導者が必要だ。[ハリリ]が今後、レバノンの政治プロセスを進められることが重要だ.”

こういう疑問が問われるべきだ。“ハリリがサウジアラビアの囚人だという意味合いを払拭することが”マクロンにとって一体なぜ重要なのか?

彼の意見が一番重要なはずのレバノン大統領ミシェル・アウンのものも含め、あらゆる説が、ハリリはサウジアラビアによって囚人にされていると言っている。

彼がリヤドに呼び出され、11月4日に、ハリリ がヒズボラと、その同盟イランによる暗殺策謀の対象として危険な状態にあるという信じがたいドラマを主張する辞任演説台本を読まされる三日前、ハリリはベイルートで、フランス文化相と夕食をとっていた。食事中、彼に電話がかかった。彼の表情が暗くなり、リヤドに飛ぶべく、直ちにテーブルを立ったと報じられている。側近連中もなしに到着したハリリは、サウジアラビア職員と会い、職員が彼の携帯電話を没収した。慣例的な外交儀礼であるハンマド・ビン・サルマーン皇太子などのサウジアラビア高官による出迎えは無かった。

以後の二週間、ハリリのサウジアラビア滞在に関する全てが、彼の意思に反した、事実上の拘留であることを示唆している。確かに、その間、彼はアラブ首長国連邦にも飛行しており、それが彼の自由な行動の証拠だとサウジアラビアは主張している。UAE支配者はサウド家と密に提携しており、しかもハリリは間もなく、リヤドの自宅に戻り、そこから友人たちに、自分は“大丈夫だ”とツイートし続けている。

これは偽りに過ぎない。サウジアラビアが、あつかましく、首相に辞任を強いてレバノン内政に干渉したのが赤裸々な事実だ。更に、サウジアラビア支配層は、イエメンのフーシ派反政府派を支持したとして、レバノンを“戦争行為”のかどで非難している。サウジアラビアは、サウジアラビア国民にレバノンを出国するよう命令した。またサウジアラビアが現在、ベイルートをアラブ連盟の資格を保留にしようとしているという報道も現れている。これはサウジアラビア支配層の無謀で煽動的な振る舞いだ。

我々は驚くべきなのだろうか? ほぼ三年に及ぶアメリカとイギリスが支援するサウジアラビアの対イエメン戦争によって生じた必需品の欠乏で、今年50,000人の子供が死亡する可能性があると人道支援団体が警告しているイエメン爆撃と大量虐殺経済封鎖を巡って、サウジアラビアは、国際法の全く犯罪的な軽視を見せている。

サウジアラビア君主制は、“反汚職推進”を装った大胆不敵な権力奪取で、自国の政府閣僚や実業家の逮捕という国内での暴挙にも出ている。しかも、サウジアラビア支配層は、カタールがイランの傀儡で、テロリストを一人で支援しているという捏造された主張(これは、シリア政府打倒のためのテロリスト代理勢力に資金供給をしているサウジアラビアの言いぐさなのだ。)を巡ってのカタールに対する法律的に疑わしい貿易・外交封鎖を組織する上で、大いに関与していた。

サウジアラビアの犯罪性と、ならず者行為は多く、あつかましく大胆不敵だ。

いわゆる“国際社会”、国連、ワシントン、欧州連合や、特にフランスが手厳しい非難に値するのはそれが理由だ。レバノンに対するサウジアラビアの違法行為に対する連中の当たり障りのない消極的な声明は、面汚しだ。連中はサウジアラビア専制君主に迎合して、理不尽な無法に凶暴しているのだ。

だがフランスのエマニュエル・マクロンが最大の面汚しとして出現した。サード・ハリリと彼の家族に、フランスに来るように招待したのは、サウジアラビア専制君主に隠れ蓑を与える身勝手な動きだ。招待発表時、マクロンが“亡命するよう申し出たわけではない”と言ったのが多くを物語っている。マクロンはこうして、この件を素敵なものにしようとしている。

金曜日、ハリリがパリに到着する前日、マクロンは実際、イランを“侵略”で非難し、弾道ミサイル防衛計画に対し、イランの経済制裁を呼びかけた。だから、目に余る干渉と攻撃のかどで、リヤドを非難するのではなく、マクロンは、こそこそと、サウジアラビアの主張を援助し、イランを非難しているのだ。

ハリリをパリに招いて、マクロンは、現実には、過去二週間にわたる、サウジアラビアによる浅ましい不正行為は、国際法と隣国の主権に対する、法外で極めて重大な侵害に等しいのに、サウジアラビア-ハリリの全て“正常”という見え透いた言い訳を甘やかしているのだ。

この種の身勝手な“外交”で、マクロンは、フランスが、中東や世界において、いかなる指導的役割や道徳的権威を持つことから程遠いことを示している。

もちろん、武器輸出から、エネルギーやインフラ計画に至る、サウジアラビア専制君主とのフランスの既得経済権益が、マクロンのご都合主義の計算ずくの中核だ。

グローバル大国としてのフランスのある種の再興を生み出そうというマクロンの野望は、無駄な単なる虚栄心に過ぎない。サウジアラビアのレバノン攻撃を目の前にしてのフランス大統領の臆病さが、マクロンと彼の“グローバル大国”という見せ掛けは、安物おしろいの粉煙であることを示している。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/20/france-macron-covers-for-saudi-aggression.html
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「マクロン仏大統領、私と似ている。」「私は日本のマクロン」いった政治家がいるようだ。自ら尻尾をだしたというところだろうか?

ファーストやら絶望やらの見せ掛けは、安物おしろいの粉煙であることを示している。

大本営広報部は、重要な話題を避けて、連日相撲一辺倒。キオスクで見たタブロイドの見出しも、とうてい信じがたいのだが。

孫崎享氏の今朝のメルマガ題名

森友学園、値引きは根拠不十分 会計検査院が国会に報告へ。当然ながら今後、売却額に何ら問題もなかったとしてきた政府、特に財務省の責任、更に値引きの根拠を示す資料を隠蔽した財務省の責任が厳しく追及されるべきである。

日刊IWJガイド「本日19時よりイタリアで最大野党『五つ星運動』リーダーのリカルド・フラカーロ下院議員 来日直前プレ企画! コーディネーター・佐々木重人氏に岩上さんがインタビュー!/IWJ新人記者が民進党・大塚耕平代表に直撃!『緊急事態条項』は『改憲の論点になれば議論していく』!? 遅いっ!! 『原発へのミサイル対策』は『狙われないように努める』!? 意味不明っ!!/『IWJ設立7周年記念・年末ファンドレイジング・トークイベント』の会場と日時が決定!! 今年はイブイブ12月23日!」2017.11.22日号~No.1895号~

2017年11月21日 (火)

イランとサウジアラビアの武力威嚇: 全面戦争では、どちらが優勢か?

公開日時: 2017年11月14日  20:15
編集日時: 2017年11月14日  20:23
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リヤドがテヘランの同盟者ヒズボラを標的にして、サウジアラビアと、地域の大敵イランとの間の緊張は常になく高い。もし二国間で実際の軍事衝突が起きた場合、どちらが優勢になる可能性が高いだろう?

狭いペルシャ湾で地理的に隔てられている両国間の地域的紛争は、宗派的、政治的、経済的競合に深く根差している。サウジアラビアとイランは、長年の暴力を伴ったイスラム教の二大ライバル宗派を奉じている。両国は、現在不安定なエネルギー市場で競合しているが、テヘランは、リヤドを後援するアメリカが課した経済制裁のおかげで失ったシェアを巡って、根に持っている。両国は、バーレーン、イエメンやレバノンのような場所で、暴力的な代理戦争をしている。

最近の紛争は、ライバルに対するいわゆる反汚職作戦によって、またサウジアラビア版イスラム教を現代化し、革新的プロジェクトに莫大な投資をするという約束で、諸外国の支持を訴えて、多くの専門家から、サウジアラビアの事実上の支配者と見なされているサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が権力を固めていることに起因している。

更に読む
サウジアラビア v イラン: 中東大国間の激しい反目の背後に一体何があるのだろう?

サウジアラビアの国内闘争は、一連の外交政策の失敗に由来している可能性がある。イランと提携するフーシ派反政府勢力に対処すべく、2015年に華々しく開始されたリヤドのイエメン軍事介入は泥沼と化した。皇太子は、大規模な人道主義の危機をもたらしたが、軍事的勝利のないこの決定をした主要人物の一人だ。

今年のカタールとの亀裂と、この小さなアラブの王国経済封鎖は、ドーハからの素早い譲歩を引き出すのに失敗した。それどころか、カタールをよりイランに接近させ、イランとこの地域で自らの役割を主張したがっているトルコが物流支援を行っている。

シリアでは、サウジアラビアが支援するイスラム主義過激集団は、ダマスカス政府打倒に失敗した。ロシアの上空掩護に支援され、地上では、シーア派民兵やイランの軍事教官によって強化されて、シリア軍が紛争では実質的に優勢だ。

イランに対し、現在リヤドは、120,000人の命を奪った15年の内戦後、宗派の境界線に沿って分けられた国レバノン内で問題をかき立てようとしているように見える。この戦争の主要な進展の一つは、現在レバノン国内で最も強力な部隊の一つで、2016年の権限分担協定の下で形成された政府の一環でもあるシーア派武闘派の運動ヒズボラの出現だった。

更に読む: サウジアラビアレバノンに '宣戦布告' 、ハリリ首相辞任を強制され、拘留されている' - ヒズボラ議長

今月、リヤドで発表した、レバノン・スンナ派指導者サード・ハリリ首相辞任と、サウジアラビアのカタール風経済封鎖という間接的脅威が、レバノン内戦のかつての亡霊を呼び覚ましている。ヒズボラは、サウジアラビアは、ハリリを強制的に拘束しており、その行動は宣戦布告にも等しいと考えており、サウジアラビア政府は、イランとの対立で、イスラエルの支援を求めていると報じられている。

非難が飛び交い、緊張が高まり、反イラン感情がアメリカ政府内で広がり、サウジアラビアとイラン間の深刻な衝突の可能性は高まっている。

数の計算

統計だけを基にあり得る戦争の結果を予想するのは無意味だ。例えば、2006年のイスラエルとヒズボラとの紛争は、イスラエル国防軍の方が遥かに多くの資金を得ており、装備も勝っていたにもかかわらず、引き分けだった。それでも、数値はエスカレーションした場合に、テヘランとリヤドが一体何を使用する可能性があるかを考える参考にはなる。

各国軍隊の相対的な強さを比較しているウェブサイトGlobal Firepower Indexでの二国の順位は近い。サウジアラビアは世界で24番目に強い国と推測されており、対するイランは21位だ。

イランはサウジアラビアの三倍人口があり、サウジアラビアの1400万人に対し、3900万人を動員できる。軍事要員総計は、934,000人と推計され、サウジアラビアの3.6倍だ。

軍事予算の点では状況は逆だ。テヘランは、毎年の防衛費に63億ドル費やしているが、リヤドの予算は、560億ドルだ。サウジアラビアが兵器の大半を、アメリカ合州国から法外な価格で購入しているのに対し、イランは国産可能なものは何であれ自製するのが誇りだということに配慮するまでは、差異は現実以上に大きく見えかねない。イランがロケット工学分野で成功しているのは明らかだ。

国が違えば、商品もサービスも、それぞれの市場で値段が違うので、同じ支出でも得られるものは異なるという事実もある。ウェブサイトは、イランの国防予算は、購買力で調整すると、1.459兆ドル、これに対し、サウジアラビアは1.731兆ドルと推計している。

ハードウエアの点で、戦闘機と攻撃機の数では、サウジアラビアがイランを圧倒する(177機と245機 対 137機と137機)。イラン航空機の一部は、シャー時代から引き継いだF-4ファントムIIなどの旧式アメリカ・モデルで、他は1980年代末から1990年代初期に引き渡されたソ連と中国の航空機だ。サウジアラビア空軍は、最新のアメリカ・モデルや、一部ヨーロッパ・モデルが山積み状態だ。戦争となった場合、テヘランは、長年開発して来た地対空ミサイルで、それを撃墜することを願っている。

二国の海軍力では、ほぼ間違いなくイランが有利だ。艦船の数の大きな違いは(398 対 55)主として、230隻の哨戒艇からなるイランのモスキート艦隊のせいだが、ペルシャ人は、アラブ人がないものも保有している。潜水艦だ。イランは、小型な排水量10トンのアル-サベハト15輸送潜水艇から、1990年に引き渡された三隻のロシアのキロ型攻撃潜水艦に至るまで、33隻の潜水艦を保有している。もし、アメリカが関与しなければ(大きな「もし」)、イランは、少なくとも、全てのサウジアラビア艦船のペルシャ湾航行を阻止しよう。

大規模地上戦となると、イラン側がより多くのハードウエアを保有している。歩兵戦闘車ではサウジアラビアより数が劣るが、戦車部隊の力では上回り、あらゆる種類の火砲で圧倒的に上回っている。だが、またしても、イランがこの優位を十分に生かせるかどうかは、空を守れるか否か次第だろう。

死と破壊

更に読む
石油市場を変える戦争

もちろん、もしイランとサウジアラビアが実際やりあうことになれば、両国にも、世界の他の国々にも大きな損害を引き起こすだろう。イエメンからの散発的なミサイル発射とは異なり、イランの弾道ミサイルは、サウジアラビアの防衛を圧倒するのに十分だ。しかし、それも非軍事標的に命中するのを避けるほど、十分精度が高くない可能性がある。イエメンでのサウジアラビアによる一般市民殺害の実績からして、イランに対する戦争で、コウジアラビアがより配慮をするだろうと願う余地はほとんどない。

特に石油輸出の大きな部分が、ペルシャ湾経由ルートに依存しているので、二大原油産出国がかかわる紛争は、石油価格を急騰させるだろう。サウジアラビア王家の粛清報道の高まりは、今後何が起きるかの一種の予告編として利用できよう。

そして、もし両国が衝突すれば、他の国々が座視している可能性は低い。いつもの代理勢力が担ぎだされるだろう。ほとんど得るもののない本物の大混乱が予想できる以上、そういうことにならぬよう願いたいものだ。

記事原文のurl:https://www.rt.com/news/409875-iran-saudi-arabia-military/
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相撲の暴力問題くらい熱心に「日米地位協定」「基地問題」を扱えば、大本営広報と呼べなくなる。もちろん、そういう日はこないだろう。

孫崎享氏のメルマガ・タイトル

日本の教育投資は今や悲惨。幼児教育だけでない。深刻さは大学教育。OECD参加34カ国中、国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は最下位。これをどう是正するか最重要。大学ランク、シンガポール、中国の大学が東大、京大の上。

戦争予算をどんどん積み上げる一方、教育投資をどんどん削る国に未来はない。

日刊IWJガイド「立憲民主党が国会デビューで枝野幸男代表『今ある憲法を守ってから言え!』今日は共産党・志位和夫委員長が代表質問!/希望の党結党と民進党解党に上杉隆氏の影、朝日新聞がスクープ続編!前原氏『共産党と組んだら死んでも死にきれない』!?/豊臣秀吉も吉田松陰も影響を受けていた~ 古代に遡り、日本と朝鮮との関係に大きな影響を与え続けている「三韓征伐」神話の成り立ちに迫る! 国際日本文化研究センター教授・倉本一宏氏インタビュー!」2017.11.21日号~No.1894号~

2017年11月20日 (月)

シリア概況: 視野に入ったイドリブの戦い

Moon Of Alabama
2017年11月16日
"Information Clearing House"

先週中いくつか重要な動きがあった。シリアに対する戦争はゆっくりと終焉に向かいつつある。政治闘争は相変わらず続いている。アメリカのマティス国防長官は、彼に実現不能な計画の奇妙な声明を発表した。

 


11月3日の概況 - 拡大図

前回のシリア概況では、シリア-イラク国境近くの「イスラム国」最後の避難場所を巡る状況を検討した。

シリアのアブ・カマル(al-Bukamal)とイラクのアル・カイムの双子都市はISIS最後の避難先の都会だ。二都市は、ユーフラテス川南側にあり、間には重要な国境検問所がある。東イラクから来た政府軍部隊が、今日アルカイム検問所を奪還した。彼らは現在国境を支配し、都市そのものに入り込もうとしている。シリア政府軍は、北西と南東から、アブ・カマルに接近している。
    ...
ユーフラテス川北のアメリカの代理部隊は、川の北部で幾つかの油田を占領し、アブ・カマルに向かって進撃していると発表した。シリア政府と同盟諸国はアメリカがアブ・カマルそのもの[を取ろうとしている]と懸念している。アメリカは、そうなれば、イラクへの国境検問所を支配していると主張し、重要な通信回線を切断できる。それを防ぐためのレースが続いている。


11月10日の状況 - アブ・カマルは地図の右下 - 拡大図

数日間、シリア政府軍の楽勝だろうと思われていた。イラク経由で来た部隊は、アブ・カマル奥深く入ったが、もぬけのからだった。彼らは時期尚早に勝利を宣言したが騙されていたのだ。ISISはトンネルを利用し、気づかれることなく、良く準備された陣地に移動し彼らを背後から攻撃した。シリア軍は酷い目にあわされ、退却せざるを得なかった。

更なる部隊が到着し、今や総攻撃をしかける用意ができている。ロシア長距離爆撃機がISIS陣地を攻撃した。アメリカは、この都市の上空で"空中回廊" を主張して、そのような支援をより困難にしようとしている。

火曜日、ロシアは、アメリカ合州国がシリアで「イスラム国」部隊を事実上、掩護していると非難した
    ..
具体的に、アメリカ空軍が、アブ・カマル周辺の「イスラム国」戦士に対するロシアによる攻撃を阻止しようとしたと、ロシア国防省は述べた。

10月、アメリカが、ISIS戦士と、ラッカ脱出の合意をした後、アメリカはアブ・カマルに向かう外人ISIS戦士を護衛した

車列は、イラク国境から遠からぬ東シリア郊外に向かったと彼は言う。
    ...

アブ・ファウジはトラックの運転台で、連合国戦闘機が頭上を飛び、照明弾を投下し、それが輸送車隊と進路を照らすのを見ていた。

アブ・カマルは、今や最も残忍なISIS部隊が籠もり、しっかり守られている。連中には行き先がない。陣地から連中を追い出すのは困難だろう。一方、ユーフラテス川北のアメリカ代理SDF部隊は、地域に向かって前進している。

だがSDFという概念丸ごと困難な状況にある。アメリカ代理部隊はクルド人が率いている。彼らには、ユーフラテス川北の残りの地域を占領するのに、現地のアラブ人が必要だが、アラブ人は、クルド人の指揮下では戦いたがらない。SDF広報官のタラ・シロはトルコに亡命した。そのような同盟相手では、シリア国内の半永久的アメリカ陣地は益々不確かになる。

ダマスカス東部では、アルカイダを含む様々な集団が、依然、東グータ地域を占領している。先月、プロパガンダ・キャンペーンは(信じがたいことに)包囲された地域の人々が飢えていると主張した。10月30日、大規模な赤十字車列がダマスカスから送り込まれ、東グータに補給品を送達した。12日後、東グータの過激派は、包囲しているシリア軍陣地に攻撃をしかけた。同時に、過激派は、ミサイルと迫撃砲で首都を一斉砲撃し、首都では数人死亡した。現地の人々は、過激派が一体どのようにして新たな砲弾を入手することができたのか不思議がっている。

テロリストの狙い(緑)は、地域に突き出しているシリア軍基地(赤)を切り離し、占領することだ。一人のシリア将軍は連中の攻撃中に死亡し、過激派はいくつかの陣地を占領し(青)凶暴な戦闘が継続しているこうした攻撃を破り、失った陣地を奪還するには一、二週間かかるだろう。


拡大図

アメリカとロシアは、ゴラン高原とヨルダン国境に近いシリア南西部の衝突回避地域で合意した。イスラエルの大砲で守られているゴラン高原近くに、大規模なISIS分遣隊。イスラエルは、新たな衝突回避合意は、イランが率いる集団やレバノンのヒズボラ部隊がこの地域に近づくことを禁止していると主張している。ロシアは、そのような制限が合意の一環だというのを否定している。時期がくれば、ISISや地域にいる他の過激派will be fought downシリア政府同盟諸国のどれか、使える集団によって。ネタニヤフ首相がいくら"イラン"について喚こうが関係ない。イスラエルは、いかなる大規模攻撃をしかける立場にはなく、この問題について、いかなる発言権も認められていない。

シリアの北東部で、アルカイダと、その同盟連中が依然イドリブ県とイドリブ市を掌握している。アブ・カマルでのシリア軍作戦が終わり次第、イドリブが主戦場となろう。既に部隊は、総攻撃にむけて陣地に配備されている。幾つかの地点で、様子見作戦が行われ、アルカイダ戦士が広い地域に追い払われた。Ad Duhur地域に向かう動きでいくつかの町が解放された。


拡大図

今後六カ月間、イドリブ県は戦争の中心となるだろう。地域を支配しているアルカイダは、戦わずして、あきらめるはずはない。彼らはタクフィール主義のテロリストだ。彼らとは何の交渉もあり得ない。

現在、シリア政府の立場は、戦争のどの時点より優勢だ。経験を積んだ部隊を集中することができ、強力な同盟諸国からの全面的支援を得ている。シリアの外部の敵は大半あきらめた。アルカイダが新たな大規模補給や支援を受ける可能性は低い。イドリブ県の戦いは熾烈になろうが、比較的短期だろうと私は思う。

アメリカ国防長官マティス大将は、シリアに留まりたい旨、声明した。

月曜日、武装反抗勢力が支配する全ての領土を失ってから、ずっと後のアメリカ軍の長期的役割を語って、シリア内の「イスラム国」とは“連中が戦いたいと望む限り”アメリカ軍は戦うと、ジム・マティス国防長官は述べた。
    ...
彼はアメリカ軍が現在で内戦が七年に及ぶシリアにおける外交的解決の条件設定を支援することを狙っていると示唆して、長期的な平和への取り組みの重要性も強調した。

マティスは、この件について大統領と合意済みなのかと疑わざるを得ない。考えが甘い。シリア、トルコ、イラク、イランとロシアは、シリアに、いかなる形であれ、アメリカ軍が残ることに反対だ。アメリカはシリアにいる権利など全くない。アメリカの軍隊が、これまでそこで活動を許されていたのは、ISISに対する戦いという条件付きだった。ISISが占領している最後の地域を失った時に、その戦いは終わることになり、アメリカは撤退しなければならない。ISISの残滓は、敗北して逃げ回るゲリラ運動に過ぎず、シリア政府が容易に押さえつけ、最終的に壊滅可能だ。

シリア国内のアメリカ軍が自ら出てゆこうとしないのであれば、彼らと戦う準備は既にできている。北東部では、アメリカ軍がどこに移動しようと攻撃する現地細胞が準備されている。アメリカ国民は、もう一つのアラブ国家の敵対的占領を支持してはいない。隣接諸国全てがアメリカ駐留に反対しているので、マティスの声明は明らかに、持続不能な企てだ。マティス国防長官は職を辞さねばなるまい。彼は、大局的な政治状況が把握できない軍人の無能さの一例だ。

シリアの主権に対する戦争で、シリアの広大な部分と都市は損傷したり、破壊されたりした。だが破壊された都市は再建可能であり、再建されるだろう。傷は癒えるものだ。この荒廃した東アレッポのある街路の写真が、住民たちの希望と意思の良い例だ。アフメドは戻って、店を再開した。五年もすれば、こうした街路も再び活気に満ちるだろう。


拡大図

記事原文のurl:http://www.informationclearinghouse.info/48225.htm

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著名な筆者たちが、Information Clearing Houseへの寄付を求めて「ICH読者への公開書簡」を書いておられる。

John Pilger, Paul Craig Roberts, Pepe Escobar, Peter Koenig & Finian Cunningham
いずれも、小生が勝手に翻訳させて頂いている方々。

読者の皆様におかれては、Information Clearing Houseへの寄付をお願いしたい。

スペシャルドラマ 返還交渉人 ─ いつか、沖縄を取り戻す ─を見た日に、米兵による飲酒運転事故で死者のニュース。大本営広報部、念のために見てみると、相撲スキャンダル。すぐ消した。

『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』の一面だ。

日刊ゲンダイ・デジタル
日本が囚われ続ける「米国占領下の戦争協力体制」の正体

IWJの岩上安身氏による著者インタビュー

日本が「基地」も「原発」もやめられないのは「朝鮮戦争」に起源があった!? 岩上安身による『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』著者・矢部宏治氏インタビュー 2017.8.2

傀儡連中「いつか、沖縄を取り戻そう」などとは全く考えていないのは明らか。日々、永久属国化を進めるだけ。

戦争で儲けた連中の末裔は、何としても、戦争を渇望する。

日刊IWJガイド「1994年の朝鮮半島危機で日本政府が米国による北朝鮮の核施設攻撃に賛同していた衝撃の事実! 日本政府『核支持』は今も変わらず? 爆撃すれば北朝鮮の核反撃を受けること間違いなし!/本日は衆院本会議で代表質問!/本日18時より、岩上安身による『戦争の日本古代史』著者・国際日本文化研究センター教授・倉本一宏氏インタビュー!」2017.11.20日号~No.1893号~

2017年11月19日 (日)

一体誰が核のボタンを押すのだろう?

