ワシントンの無頓着男に敵無し
Paul Craig Roberts
2012年2月15日
"Information Clearing House"
オバマは偽善者なのだろうか、それとも単に無頓着なのだろうか? それとも白痴だろうか?
ニュース報道によれば、バレンタイン・デーの中国副主席習近平とのオバマ・ホワイト・ハウス会談は、オバマが“中国の次期指導者と目される人物に対し、微妙な人権問題”を持ち出す機会となった。大胆で率直なオバマは、礼儀作法などはおかまいなしだった。結局、ワシントンが“あらゆる人々の熱望と権利を実現させることの重要さを我々は信じていることを強調し続ける”ことを、オバマは宣言したのだ。
ちょっとお考え願いたい。ワシントンは、イスラム教徒の男性、女性、子供達を、六ヶ国で殺害するようになってから、二度目の十年に入っている。ワシントンは人権を大いに懸念する余り、学校、病院、結婚式や葬式に爆弾を投下しているが、全てイスラム教の人々の人権を支持するためなのだ。ごろうじろ、爆撃が、ブルカ着用の義務と、男性の支配から、イスラム教徒の女性を解放するのだ。
10万人、あるいは100万人の、イラク人が殺害され、400万人のイラク人が強制退去させられ、国のインフラが破壊され、ファルージャの様に、都市丸ごと、爆撃され、白燐弾で燃やされ、灰と化するのが、人権に対する懸念を表す正しい方法なのだ。
アフガニスタンも同上。そしてリビア。
パキスタンで、イエメンで、そしてソマリアで、ワシントンの無人機は、人々に人権をもたらしている。
アブグレイブ、グアンタナモや秘密CIA監獄が、ワシントンが人権をもたらすもう一つの場所だ。適正手続き無しに、アメリカ国民を殺害する権力を持つオバマも、グアンタナモ監獄を閉鎖するには余りに微力なのだ。
イスラエルに、パレスチナやレバノン国民を殺害するための兵器を供給することを止められないほど彼は無力で、人類に対する犯罪で、イスラエルを非難するあらゆる国連決議には拒否権を行使し、オバマはイスラエルに人権をもたらしている。
ワシントンの人権のお手本に習うのではなく、邪悪な中国は、他の国々に投資し、彼らから物資を購入し、彼らに商品を売っている。
誰か外国の要人が、これまで“微妙な人権問題”を、オバマや、彼の前任者に指摘したことがあったろうか? 無辜の人々を何年間も殺害し続けながら、世界の人権擁護者であると、ワシントンが、依然として主張できるほどにまで、世界は一体どうしてこれほどおかしくなったのだろう?
21世紀に、中国は一体何人を爆撃し、無人機攻撃し、制裁措置をして存在なきものにしただろう?
シリアとイランは、人権に対するワシントンの懸念の次の犠牲者になるのだろうか?
中国の振る舞いを巡って人権への懸念を表現するオバマに対し、西欧世界丸ごとが馬鹿笑いしなかったという事実以上に、西欧の生活の全き虚構を見事に例証するものはない。
人権に対するワシントンの懸念も、空港のセキュリティーにまではおよばず、少女や祖母達が痴漢のような手さぐり捜査をうけている。反戦活動家達は自宅に侵入され、個人的所有物を持ち去られ、彼らに何らかのテロ犯罪で濡れ衣を着せるよう大陪審が招集される。米軍兵士ブラッドリー・マニングは、アメリカ憲法に違反して、二年間も幽閉されているが、アメリカの戦争犯罪を暴露したかどで彼を罰すべく、人権政府は、犯罪でっちあげを企てている。WikiLeaksのジュリアン・アサンジは、ワシントンの支配下に置く狙いで、延々、嫌がらせをうけている。ワシントンの非人道的政策を批判する人々は、監視され、スパイされる。
ワシントンは現代における最悪の人権侵害者で、しかも始まったばかりだ。
誰がワシントンの支配から、アメリカ人を解放してくれるのだろう?
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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世界中の人権を懸念して下さる宗主国、嘉手納基地爆音訴訟など全国の米軍機騒音訴訟で確定した200億円超の賠償額に関し、日米地位協定で75%を負担することになっているものを、不思議なことに、これまで全く支払って下さった事例がない。琉球新報記事
こうした賠償さえ支払わせることができない属国が、無理やり買わされ続けているドル、宗主国の侵略用戦費に化けたまま、永遠に取り返すことができない属国が、略奪的TPPに参加して、宗主国から何か勝ち取ることが可能だなどと信じる日本の庶民、おられるのだろうか?
属国、TPPに参加すれば、宗主国によって、あらゆるものをむしりとられることは、サルならぬ人間なら、瞬時にわかるだろう。
わからない人間、政治家に値しない。わかっていて、売国政策を推進するような生き物、人間というより、エイリアンというのがふさわしかろう。いつもお世話になっている理髪店の若い店長氏も「人間じゃないですよ」と言われた。
レプタリアンが地球を支配しているという言説、本当とは思っていないが、テレビに写る有名政治家、企業幹部、高級官僚、解説者、御用学者、タレント諸氏を見ていて、ひょっとすると、彼等のことをレプタリアンと言うのかも知れないと思うようになった。
売国行為という点では、東京(と大阪)の無頓着男達に敵無し?
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>宗主国から何か勝ち取ることが可能だなどと信じる日本の庶民、おられるのだろうか?
それが沢山いるから60年間従米政権が続いているのです。
尽くし続ければいつか、宗主国様もこの赤心をわかってくださるだろう。
そしてその忠義を哀れんで、少しは譲ってくださるだろうと。
「赤心?忠義?何それ食えるのおいしいの?そんなことよりカネくれよ!」(米国)
投稿: 十澄 | 2012年2月22日 (水) 19時19分