■ 高原が今シーズン7得点目!ウインターブレークに入っていたブンデスリーガが、ようやく再開。金曜日には、ドルトムントとバイエルンが対戦し、高原の所属するフランクフルトは、2位のシャルケをホームに迎えた。高原は、フォワードで先発出場した。
前半からシャルケの激しいプレスの前に、ほとんどボールがつながらないフランクフルトだったが、後半開始直後に、ゴール前のルーズボールに飛び込んできた高原がうまく点で合わせて同点に追いつく。追いついたフランクフルトは、その後、サイド攻撃を中心に攻め込むが、クロスの精度を欠き、ゴールにつながらなかった。
1対1の後半25分に、シャルケのFWクーラニーがコーナーキックからヘディングでゴールを決めて勝ち越し。試合終了間際にもカウンターからリンコンのパスを受けたクーラニーが決めて3対1。戦前の予想通りに、シャルケが勝利した。
■ 確かな実力差まず、ブンデスリーガで首位争いをするシャルケのサッカーが素晴らしかった。ホームゲームでフランクフルトは善戦したものの、勝算はほとんどなく、力の差は明らかだった。
これだけ、前線から統一感のある守備をするチームは、なかなかないだろう。それでいて攻撃が硬直することなくスムーズにボールを回し、最後の局面ではFWクーラニーやMFリンコンの才能を生かして、ゴールを奪っていく。派手さはないが、非常に魅力的なチームである。
■ 好調を維持する高原前半は、なかなか高原の位置までボールが回ってこなかったが、後半最初のチャンスを高原がものにしたことで、試合の流れは大きく変わった。中盤で両チームの選手が競り合ったこぼれ玉がゴール前に流れてきて、そのボールを拾った末のゴールだったが、あのような事態まで想定していたからこそ生まれたゴールだった。シュート自体も、決して簡単なものではなかったが、見事にゴールに流し込むことに成功した。
また、後半はゴールシーン以外でも、随所に好プレーを見せた。相手がシャルケだったこともあって、なかなか中盤が作れずに苦しい展開を強いられたが、前線で高原の位置ではきちんと起点が作れており、数少ないフランクフルトのチャンスのほとんどに高原が絡んでみせた。
相手を背負ってポストプレーを行うこと自体、それほど得意とはしていなかったが、この試合では、安定感のあるポストプレーを見せた。プレーエリアが重なる、同じフォワードのギリシャ代表アマナティディスと比べると、高原のほうがはるかに実効性のあるプレーを見せており、当分の間はレギュラーの座は安泰であると思われる。
■ 好調の原因は?フランクフルトに移籍してからずっといい感じでプレーしているので、単に”調子がいい”とだけ表現するのは、失礼かもしれない。なかなかゴールを決めることができずに、常に追い込まれた心理状態でプレーすることを強いられていたハンブルグ時代と比べると、リラックスできているように見える。精神的な充実が、好調の要因であろう。
フランクフルトというチーム自体は、それほど競争力のあるチームではないので、今後は、相手チームからよりいっそうのマークを受けることになるが、それすら跳ね返して、ゴールを量産する可能性も十分である。
■ 日本代表復帰は?3月24日のペルー戦では、オシム監督になって初めて、海外組が召集されそうである。誰が招集されるかはオシム監督の考え方次第だが、怪我がなければ高原の召集は確実だと思う。どんなプレーを見せてくれるのだろうか?