2017年11月17日
Paul Craig Roberts

ウィリアム・ビニーは、NSAのデジタル情報大量監視プログラムを作り出した元国家安全保障局(NSA)職員だ。もしロシア政府がトランプと共謀して、民主党全国委員会のコンピューターをハッキングしたり、なんらかの形で前回のアメリカ大統領選挙の結果に影響を与えたりしていれば、国家安全保障局がデジタル証拠を持っているはずだと彼は言っている。一片の証拠の提示も無しに、“ロシアゲート”とされる根も葉もない非難を、一年以上、我々が聞かされ続けている事実が、ロシアゲートが全くの偽ニュースであるという完璧な証拠だ。

偽ニュースは、トランプ大統領の信頼をそこない、退かせるため、そして、少なくとも、彼がロシアとの関係正常化によって、軍安保複合体の膨大な権力と利益を傷つけるのを防ぐための取り組みで、ジョン・ブレナンCIA長官と、コミーFBI長官が、民主党全国委員会と共謀して作り出されたのだ。

これが一体何を意味するか考えて頂きたい。CIAとFBIの長官が、新たに選ばれた大統領に関する全くのウソ話をでっち上げ、売女マスコミと議会にそのウソを売り込んだのだ。売女マスコミは一滴の証拠も要求せずに、17の全てのアメリカ諜報機関が、ロシアが干渉したと結論づけたと主張してブレナン/コミーのウソを誇張した。実際には、三つの機関の入念に選ばれたほんの一握りの連中が、おそらく強要されて、背後に何の証拠もない条件付きの報告書を書いたのだ。

これがトランプ大統領を支配するために作り出された偽ニュースだったことは実に明々白々だが、腐敗した国家安全保障関係者、腐敗した上院・下院議員、腐敗した民主党全国委員会と腐敗したマスコミは、ウソを真実に変えるため、ひっきりなしに繰り返すという手を使っている。

ここにビニーの話がある。http://www.washingtonsblog.com/2016/12/creator-nsas-global-surveillance-system-calls-b-s-russian-hacking-report.html
こちらも参照。https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/17/capitalism-collapsing-from-inequality-blame-russia.html

トランプを軍国主義陣営に追い込んでおいて、彼の敵は、トランプがボタンを押しかねない、不安定で気まぐれな人物だと喰ってかかっているのだ。ボブ・コーカー上院議員(共、TN)と、クリス・マーフィー上院議員(民、CT)はトランプ大統領を、核のボタンに指を置いてはいけない気まぐれな人物として描き出すのに上院外交委員会を利用したのだ。核の緊張を和らげたがっているトランプから、核のボタンを押しかねないトランプへと180度方向転換してしまったのだ。

もしコーカー上院議員とマーフィー上院議員が、トランプ攻撃の新手法を画策しているのではなく、本当に懸念していくのなら、彼らは、ロシアゲートが核戦争の可能性を更に高める作り話だという事実を持ち出していたはずだ。私が指摘している通り、ワシントンは、ワシントンがロシアに対する奇襲核攻撃を計画していて、ロシア人専用に作られた生物兵器のためにロシア人のDNAも収集していると、モスクワに確信させたのだ。トランプが緩和しようとするのを妨げて、ロシアゲートで緊張をエスカレートさせること以上に、核戦争を引き起こしそうなことを私は思いつけない。以下を参照。https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/13/will-america-survive-washington-paul-craig-roberts/

“核専門家連中”の誤った主張とは逆に、実際には、大統領が勝手に核攻撃を命令することはできない。大統領が、統合参謀本部の戦争計画を承認し、軍の態勢が整った時に発射を命じるか、飛来する敵ICBMに対する報復として発射するようにという国家安全保障顧問の助言を受け入れて命じるかのいずれだ。大統領が単純に核攻撃を命令しても 、無視されるはずだ。

核攻撃の決定をするのが大統領でないのなら、一体誰がするのだろう? 軍? We should be thankful統合参謀本部が、ジョン・F・ケネディ大統領に対ソ連核攻撃を承認するよう圧力をかけた際に、そうではなかったことを。

一体誰が核兵器発射の権限を持つべきかという疑問の答えは実に簡単だ。誰でもない。

もし核ミサイルが飛来してくるのであれば、ミサイルを発射しても我々は守られない。我々はもはや破壊されようとしているのだ。地球の裏側を報復行為で破壊して何になろう。無意味だ。

報復を防ぐ先制攻撃などというものはあり得ない。

核戦争は狂気の行為だ。それを正当化するものなど何もない。

外交の目的は戦争を防ぐことだ。ところが、クリントン政権がセルビアを攻撃して以来、アメリカ外交は、戦争を引き起こすために利用されてきた。ジョージ・W・ブッシュとオバマの16年間、アメリカは七カ国丸ごと、あるいは一部を破壊し、何百万人もの人々を殺害し、四肢を損ね、何百万人もの難民を生み出した。こさらの戦争のどれ一つとして正当化されていない。こうした戦争全てがウソに基づいていた。真実に多少の敬意を払った最後のアメリカ政府は、ジョージ・H・W・ブッシュ政権だった。

挑発されてもいないこうした一方的侵攻行為を開始する前に、ワシントンは、その国の指導者を悪魔のように描き出す。一人の人物を処分するため、ワシントンはその国の多数の国民を殺害し、インフラを破壊することもひるまない。これでワシントンには何の道徳規範もないことがわかる。皆無だ。ゼロだ。だからワシントンは先制核攻撃をすることができるのだ。現在の基準からすれば、核兵器がまだ取るに足らないものであった昔、ワシントンは、日本が降伏しようとしていた時に、日本の二都市に原爆を投下した。1945年、一昔前のことだ。多少とも残っていた道徳規範の片鱗も、とうの昔になくなったのだ。

今日、クリス・シリーザと言う名のCNN編集主幹が“現在アメリカには大規模な道徳の欠如がある”という題のオンライン記事を書いた。よその国々に対する核兵器による絶え間ないワシントンの威嚇が、地球上の生命を全く軽視し、道徳の欠如を示していることに、とうとう売女マスコミも気がついたのかと私はてっきり思った。しかしそうではなかった。売女マスコミはセクハラ、特に、1970年のロイ・ムーアことを言っていたのだ。しかも、皆トランプのせいなのだ。彼本人が女性たちにいやがらせをしていて、どうして国を率いることができよう? http://www.cnn.com/2017/11/16/politics/roy-moore-mcconnell-trump/index.html

トランプ大統領は、もう一つの核大国との関係を正常化しようとしていた。軍安保複合体、民主党全国委員会と売女マスコミによって、彼はそうすることを妨げられた。

Cillizzaは、セクハラは、トランプ当選の“非常に大きな”帰結だと言う。CNN編集主幹は、核戦争もセクハラと同じ位深刻だと思っているのだろうかと考え込んでしまう。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/17/gets-push-nuclear-button/
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日本は原爆を投下されて以来、ずっとアメリカのモルモットなのではあるまいか。と、下記インタビューを拝聴しながら思った。様々な社会改悪、農業改悪、食品改悪、思想改悪の実験場。空虚な、傀儡による、真っ赤なウソだらけの所信表明。

種子法」廃止の裏に米政府と多国籍企業の影!「TPP違憲訴訟の会」が行政訴訟へ!岩上安身による元農水大臣・山田正彦氏インタビュー! 2017.11.16

週刊誌編集部は、侵略戦争も男女問題と同じ位深刻だと思っているのだろうかと考え込んでしまう。

昨日の孫崎享氏のメルマガ題名

トランプ氏「日本は米国が担ってきた経費を払い戻す」と発言。米軍の日本駐留は日本防衛が目的ではない。自己の世界戦略のため。米国は条約上日本防衛の義務は負っていない。

日本が思いやり予算やら何やらで米軍に金を出し、米軍基地を置いていることで、アメリカは安心して世界各地で侵略戦争ができているというのが実態だろう。

傀儡与党支持者の方々、世界中での宗主国の悪事を支援しているのも同じでは?

Salvator Mundiが、500億円で落札したという。素人に絵の価値はわからない。
絵の話でいえば、『あの夏の絵』という演劇のテーマ、被爆者の証言をもとに、高校生がその絵を描くというのは重い。こういうものは、決して大本営広報部ドラマにはならない。

被爆者証言を絵に 広島・基町高校の活動、舞台劇で上演

2017年11月18日 (土)

テリーザ・メイ、何であれ黒幕はモスクワだとロシア攻撃

Alex GORKA
2017年11月16日
Strategic Culture Foundation

11月13日ロンドン市庁舎でのロンドン市長晩餐会における外交政策演説で、テリーザ・メイ首相は、“国際的安全保障に対する脅威”と呼んで未曾有のロシア攻撃をした。長たらしい犯罪事件簿をあげて、彼女はモスクワが“危険で、予測不能な”紛争を挑発し、“選挙干渉し”、デンマーク国防省と、ドイツ連邦議会をハッキングし、自由な社会を蝕み、“サイバー・スパイや混乱”を実行し、いくつかのヨーロッパの国々の領空を再三侵犯したり、他の悪事を働いたりしていると非難し、"我々はあなた方が行っていることを知っているが、あなた方は成功できない。あなた方が、わが民主主義の復元力、自由な開かれた社会の不朽の魅力、そして我々を結びつけている同盟に取り組む欧米諸国の意思を過小評価しているためだ" と首相は痛ましげに主張した。

演説のタイミングは偶然ではない可能性がある。ボリス・ジョンソン外務大臣は、彼の "警戒するが、対話する" 政策を実施すべく、昨年12月の就任以来初のロシア訪問をする予定だ。これは五年間で初めての外務大臣訪問だ。4月、外務大臣は、アサド大統領のシリア政権支持に抗議して、ロシア訪問をキャンセルした。モスクワは、シリア政府を支持し続けているが、訪問は行われる予定だ。イギリスは、欧米の反ロシア・キャンペーンを先導する企てと、対話復活の政策を組み合わせているように見える。

イギリス・マスコミが、欧米ではよく行われているが、主張を裏付けるいかなる証拠も無しに、多くの悪事をしたと非難する反ロシア・キャンペーンを開始した時期でもある。首相の激しい演説の直後、政府通信本部の一部局で、イギリスのセイバー・セキュリティーを監督する役目のイギリス国家サイバーセキュリティセンターが、昨年、ロシア人ハッカーが、イギリス・マスコミ、通信企業や、エネルギー企業を攻撃したと述べた。だから、あらゆることでロシアを非難するのは、単独の攻撃ではなく、全国規模のキャンペーンなのだ。

あらゆることには目的がある。テリーザ・メイの発言は、ブレグジットの文脈で見るべきだ。イギリスは、EU離脱後、主要大国のまま、影響力を維持する方法を模索している。ロンドンは、依然国際的に重要な当事者で、EU圏外に消え去ることはないと実証するのが重要なのだ。要するに、それが、もし“ロシアが現在の路線を継続する”ならイギリス、ヨーロッパや世界の他の国々の利益を守るため、イギリスは行動しなければならないという首相の言葉の解釈であるべきだ。彼女は"ロシアによる侵略"に対し"統一したヨーロッパの姿勢"をとることが重要だとはっきり強調した。そこで、イギリスは、欧米の反ロシア・キャンペーンのリーダーになろうと奮闘しているのだ。

彼女はロシアは擁護すべきルールに基づいた秩序を蝕んでいると述べた。しかし彼女が一体どういうルールのことを言っているのかはっきりさせるのが重要だ。結局彼女は、他国、特に元イギリス植民地の内政にあからさまに干渉し、国連の承認無しで、2003年のイラクや、2011年のリビア侵略など外国への干渉に加わり、例えばBBCのロシア語放送のような活動で、外国政府に対するプロパガンダ・キャンペーンをしかける国を率いているのだ。

わずか12カ月で大きく変化することがある。昨年11月、テリーザ・メイは、保守系雑誌Spectatorで、「今年の政治家」に選ばれた。現在、現在のイギリス内閣の立場は実に弱い。次から次の危機に苦しめられ、政権が存続し続ける能力は疑問視されている。状況は苦しく、有権者の注意を逸らすため、首相には外部の脅威がどうしても必要なのだ。プリティ・パテル国際開発大臣は、無断でイスラエル幹部と会談した閣僚行動規範違反のスキャンダルの中、11月8日に辞任した。彼女は今月政権から辞任する二人目の閣僚だ。11月1日、マイケル・ファロンはセクハラ疑惑で国防長官を辞任した。

しかも更に問題はある。イギリス議会を飲み込んだセクハラ・スキャンダルは、更なる閣僚犠牲者を生みそうだ。メイの事実上のナンバー・ツー役、ダミアン・グリーン国務相も、不適切な行動とされるものを巡るイギリス議会のセクハラ・スキャンダルで、調査されている一人で、本当だとなれば、彼は辞任する三人目の閣僚ということになる。イギリス政府閣僚が、今月、週に一人の割合で辞任しており、与党保守党内が分裂しているので、テリーザ・メイ政権は長続きしないかも知れない。

11月12日、40人の保守党議員が、メイを全く信頼していないことで同意し、その趣旨の書簡に署名する予定だ。保守党与党下で、更に8人の署名があれば、党首選挙ができる。

タイムズ・オブ・ロンドンによれば“ヨーロッパの指導者たちは、新年前のテリーザ・メイ失脚に備えている。益々脆弱化しつつあるイギリス指導部は大変に困難な状況にある。イギリスは極めて脆弱で、テリーザ・メイの弱さが[ブレグジット]交渉を非常に困難にしている。”

国家財政委員会は、財政状況が予想より悪いことを確認した。11月13日に、ポンドが主要通貨に対して下落したのは、イギリス政府が、イギリス経済にとって恩恵がある形で、ブレグジット交渉進める能力への信頼欠如が高まっていることの反映だ。ブレグジット交渉は行き詰まるかも知れない。

首相は、次回選挙は公式に2019年3月29日に実施されることになるは発表した。最新の世論調査が示している通り、もし今日、もう一度総選挙が行われれば、労働党が勝利する結果になるだろう。状況は絶望的だ。そういう時には、外部の脅威は内部の問題から注目を逸らす手だてとして便利だ。それはしばらくは機能するかも知れないが、長期的には役に立つまい。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/16/theresa-may-attacks-russia-whatever-moscow-behind-it.html
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状況は絶望的だ。そういう時には、猟奇殺人、相撲暴力、男女問題はモリカケ問題から注目を逸らす手だてとして便利だ。それはしばらくは機能するかも知れないが、長期的には役に立つまい。と思いたい。

猟奇殺人、相撲暴力、男女問題は追いかけモリカケは追わない大本営広報部
大本営広報部の虚報ばかり読んでいれば、ゆでガエルになるしかあるまい。

中吊り広告で、文在寅は鳩山由紀夫だというのを見た。あの週刊誌。
うらやましいことだ。記事は、けなしているのだろうが。

下記インタビュー、拝聴しながら怒り心頭。もちろんお二人の発言ではなく、属国支配層の売国行為に。文在寅大統領の行動にも触れておられた。

種子法」廃止の裏に米政府と多国籍企業の影!「TPP違憲訴訟の会」が行政訴訟へ!岩上安身による元農水大臣・山田正彦氏インタビュー! 2017.11.16

2017年11月17日 (金)

彼の評価は正確と思うか?

The Saker
2017年11月2日

本記事はUnz Review用に書いたもの。

“彼の評価は正確と思うか?”というのは、最近親しい友人からもらったある電子メールの題名だ。Paul Craig Robertsの“明日という日が来なくなるかも知れない 英語原文”という題の“アメリカ軍は今やロシア軍に比べれば二級だ“という記事に関する電子メールだった。この記事は、更に、対応するアメリカの兵器(そういうものが存在する場合)よりも遙かに優れた多数のロシア兵器システムを列記している。私の回答は短く“基本的に正しい。アメリカは決定的に、量的には凌いでいるが、質と訓練の点で、ロシアの方が遙かに進んでいる。全て固有のシナリオ次第だが、正しく、PCRは基本的に正鵠を射ている“。この電子メールのやり取りをしたのは、PCRとは全く対照的に、アメリカは他のどの国に対しても、圧倒的な軍事的優位を維持しているが、アメリカが、この圧倒的な軍事力を行使するの阻止している唯一のものは、アメリカ指導者たちが“残虐で、拘束を受けない武力の行使”を信じていないことだという極めて情報に通じたアメリカの友人と興味深い会合をした後のことだった。すると一体何が起きているのだろう? 他の点では非常に情報に通じた人々が、一体なぜ、これほど全く対照的な意見になるのだろう?

まずお断りだ。この話題について権威を持って語るには、アメリカ軍とロシア軍の両方に関する大量機密データが自由に使えなければならない。残念ながら、私はそうではない。だから、以下は全て、公開/公的情報源、個人的知り合いとの会話は、いわば知識に基づいた推測に基づいたものだ。とは言え、以下のことは事実の上で正しく、論理的に分析したと確信している。

今の状態を要約すれば、このほとんど隠蔽不可能な事実が、ほとんど無視されているのに比べれば、アメリカ軍が憂慮すべき崩壊状態にあるという事実自体はそれほど驚くべきほどのものではないと私は言いたい。そこで、“一体何が起きたのか”と“なぜ誰もそれに気がついていないように見えるのか”という二点にわけよう。

何が起きたのか

いろはのいから始めよう。アメリカ軍は、決してアメリカ・プロパガンダ(ハリウッドを含め)が人々にそうだと信じ込ませているような無敵の軍隊ではなかった。欧米同盟諸国の役割については、私の“アメリカの友人たちへの手紙 ”で検討したので、全てをここで繰り返すことはしない。アメリカが第二次世界大戦中、他の全ての国々に対して持っていた最大の利点は、工業基盤が全く無傷だったがゆえに、アメリカが、理想的な条件に近い状態で、途方もない数の兵器システムや機器を製造することが可能だったことだとだけ言っておこう。思いやりからこう呼ぶべきか、一部の“愛国的”アメリカ人は、これを資本主義経済体制の“活力”や“卓越”の証しだと解釈したが、現実には、これは単にアメリカが二つの巨大な海によって守られているという事実の結果に過ぎない(対照的に、ソ連は工業基盤丸ごと、ウラルやその先に移転せざるを得なかったし、ドイツは、情け容赦ない爆撃作戦下で製造しなければならなかった)。結論はこうだ。アメリカ軍の装備は他国軍より良かった(量的に、そして時には質的にも)ので、敵が実現するのは困難な量の火力をふるうことができたのだ。そして、そう、このおかげで、アメリカ軍は大いに有利になったが、いかなる意味においても、軍自体を“より優れた”ものにしたとは言いがたい。

第二次世界大戦後、アメリカは、工業が灰燼に帰せられることがなかった地球上唯一の主要工業国で、以後数十年間、アメリカは、準完全独占状態を享受したのだ。これで、アメリカ軍は、大いに恩恵を受けたが、朝鮮とベトナムで、利点は現実ではあっても、必ずしも、いかなるアメリカの勝利という結果にはならないことが間もなく明らかになった。ベトナム以降、アメリカの政治家連中は、基本的に、侵略を、意味ある抵抗をする力が全くなく、まして優勢などに決してなり得ないずっと小さな国々に限定してきた。ベトナム以降のアメリカ軍侵略のリストを見れば(ここや、ここを参照)、アメリカ軍が、無防備の国々への攻撃を専門にしていることが良くわかる。

そこに、ソ連崩壊が起き、第一次湾岸戦争や、グローバル対テロ戦争で、アメリカの政治家連中が、明らかに“唯一の超大国”やら“ハイパー大国”という自分たち自身のプロパガンダを信じ込んで、アフガニスタンやイラクに対する全面的侵略を含め遙かに複雑な軍事攻撃に関わった。これらの戦争は、政治家連中が自らのプロパガンダを信じ込んだ場合に一体何が起きるかのケース・スタディーとして、歴史に残ることとなろう。倅ブッシュは、侵略が完了するや否や勝利を宣言したが、この戦争は、アメリカが、そこから軍を全く脱出させることができない大惨事であることが、間もなく誰の目にも明らかになった(ソ連人でさえ幾つかの事実から結論を導き出し、アフガニスタンから撤退した。アメリカ人より迅速に!)。すると、こうしたこと全てはアメリカ軍について一体何を語っているのだろう。(順不同)

    1. アメリカ軍は他のどの軍よりも巨大、遥かに巨大だ
    2. アメリカ軍には(世界で)比類の無い戦力投射(移動)能力がある
    3. アメリカ軍はハイテクが豊富で、ある種の紛争では非常に有利だ
    4. アメリカ軍はどの国であれ地表から消し去れる手段(核兵器)を保有している
    5. アメリカ軍は大洋と戦略的要衝を支配している

これで、戦争に勝つのに十分だろうか?

