米国の民主党支持者たちは、かつてないくらい、「社会主義」を恐れなくなっている
<記事原文 寺島先生推薦>
US Democratic Voters More Than Ever Not Afraid of ‘Socialism’
テレスール 英語版 2020年3月4日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月11日
社会主義は通常、米国とは無関係だが、2020年の予備選挙では社会主義が、米国の議論の中心に置かれた。 自由市場と情け容赦のない資本主義で知られる米国は、現在、無料の全体に行き渡る医療や教育、さらには富裕税について議論している。しかし、それは少数派による単なる空想なのか、それとも、有権者は本当に左傾化しているのだろうか?
関連記事:U.S.Super Tuesday: 'At Stake Is the Soul of the Democratic Party'
2月11日のギャラップ社の世論調査では、民主党の有権者の76%が社会主義者に投票するが、共和党の有権者は、17%だけが投票すると回答した。 そして、米国国民全体の約45%が社会主義者の大統領を選択すると回答した。
しかし、「米国が“社会主義”を受け入れていると言うのは不正確です。社会主義という言葉には実体がありません。ブーマー世代(第二次世界大戦後のベビーブーム時に生まれた世代)は、社会主義をスターリン主義に関連付け、ミレニアル世代はスカンジナビアに関連付けます」と、ガーディアン紙のコラムニスト、アルワ・マダウィ氏は語った。
この理由のために、以下のことを認識することが重要になる。すなわち、米国のメディアや政治家が社会主義に言及するときに、彼らは、生産手段を社会が所有することや労働者が企業を自己運営することではなくて、資本主義の体制内での社会民主主義に似た提案をすることが、社会主義の政策の起源だと考えて論議をしていることだ。
このように社会主義という考え方が広まった理由の一つは、自らを「民主社会主義者」と呼んだバーニー・サンダース上院議員の台頭だろう。サンダース氏は、民主党の大統領予備選挙で、穏健派で主流派のライバルたちよりも、左寄りの政策を訴えてきた。さらに、アレクサンドリア・オカシオ氏やイルハン・オマル氏などの議員に対する人気が高まったことも、社会主義が流行している一つの理由だ。
このような「社会主義」を支持する最近の傾向は、資本主義に対する米国人の態度の変化を反映しているに違いない。
かつては、偏りすぎた政策だと思われていた、グリーン・ニューディール政策、富裕税、移民者を強制的に国外追放せず猶予期間を与えるという人権的なアプローチ、大学授業料無償化、国民全体に行き渡る医療プログラムなどの政策を提案することは、米国民たちに深く訴えかけるものとなっている。というのも、米国民は、経済協力開発機構(OECD)諸国の中で、1人あたりの医療費が最も高い国になっているからだ。さらに、米国では、大学卒業生の70%が、3万ドル以上の借金を抱えている。なおかつ、2019年までは、最も裕福な400人が、平均的な中産階級の労働者よりも払うべき所得税が少なかったのだ。
NBC News Exit Poll: Democratic voters think favorably of socialism in 4 #SuperTuesday states. pic.twitter.com/OOHddNWyuD
— teleSUR English (@telesurenglish) March 4, 2020
NBC Newsの出口調査の結果によると、スーパーチューズデーの民主党の予備選挙において、社会主義に賛同した投票者の方が多かった州は、4州あった。
社会主義に賛同した民主党の投票者数が多かったのは、カリフォルニア(53%)とテキサス(57%)の2州で、ノースカロライナ州とテネシー州では、賛同する投票者は、賛同しない投票者よりも多かったが、差は少なかった。
穏健派で主流派のジョー・バイデン氏は昨夜、14州のうち9州で勝利を収め、大勝となったが、サンダース氏の提案に対する支持はすなわち、米国で提唱された「社会主義」に対する支持は、まだ生きている。
昨夜のロサンゼルスでの演説の際、前副大統領のバイデン氏は、サンダースの発言の大事なポイントも利用した。しかし、やや弱い言い方だった。それは、何かが機能していないことを分かってはいるが、「赤の恐怖」宣伝の影響を、未だに受けている有権者たちのためだ。
「見てください、私たちの掲げる課題は、大胆はです。進歩主義的なものです。 手頃な価格で実現する衣料制度、というビジョンです... NRA(全米ライフル協会)と銃製造業者を打ち負かすべく立ち上がります。世界を実在的主義的色合いのある世界に変えます。気候変動への対応で世界をリードします。」とバイデン氏は、演説で約束した。
彼が戦略を変えたのが、成功したということは、選挙の結果が証明している。というのも、選挙結果がこうなったのも、サンダース氏が、全く同じ内容を語った4つの州で獲得した選挙戦初期の支持が根底にあるからだ。もしスーパーチューズデーの結果が、人々は現状を変えたいという切実な必要性に迫られていることの一点しか示していないとすれば、候補者がどのようにそのたった一つのことを提示するかが、これ以降も重要になってくる。
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