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2016年7月22日 (金)

平和に向かおうとしたがゆえに暗殺されたJFK

2016年7月20日
Paul Craig Roberts

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺を、30年以上調査した研究者たちは、彼は、統合参謀本部、CIAと、シークレットサービスによる陰謀で殺害されたと結論付けている。例えば「JFK And The Unspeakable」James W. Douglass著を参照のこと。彼が殺害される少し前、ジョン・F・ケネディ大統領は、アメリカン大学で素晴らしい演説をした。演説中で、彼は、軍安保複合体の利益と、ペンタゴンとCIAの予算と権力のために、地球上のあらゆる生命を危険にさらす冷戦の継続に反対であることを表明した。

ケネディ大統領は、当時既に暗殺の標的にされていた。統合参謀本部のソ連に対するけんか腰の態度や、核戦争で勝てるという連中の思い込みを彼は否定していた。アメリカによるキューバ侵略への支持を生み出すため、アメリカ人に対する偽旗テロ攻撃を実行し、カストロのせいにする計画、統合参謀本部議長レムニッツァーの“ノースウッズ作戦”を彼は拒否していた。CIAによるピッグズ湾キューバ攻撃を、アメリカ空軍が支持したことを彼は否定していた。キューバ・ミサイル危機を和らげるため、彼は、公式チャンネルの外で、フルシチョフと協力した。アメリカ軍と治安部隊を支配する偏執的反共産主義者連中は、ケネディ大統領は自分たちの職業上の利益に役にたたず、共産主義にあまく、それゆえ、ソ連に対抗することはできないと結論付けた。連中は、ケネディを、排除すべき、アメリカの国家安全保障に対する脅威と見なしたのだ。

新たな平和運動、NoWar2016は、アメリカン大学でのこの運動の9月23-25日の会議への関心を生み出すべく、ケネディ大統領のこの演説の一部を利用している。David Swansonは、ケネディ大統領のソ連に対する手法と、現在のアメリカ政府のロシアに対する手法との違いを指摘している。ケネディの手法には希望があった。現代の手法には希望皆無だ。

ケネディ演説を聞いて、このような立派で何物をも恐れない指導者が、軍安保複合体によって消されてしまったことに失望されたい。

http://worldbeyondwar.org/best-speech-u-s-president-ever-gave/?link_id=2&can_id=b2cbef86284f0e5b5369179489dabff6&source=email-best-speech-a-us-president-ever-gave-2&email_referrer=best-speech-a-us-president-ever-gave-2&email_subject=best-speech-a-us-president-ever-gave

当時のほとんどあらゆるアメリカ人と同様、ジョン・F・ケネディ上院議員は、ソ連を恐るべき敵国と見なしていた。ソ連がアメリカに対する軍事的優位性を得つつあるという想定で“ミサイル・ギャップ”を訴えて、彼は大統領選挙を戦った。ところが大統領執務室に入るやいなや、ケネディは、誰にも必要のない戦争のために、アメリカ軍指導部が進んで、アメリカ国民の命に押しつけようとしている途方もないリスクを目にしたのだ。彼は、アメリカ軍安保複合体が、ソ連同様、生命にとって重大な脅威であることを悟ったのだ。二つの核大国間の緊張は、激化させるのではなく、和らげるべきだと彼は理解した。再選され次第、彼はアメリカのベトナム介入を中止し、CIAを懲らしめるつもりだった。ケネディの手法が軍安保複合体には是認しがたいものだったため、彼は抹殺されたのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/07/20/jfk-turned-to-peace-and-was-assassinated/
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高江大変な状態になっているようだ。下記は昨日の記事。今日もIWJによる放送が予定されている。

政府による高江での米軍ヘリパッド強行建設工事に対する1000名規模の抗議集会 2016.7.21

大本営広報部バラエティ洗脳白痴製造番組、重要な話題を、TPP同様ひたすら隠蔽。ロシア選手のリオ・オリンピック出場問題、ポケモンGOで目をそらしているようだ。(音声を消しているので、自信はない。)

対照的なガマの油広島演説、空から死に神が舞い降りたやら、普通の人々は戦争を望んでいないなどという巧妙な表現の記録本が書店で山積みなのを見ると頭がくらくらする。わざわざお金をはらい、時間を使って洗脳されるのが嬉しい奇特な方もおられるだろう。それは各人の選択だろうが、終始音声が流されていて、本を探しながら無理やり聞かされるのは困る。

ケネディ暗殺の背後にある「普通の人々は戦争を望んでいないが、我々が望んでいる。」肝心な部分の言及、当然あるわけがない。

無料で聞ける歴史的演説をこそ拝聴、拝読したいものだ。

ケネディー演説の日本語訳は、下記で読める。
アメリカン大学卒業式での演説
http://www.jfklibrary.org/JFK/Historic-Speeches/Multilingual-American-University-Commencement-Address/Multilingual-American-University-Commencement-Address-in-Japanese.aspx

あるいは、
ケネディ大統領「平和の戦略」演説(全文+和訳)①②③④
http://ameblo.jp/shinjiuchino/entry-10869208037.html
http://ameblo.jp/shinjiuchino/entry-10869535328.html
http://ameblo.jp/shinjiuchino/entry-10869787625.html
http://ameblo.jp/shinjiuchino/entry-10869787625.html

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コメント

  中年になってから、JFKのふるさとアイルランドへ、たった1ヶ月だけ「語学留学」した事がある。映画やドキュメンタリーでJFKに関心を抱いていた私は、かねてより一度はアイルランドを訪れたいと思っていた。私の思いが通じたのか、ホームステイ先の雑貨屋のご主人も、通学で毎日利用した鉄道駅の駅長も、語学学校の先生達も、相談役のスタッフたちも、英語がヘタクソな私に優しかった。(一般的にアイルランド人はかって大英帝国と戦争した日本人が好きである事は後に知った。現在の日本人の対米従属ぶりを彼らはどう思っているのだろうか?)真っ黒なギネス•ビールの旨さを知ったのもこの訪問中。アイルランド移民として密造酒でひと財産築いて息子達を政界に送った父親のジョセフ•ケネディ(ケビン•コスナー主演の映画「アンタッチャブル」にその名が登場する)、暗殺された二人のケネディ、そしてその子孫達にも不審死を遂げた者が多数、ゲネディ一族に不慮の死を遂げる者が多いのは、彼らの勇気ある人生の証だと思っている。ホームステイ先の雑貨屋のオジさんがJFKを絶賛していたことが印象的。

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