実際は、そうではない。それを理解していて、私が“アメリカ式戦争”(この概念については、ここを参照)と呼ぶものを戦うことを拒否する敵さえあれば、こうした優位を無効になってしまうのだ。レバノンやコソボやアフガニスタンやイラクでの最近の戦争が、うまく適応した戦術が、上に列記したアメリカ軍の優位をほぼ打ち消してしまうか、少なくとも、そうしたものが重要ではなくなってしまうことを明らかに示している。

“戦争は別の手段による政治の延長である”というクラウゼビッツの理論をもし受け入れるなら、アメリカは、実に長い間、実際の戦争には勝利しておらず、アメリカ政府にあからさまに進んで逆らおうとする国々のリストは着実に増加しつつある(今やイランと朝鮮民主主義人民共和国のみならず、アフガニスタン、イラク、イエメン、シリア、ベネズエラや、ロシアと中国すら)ことが明らかになる。つまり、あらゆる威嚇やプロパガンダをもってしても、アメリカは、一部の連中が人々にそう信じさせようとしているほどの手ごわい敵ではないという合意が、アメリカが威嚇し、いじめて屈伏させようとしている国々の間で、生じつつあるのだ。

一体なぜ誰もこれに気がついていないように見えるのだろう

アメリカが現在威嚇し、いじめて降伏させようとしている国々では、これが明らかに良く理解されているのに、アメリカ合州国そのものの内部ではこれが完全に無視され、見過ごされているというのは実に奇妙なことだ。非常に情報に通じた人々を含め、大半のアメリカ人は、アメリカ軍は“どの軍にも負けない”し、アメリカは、アングロ・シオニスト帝国にあえて逆らったり、従わなかったりするいかなる敵も壊滅できると本気で信じている。通常、アメリカ空軍、アメリカ海軍やNATOが、コソボで、セルビア軍部隊さえ打ち破れなかったことや、アフガニスタンでのアメリカ軍実績が、(大半が徴集兵だった!)ソ連第40陸軍部隊が収めた実績より遥かに劣っていたという証拠を見せると、私の話し相手たちは決まってこう答える。“ああ、そうかも知れないが、我々が望めば核兵器で攻撃できるのだ!”これは真実でもあり、間違いでもある。アメリカによる核攻撃の標的になりうる国々は三種類に分類することが可能だ。

    1. 核攻撃された場合、アメリカを完全に消し去ることができる国(ロシア) あるいは、少なくとも、アメリカに膨大な損害を与えられる国(中国)。
    2. 核兵器による報復を恐れることなく、アメリカが核攻撃することが可能だが、アメリカとその同盟諸国に膨大な通常の不釣り合いな損害を与えることが可能な国々(イラン、朝鮮民主主義人民共和国)。
    3. アメリカが核攻撃しても、おとがめは少なくて済むだろうが、アメリカは通常戦力でも粉砕できるはずなので、核兵器使用が無意味な国々(ベネズエラ、キューバ)。

そして、もちろん、このいずれの場合も、アメリカによる核の先制使用は、全く予測できない、可能性として破局的結果という異様な政治的反動という結果をもたらすだろう。例えば、イランに対して核兵器を使用すれば、そのような行動は、取り返しがつかないほどEU-アメリカ関係を損なうので、ヨーロッパにおけるNATOの終焉を意味することにあると私自身は考えている。同様に、朝鮮民主主義人民共和国に対する核兵器使用は、可能性として、韓国と日本にあるアメリカ基地の閉鎖のようなアジアにおける途方もない危機という結果をもたらす可能性がある。他の人々の意見が違うだろうことは確実だ :-)

結論。アメリカ核兵器は、他の核大国に対する抑止力としてのみ意味がある。他のあらゆる役割では、核は基本的に無益だ。またロシアも中国もアメリカに対する先制攻撃など決して考えないだろうから、核兵器は、ほとんど全く役に立たないと言えるだろう(現実世界では、アメリカは、他の国々の正気さと善意だけに頼るわけには行かないので、私は「ほとんど」と言っている。だから現実には、アメリカ核兵器備蓄は、実際、アメリカ国家安全保障の重要な要素だ)。

そこで、海軍と陸軍が残る。米海軍は依然公海や戦略的要衝を支配しているが、特に地域戦争という文脈では、これも益々重要ではなくなりつつある。 しかも米海軍は依然として、頑固に空母中心で、戦略構想は官僚的で制度的な硬直性の二の次であることを示しているに過ぎない。アメリカ陸軍は、長年特殊作戦軍や海兵隊のための支援部隊となっており、小規模戦争(パナマ、ひょっとするとベネズエラ)の場合には、意味があるが、中規模、大規模戦争には全く不十分だ。

アメリカはそれ以外の国々のものを合計したよりも多額を“防衛”(つまり“侵略戦争”)に使っている事実はどうだろう? 確かに、これには多少は意味があるのだろうか?

実際、そうではない。まず、この金の大半は、途方もなく肥大化した“防衛”予算によって得られるあらゆる“ぼろもうけ”で何十億ドルも稼ぐ軍産複合体の寄生虫関係者全員の懐を潤すために使われるのだ。決して触れられない現実は、アメリカと比較すれば、ウクライナの軍事組織すら“ほどほどの腐敗”に過ぎなく見えてくる!

[補足: 私が誇張しているとお考えだろうか? 簡単な質問を自問して頂きたい。他の国々は普通2から5の機関で済んでいるのに、アメリカは一体なぜ17もの諜報機関があるのだろう? 本気で、これが国家安全保障と何か関係があると信じておられるのだろうか?  もし信じておられるなら是非電子メールを頂きたい。素晴らしいお値段で売って差し上げたい橋がある!(=余りの騙されやすさを揶揄する表現)真面目な話、アメリカに、世界の他のあらゆる国の5倍も“諜報”機関があるという事実は、実に天文学的水準のアメリカ“安全保障国家”腐敗の明らかな症状だ]

我々が目にする次から次の兵器システムは、第一優先事項が、兵士たちが実際にそれで戦える兵器システムを出荷することではなく、出来るだけ多くの金を費やすことが重要なのだ。こうしたシステムが使用される場合、通常、アメリカより二、三世代、遅れている敵に対して使用されるので、一見恐るべきものに見えるのだ。それだけでなく、どの場合にも、アメリカは数量で勝っている(そこで、攻撃相手に小国を選択している)。だが、本当の軍事専門家にとって、アメリカ兵器システムの優位性という主張はお笑い種でしかない。例えば、ランスのシステム(ラファール戦闘機やルクレール主力戦車など)はアメリカの同等品より優れていて、より安価なことが多く、それで、大金の賄賂や、大規模“オフセット契約“が必要になるのだ。

少なくとも、アメリカのものと比較すれば、ロシアの軍事予算はちっぽけだ。だが、ウィリアム・イングドールドミトリー・オルロフや他の人々が発言している通り、ロシアは、支出に見合った良いものを得ている。ロシア兵器システムは、兵士たちにより、兵たちのために設計されているだけでなく(技術者によって、役人のために設計されているのと対照的に)、ロシア軍は、アメリカ軍より遥かに腐敗の程度が低い、少なくとも膨大な金額に関する限り(わずかな金額でも、ロシアでは、アメリカにおけるより、ずっと価値があるので)。結局の所、F-35 対 SU-35/T-50の類、あるいは、より現実的には、最近シリアを巡って目にした、アメリカとロシア軍の、平均無故障時間あるいは人時対飛行時間比ということになる。シリアのちっぽけなロシア航空宇宙軍タスク・フォースが実現したような数の作戦出撃を行うことを、アメリカは考えることさえできなかったのを指摘するだけで十分だ。それでも、もし、アメリカがそう望めば、シリア上空に、何百機もの飛行機を飛ばせておけるが、ちっぽけなロシア航空宇宙軍タスク・フォースは、どの時点においても、35機以上の戦闘機は決してなかったという事実はある。ロシアの軍事産業の現状は、ロシアが必要としているだけの数を製造することができない(事態は徐々に改善しつつある)。

そこでこういうことになる。アメリカは量的な意味では断然首位だ。しかし質的な点では、アメリカは既にロシアに後れをとっており、日がたつにつれ益々後れは酷くなる。

アメリカ軍司令官たちは、これを知っているのだろうか?

もちろん知っている。

彼がアメリカ軍の深刻な問題を示唆した際、トランプに一体何が起きたか想起願いたい。即座にクリントン・プロパガンダ機構が、彼を、愛国的でない、“軍隊を支持していない”、政治上、義務的な呪文である“我々は及ぶもののないナンバー・ワンだ”やら、アメリカ・プロパガンダ機構が、いまだに家にTVを置いている人々に吹き込んでいる、あらゆる子供じみたたわごとを繰り返さないと攻撃した。アメリカ軍の極めて現実的な問題について、単刀直入に発言する行為は、救いようがないほど腐敗した体制を改革する方法というより、軍人生活を終わらせる行動にあたるのだ。

更にもう一つある。大半のアメリカ人は、基本的なマルクス主義理論を理解できるほど教養がないという私の説を延々申しあげるつもりはないが、彼らの大半がヘーゲルの弁証法について何も知らないのが事実だ。彼らは、それゆえ、物事を変化してゆく過程ではなく、静的なものと見てしまう。例えば、“人類史上最も強力で、有能な軍隊”があると自らを称賛する場合(彼らはこの種の表現が好きだ)、この優位とされるものが、必然的に、その矛盾を生み出し、この強みが自らの弱さをも生み出すことさえ彼らは分かっていないのだ。博識なアメリカ将校は多数おり、これを理解しているが、彼らが浸っている、何十億ドルもの大いに腐敗した上部構造と比べれば、彼らの影響力はほとんど皆無だ。更に、この状況は持続不可能で、遅かれ早かれ、こうした問題に正面から対処し、現在石化した体制を改革しようとする勇気を持った軍事指導者あるいは政治指導者が登場するはずだと私は強く確信している。しかし、そのための前提として、おそらく、大規模で、ひどくばつの悪いアメリカの軍事的敗北が必要だろう。アメリカがイランや朝鮮民主主義人民共和国を攻撃した場合に、そうなるだろうことは容易に想像できる。アメリカ指導部が、ロシアや中国を攻撃しようとするほど妄想的になれば、私はそれを保証できる。

だが当面は、“星条旗”が全てで、 Paul Craig Robertsは荒野で叫ぶ孤独な者であり続けるだろう。彼は無視されるだろう。しかしだからと言って、彼が正しいという事実は変わらない。

The Saker

追伸: 個人的に、ウラジーミル・ヴィソツキーによるこの歌をPaul Craig Robertsや、将来を見通す能力と、それを我々に警告する勇気を持った他のあらゆる“カサンドラ達”に捧げたいと思う。そうした人々は、その誠実さと勇気に対して、高価な代償を払わされる結果になることが多い。

記事原文のurl:http://thesaker.is/do-you-think-his-assessment-is-accurate/
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電車中吊り広告、読みたくない月刊誌、週刊誌のものほど目につくような気がする。宗主国諜報機関の下請け企業ではあるまいかと思うこと度々。購入しなくなって何年、何十年かも知れない。

ヴィソツキーの歌はロシア語。英語翻訳の冒頭部分は下記のような意味。

長年トロイは包囲されたが
トロイは攻撃者にとって難攻不落のままだったはずだ
もしトロイ人がカサンドラを信じてさえいれば
トロイはいまも存在していたろう

夢中のおとめは絶え間なく叫び続けた:
“トロイが廃墟となり破壊されたのがはっきり見える!”
だが千里眼の人々は目撃証人同様
常に火あぶりの刑で死刑にされる!

大本営広報部出演者には基本的に“カサンドラ”などいない。太鼓持ち。

IWJインタビューを拝見するのは、将来を見通す能力と、それを我々に警告する勇気を持った人々のご意見を伺いたいため。

日刊IWJガイド「種子法廃止で『日本は遺伝子組換えの氾濫国になる』! 米政府と多国籍企業の要求を丸のみする『規制改革推進会議』と安倍政権~岩上安身による山田正彦元農水大臣インタビュー!/『バカ・アホ』の維新・足立康史議員が国会で立憲・福山哲郎幹事長や希望・玉木雄一郎代表、自民・石破茂元幹事長を『犯罪者』呼ばわり! 安倍政権アシストの『ゆ党』維新に何の存在価値があるのか!?」2017.11.17日号~No.1890号~

2017年11月16日 (木)

アメリカは、ワシントンを切り抜けられるのだろうか?

2017年11月13日
Paul Craig Roberts

最近このウェブサイトに掲載したコラムで、二大核大国間での、二つの劇的かつ危険な進展に私は注目した。

一つは、最近のモスクワ安全保障会議におけるロシア軍総司令部副局長による公式声明だ。モスクワ国際安全保障会議で、ロシア軍総司令部即応部第一副局長ヴィクトル・ポズニヒル少将が、ワシントンが対ロシア核先制攻撃を準備していると、ロシア軍参謀本部機動総局が結論を出したと述べたのだ。https://www.paulcraigroberts.org/2017/05/11/are-you-ready-to-die/ 日本語訳

もう一つは、アメリカが、アメリカ空軍兵器研究所のために、ロシア人のDNAを収集しているだという報道で、アメリカが、ロシア人だけを標的にする生物兵器が作れるかどうか研究するつもりだというのがその含意だ。https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/01/washingtons-barbarity-reaches-new-heights/

私が確認する限り、この驚くべき展開のいずれも、アメリカ・マスコミで報じられていない。ホワイト・ハウスが、プーチンに電話をして、アメリカは対ロシア奇襲核攻撃を計画していないと言って安心させて良さそうに思える。アメリカのロシアDNA収集契約の公表と、それに関するプーチンの公式声明からして、トランプ大統領が、ロシアDNAプロジェクトの即時中止を命じて良さそうに思える。

ところが、全くうんもすんもない。

それどころか、我々を支配している阿呆連中は、我々はロシアを消し去るつもりだというメッセージをロシアに立て続けに送って満足しているのだ。

核大国に、自分が破壊の対象になっていると確信させること以上に無謀で無責任なものを想像できようか?

アメリカとヨーロッパのマスコミはどこにいるのだろう? 売女マスコミは“ロシアゲート”についての軍安保複合体と民主党全国委員会のウソを果てし無く繰り返すのに忙しい。その代わりに、売女マスコミは、NFLの国歌方針はどうあるべきかに注力している。

国家指導部の完全な怠慢を我々は味わっている。

ロシアを威嚇する一方、同時に、軍安保複合体と売女マスコミは、アメリカとヨーロッパ諸国民の間で、険悪なロシア嫌いを作り出している。https://www.globalresearch.ca/nato-tells-europe-prepare-for-a-russian-invasion-who-are-the-most-dangerous-russians-in-the-world-today/5617972

プーチン大統領との最近の非公式会談後、、プーチンアメリカ選挙へのロシア政府による干渉はしていないとプーチン大統領が言ったのを信じると発言した。これで売女マスコミや愚かや政治家や腐敗した軍/治安機関幹部による耳障りな非難が一斉に始まった。
スティーブン・レンドマン記事を参照。http://stephenlendman.org/2017/11/uproar-trumps-remarks-putin/

アメリカ合州国軍の劣勢を考えれば、ロシアに対するこうした非常に目立つ威嚇は愚かなことだと、最近私は指摘した。Sakerが、私の評価は正しいと結論をだした。https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/06/saker-examines-pcrs-one-day-tomorrow-wont-arrive/

Sakerが、今度は、ロシア軍の優位性を立証する注目に値する詳細記事を書いた。もしワシントンの愚か者連中が、狂気の対ロシア攻撃を言い張れば、アメリカ、更には愚かなヨーロッパ傀儡諸国も、地表から完全に消え去る可能性が高い。Sakerの説はここで読める。http://www.informationclearinghouse.info/48185.htm

一方、アメリカ人とヨーロッパ人に、現実に起きているあらゆることを全く気づかないようにし続け、本当の現実を、ワシントンが統制する言説で置き換える取り組みは継続している。真実を語っているがゆえに、報道機関RTは、外国代理人登録法のもとで、“外国代理人”として登録するよう強いられている。https://www.globalresearch.ca/us-brands-rt-a-foreign-agent-a-chilling-move-against-free-speech/5617908

言い換えれば、アメリカ憲法の他の条項同様、米国憲法修正第1項の「言論の自由」条項は、法律や道徳規範に縛られない、ワシントンが主張するむき出しの権力で置き換えられているのだ。

Global Research報道によれば(上記)“今月チェコ共和国を本拠とし、アメリカ大使館や億万長者ジョージ・ソロスと関係する財団から資金提供を受ける「ヨーロッパの価値観シンクタンク」を自称する団体が、アメリカとイギリスの政治家、ジャーナリスト、学者と有名人にグループ分けした2,300人のRTゲストの氏名を含むリストを公開した。これらの人々は、このシンクタンクによれば‘敵対的な外国’にとって‘役に立つ馬鹿’なのだ”。

私が“この先長く生きられると期待してはいけない”と書いているのは冗談のつもりではない。アメリカは難攻不落だと思い込んでいる愚かな狂気の精神病質者によって我々は支配されている。これらの愚か者どもが、我々全員を地表から吹き飛ばされる羽目に陥らせる可能性が高い。アメリカ政府が、ロシア(そして中国、北朝鮮とイランにも)けんかを売っていることに不安をお感じにならないのなら、読者はどうかしておられる。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/13/will-america-survive-washington-paul-craig-roberts/
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横綱が一人になりそう。しかし不思議な不祥事。

親が親なら子も子。国名と都市名を置き換えるだけで、属国状況描写?

大本営広報部、アメリカ抜きTPPについても大絶賛。見ていて腹立たしい限り。
TPPについては、多くの記事を訳しているので、お読み頂ければ幸い。

TPP関連主要記事リスト

大本営広報部出演者の皆様は、‘宗主国’にとって‘役に立つ馬鹿’?

このままゆけば、圧倒的に不利な米日FTAを強制され、大本営広報部はそれを言祝ぐことになるはずだ。

獣医学部受験予定の若者インタビュー風景を見て驚いた。若者に自民党支持者が多いと良く言われるが。森嶋通夫の『なぜこの国は没落するか』にある通り、この国に未来はなさそう。

今日は、TPPの理不尽さをずっと主張しておられる、下記の元農水大臣・山田正彦氏インタビューを拝聴予定。

日刊IWJガイド「衆議院文科委員会で加計学園問題について審議!立憲民主党の逢坂誠二議員の質問に何一つ答えられず~ 続くプロジェクトチームでも逢坂議員が追及!/「死ね」発言の足立康史議員が今度は「犯罪者」発言で加計問題隠しの上に貴重な質問時間を浪費!!/本日13時半から! 『種子法』廃止の裏に米政府と多国籍企業の影~岩上安身による元農水大臣・山田正彦氏インタビュー!」2017.11.16日号~No.1889号~

2017年11月15日 (水)

サウジアラビアでのムハンマド・ビン・サルマーンの粛正はより大きなものの前兆

Abdel Bari Atwan
Raialyoum 2017年11月10日

我々の地域は戦争の瀬戸際にある。レバノン首相サード・アル-ハリリの辞任や、サウジアラビアでの王子や元閣僚たちの拘留のような些事で、全体像や舞台裏で起きている本当の進展から、目をそらされてはならない。本当に危険な段階は、サウジアラビア国内戦線におけるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の粛清の後にくるものだ。誇張でなしに、現代史上で最も破壊的な戦争となりかねない地域戦争のシナリオの前兆の可能性がある。

現在起きていること全てが、入念に計画され仕組まれた策略の一環で、アメリカや、地域およびイスラエルによる支援を得て‘シーア派’イランと、イエメン、レバノンとイラク内のその代理人の増大しつつある勢力に対して、‘アラブ民族主義者’を装ってしかけられる宗派戦争の前兆なのだ。

かつてのサウジアラビアは、もはやない。ワッハーブ主義は息を引き取りつつあり、半ば埋葬されていて、歴史の一コマとなる過程にある。現代風を装い異なる同盟に基づく、第四サウジアラビア国が誕生しつつあるのだ。

創始者気取りの時の人、ムハンマド・ビン・サルマーンは、イランがイエメンの派閥にミサイルを提供したと主張し、サウジアラビアに対し‘戦争行為を意味する直接軍事攻撃’をしかけたと、イランを非難しており、彼の姿勢をアメリカが是認し、支持しており、地域において、アメリカが率いる新たな同盟が姿を現しつつあるのは明らかだ。

汚職との戦いという旗印の下、11人の王子と多数の実業家と元高官の拘留を含むムハンマド・ビン・サルマーンの国内粛清は第一段階に過ぎない。これまでの所、いかなる深刻な障害に出くわすことなく、円滑に進んでいるように見える。

今や皇太子は、国家権力の四本柱 - 経済、治安と軍部隊、マスコミと、宗教支配層(公式な聖職者最高評議会と、非公式なサフワ(覚醒者)聖職者の両方)を - 完全に彼の支配下においた。彼は敵全員、そして、彼の支配に対し何らかの批判をするあらゆる人々を投獄した(あるいは、王子たちや他の高位の連中の場合は、当面、豪華なホテルに監禁している)。我々が直面しているのは、進路にはだかるあらゆるものをぺちゃんこるするブルドーザーに直面しているので、最新の拘留が最後のものである可能性は低い。

やがて、ムハンマド・ビン・サルマーンは、我々が、より深刻な第二段階と考えているもの、つまり軍事的対立へと進むはずだ。

それには下記の措置が含まれる可能性がある。

    - 一番目、イラン・ミサイルがフーシ派の手に渡るのを防ぐという口実で、イエメンに対して陸路、空路、海路の壊滅的な完全封鎖による包囲を背景にしてのイランとの軍事的対立の促進。

    - 二番目、1990年に、イラク軍をクウェートから追い出すため結成された「砂漠の嵐」同盟の線に沿った新たな同盟の形成。サウジアラビアとUAEに更に加えるメンバーの候補者には、UAE、ヨルダン、エジプト、スーダンとモロッコがある。(モロッコ国王は、偶然UAEの首都アブダビにいるが、最近の拘留を巡って、サウジアラビアとの仲介を狙ったものと報じられている。しかし、信頼できる情報源によれば、彼はリヤドから、サウジアラビア内で起きていることに干渉するなという明確なメッセージを送られている。)

    - 三番目、レバノン爆撃とインフラの破壊onヒズボラを壊滅させるための口実。そのような攻撃は、ヒズボラを、集中的ミサイル攻撃による対イスラエル報復に駆り立て、イランとシリアを巻き込む可能性が非常に高い。

    - 四番目、カタールに配備された総勢30,000人のトルコ軍との衝突を引き起こす、カタール政権打倒を狙ったエジプトと首長国とサウジアラビア軍による侵略。

    - 五番目、アメリカと、その同盟者たる反政府代理勢力が失ったアレッポ、ホムスやデリゾールなどの地域の奪還を狙ったシリアでのアメリカ-サウジアラビア-イスラエルによる反撃。アメリカは、たとえロシアと衝突するリスクをおかしても、ロシアとイランによるシリアでの敗北に容易に我慢できないのだ。アメリカはモスクワが呼びかけたソチでのシリア国家対話会議を、シリア反政府派にボイコットさせて意図的に頓挫させた。

    - 六番目、イラン、トルコとイラクを弱体化し、不安定化する狙いで、これらの戦争で、アメリカの代理勢力としての北イラクとシリアのクルド民兵動員。

これらは、連中が自らを何と呼ぼうと、アメリカが率いる新たな同盟が行う可能性のある最も明白な措置の例に過ぎない。

だが、こうしたもののどれ一つとして、その目的達成、狙った仕様通りの地域再編が成功する保証はない。

これに対抗するシナリオとして、ロシアがもともと共感するはずのイラン-シリア-トルコ-イラク同盟が強化し、最終的に、そちらが優勢になる可能性もある。これらの国々をあわせれば、恐るべき数のミサイル備蓄があり、その大半が、サウジアラビア、UAEとイスラエルを標的にするはずだ。同時に発射される何千発ものミサイルによる集中攻撃には、標的にされた国々にある、大いに喧伝されているアメリカ製パトリオット防空用地対空ミサイルシステムも役に立つまい。

この予想される、たぶん差し迫っている地域戦争の成功指標は、イランの破壊、カタールでの政権転覆と、ヒズボラの根絶だ。しかし、これに失敗すれば、サウジアラビアとイスラエルとUAEにとっての荒廃と、サウジアラビア王国が木っ端みじんになることを意味しよう。

我々は占い師でも易者でもない。とはいえ、これは、状況、国境、そして、おそらくは住民をも変え、地域を変貌させる最後の戦争になる可能性がある。アラブとイランは、そのような大変動にも確実に生き延びるだろう。しかし、現状の姿のイスラエルも生き延びられるだろうか?

