- トランプ氏、対北で「武士の国」日本が動く可能性を中国に警告(AFP通信、2017年11月3日)
こういう持ち上げ方、日本を武士という名前で鉄砲玉に仕立てる下心が露骨過ぎて、呆れる。ゴルフしながら、「日本はサムライの国だろう? シンゾー。北と中国に目にもの見せてやれよ」なんて持ち上げるのは、シンゾーがいい気になりすぎそうで本当にやめてほしい。米帝への忠君烈士なんて本当に勘弁。
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(岩上安身)
こういう持ち上げ方、日本を武士という名前で鉄砲玉に仕立てる下心が露骨過ぎて、呆れる。ゴルフしながら、「日本はサムライの国だろう? シンゾー。北と中国に目にもの見せてやれよ」なんて持ち上げるのは、シンゾーがいい気になりすぎそうで本当にやめてほしい。米帝への忠君烈士なんて本当に勘弁。
日本人は、右も左も金持ちも金のない人も全員、本気で自分の国はどういう国なのか、認識し直す必要がある。土台の認識ができなければ、後の議論は全部空転。イヴァンカ訪日にお祭り騒ぎ。そのタイミングで親父のトランプは北と中国への恫喝に日本を使う。
この記事を読んで、日本は「便利な鉄砲玉として利用されてようとしている」と慎重に警戒するか。それとも、トランプに日本は「武士の国」と誉められ、認められた。つまり、武装もしていいんだ、斬り込みもしていいんだ、と調子に乗り、利用されてしまうか。
ちょうど今日、伊勢崎賢治さんから、ジャズのライブのご案内メールが届いた。こうしたご案内メールに必ず安全保障問題に関わる短いエッセイがついてくる。僕がしばしば「属国」「傀儡国家」と表現する日本の国家の土台を「緩衝国家」と表現した内容。
伊勢崎さんからのメールのタイトルはずばり「緩衝国家」。大国同士の間にあって、半主権国家、あるいは他方の従属国として、対立する大国の盾にされる国家のことです。以下、引用します。
「軍事的な主権がないことの最大の問題点は、敵を主体的に観察して勝つ戦略(一番困難な敵政権打倒後の統治もしくは外交的勝利)の思考が習慣化せず、敵の恐怖だけが政治に弄ばれること。
日本での弄ばれ方は、異常なまでに稚拙です。
『緩衝国家』の悲劇は、それを盾にしている大国が開戦の被害の当事者でなく、それでも盾になることが盾自身の盾になると思い込む理由を盾自身が見つけ続けることです。日本のことです」
北朝鮮のミサイルの脅威を煽りに煽り、具体的な外交や安全保障戦略は米国依存、国民の生命財産の保護は何もなく、ほったからしの上で、「日本を守り抜く」という空疎なスローガンを掲げた自民党と、そんな自民党を選挙で勝たせてしまった有権者。
「自発的な米国の盾=鉄砲玉志願」というのは、自発的に隷従してしまう異常な心理の、緩衝国家における一形態なのでしょう。別の形で現れれば、イヴァンカ様ご来日のお祭り騒ぎ。
さて、その伊勢崎賢治さんと、防衛省の日報問題を鋭く追及して来た布施祐仁氏が、共著を出された。(『主権なき平和国家〜地位協定の国際比較からみる日本の姿』)。このタイミングで、お二人をお招きしてお話を聞きます。近日中。ご期待ください。
※2017年11月4日付けのツイートを並べて加筆した上で、掲載しています。