記事原文のurl:http://www.raialyoum.com/?p=775943
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二横綱同時引退説をタブロイド紙の見出しで見て驚いたが、別の「引退」が迫っているとは想像できなかった。

緑のタヌキ一派、見事に野党分裂に成功し、与党勝利を実現した後は、憲法破壊推進がお仕事。全て想定内だろう。

孫崎享氏のメルマガ題名

「希望の党」最早、解党への運命だろう。衆院選で「安倍1強を倒す」と訴え選挙後「改革保守政党」(長島昭久氏命名)に誰が投票するのか。政党支持立憲民主9.6%、希望の党3.2%。今後九条改憲に動きますます支持を減らす。

そして日刊IWJガイド

「小池百合子氏が希望の党の共同代表を辞任! にもかかわらず、希望の党の『極右・歴史修正主義』の姿がますますあらわに!!/疑惑山積の加計学園・獣医学部を林芳正文科相が『認可』判断! 国会審議は行われないまま、2018年4月開学へ/『武装難民、射殺か』麻生太郎副総理発言を安倍政権が『問題意識を喚起する趣旨』と閣議決定! 殺人煽動発言も問題ないことに!?」2017.11.15日号~No.1888号~

2017年11月14日 (火)

市民的自由を踏みつけるワシントン

2017年11月3日
Paul Craig Roberts

更新: ロン・ワイデン上院議員(民、オレゴン州)は、ロシア政府は“ファシスト”で“わが国の民主主義をむしばんでいる”と主張している。 https://www.rt.com/usa/408516-senate-twitter-facebook-google-russia/

無頓着なアメリカ有権者は実に不注意で、決まったように、市民的自由の敵を、国民を代表する議員として選出する。水曜日、アダム・シフ下院議員 (民、カリフォルニア州)、トレイ・ゴウディ下院議員(共、サウスカロライナ州)、ダイアン・ファインスタイン上院議員 (民、カリフォルニア州)、マーク・ウォーナー上院議員(民、ヴァージニア州)、ジャッキー・スペアー下院議員(民、カリフォルニア州)、トム・コットン上院議員(共、アリゾナ州)と、ホアキン・カストロ下院議員(民、テキサス州)は、フェイスブックとツイッターとグーグルの幹部に、民主党全国委員会や軍/安保複合体がとっている反トランプ/反ロシア路線に対する、あらゆるデジタル上の反体制派を阻止し、CIAのためのスパイ機関役を務めるよう恫喝しようとしたのだ。

上記のうち、ゴウディとコットンの二人は、ロシアと、共和党トランプ大統領に対する攻撃に協力した共和党議員だ。二政党の議員の共通点は、連中が警察国家を望んでいることだ。ジャッキー・スペアーは、一体なぜグーグルは“YouTube上で、RTを遮断”しないのか、グーグルの説明を要求した。ホアキン・カストロは、ロシアとリンクしているメッセージを、アメリカ政府に引き渡すよう要求した。トレイ・ゴウディは、議会や、ジョン・ブレナン、ロバート・マラーや、ジェームズ・コミーと共にアメリカのあらゆる紙媒体やTVメディアが閉鎖されることを意味する偽りの発言を阻止するよう要求している。憲法第一修正が、言論の自由を保障しており、何が真実で、何がウソかを判断するのは国民にまかされているのをゴウディは知らないのだ。

教えて頂きたい。権利章典を尊重しない議員を選出することができる無頓着な連中とは、一体何者だろう? 政府が自国の憲法を尊重しない国は、民主主義だろうか? そんな国が、例外的で、必要欠くべからざる国なのだろうか? それとも、その政府が、もはや権利章典やアメリカ憲法に対するいささかの忠誠も持たない完璧に堕落した組織なのだろうか?

こうした警察国家根性の連中を、有権者に権力を振るう政府に、議員として送り出す有権者の質は一体どういうものだろう? 我々は有権者による民主主義の破壊を目撃しているのだろうか? アメリカ人の破滅が迫っているのだろうか?

アメリカ下院議員と上院議員に、連中の検閲とスパイ要求は憲法違反だと指摘したのが、フェイスブック、ツイッターとグーグルの幹部であって、アメリカ合州国憲法を守ると宣誓した議員連中ではないことに読者は驚かれたろうか?

善は政府にあって、悪が民間部門にあると信じているリベラル/進歩派/左翼は、これをどう説明するのだろう?

反体制派に対する憎悪が余りに強く、他の何も重要ではなくなるのだろうか?

水曜日の“過激派”見解に関わる下院と上院情報委員会公聴会報告はここで読める。https://www.globalresearch.ca/lawmakers-demand-tech-companies-censor-journalists-and-conduct-mass-surveillance/5616331

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/03/washington-stomps-civil-liberty/
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記事掲載順序が前後した。あしからず。

当然、東京も、ワシントンにならって、市民的自由を踏みつける。
モリカケに絡む有名人ツイッターが規制されているという記事も読んだ気がする。
猟奇事件にからんで、ツイッター規制の話があるという。

一度に中国トップ二人に会ったのは初めてだと大本営広報部ヨイショ大宣伝。主席が、これまでと違って微笑んでいると、写真で比較していた。女性週刊誌以下のタイコ持ち。

しつこくJアラート。対北朝鮮エスカレーション、サウジアラビア皇太子の暴走と重なって見えてくる。

日刊IWJガイド「今日にも文科省が加計学園・獣医学部設置認可決定か!? 国民の目をそらすため?午前11時から全国一斉で『Jアラート』のテスト放送!/北朝鮮有事をいたずらに煽る政府の愚策!厚労省が北朝鮮難民を想定し感染症対策研究班を立ち上げ」2017.11.14日号~No.1887号~

今、Jアラートを聞いた。ジョージ・オーウェルの『1984年』の世界に住んでいると自覚。

2017年11月12日 (日)

サウジアラビアでの粛正が一体なぜ戦時体制の兆しなのか

Finian CUNNINGHAM
2017年11月10日
Strategic Culture Foundation

暗殺の恐怖のさなか、主要王族の大量逮捕は、サウジアラビアで起きていることが、遠大な粛正であることを示している。欧米マスコミと、アメリカのドナルド・トランプ大統領が推進している“汚職捜査”といううわべは、信用できる口実とはほど遠い。

これはサウジアラビア支配者による砂漠の王国内部における情け容赦ない権力簒奪のみならず、更なる紛争、そしてイランとの全面戦争の可能性さえあるという、中東地域全体への通知でもある再編成の口実でもある。イスラエルとトランプ政権が熱心にけしかけてきた戦争だ。

対イラン戦争に向けたこの動きで、一体なぜサウジアラビア王家が、先月、画期的なモスクワ訪問をしたのかが説明可能だろう。イランに関し、サウジアラビアが好きにできるようにすべく、石油と武器取り引きでロシアを買収しようとしたのだろうか?

典型的な断片的な形で、欧米マスコミは、先週末、サルマーン国王と継承者のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の命令のもとで行われた、王家の王子たちや、閣僚や財界首脳の大量逮捕を、汚職と事業上の不正行為に対する取り締まりとして報じた

マスコミ報道で省略されているのは、イエメンからのミサイル攻撃をイランが支援したと主張して、イランとレバノンがサウジアラビアに“宣戦布告”したという人騒がせな主張までして、サウジアラビア支配者が、同時に地域の政治家たちに対し政治支配力を行使して動いているという遙かに広い文脈だ。

先週末、レバノンのサード・ハリリ首相が、サウジアラビアの首都リヤドに呼びつけられ、強制的に退任させられたことが、イランと、 レバノンの同盟者ヒズボラが、レバノンを不安定化させており、実際、ハリリ暗殺を企んでいるというサウジアラビアの主張にとって都合の良い実体になっているようだ。

ところが、ハリリは、サウジアラビアが圧力をかけているとされる何人かの地域政治家の一人に過ぎない。元イエメン大統領マンスール・ハディが亡命先リヤドの自宅で軟禁されているという報道も現れた。シリア反政府派の人物もリヤドで拘留されているという報道もあった。また、パレスチナ指導者マフムード・アッバースはサウジアラビア首都出頭を命じられた。これはサウジアラビアが、地域合唱隊を演出していることを示唆している。

しかも、イランとヒズボラに対するミサイルをフーシ派反政府部隊に提供して、イエメンから戦争行為をしたというサウジアラビアの非難支持で、テルアビブのベンヤミン・ネタニヤフ政権がサウジアラビアと協調しているという信頼できるイスラエル・メディア報道もある。

ワシントンも、サウジアラビア主張の支持に乗り出し、国連安全保障理事会決議に違反して、イランはフーシ派に武器を供給してると言い出した。先週日曜日の、リヤド国際空港に対するミサイル攻撃に触れて、トランプ大統領は“イランはサウジアラビアを攻撃した”と述べた。するとアメリカ国連大使ニッキー・ヘイリーも週末、サウジアラビアの“証拠”を引用して、対テヘラン経済制裁を呼びかけた。イランはそのようなあらゆる武器供給を阻止するため、サウジアラビアによるイエメンの空路、海路、陸路封鎖を指摘し、この主張は根拠がないと切り捨てた

サウジアラビア王位の背後の権力として、老いゆくサルマーン国王 (82)の息子、32歳のムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)が、イランに対しても強い敵意を抱いている野心を抱いた専制君主として登場した。いくつかのマスコミ・インタビューで、皇太子はイラン破壊へのこだわりを明らかにした。これは、サウジアラビア指導部のシーア派イランに対する、いつもの宗派的なワッハーブ派の嫌悪を遙かに超えている。

MbS皇太子は、一定程度、巧みに演じている。サウジアラビアを原理主義の保守主義社会から、一見より洗練された社会にする“改革”を、彼はマスコミで大宣伝している。皇太子は、サウジアラビア女性に、自動車運転や、男性保護者無しでの旅行や、競技場に入る権利を与える改革を推進した。男女同権の上からは、到底抜本的進歩とはいえないものだ。にもかかわらず、MbSは、欧米マスコミの支援を得て、自らを進歩的改革者であるかのごとく巧みに描き出している。

こうした変化は、情け容赦ない野望と、超専制的なサウド家内部の権力簒奪を隠す見せかけに過ぎない。“汚職捜査”とされているものは、遥かに邪悪な展開を隠すためのうわべ飾りの一塗りだ。

イギリスのガーディアン紙は、今週、サウジアラビア王家主要メンバーや閣僚の大量逮捕を巡り、この展開を、女性の権利のちょっとした自由化という文脈中において、改革者を志望する皇太子が行っている“革命”として表現して称賛した。

一方、ニューヨーク・タイムズは“汚職は余りに蔓延しているので、革命的変化には至らないようなあらゆる措置は、恣意的な起訴に見えてしまう可能性がある。”と言って、“サウジアラビア汚職取り締まり”を擁護した。

そのような報道は、本当の権力行動や、この地域における重大な含意から目をそらすものとして機能する。

そもそも拘留されている王子や現および元政府閣僚の人数は何十人にものぼる。逮捕された人々の特徴は、汚職とされるものより、ライバルになる可能性がある人々の抹殺とより関係が深いパターンを示している。

最も邪悪な可能性があるのは、大量逮捕の同じ日に、サウジアラビア王位継承の競争相手が、ヘリコプター墜落事故で亡くなったことだ。イエメン国境近くの南部のアシール州で、彼らのヘリコプターが墜落した際に亡くなった高官8人の中に、マンスール・ビン・ムクリン王子(42歳)がいた。サウジアラビア・マスコミは、墜落の原因に関する詳細を全く報じていない。サウジアラビアが、これをフーシ派反政府勢力のせい、そして、その延長で、イランのせいにしそうなものだ。しかし、そうではない。サウド家もマスコミも、この重要な王家メンバーの死についてほとんど何も語っていない。また重要なことに、フーシ派反政府勢力や彼らのメディアも、事故についてほとんど何も言っていない。もし、関与している反政府派にとって好機なのであれば、2015年3月以来、戦争をしてきたサウジアラビアに対する目を見晴らせる打撃だと主張して、プロパガンダを早速始めても良さそうなものだ。

ヘリコプター事故の犠牲者マンスール王子は、サウジアラビア王国の創設者イブン・サウドの生存している息子の一人である72歳のムクリン王子の息子だった。(ムクリン王子はサルマーン現国王の異母弟だ。)

ムクリン王子は、2015年1月、兄のアブドゥッラー国王の逝去に伴い、皇太子に任命されるまで、国家諜報機関のサウジアラビア総合情報庁元長官でもあった(2005年-2012年)。サウジアラビアの権力継承という難解な世界では、王位は常に、イブン・サウドの息子たちの間で、兄弟から兄弟へと継承されてきた。ブドゥッラー国王が2015年1月に亡くなった際には、次の番は彼らの兄弟サルマーン(現在の国王)だった。サルマーンの次は、伝統的な継承規則によれば、次の王位継承者は、2015年1月、実際、皇太子となったマクリンのはずだった。ところが三カ月後、サルマーン国王は、マクリンを法定推定相続人から外した。国王の息子、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の登場に道を譲るべく、彼は外されたのだ。これは、サウジアラビア王家伝統からの未曾有の決裂であり、サウド家を構成する氏族の間に煮えくり返る恨みを残したのは確実だ。

ムクリン王子と彼の血統の息子六人は、それゆえムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の野望にとって、危険なライバルと見なされたのだ。彼自身の父親サルマーン国王の健康が悪化する中、次の番の人物が宮廷から王位継承の競争相手を粛清しているように見える。

先週末マンスール王子を乗せていたヘリコプターに実際何が起きたのかはまだ分かっていない。だが墜落が、何人かの他の主要王家メンバーの大量逮捕と同じ日に起きたのは、偶然の一致以上のものがありそうだ。逮捕者の中の二人、アブドゥッラー・ビン・ムタイブ王子と、トゥルキー・ビン・アブドゥッラー王子。二人は亡くなったアブドゥッラー国王の息子で、マンスール王子同様、二人はMbS皇太子のいとこで、それゆえ、彼の王位継承に挑戦する可能性があったのだ。

逮捕は、国家安全保障、国家警備隊と海軍のトップや、二十世紀フォックス、ニューズ・コーポレーション、アップル、ツイッターや、TV衛星企業の主要株主である欧米とつながるサウジアラビア・メディア界の大立て者アル=ワリード・ビン・タラール王子と、ワリード・ビン・イブラヒム王子も標的にしていた。こうした逮捕は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、サウジアラビアの治安機構内部からのあらゆる反動を押さえ、不都合なマスコミ報道を遮断しようとしていることを示唆している。

ドナルド・トランプは即座に、サウジアラビアでの出来事を、歓迎すべき汚職粛清だと称賛した。彼はこの連中は “長年サウジアラビアを搾取してきた”と述べた。

サウジアラビア支配層が、概して収賄にまみれていることに、ほとんど疑いの余地はない。サウド家や、サウジアラビアの途方もなく裕福な石油産業は、汚職や、賄賂や違法行為蔓延の典型だ。(例えば、サッチャー政権下、1980年のイギリスにおける600億ドル、アルヤママ武器商談と賄賂にまつわるスキャンダルを想起されたい。)

だから、トランプと一部の欧米マスコミが、改革派皇太子が蔓延する国家的不祥事を徹底的に見直しているという考えにふけるのは、信じられないほど幼稚だ。

サウジアラビア支配者が、いかに、MbS皇太子と彼の反イラン妄執を支えて、あらゆる権力を統合し、レバノンを通したイランとの地域戦争のために準備をしているかという点も完全に把握しそこねている。

トランプと実業界の大物、義理の息子ジャレッド・クシュナーは、膨大なアメリカ兵器販売と、アメリカ経済へのサウジアラビア投資を求めて、早い段階からMbS皇太子に引き寄せられていた。サウジアラビア粛清のわずか数日前、クシュナーはリヤドを目立たぬよう訪問し、サウジアラビア支配者と会談していた。先週、トランプも、サウジアラビアに、大いに期待されている、2兆ドルにもなろうと予想されている、サウジアラビア国営石油会社アラムコ株の売却のため、アメリカ株式市場を選ぶよう訴えた。

イエメンにおけるサウジアラビア虐殺の黒幕、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子は、イランとの対決という彼の妄想を推進するため全権を掌握している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフとトランプ政権と共に、対イラン戦線を形成するのは、いとも容易なことだ。またトランプには、サウジアラビア専制君主の歓心を買うことで、ウオール街に金を振りまけるという更なる動機もある。

記事原文のur:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/10/why-saudi-purge-signals-war-footing.html
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海外のマスコミ、当面、サウジアラビアでの出来事を美化するのがお仕事。
日本のマスコミ、当面、TPPを美化するのがお仕事。
マスコミを信じなくなった理由は、小選挙区制をこぞって推進したことだった。

知りたいことは隠し、まったく関心がないことだけを押しつけるのが彼らの仕事。

というわけで、知りたいことを報じてくださる番組を拝見したいと思う。

日刊IWJガイド・日曜版「本日20時より、自由人権協会JCLU 70周年記念シンポジウム デジタル時代の監視とプライバシー ―市民によるコントロールのために(後編)― 登壇者:ジョセフ・カナタチ氏(プライバシー権に関する国連特別報告者)スティーブン・シャピロ 氏(弁護士)、出口かおり氏(JCLU会員・弁護士)を録画配信!お見逃しなく!」2017.11.12日号~No.1885号~

下記も拝聴予定。

【IWJ_YouTube Live】17:30~「岩上安身による政治経済学者・植草一秀氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 岩上安身が政治経済学者・植草一秀氏へインタビューします。

2017年11月11日 (土)

超大国から無能へ

2017年11月8日
Paul Craig Roberts

二十世紀後半に育ったので、今の状態が私の国とは思えない。私は有能な国で人生を経験したのだが、今は無能な国で、人生を経験している。

 

あらゆるものが無能だ。警察は無能だ。警官は子供、祖母を銃撃し、手足を不自由にしておいて、自分たちの命が危なかったと言う。

ワシントンの外交政策は無能だ。ワシントンは、諸外国に対する狂気の違法攻撃で、世界から孤立している。現在、アメリカ合州国とイスラエルは、地球上で最も信頼されていない二国で、両国は平和に対する最大の脅威と見なされている。

軍安保複合体は無能だ。安全保障国家は余りに無能で、全く無力なカッターで武装した、飛行機操縦もできないことが後でわかった数人の連中が、ワールド・トレード・センターや、ペンタゴンそのものの一部を破壊するという、超大国に対する史上最も屈辱的な攻撃を阻止できなかった。軍需産業は、膨大な経費のF-35を作り出したが、これはロシア戦闘機にはかなわず、置き換えるはずのF-15やF-16にさえ太刀打ちできない。

マスコミは無能だ。21世紀に報道された正確な記事を思いつくことができない。あるはずだが、私には思い浮かばない。

大学は無能だ。学生を教えるための教授を雇う代わりに、大学は、教授たちを管理する管理者を雇っている。教授の代わりに、学長、副学長、総長、副総長、学部長、副学部長等々がい並んでいる。教科の代わりに、言論統制と感受性訓練がある。大学は予算の75%も、管理者に使い、彼らの多くが途方もない収入を得ている。

公立学校は標準全国テストによって無能化されている。現在の教育の目標は試験に受からせることだ。学校の評価と教師の給与は、能力ある生徒たちの創造性や自立思考を発達させることではなく、標準化されたテストのため丸暗記においやることにかかっている。

こういう話はきりなく続けられる。

切り口を変えて、今週、そして今後数日間、私に文章を書けなくしている日常の無能さについてお話しよう。

最近、家を空けていた間に、近くの建設現場で働いていた重機の運転手が、フォーク・リフトを上げたまま、電力線の下を通り抜けた。電線を切る代わりに、拙宅に電気を送っている電柱を真ん中でへし折った。電力会社というか、想像だが、下請け業者がやってきて、我が家への送電を復活させたが、中性点がつながっていることを確認しなかったのだ。結果的に、一週間ほど、拙宅は終日高電圧サージを受け、サージ保護回路、電源遮断器や我が家のあらゆる家電製品が破壊された。私の帰宅を待って、家を検査し、それでわかったのは、電気がきていないということだった。電力会社が再度やって来て、高電圧が我が家に送電されたため、接続されているもの全てが破壊されたことを発見した。

そうなのだ。アメリカでは、リフトを上げたままで、電力線の下を通過してはいけないことを理解できない間抜けが重機を運転しているのだ。電力会社、あるいは下請け会社は、中性点が依然つながっていることを確認せずに、再び電力を供給してはならないことが理解できないのだ。

それで全家電製品が焼けてしまった。至る所、破裂した電球のガラスが飛び散っている。弁償金額は数千ドルにのぼるだろう。

 

これが現在のアメリカだ。そして、無能な支配者連中が、イラン、北朝鮮、ロシア、中国との戦争を望んでいる。アメリカ合州国のすべてにおける無能さのとんでもない水準を考えると、我々は、こうした戦争に勝てないと私は保証する。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/08/from-superpower-to-incompetence/
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アメリカの電線がどうなっているのか知らないので、いい加減な訳。配線間違いからの事故だろうということは分かる。ひどい話だ。

最大属国のすべてにおける無能さのとんでもない水準を考えると、彼らも、こうした戦争に勝てないと私は保証する。

と、彼ならおっしゃるかも知れない。

属国傀儡与党は宗主国侵略戦争参戦のために粉骨砕身努力を続けている。野党と自称して、その与党の補完勢力を演じる連中と、そうでない人々、早く袂をわかつべきだと昔から思っている。こうもり、ぬえでは戦えない。戦わないためにこうもりでいるのだろう。

植草一秀の『知られざる真実』「平成の壊国」防ぐには鵺=民進党解体が不可欠

新刊あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」を拝読してから、下記で紹介されているIWJインタビューを拝見する予定。

岩上安身氏ツイッター
植草一秀さんのインタビューは、11月13日月曜日午後5時から。株をやる人もやらない人も、アベノミクスに賛成の人も反対の人も見てください。頭がくらくらすること間違いなし。

2017年11月10日 (金)

サウジアラビアの長いナイフの夜事件裏話

王子、閣僚や億万長者が リヤド・リッツ・カールトン'収監'され、サウジアラビア軍は騒然としていると言われている。

Pepe Escobar
2017年11月7日
Asia Times

サウド家のサルマーン国王は、強力な“反汚職”委員会を設置し、息子のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子、略称MBSを委員長に任命した。

うまいタイミングで、委員会は、11人のサウド家の王子、4人の現閣僚や何十人もの元王子/閣僚を全員汚職のかどで拘留した。高額銀行口座は凍結され、私有ジェット機は地上に釘付けになった。著名な被告人はリヤド・リッツ・カールトンに“収監”された。

アジア・タイムズが7月に予想していた通り、サウド家内部で、戦争が勃発した。何ヶ月も、MBS対する進行中のクーデターにまつわる噂が飛び交っていた。現在起きているのは、そうではなく、MBSによる、もう一つの先制クーデターだ。

不透明なサウド家と何十年も取り引きをしている一流の中東事業/投資情報源が、待ち望んでいた見方を教えてくれた。“これは見かけよりも遙かに深刻だ。アブドゥッラー前国王の二人の息子、ムタイブ王子とトルキー王子を逮捕したのは致命的な失敗だ。これは今や国王自身を危険にさらしている。国王に対する敬意だけが、MBSを守っていたのだ。軍内にはMBSに反対するものが多数おり、彼らは自分たちの司令官の逮捕に激怒している。”

サウジアラビア軍では大騒ぎという表現は控えめだ。“彼は軍隊丸ごと逮捕しないと、安心できないはずだ。”

ムタイブ王子は最近までサウジアラビア王位後継者として重要な競争相手だった。しかし、拘留されたものの中で一番の重要人物は、ツィッター、シティバンク、フォー・シーズンズ、Lyftや、最近まで、ルパート・マードックのニューズ・コーポレーションの主要株主、キングダム・ホールディングスの所有者、億万長者アル-ワリード・ビン・タラル王子だ。

アル-ワリード逮捕は、重要な切り口とつながっている。完全な情報支配だ。サウジアラビアには情報の自由は皆無だ。MBSは既に全ての国内マスコミを支配している(知事任命権とともに)。だが、サウジアラビア・マスコミは野放しだった。MBSの狙いは、“あらゆる巨大メディア帝国の鍵を握り、サウジアラビアに移転させることだ。”

一体どうしてこういうことになったのか?

粛清の背後にある秘密

当時のアブドゥッラー国王“排除”の可能性に関する2014年の秘密討議から話は始まる。しかし“王家を解体すれば、部族の忠誠心を崩壊させ、サウジアラビアが三つにわかれてしまう。石油を確保するのもより困難になるはずで、何であれ壊れた組織は、混乱を避けるために維持しなければならない。”

その代わりに、当時シリアのサラフィー主義聖戦戦士を積極的に育成していたバンダル・ビン・スルターン王子を追放するという結論に達し、治安機関の支配者を、ムハンマド・ビン・ナーイフに変えた。

アブドゥッラー国王からの王位継承は円滑に進んだ。“権力は三つの主要氏族の間で、共有された。サルマーン王(と彼の愛息、ムハンマド王子); ナーイフ王子の息子(別のムハンマド王子)、そして、亡くなった王の息子(国家警備隊司令官のムタイブ王子)。実際は、サルマーン王は、MBSに采配を振るわせた。

そして、実際、大失敗が続いた。サウド家は、シリアでは、政権転覆の取り組みで敗れ、イエメンに対する勝てない戦争は行き詰まっており、MBSは、両国にまたがる砂漠、空虚の地を活用できずにいる。

サウジアラビア財務省は国際市場での借金を余儀なくされた。緊縮政策支配になったが、MBSがコート・ダジュールでのんびりすごしながらほぼ5億ドルのヨットを買ったというニュースが流れては、決して受けは良くない。シーア派指導者ニムル師の斬首が徹底した政治的弾圧の象徴だ。東部州のシーア派のみならず、西部のスンナ派諸州でも、反乱がおきている。

政権の人気が激しく急落すると、MBSは2030年構想を持ち出した。理論的に、これは、石油からの移行だ。アラムコ株の一部売却。新産業の導入の取り組み。不満を鎮めるため、主要な王子たちを忠誠にしておくための王家からの支払いと、手に負えない大衆への未払い賃金の遡及払いか行われた。

ところが、サウジアラビアでは、外国人が生産的な仕事の大半を占めているので、2030年構想は、機能し得ない。新たな雇用をもたらすには、新たな(技能を持った)労働者を一体どこから得るかという問題が生じるのだ。

こうした進展の中、MBSに対する嫌悪感は決して増大が止まることはない。“現在の支配者に反対して、連携している三つの主要王家集団がある。前のアブドゥッラー国王の家族、前のファハド国王の家族と、元皇太子ナーイフの家族。”

バンダルの後釜、ナーイフは、ワシントンと密接で、対テロ活動のおかげで、中央情報局では極めて人気がある。今年早々の彼の逮捕は、MBSが権力闘争に着手したと解釈されて、CIAとサウド家非常に多くの派閥を怒らせた。

情報源によれば、“CIAお気に入りのムハンマド・ビン・ナーイフを逮捕しても、丸くおさめていれば、許されていた可能性があるが、MBSは、シーザーではないくせに、ルビコン川を渡ってしまった。CIAは彼のことを、全く無用と見なしている。”

以前のスデイリー族(MBS無しの)と、シャンマル族(故アブドゥッラー国王の部族)との間の権力共有に回帰して、ある種の安定が得られる可能性がある。情報源は、サルマーン国王逝去後“MBSは王位を奪われ、王位はもう一人のムハンマド王子(ナーイフの息子)にわたる。ムタイブ王子は彼の地位を保持しよう。”と見ている。

MBSは、まさにこの結果を防ぐべく行動したのだ。だが情報源は頑固だ。“近い将来に、政権転覆がおきるはずで、それがまだ起きていない唯一の理由は、老国王が家族の中で好かれているため。エジプトのファルーク国王時代のように、軍で紛争がおきて、アメリカ合州国に友好的でない支配者が出現する可能性があるかも知れない。”

‘穏健派’サラフィー派聖戦主義者はいるだろうか?

粛清前、サウド家は、サウジの政府系投資ファンドと、アラムコ新規株式公開による収入で資金を調達して、風力と太陽光発電で動く、理論的には2025年までに完成する予定だった紅海海岸で、サウジアラビア、ヨルダンとエジプトにまたがる5000億ドルの地域 、一種のドバイの真似を絶えず喧伝していた。

並行して、MBSは、サウジアラビアの将来は“我々が奉じてきたもの、世界とあらゆる宗教に開かれた穏健なイスラム教に単に戻れば良い”だけの話だと言って、苦境から抜け出すもう一つの策を取り出した。

一言で言えばこうだ。たまたま、あらゆる表現や宗教の自由の原則に向かない、王家の私有財産で、あらゆるサラフィー派聖戦主義イデオロギー・マトリックスが揃っている国家が、単にMBSがそう言ったからとて“穏健な”国家に単純に移行できるはずがない。

さしあたり、粛清やクーデターや反クーデターの山が常態になるはずだ。

記事原文のurl:http://www.atimes.com/article/inside-story-saudi-night-long-knives/
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長いナイフの夜事件(ドイツ語: Nacht der langen Messer De-Nacht der langen Messer)とは、1934年6月30日から7月2日にかけ、ナチスが行った突撃隊などに対する粛清事件。

「中東の戦争に莫大な戦費を出させられ、武器を買わされ、国庫は空っぽ。対策を取ろうとすると、宗主国から内政干渉される」ということだろうか?

「アジアにかぎらず宗主国の戦争に莫大な戦費を出させられ、ポンコツ武器を買わされ、出兵もさせられ、国庫は空っぽ。対策を取ろうとすると、宗主国から、内政干渉される」だろう。サウジアラビアと違って、この列島は油が出ないのだが。

岩波書店『世界』12月号、特集は「政治の軸」再編の行方 を読み始めた。
「希望に助けられた安倍自民」

「メディア批評」。電気洗脳箱を見ている方々、紙媒体を読んでいる方々の一体どれほどの比率の人数が、こうしたまっとうなマスコミ批判を読むのだろう。すくなくとも小生の幼なじみは読んでいない。自民・希望支持者の幼なじみから、飲み会の誘いが全くこなくなった。つまはじきになったのだろう。断る手間も省けて、ほっとしている。

今日の日刊IWJガイドは

日刊IWJガイド・番組表「自民党が年内に改憲素案をまとめ、早ければ来年の通常国会で『改憲発議』へ〜いよいよ憲法改正目前!? 野党からは『野党こそ改憲の議論をリードすべき』などと明後日な論調も!/速報・大袈裟太郎氏が逮捕/希望の党は『改憲勢力』になるのか? 『踏みとどまる』のか? 11月10日の共同代表選に立候補した玉木雄一郎候補と大串博志候補をIWJが直撃! スタンスの違いが明らかに!」2017.11.10日号~No.1883号~

2017年11月 9日 (木)

ワシントンのクルディスタン計画を出し抜いたモスクワ

2017年11月4日
F. William Engdahl

一瞬、激動する中東における、ロシアによる3次元の地政学的チェスの動きが、独立クルディスタンを作り出すワシントンの計画を徹底的に破壊したかのように見える。9月、イラクのクルド人は、どうやらキルクーク内と周辺のイラク国内で最も豊かな油田のいくつかを支配するはずの独立クルディスタン創設に圧倒的多数で賛成したようだった。一ヶ月後の現在、アメリカとイスラエルが支援するクルド指導者、マスード・バルザニは、イラク・クルド議会での深刻な権力喪失に直面している。その結果が、中東を遙かに超え、決定的に重要な、急速に変わりつつある進展の中心にいるのは、ロシアとロシア国営巨大石油企業ロスネフチだ。

元議長マスード・バルザニと彼のクルディスタン民主党(KDP)を、欧米風民主主義の闘士であるかのごとく描き出す、アメリカとEUの巧みなプロパガンダとは逆に、バルザニは2014年まで、これらの人々が歴史的に暮らしていた油田地帯を支配するため、ヤズィーディー教徒とアッシリア人キリスト教徒少数派に対する民族浄化を冷酷に推進した部族軍閥リーダーだ。バルザニ一族と、その軍事部門ペシュメルガは、1960年代末初めに、イスラエル・モサドのTzuri Sagi中佐から、当初、サダム・フセインの支配と戦うために訓練を受けた。イスラエルとバルザニ一族とのつながりは、以来続いている。

その時以後、マスード・バルザニ一族は、暗殺、賄賂と、2014年以降は、トルコ経由でのイラク石油輸出を支配することで、ラクのクルド地域で独裁的権力を構築してきた。イラク・クルディスタン議長としての任期は2015年に切れ、クルド地域議会は更新を拒否したが、議会が召集され、彼を正式に追放するのを阻止して、以来いかなる法的根拠もなしに支配を続けてきたのがバルザニのマフィア権力の実態だ。マスードの息子が地域の安全保障会議と、全ての軍と民間の諜報機関を支配している。

イスラエルのネタニヤフのあからさまな支援を得て、世界中の大半からの強力な反対にもかかわらず、バルザニは、独立クルド国家の住民投票を強行した。これはラルフ・ピーターズ陸軍大佐による、2006年のArmed Forces Journal記事、“血の国境: より良い中東はどのような姿か”にある国境線に沿って中東全体の地政学的地図をドミノ式に描き換える始めになっていたはずだった。

イギリスとフランスが、第一次世界大戦中、1916年の秘密のサイクス-ピコ協定によって、崩壊するオスマン帝国の、石油豊富な土地を切り取って以来、クルド人として知られている民族は、イラン、イラク、シリアとトルコの国境で、意図的に分断された。一つのクルド国家を今作れば、地域全体、さらにはその外まで不安定化させるはずなのだ。様々なクルド人民族自身の間で、考え方は実に様々で、クルド語方言間の差異も、時に英語と現代ドイツ語と同じくらい大きな違いがある。政治的な差異も、同様に極めて大きい。

アメリカとイスラエルが、人口約2300万人の大クルディスタンの前身として、イラク国内に独立クルド国家を形成することに成功していればイラン、イラク、シリアからトルコに至る地域全体を、2003年に、サダム・フセインが大量破壊兵器を保有しているという偽の証拠をでっち上げて以来、ペンタゴン・ネオコンが涎がでるほど望んでいる実に巨大な戦争に陥れていたはずなのだ。

2003年の対サダム・フセイン戦争推進のためのロビーとして、アメリカ国内で、イラクでの戦争に対する国民の支持を煽り立てるため、でっち上げを利用するムーブ・アメリカ・フォワード(MAF)を作ったのと同じカリフォルニア州のPR会社、ルッソ・マーシ & ロジャースが、2005年以来、バルザニ一族が、キルクークの石油は独立クルディスタンの一部であるべきだという考え方をアメリカ国内で宣伝するのに起用していたPR会社だというのも興味深い。

一カ月後…

一カ月後、イラク・クルドの光景は一体どれほど変わっただろう。明らかに強力な反バルザニ派クルド人の支援を受けた電撃的な軍事行動で、バグダッドの軍が、2014年以来違法にバルザニの部隊に占領されていたキルクークと主要油田を奪回した。

これはつまり、バルザニとテルアビブの“独立”イラク・クルディスタンにとっての財政上の鍵、キルクークとバイハッサン油田の約120万バレル/日の石油収入が、もはやバルザニ・マフィアの手中にはないことを意味している。

2014年、何十万人ものヤズィーディー教徒やアッシリア人キリスト教徒を家から追い出して、バルザニ一派がキルクークの石油豊富な地域を支配して以来、アメリカの石油権益はバルザニが権力を強化するのを支援してきた。エクソンモービルのCEOとして、レックス・ティラーソンは、2014年以降、バグダッド政府に逆らって、アメリカによる独立した石油豊富なクルディスタン準備の明らかな一環として、シェブロンとともにイラクのクルド地域に、投資した。

当初、バルザニの、キルクーク石油を奪うための企てによって助長された、2014年以降のイラクとシリアに対するISISによる征服の混乱のさなか、バルザニ一族は、トルコ大統領エルドアンの家族と、石油をトルコ・パイプライン経由でイスラエルに売り、バルザニ一族が何十億ドルも稼ぐ違法取り引きをした。2015年8月、エルサレム・ポストは、77%ものイスラエル石油輸入が、クルド人が占領するキルクーク地域の、トルコのジェイハンから、イスラエルのアシュケロン石油港までのパイプラインによるものだと報じた。

バルザニの93%の独立賛成投票という大げさな宣言の後、イラク政府は、トルコやイランを含めた他の政府同様、投票は違法だと宣言した。バグダッドは素早く動き、イラク・クルド地域に経済制裁を課した。エルドアンのトルコは、クルド独立が、少数派とは言え、シリアとイラクの国境地帯の数多いトルコ・クルド人に広がるのを恐れ、クルド・パイプラインの流れを止めた。

最近亡くなったジャラル・タラバニの反政府派クルディスタン愛国同盟(PUK)とバグダッドは秘密交渉を行っていた。PUKは、住民投票に反対で、キルクークをほぼ支配していたのは、この兵士たちだった。

最近亡くなったジャラル・タラバニの息子バフェル・タラバニによれば、イラク軍が、イラク軍とシーア派のハシュド・アルシャービ民兵との共同作戦で、キルクーク奪還のために動こうとする直前、PUKが支配するペシュメルガ部隊を市から平和的に撤退させるバグダッドとの合意がまとまり、対話への道が開け、何千人もの命を救われた。結果に関する明らかな警告にもかかわらず住民投票を進めたバルザニの判断を、タラバニは“大失敗”と評している。

10月29日、イスラエルが支援した住民投票策略の完全な失敗を認めて、マスード・バルザニは、イラク・クルド地域(違法な)議長を辞任するつもりだと発表した。

ロシアの石油地政学

ここ数ヶ月、イラクとシリア・クルド地域の地政学的エネルギー地帯での戦略的変動を起こしている、ほとんど目立たないながら、極めて重要な要素は、ロシア、具体的にはロシアの巨大国営企業ロスネフチだ。

9月25日のイラク・クルド人住民投票のすぐ後、多くの人々を驚かせて、協定調印の二日前、10月18日、筆者も出席していたイタリアでの会議でのセチン発言によれば、ロスネフチCEOイーゴリ・セチンは、ロスネフチがイラク・クルディスタンの主要石油パイプラインの支配権を購入することに合意し、自治地域への投資を40億ドルに増やすと発表した。

ロスネフチは、パイプラインの能力を、950,000バレル/日にまで増やす計画だ。協定のもとで、ロスネフチが、60%という過半数を取得し、残りは現在の事業者、アルビルのクルドKARグループが保有する。クルド・パイプラインに対する35億ドルの投資に加えて、ロスネフチは、今年早々、財政危機緩和のため、地域クルド政府に、12億ドル貸しており、ロシアは、イラク・クルド地域における非常に大きな最大外国投資家となっている。

ベイルートのアルマスダル・ニュースの報道によれば、同日、10月19日、石油とガスが豊富なシリア・デリゾール州で継続中の戦争で、アメリカの兵器と訓練によって大いに支援されていたクルド人のシリア民主軍(SDF)が、豊富なガス田を、ロシア地上部隊の兵士に引き渡すという、驚きの取り引きをした。

クルドのSDFが、9月23日に、ISISから支配権を奪ったばかりのアルタビヤ・ガス田を引き渡すことに同意したという報道は、シリアとイラク両国での石油とガス開発、もちろん、クルドでの開発においても、ロシアの小さいとは言いがたい役割を示唆している。以前、アメリカのコノコ社が運営していたアルタビヤ・ガス田は、シリアのあらゆるガス田で最大の能力を誇り、日産1300万立方メートルの天然ガスを生産可能だ。アルマスダル・ニュースの報道は、ロシアは、支配権をシリアのダマスカス政府に返還する予定だという。協定は、ロジャバのクルド自治区に駐在するミハイル・ボグダノフ外務次官、大統領中東特使と、北部の都市カミシリで、クルドとシリア指導部との秘密交渉の成果だ。

10月25日、イラクのハイダル・アル=アバーディ首相は、アンカラで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談したが、これは両国間の大きな雪解けだ。アメリカ-イスラエルに支援されたバルザニのクルディスタン独立策略は完璧に裏目に出た。またしても、ワシントンの地政学的愚行と、ネオコンの戦争熱が、従来、地政学的な敵だった国々を、わずか三年前には到底想像できなかった形で協力させるよう追いやったのだ。

ロシアは、地政学チェスの戦いを抜け目なく演じたのだ。モスクワは、もしロスネフチが、イラク・クルド・エネルギー経済で切り札を持てば、クルド人には、トルコ経由で石油を輸出する以外の選択肢がないことを知っている。二年前、エルドアンがシリア上空でのロシア戦闘機撃墜を巡って、ロシアに和解を提案するまで、トルコは、バッシャール・アル・アサド政権に反対するISISに資金を供与し、同時に、トルコ国有企業を経由して、シリアからの石油輸出を手助けしていたと報じられている。シリア内のムスリム同胞団、ISISや他のサラフィー主義テロ集団への資金提供で、カタールは何十億ドルも費やしていた。イラク・ガスについて、今やトルコは、ロスネフチと、ロシアの支援で、バッシャール・アル・アサドがしっかり定着している中、ダマスカスと交渉しなければならない。そして、トルコはそうしているように見える、アンカラとワシントン間の敵対心の増大という理由で。

ワシントンにとっての更なる失点は、カタールを巡る展開だ。昨夏、ワシントンとイスラエルが、頼りにならないサウジアラビアを、イランを狙ったスンナ派石油国家(プラス・イスラエル)“アラブNATO”を創設するというばかばかしい発想に追い立てて以来、その“アラブNATO”は最初の行動として、元湾岸協力会議の同盟国で、ムスリム同胞団に支持されているカタールに対して経済制裁を課した。カタールがサウジアラビアに標的にされたのは、EU向けの共通ガス経路構築で、以前の大敵イランに、公然と協力を求めたのが理由だ。今やカタールは、サウジアラビアが反対する新たな地政学同盟、イラン、トルコ、ロシアと中国と協力している。

ロシアは、イラクとシリアのクルド地域の真ん中に身を置き、大クルディスタンとNATOが支配する大中東という英米とイスラエルの計画に対する鮮やかな政治クーデターをなし遂げたのだ。

王手! ワシントン。あなた方は中東を失ったのだ。ロシア兵器を要求するためのサウジアラビア国王による前例の無い最近のモスクワ訪問が示唆しているように、ロシアとサウジアラビアやクウェートで更に事が進展するのは、時間の問題に過ぎない。

D.J. トランプと初心者の義理息子、36歳の“上級顧問”ジャレッド・クシュナーの周囲のネオコン連中や益々痛々しいエクソンモービル国務長官レックス・ティラーソンは、酷い一味だ。世界は連中の破壊戦争にうんざりなのだ。新たに作り上げるべき頃合いだ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/11/04/moscow-outmaneuvers-washington-s-kurdistan-project/
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クルドの様子、素人には良くわからない。
様子を理解したくて、『私の闇の奥』の記事を毎回拝読している。
最新記事は、ロジャバ革命の命運(7)

ゴルフ、全くできない。ルールも知らない。テレビ放送、ぼんやり眺めたことはあるが、選手もほとんど知らない。が、最近の後方一回転画像だけは何度か見た。

腕前の極端な差、二者の関係を象徴していそうだ。
ポンコツ兵器を法外なお値段で引き取らせていただきます。二国間貿易協定は?

孫崎享氏の今日のメルマガ題名

日本の大手メディアはかつてのソ連紙のプラウダや国営テレビより酷くなったのでないか。公平を装いながら、安倍首相に都合の悪い事はカット。日米首脳会談の目玉はゴルフ。個人的絆を強めたと報ずるのに、安倍首相後方一回転事件は報道なし。

日刊IWJガイドの一部をコピーさせていただこう。

※【岩上安身のツイ録】米国の軍産複合体は「北朝鮮特需」にわきかえり、喜色満面。米国は核のために1兆2000億ドルの戦時予算。これで「東アジアで戦争など起こらない」と思っている人がいたらどうかしている 2017.11.8
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/404844

※【岩上安身のツイ録】「武士の国」と持ち上げられて、日本は米国の「鉄砲玉」に!? 自発的隷従にひた走る「緩衝国家」としての日本の異常に迫る! 近日中に伊勢崎賢治氏と布施祐仁氏にインタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/404520

2017年11月 8日 (水)

衝撃的インタビューで、カタールがシリア戦争の背後の秘密を告白

Tyler Durden
2017年10月28日
ZeroHedge

シリア内の武装反政府派が、紛争初期から、直接外国政府の指令下にあったことを裏付ける漏洩された最高機密NSA文書が公表された同じ週、テレビ・インタビューでの、カタール人幹部によるシリア戦争の起源の背後にある真実の告白が、アラブビのソーシャル・メディアで、急に広まっている。

シリア政府と密接なつながりがある著名なシリア専門家と経済顧問によれば、この大変なインタビューは、高官が"ヌスラ/アルカイダに対するあり得る支援[を含む]、独立国家を不安定化するための四カ国の間での共謀と調整を、公に認めたこと"になる。 重要なのは、"この告白は、ダマスカスが、自国の安全保障と主権に対する攻撃と見なしているものを証明する手助けになろう。これは賠償請求の基礎になるだろう。"

 


2013年のロンドンでの記者会見: カタール首相シャイフ・ハマド・ビン・ジャーシム・ビン・ジャブル・アール=サーニーと、アメリカのジョン・ケリー国務長官。2014年のヒラリー・クリントン電子メールが、同時期、カタールがISISの支援国家であったことを裏付けた。

シリアでの戦争がゆっくりと下火になりつつある中、ほぼ毎週のように、新たな資料が、シリア不安定化に関与した高官証言や、アサド政権に対する作戦の更なる詳細についての時折の漏洩電子メールや文書といった形で現れている。この内容の多くは、主要マスコミに支配されている単純なプロパガンダを決して受け入れていない人々には既に以前から知られていたことを裏付けるのに役立つが、詳細によって、つじつまがあい、将来の歴史家たちは、戦争の本質のより明確な姿を得られよう。

この明確化のプロセスは - 予想通り - 湾岸協力会議(GCC)元同盟国のサウジアラビアとカタールとの間で継続する内輪もめで、それぞれが相手側を「イスラム国」とアルカイダ・テロリストに資金提供していると非難している(皮肉にも、いずれも真実だ)ことに助けられている。益々、世界は、長年、ほとんど全ての湾岸君主国が、シリアや、イラクやリビアなどの場所で聖戦戦士の運動に資金供与した後、内輪の恥が更に放送され、GCCが崩壊する様子を目にすることになる。

2013年以来、Intercept (+ワシントン・ポスト?)サウジアラビアが '反政府派'にダマスカス攻撃を命じるのを示すNSA文書を隠していた。今公表された。https://t.co/0PZrBKpJCw

- ジュリアン・アサンジ ???? (@JulianAssange) 、2017年10月24日

カタール高官とは、他ならぬ2013年まで、カタールを代表してシリア作戦を監督していた(外務大臣でもあった)元首相ハマド・ビン・ジャーシム・ビン・ジャブル・アール=サーニーで、下記の2010年1月の写真に当時の国務長官ヒラリー・クリントンと写っている(ちなみに、2014年、カタールの2022年ワールド・カップ委員会は、クリントン財団に500,000ドル寄付した)。

水曜日のカタールTVのインタビューで、ビン・ジャブル・アール=サーニーは、カタールとサウジアラビアは、トルコやアメリカ合州国と共に、(2011年に)出来事が"最初に始まった"瞬間から、聖戦士に武器の出荷を始めたことを明らかにした。

アール=サーニーは、秘密作戦を "獲物狩り"になぞらえさえした - 獲物はアサド大統領と彼の支持者たち - "獲物" は逃げたと認めている(アサドは、依然、権力の座にあるので。スポーツとして、獣、あるいは獲物を狩ることを意味する湾岸アラビア語方言、"アル-サイダ"を使っている)。サーニーは、ISIS支援という.本当らしい主張を否定しているものの、元首相の言葉は、戦争初期から、シリアのアルカイダ(ヌスラ戦線に対する湾岸諸国とアメリカによる直接支援を意味し、カタールは戦争が政権転覆を実行するために計画されたことを証明する"完全な文書"と記録を持っているとまで言っている。

"我々は獲物について議論したが、その獲物は逃げた"。紳士淑女の皆様: 連中にとって#シリア #アサドは狩猟のすごい獲物に過ぎない https://t.co/w4oKO5TTK6

- EHSANI2 (@EHSANI22) 2017年10月27日

Zero Hedgeの翻訳によれば、アール=サーニーは、湾岸諸国が、アメリカとトルコの承認と支援のもと、シリア内の聖戦士に武器を与えていたことを認めながら、こうも言っている。"詳細は言いたくないが、[シリアで]我々が責任を負っていたことに関する完全な書類がある"。サウジアラビアの'アブドゥッラー国王(2015年に亡くなるまで支配していた)とアメリカ合州国が、代理戦争を遂行するための秘密作戦に関し、カタールを主導的な役割に据えたのだと彼は主張した。

元首相の発言は、極めて暴露的ではあるが、カタールによるテロ支援の擁護と言い訳として、また、アサドに対する戦争で、本質的に、カタールに "貧乏くじを引かせた"アメリカとサウジアラビアへの批判として意図されている。アール=サーニーは、他の国々は結局のところ、大規模支援を段階的に縮小したのに、カタールは、シリアの武装反抗勢力への資金供与を継続したと説明しており、これが彼が、当初は"我々と同じ陣地にいた"と、アメリカとサウジアラビアを激しく非難している理由でもある。

ほとんど全く報道されていない以前のアメリカのテレビ・インタビューで、カタールのテロ支援という主張について問われた際、アール=サーニーはチャーリー・ローズにこう言った。"シリアでは、誰もが間違いをおかした、あなたの御国を含めて。" そして、こう言った。戦争がシリアで始まった際、"我々全員、二つの作戦指令室を通して動いていた: 一つはヨルダン、もう一つはトルコ"

以下が、@Walid970721が翻訳し、字幕をつけた水曜日インタビューの重要部分だ。Zero Hedgeが翻訳を検討し、確認している。ただし、元の急いで翻訳した人物は、アール=サーニーは、 "レディー" と言ったのではなく- アサドもシリアも外部の国々によって狩りの対象だったので、"獲物" ["アル-サイダ"]と言ったと認めている

#カタール元首相、カタールの#シリア国内のヌスラを含む聖戦士支援はサウジ国王、トルコとアメリカと協調していたと述べたvia @BBassem7 pic.twitter.com/tu8IMRI7IP

- Walid (@walid970721) 2017年10月27日

部分的な英語書き起こしは下記の通り。

"出来事がシリアで最初に始まった時、私はサウジアラビアに行き、アブドゥッラー国王と会った。私の父親、殿下の指示で私は行動した。彼[アブドゥッラー国王] は、我々がついている。この計画で進めなさい。我々が調整するが、あなた方が仕切らなければならないと言った。私は詳細は話したくないが、我々は全ての文書を持っており、 [シリアに]送るあらゆるものは、トルコに行き、アメリカ軍と協力の上で、全てトルコとアメリカ軍によって配布された。我々も皆も、軍も関与していた。間違いで、適切でない派閥を支援した可能性もある... ヌスラ戦線との関係もあったかも知れない、それはあり得るが、私自身は知らない… 我々は獲物["アル-サイダ"]を巡って戦っていたが、今や獲物は去ったのに、我々はまだ戦っている... そして今もバッシャールはシリアにいる。あなた方[アメリカとサウジアラビア]は我々と同じ陣営にいた... 自分が間違っていることに気がついた場合に、態度を変えることに反対しないが、少なくとも、パートナーには伝えるべきだ… 例えば、バッシャール[アル-アサド]をほうっておくなり、あれこれする等々、しかし今生み出されている状況は、GCC[湾岸協力会議]におけるいかなる前進も決して許さず、もし我々が公然と争い続ければ、どんなことも前進しない。"

今は良く知られている通り、漏洩されたり、機密解除されたりしたアメリカ諜報機関メモが裏付けているように、CIAは同盟の湾岸パートナーとともに、シリアにおける政権転覆の取り組みに直接関与していた。いわゆる"穏健"反政府派に武器を供与しているという公式主張にもかかわらず、アメリカ政府は、湾岸と欧米が提供した高度な兵器が、アルカイダとISISにゆくことをリアルタイムで理解していた。例えば、漏洩した2014年のヒラリー・クリントン宛ての諜報メモは、カタールとサウジアラビアのISIS支援を認めている。

電子メールは、単刀直入な、はっきりした言葉でこう述べている。

"ISILや、地域の他の過激なスンナ派集団に秘密の資金支援、兵站支援を提供しているカタールとサウジアラビアの政府。"

しかも、サーニー首相インタビューの一日前、Interceptが、今までに、50万人の命を奪ったシリアの武装反政府派が、戦争初期から外国政府の直接指揮下にあったことを、驚くほど明白に示す、エドワード・スノーデンが提供した漏洩諜報ファイルから発掘した新たな極秘NSA文書を公表した

新たに公表されたNSA文書は、2013年の、先進的対地ロケットを用いた、ダマスカス国際空港を含むダマスカスの民間人居住地域に対する武装反抗勢力攻撃は、アメリカ諜報機関が完全に事前に認め、直接サウジアラビアに供給を受け、指揮されていたことを裏付けている。元カタール首相も今や確認している通り、サウジアラビア政府もアメリカ政府も2013年のダマスカス空港攻撃の時期、そのような極悪な攻撃を監督するため "作戦司令室"に人材を置いていたのだ。

今後、何カ月も何年も、漏洩し続けるだろう悪事を証明する文書証拠の巨大な宝庫が残っていることは疑いようもない。少なくとも、双方お互いに、テロ支援のかどで主張し合うカタール-サウジアラビアの間で続く外交戦争は、更なる成果をもたらすだろう。この最新カタールTVインタビューでわかるように、古くからの同盟諸国がお互い攻撃し合う、内輪の恥放送のこの新たな解禁シーズンに、アメリカ合州国だけ免れるはずはない。

記事原文のurl:http://www.zerohedge.com/news/2017-10-28/shocking-viral-interview-qatar-confesses-secrets-behind-syrian-war
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大本営広報部は、この件を報じているのだろうか?

しかし、それを言うならTPP。大政翼賛会放送、TPPを素晴らしいものとウソを言い続けている。(紙媒体は読んでいないのでわからないが)

植草一秀の『知られざる真実』記事 TPP交渉差止・違憲訴訟控訴審第1回口頭弁論期日

日刊IWJガイド

「本日16時より、岩上さんによる民進党参議院議員会長の小川敏夫氏へのインタビュー決定! 夜は14度訪朝に成功したジャーナリスト・浅野健一氏インタビューを再配信します!!/自民・萩生田幹事長が来年の通常国会で憲法改正案を提示する考え示す~『緊急事態条項』『国民投票』のおさらいを!/<閲覧注意>ヘイト作家・百田尚樹氏が沖縄タイムス記者を晒し者にして卑劣な個人攻撃!得意の『中韓ヘイト』も炸裂!」2017.11.8日号~No.1881号~

2017年11月 7日 (火)

アメリカ軍戦力投射:常に備えあり?

2017年10月29日
F. William Engdahl


2017年1月に、D. J. トランプ・アメリカ大統領が就任して以来、将軍連中の一隊とともに、ワシントンは、ほとんどあらゆる方向を、核や他の軍事力で脅し、北朝鮮を完全に壊滅すると威嚇し、シリア反政府集団への兵器出荷を増やし、AFRICOM軍事行動を強化し、海軍艦隊を、南シナ海からバルト海に至るまで、想像できる限りのあらゆる方向に派遣し、ロシア国境沿いの軍隊を強化し、イランを威嚇している。

これら全ての大言壮語の背後にあるのは、士気が史上最低で、大半が底無しなほど準備不十分で、納税者にとって負担が重く、他の潜在敵国の最先端技術から遥かに遅れた技術を使っているアメリカ軍だ。全てが国防目的と大違いのことに軍隊が酷く酷使され、濫用されているかつて唯一の超大国衰退の症状なだ。

アメリカ海軍艦船の衝突

今年8月、アメリカ海軍第七艦隊のミサイル駆逐艦ジョン・S・マケイン号がシンガポール沖で、石油タンカーと衝突し、乗組員10人が死亡した。その二カ月前には、日本を本拠とする米軍艦フィッツジェラルド号が商船と衝突し、乗組員が7名死亡し、推計5億ドルの損害を被った。海軍の諜報捜査では、サイバー攻撃の証拠は皆無だった。今回に限って、ワシントンは、ロシアあるいは中国のせいにしようとしなかった。落ち度は自国にある。

信じがたいことに見えるかも知れないが、世界最大で最も手ごわい海軍で、ブッシュ-チェイニー政権時代、ドナルド・ラムズフェルドが国防長官だった時に、海軍士官の伝統的な訓練を廃止して、“コスト削減”するという決定がなされたのだ。高度なレーダー、ソナー、銃、ミサイルや、データ・リンク・システムなどの海軍電子工学機器が1960年代に、一層複雑化し、海軍は、最初の艦船に乗船する前に、将来の士官に過酷な12-14カ月の訓練をする水上艦乗組士官学校(Surface Warfare Division Officer School)と呼ばれるものを設立した。2003年、“効率を生み出すため”学校は閉鎖され、コンピューター・ベースの訓練(CBT)に置き換えられた。初期の訓練に出席する代わりに、新海軍士官は袋入りのコンピューター訓練用ディスクを与えられ、艦長は指揮下の将校の能力に責任を持てと命じられた。

本格的訓練を廃止すれば、“より高度な職業上の満足感をもたらし、将校の最初の遠征における投資利益率を高め、より多くの時間が、経験を積むのに使える”と主張し、決定の責任を負っていたティモシー・ラフリョール海軍中将は、多くの将校から厳しく非難された。訓練費削減は、年間、はかげた1500万ドルも節約した。しかも、自動レーダー装置や船舶自動識別装置(AIS)などの“ミス予防”電子機器への過度の依存から、実際に船橋の窓から危険を見張る監視員の廃止に至った。フィッツジェラルドやマケイン号では誰も監視をしていなかったのだ。

フィッツジェラルド号やマケイン号の艦長は艦長職を解かれたが、深刻な問題に対して、到底本格的な対応とは言い難い。腐敗の根は深い。

低い基準

1960年代のベトナム戦争の真面目な熟練退役軍人なら誰でも、外国による軍事占領からの独立のため、あるいは外国による攻撃と戦っている土地と民衆の中に、外国人兵士として入る場合、決定的な違いがあることを証言できる。アメリカ合州国とフランスで長年暮らした、ベトナム労働党中央委員会主席のホー・チ・ミンが、世界最高の装備をした部隊に対して、非常に装備不足の農民軍隊を率い、最終的に勝利した。

アメリカ合州国国防軍には、1991年のソ連崩壊による冷戦終了以来、説得力ある“悪の”敵がなかったという事実は、士気の上で大きな影響を受けた。2001年、アフガニスタンに行き、オサマ・ビン・ラディンを倒し、次にイラクで、サダム・フセインを倒し、次はリビアでムアンマル・ カダフィを倒し、今シリアでバッシャール・アル・アサドを倒そうとしているが、こうした“敵”のどれ一人たりとも、大半のアメリカ人にとって道徳的に説得力がない。

この文脈で、アメリカ国軍が、ワシントンと、ウオール街のその後援者連中が世界中でたがっているように見える戦争のための十分適任の知的な軍要員を採用するのに苦労しているのも驚くべきことではない。

今年、世界中でのミッション用に新兵定員を満たすため、アメリカ陸軍は、テストで下位三分の一の成績で、薬物使用経歴がある人々を含め、質の低い、いわゆるカテゴリー・フォーの新兵を採用せざるを得なくなった。

しかも、陸軍要員や海軍将校の補充が不十分なだけではない。

気がかりなパイロット不足

10月23日、Defense Oneによれば、アメリカ空軍は、B-52核兵器搭載可能爆撃機の編隊を、冷戦終焉以来、行われてこなかったf24時間警戒態勢の準備をしていることを明らかにした。バークスデール空軍基地の空軍兵たちは、1991年のソ連解体で中止されていた行動である、航空機を“警戒命令が発せられた場合に備え、”原子爆弾を装備したB-52が直ちに離陸できるよう準備している。

ところが、トランプの将軍連中の狂った新計画が問題を増やした。空軍には適格のパイロットが劇的に不足しているのだ。

10月21日、トランプ大統領は、ジョージ・W・ブッシュが2001年9月11日後に宣言した国家非常事態を延長し、空軍が1,000人までの退役パイロットを軍務に再度服するよう呼びかけることを可能にする大統領命令に署名した。命令はペンタゴン広報担当官によれば“空軍の深刻なパイロット不足を緩和する”取り組みの一環だ。

何十年もの間、年間予算が、中国、イギリス、フランス、ドイツとロシアを合計したものを超えるアメリカ軍は、到底勝負にならないイラクやアフガニスタンやリビアなどの軍事的敵対者と戦争をしてきた。

6月 米国陸軍士官学校は、「At Our Own Peril: 卓越後の世界における国防省リスク評価」と題する研究を発表した。研究の中で、著者たちは、第二次世界大戦後に作り出された、アメリカに支配される世界秩序は“大変なストレスを受けている”と結論づけている。彼らは更に“秩序とその構成要素は、ソ連崩壊で以来、一極体制へと転換し、概してアメリカ合州国と、その主要な欧米およびアジア同盟諸国によって支配されてきた。現状維持勢力は、集団的に国際的安全保障の結果条件を決定する上での優位に満足しており、ライバルとなる力と威信の中心が登場することに抵抗している”

研究は更に、アメリカは“ソ連崩壊後、20数年間享受してきた、優位、最高権威や卓越という難攻不落の立場を、もはやあてにすることはできない”とつけ加えている。

今や、中国が本物の大国として登場し新興ユーラシアという中国の構想と団結した大国としてロシアが急速な登場する中、アメリカ外交政策として健全な振る舞いでもなく、成熟した国家の振る舞いとして真摯でもない行動で、トランプ政権は、あらゆる場所で、あらゆる人々と戦っている。でっちあげた脅威や、自らの主権を主張する国々に対して、アメリカ軍を強化するのではなく、アメリカの崩壊しつつある国内インフラを構築し回復すること、本当のアメリカ経済を構築して、主要産業国として隊列に復帰することこそ、遥かに意味があるだろうと私は考える。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、本記事は、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/10/29/usa-military-force-projection-semper-paratus/
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属国大本営広報部洗脳呆導の嵐。瞥見するだけで腹がたつ。(ほとんど見ていないが)

孫崎享氏の今日のメルマガ題名をコピーさせていただこう。

トランプ横田基地より入国。米国軍人は、入国に関し、日本の法律は適用されないという地位協定の条項を利用しての入国。「米軍は日本の法律の適用外」の運用を示したもの。この入国の異例さをマスコミ報じない。隷属が常態化。

「カッコイイ」とのたまう見にいった男性の声が聞こえた。(見ているわけではないが)カッコワルイ属国民。

最近購入して、読み始めた本、『主権なき平和国家』伊勢崎賢治・布施祐仁著。

帯に、「いつまで占領状態を許すのか!」とある。

(もちろん急速に、主権なき戦争国家にかわりつつある。)

アフガニスタン植民地訪問者たちを連想する悲しさ。

IWJで、伊勢崎賢治氏、布施祐仁氏に著者インタビュー予定という。これも必見。

日刊IWJガイド「滞在2日目、天皇皇后両陛下や北朝鮮拉致被害者家族と面会! 安倍総理と5回目の首脳会談後に共同記者会見! 『日米は100%ともにある』米国のポチぶりを発揮した安倍総理に貿易や北朝鮮問題で要求を突きつけたトランプ大統領/岩上安身がジャーナリスト・浅野健一氏インタビュー『米国が朝鮮への先制攻撃に踏みきれば東アジアの犠牲者は数千万人になる! 日本は人が住めなくなる』と強い危機感」2017.11.7日号~No.1880号~

2017年11月 6日 (月)

史上未曾有のワシントンの腐敗

2017年11月2日
Paul Craig Roberts

ロンドン・メトロポリタン大学のグローバル政策研究所研究員、ジョージ・サミュエリ博士はイギリス国民で、どこかのアメリカ政治党派を支持しているわけではない。彼は、いわゆるロシア書類を入念に調査し、丸ごとヒラリー民主党の仕業だったと報告した。

そもそも最初から、元CIA長官ジョン・ブレナンも、元FBI長官ジェームズ・コミーもこの事実を知っていたのだ。それなのに、二人とも、民主党全国委員会がでっちあげたロシアによる選挙ハッキング話と、トランプとロシアとの想像上の関係についてのクリストファー・スティールの似非“書類の話に乗ったのだ。

売女マスコミは、彼らとして語るべきウソをついた。この策謀の結果、トランプ大統領の最初の一年は無駄になり、トランプ大統領が、核大国ロシアとの間の危険なほど高い緊張を緩和するのを阻止したのだ。これはトランプ大統領のとってのみならず、アメリカ国民や、地球そのものにとっても大迷惑だ。

サミュエリ博士は、支配層の既得権益集団によってではなく、国民によって選ばれた大統領を破壊するための、腐敗したアメリカ支配体制による策謀の卑劣な詳細を説明している。

記事はここで読める。http://theduran.com/obama-hillary-clinton-weaponized-dossier/

元FBI長官ロバート・マラーによるボール・マナフォート逮捕は、“法”を武器として利用する腐敗したワシントンの姿の一つだ。マラーは“ロシアゲート”を捜査しているはずだ。彼がマナフォートを逮捕したのは、ロシアゲートとは全く無関係だ。2006年、“ロシアゲート”の十年前、マナフォートが、ウクライナ政府の未登録代理人として受け取った所得を報告しなかったという申し立てを理由に、マラーはマナフォートを逮捕した。

当時の新聞報道によれば、元国防政策委員会メンバーで、国防次官補だったシオニスト・ネオコンのリチャード・パールは、トルコの未登録代理人をしていたが登録法違反のかどで逮捕されてはいない。

しかし、マナフォートは違うのだ。一時はトランプの大統領選挙対策本部長をつとめたマナフォートを逮捕することで、マラーに、トランプに対する冤罪を提供して、マナフォートが抜け出すまで、マラーは、色々罪を積み上げることができる。

現在のアメリカ連邦裁判所では、告訴しても、それを証明する必要はもはやなく、主張するだけで良いのだ。トランプが軍安保複合体に屈し、ロシアとの関係を正常化する意志を放棄しても、軍安保複合体が受け入れるのに、トランプが十分でない場合、マナフォートが、マラーが彼に与える話が何であれ、それに同意するまで、マラーは、マナフォートを締め付けることができるのだ。マナフォートやトランプは、公正には決して期待できない。アメリカの“司法”制度には、ここ何十年も、公正は皆無だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/11/02/washington-corruption-unparalleled-history/

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大本営広報部夕方の怪説を断片的に聞いた。自発的に聞いたわけではもちろんない。強制的に金をとられ、洗脳されるつもりはない。

真珠湾に立ち寄り、Remember Pearl Harbor.
横田基地にマッカーサーのように降り立った行動の解釈、大本営広報部怪説ではなく

植草一秀の『知られざる真実』の記事、横田政府日本支配を強烈演出したトランプ訪日こそ、はるかにふにおちる。

2017年11月 5日 (日)

スペインが蒔いた種は、ヨーロッパが刈り取ることになるだろう

Wayne MADSEN
2017年10月29日

スペイン政府は、スペイン王国から、カタルーニャ共和国として、独立を宣言するというカタルーニャの決定に対処するのに、歴史をさかのぼり、長年のスペイン・ファシスト独裁者フランシスコ・フランコの作戦教本から拝借することに決めた。カタルーニャ政府の独立宣言決定は、この地域における10月1日の独立“賛成”結果となった住民投票を受けたものだ。

所属の人民党がフランコのファシスト政党ファランヘ党の直接の後継にあたるスペイン首相マリアノ・ラホイは、マドリードからの鞭撻に従わない地域を、スペイン王国が直接支配することを可能にするスペイン憲法第155条を初めて、すかさず発動した。カタルーニャは世界に対するスペイン新ファシズム顕示の最初ながら、最後の犠牲者ではない可能性がある。

スペイン内戦中、カタルーニャ人とバスク人は、スペイン第二共和国のために、フランコと連中のファシスト軍に対して勇敢に戦った。アドルフ・ヒトラーと、ベニート・ムッソリーニはフランコを全面的に支持したのと同様、欧州連合、NATOとアメリカ合州国は、カタルーニャとの対決で、ラホイを完全に支持している。カタルーニャ住民投票の独立賛成の結果を非難した、10月3日の国王フェリペ6世演説は、多くのカタルーニャ人や、バスク人やガリシア人やアンダルシア人などの他の集団によって、政治への余計な関与と見なされている。カタルーニャ人のみならず、スペイン中で、ブルボン王家を廃し、スペイン第三共和国設立を求める声が出始めている。ブルボン王家は、スペインとフランスの労働者から、ほとんど尊敬されていない。結局彼ら、フェリペ6世の先祖、ルイ16世は、フランス国民の貧困を無視した後、フランス革命のギロチンで首を斬られたのだ。

カタルーニャの独立宣言に対するスペインの対応は素早く、ヒトラーが、オーストリア独立を、ナチス・ドイツとオーストリアとの悪名高い“Anschluss”(連合)で潰したのを彷彿とさせる。ラホイは、カタルーニャの第一首相カルラス・プッチダモンの首切りを命じた。彼の全閣僚、カタルーニャ州警察署長ジュゼッペ・リュイス・トラペロ、マドリード、ブリュッセル、ストラスブール、ロンドン、パリ、コペンハーゲン、ローマ、ベルリン、バチカン市、リスボン、ラバト、ワルシャワ、ウィーン、ザグレブとジュネーブのカタルーニャ代表と、カタルーニャの教師たちまで、馘首を命じた。カタルーニャ政府閣僚は、全てのカタルーニャ政府機関を支配すべくカタルーニャの首都バルセロナに専断で、送り込まれた滑舌の悪いカスティリヤ人官僚によって置き換えられた。スペイン副首相ソラヤ・サエンス・デ・サンタマリアが、プッチダモンの業務を奪い、スペイン内務大臣フアン・イグナシオ・ゾイドが、カタルーニャ警察機能をトラペロから奪った。カタルーニャの警察業務は、州警察から、ナチス・ドイツ・ゲシュタポのスペイン版として、フランコによって創設されたフランコのファシスト政権のための悪名高い政治用心棒である恐れられている“治安警察”に大半が移行された。

マドリード政権は、新たなカタルーニャ選挙を今年の12月21日に行うと発表したが、カタルーニャの独立派政党が候補者を立てることが認められるかどうかもまったく不明だ。マドリードは“ジュンツ・パル・シ” ("共にイエス")やPopular Unity Candidacy (CUP)などを含む、カタルーニャの独立派政党や団体を全て法律で禁止し、ラホイの新ファシスト国民党のような親スペイン政党や、ことなかれ主義の社会党、シウダダノスと、ジョージ・ソロスが資金提供するボデモスしか選挙に参加できなくなる可能性がある。しかも、マドリードは、カタルーニャの独立派指導者全員を暴動教唆のかどで裁判にかけると脅している。暴動教唆の罪は、スペイン法のもとでは、最長禁固15年だ。

マドリードは、10月1日の住民投票後の独立賛成デモ行動中のカタルーニャ市民に対するスペイン警察の残虐行為を調査しているカタルーニャ政府特別委員会の停止も命じた。不気味なことに、マドリード当局は、首にした警察長官トラペロに、パスボートを返却するよう命じたが、彼らが亡命カタルーニャ共和国政府を起動するのを阻止すべく、マドリードが、カタルーニャ独立派指導者全員のパスボート没収を考えている兆しだ。そのような行動の前例に、フランコによるスペイン掌握後、1939年、反フランコのスペイン第二共和国亡命政府がパリに設立されたことがある。1940年のナチス・ドイツによるフランス侵略後、亡命政府はメキシコ・シティに移動し、フランコ死後、1977年にスペインのいわゆる“合憲王政”が復活して、解散するまで、メキシコ、パナマ、グアテマラ、ベネズエラ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ユーゴスラビア、ルーマニアとアルバニアに承認されていた。マドリードによるカタルーニャ高官のパスボート没収と在外カタルーニャ外交部閉鎖は、明らかに亡命カタルーニャ政府が形成されるのを防ぐことを狙ったものだ。

現在、ラホイと彼の軍事政権を、スペインの全主要商業新聞、エル・パイス、エル・ムンド、ABC、エル・ラソンや、バルセロナの売国紙、ラ・ヴァンガルディアが支持している。とは言え、どの新聞も、ラホイの悪漢連中が、カタルーニャを長靴のかかとで踏み続けるのを可能にするような、ドナルド・トランプ、アンゲラ・メルケル、テリーザ・メイやジャン=クロード・ユンケルからの是認や支援のメッセージは掲載していない。カタルーニャの将来は、住民たち自身と、カタルーニャの大義を支持して結集した多くの海外の友人たちが決めるだろう。

カタルーニャが独立を宣言するや否や、支援のメッセージがバルセロナへどっと舞い込み始めた。独立志向の思いが強いフランスの島コルシカ議会議長ジャン・ギイ・タラモニが“カタルーニャ共和国の誕生”を賞賛した。ピレネー=オリアンタル県で、カタルーニャ語が話されているフランスのオクシタニー地域圏知事のキャロル・デルガは、オクシタニー地域のカタルーニャとの強いつながりを認め、スペインとカタルーニャ当局間の緊急対話と、市民的平和の維持を呼びかけた。

二度目のスコットランド独立住民投票を約束したスコットランド自治政府第一首相ニコラ・スタージョンは、カタルーニャ支持を発表した。このエジンバラのスコットランド国民党政府指導者は、“自決権は重要な国際的原則で、カタルーニャでも、他のどこででも尊重されるよう強く願っている。" ラホイが、カタルーニャ指導者のスペイン欧州連合パスボートを没収しているのは、通信衛星リンクや、ヨーロッパの主要都市への直接の航空便が使える、二都市、エジンバラかグラスゴーのどちらかに、亡命政府を樹立するのを阻止するのが狙いだと信じるあらゆる理由がある。スコットランド人の間で、カタルーニャ独立に対する支持はかなり強い。新たなカタルーニャ防衛スコットランド委員会は、マドリードのカタルーニャに対する侵略への反対を組織している。委員会は、こう述べている。“カタルーニャの人々を襲っている残虐行為と弾圧は継続を許されるものではなく、正当化されてはならない。”委員会は、運動をスコットランド国内に限定するつもりはなく、全ヨーロッパ規模の運動の先頭に立つと誓っている。

カタルーニャの大義は、フランドル地方議会議長ヤン・プーマンスも支持している。スコットランドの例をひいて、プーマンスは、カタルーニャと自らのフランドル地域について触れ、そうした地域の独立は“どのヨーロッパ政府も避けることができない進展だ”と述べた。

最近の住民投票で、いずれも更なる自治を支持する投票をしたイタリアのロンバルディア州とヴェネト州の指導者たちは、カタルーニャ支持にまわり、スペインによるカタルーニャ指導者たちの逮捕と恫喝を非難した。1946年に、デンマークからの独立賛成に投票したのに、デンマーク政府が、ワシントンからの圧力に屈服し、諸島をデンマークにとどめるのを見る結果となる経験をしたフェロー諸島の独立主義指導者たちは、1946年の投票を、2018年4月の独立フェロー諸島のための新憲法住民投票で繰り返したいと望んでいる。カタルーニャ共和国宣言、フェロー諸島のみならず、デンマーク(とNATO)による支配から完全に離脱したいと願っているグリーンランドの人々にとっても励みになっている。

ラホイ軍事政権のによるタルーニャ弾圧は、バスク地域の独立願望に再び火を点けかねない。バスク人ゲリラ集団ETAは2010年に一方的停戦を宣言したが、決して完全に武装解除したわけではない。もしスペインのカタルーニャ弾圧が成功すれば、バスク人は自分たちが、ラホイ・リストで次の番だと考える可能性がある。カタルーニャ人とは違い、バスク人は、マドリードに、スペイン国家のまさに中心のマドリードに戦争をもたらすことが可能であることを実証している。ガリシア人も自分たちの自治が危機にあると考えて、武装“Restistencia Galega”を動員すれば、マドリードに、カタルーニャとバスク地域のみならず、ガリツィアという複数の戦線に直面することを強いるだろう。

ラホイ首相と、彼の原始ファシスト連中は、バルセロナの街頭で、伝統的なカタルーニャの歌と、スペインのブルボン王の傀儡首相を懸念させるに違いないミュージカル“レ・ミゼラブル”の歌を歌っているカタルーニャの抗議行動参加者に耳を傾けた方がよかろう。“人々が歌っているのが聞こえるか? 怒れる人々の歌を歌っているのを? 二度と奴隷にはならない人々の音楽だ!君は我々の運動に加わるか? 私と共にたつ強い人は誰だ? バリケードを乗り越えよ。見たい世界があるはずだ。戦いに加われ。自由になる権利が得られるぞ!”

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/10/29/europe-will-reap-what-spain-has-sown.html
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沖縄謀叛』、カタルーニャやスコットランドにも言及されていた。

駅でゴミを捨てようとしたら、ゴミ箱にフタがされていた。駐留費全額負担要求氏来日。

日刊IWJガイド・日曜版「いよいよ本日トランプ大統領が来日!日本を『武士の国』と持ち上げる米国の狙いは日本を『鉄砲玉』にすること!? 『緩衝国家』の悲劇を指摘した伊勢崎賢治氏と、『主権なき平和国家~地位協定の国際比較からみる日本の姿』共著者・布施祐仁氏に岩上安身が近日中にインタビュー!/先立って来日した娘のイヴァンカ大統領補佐官を安倍総理は異例の厚遇!」2017.11.5日号~No.1878号~

2017年11月 4日 (土)

政治的公正に折れた歴史的なキリスト教会

2017年10月31日
Paul Craig Roberts

バージニア州アレクサンドリアのキリスト教会は、1765年から1773年に建設された。最も著名なイギリス人建築家クリストファー・レンの親戚、ジェームズ・レンの設計だ。植民地時代、アメリカ革命戦争前のこの教会は国定歴史建造物だ。

ポトマック川沿いの植民地時代の入植地古都アレクサンドリアに私が住んでいた頃は、私の教会だった。私の隣人、ジョン・F・ケネディ大統領の財務次官、ジョンソン大統領の財務長官をつとめたヘンリー“ジョー”ファウラーの教会でもあった。研究で、オクラホマ・シティーのマラー連邦ビルは、マクヴェインのトラック爆弾によって、外側から内側にではなく、内側から外側に爆発したと疑う余地なく結論づけたアメリカ空軍退役准将ベントン・パーティンも隣人だった。

ジョー・ファウラーと私は、ワシントンの政策やマスコミ報道のどんな点にも、事実がもはやなくなったか良く話し合ったものだ。しかもこれは、80年代と90年代の遠い昔の話だ。CIAとDNCのためにウソをつくことがアメリカ・マスコミの義務となった現在を想像願いたい。

このキリスト教会は、ジョージ・ワシントンや、ロバート・E・リーや、アメリカ初期の歴史における他の名士たちのための教会だった。ロバート・E・リーはジョージ・ワシントンのひ孫と結婚した。

会衆は教会の歴史と美しさが自慢だった。宗教的なものに加え、歴史的なものもあった。聖公会の礼拝は壮麗で、司祭の説教はいつも短かった。私の幼い息子も礼拝の最後までじっと座っていられたし、聖歌隊とオルガンも素晴らしかった。

こうした懐かしい記憶があるので、教会委員長が、このキリスト教会が、礼拝の場にある“ジョージ・ワシントンとロバート・エドワード・リー大理石記念銘板を撤去することに決めた”というのを聞いて驚いている。アメリカ最初の大統領の罪は、白人やインディアンや黒人の奴隷が、世界中で普通のことだった当時、ありふれたことだった18世紀に、奴隷を所有していたことのようだ。ロバート・E・リーの罪は彼が“奴隷制維持のために戦った”ことだというが、それは私とトーマス・ディロレンゾが最近このウェブサイトで反証したウソだ。

“大理石記念銘板”という言い方に私はとまどっている。ワシントン家とリー家が座った会衆席に置かれた数センチ四方の大きさの小さな銀製銘板なら覚えている。誰かが銀製銘板を土産に剥ぎ取りはすまいかと昔は考えたものだ。たぶん誰かがそうして、大理石銘板に置き換えられたのだ。一方、私が大理石銘板に気づいていなかった可能性もあり、その場合、もし大理石銘板が取り除かれるのであれば、会衆席の銀製銘板はどうなるのだろう。誰が手にいれるのだろう?

歴史がこのようにして消し去られるのを一体どのように理解すべきかわからない。ワシントンとリー(その名をつけた大学もある)は、おそらく、アメリカ合州国が生み出した最も上品で、尊敬すべき二人だ。ところが、アメリカの標準では、ワシントンが設立を手助けした教会は、いにしえとのつながりを抹殺しなければならないのだ。

伝統的な教区民の視点からすれば、米国聖公会はキリスト教から逸脱したのだ。米国聖公会は、女性とLGBTの人々を叙任し、聖公会祈祷書は、依然、結婚を男性と女性の結合と書いているにもかかわらず、同性“結婚”を認めて、聖書に反している。

だが、実際、時流に乗らねばならない場合、一貫性に何の意味があるだろう?

キリスト教会にとって、時流に乗るということは、自らの歴史を投げ捨てることを意味している。今時の会衆は、ほとんど毎日曜朝一緒に朝食をとっていたジョー・ファウラーとは全く違っているはずで、私には分かっている。

アメリカは消滅しつつある。今私が住んでいる国は、私が生まれついた国とは似ても似つかない。アメリカアメリカが、まだ世界に存在していた頃に、アメリカ人であるというのはどういう事だったか、たぶん、私は書くべきなのだろう。

おそらく、他の軍人たちを評価する上では、軍人たちこそ最適なのだ。ホワイト・ハウス大統領首席補佐官のジョン・F・ケリー元大将が、南部連合の大将ロバート・E・リーは‘尊敬に値する人物”だったと述べた。http://www.dailymail.co.uk/news/article-5034931/Trump-chief-staff-Kelly-decries-removal-monuments.html

四人の現代初の戦犯グラントやシャーマンやシェリダンやリンカーンより、リーが遥か尊敬すべき人物てあることに何の疑いの余地もない。アメリカ軍は、ロバート・E・リーの徳を理解し、リーを讃えて、陸軍士官学校兵舎にその名をつけた。リーの銅像が、間抜けなアメリカ左翼と、冷酷なナチスのくず連中集団、暴力的なAntifaファシスト暴漢に引き倒された以上、陸軍士官学校兵舎は、確実に、オバマ兵舎、ヒラリー兵舎、ウォルフォウィッツ兵舎、チェイニー兵舎、ネタニヤフ兵舎と改名されねばなるまい。

世界中で無辜の人々を爆撃し続けている卑劣な政府が、最も尊敬すべきロバート・E・リーを讃え、アメリカ陸軍士官学校兵舎に名付けるのは、リー追悼としてひどい侮辱だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/31/historic-christ-church-falls-political-correctness/
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前の席しか人がいないガラガラ会場での講演。感動したと若い女性。まるで北朝鮮テレビ。

連中、同じようなインチキ情報操作で、憲法破壊を推進するに違いない。

日刊IWJガイド・ウィークエンド版「『憲法改正国民投票法は二重にも、三重にも改憲派が勝つような罠が仕掛けられていている!』市民連合・高田健氏が警鐘を鳴らす~元NHKプロデューサー・永田浩三氏、伊藤詩織さんが受けた『レイプ事件』に言及『ジャーナリストが安倍政権のご機嫌をうかがったり、嫌疑をもみ消してもらったり、すりよったりしては断じてなりません!』~『安倍9条改憲NO!全国市民アクション11・3国会包囲大行動』」2017.11.4日号~No.1877号~

2017年11月 3日 (金)

アフガニスタン植民地訪問者たち

Brian CLOUGHLEY
2017年11月1日
Strategic Culture Foundation

アメリカとNATOの代表連中は、アフガニスタンは賄賂にまみれた暴力の泥沼ではないと世界を説得しようとし続けており、9月28日、アメリカ国防長官マティス大将は、カーブルでアメリカの親政策のおかげで“不確実さは確実さに置き換えられた”“タリバンが、爆弾では勝てないことを早く悟れば、殺戮は早々に終わるはずだ”と記者団に述べた

同じ記者会見で イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は、当日のカーブル空港に対するタリバン攻撃後、“強さではなく、弱さの印だ”と述べ、“この種の攻撃に対処しているアフガニスタン治安部隊を称賛したい、これは彼らがいかに熟達しているか、彼らどれほど献身的か、この種の安全保障上の脅威に対処するのに彼らがどれほど有能かの好例だ”と述べた。 (9月、アメリカ空軍は、アフガニスタンに“約七年間のどの月より”多くの爆弾を投下した)

翌月10月17日から23日までに、過激派が弱いどころではないことを実証する六件の大規模武装反抗勢力攻撃があった。

ガズニー州と、パクティヤー州での警察と兵士に対する自爆攻撃と銃撃で少なくとも71人が死亡し、数百人が負傷した... カンダハル州の軍事基地に対するタリバン攻撃で約50人の兵士が死亡した。カーブルのシーア派モスクで、夕方の祈祷中、自爆犯により、56人が死亡し、更に55人が負傷し、別の自爆犯が、中部ゴール州のモスクで、少なくとも33人... 更なる自爆攻撃で、カーブルをバスで移動していた15人の士官候補生が死亡し、ガズニー州の治安部隊へのタリバン攻撃で警官四人が死亡した。

殺戮は続き、訪問者も続き、ニューヨーク・タイムズは、10月23日、ガズニー州の警官たちが殺害された同じ日、アメリカのレックス・ティラーソン国務長官が“秘密の二時間訪問をした”と報じ、ワシントン・ポストが、彼は“ドーハからバグラム[壮大な米軍基地]まで飛行し”“彼らがアフガニスタンを離陸し、カタールに戻るまで、完全な報道管制が行われた”と報じた

タイムズは“16年の戦争で、何千もの人命が失われ、何千億ドルもか費やされた後、アメリカ幹部がアフガニスタンに忍び込むしかない”とは何と衝撃的なことかと歯に衣を着せずに述べ、内密の二時間の短期滞在は、“益々優勢になりつつある頑固で効果的な敵タリバンのおかげで、アメリカ合州国が直面している手詰まり状態の証拠”だと見なしている。ところが、欺瞞の悪事は、訪問自体の隠蔽に留まらない。

国務省がツイートしたように (“今日、レックス・ティラーソン国務長官が#アフガニスタン大統領 @ashrafghaniとカーブルで会った”)アフガニスタンとアメリカの両政府は、ティラーソンとアフガニスタンのガニー大統領の会談はカーブルで行われたと述べたと、BBCは報じた。そして、外国政府代表が国家元首を訪問すべきであり、その逆ではないので、これは正しく、適切な礼節は守られたように見える。

ところが、ティラーソンはカーブルの大統領官邸を訪問せず、二時間丸々、厳重に警備されたバグラムのアメリカ空軍基地で過ごしたのだから、そうではなかったのだ。彼はバグラムからカーブルまでの50キロをガニー大統領と会うためあえて旅したのではなく、ガニー大統領がバグラムまで、彼に会いにでかけたことが、ワシントンがアフガニスタンと、選挙で選ばれた大統領をどう見なしているかを雄弁に物語っている。会談がカーブルで行われたかのように世界を思わせる企みも機能しなかった。

会談写真の違いで欺瞞がばれた。タイムズによれば“在アフガニスタン・アメリカ大使館報道発表には、二人の頭上の壁が(フォトショップ加工で)切り取られている写真がある”、別の写真には、協定世界時を示す壁時計があり、写真がカーブル大統領官邸内ではなく、アメリカ基地で撮影されたことを示している。(頼りになる国務省広報担当官は、“おそらくアフガニスタン政府は写真を美的により良くしようとして変えた”と示唆したが、これで少なくとも、陰惨な茶番に多少のユーモアが加味された。)

8分間の“マスコミ対応”時間があり、ティラーソンの飛行機で同行した六人のアメリカ人ジャーナリストが、四つ質問をしたものの、ティラーソン-ガニー会談は一時間にも満たないことから、訪問で一体何を達成しようとしたのか明らかではない。アフガニスタン人記者の出席は許されておらず、この決定自体が訪問全体の性格を暗示しており、アフガニスタン人記者を排除したことが、アフガニスタン政府やマスコミに良しと受け止められるとは到底期待できない。この訪問行為が、タリバンやアフガニスタン内の他の全ての反米分子に、数量化するのは不可能ながら、相当なはずみをつけるのは確実だ。

ついそこで、オバマと当時のアフガニスタン国家元首カルザイ大統領の会談が行われなかったために、オバマ大統領アフガニスタン訪問時、見た目の良くない時計が写真ない、別の2014年5月の悲惨なアメリカ-アフガニスタン関係のエピソードを思い出してしまう。

ティラーソン訪問時のガニー大統領同様、カルザイはオバマがアフガニスタンを訪問することを事前に知らされていなかったが、最終的にオバマ到着を知らされた際、彼に会うため、バグラム基地まででかけることを拒否した。あるアメリカ幹部が、カルザイ大統領は、“短い訪問中に、オバマ大統領との会談を提案されたが断った... 彼にバグラム訪問の機会を提案したが、急な話だったので、うまく行かなかったことに驚いてはいない。”

この声明の見下すような侮辱と、アメリカの傲慢な態度は、アフガニスタン国民の目を逃れることはなく、ウオール・ストリート・ジャーナルは“バラク・オバマ大統領のアフガニスタン短期訪問中、彼と会うのを拒否したことで、アフガニスタン国民はハミド・カルザイ大統領を称賛した”と報じた。しかし、アメリカ大統領(ティラーソンのようなワシントン政権幹部なら誰でも)事前に大統領に知らせることなしに、アフガニスタンを訪問できるというのは恥ずべきことだ。フランスや中国やタヒチだったら、こうはできないはずだが、アフガニスタンなど重要でないので、かまわないように見える。

オバマ訪問の究極の侮辱は、彼が“兵士慰安のために、カントリー・ミュージック・スターのブラッドペイズリーを同行させたこと”で、これがカルザイ大統領のいらだちに油を注いだ可能性があり、大統領府は“アフガニスタン大統領は、アフガニスタンの伝統に従って、アメリカ大統領を大歓迎する用意はあるが、バグラムで彼と会うつもりは無いと述べた”という声明を発表した。

三年前、アフガニスタン大統領は、アメリカ大統領が国際慣行と礼儀を守り損ねたことを、はっきりさせ、彼の人を見下した行動にふさわしい扱いをした。だが以来、状況は変わり、アメリカ幹部がアフガニスタン訪問し、慣例や礼儀を嘲笑すると、アフガニスタン現大統領は、見下した態度を無視して、バグラム基地内の治安が完璧な訪問者用施設まで出向けという命令に従ってひざまずくしかない。

これが、16年間のアメリカ軍の作戦と、8000億ドル以上の資金を費やした後も、訪問先の国の大統領を含め、世界に対して完全に秘密にしておかない限り、国務長官が大統領官邸もおちおち訪問できないというアフガニスタンの状態についての惨めな実態だ。だが、世界のどこであれ、国家元首に対し、アメリカ国務長官が基本的敬意を払うのではなく、米軍基地での会談に、アフガニスタン大統領を呼びつけることができるという事実で証明されたように、アメリカ合州国が、アフガニスタンをアメリカ植民地扱いしていることこそ驚くべきことだ。

ワシントンは、戦争に勝利し、国民に影響を与えるには、暴力以上のものが必要だということを、まだ学んでいない。8月に“我が軍は勝利するために戦う。我々は勝利するために戦う。今後、勝利は明快に定義される... タリバンがアフガニスタンを支配するのを阻止することだ”とトランプ大統領は宣言した。だが、アメリカ合州国が宗主国として振る舞い続ける限り、彼は決してそうできまい。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/01/visitors-colony-afghanistan.html
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写真を比べると、アフガニスタン版では時計と火災報知機が消去されている。

「四つ質問」の部分で、木で鼻をくくったような「指摘にはあたらない」答弁拒否決まり文句を連想。

ごく一部を除き、質問風発言をする人々、宗主国幹部飛行機同行記者団と同質。

日刊IWJガイド「『女性活躍』掲げる安倍政権が世界の『男女格差』ランキングで過去最低をマーク! 衆院選候補者の男女比率を政党別に分析! 『改憲勢力』が露骨に女性軽視の傾向!/築地市場の豊洲移転時期について推進派が『来年10月中旬頃』と要望、11月6日に正式決定の見通し! 安全対策の追加工事が進まないのに小池都知事から『安全宣言』が出される可能性も!?」2017.11.3日号~No.1876号~

本日の孫崎享氏メルマガ題名

安倍政権と日本社会、文化の日でもあるので、伊丹万作氏の「戦争責任者の問題」(抜粋)を今一度読んでみよう。「だまされるということ自体がすでに一つの悪」「専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながる」

2017年11月 2日 (木)

欧米世界を支配しているのは、狂気か悪か両方か

2017年10月30日
Paul Craig Roberts

売女マスコミには真実に対する忠誠など皆無なので、追悼記事すら信じて良いのかと疑いたくなる。

あくまでも私の意見だが、全く無価値に、売女マスコミは、三つのアメリカ航空母艦戦闘群が北朝鮮沖にいるか、そこに向かっていると報じている。

一体何のため? ワシントンの能無し連中は、一体なぜ、戦艦配備という19世紀イギリスの慣習を真似しているのだろう? 実に子供っぽい話だ。中国は既に、北朝鮮が先に攻撃しない限り、北朝鮮に対する攻撃を容認しないと宣言している。ロシアも同様に反対の意思を表明している。中国もロシアも、三つのアメリカ航空母艦戦闘群を、いつでも殲滅できるミサイルを保有している。陳腐化した艦船を、まるで真珠湾で日本のために停泊させた戦艦のように配備するのは、連中を壊滅させ、その終焉を、第三次世界大戦を開始する口実に利用する以外、一体どういう意味があるのだろう?

取るに足らない役立たずのワシントン傀儡、ストルテンベルグNATO事務総長は“ヨーロッパも北朝鮮のミサイル射程圏内に入ったので、NATO加盟諸国は既に危機にあると認識している”と宣言した。北朝鮮がアメリカ・ミサイルを中国国境に配備するために利用されているのと同様、アメリカ・ミサイルをロシア国境に配備するための口実として、ヨーロッパは、ありもしないイラン・ミサイルの射程距離内だと言われたのとおなじウソだ。

ペンス副大統領が、マイノット核ミサイル基地を訪問し、無謀、無責任にも、発射担当部隊員にこう述べたという報道もある。

“我々は極めて危険な時期に入りつつあり、諸君は、近い将来、発射命令を受け取る可能性があると言うため私はじきじきやってきた。我々は、あらゆる不測の事態に対して計画しているが、事態は、起こるだろうと我々が予測しているものを超えてエスカレートする可能性があると諸君は考えて欲しい。もし、正式な書式の発射命令を受け取ったら、発射せよ。諸君が、そのようにして遅れるのは標準業務手順ではないので、命令を確認しようとして、時間を無駄にしてはならない。そのような命令を受けたら、遂行せよ。” http://halturnerradioshow.com/index.php/news/u-s-national-news/1505-vp-pence-makes-history-first-sitting-vp-to-personally-visit-minot-nuclear-missile-base-reportedly-tells-crews-if-the-order-comes-launch

アメリカ核ミサイルが飛来するというソ連の警報システムを信じることを拒否し、警報システムの欠陥から、核のハルマゲドンという結果を招くようなプロセスを開始しなかったソ連軍将校を、ロシア人が慶賀する中での、アメリカ副大統領によるこの無責任で、無謀な発言だ。

絶えず存在する誤警報の可能性に対して、これほど無神経なアメリカ政治指導者連中を我々は死ぬほど恐れるべきなのだ。愚者ペンスは全人類にとって危険な存在だ。ペンスは我々を守る愛国者ではない、彼が我々全員を破壊する前に、全く無責任な行為のかどで弾劾されるべき阿呆だ。

オンラインで、お読み願いたい。冷戦中、核攻撃の誤警報は良くあることだったが、ワシントンもモスクワも、しっかり理非をわきまえていて、誤警報では行動しなかった。ところが、今や阿呆な副大統領が、誤警報で行動したがっている!

ワシントンの阿呆連中が、時代遅れのB-52爆撃機を24時間警戒態勢におくよう命令した。一体なぜだろう? 一機たりとも、ロシア防空体制に侵入できまい。核大国間の不信を悪化させる以外、このばかげた命令の狙いは一体なんだろう。核大国間の不信を悪化させるよりひどい大罪があるだろうか? ワシントンは、一体なぜ犯罪行為にすっかり夢中なのだろう? 一体誰の責任だろう? 連中は一体なぜ、人類と、地球上の生命を危険にさらしたかどで、逮捕されないのだろう?

ロシアと中国からの緊急警告をワシントンが無視しているのは、私の人生経験の中でも最も途方もないことだ。

連中全員を破壊することができる両大国が、ワシントンの傲慢さ、尊大さにはうんざりだとはっきり語っているのが、ワシントンとワシントンの臣下連中には一体なぜ聞こえないのだろう?

https://www.rt.com/news/408168-europe-nato-pyongyang-missile-danger/

Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

記事原文のurl:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/30/insanity-evil-western-world-grip/
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希望の党、共同代表置かず 渡辺周氏を首相指名へ
日本会議国会議員懇談会副会長)だという。
そういう人物が民主党議員だった。

この列島を支配しているのは、狂気か悪か両方か

2017年11月 1日 (水)

辻褄があわない欧米の“クルディスタン”政策

2017年10月28日
Ulson Gunnar
New Eastern Outlook

一方で、アメリカ合州国は、自称“「イスラム国」”(IS)に対する戦いは終わったのだから、イランが支援する民兵にイラクから“退去”するよう要求している。
一方、アメリカとヨーロッパのパートナーは、ISを“撃退”すべく、イラク北部地域のクルド人諸派閥に対して、依然、兵器、現金、直接の軍事支援や訓練を注ぎこんでいる。

しかも、アメリカの軍事契約業者連中は、隣国ヨルダンとサウジアラビアとを結ぶイラク西部の幹線道路を支配しようとしている。治安維持と、破壊されたインフラ再建を行うはずの軍事請負業者は、ISが存在し続けていることを、アメリカがイラクに駐留を継続している口実にあげている。

言い換えれば、アメリカ合州国と、やはり、この地域で、ISや他の過激派に対して活動しているイランやシリアやロシアとイラクの協力を排除し、アメリカとパートナー諸国が、イラクとその将来を独占的に支配できるようにするための言説を作り出すため、ISは敗北したといいながら、まだ、敗北させる必要があると主張しようとしているのだ。

人為的な紛争

CNNは“ティラーソン: イランが支援する民兵は、イラクを去るべき時期だ”という記事で、こう主張している。

アメリカのレックス・ティラーソン国務長官は、ISISに対する戦いの終わりを期待して、日曜日、イランが支援する民兵は、戦争で破壊されたイラクという国を出るべき頃合いだと語った。

“民兵たちは去る必要がある”とティラーソンは述べた。“イラク内の全ての外人戦士は帰国し、ISISやダーイシュに占拠されていたが今や解放された地域を、イラク国民が取り戻せるようにするべきだ。イラク国民が隣人たちの支援を得て、自らの生活を再建できるようにすべきだ。”

ティラーソン国務長官は、イラク国民に“隣人たちの支援を得て”自らの生活を再建できるようにするべきだと言いながら、彼はどうやら、イランとシリアを除いたイラク人のあらゆる隣人を意味しているようだ。

ティラーソン国務長官の発言は、サウジアラビアのリヤドで行われたもので、イラクが、一体からどの隣人支援を得るべきかについて、極めて重要なヒントになっている。ところが、それは、そもそも、イラク国民が戦ってきたまさに相手である過激派に、武器、現金、機器や訓練を提供してきたサウジアラビアなのだ。

CNNはこうも言っている。

同時に、長年、少なくとも1,500人のサウジアラビア人がイラクとシリアにやってきて、ISISに加わっており、バグダッドは長らく、サウジアラビアが、スンナ派過激派が自国領土を横断して、イラクに入って、イラクの宗派紛争参加するのを見て見ないふりをしていると非難してきた。

2007年、アメリカ軍兵士やイラクの民間人や治安部隊を標的にするすべての外国人戦士の約40%は、サウジアラビアから来ているとアメリカ軍は述べていた。当時イラクに入国したサウジアラビア戦士の半数は、自爆犯になることを目指していたと、アメリカ軍は語っている。

この明らかな矛盾が示しているのは、イラク内での紛争は、決して、自然に起きる過激派の脅威を打ち負かすなどと言うものではなく、実はワシントンが、リヤドのようなパートナーの支援を得て、テヘランと、その同盟国を狙って画策している代理勢力による紛争だったのだ。

クルディスタン、もう一つの“IS”

もしイラクと隣国シリア内で戦っているISや他の過激組織がアメリカとヨーロッパとペルシャ湾岸諸国の権益を代表する一つの代理勢力なのであれば、独立“クルディスタン”を分離して作り上げようとしている北イラクのクルド人諸派は、もう一つの代理勢力だ。

同様に、アメリカとヨーロッパ政府は、特定のクルド人諸派に対するアメリカ-ヨーロッパの支持は継続しているのみならず、拡大する中、イラク民兵には解隊を始めるよう主張しているのだ。

ドイツのドイチェ・ヴェレ (DW)は“ドイツ軍 イラク・クルド人訓練を再開したが、任務の将来は不確実”と題する記事でこう報じている。

ドイツ軍は、日曜日、自治区とバグダッドとの間の政治的、軍事的紛争にもかかわらず、イラク・クルド人ペシュメルガ戦士の訓練を再開したと発表した。

ドイツ国軍は、イラク・クルド人が“「イスラム国」”(IS)を撃退するのを支援すべく、ペシュメルガを三年間訓練し、兵器を供給してきた。

2014年9月以来、ドイツは総計約9000万ユーロ(1兆600万ドル)にのぼる、約32,000丁の突撃ライフルと機関銃と、MILAN対戦車ミサイルを提供してきた。約150人のドイツ国軍兵士が北イラクに駐留しており、ペシュメルガ部隊もドイツ国内で訓練を受けてきた。

しかし、訓練任務は、クルド人が2014年6月以来占拠している係争中の領土に対する支配権を回復しようとして、バグダッドの中央政府が、イランに訓練された準軍事組織集団を移動させた後、一週間中断された。

ところが、もし“イランが訓練した準軍事組織集団”が、2014年6月以来クルド人が占拠している係争中の領土に対する支配権を回復すれば、これは地域から、ISの脅威は除去されたことを明白に意味し、それゆえドイツの軍事支援は、正当な理由を欠くか、決して本気で、ISと戦うつもりのものではなく、イラク中央政府と対決して、戦うもう一つの代理勢力を強化しながら、単に、出来るだけのことをしている振りをしているのだ。

DWの記事には興味深い地図もある。地図上で“クルディスタン”は、クルディスタン民主党 (KDP)と、クルディスタン愛国同盟(PUK)各派にわかれイラク北部国境にくっついているちっぽけな地域だ。これは将来の機能する自立した国民国家の基盤のようには見えず、むしろ永久に外国の後援者連中に頼り続ける、分割された、弱い代理軍だ。

依然、小国分割が狙い

言い換えれば、“クルディスタン”は、アメリカとそのパートナー諸国が両国を分割し、弱体化し、この地域中で覇権を得るための要素にすぎない。

DW記事があげた、より誠実な政治家や評論家たちは、もし本当の狙いが本当にISとの戦いなのであれば、ドイツがクルド民兵支援を継続することには、ほとんど説得力がないと言っている。ところが、アメリカは、一部のクルド人指導者がそういう形で使われるのを許す限り、進んで協力するクルド派閥を、バグダッドに対する、更には、かなりの程度、テヘランに対する代理勢力として利用しようとしているように見える。

“クルディスタン”を“独立”と“自決”の問題として描こうとする取り組みは、イラク北部地域の実際の社会政治的、経済的、軍事的状況を検討すると決して成立しない。今のところ、クルド人の将来は、クルド人自身ではなく、ワシントンとそのパートナーによって決定されつつあるのは明らかだ。しかし、この継続中の政治ゲームで、最大の犠牲を払うのは、主にクルド人自身と、彼らが戦おうとしているバグダッドを代表する民兵や兵士たちだ。

アメリカが、シリアとイラクの両方を宗派の境界線に沿って分割するのを狙っているのは公然の事実だ。ブルッキングス研究所のようなシンクタンクのアメリカ人政策立案者たちは、文字通り、そうした分裂をいかに醸成されるかを詳細に説明する“シリアの脱構築: アメリカの最も絶望的な戦争のための新戦略”といった類の題名の論文を書いている。

そうした分割は、両国が、自らの運命を決める能力を更に弱体化させ、まして地域への影響力は低下しよう。アメリカが“スンナ派”勢力圏を強化するためイラク西部の幹線道路を支配しようとしており、北部のクルド人に武器を与え、訓練し、支援している現在、イラクの三分割が依然、アメリカ政策の中核にあることは明らかだ。ISは意図的に導入されたが、ほぼその使命を終えた触媒に過ぎなかったように見える。

アメリカが次にどのような“触媒”を頼るのかわからないが、当面は、ISが、存在しながら、存在していない、ふりをして満足しているように見える。しかし、ほとんど疑問の余地がないのは、ワシントンと、そのパートナー連中が、いまだ熱心に連中の狙いを推進しようとしており、地域に対する支配力を回復する取り組みで、地域を弱体化させ続けていることだ。

Ulson Gunnar、ニューヨークを本拠とする地政学専門家、作家、オンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.org/2017/10/28/wests-kurdistan-policy-not-adding-up/
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クルド人問題、『私の闇の奥』の記事を拝読している。最新のものは、ロジャバ革命の命運(7)

驚きの猟奇事件報道。チャップリンの殺人狂時代を思い出す。

現政権方針の危険をこそ報道すべきだろう。それをいうなら自称野党の方針も。

戦争、紛争、全て商売だ。一人殺せば悪人だが、百万人殺せば英雄だ。数が殺人を神聖化する。

Wars, conflict, it's all business. "One murder makes a villain. Millions a hero". Numbers sanctify.

ビールビー・ポーテウス主教の詩が元だという。

Beilby PorteusのDeath: a Poetical Essay. 該当部分にはこうある。

The foulest stain and scandal of our nature
Became its boast. — One murder made a Villain,
Millions a Hero. — Princes were privileg'd
To kill, and numbers sanctified the crime.

民進党新代表の記者会見「希望の党と立憲民主党とは等距離」。

「労働者の権利推進を目指すアメリカ左翼はもはやなく、戦争屋と組んで戦争推進」というPaul Craig Roberts氏の指摘を想起する。

今日の日刊IWJガイドの一部を引用させて頂こう。

 民進党は昨日10月31日午後、両院議員総会で前日辞任を表明した前原誠司代表の後任として、新代表に大塚耕平参議院議員を選出しました。大塚氏は日銀出身で、民主党政権で内閣府副大臣や厚生労働副大臣を歴任しました。

・民進 新代表に大塚耕平参議院議員を選出(NHKニュース、2017年10月31日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171031/k10011205571000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_003

 大塚新代表は就任後の記者会見で、「希望の党と立憲民主党とは等距離」であるとのスタンスを示しました。意外な、そして微妙な立ち位置です。

 10月27日の両院議員総会では、衆院選で希望の党への合流を独断で決め、分裂騒動を起こした前原氏への批判が殺到しました。前原氏が「候補者の選定と政策のすり合わせは、(希望の党の)小池さんと私でやりました」と語っているように、辞任後、希望の党へ合流する前原氏とともに民進党を解党寸前にまで追い込んだ小池氏が代表を務める希望の党に対して、立憲民主と等距離でいられるのでしょうか。

 この、10月27日の両院議員総会の全記録をIWJは独自に入手。会員限定で全文公開しています。この機会にぜひ、会員登録をご検討ください!

※非公開だった10月27日の民進党両院議員総会の速記録全文入手!「前原代表は最初から『リベラル切り』を考えていたのでは!?」~民進党を一瞬で壊した前原氏に批判殺到!会員限定公開!全文必読! 2017.10.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/404091

 しかも現行の希望の党の規約には、「結党時の代表」である小池氏は、病気にならない限り、6年間は絶対に解職できないことになっています。民主的なとても公党とはいえないのではないでしょうか。

・“小池氏独裁”のための、恐るべき「希望の党」規約(BLOGOS、2017年10月30日)
http://blogos.com/article/255633/

 大塚新代表は会見でさらに、改憲については「議論に応ずる」とした上で、「もともと自衛隊については合憲であると言ってきた。憲法に書いてあろうとなかろうと合憲であることは変わらない。むしろ、憲法に書くことによって何が変わるのかを議論しなければならない」と述べました。安倍総理のいう、憲法9条3項に自衛隊を書き加えることは、現在の違憲の安保法制・集団的自衛権の容認を合憲にしてしまうことになります。大塚新代表には、もっと一般にもわかりやすい言葉で訴えかけてほしいものです。

 この会見の様子はIWJも中継しましたので、ぜひ以下の記事をご覧ください。

※民進党・新代表に選出された大塚耕平氏、両院議員総会で「次期衆院選で立憲・希望・民進を中心に政権交代実現」と意気込むも、共産党とは「政策的に相いれない部分があれば共闘は難しい」 2017.10.31
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/404108

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